JP2017210259A - 梱包用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙製である台紙の上にフィルム周辺が熱溶着されていて、フィルムの張力により被梱包対象物を支える梱包用部材において、被梱包対象物を梱包用部材に入れやすく、また中から梱包対象物が抜けにくく、張力をかけたときにしわになりにくい梱包用部材を提供する。【解決手段】梱包用部材のフィルムはオレフィン系樹脂の多層構造であり、50%モジュラス強度が、いずれの方向に対しても4.4MPa以下であり、フィルムのフィルム製造時の流れ方向(MD)の引張破壊応力とフィルム製造時の流れ方向に対して垂直方向(TD)の引張破壊応力の比(MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力)が1.4以下であり、フィルムの最外層に直径5μmから10μm球状の無機物からなるアンチブロック剤を10,000ppm以上添加し、この層を除く他の層の少なくとも1層は、密度が0.900g/cm3以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、梱包用部材に関するものである。
台紙の上に矩形のフィルムの周辺を溶着し、台紙とフィルムの間に梱包対象物を入れ、梱包対象物が挟まれた箇所周辺で台紙を折り曲げ、フィルムの張力により梱包対象物を支持する梱包用部材を用意し、その梱包部材に梱包対象物を挿入し、さらに梱包用部材に梱包されたものを段ボールに入れる梱包形態が提案されている。そこで台紙の上にフィルム周辺を溶着した梱包用部材が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許第5782663号公報 特開2003−335370号公報
しかしながら、特許文献1や、特許文献2の梱包用部材では、梱包初期において梱包対象物を台紙とフィルムの間に、梱包対象物を挿入したときに、溶着部が平行に相対しているので、梱包対象物がすり抜けることがあった。
紙製である台紙の上にフィルム周辺が熱溶着されていて、フィルムの張力により梱包対象物を支える梱包部材において、梱包対象物を梱包部材に入れやすく、また中から抜けにくく、張力をかけたときにしわになりにくく梱包対象物の視認性のよい梱包用部材を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の請求項1の発明は、台紙と、台紙に周辺を溶着されたフィルムから構成され、梱包対象物をフィルムの張力で支持する梱包用部材であって、フィルムは多層のオレフィン系フィルムであり、フィルムの50%モジュラス強度がフィルムの面内のいずれの方向に対しても4.4MPa以下であり、フィルム製造時の流れ方向(MD)の引張破壊応力とフィルム製造時の流れ方向に対して垂直方向(TD)の引張破壊応力の比(MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力)が1.4以下であることを特徴とする梱包用部材である。
本発明の請求項2の発明は、前記フィルムの最外層の2層に融点の差があった場合には融点が低い方の層に、融点が同じであれば、どちらか一方の層は直径5μmから10μm球状の無機物からなるアンチブロック剤が10,000ppm以上添加されていることを特徴とする請求項1の梱包用部材である。
本発明の請求項3の発明は、前記フィルムにおいて、台紙に溶着されない層のうち少なくとも1層の密度が0.900g/cm3以下であり、無機物を含まないことを特徴とする請求項2記載の梱包用部材である。
本発明の請求項4の発明は、前記フィルムのヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の梱包用部材である。
本発明の請求項5の発明は、前記台紙に前記フィルムの外縁が一部を残して溶着されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の梱包用部材である。
本発明の請求項6の発明は、楕円状の開口がある前記台紙で、台紙の開口部の周辺で前記フィルムが溶着されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の梱包用部材である。
紙製である台紙の上にフィルム周辺が熱溶着されていて、フィルムの張力により梱包対象物を支える梱包部材において、梱包対象物を梱包部材に入れやすく、また中から抜けにくく、梱包対象物の視認性の良い梱包部材である。
本発明の第一実施形態に係る梱包用部材の使用例を示す模式図であって、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は折曲部で若干曲げた場合の斜視図、(d)は折曲部で若干曲げた場合の断面図である。 本発明の第二実施形態に係る梱包用部材の使用例を示す模式図であって、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は梱包対象物封入後の断面図である。 本発明の梱包用部材のフィルムの一例の模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係る梱包用部材の使用例を示す模式図であって、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は折曲部で若干曲げた場合の斜視図、(d)は折曲部で若干曲げた場合の断面図である。
梱包用部材100は台紙1と、台紙1に溶着されたフィルム2から構成され、梱包対象物3をフィルム2の張力で支持する。フィルム2は矩形状もしくは楕円状の形状をしており、フィルム2の周辺において一部を除いて台紙1に溶着され、台紙1は、フィルム2が溶着されていない部分に垂直な方向に、梱包対象物3の幅よりも大きい間隔で、折曲部6を有している。
