JP2007246781A - シーラント用樹脂組成物、シーラントフィルム、および積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が1〜60(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が110〜150℃であるプロピレン系重合体(A)30〜96重量%、 特定のエチレン系重合体(B)2〜50重量%、およびメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜25(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が100℃以下であるプロピレン系共重合体(C)2〜50重量%から形成されるシーラント用樹脂組成物である。この組成物から得られるフィルムは、包装用フィルムのシーラント層として好適である。
【選択図】なし
Description
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.5〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.890〜0.950(g/cm3)の範囲にあり、かつかつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
を満たすエチレン系重合体(B)2〜50重量%、および
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜25(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が100℃以下であるプロピレン系共重合体(C)2〜50重量%
から形成されるシーラント用樹脂組成物に関する。
本発明の樹脂組成物におけるプロピレン系重合体(A)としては、公知のプロピレン単独重合体、またはエチレンないしは炭素数4〜20のα―オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体を挙げることができる。プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)としては1〜60(g/10分)、好ましくは5〜40(g/10分)、さらに好ましくは15〜35(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が110〜150℃、好ましくは120〜145℃の範囲にあるプロピレンランダム共重合体が好ましく利用される。このようなランダム共重合体を使用することで低温ヒートシール性、耐熱性、ホットタック性およびフィルム外観に優れたシーラントフィルムを得ることができる。
本発明の樹脂組成物におけるエチレン系重合体(B)としては、ASTMD1238に準じ190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(以下MFRと略記する)が1〜50、好ましくは3〜40(g/10分)であり、密度(ASTMD1505)が0.900〜0.940、好ましくは0.900〜0.930(g/cm3)であり、かつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
を満たす。ここで、MTおよびMFRは、いずれも190℃で測定した値である。メルトテンション(MT)は、溶融させたエチレン系重合体を一定速度で延伸したときの応力を測定することによって求められる値である。具体的には、東洋精機製MT測定機を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻取速度15m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定した値である。
本発明の組成物に使用されるエチレン系重合体(B)は、前記の物性を満たしている限り、ラジカル触媒を用いて高圧下で製造されたいわゆる高圧法ポリエチレンであっても、あるいはチーグラー触媒またはメタロセン触媒を用い、エチレンとα−オレフィン等のコモノマーの存在下、中低圧下で製造されたいわゆる中低圧ポリエチレンであってもよい。高圧法ポリエチレンでは、分子鎖中に長鎖分岐が存在し、これにより高い溶融張力を示すことから、本発明においては好ましく使用できる。上記式を満たすポリマーとしては、市販品を用いることができる。
本発明の樹脂組成物において使用されるプロピレン系重合体(C)としては、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンが挙げられ、好ましくは1−ブテンである。プロピレン系共重合体(C)中のプロピレン由来の構成単位の含有量としては、50モル%〜90モル%、好ましくは60モル%〜80モル%、より好ましくは60モル%〜75モル%である。(ここでプロピレン由来の構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位との合計を100モル%とする)。
146exp(−0.022M)≧Tm≧125exp(−0.032M)
の範囲にあるものが望ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)とエチレン系重合体(B)およびプロピレン系共重合体(C)からなり、その混合割合は、(A)が30〜96、好ましくは40〜92重量%、より好ましくは50〜90重量%、(B)が2〜50、好ましくは3〜40重量%、より好ましくは4〜30重量%、(C)が2〜50、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは5〜40重量%の範囲にある。ここで、(A)、(B)および(C)の合計量は100重量%である。各成分の割合がこの範囲内にあると、その組成物から得られるフィルムは、低温ヒートシール性、ホットタック性および耐熱性に優れており、実用上好適なシーラントフィルムが得られる。
本発明の樹脂組成物からフィルム成形することによって、低温ヒートシール性を必要とする包装材のシーラントフィルムを製造することができる。フィルムの成形は、ポリオレフィンのフィルムを得ることのできる公知の方法、例えばキャスト成形法、インフレーション成形法、押出コーティング法等を採用することができるが、後述の本発明の積層体を効率良く得ることができるという観点から、押出コーティング法が好ましい。キャスト成形法、インフレーション成形法の場合は通常樹脂温度160〜240℃の条件で均一膜厚の良好なフィルムを製造することができる。押出コーティング法の場合は通常樹脂温度200〜320℃の条件を採用できる。フィルムの厚みは、特に制限はないが通常1〜100μm、好ましくは3〜80μmの範囲である。
