JP2002294216A - シーラント用組成物およびその用途 - Google Patents
シーラント用組成物およびその用途Info
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Abstract
0.1〜20g/10分のポリプロピレン(A)と、MF
Rが0.1〜25g/10分の1-ブテン・α-オレフィ
ン共重合体(B)と、高密度ポリエチレン(C)とを特定割
合で含有してなる。本発明のシーラントフィルムは、上
記組成物からなる無延伸または延伸フィルムをシーラン
ト層として有する単層フィルムまたは2層以上の積層フ
ィルムからなる。このシーラント層の厚みは、無延伸フ
ィルムの場合、1〜100μm、また延伸フィルムの場
合、0.1〜10μmである。このシーラント層は、結
晶性ポリプロピレン基材層の片面または両面に形成され
ていることが望ましい。 【効果】本発明によれば、低温ヒートシール性に優れ、
かつ、エージングによるヒートシール性の変動を抑制で
きるシーラント層を形成できるシーラント用組成物、お
よびその組成物を用いたシーラントフィルムを提供でき
る。
Description
びその用途に関し、さらに詳しくは、包装材料として好
適に用いることができるシーラント用組成物、およびそ
の組成物からなる無延伸または延伸フィルムをシーラン
ト層として有する積層フィルムからなるシーラントフィ
ルムに関する。
充填性に優れる特性が必要とされる。このような包装材
料の中でも、ポリプロピレンフィルムは、剛性が高く、
耐熱性に優れ、かつヒートシールが可能であることか
ら、シーラント材を始めとする包装材料として広く使用
されている。
止、包装の効率化が求められてきており、これらを解決
すべく、内容物の充填速度の向上、特にシーラントフィ
ルムの低温シール性の向上による充填速度の向上が試み
られている。ところで、特開昭58−67739号公報
には、1-ブテン・エチレンランダム共重合体と少量のポ
リプロピレン、および少量の高密度ポリエチレンからな
る組成物が開示されている。しかしながら、この公報に
記載されている配合割合の組成物では、1-ブテン系共重
合体の含量が多いため、その組成物から成形されるフィ
ルムはスリップ性が悪いという問題があり、また、高密
度ポリエチレンの含量が少ないため、エージングによっ
てそのフィルムのヒートシール性が変動するという問題
があった。
は、結晶性ポリプロピレン基材の表面に、結晶性プロピ
レンランダム共重合体と1-ブテン・プロピレンランダム
共重合体とを含有する組成物からなる層を形成すること
により、低温ヒートシール性が改善されたポリプロピレ
ン複合積層体を成形することができるという記載があ
る。確かに成形後の低温ヒートシール性は優れるもの
の、成形後の上記組成物からなるフィルム層をエージン
グすると低温ヒートシール性が低下するという問題があ
った。つまり、このフィルム層を有するポリプロピレン
複合積層体を保管しておくと、特に気温が上昇する夏場
においてこのフィルム層の品質が変動するため、実用上
問題があった。
意研究し、ポリプロピレン、1-ブテン・α- オレフィン
共重合体および高密度ポリエチレンを特定の割合で配合
したシーラント用組成物からなる無延伸または延伸フィ
ルムをシーラント層とする積層フィルムを調製したとこ
ろ、この積層フィルムにより上記問題を解決することが
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
問題を解決しようとするものであって、低温ヒートシー
ル性に優れ、かつ、エージングによるヒートシール性の
変動を抑制することができるシーラント層を形成するこ
とができるシーラント用組成物、およびその組成物を用
いたシーラントフィルムを提供することを目的としてい
る。
ルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16
kg荷重)が0.1〜20g/10分であるポリプロピレ
ン(A)20〜90重量%と、メルトフローレート(M
FR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜2
5g/10分である1-ブテン・α- オレフィン共重合体
(B)10〜80重量%とを含有し、さらに、ポリプロ
ピレン(A)および1-ブテン・α- オレフィン共重合体
(B)の合計量100重量部に対し、高密度ポリエチレ
ン(C)を0.5〜15重量部含有してなることを特徴
としている。
とプロピレン以外の炭素原子数2〜20のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体であって、該共重合体の、示差
走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融点が125
〜155℃であることが望ましい。前記1-ブテン・α-
オレフィン共重合体(B)は、1-ブテンと1-ブテン以外
の炭素原子数2〜10のα- オレフィンとの共重合体で
