JPH10120840A - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物

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JPH10120840A
JPH10120840A JP27483896A JP27483896A JPH10120840A JP H10120840 A JPH10120840 A JP H10120840A JP 27483896 A JP27483896 A JP 27483896A JP 27483896 A JP27483896 A JP 27483896A JP H10120840 A JPH10120840 A JP H10120840A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では発揮しえなかつた低温高収縮
性、変形回復性、およびシュリンク包装時のトレー変形
が少なく、商品性に優れた包装を実現するシュリンクフ
イルムが得られるポリオレフィン系樹脂組成物の提供を
課題とする。 【解決手段】 (A)密度とMFRが特定されたエチレ
ンα−オレフィン共重合体、(B)エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、および(C)ポリプロピレン系樹脂又はポ
リプロピレン系樹脂とポリブテン−1系樹脂との混合樹
脂のいずれかからなる配合比率が特定されたポリオレフ
ィン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてフィルム
成形用のポリオレフィン系樹脂組成物に関し、特にシュ
リンク包装に適した優れた特性を有しており、それ自身
の単層フィルムの他に、多層フィルムを構成する少なく
とも1つの層としての利用が可能なポリオレフィン系樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】包装用フィルムとして一般に要求される
特性には、機械的強度、透明性や光沢等の光学特性、ヒ
ートシール性の他、包装機械適性としての腰や滑り、更
には食品包装用途には防曇性がある。従来、これらの要
求特性を単一の樹脂からなるフィルムで満足させるのは
困難であることから、複数の樹脂を用いた組成物からな
るフィルムが提案されている。例えば、特公平2−46
064号公報には、ポリプロピレン(以下、PPと記
す。)系樹脂100重量部、密度0.900〜0.94
0g/cm3 の直鎖状低密度エチレン共重合体2〜30
重量部およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、E
VAと記す。)2〜30重量部からなる樹脂組成物が開
示されており、該公報によれば、PP本来の長所である
透明性、高弾性率を維持しつつ、その欠点である耐寒
性、ヒートシール性が改善されると記述されている。
【0003】また、特開昭63−41550号公報に
は、密度0.91g/cm3 以下、融点110℃以上、
1%モジュラス100〜1000kg/cm2 の超低密
度ポリエチレンと、結晶性PP、およびEVA等の組成
が特定されたフィルム成形用樹脂組成物があり、この組
成物から得られたフィルムは伸び易さと破れにくさとい
う相反する性質を改善し、包装性においても卓越した汎
用性と仕上がりの美しさを有しており、可塑化ポリ塩化
ビニルフィルムの代替として有用である旨の記述がなさ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、包装方法には被
包装物の種類や形状、更には包装体としての要求に応じ
て種々の方法が採用されている。中でもシュリンク包装
は、その特徴として、被包装物の形状や大きさに依らず
また同時に複数個の製品を迅速且つタイトに包装するこ
とができ、得られた包装物は外観が美しく、ディスプレ
イ効果を発揮し、商品価値を高め、また内容物を衛生的
に保ち、視覚による品質確認が容易なことから食品、雑
貨等の包装に多用されている。このシュリンク包装に用
いるフィルムとしては、前記した一般に要求される特性
に加えて、保管を含めて流通過程で寸法変化を起こさな
い程度の低温収縮性で、且つフィルムの包装仕上がりの
点から、トレー等の容器を用いてのシュリンク包装時
に、フイルムの収縮力により容器が変形を起こさず、し
かも出来るだけ高い熱収縮率を有することが必要であ
る。更に、得られた包装体上のフィルムに加わる種々の
変形に対して生じるフイルムの歪み(輸送中の振動、段
積みされた特に下段の包装物に加わる荷重や環境温度の
変化等による内容物の変形、および指で押したりした場
合にフィルムに生じるタルミやシワ、さらには局部的な
凹み)が、できるだけ元の状態に速やかに回復するだけ
の変形回復性をフイルムが有していることが、商品性と
いう観点から強く望まれている。
【0005】しかしながら、上記従来技術、即ち特公平
2−46064号公報で開示されている樹脂組成物から
