JP4308944B2 - ポリプロピレン系多層フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系多層フィルムに関するものである。さらに詳しくは、プロピレン系重合体、又はさらに特定のエチレン−α−オレフィン共重合体を配合した基材層(中間層)に特定の組成物からなるシール層及びラミネート層を設けたポリプロピレン系多層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロピレン単独重合体からなるフィルムは、剛性、透明性及び防湿性等に優れるものの、ヒートシール温度が高いことから、製袋を高速で行うことができず、生産性が向上しないという問題があった。そのため、製袋用として用いる場合には、通常、シール層としてその片面又は両面にエチレン−ブテン−プロピレン共重合体層を貼り合わせたり、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体にエチレン−プロピレンラバーやエチレン−ブテンラバー等を添加した樹脂からなる層を貼り合わせたりする等の手段がとられてきた。
【0003】
しかしながら、これらにおいてもシール温度を満足のいく程度まで下げることはできず、またエチレン−プロピレンラバーやエチレン−ブテンラバー等を添加した場合、ブロッキングを起こしやすくなる等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような上記観点からなされたものであって、ヒートシール温度が低く、また許容されるヒートシール温度範囲も広く、かつ耐ブロッキング性にも優れたポリプロピレン系多層フィルムの提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題につき鋭意検討した結果、プロピレン単独重合体又はプロピレン・エチレン共重合体からなる基材層に特定の樹脂からなるシール層及びラミネート層を設けることにより、上記の目的を達成できることを見出し、発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、下記(I)〜(III)の層からなるポリプロピレン系多層フィルムを提供するものである。
(1)(I)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体からなるラミネート層、
(II)(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体85〜75重量%と、(B)密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体15〜25重量%からなる中間層、
(III)(A)密度0.870〜0.890g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体20〜50重量%と、(B)密度0.880〜0.915g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体80〜50重量%からなるシール層。
(2)(I)(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体5〜80重量%と、(B)密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体95〜20重量%からなるラミネート層、
(II)(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体85〜75重量%と、(B)密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体15〜25重量%からなる中間層、
(III)(A)密度0.870〜0.890g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体20〜50重量%と、(B)密度0.880〜0.915g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体80〜50重量%からなるシール層。
(3)前記(III)層における2種のエチレン−α−オレフィン共重合体のうち、少なくとも1種がシングルサイト系触媒を用いて製造されたものである上記(1)又は(2)に記載のポリプロピレン系多層フィルム。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
1.本発明にかかるポリプロピレン系多層フィルムの各層の内容
(1)ラミネート層
(i)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体からなる場合、又は (ii) (A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体5〜80重量%と、(B)密度0.900〜0.950g/cm3 のエチレン−α−オレフィン共重合体95〜20重量%からなる場合である。
(i)の場合
▲1▼プロピレン単独重合体
特に問わないが、MI(メルトインデックスを示す。)が1〜20g/10分であるものが好ましい。なお、MIはJIS K−7210(測定条件:荷重2160g、温度:230℃)に準拠して測定した値である。
【0008】
▲2▼プロピレン−エチレン共重合体
いわゆるプロピレン−エチレンランダム共重合体であるが、エチレン単位の含有量は0.2〜10重量%が好ましく、0.2〜5重量%がより好ましい。10重量%を超えると、剛性が低下し、その影響により、製袋適性も低下する傾向がある。このエチレン単位の含有量は、赤外吸収スペクトル法により測定したものである。
【0009】
また、MIは1〜20g/分が好ましく、5〜10g/10分がより好ましい。1g/分未満では、透明性、フィルムインパクトが低下する場合がある。一方、20g/10分を超えると、成形不良が起こりやすくなる。なお、MIの測定は上記と同じである。
▲3▼該プロピレン単独重合体又はプロピレン−エチレン共重合体の製造方法ついては、特に制限はなく、公知の方法で製造されたものでよい。例えば、所謂チーグラー・ナッタ触媒や均一系触媒を用いた製造方法によるものである。均一系触媒としては、従来から知られているバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいは近年見いだされたシングルサイト触媒等の均一系触媒系も挙げることができる。
