JP2015047842A - 多層シーラントフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 包装時のヒートシール条件に関わらず、開封性の一定した包装形態を形成しうる多層シーラントフィルムを提供すること。【解決手段】 本発明の多層シーラントフィルムは、ラミネート層(A)/中間層(B)/シール層(C)がこの順に積層してなり、厚みが3〜50μmのラミネート層(A)が、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)100質量部と、融点が140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(A2)30〜300質量部とを含み、中間層(B)が、融点140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(B1)を含み、シール層(C)が、中間層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂(B1)よりも15〜60℃低い融点の低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)を含むことを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、多層シーラントフィルム、これを用いた包装材、包装袋および密封包装に関し、さらに詳しくは、包装時のヒートシール条件に関わらず、開封性の一定した密封包装を形成しうる多層シーラントフィルム、これを用いた包装材、包装袋に関する。
従来から熱可塑性樹脂よりなるフィルムを用いた様々な包装材が提案されている。これら包装材は、食品をはじめ、衣料、工業部品等の包装に使用され、内容物を保存し、かつ塵、ほこり等から保護するためにヒートシール等により密封された包装袋として広い分野で用いられている。
このような包装袋は、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを含むシール層を有するシーラントフィルムと、基材層とを備えるシート状の包装材を、シール層が内側に位置するように袋状に成形してなる。内容物を収容後、対向するシール層を熱圧着して、袋をヒートシールし、食品等を密封している。
内容物を取り出す際には、鋏により包装材を切断したり、あるいは引裂起点となる切り込みを袋の端部に形成し、切り込みから袋を引き裂いている。しかし、一般にはヒートシールされた袋口の直下の対向する表面を掴み、強い力で両者を逆方向に引っ張り、ヒートシール部を剥離して開封し、内容物を取り出している。ヒートシール部は、輸送や販売等の際に容易に袋の口が開かないよう、充分な強度が要求される反面、ヒートシール強度が強すぎると、購入者が袋の口を容易に開封できなくなる。このように、ヒートシール部のヒートシール強度と易開封性とは一般には両立し難い性質と考えられている。
上記のようなヒートシール部を形成するために、基材の一方の面にシーラントフィルムと呼ばれるフィルムが積層される。シーラントフィルムは、熱により溶融あるいは軟化するヒートシール層を含み、多層フィルムであってもよい。シーラントフィルムとしては、シール強度や易開封性の観点から種々の構成が提案されている(特許文献1および2等)。このようなシーラントフィルムを用いて密封包装を構成する際には、基材を外層とし、ヒートシール層が袋の内側に位置するように包装材を袋状に成形し、内容物を収容後、対向するヒートシール層を熱圧着して、袋をヒートシールし、食品等を封入している。ヒートシール層同士は熱圧着され一体化しているため、融着されたヒートシール層の層間剥離は困難であり、また一体化したヒートシール層の凝集破壊による剥離も難しい。
特許文献1および2に記載のシーラントフィルムを用いた包装袋では、基材とシール層との間の層間剥離、あるいはシーラントフィルムの構成層の間での層間剥離により、開封を行っている。シーラントフィルムに補助層を含ませて多層構成とした場合には、基材と補助層との間あるいはシール層と補助層との間で層間剥離をして開封を行うことも提案されている。
特許第4040738号 特許第4300648号
包装袋を使用する食品事業者等では、商品輸送中の内容物の汚染は起こしてはならない事故である。このため、包装袋に食品等の内容物を収容後、シール層同士の熱圧着を完全に行う必要がある。ヒートシールが不十分であると、シール層同士が十分に融着せずにヒートシール部に隙間が生じることがある。また、ヒートシールできたとしても、シール強度が不十分になり、輸送時にヒートシール部が剥離し、隙間が生じることもある。この隙間は、内容物を汚染する原因となる。このような事態を避けるため、包装袋の提供者が指定する標準的なヒートシール温度、圧力、時間の上限近傍あるいはこれを超えた高温での熱圧着が食品事業者により行われることがある。
ヒートシール時の温度、圧力が高く、また時間が長いほど、ヒートシール部の融着が確実に行われ、またシール強度は向上する。しかし、過度な条件でのヒートシールの結果、シーラントフィルムの層同士が密着し、層間剥離性が損なわれることがある。ヒートシール温度が高過ぎると、たとえば、基材とシール層とが過度に密着したり、あるいは基材と中間層との間、シール層と中間層との間が過度に密着する。この結果、これら層間での剥離が困難になり、開封性が著しく損なわれることがある。