あって、該共重合体(B)中の1-ブテン以外の炭素原子
数2〜10のα- オレフィンから誘導される構成単位含
量が0.5〜30モル%であり、示差走査型熱量計(D
SC)を用いて測定した融点が50〜130℃であり、
密度(ASTM D 1505)が880〜920kg/m3であ
り、沸騰酢酸メチル可溶分量が3重量%以下であること
が望ましい。
TM D 1505)は、通常、940〜980kg/m3であ
り、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190
℃、2.16kg荷重)が0.01〜20g/10分である。
本明に係るシーラントフィルムは、上記の、本発明に係
るシーラント用組成物からなる無延伸フィルムをシーラ
ント層として有する単層フィルムまたは2層以上の積層
フィルムからなり、該シーラント層の厚みが1〜100
μmであることを特徴としている。
ムは、上記の、本発明に係るシーラント用組成物からな
る延伸フィルムをシーラント層として有する単層フィル
ムまたは2層以上の積層フィルムからなり、該シーラン
ト層の厚みが0.1〜10μmであることを特徴として
いる。これらの積層フィルムのシーラント層は、結晶性
ポリプロピレンからなる基材層の少なくとも片面に形成
されていることが望ましい。
組成物およびその用途について具体的に説明する。シーラント用組成物 本発明に係るシーラント用組成物は、ポリプロピレン
(A)と1-ブテン・α-オレフィン共重合体(B)と高
密度ポリエチレン(C)とを含有している。
れるポリプロピレン(A)は、メルトフローレート(M
FR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が0.1〜2
0g/10分、好ましくは1〜15g/10分、さらに
好ましくは2〜10g/10分の範囲内にある。このよ
うなポリプロピレン(A)としては、プロピレンの単独
重合体、プロピレンとプロピレン以外の炭素原子数2〜
20のα- オレフィンとのランダムまたはブロック共重
合体が挙げられる。
- オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、
1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウン
デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、
1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが
挙げられる。中でも、プロピレン以外の炭素原子数2〜
10のα- オレフィンが好ましく用いられる。これらの
α- オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み
合わせて用いることができる。
から誘導される構成単位含量(プロピレン含量)は、9
0〜100モル%、好ましくは92〜100モル%であ
る。ポリプロピレン(A)の具体例としては、プロピレ
ン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン
ブロック共重合体、プロピレン・1-ブテンランダム共重
合体、プロピレン・1-ブテンブロック共重合体などが挙
げられる。
合体としては、示差走査型熱量計(DSC)で測定した
融点が125℃〜155℃、好ましくは125℃〜14
5℃の範囲にあることが望ましい。本発明で用いられる
ポリプロピレン(A)は、たとえば固体状チタン触媒成
分と有機金属化合物触媒成分とからなるオレフィン重合
用触媒、あるいはこれら両成分および電子供与体触媒成
分から形成されるオレフィン重合用触媒の存在下に、プ
ロピレンを単独重合、またはプロピレンと少なくとも1
種のプロピレン以外の炭素原子数2〜20のα- オレフ
ィンとをランダムあるいはブロック共重合することによ
り製造することができる。
えば三塩化チタンもしくは三塩化チタン組成物、さらに
はマグネシウム、ハロゲン、電子供与体(好ましくは芳
香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテ
ル)およびチタンを必須成分とし、比表面積が好ましく
は100m2/g以上の担体付チタン触媒成分が挙げら
れる。特に、後者の担体付チタン触媒成分が好ましい。
に限定されるものではないが、有機アルミニウム化合物
が好ましく、たとえばトリアルキルアルミニウム、ジア
ルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムジ
ハライドなどが挙げられる。これらの有機アルミニウム
化合物は、上記固体状チタン触媒成分の種類によって好
適なものが異なるので、適宜好適なものを選択して使用
されることになる。
リン、硫黄、酸素、珪素、ホウ素などを含む有機化合物
であって、たとえばエステル、エーテルなどが好適な例
として挙げることができる。担体付チタン触媒成分を含
