JP5068959B2 - シーラント用樹脂組成物、シーラントフィルム、および積層体 - Google Patents

シーラント用樹脂組成物、シーラントフィルム、および積層体 Download PDF

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本発明はシーラント用樹脂組成物、特には成形性が良好で耐熱性、低温ヒートシール性を持つシーラントフィルムを得ることのできる樹脂組成物、さらにはそれから得られるシーラントフィルムおよび積層体に関する。
近年の食の多様化に伴い、様々な包装材料が提案され、様々なヒートシール強度を有するシーラントフィルムの開発が所望されている。例えば、熱に弱い食品を包装する際、内容物保護のため比較的低温でヒートシールする必要がある。そのような用途に対しては、低温でのヒートシールでも強いシール強度を示すようなシーラントフィルムが求められている。さらには、幅広いヒートシール温度可能温度を有し、ヒートシール温度を変えることでシール強度を調節できるようなシーラントフィルムも所望されている。
特開昭61−106648号公報には、プロピレンランダム共重合体と1−ブテン系からなる組成物が開示されている。(特許文献1)
特開平10−338778号公報にはプロピレン・1−ブテンランダム共重合体と低密度ポリエチレンからなる組成物により、低温ヒートシール性が良好なシーラントフィルムが成形性良く得られることが開示されている。しかしながら、同公報によって得られるシーラントフィルムは、ホットタック性および耐熱性に劣り、包装できる内容物にも限りがあった。(特許文献2)
特開昭61−106648号公報 特開平10−338778号公報
本発明は、低温ヒートシール性、ホットタック性に優れ、かつ耐熱性にも優れたシーラントフィルムを得ることのできるシーラント樹脂組成物、その組成物から得られるシーラントフィルム、およびそれを用いた積層体の提供を目的とする。
本発明者らは、ある特定の樹脂組成物を用いたフィルムにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が1〜60(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が110〜150℃であるプロピレン系重合体(A)30〜96重量%、
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.5〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.900〜0.930(g/cm)の範囲にあり、かつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
40×(MFR)−0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)−0.67
を満たすエチレン系重合体(B)2〜50重量%、および
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜25(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が100℃以下であり、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、共重合体中のプロピレン由来の構成単位の含有量が50〜90モル%である(ここでプロピレン由来の構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位との合計を100モル%とする)プロピレン系共重合体(C)2〜50重量%
から形成されるシーラント用樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、上記本発明の樹脂組成物からなるシーラントフィルムおよび積層体に関する。
本発明の樹脂組成物から得られるフィルムは、低温でのヒートシール性、ホットタック性、および耐熱性に優れ、その産業上の利用価値は極めて高い。
本発明は、プロピレン系重合体、エチレン系重合体およびプロピレン系共重合体から構成される樹脂組成物、またその組成物を用いたシーラントフィルム、積層体に関する。次にそれらの各構成について具体的に説明する。
プロピレン系重合体(A)
本発明の樹脂組成物におけるプロピレン系重合体(A)としては、公知のプロピレン単独重合体、またはエチレンないしは炭素数4〜20のα―オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体を挙げることができる。プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)としては1〜60(g/10分)、好ましくは5〜40(g/10分)、さらに好ましくは15〜35(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が110〜150℃、好ましくは120〜145℃の範囲にあるプロピレンランダム共重合体が好ましく利用される。このようなランダム共重合体を使用することで低温ヒートシール性、耐熱性、ホットタック性およびフィルム外観に優れたシーラントフィルムを得ることができる。
このようなプロピレン系重合体(A)は、典型的には固体状チタン触媒と有機金属化合物を主成分とする触媒、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いたメタロセン触媒の存在下でプロピレンを重合あるいはプロピレンと他のα―オレフィンを共重合させることによって製造することができる。
エチレン共重合体(B)
本発明の樹脂組成物におけるエチレン系重合体(B)としては、ASTMD1238に準じ190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(以下MFRと略記する)が1〜50、好ましくは3〜40(g/10分)であり、密度(ASTMD1505)が0.900〜0.940、好ましくは0.900〜0.930(g/cm)であり、かつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
