JP7125852B2 - 梱包用フィルム及び梱包用部材 - Google Patents
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Description
しかし、前記緩衝材は、物品を受け取る者が廃棄しなければならず、前記緩衝材は嵩高いものであるため、廃棄物としての容積が大きいという問題を有している。
そこで、前記緩衝材を使用せずに、物品を梱包容器内に梱包する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、梱包容器の内部にて、前記梱包容器に取り付けられた伸縮可能な弾性フィルムによって、輸送する物品を挟持する方法が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の方法では、輸送中に、物品を挟持した弾性フィルムが破断して物品を保持できなくなることがあった。
特許文献2には、紙等の基材と、伸縮性を有するポリオレフィンフィルムとを備え、基材とポリオレフィンフィルムとの間に物品を挿入できるように、ポリオレフィンフィルムがその一部を残して基材に熱溶着された梱包用部材が開示されている。
また、特許文献2に記載のポリオレフィンフィルムは、巻き回してロール状にした際にフィルム同士が接着して繰り出しが困難になるブロッキングと言われる問題を生じることがあった。
本発明は、充分な伸縮性を有して物品の保持性が高く、熱溶着する際のフィルム変形が防止され、ロール状にした際のブロッキングが防止されている梱包用フィルムを提供することを目的とする。本発明は、物品の保持性が高く、梱包用フィルムの変形が防止された梱包用部材を提供することを目的とする。
[1]第1外層と、第2外層と、前記第1外層及び前記第2外層の間に設けられた中間層と、を備え、前記第2外層は、密度が0.87g/cm3以上のポリマーを含有し、前記第1外層は、前記第2外層に含まれるポリマーの融点Tm2に対して20℃以上高い融点Tm1を有するポリマーを含有し、前記中間層は、熱可塑性エラストマーを含有する、梱包用フィルム。
[2]前記第1外層の厚さが3~10μm、前記第2外層の厚さが1~10μm、前記中間層の厚さが20~50μmである、[1]に記載の梱包用フィルム。
[3][1]又は[2]に記載に梱包用フィルムと、前記梱包用フィルムの第2外層が熱溶着された基材と、を備える、梱包用部材。
本発明の梱包用部材は、物品の保持性が高く、梱包用フィルムの変形が防止されている。
本発明の梱包用フィルムの一態様について説明する。
本態様の梱包用フィルムは、第1外層と、第2外層と、前記第1外層及び前記第2外層の間に設けられた中間層と、を備える。前記第1外層、前記第2外層及び前記中間層は、各々、ポリマーを含有し、前記第1外層に含まれるポリマーの融点Tm1は、前記第2外層に含まれるポリマーの融点Tm2に対して20℃以上高い。前記第2外層に含まれるポリマーの密度は0.87g/cm3以上である。
本態様の梱包用フィルムは、前記第2外層が、後述する基材に熱溶着されて、梱包用部材を形成する。
第1外層11に含まれるポリマーとしては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられる。これらポリマーのなかでも、柔軟性により優れ、融点が高いことから、ランダムポリプロピレンが好ましい。
融点Tm1は、融点Tm2に対して30℃以上高いことが好ましい。梱包用フィルム10を製造しやすくする点では、融点Tm1と融点Tm2との差は70℃以下であることが好ましい。
前記融点Tm1は、140℃以上であることが好ましい。前記融点Tm1は、実用上、180℃以下であることが好ましい。
前記融点Tm2は、120℃以下であることが好ましい。前記融点Tm1は、実用上、80℃以上であることが好ましい。
ランダムポリプロピレンの場合、エチレン単位の含有割合によって融点を調整できる。ランダムポリプロピレンにおけるエチレン単位の含有割合が多い程、融点が低くなる傾向にある。
本発明において、ポリマーの融点は、示差走査熱量測定によって求めた値である。
特に、第1外層11においては、融点Tm1を有するポリマーの含有量が70~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であることがさらに好ましい。