むオレフィン重合用触媒を用いたポリプロピレンの製造
方法に関しては、たとえば特開昭50−108385
号、特開昭50−126590号、特開昭51−202
97号、特開昭51−28189号、特開昭52−15
1691号などの各公報に開示されている。
(A)および1-ブテン・α- オレフィン共重合体(B)
の合計量100重量%に対して、20〜90重量%、好
ましくは25〜85重量%、さらに好ましくは30〜7
0重量%の割合で用いられる。ポリプロピレン(A)を
上記範囲内の割合で用いると、低温シール性に優れるシ
ーラント用組成物が得られる。
(B)]本発明で用いられる1-ブテン・α- オレフィン
共重合体(B)は、メルトフローレート(MFR;ASTM
D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1〜25g/10
分、好ましくは0.5〜10g/10分である。本発明
で用いられる1-ブテン・α- オレフィン共重合体(B)
としては、1-ブテンと1-ブテン以外の炭素原子数2〜1
0のα- オレフィンとの共重合体であって、1-ブテン以
外の炭素原子数2〜10のα- オレフィンから誘導され
る構成単位含量(α- オレフィン含量)が0.5〜30
モル%、好ましくは1〜25モル%であり、1-ブテンか
ら誘導される構成単位含量(1-ブテン含量)が70〜9
9.5モル%、好ましくは75〜99モル%であり、メ
ルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16
kg荷重)が0.1〜25g/10分、好ましくは0.5
〜10g/10分であり、示差走査型熱量計(DSC)
で測定した融点が50〜130℃、好ましくは60〜1
30℃であり、密度(ASTM D 1505)が880〜920
kg/m3、好ましくは880〜910kg/m3であ
り、沸騰酢酸メチル可溶分量が3重量%以下、好ましく
は2.5重量%以下にあることが望ましい。中でも、X
線回折法により求めた結晶化度が5〜60%、好ましく
は20〜50%の範囲にある1-ブテン・α- オレフィン
共重合体が適している。
外の炭素原子数2〜10のα- オレフィンとしては、具
体的には、エチレン、プロピレン、4-メチル-1- ペンテ
ン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンが好ましい。こ
れらのα- オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以
上組み合わせて用いられる。上記のような1-ブテン・α
- オレフィン共重合体(B)は、たとえば(a)マグネ
シウム化合物、チタン化合物、ジエステルおよび必要に
応じてハロゲン化合物(マグネシウム化合物またはチタ
ン化合物がハロゲン原子を含む場合は、必ずしも必要で
はない)を相互に反応させ、それにより形成されるマグ
ネシウム、チタン、ハロゲン、およびジエステルを必須
成分とする固体状チタン触媒成分と、(b)有機金属化
合物からなる触媒成分とから調製されるオレフィン重合
用触媒、または上記の(a)固体状チタン触媒成分、
(b)有機金属化合物触媒成分、および電子供与体から
調製されるオレフィン重合用触媒を用いて製造すること
ができる。
に限定されるものではないが、比表面積が100m2/
g以上である担体付チタン触媒成分が好ましい。本発明
においては、担体付チタン触媒成分を用いて製造した1-
ブテン・α- オレフィン共重合体(B)が好ましい。上
記有機金属化合物触媒成分としては、特に限定されるも
のではないが、有機アルミニウム化合物が好ましい。有
機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリアル
キルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、
アルキルアルミニウムジハライドなどが挙げられる。こ
れらの有機アルミニウム化合物は、チタン触媒成分の種
類によって好適なものが異なるので、適宜好適なものを
選択して使用されることになる。
リン、硫黄、酸素、珪素、ホウ素などを含む有機化合物
であって、たとえばエステル、エーテルなどが好適な例
として挙げることができる。本発明で用いられる1-ブテ
ン・α- オレフィン共重合体(B)は、上記触媒を用い
て20〜200℃の温度範囲で、1-ブテンと1-ブテン以
外の炭素原子数2〜10のα- オレフィンとを共重合さ
せることによって調製することができる。
は、ポリプロピレン(A)および1-ブテン・α- オレフ
ィン共重合体(B)の合計量100重量%に対して、1
0〜80重量%、好ましくは15〜75重量%、さらに
好ましくは30〜70重量%の割合で用いられる。1-ブ
テン・α- オレフィン共重合体(B)を上記範囲内の割
合で用いると、低温ヒートシール性に優れるシーラント
フィルムを得ることができる。
いられる高密度ポリエチレン(C)は、密度(ASTM D 1
505)が940〜980kg/m3、好ましくは950〜