本発明は上記のような従来技術に鑑みてなされたものであり、包装時のヒートシール条件に関わらず、開封性の一定した包装形態を形成しうる多層シーラントフィルムを提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、従来行われていた基材とシーラントフィルムの層間剥離あるいは、シーラントフィルムの構成層の間での剥離ではなく、シーラントフィルム構成層の凝集破壊により、開封を行うことで、包装時のヒートシール条件や、層間の密着性に関わりなく、一定の開封性が得られる可能性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、下記事項を要旨として含む。
(1)ラミネート層(A)/中間層(B)/シール層(C)がこの順に積層してなり、
厚みが3〜50μmのラミネート層(A)が、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)100質量部と、融点が140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(A2)30〜300質量部とを含み、
中間層(B)が、融点140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(B1)を含み、
シール層(C)が、中間層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂(B1)よりも15〜60℃低い融点の低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)を含む、
多層シーラントフィルム。
(2)ラミネート層(A)が、融点120℃未満の低密度ポリエチレン(A3)を、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)100質量部に対して、300質量部以下の量で含む、請求項1に記載の多層シーラントフィルム。
(3)基材と、(1)または(2)に記載の多層シーラントフィルムとを、ラミネート層(A)を介して積層してなる、包装材。
(4)上記(3)に記載の包装材を、シール層(C)を内側にして、開口部を有する袋状に成形した包装袋。
(5)上記(4)に記載の包装袋に、内容物を収容し、対向するシール層(C)を熱圧着し、包装袋の開口部をヒートシールした密封包装。
(6)開封時に剥離モードが、ラミネート層(A)の凝集破壊である(5)に記載の密封包装。
本発明によれば、包装時のヒートシール条件や、シーラントフィルムの構成層の間の密着性に関わりなく、一定の開封性を有する包装形態を提供できる。
図1は、本発明の多層シーラントフィルムを含む包装材の断面図を示す。 図2は、本発明の包装袋および密封包装の一実施態様の概略図を示す。 図3は、本発明の密封包装の開封態様の概略を示す。
以下、本発明について、その最良の形態を含めて、図面を参照して、さらに具体的に説明する。
本発明に係る多層シーラントフィルム1は、図1に示すように、ラミネート層(A)/中間層(B)/シール層(C)がこの順に積層してなる。また、本発明の包装材2は、基材3と、上記多層シーラントフィルム1とを、ラミネート層(A)を介して積層してなる。以下、ラミネート層(A)、中間層(B)、シール層(C)からなる多層シーラントフィルム1および基材3について説明する。
ラミネート層(A)
ラミネート層(A)は、基材3との積層に用いられ、また包装袋の開封時に凝集破壊を起す層である。
ラミネート層(A)は、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)と、融点が140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(A2)とを含み、必要に応じ、さらに低密度ポリエチレン(A3)を含む。
直鎖状低密度ポリエチレン(A1)は、エチレンと若干量のα‐オレフィンとを共重合させた、熱可塑性樹脂であり、コモノマーとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが用いられるが、これらに限定はされない。
直鎖状低密度ポリエチレン(A1)の密度は、好ましくは0.900〜0.945g/cm、さらに好ましくは0.910〜0.940g/cmである。直鎖状低密度ポリエチレン(A1)の密度が低過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてブロッキングが発生し易くなり、一方、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)の密度が高過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてカールが発生し易く、基材3とのラミネート時などのハンドリング性が低下する。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)の融点は、好ましくは130℃以下であり、さらに好ましくは100〜130℃である。直鎖状低密度ポリエチレン(A1)の融点が低過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてブロッキングが発生し易くなり、一方、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)の融点が高過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてカールが発生し易く、基材3とのラミネート時などのハンドリング性が低下する。なお、本明細書における融点は、示差走査熱量計を用いた測定において最大吸熱を示すピーク温度をいう。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)の190℃におけるMFRは、好ましくは0.1〜50.0g/10分、さらに好ましくは1.0〜30.0g/10分の範囲にある。直鎖状低密度ポリエチレン(A1)のMFRが低過ぎる場合には、溶融時の粘度が高い事から、多層シーラントフィルム1の生産において、押出機内の樹脂圧力が上昇し生産性が著しく悪くなり、一方、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)のMFRが高過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてブロッキングが発生し易くなる。