図1に示されるような、フィルム2は矩形状フィルムであり、その三方で溶着する。従来のように、矩形において相対する二辺だけの溶着したものに比べて梱包対象物3を、フィルム2と台紙1の間に入れたときに、梱包対象物が抜け落ちることがない。
このフィルム2の材料を従来のウレタン系樹脂やオレフィン系樹脂の材料にすると、矩形状のフィルムの矩形において相対する二辺だけの溶着した梱包用部材に比べて、梱包対象物は三方で囲まれるためしわになりやすい。そこで本発明では、フィルム2は、しわになりにくく、梱包対象物を台紙とフィルムの間に入れやすいすべり性のよい材料構成とする。
フィルム2は、多層のオレフィン系フィルムである。図3は本発明の梱包用部材のフィルムの一例の模式断面図である。図3では3層構成の例を示している。
フィルム2は、50%モジュラス強度がいずれの方向に対しても4.4MPa以下であり、伸び易いフィルムであり梱包するときの作業性を確保する。
フィルム2のフィルム製造時の流れ方向(MD)の引張破壊応力とフィルム製造時の流れ方向に対して垂直方向(TD)の引張破壊応力の比(MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力)が1.4以下である。MD及びTDの引張破壊応力の比(MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力)は伸び方において方向性を示す値であり、この値が大きいと伸び方において方向性によることになる。従来の梱包用材料では、矩形状のフィルムの矩形において相対する二辺だけの溶着部となって、梱包対象物3を台紙1とフィルムの間に挿入した場合フィルムにしわが発生しなくても、本発明による実施形態の構成である一部を除いて台紙1とフィルム2の溶着部が存在するもので梱包対象物3を台紙1とフィルム2の間に挿入した場合しわが発生しやすい。このことを鋭意検討した結果、伸び方において方向性が少ないフィルム2が求められMD及びTDの引張破壊応力の比(MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力)が1.4以下のものとなった。
また、フィルム2のヘイズが10%以下である。梱包用材料において、梱包対象物3を台紙上で覆うもので、視認性が求められるので、基本的に透明に近いフィルムにする。
また、フィルム2の最外層の2層のうち、前記2層に融点の差があった場合、樹脂の融点が低い方の層に、前記2層の樹脂の融点が同じであれば、どちら片側の層に、直径5μmから10μm球状の無機物からなるアンチブロック剤を10,000ppm以上添加し、またその層の表面にコロナ処理を施し、その層のコロナ処理された面を台紙1に溶着する。コロナ処理するのは溶着した際に台紙1とフィルム2と間の接着性をもたせるためである。
また、フィルム2において、フィルムを構成する層の、アンチブロック剤が添加されコロナ処理されていない層の中で、少なくとも1層が、密度0.900g/cm以下である。
また、台紙1は、フィルム2が溶着されていない部分に垂直な方向に、梱包対象物の幅よりも大きい間隔で、折曲部6を有している。図1に示されるように、梱包対象物3をフィルム2に挿入した後、折曲部6で、梱包対象物3とは反対側に、台紙1を折り曲げると、梱包対象物3にフィルム2の張力がさらにかかるようになり、フィルム2の梱包対象物3に対する密着性が上がる。
紙製である台紙の上にフィルム周辺が熱溶着されていて、フィルムの張力により梱包対象物を支える梱包用部材において、梱包対象物を梱包用部材に入れやすく、また中から抜けにくく、中のものが見やすい梱包用部材である。
別の実施形態について説明する。図2は本発明の第二実施形態に係る梱包用部材の使用例を示す模式図であって、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は梱包対象物格納後の断面図である。
梱包用部材200は中心部に楕円状の開口部がある台紙11の中心部の開口部周辺に溶着された楕円状のフィルム2とからなるものを2つ備える。
中心部に楕円状の抜きがある台紙11の中心部の抜き周辺に溶着された楕円状のフィルム2とからなるもので、梱包対象物3をフィルム2の溶着されていない部分で上下ではさみ、上下の台紙11の紙部分で接触している部分を接着し、梱包対象物3をフィルム2の溶着されていない部分の中に挟み込み格納する。使用するフィルム2は上記と同じフィルムを使用する。梱包対象物3の周囲をフィルム2で挟み込む形になるが、梱包対象物3にフィルム2が押されてれも、しわになりにくい。また梱包対象物3を格納するときにフィルム2に接する梱包対象物3が、アンチブロック剤が添加されているのでフィルム上をな
めらかにすべり、梱包対象物3を入れやすい。アンチブロック剤が添加されていてもフィルム2は透明に近くヘイズが10%以下である。
紙製である台紙の上にフィルム周辺が熱溶着されていて、フィルムの張力により梱包対象物を支える梱包用部材において、梱包対象物を梱包用部材に入れやすく、また中から抜けにくく、中のものが見やすい梱包用部材である。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