980kg/m3、さらに好ましくは955〜980k
g/m3であり、メルトフローレート(MFR;ASTM D
1238,190℃、2.16kg荷重)が0.01〜20g/10
分、好ましくは0.1〜15g/10分、さらに好まし
くは1〜15g/10分の範囲にあることが望ましい。
して、エチレンの単独重合体、またはエチレンと炭素原
子数3〜10のα- オレフィンとの共重合体を使用する
ことができる。本発明で用いられる高密度ポリエチレン
(C)は、従来公知の方法で製造することができ、たと
えば公知のチーグラー触媒を用い、スラリー法、気相法
等により製造することができる。現在、各種の高密度ポ
リエチレンが市販されており、その中から適宜選択して
使用することができる。
レン(A)および1-ブテン・α- オレフィン共重合体
(B)の合計量100重量部に対して、0.5〜15重
量部、好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは2
〜10重量部の割合で用いられる。高密度ポリエチレン
(C)を上記範囲内の割合で用いると、エージングによ
るヒートシール性の変動を抑制することができる。
ラント用組成物は、前記のポリプロピレン(A)、1-ブ
テン・α- オレフィン共重合体(B)および高密度ポリ
エチレン(C)を前記した割合で含有している。本発明
に係るシーラント用組成物は、これらの成分の他に、必
要に応じて、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、核
剤、滑剤、スリップ剤、帯電防止剤、アンチブロッキン
グ剤、防曇剤、顔料、染料などの添加剤を、本発明の目
的を損なわない範囲で添加することができる。
プロピレン(A)、1-ブテン・α-オレフィン共重合体
(B)、高密度ポリエチレン(C)および必要に応じて
上記添加剤等をタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェ
ルミキサー等で均一に混合することにより調製すること
ができるが、混合後さらに押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、ロール等で混練りしてもよい。
トフィルムと延伸シーラントフィルムとがある。 [無延伸シーラントフィルム]本発明に係る無延伸シー
ラントフィルムは、前述のシーラント用組成物からなる
無延伸フィルムをシーラント層として有する単層フィル
ムまたは2層以上の積層フィルムであって、このシーラ
ント層の厚みが1〜100μm、好ましくは1〜80μ
m、さらに好ましくは1〜75μmの範囲内にある。
積層フィルムである場合には、結晶性ポリプロピレンか
らなる基材層の少なくとも片面に、上記無延伸フィルム
からなるシーラント層を形成してなる積層フィルムが望
ましい。この基材層に用いられる結晶性ポリプロピレン
としては、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピ
レン以外の炭素原子数2〜20のα- オレフィンとのラ
ンダム共重合体またはブロック共重合体、およびこれら
のブレンド物が望ましい。
- オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、
1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウン
デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、
1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが
挙げられる。中でも、プロピレン以外の炭素原子数2〜
10のα- オレフィンが好ましく用いられる。これらの
α- オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み
合わせて用いることができる。
折法により測定される結晶化度は、通常40〜60%で
あることが望ましい。また、この結晶性ポリプロピレン
のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、
2.16kg荷重)は、通常0.5〜10g/10分である。
本発明に係る無延伸シーラントフィルムが単層フィルム
である場合、このフィルムは、たとえば従来より一般的
に用いられているキャスト成形機、インフレーション成
形機などを用いて製造することができる。
ルムが、上記シーラント層を結晶性ポリプロピレンから
なる基材層の少なくとも片面に形成された積層フィルム
である場合、このフィルムは、多層キャスト成形機、あ
るいは多層インフレーション成形機を用いて共押出法に
より製造することが望ましい。 [延伸シーラントフィルム]本発明に係る延伸シーラン
トフィルムは、前述のシーラント用組成物からなる延伸
フィルムをシーラント層として有する単層フィルムまた
は2層以上の積層フィルムであって、このシーラント層