ポリプロピレン系樹脂(A2)の融点は、140〜165℃、さらに好ましくは150〜160℃である。ポリプロピレン系樹脂の融点が低過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてブロッキングが発生し易くなるだけでなく、ヒートシールの際に溶融してしまった場合は凝集破壊することが出来ず、所定の開封強度が得られない。一方、ポリプロピレン系樹脂の融点が高過ぎる場合には、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)との融点差が大きくなり、好適な開封強度を得られるヒートシール温度範囲が狭くなる傾向にある。
また、上記ポリプロピレン系樹脂(A2)の230℃におけるMFRは、特に限定されるものではないが、製膜性を考慮すると、MFRは、0.5〜50.0g/10分であることが好ましく、1.0〜30.0g/10分の範囲が更に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(A2)としては、上記融点を満足する限り、種々のポリプロピレン系樹脂が制限なく使用される。例えば、プロピレンの単独重合体及びプロピレンと、エチレンおよび/または1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペンテン等の炭素数が4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体或いはプロピレンの単独重合体と上記炭素数が2〜10のα−オレフィン(共)重合体とのブレンド物が挙げられ、これらの中から適宜選択して使用すればよい。これらの中でも、ポリプロピレン系樹脂(A2)としては、プロピレンと、エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体が好ましく、特にプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体が好ましく用いられる。
好ましく用いられるポリプロピレン系ランダム共重合体におけるプロピレン単位の含有質量は、該ポリプロピレン系ランダム共重合体の全量100質量%あたり、好ましくは96.5〜99.9質量%、さらに好ましくは98.0〜99.5質量%である。残部は、上記したエチレンおよび/またはα−オレフィンである。なお、共重合組成は、核磁気共鳴装置を用いて測定することができる。
ポリプロピレン系樹脂(A2)は、上記直鎖状低密度ポリエチレン(A1)100質量部に対して、30〜300質量部、好ましくは35〜270質量部、さらに好ましくは40〜250質量部の量で用いられる。
ラミネート層(A)を、上記のような直鎖状低密度ポリエチレン(A1)と、融点が140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(A2)とから構成することで、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)と、ポリプロピレン系樹脂(A2)とは非相溶であることから、ラミネート層(A)の上下方向から引っ張られると凝集破壊を起し、包装袋の開封起点となる。凝集破壊を起す引張力は、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)と、ポリプロピレン系樹脂(A2)との相溶状態で決まるため、ヒートシール条件に関わらず、一定の引張力で包装袋を開封できる。また非相溶であるためラミネート層表面が凸凹となり表面積が増加することから、基材3との接着性が高くなる。ポリプロピレン系樹脂(A2)の配合量が過少の場合には、開封強度が強くなりすぎ、包装袋5の開封性が損なわれる。同様に、ポリプロピレン系樹脂(A2)の配合量が過剰の場合にも、開封強度が強くなりすぎ、包装袋5の開封性が損なわれる。
また、ラミネート層(A)には、上記(A1)および(A2)に加え、さらに低密度ポリエチレン(A3)が含まれていても良い。低密度ポリエチレン(A3)の密度は、好ましくは0.900〜0.945g/cm、さらに好ましくは0.910〜0.940g/cmである。このような低密度ポリエチレンとしては、一般に高圧法で製造される高圧法低密度ポリエチレン(HPLD)が好ましく用いられる。低密度ポリエチレン(A3)の密度が低過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてブロッキングが発生し易くなり、一方、低密度ポリエチレン(A3)の密度が高過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてカールが発生し易く、基材3とのラミネート時などのハンドリング性が低下する。
低密度ポリエチレン(A3)の融点は、好ましくは120℃未満であり、さらに好ましくは100〜115℃である。低密度ポリエチレン(A3)の融点が低過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてブロッキングが発生し易くなり、一方、低密度ポリエチレン(A3)の融点が高過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてカールが発生し易く、基材3とのラミネート時などのハンドリング性が低下する。