シュリンクフィルムを得ようとしても、熱収縮率が小さ
いものしか得られず、実用性に乏しい他、収縮温度も高
温になってしまい内容物の種類によっては熱的ダメージ
を受ける場合があり、エネルギーコスト面でも問題があ
る。また、シュリンク包装後のフイルムの変形回復性も
不十分なものである。一方、特開昭63−41550号
公報に開示されている樹脂組成物は、本質的にストレッ
チ包装に適したものであり、実用的な熱収縮率を得よう
とすると、保管も含めた流通過程でフイルムの寸法変化
を起こしてしまう危険が大きく、一方この危険を回避す
るために、寸法変化を起こす原因となるフイルムの低温
収縮成分(本発明においては、40℃における収縮成分
を言う。)をフィルム成形後に加熱弛緩処理によって除
去すると熱収縮率が小さなものになってしまい、シュリ
ンクフィルムとしての適性を失ってしまうか、もしくは
シュリンク包装後の変形回復性が著しく劣ったものしか
得られなくなるといった問題を有していた。
【0006】本発明者らは、これらの問題を解決するた
め鋭意検討した結果、樹脂組成中のエチレンα−オレフ
ィン共重合体(A)の密度、メルトフローレート及び組
成比を特定することにより、上記問題を解決し得ること
を見出した。すなわち、本発明の課題は、従来樹脂組成
物が有する優れた諸特性、即ち優れた延伸製膜性、得ら
れるフィルムの透明性、ヒートシール性、耐衝撃性等の
機械的特性等が同様な効果を発揮することに加えて、従
来技術では発揮し得なかった低温高収縮性、変形回復
性、およびシュリンク包装時のトレー変形が少なく、商
品性に優れた包装を実現するシュリンクフィルムを得る
ことが可能なポリオレフィン系樹脂組成物を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)密度が0.910g/cm3 を越え、0.935
g/cm3 以下であり、かつ、メルトフローレート(1
90℃,2.16kgf)が0.3〜5.0g/10分
であるエチレンα−オレフィン共重合体5〜90重量
%、エチレン−酢酸ビニル共重合体5〜70重量%、お
よび(C)ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系
樹脂とポリブテン−1(以下、PB−1)系樹脂との混
合樹脂のいずれか5〜60重量%からなることを特徴と
するポリオレフィン系樹脂組成物である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明が従来技術と相違する点は、上記樹脂組成物中のエ
チレンα−オレフィン共重合体(A)の密度とメルトフ
ローレート(以下、MFRと記す。)を特定し、且つ該
樹脂組成物の組成を特定した点にあり、このことによ
り、良好な延伸製膜性、ヒートシール性、耐衝撃性に加
えて、従来成し得なかった低温高収縮性および変形回復
性を発揮するシュリンクフィルムを得ることが可能とな
ったのである。
【0009】本発明で使用するエチレンα−オレフィン
共重合体(A)は、安定した延伸製膜性を維持し、フィ
ルム全体に低温収縮性を発現させ、耐衝撃性や引き裂き
強度および突き刺し強度等の機械的強度を付与し、また
変形回復性を発現させる上で最も重要なものである。該
エチレンα−オレフィン共重合体としては、線状低密度
ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等があり、これら
はエチレンとプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1等の炭素数が3〜18のα−オレフィンから選ばれる
少なくとも1種類の単量体との共重合体であるが、耐衝
撃性や引き裂き強度、突き刺し強度等の機械的強度、お
よび延伸製膜性の点から、α−オレフィンとしては4−
メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1が
好ましい。
【0010】以上のエチレンα−オレフィン共重合体
は、チーグラー触媒等の従来のマルチサイト触媒を用い
て得られた重合体、またはメタロセン系触媒等のシング
ルサイト触媒で重合された分子的(コモノマー分布
等)、分子量分布的に従来の方法で重合されたものよ
り、より均一化されたもの(例えば、重量平均分子量/
数平均分子量で表される値が1.5〜3.5のもの、よ
り好ましくは1.5〜3.0のもの)であり、両者を混
合したものでもよく、これらから少なくとも1種が用い
られる。ここで、分子量分布は重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表され、
Mw及びMnは、Waters Associates
社製の150型高温GPC装置とPERKIN ELM
ER社製のFTIRを接続し、カラムとして東ソー社製
GMH−H6を2本、昭和電工社製AT−807Sを1
本使用して測定されるものであり、溶剤にはトリクロロ
ベンゼン(TCB)を用い、140℃の条件で測定され