40×(MFR)-0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)-0.67
を満たす。ここで、MTおよびMFRは、いずれも190℃で測定した値である。メルトテンション(MT)は、溶融させたエチレン系重合体を一定速度で延伸したときの応力を測定することによって求められる値である。具体的には、東洋精機製MT測定機を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻取速度15m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定した値である。
エチレン共重合体(B)のMFRが上記範囲にあり、MTが上記関係式の範囲内にあることで、樹脂組成物の溶融張力を高め、成形性が良好となる。
本発明の組成物に使用されるエチレン系重合体(B)は、前記の物性を満たしている限り、ラジカル触媒を用いて高圧下で製造されたいわゆる高圧法ポリエチレンであっても、あるいはチーグラー触媒またはメタロセン触媒を用い、エチレンとα−オレフィン等のコモノマーの存在下、中低圧下で製造されたいわゆる中低圧ポリエチレンであってもよい。高圧法ポリエチレンでは、分子鎖中に長鎖分岐が存在し、これにより高い溶融張力を示すことから、本発明においては好ましく使用できる。上記式を満たすポリマーとしては、市販品を用いることができる。
また、本発明の組成物に使用されるエチレン系重合体(A)は、本発明におけるシーラントフィルムとしての特性を損なわない限り、エチレンと少量の酢酸ビニル等の不飽和カルボン酸との共重合体であっても良い。
プロピレン系共重合体(C)
本発明の樹脂組成物において使用されるプロピレン系重合体(C)としては、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンが挙げられ、好ましくは1−ブテンである。プロピレン系共重合体(C)中のプロピレン由来の構成単位の含有量としては、50モル%〜90モル%、好ましくは60モル%〜80モル%、より好ましくは60モル%〜75モル%である。(ここでプロピレン由来の構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位との合計を100モル%とする)。
プロピレン系共重合体(C)の示差走査熱量計(DSC)で測定した融点は、100℃以下である。好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは40〜90℃、より好ましくは40〜85℃の範囲である。
また、MFR(190℃)は0.1〜25、好ましくは0.5〜25、より好ましくは1〜25(g/10分)の範囲にある。この範囲内にあると、成形機のモーターに過大な負荷を与えることなく、高い成形スピードでフィルムを成形することができる。
このようなプロピレン系共重合体(C)は、典型的には固体状チタン触媒と有機金属化合物を主成分とする触媒、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いたメタロセン触媒の存在下でプロピレンと他のα―オレフィンを共重合させることによって製造することができる。好ましくはメタロセン触媒の存在下でプロピレンと他のα―オレフィンを共重合させることによって得られるプロピレン系共重合体であり、その分子量分散度(Mw/Mn)は1.5〜3.0、好ましくは1.7〜2.5の値を示す。
このようなプロピレン共重合体は例えば国際公開番号WO2004/087775号パンフレットに記載されているような触媒を用いて得ることができる。このようなプロピレン共重合体は、該融点Tm(℃)と13C−NMRスペクトル測定にて求められる炭素数2〜20のα−オレフィン(但しプロピレンを除く)由来の構成単位含量M(モル%)が
146exp(−0.022M)≧Tm≧125exp(−0.032M)
の範囲にあるものが望ましく用いられる。
樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)とエチレン系重合体(B)およびプロピレン系共重合体(C)からなり、その混合割合は、(A)が30〜96、好ましくは40〜92重量%、より好ましくは50〜90重量%、(B)が2〜50、好ましくは3〜40重量%、より好ましくは4〜30重量%、(C)が2〜50、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは5〜40重量%の範囲にある。ここで、(A)、(B)および(C)の合計量は100重量%である。各成分の割合がこの範囲内にあると、その組成物から得られるフィルムは、低温ヒートシール性、ホットタック性および耐熱性に優れており、実用上好適なシーラントフィルムが得られる。
本発明の樹脂組成物の特徴として、ある特定の性質を持つエチレン系重合体およびプロピレン系共重合体を、樹脂組成物の構成成分として使用することにある。前記のようなエチレン系重合体およびプロピレン系共重合体を使用することで、低温ヒートシール性とホットタック性、耐熱性に優れたフィルムを成形性良く得ることができる。
本発明においては、本発明の樹脂組成物としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の添加物を含んでいてもよい。
また、前記各成分および必要に応じて各種添加剤を、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機でブレンドした後、一軸ないしは二軸の押出機を用いてペレット状として後述のフィルム成形に使用することも可能であるが、前記成分をブレンドした状態でフィルム成形機に供することも可能である。
シーラントフィルム
本発明の樹脂組成物からフィルム成形することによって、低温ヒートシール性を必要とする包装材のシーラントフィルムを製造することができる。フィルムの成形は、ポリオレフィンのフィルムを得ることのできる公知の方法、例えばキャスト成形法、インフレーション成形法、押出コーティング法等を採用することができるが、後述の本発明の積層体を効率良く得ることができるという観点から、押出コーティング法が好ましい。キャスト成形法、インフレーション成形法の場合は通常樹脂温度160〜240℃の条件で均一膜厚の良好なフィルムを製造することができる。押出コーティング法の場合は通常樹脂温度200〜320℃の条件を採用できる。フィルムの厚みは、特に制限はないが通常1〜100μm、好ましくは3〜80μmの範囲である。