また、低密度ポリエチレン(A3)の190℃におけるMFRは、好ましくは0.5〜15.0g/10分、さらに好ましくは1.0〜8.0g/10分の範囲にある。低密度ポリエチレン(A3)のMFRが低過ぎる場合には、溶融時の粘度が高い事から、多層シーラントフィルム1の生産において、押出機内の樹脂圧力が上昇し生産性が著しく悪くなり、一方、低密度ポリエチレン(A3)のMFRが高過ぎる場合には、多層シーラントフィルム1においてブロッキングが発生し易くなる。
なお、上記した直鎖状低密度ポリエチレン(A1)、ポリプロピレン系樹脂(A2)および低密度ポリエチレン(A3)、さらに後述する各樹脂の密度、融点、MFR等は、何れも公知の手段により制御可能であり、たとえばコモノマー種、その量、分子量などにより制御でき、また各種市販品の中から所望の物性を有する材料を選択してもよい。
ラミネート層(A)に低密度ポリエチレン(A3)を配合する場合、低密度ポリエチレン(A3)は、上記直鎖状低密度ポリエチレン(A1)100質量部に対して、好ましくは300質量部以下、さらに好ましくは250質量部以下の量で用いられる。
ラミネート層(A)において、上記のような直鎖状低密度ポリエチレン(A1)およびポリプロピレン系樹脂(A2)に加えて、低密度ポリエチレン(A3)を配合することで、よりポリプロピレン系樹脂(A2)と他の樹脂材料との相溶性が低下することから開封強度が低下し、包装袋5の開封性が向上する。
ラミネート層(A)には、上記(A1)〜(A3)に加え、ラミネート層と基材との接着性や、ラミネート層の凝集破壊性能を損なわない範囲で、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、核剤、抗菌剤などを配合することができる。
ラミネート層(A)は、上記各成分を、必要に応じ押出機により溶融混合し、フィルム状に製膜して得られる。
ラミネート層(A)の厚みは、基材との接着性や、ラミネート層の凝集破壊性能を損なわない範囲であれば特に限定はなく、好ましくは3〜50μmであり、好ましくは3〜40μmである。ラミネート層(A)が薄過ぎると、ヒートシールの際に溶融してしまい凝集破壊することが出来ず、所定の開封強度が得られない。一方、ラミネート層が厚過ぎると、凝集破壊する層が厚くなり破壊するために多くのエネルギーが必要となるだけでなく、経済性に劣り、また包装袋の重量が増加する。
中間層(B)
中間層(B)は、ラミネート層(A)とシール層(C)とを強固に接着することを目的として、ラミネート層(A)とシール層(C)との間に形成される。中間層(B)は、融点140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(B1)を含む。ポリプロピレン系樹脂(B1)としては、上記ラミネート層(A)のポリプロピレン系樹脂(A2)と同様の樹脂を例示できる。なお、ポリプロピレン系樹脂(B1)は、所定の融点を有する限り、ポリプロピレン系樹脂(A2)と同一であっても異なっていても良い。
中間層(B)は、ポリプロピレン系樹脂(B1)単独で形成されていてもよく、またポリプロピレン系樹脂(B1)以外に、上記した直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、その他の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。中間層(B)における、ポリプロピレン系樹脂(B1)以外の樹脂の含有量は、ポリプロピレン系樹脂(B1)100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがさらに好ましい。
また、中間層(B)には、ポリプロピレン系樹脂(B1)に加え、ラミネート層やシール層との接着性や、ラミネート層の凝集破壊性能を損なわない範囲で、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、核剤、抗菌剤などを配合することができる。
中間層(B)は、ポリプロピレン系樹脂(B1)および任意に配合される他の成分を、必要に応じ押出機により溶融混合し、フィルム状に製膜して得られる。
中間層(B)の厚みは、ラミネート層やシール層との接着性や、ラミネート層の凝集破壊性能を損なわない範囲であれば特に限定はなく、通常は3〜50μm程度であり、さらに好ましくは4〜45μm程度である。中間層(B)が薄過ぎると、ラミネート層やシール層との接着性が不十分になることがある。一方、中間層(B)が厚過ぎると、経済性に劣り、また包装袋の重量が増加する。
シール層(C)
シール層(C)は、包装袋をヒートシールする際に、対向するシール層同士を熱圧着し、包装袋を封止するために設けられる。
シール層(C)は、前記中間層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂(B1)よりも融点の低い低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)を含む。
ポリプロピレン系樹脂(B1)と低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)との融点の差は、15〜60℃、好ましくは20〜50℃に範囲にある。融点の差が小さすぎる場合には、ヒートシールの際に中間層の溶融が生じ、シール層およびラミネート層との一体化が起こった場合は、シール性や開封強度へ影響がある。一方、融点の差が大きすぎる場合には、低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)の融点が低すぎることを意味し、多層シーラントフィルム1においてブロッキングが発生し易くなる。