【0010】
▲4▼前記プロピレン単独重合体又はプロピレン−エチレン共重合体は必ずしも一つの重合体に限らず、別々に重合された二種以上の重合体であってもよい。即ち、二種以上のプロピレン単独重合体を混合したもの、二種以上のプロピレン−エチレン共重合体を混合したもの、或いは一種以上のプロピレン単独重合体及び一種以上のプロピレン・エチレン共重合体を混合したものであってもよい。
【0011】
(ii) の場合
この場合、ラミネート層は他の樹脂との良好なラミネート性を有するものとなり、他の樹脂等をラミネートする場合でも表面コロナ処理等の必要がなく、ノンアンカーラミネート用フィルムとして好適に供することができる。
(ア)(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体における各々については、上記(i)の場合と同様である。
【0012】
(イ)(B)エチレン−α−オレフィン共重合体
具体的には、直鎖状低密度ポリエチレンが該当するが、α−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、更に好ましくは炭素数6〜8のものである。密度は、0.900〜0.950g/cm3、好ましくは0.900〜0.930g/cm3、さらに好ましくは0.905〜0.925g/cm3である。0.900未満であると、耐熱性に欠け、ブロッキング等を生じやすいという問題があり、0.950を超えると剛性が高くなりすぎて、ピンホールが発生しやすく、また風合いが悪くなるおそれがある。
【0013】
(ウ)上記(A)及び(B)の配合量
(A)5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%、と(B)95〜20重量%好ましくは90〜40重量%とからなるものである。(A)が5重量%未満であると、ラミネート層と中間層との間の層間剥離が起こりやすくなりやすいという問題があり、80重量%を超えるとポリサンドラミネートを行った場合、十分な接着強度が得られないという問題がある。
(2)中間層
いわゆる基材をなす層であり、(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体85〜75重量%と、(B)密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体15〜25重量%からなるものである。
【0014】
(i)この中間層に用いられるプロピレン単独重合体,プロピレン−エチレン共重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体の内容については、上記(1)で述べた内容がそのまま適用される。
(ii)上記(A)及び(B)の配合量
(A)85〜75重量%、と(B)15〜25重量%とからなるものである。(A)が75重量%未満であると、剛性が低下するおそれがある。(A)を85重量%から75重量%の範囲で調整することにより、又は層比を調節することによりシール層との層間剥離強度を制御し、開封性の調整が可能となる。
(3)シール層
(A)密度0.870〜0.890g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体20〜50重量%と、(B)密度0.880〜0.915g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体80〜50重量%からなるものであり、かつ上記(B)の密度が(A)の密度より大きいものである。好ましくは、(B)の密度が(A)の密度より0.01〜0.05g/cm3大きいことである。
【0015】
▲1▼(A)は、密度0.870〜0.890g/cm3 、好ましくは0.875〜0.885g/cm3 である。0.870未満であると、耐ブロッキング性に劣り、生産性が低下するおそれがある。0.890を超えると低温シール性が不十分になるおそれがある。
▲2▼(B)は、密度0.880〜0.915g/cm3 、好ましくは0.890〜0.910g/cm3 である。0.880未満であると、耐ブロッキング性に劣るおそれがある。0.915を超えると低温シール性が不十分になるおそれがある。
【0016】
▲3▼上記(B)の密度が(A)の密度より大きいものである。
上記(B)の密度が(A)の密度より小さい場合、即ち、密度がより小さいエチレン−α−オレフィン共重合体の割合が大きくなった場合、ブロッキングが大きくなるおそれがある。
▲4▼前記2種のエチレン−α−オレフィン共重合体のうち、少なくとも1種がシングルサイト系触媒を用いて製造されたものである。2種のエチレン−α−オレフィン共重合体のうち、いずれもシングルサイト系触媒を用いて製造されたものでない場合、シール強度が十分高くならないおそれがある。
【0017】
シングルサイト系触媒としては、特開昭58−19309号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−300887号公報、特開平4−211694号公報、特表平1−502036号公報等に記載されるようなシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基等を1又は2個配位子とする遷移金属化合物、及び該配位子が幾何学的に制御された遷移金属化合物が挙げられ、活性点の性質が均一であることを特徴とするものである。これらの遷移金属化合物中の遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムを好ましく挙げることができる。
【0018】
また、同時に用いられる助触媒としては、上記の公報に記載されているものを用いることができる。好ましい助触媒として、鎖状又は環状アルミノキサン(例えば、メチルアルミノキサン)、イオン性化合物(例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N−ジメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム)、ルイス酸(例えば、トリフェニル硼酸、トリス(ペンタフルオロフェニル)硼酸等の硼素化合物)、アルキルアルミニウム(例えば、トリエチルアルミニウム、イソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム)等を挙げることができる。