た値である。上記シングルサイト触媒で重合されたエチ
レンα−オレフィン共重合体には、制御された長鎖分岐
を有したものであったり、上記α−オレフィンに加え、
極性基を有する単量体やスチレン系モノマー等のその他
の単量体が共重合されたものであっても良い。
【0011】本発明で使用するエチレンα−オレフィン
共重合体(A)は、その密度が0.910g/cm3
越え、0.935g/cm3 以下であり、かつ、MFR
(190℃、荷重2.16kgf:以下、エチレンα−
オレフィン共重合体については、同条件。)が0.3〜
5.0g/10分のものである。本発明で言う密度と
は、JIS−K−7112に従って測定される23℃の
値である。密度が0.935g/cm3 を越えると他の
樹脂との相溶性が低下して、延伸時にフィルムが破れた
り白化を生じやすくなって延伸製膜性が悪くなる他、延
伸が可能であっても結果として延伸温度が高くなってし
まい、低温収縮性に乏しいフィルムになってしまう。ま
た、得られたフィルムは耐衝撃性等の機械的強度が低下
する。一方、密度が0.910g/cm3 以下であると
シュリンクフィルムとしての実用的な収縮特性(例え
ば、熱収縮率、適度な熱収縮応力)が得難くなるか、ま
たはシュリンク包装後の変形回復性が低下する。好まし
い密度は、0.910g/cm 3 を越え、0.930g
/cm3 以下、より好ましくは0.910g/cm3
越え、0.925g/cm3 以下である。また、本発明
におけるMFRは、JIS−K−7210に従って測定
される値であるが、該エチレンα−オレフィン共重合体
(A)のMFRが0.3g/10分未満では、押出成形
時の押出動力が上昇し、押し出された原反の表面平滑性
が低下したり、他の樹脂との相溶性が低下して延伸時に
厚み斑を生じたり、フィルムに局部的な白化を生じたり
する他、ヒートシール性も低下する傾向にある。MFR
が5.0g/10分を越えると、延伸製膜性が低下して
延伸時にフィルムが破れたり、厚み斑を生じ易くなる
他、フィルムが得られても耐衝撃性や引き裂き強度等の
機械的強度に劣ったものしか得られない。好ましいMF
Rは0.5〜4.5g/10分、より好ましくは0.8
〜3.5g/10分である。
【0012】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物中の
上記特定のエチレンα−オレフィン共重合体(A)の占
める比率は5〜90重量%であり、この比率が5重量%
未満の場合は延伸製膜性の低下、および変形回復性に加
えて耐衝撃性や引き裂き強度等の機械的強度が劣化し、
一方90重量%を越えるとヒートシール性が低下する
他、防曇剤を添加した際のフィルム表面への移行性が低
下し、防曇性が発揮しづらくなる。本発明のポリオレフ
ィン系樹脂組成物中のエチレンα−オレフィン共重合体
(A)の占める好ましい比率は10〜80重量%、より
好ましくは20〜70重量%である。
【0013】次に、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物はEVA(B)を5〜70重量%含む。このEVA
(B)は、上記エチレンα−オレフィン共重合体(A)
では不十分な低温でのヒートシール性を改良し、他の樹
脂成分である(A)や(C)との組成物を形成すること
でシール温度範囲を拡大でき、その結果優れたヒートシ
ール性を発揮する。また、防曇剤を添加した際のフィル
ム表面への移行を促進し、良好な防曇性を発揮し得る。
更に重要なことは、フィルムが低温高収縮であってもシ
ュリンク時の収縮応力がトレー等の容器類を代表とする
被包装物を変形させないように、過度の収縮応力を抑制
する作用をする。また、本発明のポリオレフィン系樹脂
組成物を多層フィルムを構成する少なくとも1つの層と
して利用する場合は隣接する層との層間接着性を高める
働きをする。該EVAの比率が70重量%を越えると、
他の樹脂(A)および(B)の取り得る比率が本発明の
特定比率を下回り、延伸性が悪くなる他、耐衝撃性や引
き裂き強度等の機械的強度、変形回復性が劣化する。ま
た、該EVAの比率が5重量%を下回るとシール性が悪
くなり、また防曇剤を添加した場合の防曇性が劣化し、
収縮包装時にトレー等の被包装物が変形し易くなり、商
品価値を低下させる。好ましいEVA(B)の比率は5
〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
EVA(B)の酢酸ビニル基含量としては、5〜26重
量%、MFR(190℃、2.16kgf:以下、EV
Aについては同条件。)が0.3〜10g/10分のも
のが好ましい。
【0014】更に、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物は、上記特定のエチレンα−オレフィン共重合体
(A)とEVA(B)の他に、(C)PP系樹脂又はP
P系樹脂とPB−1系樹脂との混合樹脂のいずれか5〜
60重量%を含む。この樹脂成分(C)は、フィルムに
適度な硬さや腰を付与して包装機械適性を向上し、耐熱