また低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)の融点は、好ましくは110〜150℃、さらに好ましくは110〜140℃である。低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)の融点が110℃未満の場合、ヒートシール部の耐熱性に劣る場合がある。一方、低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)の融点が高過ぎる場合には、低温ヒートシール性が不足する傾向にある。
また、上記低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)の230℃におけるMFRは、特に限定されるものではないが、製膜性を考慮すると、MFRは、0.5〜50.0g/10分であることが好ましく、1.0〜30.0g/10分の範囲が更に好ましい。
低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)としては、上記融点を満足する限り、種々のポリプロピレン系樹脂が制限なく使用される。例えば、プロピレンの単独重合体及びプロピレンと、エチレンおよび/または1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペンテン等の炭素数が4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体或いはプロピレンの単独重合体と上記炭素数が2〜10のα−オレフィン(共)重合体とのブレンド物が挙げられ、これらの中から適宜選択して使用すればよい。これらの中でも、低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)としては、プロピレンと、エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体が好ましく、特にプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体が好ましく用いられる。
好ましく用いられるポリプロピレン系ランダム共重合体におけるプロピレン単位の含有質量は、該ポリプロピレン系ランダム共重合体の全量100質量%あたり、好ましくは99.0〜90.0質量%、さらに好ましくは98.0〜90.0質量%である。
シール層(C)は、低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)単独で形成されていてもよく、また低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)以外に、上記した直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、その他の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。シール層(C)における、低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)以外の樹脂の含有量は、低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。
また、シール層(C)には、低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)に加え、シール層同士の接着性や、ラミネート層の凝集破壊性能を損なわない範囲で、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、核剤、抗菌剤などを配合することができる。
シール層(C)は、低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)および任意に配合される他の成分を、必要に応じ押出機により溶融混合し、フィルム状に製膜して得られる。
シール層(C)の厚みは、シール層同士の接着性を損なわない範囲であれば特に限定はなく、通常は3〜50μm程度であり、さらに好ましくは3〜45μm程度である。シール層(C)が薄過ぎると、包装袋をヒートシールした際の接着性が不十分になることがある。一方、シール層(C)が厚過ぎると、経済性に劣り、また包装袋の重量が増加する。
多層シーラントフィルム1
本発明に係る多層シーラントフィルム1は、上記したラミネート層(A)、中間層(B)およびシール層(C)がこの順に積層してなる。各層の積層法は、特に限定はされず、ラミネート層(A)、中間層(B)およびシール層(C)をそれぞれ個別に製膜し、その後、各層を後述する接着剤を用いたドライラミネートや押出ラミネートなどにより積層すればよい。また、各層を構成する樹脂原料を個別に混練、共押出して、多層シーラントフィルムを得ても良い。
製膜法は、無延伸法、一軸延伸法、二軸延伸法であっても良いが、無延伸法であることが好ましい。無延伸法の代表的な方法を例示すれば、Tダイスを使用した押出成形法、環状ダイスを使用したインフレーション成形法が挙げられる。上記成形法において、例えば、フィードブロック法やマルチマニホールド法によるTダイスによる共押出法が好適に用いられる。
上記Tダイスを使用した押出成形法について、具体的に示せば、各層を構成する樹脂組成物をそれぞれの押出機にてTダイス法により溶融物を押し出し、温度調整可能なロールまたは温度調整可能な水槽により冷却し巻き取る方法、あるいは、該溶融物を空冷法または水冷法により冷却し巻き取る方法等を挙げることができる。得られる多層シーラントフィルムは、Tダイス等から押し出された溶融物から冷却されるまでの僅かな伸長や巻き取り時のテンション等によりわずかに延伸される程度の低延伸または実質的に無延伸のフィルムである。