本発明において、層の厚さは、梱包用フィルム10の断面を、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて観察し、5か所以上の厚さを計測し、平均した値である。
通常、ブロックポリプロピレンは、一段目の重合にて、マトリックスとなるホモポリプロピレン又はランダムポリプロピレンを形成し、そのホモプロピレン又はランダムポリプロピレンの存在下、二段目の重合にて、ゴム成分を形成する。このように重合によってマトリックス中にゴム成分を形成することによって、ゴム成分の分散性を向上させることができる。
特に、第2外層12においては、密度0.87g/cm3以上のポリマーの含有量が70~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であることがさらに好ましい。
特に、第2外層12は、ブロッキングをより防止するために、スリップ剤を含有することが好ましい。スリップ剤のなかでも、ブロッキング防止性が特に優れることから、有機スリップ剤が好ましく、アマイド系スリップ剤がより好ましい。アマイド系スリップ剤としては、例えば、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド等が挙げられ、エルカ酸アマイドが好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらエラストマーのなかでも、第1外層11及び第2外層12との接着性が良いことから、オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン-αオレフィン共重合体が挙げられる。エチレン-αオレフィン共重合体を構成するαオレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等が挙げられる。エチレン-αオレフィン共重合体は、ランダム共重合体でもよいし、ブロック共重合体でもよいが、ブロック共重合体が好ましい。
梱包用フィルム10が延伸フィルムである場合、一軸延伸フィルムであってもよいし、二軸延伸フィルムであってもよい。
エンボス加工は、第1外層11の外面のみに形成されてもよいし、第2外層12の外面に形成されてもよいし、第1外層11の外面及び第2外層12の外面の両方に形成されてもよい。
第1外層11を形成するためのポリマーと任意成分の添加剤とを混合して第1外層形成用樹脂材料を調製する。任意成分の添加剤を含まない場合には、第1外層形成用樹脂材料はポリマーのみからなる。
第2外層12を形成するためのポリマーと任意成分の添加剤とを混合して第2外層形成用樹脂材料を調製する。任意成分の添加剤を含まない場合には、第2外層形成用樹脂材料はポリマーのみからなる。
中間層13を形成するための熱可塑性エラストマーと任意成分の添加剤とを混合して中間層形成用樹脂材料を調製する。任意成分の添加剤を含まない場合には、中間層形成用樹脂材料は熱可塑性エラストマーのみからなる。
各樹脂材料において、添加剤を混合する場合、添加剤と希釈樹脂とを含むマスターバッチをポリマー又は熱可塑性エラストマーに混合してもよい。例えば、第2外層にスリップ剤を含有させる場合には、第2外層形成用樹脂材料を得る際に、ポリマーと、スリップ剤及び希釈樹脂を含むマスターバッチとを混合してもよい。マスターバッチを用いた混合方法を適用すると、ポリマー又は熱可塑性エラストマー中の添加剤の分散性を容易に向上させることができる。
次いで、第1外層形成用樹脂材料、第2外層形成用樹脂材料及び中間層形成用樹脂材料を、多層成形可能な押出機に供給し、各樹脂材料を押出成形すると共に、第1外層11と第2外層12との間に中間層13が配置されるように積層する。多層成形可能な押出機としては、例えば、押出機の先端にマルチマニホールドダイ又はフィードブロックシステムを備えるものが挙げられる。
押出機によって成形された溶融状態の3層積層体を、キャストロールの周面に密着させ、冷却して、梱包用フィルム10を得る。キャストロールを用いてフィルムを成形するキャスト法を適用すると、梱包用フィルム10の生産性を容易に向上させることができる。