の厚みが0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μ
m、さらに好ましくは0.5〜3μmの範囲内にある。
層フィルムである場合には、結晶性ポリプロピレンから
なる基材層の少なくとも片面に、上記延伸フィルムから
なるシーラント層を形成してなる積層フィルムが望まし
い。この基材層に用いられる結晶性ポリプロピレンとし
ては、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン
以外の炭素原子数2〜20のα- オレフィンとのランダ
ム共重合体またはブロック共重合体、およびこれらのブ
レンド物が望ましい。
- オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、
1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウン
デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、
1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが
挙げられる。中でも、プロピレン以外の炭素原子数2〜
10のα- オレフィンが好ましく用いられる。これらの
α- オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み
合わせて用いることができる。
折法により測定される結晶化度は、通常40〜60%で
ある。また、この結晶性ポリプロピレンのメルトフロー
レート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)
は、通常0.5〜4g/10分である。本発明に係る延
伸シーラントフィルムが単層フィルムである場合、この
フィルムは、たとえば従来より一般的に用いられている
キャスト成形機、インフレーション成形機などを用いて
無延伸フィルムを製造した後に、従来より一般的に使用
されているテンター方式もしくはダブルバブル方式によ
る延伸を行なうことにより製造することができる。
ムが、上記シーラント層を結晶性ポリプロピレンからな
る基材層の少なくとも片面に形成された積層フィルムで
ある場合、このフィルムは、多層キャスト成形機、ある
いは多層インフレーション成形機を用いて共押出法によ
り無延伸フィルムを製造した後に、テンター方式もしく
はダブルバブル方式等による延伸を行なって製造するこ
とが望ましい。
優れ、かつ、エージングによるヒートシール性の変動を
抑制することができるシーラント層を形成することがで
きるシーラント用組成物、およびその組成物を用いたシ
ーラントフィルム(単層および積層構造の無延伸シーラ
ントフィルム、ならびに単層および積層構造の延伸シー
ラントフィルム)を提供することができる。
発明は、これら実施例により何ら限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例で使用した成分を以下に示
す。 1)プロピレン・エチレン・1-ブテンランダム共重合体
(以下、PPと略す。) MFR(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重):7g/1
0分 DSCにて測定した融点:141℃ エチレン含量:2.7モル% 1-ブテン含量:1.2モル% 2)1-ブテン・プロピレンランダム共重合体(以下、B
Pと略す。) MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重):4g/1
0分 共重合体中のプロピレン含量:24モル% DSCにて測定した融点:75℃ 密度(ASTM D 1505):900kg/m3 沸騰酢酸メチル可溶分量:1.2重量% 3)1-ブテン・エチレンランダム共重合体(以下、BE
と略す。) MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重):4g/1
0分 共重合体中のエチレン含量:5モル% DSCにて測定した融点:104℃ 密度(ASTM D 1505):900kg/m3 沸騰酢酸メチル可溶分量:1.1重量% 4)高密度ポリエチレン(以下、PEと略す。) MFR(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重):1g/1
0分 密度(ASTM D 1505):950kg/m3 また、実施例、比較例において得られたシーラントフィ
ルムは、以下の方法に従い評価した。 (1)スリップ性 ASTM D1894に準じて、シーラントフィルムの
静摩擦係数および運動摩擦係数を測定した。 (2)耐ブロッキング性 ASTM D1893に準じて評価した。シーラントフ
ィルムを幅10cm、長さ15cmに切り出して、重ね
合わせ(シーラントフィルムが積層フィルムである場合
は、積層フィルムのシーラント層の面同士を重ね合わ
せ)、次いで、重ね合わせたフィルム(サンプル)を2