積層体
前記シーラントフィルムは、それ単独で使用することも可能であるが、基材に積層した積層体の構成で、一般に包装フィルムまたは包装シートとして使用される。
基材としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、スチレン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルのフィルム、ナイロン6やナイロン6,6のようなポリアミドのフィルム、またはこれらの延伸フィルム、ポリオレフィンフィルムとポリアミドフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムのようなガスバリヤー性のある樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム等の金属箔、あるいはアルミニウムやシリカ等を蒸着させた蒸着フィルムや紙等が、包装材の使用目的に応じて適宜選択使用される。この基材フィルムは、1種類のみならず、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
シーラントフィルム層は、積層体の少なくとも一方の最外層に位置するので、その製造にあたり、基材上に前記本発明の樹脂組成物を直接押出コーティングしたり、基材とシーラントフィルムとをドライラミネーションしたり、あるいは両層を構成する樹脂を共押出する方法を採用することができる。
本発明の樹脂組成物は、特には押出コーティング成形において良好な成形性が発現することから、積層体の製造においても押出コーティング法が好ましい。
積層体の実施態様として、シーラントフィルム層/ポリオレフィンフィルム層/他のフィルム層やシーラントフィルム層/他のフィルム層の構成を挙げることができる。ここで、他のフィルム層としては、前記したポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルムとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム箔、蒸着フィルム、および紙からなる群から選ばれる層を挙げることができる。
シーラントフィルム層、ポリオレフィン層、他のフィルム層とが充分な接着強度で接合できない場合には、例えばシーラントフィルム層/ポリオレフィンフィルム層/接着層/他のフィルム層の構成の様に、各層の間に接着層を設けることができる。接着層としては、ウレタン系やイソシアネート系接着剤のようなアンカーコート剤を用いたり、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのような変性ポリオレフィンを接着性樹脂として用いると、隣接層を強固に接合することができる。
さらに、前記した積層体フィルムのシーラントフィルム層同士を向かい合わせ、あるいは積層体フィルムのシーラントフィルム層と他のフィルムとを向かい合わせ、その後、外表面側から所望容器形状になるようにその周囲の少なくとも一部をヒートシールすることによって、容器を製造することができる。また周囲を全てヒートシールすることにより、密封された袋状容器を製造することができる。この袋状容器の成形加工を内容物の充填工程と組み合わせると、すなわち、袋状容器の底部および側部をヒートシールした後内容物を充填し、次いで上部をヒートシールすることで包装体を製造することができる。従って、この積層体フィルムは、スナック菓子やパン等の固形物、粉体、あるいは液体材料の自動包装装置に利用することができる。
また、積層体ないしシーラントフィルムを、または他のフィルムないしシートを予め真空成形や圧空成形等によりカップ状に成形した容器、射出成形等で得られた容器、あるいは紙基材から形成された容器等に内容物を充填し、その後本発明の積層体フィルムを蓋材として被覆し、容器上部ないし側部をヒートシールすることにより、内容物を包装した容器が得られる。この容器は、即席麺、味噌、ゼリー、プリン、スナック菓子等の包装に好適に利用される。
次に実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1) プロピレン含量、1-ブテン含量 13C−NMRを利用して求めた。
(2) 分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。
直径27mm、長さ600mmの分離カラム(TSK GNH HT)を用い、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。
(3) 融点(Tm)
パーキンエルマー社製DSC−7型装置(示差走査型熱量計(DSC))を用いて測定した。
試料約5mgをアルミパンに詰めて200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、−20℃/min.で−20℃まで冷却し、−20℃で2分間保持した後、20℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
(4)メルトフローレート(MFR)
ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重にて測定した。
また、実施例等で得られたシーラント用樹脂組成物を用いて成形したフィルムのヒートシール強度、およびホットタック強度について、下記の方法で評価を行った。
[ヒートシール強度]
得られたフィルムを重ねあわせて、2kg/cm2の圧力で1秒間巾5mmのシールバーにより、各温度でヒートシールした後、放冷した。
次いでこの試料から15mm巾の試験片を切り取り、クロスヘッドスピード200mm/minでシートヒール部を剥離した際の剥離強度を測定し、ヒートシール強度とした。
[ホットタック強度]
得られたフィルムを重ねあわせて、幅12.7mmのシールバーを用いて、各温度において、0.42MPaの圧力で1秒間ヒートシールした直後に、400cm/min.の速度で引き剥がしたときに発生する力を測定した。
[実施例1]