必要に応じて、梱包用フィルム10を延伸させてもよい。梱包用フィルム10を延伸させる方法としては、例えば、ロールを用いてフィルムを延伸させる方法、クリップでフィルムを掴んでフィルムを延伸させる方法、一対のギアでフィルムを挟んで延伸させる方法等が挙げられる。前記延伸方法のなかでも、生産性を容易に高くできる点では、一対のギアでフィルムを挟んで延伸させる方法が好ましい。
本実施形態の梱包用フィルム10においては、第1外層11に含まれるポリマーの融点Tm1が、第2外層12に含まれるポリマーの融点Tm2に対して20℃以上高くされており、第1外層11の耐熱性が高い。そのため、梱包用フィルム10を基材に熱溶着する際、第1外層11にヒートシールバーが接しても、第1外層11が変形しにくく、梱包用フィルム10の溶断を防ぐことができる。しかし、第2外層12に含まれるポリマーは容易に溶融するため、第2外層12を高い接着力で基材に熱溶着できる。
本実施形態の梱包用フィルム10においては、第2外層12が密度0.87g/cm3以上のポリマーを含有するため、第2外層12の表面の粘着力が抑制されている。そのため、をロール状にした梱包用フィルム10において、第1外層11と第2外層12とが密着している状態から第2外層12に対して第1外層11を容易に剥離でき、ブロッキングを防止できる。
本発明の梱包用部材の一態様について説明する。
本態様の梱包用部材は、前記実施形態の梱包用フィルムと、前記梱包用フィルムの第2外層が熱溶着された基材とを備える。
基材としては、例えば、紙基材、樹脂シート、不織布等が挙げられる。前記基材のなかでも、紙基材が好ましく、紙基材のなかでも、強度の点から、段ボール板又は厚紙がより好ましく、段ボール板がさらに好ましい。
基材の形状としては特に限定されず、梱包する物品の形状、梱包容器の形状に応じて適宜選択すればよい。基材の形状の例としては、長方形状、正方形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。
まず、基材に梱包用フィルムを、基材に第2外層が接するように重ねる。次いで、加熱したヒートシールバーを梱包用フィルムの周縁部に押し当てて、梱包用フィルムの周縁部を基材に熱溶着する。その際、基材と梱包用フィルムとの間に物品を挿入できるように、梱包用フィルムの周縁部の全部を基材に熱溶着せず、梱包用フィルムの周縁部の一部は基材に熱溶着せずに未貼着部とする。前記のように熱溶着することにより、梱包用部材を得ることができる。
基材に梱包用フィルムを熱溶着する際の熱溶着温度はTm2~Tm1℃にすることが好ましく、Tm2+10℃~Tm1-10℃℃にすることがより好ましい。熱溶着温度を前記下限値以上にすれば、基材に梱包用フィルムを充分に溶着させることができ、前記上限値以下にすれば、過剰な加熱による梱包用フィルムの破断を防止できる。
基材に梱包用フィルムを熱溶着する際のヒートシールバーの押圧力は5~50N/cm2にすることが好ましく、10~40N/cm2にすることがより好ましい。ヒートシールバーの押圧力を前記下限値以上にすれば、基材に梱包用フィルムを充分に溶着させることができ、前記上限値以下にすれば、過剰な加圧による梱包用フィルムの破断を防止できる。
本実施形態の梱包用部材1は、長方形状の前記実施形態の梱包用フィルム10と、長方形状の紙基材20とを備える。本実施形態においては、紙基材20の平面視の面積は、梱包用フィルム10の平面視の面積より大きい。紙基材20に対して、梱包用フィルム10は、その長辺の周縁部が熱溶着されている。本実施形態では、周縁部10aにおいて梱包用フィルム10が紙基材に熱溶着されている。
本実施形態の梱包用部材1においては、前記実施形態の梱包用フィルム10を用いているため、紙基材20に対して梱包用フィルム10が変形又は溶断せずに、高い接着力で接着されている。
紙基材20に熱溶着されていない梱包用フィルム10の未貼着部においては、梱包用フィルム10と紙基材20と間に隙間を形成できるため、それらの間に物品を収容できる。
梱包容器としては、例えば、箱、袋等が挙げられ、通常は箱が使用される。梱包容器の材質としては、例えば、紙、樹脂等が挙げられ、なかでも、紙が好ましく、段ボールがより好ましい。これらより、梱包容器としては、段ボール箱が特に好ましい。