枚のガラス板で挟み10kgの荷重をかけ、50℃のエ
アーオーブン中に1日間放置した。その後 そのサンプ
ルを取り出し、剥離強度を万能試験機で測定し、1cm
当たりの剥離強度をブロッキング値とした。 (3)ヒートシール性 (a)実施例1〜3および比較例1、2におけるヒート
シール性 シーラントフィルムを重ね合わせ(シーラントフィルム
が積層フィルムである場合は、積層フィルムのシーラン
ト層の面同士を重ね合わせ)、次いで、80℃、90
℃、100℃、120℃の各温度で2kg/cm2の圧
力で1秒間、幅5mmのシールバーでヒートシールした
後、放冷した。
を切り取り、クロスヘッドスピード200mm/分でヒ
ートシール部分を剥離した際の強度を万能試験機で測定
した。また、上記シーラントフィルムを、40℃の空気
雰囲気下で1週間エージングした後に、前記方法と同様
にしてヒートシール部分の剥離した際の強度を万能試験
機で測定し、測定した強度の値をエージング後のヒート
シール強度とした。
度の測定用サンプルとして、130℃でヒートシールし
たサンプルを追加した。 (b)実施例4および比較例3におけるヒートシール性 シーラントフィルムを重ね合わせ(シーラントフィルム
が積層フィルムである場合は、積層フィルムのシーラン
ト層の面同士を重ね合わせ)、次いで、80℃、85
℃、90℃、95℃、100℃の各温度で2kg/cm
2の圧力で1秒間、幅5mmのシールバーでヒートシー
ルした後、放冷した。
を切り取り、クロスヘッドスピード200mm/分でヒ
ートシール部分を剥離した際の強度を万能試験機で測定
した。また、上記シーラントフィルムを、40℃の空気
雰囲気下で1週間エージングした後に、前記方法と同様
にしてヒートシール部分の剥離した際の強度を万能試験
機で測定し、測定した強度の値をエージング後のヒート
シール強度とした。
量%と、前記PE 5重量%とをヘンシェルミキサーで
均一に混合し、キャスト成形機を用いて、厚さ70μm
の単層の無延伸シーラントフィルムを製造した。この無
延伸シートフィルムについて、静止摩擦係数、運動摩擦
係数、ブロッキング値、ヒートシール強度およびエージ
ング後のヒートシール強度を上記方法に従って測定し
た。結果を第1表に示す。
%に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さ70
μmの単層の無延伸シーラントフィルムを製造した。こ
の無延伸シートフィルムについて、静止摩擦係数、運動
摩擦係数、ブロッキング値、ヒートシール強度およびエ
ージング後のヒートシール強度を上記方法に従って測定
した。結果を第1表に示す。
量%に変更し、BP60重量%の代わりに前記BEを5
0重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚
さ70μmの単層の無延伸シーラントフィルムを製造し
た。この無延伸シーラントフィルムについて、静止摩擦
係数、運動摩擦係数、ブロッキング値、ヒートシール強
度およびエージング後のヒートシール強度を上記方法に
従って測定した。結果を第1表に示す。
なかった以外は、実施例1と同様にして、厚さ70μm
の単層の無延伸シーラントフィルムを製造した。この無
延伸シーラントフィルムについて、静止摩擦係数、運動
摩擦係数、ブロッキング値、ヒートシール強度およびエ
ージング後のヒートシール強度を上記方法に従って測定
した。結果を第1表に示す。
なかった以外は、実施例1と同様にして、厚さ70μm
の単層の無延伸シーラントフィルムを製造した。この無
延伸シーラントフィルムについて、静止摩擦係数、運動
摩擦係数、ブロッキング値、ヒートシール強度およびエ
ージング後のヒートシール強度を上記方法に従って測定
した。結果を第1表に示す。
75重量%、前記BE 25重量%および前記PE 2重
量%に、さらにスリップ剤[商品名 アルフローP−1
0、日本油脂(株)製]をPP、BEおよびPEの合計
量に対して2400重量ppm、アンチブロッキング剤
[商品名 サイロイド244、富士デビソン(株)製]
をPP、BEおよびPEの合計量に対して2200重量
ppm添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合し、シ
ーラント用組成物を得た。
形成用のホモポリプロピレン(MFR;ASTM D 1238,2
30℃、2.16kg荷重)=2g/10分)を、多層成形機を
用いて共押出して2層フィルムを成形した。次いで、こ
の2層フィルムを、テンター方式の2軸延伸機を用い
て、延伸フィルムを製造した。この延伸は、MD方向の
延伸倍率を5倍、TD方向の延伸倍率10倍とし、MD
延伸ロール温度130℃、TD延伸オーブン温度170
℃の条件で行なった。
フィルムにおける基材層の厚さが27μmであり、シー
ラント層の厚さが3μmであった。この延伸シーラント
フィルムについて、静止摩擦係数、運動摩擦係数、ブロ
ッキング値、ヒートシール強度およびエージング後のヒ
ートシール強度を上記方法に従って測定した。結果を第