コア層用にスクリュー径40mmφの押出機を、スキン層用およびシーラント層用にそれぞれ30mmφの押出機を備えた、ダイ幅300mmの3種3層T−ダイキャスト成形機を使用し、スキン層用押出機およびシーラント層用押出機に、表1および表2に示す組成の原料を供給し、コア用押出機に、下記ホモポリプロピレンを供給して、成形温度(押出機のバレルの設定温度)220℃、チルロール温度30℃にて、スキン層/コア層/シーラント層(10μm/50μm/10μm)の層構成からなるフィルムを作成した。
コア層用原料
ホモポリプロピレン(融点:160℃、MFR(230℃):3.0g/10分)
スキン層、シーラント層用原料
(A1)プロピレン系重合体(融点:138℃、MFR(230℃):7.0g/10分、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体):70wt%
(B1)エチレン系重合体(融点:106℃、MFR(190℃):7.2g/10分、MT(190℃):60g、ミラソン11P((株)プライムポリマー)):15wt%
(C1)プロピレン系共重合体(融点:76℃、MFR(230℃):7.0g/10分、プロピレン・1−ブテン共重合体,Mw/Mn=2.1、ブテン含量28.0mol%):15wt%。
なお(C1)プロピレン系共重合体は、具体的には以下の方法に準じ、スケールアップして必要量のポリマーを得た。充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、866mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン90gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を65℃に昇温し、プロピレンで0.7MPaに加圧した。次いで、ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温65℃、プロピレン圧0.7MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、12.5gであった。
(C2)プロピレン系共重合体(融点:91℃、MFR(230℃):7.0g/10分、プロピレン・1−ブテン共重合体,Mw/Mn=2.1、ブテン含量22.0mol%):15wt%。(C1)の製法に準じ、重合条件を変更して得た。
[実施例2]
プロピレン系共重合体として、(融点:91℃、MFR(230℃):7.0g/10分、プロピレン・1−ブテン共重合体(C2),Mw/Mn=2.1、ブテン含量22.0mol%)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
[比較例1〜4]
プロピレン系重合体、エチレン系重合体、およびプロピレン系共重合体を表1記載の組成で使用した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
Figure 0005068959
Figure 0005068959
表1に示した結果から明らかなように、本発明のフィルムは、低いシール温度で高いシール強度が発現する。また、ホットタック性も良好であった。また、160℃以上でのホットタック性の値からわかるように、耐熱性も良好であった。
本発明のシーラント用樹脂組成物は、それから得られるフィルムが低温でのヒートシール性に優れており、かつ、ホットタック性も良好であり、また耐熱性にも優れるため、食品包装用容器に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が1〜60(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が110〜150℃であるプロピレン系重合体(A)30〜96重量%、
    メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.5〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.900〜0.930(g/cm)の範囲にあり、かつメルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)とが次の関係式
    40×(MFR)−0.67 ≦ MT ≦ 250×(MFR)−0.67
    を満たすエチレン系重合体(B)2〜50重量%、および
    メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜25(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が100℃以下であり、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、共重合体中のプロピレン由来の構成単位の含有量が50〜90モル%である(ここでプロピレン由来の構成単位と炭素数2〜10のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位との合計を100モル%とする)プロピレン系共重合体(C)2〜50重量%
    から形成されるシーラント用樹脂組成物。
  2. 前記エチレン系重合体(B)が高圧法ポリエチレンである請求項1に記載のシーラント用樹脂組成物。
  3. 前記プロピレン系共重合体(C)のゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分散度(Mw/Mn)が1.5〜3であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシーラント用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなるシーラントフィルム。
  5. 厚さが1〜100μmである請求項4に記載のシーラントフィルム。
  6. 請求項4または請求項5に記載のシーラントフィルムの層と、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミ箔、紙、および蒸着フィルムとからなる群から選ばれる少なくとも一つのフィルム層とを含むことを特徴とする積層体。
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