ラミネート層(A)、中間層(B)およびシール層(C)には、各層の密着性を向上する目的でコロナ放電処理、火炎処理等を行ってもよい。また、表面処理を施す面も特に制限はなく、片面、両面のいずれでも構わない。
包装材2
本発明の包装材2は、基材3と、上記多層シーラントフィルム1とを、ラミネート層(A)を介して積層してなる。基材3には、内容物の商品名や製造会社名等を示す印刷が施されていても良い。
基材3は、包装材2に求められる強度や硬さ等に応じて適宜に選択され、たとえば、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が用いられ、またこれらのフィルムに金属膜を蒸着した蒸着フィルムであってもよい。また、これらのフィルムと他の熱可塑性樹脂フィルムとの積層フィルムであってもよい。
基材3の厚みは、包装材の用途により様々であるが、一般的には10〜300μm程度である。基材3のシーラントフィルム1が積層される側の面には、密着性を向上する目的でコロナ放電処理、火炎処理等を行ってもよい。
基材3と、多層シーラントフィルム1とは、多層シーラントフィルム1のラミネート層(A)を介して積層される。具体的には、基材3の片面に、ラミネート層(A)が接するように、多層シーラントフィルム1を載置し、両者を熱圧着する。熱圧着温度は、ラミネート層(A)の軟化温度以上であり、好ましくは0.1〜1.0MPaで加圧して、好ましくは0.5〜5秒間熱圧着を行う。
また、基材3の片面に、ラミネート層(A)、中間層(B)およびシール層(C)を構成する樹脂組成物を、共押出して、包装材2を得てもよい。
また、基材3の片面とラミネート層(A)について、接着剤を介して積層して包装材2を得ることもできる。
ここで使用される接着剤としては、市販の接着剤を用いてもよく、あるいは溶融樹脂(例えば溶融したポリエチレン系樹脂)を用いてもよい。接着剤の塗布方法としては、例えばグラビア、グラビアリバース、オフセットなどの転写手段;バー、コンマバーなどの掻き取り手段などを挙げることができる。
包装袋および密封包装
包装袋4および密封包装5の概略図を図2に示す。包装材2を、シール層(C)を内側にして、開口部を有する袋状に成形することで、本発明の包装袋4が得られる。具体的には、適宜な大きさに包装材を折り畳み、端部を熱圧着して袋状に成形する。熱圧着温度は、シール層が熱圧着しうる温度であり、通常は100〜250℃であり、好ましくは120〜220℃である。また、好ましくは0.1〜1.0MPaで加圧して、好ましくは0.5〜5秒間熱圧着を行う。
得られる包装袋4には、食品等の内容物6が収容され、開口部において対向するシール層を熱圧着し、包装袋の開口部をヒートシールして密封包装5とする。熱圧着条件は前記と同様である。
上記密封包装5の開封時の剥離モードは、ラミネート層(A)の凝集破壊である。具体的には、図3に示すように、開封時に、ヒートシールされた袋口の直下の対向する表面を掴み、強い力で両者を逆方向に引っ張ると、ラミネート層(A)の凝集破壊により開封が行われる。熱圧着時の温度や圧力、時間を増大することで、シール層(C)同士は強固に密着するが、ラミネート層の状態、性状は大幅に変化することはない。このため、ラミネート層(A)の凝集破壊に要する力は一定となり、熱圧着条件に関わらず、安定した開封性が得られる。開封強度としては、通常40〜75N、好ましくは45〜70N、さらに好ましくは50〜65Nである。
以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、使用樹脂原料の特性、多層シーラントフィルムの物性、および包装袋の物性は、以下のように測定した。
(1)MFR
JISK6758に準拠して、ポリプロピレンについては230℃ 、ポリエチレンについては190℃におけるMFRを測定した。
(2)融点
樹脂試料 約5mgを精秤後アルミパンに封入し、これを示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ(株)製、型式「SSC/5200」)に装着し、20mL/分の窒素気流中、230℃まで昇温し、この温度において10分間保持した後、降温速度10℃/分で−10℃まで冷却し、次いで昇温速度10℃/分で210℃まで昇温する際に得られた吸熱曲線において、最大吸熱を示したピーク温度を融点とした。
(3)ブロッキング強度
耐ブロッキング性の指標として、次の条件下で加圧加温状態とした後、引張試験機((株)島津製作所製オートグラフ、型式「AG−500D」)を用い、次の条件でブロッキング強度の測定を行った。
試験片寸法:120mm×120mm
荷重条件:10kg
温湿度条件:40℃×70%RH×3日間
ブロッキング測定面:30mm×40mm
引張速度:50mm/分
測定温度:23℃雰囲気
(4)開封強度
包装袋4のヒートシールされた袋口上部から30mm離れた対向する表面を引張試験機のチャックで掴み、500mm/minの引張速度でそれぞれ逆方向に引っ張り、包装袋4を開封して最高強度を測定した。測定は10回行い、平均値を開封強度とした。
(5)開封時のフィルム破れ発生頻度、剥離外観
包装袋4のヒートシールされた袋口上部から30mm離れた対向する表面を手で掴み、強い力でそれぞれを逆方向に引っ張り、包装袋4を開封した。評価は10回行い、開封時にフィルムが破れる頻度を百分率にて示した。また、剥離部の外観を目視にて確認し、以下の判定を行った。
剥離部外観判定基準
○ : 良好(糸状もしくは層状の剥離物は発生しなかった)
× : 不良(糸状もしくは層状の剥離物が発生した)
(6)破裂強度