2表に示す。
なかった以外は、実施例4と同様にして、延伸フィルム
を製造した。上記のようにして得られた延伸シーラント
フィルムにおける基材層の厚さが27μmであり、シー
ラント層の厚さが3μmであった。
止摩擦係数、運動摩擦係数、ブロッキング値、ヒートシ
ール強度およびエージング後のヒートシール強度を上記
方法に従って測定した。結果を第2表に示す。
ーラント層および60μm厚の基材層からなる2層無延
伸フィルムを成形した。基材層形成用樹脂として、MF
R(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が7g/10分
のホモポリプロピレンを使用した。また、シーラント層
用組成物として、前記PP、BP、PEを第3表に示す
割合で配合した組成物を使用した。
摩擦係数、運動摩擦係数、フィルムのブロッキング値、
ヒートシール強度、40℃で一週間エージングした後の
ヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度は、シ
ール温度を第3表に示す温度にした以外は、実施例1〜
3と同様の方法で測定した。結果を第3表に示す。
外は、実施例5と同様にして、10μm厚のシーラント
層および60μm厚の基材層からなる2層無延伸フィル
ムを成形した。この無延伸フィルムのシーラント面の静
止摩擦係数、運動摩擦係数、フィルムのブロッキング
値、ヒートシール強度、40℃で一週間エージングした
後のヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度
は、シール温度を第3表に示す温度にした以外は、実施
例1〜3と同様の方法で測定した。結果を第3表に示
す。
Claims (8)
- 【請求項1】メルトフローレート(MFR;ASTM D 123
8,230℃、2.16kg荷重)が0.1〜20g/10分であ
るポリプロピレン(A)20〜90重量%と、 メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.
16kg荷重)が0.1〜25g/10分である1-ブテン・
α- オレフィン共重合体(B)10〜80重量%とを含
有し、さらに、 ポリプロピレン(A)および1-ブテン・α- オレフィン
共重合体(B)の合計量100重量部に対し、高密度ポ
リエチレン(C)を0.5〜15重量部含有してなるこ
とを特徴とするシーラント用組成物。 - 【請求項2】前記ポリプロピレン(A)が、プロピレン
とプロピレン以外の炭素原子数2〜20のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体であって、該共重合体の、示差
走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融点が125
〜155℃であることを特徴とする請求項1に記載のシ
ーラント用組成物。 - 【請求項3】前記1-ブテン・α- オレフィン共重合体
(B)が、1-ブテンと1-ブテン以外の炭素原子数2〜1
0のα- オレフィンとの共重合体であって、該共重合体
(B)中のα- オレフィンから誘導される構成単位含量
が0.5〜30モル%であり、示差走査型熱量計(DS
C)を用いて測定した融点が50〜130℃であり、密
度(ASTM D 1505)が880〜920kg/m3であり、
沸騰酢酸メチル可溶分量が3重量%以下であることを特
徴とする請求項1に記載のシーラント用組成物。 - 【請求項4】前記高密度ポリエチレン(C)の密度(AS
TM D 1505)が940〜980kg/m3であり、メルト
フローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷
重)が0.01〜20g/10分であることを特徴とす
る請求項1に記載のシーラント用組成物。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のシーラン
ト用組成物からなる無延伸フィルムをシーラント層とし
て有する単層フィルムまたは2層以上の積層フィルムか
らなり、該シーラント層の厚みが1〜100μmである
ことを特徴とするシーラントフィルム。 - 【請求項6】前記積層フィルムのシーラント層が、結晶
性ポリプロピレンからなる基材層の少なくとも片面に形
成されていることを特徴とする請求項5に記載のシーラ
ントフィルム。 - 【請求項7】請求項1〜4のいずれかに記載のシーラン
ト用組成物からなる延伸フィルムをシーラント層として
有する単層フィルムまたは2層以上の積層フィルムから
なり、該シーラント層の厚みが0.1〜10μmである
ことを特徴とするシーラントフィルム。 - 【請求項8】前記積層フィルムのシーラント層が、結晶
性ポリプロピレンからなる基材層の少なくとも片面に形
成されていることを特徴とする請求項7に記載のシーラ
ントフィルム。
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