フィルム2はオレフィン系樹脂フィルムの三層構成とした。図3で示されるように層1、層2、層3から成り立っている。層1は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層1に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を10,000ppm添加した。この層1の層厚は8μmである。この層1の表面にコロナ処理を施した。層2は原料として密度0.870g/cmの低結晶性のα―オレフィン共重合体を用いた。この層2にはアンチブロック剤は添加しなかった。この層2の層厚は24μmであった。層3は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層3に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を10,000ppm添加した。この層3の層厚は8μmである。これらの層構成によるフィルム2の総厚は40μmである。
このフィルム2を用いて、フィルム2の層1が台紙1に接する面となって、図1のような梱包用部材を作製した。梱包対象物3は250mm×150mm×60mmのサイズの箱を使用した。フィルム2は250mm×300mmの大きさで、台紙1は400mm×300mmの大きさの段ボールで、溶着部4の幅は10mmであった。
<実施例2>
フィルム2はオレフィン系樹脂フィルムの三層構成とした。図3で示されるように層1、層2、層3から成り立っている。層1は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層1に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を20,000ppmを添加した。この層1の層厚は8μmである。この層1の表面にコロナ処理を施した。層2は原料として密度0.870g/cmの低結晶性のα―オレフィン共重合体を用いた。この層2にはアンチブロック剤は添加しなかった。この層2の層厚は24μmであった。層3は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層3に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を20,000ppm添加した。この層3の層厚は8μmである。これらの層構成によるフィルム2の総厚は40μmである。
このフィルム2を用いて、フィルム2の層1が台紙1に接する面とし、図1に示される梱包用部材100を作製した。梱包対象物3は250mm×150mm×60mmのサイズの箱を使用した。フィルム2は250mm×300mmの大きさで、台紙1は400mm×300mmの大きさの段ボールで、溶着部4の幅は10mmであった。
<比較例1>
フィルム2はウレタン系樹脂の単層の構成とした。このフィルム2の層に添加物は入っていない。総厚は25μmであった。フィルム2の層の台紙1に接する面にコロナ処理を施した。
このフィルム2を用いて、コロナ処理されている面を台紙1に接して、図1に示される
梱包用部材100を作製した。梱包対象物3は250mm×150mm×60mmのサイズの箱を使用した。フィルム2は250mm×300mmの大きさで、台紙1は400mm×300mmの大きさの段ボールで、溶着部4の幅は10mmであった。
<比較例2>
フィルム2はオレフィン系樹脂の単層の構成とした。この層は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。このフィルム2の層に添加物は入れなった。この層の総厚は40μmであった。このフィルム2の層の台紙1に接する面にコロナ処理を施した。
このフィルム2を用いて、コロナ処理されている面を台紙1に接して、図1に示される梱包用部材100を作製した。梱包対象物3は250mm×150mm×60mmのサイズの箱を使用した。フィルム2は250mm×300mmの大きさで、台紙1は400mm×300mmの大きさの段ボールで、溶着部4の幅は10mmであった。
<比較例3>
フィルム2はオレフィン系樹脂フィルムの三層構成である。図3で示されるように層1、層2、層3から成り立っている。層1は原料として密度0.905g/cmのオレフィン系樹脂が用いられている。この層1に添加物は無い。この層厚は8μmである。この層にコロナ処理を施した。層2は原料として密度0.89g/cm以下のオレフィン系樹脂が用いられている。この層にはアンチブロック剤が添加されている。この層2の層厚は24μmである。層3は原料として密度0.905g/cmのオレフィン系樹脂が用いられている。この層3にアンチブロック剤が添加されている。この層3の層厚は8μmである。これらの層構成によるフィルム2の総厚は40μmである。
このフィルム2を用いて、フィルム2の層1が台紙1に接する面とし、図1に示される梱包用部材100を作製した。梱包対象物3は250mm×150mm×60mmのサイズの箱を使用した。フィルム2は250mm×300mmの大きさで、台紙1は400mm×300mmの大きさの段ボールで、溶着部4の幅は10mmであった。
<比較例4>
フィルム2はオレフィン系樹脂フィルムの三層構成とした。図3で示されるように層1、層2、層3から成り立っている。層1は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層1に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を8,000ppmを添加した。この層1の層厚は8μmである。この層1の表面にコロナ処理を施した。層2は原料として密度0.902g/cmの低結晶性のα―オレフィン共重合体を用いた。この層2にはアンチブロック剤を添加しなかった。この層厚は24μm。層3は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層3に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を8,000ppm添加した。この層3の層厚は8μmである。これらの層構成によるフィルム2の総厚は40μmである。