性も発揮することで流通および保管中のフィルムの寸法
安定性を確保し、更にヒートシール性に関しては適性温
度範囲を拡大することが可能で、安定したシールの確
保、特に高速でのヒートシール性を向上させる効果を発
揮する。該樹脂成分(C)はPP系樹脂を必須として、
特に透明性や耐熱性を低下させずに硬さの調整(柔軟
化)をしたい場合にPB−1系樹脂を更に配合するもの
である。PB−1系樹脂を配合する場合、PP系樹脂と
の合計量に対するPB−1系樹脂の重量比率は50重量
%以下で用いられる。本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物中の該樹脂成分(C)の比率が60重量%を越える
と延伸製膜温度が相対的に高温条件となって収縮温度が
高くなってしまう結果、低温収縮性が損なわれる他、熱
収縮率も低下して実用的なシュリンクフィルムが得にく
くなる。また、得られたフィルムの変形回復性も劣化す
る。一方、樹脂成分(C)の比率が5重量%未満の場合
は、耐熱性や硬さが低下し、特にヒートシール性やフィ
ルムの寸法安定性が悪くなる。樹脂成分(C)の好まし
い比率は10〜50重量%、より好ましくは10〜40
重量%である。
【0015】本発明に用いられる上記PP系樹脂として
は、ホモのPP、プロピレン含量が70重量%以上のプ
ロピレンと他のα−オレフィン(エチレンの他、炭素数
4〜8のもの)の1種または2種以上との共重合体であ
って、チーグラー・ナッタ触媒のような従来の触媒で重
合されたもの以外に、前述のメタロセン系触媒等で重合
されたシンジオタクチックPPやアイソタクチックPP
等も含まれ、更に50重量%程度までの高濃度のゴム成
分を均一微分散したものであっても良く、これらのうち
少なくとも1種が用いられる。上記PP系樹脂のMFR
(230℃、2.16kgf:以下、PP系樹脂につい
ては同条件。)は、通常0.1〜10g/10分のもの
である。同様にPB−1系樹脂としては、ブテン−1含
量70モル%以上の結晶性で他の単量体(エチレン、プ
ロピレンの他、炭素数5〜8のオレフィン系)の1種ま
たは2種以上との共重合体をも含む高分子量のものが用
いられる。このものは、液状およびワックス状の分子量
のものとは異なり、MFR(190℃、2.16kg
f:以下、PB−1系樹脂については同条件。)が、通
常0.1〜10g/10分のものである。特に低温収縮
性といった点で、中でも好ましいPB−1系樹脂として
は、ビカット軟化点が40〜100℃の共重合体であ
る。ここで、ビカット軟化点はJIS K7206−1
982に従って測定される値である。
【0016】本発明の樹脂組成物には、その本来の特性
を損なわない範囲で必要に応じ、その他の樹脂を更に5
0重量%を越えない範囲で混合しても良く、混合する樹
脂の例として、水添ポリジシクロペンタジエン、水添ポ
リテルペン等の石油樹脂、結晶性1,2−ポリブタジエ
ン、スチレン−共役ジエン共重合体(ブロック、ランダ
ム)および該共重合体の少なくとも一部を水添したも
の、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチ
レン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、ポリ
オレフィン系エラストマー(例えば、ビカット軟化点が
60℃以下のもの、アイオノマー樹脂、高圧法低密度ポ
リエチレン、遷移金属触媒によって重合された高分岐度
エチレンポリマー(分岐度:5〜110基/1000炭
素)等が挙げられる。
【0017】また、同様に本発明の樹脂組成物には、そ
の本来の特性を損なわない範囲で、防曇剤、可塑剤、酸
化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、
無機フィラー等を添加してもよく、また、フィルムの表
面にショ糖エステルや各種シリコーンエマルジョン、シ
リコーンオイル、各種界面活性剤、高級脂肪酸金属塩、
およびポリビニルアルコール等の公知の表面改質用高分
子等を必要に応じて適宜溶媒で希釈してコーティングし
ても良い。
【0018】本発明の樹脂組成物を用いて得られる単層
フィルムの厚みは、通常5〜40μmであり、好ましく
は7〜20μmのものであるが、本発明の樹脂組成物は
それ自身を単層フィルムとして構成する他に、多層フィ
ルムの主体層として構成して利用することが可能であ
る。この多層フイルムの厚みも通常上記の単層の場合と
同じでよい。但し、この単層フィルムを多層フィルムの
主体層として構成して利用する場合、全層に対するこの
単層フイルムの厚み比率(本発明においては、同一樹脂
組成を2層以上に分割して使用する場合はその合計比率
を意味する。)は、他の層のそれぞれの層の比率を少な
くとも上回ればよい。従って、場合によっては本発明の
単層フィルムの厚み比率は、多層フィルム全層に対し5
0%を下回ることがあるが、50%以上であることが好
ましい。多層フィルムとして利用する場合の本発明の樹