【0019】
また、重合方法としては、気相法、溶液法等いずれの方法でもよい。
▲5▼上記(A)及び(B)の配合量
(A)20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%と、(B)80〜50重量%、好ましくは75〜55重量%である。(A)が20重量%未満であると、低温シール性が不十分になるおそれがあり、50重量%を超えるとブロッキングが大きくなるおそれがある。
【0020】
▲6▼前記2種のエチレン−α−オレフィン共重合体において、そのα−オレフィンの炭素数は6以上、好ましくは、8〜18個の範囲のものである。炭素数が6未満では、適切なシール性が得られない場合がある。このα−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の直鎖状モノオレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2,2,4−トリメチルペンテン等の分岐状モノオレフィン等を挙げることができる。これらのα−オレフィンは、それぞれ単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
MIは1〜50g/10分であることが望ましく、好ましくは1〜10g/10分である。MIが1g/10分未満でも、50g/10分を超えても生産性が低下するおそれがある。なお、MIはJIS K−7210(測定条件:荷重2160g、温度:190℃)に準拠して測定したものである。
Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量を示す。)は1.8〜3.0であることが望ましく、好ましくは、1.8〜2.5のものである。なお、Mw/Mnは、GPC法により測定する。
【0022】
さらには、共重合体の直鎖の炭素数1000個当たりの分岐数が20個以上であることが望ましく、好ましくは35個上、さらに好ましくは50個以上である。α−オレフィンにもよるが、20個以上ないと低密度とならない。この値は、1,2,3−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(90/10(体積比))混合溶媒に溶解した試料を用いて、13C−NMRスペクトル(測定装置は日本電子社製EX−400を使用)から求めたものであり、スクトルの帰属及びα−オレフィンの定量方法は、Pooter M.D.,J. Appl. Polym. Sci.,42,399 (1991)等によるものである。
【0023】
本発明の目的を損なわない範囲で、所望に応じて、常用される添加剤、具体的には酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤又は耐電防止剤などを必要に応じて配合することができる。
2.各層の層の厚み及びその比
本発明にかかるポリプロピレン系多層フィルムの全体の厚みとしては、特に制限はないが、10〜70μmの範囲のものが好ましく、OPP、PET等のフィルムへのラミネート用等には、特に15〜50μmの範囲のものがよい。
【0024】
また、構成する各層の厚み比としては、ラミネート層:中間層:シール層が、(0.1〜0.5):1:(0.1〜0.5)であり、好ましくは(0.1〜0.3):1:(0.2〜0.4)である。ラミネート層が0.5を超えると、耐熱性は高くなるものの低温シール性が低下するおそれがある。シール層が0.5を超えると、剛性が低下するおそれがある。
3.本発明にかかるポリプロピレン系多層フィルムの製造方法等
本発明にかかるポリプロピレン系多層フィルムの製造方法については特に制限はなく、ラミネート層,中間層及びシール層をそれぞれ別に製膜した後、公知のドライラミネート法により積層してもよいし、公知の共押出法により同時に成形してもよい。
【0025】
また、本発明にかかるポリプロピレン系多層フィルムは、前記(I)〜(III)の3層からなるもののみならず、該3層にさらに必要に応じて、他の樹脂、紙等が積層されたものであってもよい。
【0026】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
(1)各層の内容
(I)ラミネート層
以下の▲1▼の他に、酸化防止剤は添加せず、滑剤、アンチブロッキング剤としてシリカ系化合物を添加した。
【0027】
▲1▼プロピレン単独重合体
・出光石油化学製「F−704NP」
・密度: 0.9g/cm3
・MI: 7g/10分
(II)中間層
以下の▲1▼,▲2▼の他に、滑剤を添加した。
【0028】
▲1▼プロピレン単独重合体: 79.8重量%
・出光石油化学製「F−704NP」
・密度: 0.9g/cm3
・MI: 7g/10分
▲2▼エチレン−α−オレフィン共重合体: 20.2重量%
・出光石油化学社製「0438CL」
・密度: 0.916g/cm3
・α−オレフィンの種類:1−オクテン
(III)シール層
以下の▲1▼,▲2▼の他に、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤としてシリカ系化合物を添加した。
【0029】
▲1▼エチレン−α−オレフィン共重合体: 34.3重量%
・ダウケミカル製「エンゲージ KC−8852」
・密度: 0.874g/cm3
・MI: 3g/10分
・Mw/Mn: 2.0
・α−オレフィン : 1−オクテン
・分岐数 : 64.5
▲2▼エチレン−α−オレフィン共重合体: 65.7重量%
・ダウケミカル社製「アフィニティ PF−1140」
・密度:0.895g/cm3
・MI:1.6g/10分
・Mw/Mn:2.3
・α−オレフィン : 1−オクテン
・分岐数 :33.5
(2)フィルムの成形方法
上記の重合体のペレットを上記に示すように配合して、3層Tダイ共押出キャスト成形機により、フィルム全体厚みが20μmとなるように成形した。
【0030】