(株)サン科学製 破裂強度測定機(305−BP)を用いて、包装袋4に1.0L/分の空気を送り込み、破裂した時の圧力を測定した。
(実施例1)
中間層用のスクリュー径75mmの単軸押出機が1台、両外層(ラミネート層およびシール層)用のスクリュー径50mmの単軸押出機が2台の合計3台の押出機からなる3種3層構成のTダイ方式フィルム製膜装置を用い、ラミネート層(A)の原料樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製 CW8003、密度 0.912g/cm、融点 110℃、MFR 9.0g/10分)100質量部に、プロピレン系樹脂(日本ポリプロ(株)製 FW3GT、融点 148℃、MFR=7.0g/10分)40質量部を配合した混合樹脂を、中間層(B)の原料樹脂としてプロピレン重合体(住友化学(株)製 FLX80G1、融点 158℃、MFR 11.0g/10分)を、シール層(C)の原料樹脂としてプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体((株)プライムポリマー製 F794NV、融点 134℃、MFR 5.0g/10分)をそれぞれ供給し、各230℃で加熱溶融してフィードブロック方式で共押出法にてダイリップ間隙1.5mmのTダイスより共押出し、冷却ロール上で冷却固化しながら、ラミネート層(A)が5μm、中間層(B)が11μm、シール層(C)が4μmになるように調整して、合計の厚み20μmの多層フィルムを得た。次いで、ラミネート層(A)の表面のぬれ張力が40mN/mになるようにコロナ放電処理を施した後、巻取機にて巻き取ることにより、ラミネート層(A)/中間層(B)/シール層(C)からなる多層シーラントフィルム1を得た。
上記で得た多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。
多層シーラントフィルム1のコロナ放電処理を施したラミネート層(A)側の表面と基材3(フタムラ化学(株)製二軸延伸ポリエステルフィルム E2001、厚み12μm)のコロナ処理面とを、ウレタン系接着剤を介して貼り合わせ、包装材2を得た。
縦ピロー包装機((株)東京自働機械製作所製 TWX1N)を用いて、包装材2のシール層(C)同士を、ヒートシール温度140℃、時間0.6秒、圧力0.5MPaの条件(製袋条件:A)にてヒートシールし、包装袋4(縦200mm、横130mm)を作成した。
上記で得た包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。
(実施例2)
上記実施例1の多層シーラントフィルム1の作成において、ラミネート層(A)の混合樹脂における直鎖状低密度ポリエチレンとプロピレン系樹脂の混合割合をそれぞれ表1に記載の値としたほかは実施例1と同様にして、多層シーラントフィルム1を得た。この多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。さらに実施例1と同様にして、この多層シーラントフィルム1を用いて包装材2を作成し、次いで実施例1と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。
(実施例3)
上記実施例2の包装袋4(縦200mm、横130mm)の作成において、製袋条件をヒートシール温度200℃、時間0.8秒、圧力1.0MPaの条件(製袋条件:B)としたほかは実施例2と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。
(実施例4)
上記実施例1の多層シーラントフィルム1の作成において、ラミネート層(A)の混合樹脂における直鎖状低密度ポリエチレンとプロピレン系樹脂の混合割合をそれぞれ表1に記載の値としたほかは実施例1と同様にして、多層シーラントフィルム1を得た。この多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。さらに実施例1と同様にして、この多層シーラントフィルム1を用いて包装材2を作成し、次いで実施例1と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。
(実施例5)
上記実施例1の多層シーラントフィルム1の作成において、ラミネート層(A)の混合樹脂において、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂に加えて、低密度ポリエチレン(住友化学(株)製 L405、融点 102℃、MFR 4.0g/10分)を配合し、混合割合を表1に記載の値としたほかは実施例1と同様にして、多層シーラントフィルム1を得た。この多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。さらに実施例1と同様にして、この多層シーラントフィルム1を用いて包装材2を作成し、次いで実施例1と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。低密度ポリエチレンを配合することにより、開封強度の低下が見られ、包装袋4の開封性が向上した。
(比較例1、2)
上記実施例1の多層シーラントフィルム1の作成において、ラミネート層(A)の混合樹脂における直鎖状低密度ポリエチレンとプロピレン系樹脂の混合割合をそれぞれ表1に記載の値としたほかは実施例1と同様にして、多層シーラントフィルム1を得た。この多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。さらに実施例1と同様にして、この多層シーラントフィルム1を用いて包装材2を作成し、次いで実施例1と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。開封強度が高く、包装袋4を容易に開封できなかった。