前記シーラントフィルムは、それ単独で使用することも可能であるが、基材に積層した積層体の構成で、一般に包装フィルムまたは包装シートとして使用される。
本発明の樹脂組成物は、特には押出コーティング成形において良好な成形性が発現することから、積層体の製造においても押出コーティング法が好ましい。
(1) プロピレン含量、1-ブテン含量 13C−NMRを利用して求めた。
(2) 分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。
直径27mm、長さ600mmの分離カラム(TSK GNH HT)を用い、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。
(3) 融点(Tm)
パーキンエルマー社製DSC−7型装置(示差走査型熱量計(DSC))を用いて測定した。
試料約5mgをアルミパンに詰めて200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、−20℃/min.で−20℃まで冷却し、−20℃で2分間保持した後、20℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
(4)メルトフローレート(MFR)
ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重にて測定した。
また、実施例等で得られたシーラント用樹脂組成物を用いて成形したフィルムのヒートシール強度、およびホットタック強度について、下記の方法で評価を行った。
得られたフィルムを重ねあわせて、2kg/cm2の圧力で1秒間巾5mmのシールバーにより、各温度でヒートシールした後、放冷した。
次いでこの試料から15mm巾の試験片を切り取り、クロスヘッドスピード200mm/minでシートヒール部を剥離した際の剥離強度を測定し、ヒートシール強度とした。
得られたフィルムを重ねあわせて、幅12.7mmのシールバーを用いて、各温度において、0.42MPaの圧力で1秒間ヒートシールした直後に、400cm/min.の速度で引き剥がしたときに発生する力を測定した。
コア層用にスクリュー径40mmφの押出機を、スキン層用およびシーラント層用にそれぞれ30mmφの押出機を備えた、ダイ幅300mmの3種3層T−ダイキャスト成形機を使用し、スキン層用押出機およびシーラント層用押出機に、表1および表2に示す組成の原料を供給し、コア用押出機に、下記ホモポリプロピレンを供給して、成形温度(押出機のバレルの設定温度)220℃、チルロール温度30℃にて、スキン層/コア層/シーラント層(10μm/50μm/10μm)の層構成からなるフィルムを作成した。
ホモポリプロピレン(融点:160℃、MFR(230℃):3.0g/10分)
(A1)プロピレン系重合体(融点:138℃、MFR(230℃):7.0g/10分、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体):70wt%
(B1)エチレン系重合体(融点:106℃、MFR(190℃):7.2g/10分、MT(190℃):60g、ミラソン11P((株)プライムポリマー)):15wt%
(C1)プロピレン系共重合体(融点:76℃、MFR(230℃):7.0g/10分、プロピレン・1−ブテン共重合体,Mw/Mn=2.1、ブテン含量28.0mol%):15wt%。
プロピレン系共重合体として、(融点:91℃、MFR(230℃):7.0g/10分、プロピレン・1−ブテン共重合体(C2),Mw/Mn=2.1、ブテン含量22.0mol%)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
プロピレン系重合体、エチレン系重合体、およびプロピレン系共重合体を表1記載の組成で使用した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
Claims (5)
- メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が1〜60(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が110〜150℃であるプロピレン系重合体(A)30〜96重量%、
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.5〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.890〜0.950(g/cm3)の範囲にあり、かつかつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
40×(MFR)−0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)−0.67
を満たすエチレン系重合体(B)2〜50重量%、および
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜25(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が100℃以下であるプロピレン系共重合体(C)2〜50重量%
から形成されるシーラント用樹脂組成物。 - 前記プロピレン系共重合体(C)のゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分散度(Mw/Mn)が1.5〜3であることを特徴とする請求項1記載のシーラント用樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の樹脂組成物からなるシーラントフィルム。
- 厚さが1〜100μmである請求項3記載のシーラントフィルム。
- 請求項3または4に記載のシーラントフィルムの層と、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミ箔、紙、および蒸着フィルムとからなる群から選ばれる少なくとも一つのフィルム層とを含むことを特徴とする積層体。
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