フィルムの層比は、ラミネート層(I)/中間層(II) /シール層(III) =1/5/1.5とした。成形機は、ラミネート層(I)/中間層(II) /シール層(III) に対応して、それぞれ50mmφ/65mmφ/40mmφの押出機が設けてあり、スクリュー回転数は、ラミネート層(I)/中間層(II) /シール層(III) がそれぞれ25/54/41(rpm)とした。
【0031】
ダイス出口樹脂温度はそれぞれ230℃、チルロール温度は25℃、濡れ指数は38dyn/cmとした。
また、全吐出量は46kg/時間、引取速度は68m/分とした。
(3)評価方法及び評価結果
上記(2)で得たフィルムを40℃で24時間放置して状態を調節した後、このフィルムのラミネート層に、OPPフィルム(延伸ポリプロピレンフィルム:二村化学製、グレード:FOR、厚み:20μm)をエーテル系接着剤(大日精化製、C−88)にてドライラミネートした。
【0032】
ラミネートは、中島精機エンジニアリング製(NADIC−L)ラミネート機により、OPPと上記のフィルムをそれぞれ供給することにより行った。
このドライラミネートしたフィルムについて、以下に示すヒートシール性評価を行った。
ヒートシール性評価は、上記で得られたフィルムをシール部が15mm幅となるように短冊状にサンプリングし、下記のシール条件でシール後、温度23±2℃、湿度50±10%で、16時間以上状態調節した後、同温度、湿度条件下にて、T型剥離法にてシール強度の測定をすることにより行った。この評価は、JIS Z−1707に準拠したもので、剥離速度は200mm/分とした。
【0033】
各シール温度でのヒートシール強度の値を表1に示す。
<シール条件>
シール温度:表1に示すように、85℃〜145℃にわたって5℃刻みの各温度で行った。
シール時間:1 秒
シール面積:15×10mm
シール圧力:2kg/cm2
〔比較例1〕
実施例1において、(II)中間層については、▲2▼のエチレン−α−オレフィン共重合体(出光石油化学社製「0438CL」)を用いず、さらに(III)シール層については、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体90重量%及びエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)10重量%の混合物を用いた以外は、実施例1と同様に行った。各シール温度でのヒートシール強度の値を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
(評価)
比較例1(即ち、従来のポリプロピレン系フィルムをシール層に用いたものは、120℃以下の低温ではヒートシールすることが不可能であった。一方、実施例1では、85℃という低温でもヒートシールすることが可能であり、また、広い温度範囲でヒートシール強度を保持できることがわかった。
〔比較例2〕
実施例1において、(III)シール層について、▲1▼エチレン−α−オレフィン共重合体(ダウケミカル製「エンゲージ KC−8852」)を用いず、▲2▼エチレン−α−オレフィン共重合体(ダウケミカル社製「アフィニティ PF−1140」)のみを用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0036】
このとき、300g/15mmのヒートシール強度を獲得できるヒートシール温度を測定した。実施例1においては85℃であった。一方、この比較例2では94℃となり、実施例1では低温でのヒートシール性が良好であることがわかった。
【0037】
【発明の効果】
本発明により、ヒートシール温度が低く、また許容されるヒートシール温度範囲も広く、かつ耐ブロッキング性にも優れたポリプロピレン系多層フィルムを得ることができた。
Claims (3)
- 下記(I)〜(III)の層からなるポリプロピレン系多層フィルム。
(I)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体からなるラミネート層、
(II)(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体85〜75重量%と、(B)密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体15〜25重量%からなる中間層、
(III)(A)密度0.870〜0.890g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体20〜50重量%と、(B)密度0.880〜0.915g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体80〜50重量%からなり、かつ上記(B)の密度が(A)の密度より大きいものであるシール層。 - 下記(I)〜(III)の層からなるポリプロピレン系多層フィルム。
(I)(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体5〜80重量%と、(B)密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体95〜20重量%からなるラミネート層、
(II)(A)プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレン共重合体85〜75重量%と、(B)密度0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体15〜25重量%からなる中間層、
(III)(A)密度0.870〜0.890g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体20〜50重量%と、(B)密度0.880〜0.915g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体80〜50重量%からなり、かつ上記(B)の密度が(A)の密度より大きいものであるシール層。 - 前記(III)層における2種のエチレン−α−オレフィン共重合体のうち、少なくとも1種がシングルサイト系触媒を用いて製造されたものである請求項1又は2に記載のポリプロピレン系多層フィルム。
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