脂組成物の層の配置としては、表層または内部層とし
て、あるいは両者に同時に使用してもよい。
【0019】多層フィルムの場合のその他の層に使用さ
れる樹脂の例としては、高圧法低密度ポリエチレン、低
圧法高密度ポリエチレン、エチレンα−オレフィン共重
合体(一般に低密度線状ポリエチレン、超低密度線状ポ
リエチレンと呼ばれているものであって、マルチサイト
系およびシングルサイト系触媒のいずれを用いて重合さ
れたものであってもよい。)、EVA、エチレン−脂肪
族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和
カルボン酸エステル共重合体、PP系樹脂、PB−1系
樹脂、軟質のポリオレフィン系エラストマー(通常、ビ
カット軟化点が60℃以下のもの)、ポリアミド、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体、ポリエステル系樹
脂、熱可塑性ポリウレタン、酸変性ポリオレフィン等の
公知の樹脂が用いられる。本発明の樹脂組成物を多層フ
ィルムとして利用する場合、単層の場合と同様、各層に
対して防曇剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色
剤、紫外線吸収剤、滑剤、無機フィラー等を添加しても
よく、前述した各種コーティング処理も同様に施してよ
い。
【0020】更に、本発明の樹脂組成物を用いて得られ
る熱収縮性フィルム(多層の場合も同様である。)は、
100℃における熱収縮率が20%以上、好ましくは2
5%以上、より好ましくは30%以上のものであり、タ
テ、ヨコの少なくとも1方向の値である。この値が20
%未満では、基本的に低温収縮性に乏しく、包装時シュ
リンク後のフィット性が不十分になり、包装後にシワや
タルミが発生する原因となる。100℃における熱収縮
率の上限は特に制限はないが、シュリンク包装時の被包
装物の変形を押さえるといった観点より、90%、好ま
しくは80%程度である。また、本発明の樹脂組成物を
用いて得られる熱収縮性フィルムの効果として、シュリ
ンク包装時にトレー等の容器の変形が少ないことが挙げ
られるが、これは80〜100℃におけるフィルムのタ
テとヨコの平均収縮力として110g/15mm幅以
下、好ましくは100g/15mm幅以下、より好まし
くは90g/15mm幅以下の値を有する結果としても
たらされるものであり、下限は仕上がりのタイト性や変
形回復性といった観点より15g/15mm幅程度であ
る。この収縮力の測定方法は、フィルムを幅15mmの
短冊状にサンプリングし、それをストレインゲージ付き
のチャックにチャック間50mmに緩めることなくセッ
トし、それを80〜100℃に加熱したシリコーンオイ
ル中に浸漬して発生した収縮力をタテ、ヨコそれぞれに
ついて検出し、浸漬1分後における値をフィルムの収縮
力とするものである。
【0021】次に、本発明の樹脂組成物を用いたフィル
ムの製造方法の一例について述べるが、これに限定され
るものではない。まず、本発明の樹脂組成物を押出機で
(多層フィルムの場合、各層を構成する樹脂をそれぞれ
の押出機で)溶融してダイより押出し急冷して、フィル
ム原反を得る。この際、押出はTダイ法、サーキュラー
ダイ法等を用いることができ、好ましくは後者が良い。
このようにして得た該フィルム原反を延伸に適した温度
にまで加熱して延伸を行う。
【0022】また、延伸は少なくとも1方向に面積延伸
倍率で5〜50倍、好ましくは8〜36倍で延伸し、用
途により必要な熱収縮率に応じて適宜選択される。延伸
方法としては、ロール延伸法、テンター法、インフレ法
(ダブルバブル法を含む)等、特に制限はないが、同時
二軸延伸で製膜される方法が好ましい。また、必要に応
じ、後処理、例えば寸法安定化のためのヒートセット、
コロナ処理、プラズマ処理の他、他種フィルム等とのラ
ミネーションが行われてもよい。
【0023】更に、得られたフィルムは架橋されていて
もよく(多層の場合、少なくとも一つの層が架橋されて
いてもよい)、架橋処理は電子線、γ線、紫外線等のエ
ネルギー線照射やパーオキサイドの利用等の従来公知の
方法が用いられる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例にて更に詳
しく説明するが、本発明で用いた測定評価方法は、以下
の通りである。 (1)熱収縮率 100mm角のフィルム試料を所定の温度に設定したエ
アーオーブン式恒温槽に入れ、自由に収縮する状態で1
0分間処理した後、フィルムの収縮量を求め、元の寸法
で割った値の百分比で表した。1軸延伸の場合は延伸方
向の値、2軸延伸の場合には、タテ、ヨコ両方向ついて
各々測定した。
【0025】(2)変形回復性 中がくり貫かれた状態の外寸法が180×180mmの
木枠をフィルム支持台とし、該支持台の中心部に外寸法
が82×82mmの升状の木型を該支持台の各辺が平行
を保つようにして、該支持台の上面より15mm突き出
させ、この状態でフィルムを覆い被せてフィルム支持台