(比較例3)
上記実施例4の多層シーラントフィルム1の作成において、ラミネート層(A)の混合樹脂におけるプロピレン系樹脂をプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体((株)プライムポリマー製 F794NV、融点 134℃、MFR 5.0g/10分)としたほかは実施例4と同様にして、多層シーラントフィルム1を得た。この多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。さらに実施例4と同様にして、この多層シーラントフィルム1を用いて包装材2を作成し、次いで実施例4と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。多層シーラントフィルム1におけるブロッキング現象が確認され、開封強度も高くなり糸引きが見られた。
(比較例4)
上記実施例2の多層シーラントフィルム1の作成において、シール層(C)の原料樹脂をプロピレン−エチレンランダム共重合体(日本ポリプロ(株)製 FW3GT、融点 148℃、MFR 7.0g/10分)としたほかは実施例2と同様にして、多層シーラントフィルム1を得た。この多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。さらに実施例2と同様にして、この多層シーラントフィルム1を用いて包装材2を作成し、次いで実施例2と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。開封強度が多少高くなり、開封時に糸引きが見られた。
(比較例5)
上記実施例2の多層シーラントフィルム1の作成において、中間層(B)の原料樹脂をプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体((株)プライムポリマー製 F794NV、融点 134℃、MFR 5.0g/10分)とし、シール層(C)の原料樹脂をプロピレン重合体(住友化学(株)製 FLX80G1、融点 158℃、MFR 11.0g/10分)としたほかは実施例2と同様にして、多層シーラントフィルム1を得た。この多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。さらに実施例2と同様にして、この多層シーラントフィルム1を用いて包装材2を作成し、次いで実施例2と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。充分なヒートシール強度が得られず、開封強度、破裂強度ともに大きく低下した。
(比較例6)
上記比較例5の包装袋4(縦200mm、横130mm)の作成において、製袋条件をヒートシール温度200℃、時間0.8秒、圧力1.0MPaの条件(製袋条件:B)としたほかは比較例5と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。
(比較例7)
上記実施例2の多層シーラントフィルム1の作成において、各層の厚みをラミネート層(A)/中間層(B)/シール層(C)=1μm/15μm/4μmとしたほかは実施例2と同様にして、多層シーラントフィルム1を得た。この多層シーラントフィルム1を用いて、上記(3)の評価を行った。結果は表1に示した。さらに実施例2と同様にして、この多層シーラントフィルム1を用いて包装材2を作成し、次いで実施例2と同様にして、包装袋4を作成した。この包装袋4を用いて、上記(4)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示した。開封強度が強く、包装袋4を容易に開封できなかった。
Figure 2015047842
1…多層シーラントフィルム
A…ラミネート層
B…中間層
C…シール層
2…包装材
3…基材
4…包装袋
5…密封包装
6…内容物

Claims (6)

  1. ラミネート層(A)/中間層(B)/シール層(C)がこの順に積層してなり、
    厚みが3〜50μmのラミネート層(A)が、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)100質量部と、融点が140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(A2)30〜300質量部とを含み、
    中間層(B)が、融点140〜165℃のポリプロピレン系樹脂(B1)を含み、
    シール層(C)が、中間層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂(B1)よりも15〜60℃低い融点の低融点ポリプロピレン系樹脂(C1)を含む、
    多層シーラントフィルム。
  2. ラミネート層(A)が、融点120℃未満の低密度ポリエチレン(A3)を、直鎖状低密度ポリエチレン(A1)100質量部に対して、300質量部以下の量で含む、請求項1に記載の多層シーラントフィルム。
  3. 基材と、請求項1または2に記載の多層シーラントフィルムとを、ラミネート層(A)を介して積層してなる、包装材。
  4. 請求項3に記載の包装材を、シール層(C)を内側にして、開口部を有する袋状に成形した包装袋。
  5. 請求項4に記載の包装袋に、内容物を収容し、対向するシール層(C)を熱圧着し、包装袋の開口部をヒートシールした密封包装。
  6. 開封時に剥離モードが、ラミネート層(A)の凝集破壊である請求項5に記載の密封包装。
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