梱包用部材1は、輸送の際の振動に対しても梱包容器の内部で固定される形状を有することが好ましい。
なお、以下の例では、下記の材料を使用した。
・プライムポリマー株式会社製、プライムポリプロF227:ランダムポリプロピレン、融点152℃、密度0.910g/cm3。以下、「ポリマー1」と表記する。
・エクソンモービル社製、ビスタマックス3588FL:ブロックポリプロピレン、融点109℃、密度0.889g/cm3。以下、「ポリマー2」と表記する。
・エクソンモービル社製、ビスタマックス6102FL:オレフィン系熱可塑性エラストマー、融点なし、密度0.862g/cm3。以下、「エラストマー1」と表記する。
・エクソンモービル社製、ビスタマックス8880:オレフィン系熱可塑性エラストマー、融点なし、密度0.879g/cm3。以下、「エラストマー2」と表記する。
・理研ビタミン株式会社製、リケマスターELM080:スリップ剤、エルカ酸アマイド含有マスターバッチ。以下、「スリップ剤MB」と表記する。
(実施例1)
100質量部のポリマー1を第1外層形成用樹脂材料とし、95質量部のポリマー2及び5質量部のスリップ剤MBを第2外層形成用樹脂材料とし、100質量部のエラストマー1を中間層形成用樹脂材料とした。これら樹脂材料を、多層成形可能な押出機に供給した。押出機としては、先端にマルチマニホールドダイが取り付けられたものを使用した。ダイの温度は200℃とした。
前記押出機により、各樹脂材料を押出成形すると共に、第1外層と第2外層との間に中間層が配置されるように積層した。各層の厚さは、表1に示す通りとした。
押出機によって成形された溶融状態の3層積層体を、25℃に調整したキャストロールの周面に密着させ、冷却して、梱包用フィルムを得た。
第1外層、第2外層及び中間層の配合又は層の厚さを、表1~3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして梱包用フィルムを得た。
各実施例及び各比較例の梱包用フィルムについて、以下のように評価した。評価結果を表1~3に示す。
梱包用フィルムを紙基材に熱溶着して梱包用部材を作製した後、熱溶着した梱包用フィルムの形状を目視により観察し、下記基準で耐熱性を評価した。梱包用フィルムを紙基材に熱溶着する際の熱溶着条件としては、熱溶着温度:145℃、圧力:10.72N/cm2、溶着時間:1秒、とした。
1:フィルムに形状の変形又はフィルムの破断が見られず、耐熱性に優れていた。
2:フィルムに形状の変形又はフィルムの破断が僅かに見られたが、問題にはならず、耐熱性を有していた。
3:フィルムに形状の変形又はフィルムの破断が見られ、耐熱性が不充分であった。
ロール状にした梱包用フィルムを繰り出した際の繰り出し状況を目視により観察し、下記の基準でブロッキング防止性を評価した。
1:梱包用フィルム同士の接着力が弱く、梱包用フィルムの繰り出しの円滑性が高く、ブロッキング防止性に優れていた。
2:梱包用フィルム同士の接着力がやや弱く、梱包用フィルムの繰り出しが円滑でないこともあったが、問題にはならず、ブロッキング防止性を有していた。
3:梱包用フィルム同士の接着力が強く、梱包用フィルムの繰り出しが円滑ではなく、ブロッキング防止性が不充分であった。
梱包用フィルムの延伸性より物品の保持性を評価した。具体的には、まず、得られた梱包用フィルムから、幅25mm、長さ100mmの試験片を5本切り出した。その試験片を、引張試験機(島津製作所社製トラペジウム2)のチャックに取り付け、試験片の延伸率が100%になるまで引張試験をおこなった。その際の引張試験条件は、測定温度23℃、チャック間距離25mm、引張速度254mm/分とした。各試験片について延伸率100%の引張強度を測定し、平均値(100%延伸時引張強度)を求めた。この100%延伸時引張強度が2.00~6.00N/25mmの範囲であれば、梱包用フィルムを用いて作製した梱包用部材において物品を容易に保持できるため、好ましい。100%延伸時引張強度が2.00N/25mm未満であると、物品梱包時に梱包用フィルムが破断するおそれがある。100%延伸時引張強度が6.00N/25mmを超えると、梱包用フィルムが伸びにくく、梱包用部材において、基材と梱包用フィルムの間に物品を挿入しにくくなることがある。したがって、100%延伸時引張強度が2.00~6.00N/25mmの範囲であれば、物品保持性に優れる。