のへりに両面テープで固定した。この際、フィルムの張
りは最小限で、かつタルミが生じないように注意深く固
定した。次いで、この状態のままで90℃の熱風トンネ
ルを3秒間通過させ、フィルムをシュリンクさせた。ト
ンネル通過後、室温(約23℃)で3分放置後にフィル
ム支持台から升状の木型を抜き取り、その10分後に該
支持台に固定されているフィルムの表面の状態を観察し
た。タルミやシワまたは局部的な凹みがほとんどなく商
品性に優れるものを◎、タルミやシワ、または局部的な
凹みがわずかに認められるが商品性に問題のないものを
○、明らかにタルミやシワ、局部的な凹みが残ってお
り、商品性に問題のあるものを×とし、○と×の中間レ
ベルのものを△とした。
【0026】(3)落錘衝撃強度 ASTM−D−1709に準じて測定した。 (4)引き裂き強度 JIS−P−8116に準じて、軽荷重引き裂き試験機
(東洋精機製)を用いて、タテ方向(MD)とヨコ方向
(TD)各々について測定した。なお、ここでの測定の
読みは、目盛りの20〜60の範囲になるように測定を
行うが、測定レンジによって測定値に差がある場合は、
高い方の値を採用した。
【0027】(5)突き刺し強度 農林規格第10条に準じて、フィルムを内寸法で125
mm×125mmの木枠に固定し、その中心部に直径
1.0mm、先端形状0.5mmRの針を50±5mm
/分の速度で突き刺し、針が貫通するまでの最大荷重を
測定し、その値を突き刺し強度とした。
【0028】次に、実施例および比較例において使用し
た樹脂を以下に記す。 LL1:エチレンα−オレフィン共重合体(α−オレフ
ィン=ヘキセン−1、密度=0.912g/cm3 、M
FR=0.8g/10分) LL2:エチレンα−オレフィン共重合体(α−オレフ
ィン=ヘキセン−1、密度=0.912g/cm3 、M
FR=2.0g/10分) LL3:エチレンα−オレフィン共重合体(α−オレフ
ィン=ヘキセン−1、密度=0.917g/cm3 、M
FR=1.8g/10分) LL4:エチレンα−オレフィン共重合体(α−オレフ
ィン=オクテン−1、密度=0.920g/cm3 、M
FR=1.0g/10分) LL5:エチレンα−オレフィン共重合体(α−オレフ
ィン=ヘキセン−1、密度=0.918g/cm3 、M
FR=6.0g/10分) LL6:エチレンα−オレフィン共重合体(α−オレフ
ィン=ヘキセン−1、密度=0.937g/cm3 、M
FR=2.0g/10分) VL1:エチレンα−オレフィン共重合体(α−オレフ
ィン=ブテン−1、密度=0.890g/cm3 、MF
R=1.0g/10分) EVA1:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含量=10重量%、MFR=1.5g/10分) EVA2:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含量=15重量%、MFR=2.2g/10分) EVA3:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含量=25重量%、MFR=3g/10分) PP1:ポリプロピレン系樹脂(アイソタクチックポリ
プロピレン(ホモポリマー)、MFR=4.0g/10
分、融点(DSC法最高融解ピーク温度)=160℃) PP2:ポリプロピレン系樹脂(エチレンをコモノマー
とする共重合体、MFR=1.8g/10分、融点(D
SC法最高融解ピーク温度)=140℃) PP3:ポリプロピレン系樹脂(エチレンとブテン−1
をコモノマーとする共重合体、MFR=5.0g/10
分、融点=131℃) PP4:ポリプロピレン系樹脂(メタロセン系触媒によ
り重合されたシンジオタクチックポリプロピレン、Mw
/Mn=2.1、MFR=2.5g/10分、融点=1
49℃) PB1:ポリブテン−1系樹脂(プロピレンをコモノマ
ーとする共重合体、MFR=1.0g/10分、ビカッ
ト軟化点=59℃)
【0029】
【実施例1】エチレンα−オレフィン共重合体;LL1
を50重量%、EVA;EVA2を30重量%、および
PP系樹脂;PP2を20重量%になるように計量し、
これらの原料樹脂をリボンブレンダーにて均一に混合し
た後、得られた混合樹脂原料を約220℃に加熱された
40mm押出機に投入した。この際、混合樹脂原料には
添加剤としてジグリセリンラウレートとグリセリンモノ
オレートを1:2の重量比で混合したものを2重量%配
合した。押出機にて溶融混練りされた樹脂組成物は環状
ダイを用いて押出した後、冷水にて急冷固化して折り幅
205mm、厚み150μmのチューブ状原反を作製し
た。この際、チューブ内部には、6%オレイン酸ナトリ
ウム水溶液を封入し、ニップロールでしごくことによ
り、内面コーティングを施した。
【0030】次いで、この原反を2対の差動ニップロー
ル間に通し、約85℃に加熱した後、内部に空気を圧入
してバブルを形成させて連続延伸を行い、約25℃の冷
風を吹き付けてバブルを折り畳み、延伸倍率でタテ3.
7倍、ヨコ3.4倍に同時二軸延伸した厚み12μmの
フィルムを安定して得た。このフィルムの評価結果を表
1に示すが、熱収縮性、変形回復性、及び落錘衝撃強
度、引き裂き強度、突き刺し強度等の機械的強度は実用
上十分なレベルのものであった。また、製膜後3日経過
した上記フィルムを更に23℃のエアーオーブン式恒温
槽で48時間保管した後、20℃の水が入ったビーカー
をこのフィルムで覆って密封し、5℃の冷蔵庫で約1時
間放置後、フィルムに付着した水の状態を観察したとこ
ろ、水滴の付着はほとんど見られず防曇性に優れるもの
であった。
【0031】このフィルムを使用して、被包装物に体長
約10cmの冷凍エビが、8尾3列(計24尾)入った
発泡ポリスチレントレーを用い、突き上げ式包装機A−
18K(フジパックシステム)に簡易熱風シュリンクト
ンネル(100℃、約0.5秒の条件)を取り付けて、
40パック/分の速度で包装をおこなった(トレー底部
でのフィルム同志のヒートシール用熱板設定温度は15
0℃)。全部で50パックの包装を行ったが、破れの発
生はなく、トレー底部でのフィルム同志のシール性も良
好で、トレーの変形および包装体にユルミやタルミの発
生は認められず、包装仕上がりが極めて優れる結果であ
った。この包装体の上面部のフィルムを指で押し込んだ
時の回復性も良好であった。ちなみに、このフィルムの
90℃における平均収縮力は47g/15mm幅であっ
た。
【0032】
【実施例2および3】エチレンα−オレフィン共重合
体;LL3を75重量%、EVA;EVA2を12.5
重量%、およびPP系樹脂;PP3を12.5重量%の
樹脂組成物を実施例2、同様にLL2を50重量%、E
VA1を20重量%、およびPP3を30重量%の樹脂
組成物を実施例3として、実施例1と同様にして混合、
押出し、延伸製膜を行った。延伸性はいずれも極めて良
好であった。得られたフィルムの評価結果を表1に示す
が、熱収縮性、変形回復性、及び落錘衝撃強度、引き裂
き強度、突き刺し強度等の機械的強度に優れるものであ
った。
【0033】
【比較例1および比較例2】樹脂組成物中のエチレンα
−オレフィン共重合体のMFRが、本発明の技術的範囲
外であるLL5(MFR=6.0g/10分)を用いた
以外は実施例2と同様にしたものを比較例1、また、樹
脂組成物中のエチレンα−オレフィン共重合体の密度が
同様に範囲外であるLL6(密度=0.937g/cm
3 )をLL2(密度=0.912g/cm3 )から変更
した以外は実施例3と同様にして延伸製膜を試みたもの
を比較例2とした。比較例1は延伸中のバブルが変動
し、やや不安定であったが厚みがほぼ12μmのフィル
ムを得た。また比較例2は延伸性があまり良くなく延伸
温度を上げ(加熱温度で約97℃)、延伸倍率としてタ
テ3.2倍、ヨコ2.9倍の条件にて漸くフィルムを得
ることができた。得られたフィルムの物性を表1に示す
が、比較例1は落錘衝撃強度、引き裂き強度、突き刺し
強度等の機械的強度に劣り、比較例2は特に低温収縮性
と変形回復性に劣る他、落錘衝撃強度、引き裂き強度、
突き刺し強度等の機械的強度も劣る傾向のものであっ
た。
【0034】
【実施例4〜6】樹脂組成物中の(C)成分に、PP系
樹脂とPB−1系樹脂の両者を使用し、表1および表2
に示す樹脂組成を形成させて、以下実施例1と同様にし
て延伸製膜まで行った。延伸はいずれも良好であった。
得られたフィルムの物性を同様に表1と表2に示すが、
いずれも熱収縮性、変形回復性、及び落錘衝撃強度、引
き裂き強度、突き刺し強度等の機械的強度に優れるもの
であった。
【0035】
【比較例3および比較例4】従来技術である特開昭63
−41550号公報に開示してある技術に従って、同公
報実施例1に記載してあるベース層樹脂組成物で使用し
ているものと類似の樹脂を用いて同一組成比で形成した
樹脂組成物を比較例3として表2に示した。同じく従来
技術である特公平2−46064号公報の実施例1記載
の樹脂組成物で使用しているものと類似の樹脂を用いて
同一組成比で形成した樹脂組成物を比較例4として同じ
く表2に示した。
【0036】上記の各樹脂組成物を実施例1と同様にし
て、延伸製膜を行った。得られたフィルムの物性を同じ
く表2に示すが、まず比較例3は延伸条件として、加熱
条件を約70℃にてほぼ安定して延伸を行うことが可能
であったが、得られたフィルムは40℃における収縮率
がタテ12%、ヨコ8%と保管を含めた流通過程での寸
法安定性に問題があり、(本発明の実施例のフィルムの
40℃における収縮率は全て、タテ、ヨコいずれも5%
以下である。)変形回復性にも劣るものであった。この
フィルムの40℃における収縮率をタテ、ヨコいずれも
5%以下になるように、50℃の熱風を吹き付けてタ
テ、ヨコ各5%収縮(熱弛緩処理)させた。この処理後
のフィルムについて、同様に100℃熱収縮率、および
変形回復性を評価した。この評価結果を表2の比較例3
の( )内に示す。その結果、低温収縮性は低下の傾向
を呈し、また変形回復性は著しく劣下した。
【0037】一方、比較例4においては延伸時の加熱温
度が約110℃と高い条件で漸く延伸が可能となった
が、得られたフィルムは低温収縮性に乏しく、変形回復
性に問題のあるものであった。
【0038】
【比較例5〜8】本発明の特定組成範囲からはずれるも
のをそれぞれ比較例5〜8として、表2および表3に示
す樹脂組成物で以下実施例1と同様にしてそれぞれ最適
な温度に加熱後、延伸製膜を行い得られたフィルムにつ
いて評価した。結果を同じく表2と表3に示すが、比較
例5および比較例8は落錘衝撃強度、引き裂き強度、突
き刺し強度等の機械的強度と特に変形回復性が劣り、比
較例6は低温収縮性、変形回復性および落錘衝撃強度、
引き裂き強度、突き刺し強度等の機械的強度は良好であ
るが、実施例1と同様に冷凍エビ(8尾3列)が入った