梱包用フィルムの復元性より物品の包装性を評価した。具体的には、前記物品保持性の評価において試験片を延伸率100%で延伸して30秒経過した後、引っ張りを停止し、チャック間を近接させて、試験片の形状を復元させた。試験片の延伸率が0%になり、60秒経過した後、再び、試験片の延伸率が100%になるまで、前記引張条件で試験片を延伸させた。試験片を延伸率100%で延伸して30秒経過した後、引っ張りを停止し、チャック間を近接させて、試験片の形状を復元させた。その際の、延伸率50%のときの引張強度を各試験片について測定し、平均値(50%復元時引張強度)を求めた。この50%復元時引張強度が0.30~2.00N/25mmの範囲であれば、梱包用フィルムを用いて作製した梱包用部材において物品の包装性が良好になるため、好ましい。50%復元時引張強度が0.30N/25mm未満であると、物品梱包時に梱包用フィルムが破断するおそれがある。50%復元時引張強度が2.00N/25mmを超えると、梱包用フィルムの収縮力が強すぎて、梱包した物品を変形させるおそれがある。したがって、50%復元時引張強度が0.30~2.00N/25mmの範囲であれば、物品包装性に優れる。
前記耐熱性の評価と同様に梱包用部材を作製した。その梱包用部材を用いて、紙基材に対する梱包用フィルムの接着性を評価した。その接着性は、紙基材に対する梱包用フィルムの剥離強度を、引張試験機(島津製作所社製トラペジウム2)を用いて測定することにより評価した。剥離強度の測定においては、梱包用部材から幅25mm、長さ100mmの試験片を切り出し、その試験片を用いて、測定温度23℃、引張速度300mm/分の条件で180℃剥離を行い、梱包用部材と梱包用フィルムの剥離強度を測定した。剥離強度が高い程、接着性に優れる。目安としては、剥離強度が1.4N/25mm以上であれば、接着性が高いと言える。
本願請求項1の規定を満たす各実施例の梱包用フィルムは、耐熱性、ブロッキング防止性及び物品保持性に優れていた。また、第1外層の厚さが3~10μm、第2外層の厚さが1~10μm、中間層の厚さが20~50μmの範囲内である実施例1,2,6,8,11,13~18の梱包用フィルムは、物品包装性及び接着性にも優れていた。
第1外層のポリマーの融点Tm1が第2外層のポリマーのTm2よりも低い比較例1の梱包用フィルムは、耐熱性及び接着性が低かった。
第1外層のポリマーと第2外層のポリマーとが同一である比較例2の梱包用フィルムは、耐熱性、物品保持性及び接着性が低かった。
第2外層に含まれるポリマーの密度が0.87g/cm3未満である比較例3の梱包用フィルムは、ブロッキング防止性が低かった。
中間層に含まれる材料が熱可塑性エラストマーではないポリマーである比較例4の梱包用フィルムは、物品保持性及び物品包装性が低かった。
10 梱包用フィルム
11 第1外層
12 第2外層
13 中間層
20 紙基材
Claims (3)
- 基材に取り付けられて、前記基材と共に梱包用部材を形成する梱包用フィルムであって、
第1外層と、前記基材に取り付けられたときに前記基材と接する第2外層と、前記第1外層及び前記第2外層の間に設けられた中間層と、を備え、
前記第2外層は、密度が0.87g/cm3以上のポリマーを含有し、
前記第2外層に含有されるポリマーは、ホモポリプロピレン又はエチレン単位を5質量%以下の割合で含むランダムポリプロピレンのマトリックス中にゴム成分を含有するブロックポリプロピレンであり、
前記第1外層は、前記第2外層に含まれるポリマーの融点Tm2に対して20℃以上高い融点Tm1を有するポリマーを含有し、
前記中間層は、熱可塑性エラストマーを含有する、梱包用フィルム。 - 前記第1外層の厚さが3~10μm、前記第2外層の厚さが1~10μm、前記中間層の厚さが20~50μmである、請求項1に記載の梱包用フィルム。
- 請求項1又は2に記載に梱包用フィルムと、前記梱包用フィルムの第2外層が熱溶着された基材と、を備える、梱包用部材。
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