発泡ポリスチレントレーを用い、突き上げ式包装機A−
18K(フジパックシステム)で包装テストを行ったと
ころ、トレー底部におけるフィルム同志の重なり部での
シール性が悪く、フィルムにメルトホール(溶融孔)を
生じるか、メルトホールを解消するために熱板温度を下
げるとフィルム同志の融着が不十分で結果としてトレー
底部に折り込まれたフィルムにめくれを生じ、包装仕上
がりとして両者を満足するシール状態を達成することは
困難であった。更に、比較例7で得られたフィルムは、
低温収縮性、変形回復性にやや劣り、同様に突き上げ式
包装機A−18K(フジパックシステム)で包装テスト
を行ったところ、包装時にフィルム破れが30パック中
8ケ発生し、強度的(特に引き裂き強度)に問題のある
ものであった。
【0039】
【実施例7〜9】表3に示した樹脂組成物を用いて、実
施例1と同様にして延伸製膜を行い、得られたフィルム
の物性を評価した。いずれも、低温収縮性、変形回復
性、及び落錘衝撃強度、引き裂き強度、突き刺し強度等
の機械的強度に優れるものであった。また、実施例1と
同様に冷凍エビ(8尾3列)を用いた突き上げ式包装機
A−18K(フジパックシステム)での包装テストを各
30パック行ったところ、フィルムの破れは皆無で包装
仕上がりに優れるものであった。
【0040】
【実施例10】実施例1に用いた樹脂組成物を中間層と
して、芯層に共重合ナイロン6/66(66成分20重
量%)を配し、表層にEVA;EVA2を使用して、環
状5層ダイを用いて層配置がEVA/実施例1の樹脂組
成物/ナイロン/実施例1の樹脂組成物/EVAの5層
になるように押出した後、冷水にて急冷固化して折り幅
200mm、厚み約270μmの各層とも均一な厚み精
度のチューブ状原反を作製した。この際、表層および中
間層には添加剤としてジグリセリンオレートとグリセリ
ンモノオレートを1:1の重量比で混合したものを各1
重量%配合した。また、チューブ内部には、38%シュ
ガーエステル(ショ糖ラウレート)水溶液20重量%と
ジメチルシリコーンエマルジョン80重量%との混合液
を封入して、ニップロールでしごくことにより、内面コ
ーティングを施した。各層の厚み比率は、チューブの外
側から、12.5%/25%/25%/25%/12.
5%に調整した。次いでこの原反を実施例1と同様にし
て延伸を行った。原反の加熱温度は約83℃で、延伸倍
率はタテ3.6倍、ヨコ3.4倍に同時二軸延伸し、安
定して厚み22μmのフィルムを得た。このフィルムを
実施例10として評価結果を表3に示すが、低温収縮
性、変形回復性、及び落錘衝撃強度、引き裂き強度、突
き刺し強度等の機械的強度に優れるものであった。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
は、フィルム成形用に適し、得られたフィルムは特にシ
ュリンク包装用フィルムとして優れた特性を有してお
り、従来の樹脂組成物で得られたフィルムが有している
透明性、ヒートシール性、耐衝撃性等の機械的特性等が
同様な効果を発揮することに加えて、従来技術では発揮
し得なかった低温高収縮性、変形回復性、およびシュリ
ンク包装時のトレー変形が少ないという、低温高収縮性
で包装仕上がりに優れ、シュリンク包装後の変形回復性
が格段に優れるものである。本発明のポリオレフィン系
樹脂組成物は、それ自身の単層フィルムの他に、多層フ
ィルムを構成する少なくとも1つの主体層としての利用
が可能であり、得られたフィルムは各種収縮包装用途で
の使用はもちろん、家庭用、業務用ラップフィルム等の
各種包装材料の用途にも使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 31/04 C08L 31/04 S

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)密度が0.910g/cm3 を越
    え、0.935g/cm3 以下であり、かつ、メルトフ
    ローレート(190℃,2.16kgf)が0.3〜
    5.0g/10分であるエチレンα−オレフィン共重合
    体5〜90重量%、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合
    体5〜70重量%、および(C)ポリプロピレン系樹脂
    又はポリプロピレン系樹脂とポリブテン−1系樹脂との
    混合樹脂のいずれか5〜60重量%からなることを特徴
    とするポリオレフィン系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7569262B2 (en) 2001-02-01 2009-08-04 Renolit Ag Flexible monolayer elastomer films and bag for medical use
JP2013010199A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Asahi Kasei Chemicals Corp 熱収縮性延伸積層フィルム、並びに、これを備えるトップシール包装体及びピローシュリンク包装体
WO2016099221A3 (ko) * 2014-12-19 2016-08-11 (주) 엘지화학 필름용 수지 조성물 및 고무용 언필 필름

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WO2016099221A3 (ko) * 2014-12-19 2016-08-11 (주) 엘지화학 필름용 수지 조성물 및 고무용 언필 필름

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