このフィルム2を用いて、フィルム2の層1が台紙1に接する面とし、図1に示される梱包用部材100を作製した。梱包対象物3は250mm×150mm×60mmのサイズの箱を使用した。フィルム2は250mm×300mmの大きさで、台紙1は400mm×300mmの大きさの段ボールで、溶着部4の幅は10mmであった。また折曲部6で、台紙1を梱包対象物3とは反対側に折り曲げ、折り曲げた台紙部分を台紙1に接触させた。
<比較例5>
フィルム2はオレフィン系樹脂フィルムの三層構成とした。図3で示されるように層1、層2、層3から成り立っている。層1は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層1に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を8,000ppmを添加した。この層1の層厚は8μmである。この層1表面にコロナ処理を施した。層2は原料として密度0.885g/cmの低結晶性のα―オレフィン共重合体を用いた。この層2にはアンチブロック剤を添加しなかった。この層厚は24μm。層3は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層3に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を8,000ppm添加した。この層厚は8μmである。これらの層構成によるフィルム2の総厚は40μmである。
このフィルム2を用いて、フィルム2の層1が台紙1に接する面とし、図1に示される梱包用部材100を作製した。梱包対象物3は250mm×150mm×60mmのサイズの箱を使用した。フィルム2は250mm×300mmの大きさで、台紙1は400mm×300mmの大きさの段ボールで、溶着部4の幅は10mmであった。
<比較例6>
フィルム2はオレフィン系樹脂フィルムの三層構成とした。図3で示されるように層1、層2、層3から成り立っている。層1は原料として密度0.902g/cmのポリエチレンを用いた。この層1に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を8,000ppmを添加した。この層1の層厚は8μmである。この層1の表面にコロナ処理を施した。層2は原料として密度0.870g/cmの低結晶性のα―オレフィン共重合体を用いた。この層にはアンチブロック剤を添加しなかった。この層2の層厚は24μm。層3は原料として密度0.902g/cm3のポリエチレンを用いた。この層3に直径5μmから10μm球状のゼオライト系アンチブロック剤を8,000ppm添加した。この層3の層厚は8μmである。これらの層構成によるフィルム2の総厚は40μmである。
このフィルム2を用いて、フィルム2の層1が台紙1に接する面とし、図1に示される梱包用部材100を作製した。梱包対象物3は250mm×150mm×60mmのサイズの箱を使用した。フィルム2は250mm×300mmの大きさで、台紙1は400mm×300mmの大きさの段ボールで、溶着部4の幅は10mmであった。
<試験方法>
実施例と比較例について、下記の方法で試験し、比較評価した。
フィルム2の物性評価としてモジュラス強度、MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力、ヘイズを測定した。
50%モジュラス強度は引張り試験機AGS−5KNG(島津製作所製)で測定した。
MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力はJISK 7161に準拠し、フィルム2のMDの引張破壊応力[単位:MPa]とTDの引張破壊応力[単位:MPa]を測定し、その比(MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力)を算出した。
ヘイズは日本電色工業株式会社製NDH7000で測定した。
また製作した梱包用部材100を用いて、梱包対象物3として250mm×150mm×60mmのサイズの箱を、台紙1とフィルム2の間に挿入し、挿入したときの入りやすさでもってすべり性を評価した。
梱包対象物3がフィルム2に触れても抵抗なく梱包対象物3を挿入できる場合は〇、製品がフィルムに触れると抵抗があり、フィルムから離さないと製品を挿入できない場合は×とした。
また、梱包用部材100を用いて、梱包対象物3を、台紙1とフィルム2の間に挿入した後、台紙1を折曲部6で梱包対象物3とは反対側に折り曲げ、折り曲げた台紙部分を台紙1の裏に接触させ、フィルム2を梱包対象物3に押し付けて、フィルム2におけるしわの発生具合を評価した。
この時に梱包対象物3の外観に影響するしわの発生無い場合は〇、梱包対象物3の外観に影響するしわが発生するが製品の視認は可能の場合は△、梱包対象物3の外観に影響するしわが発生し、製品の視認が不可能な場合は×とした。
その結果を表1にまとめた。
<比較結果>
実施例1と実施例2では、50%モジュラス強度が4.4以下であり、フィルム2の50%モジュラス強度が1.4以下であり、MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力は1.1以下であり、しわの発生もなく、層1と層3にアンチブロック剤が10,000ppm以上入っており、すべり性も良好であった。ヘイズは10%以下であり、視認性も良かった。本発明の効果が確認できた。
比較例1に見られるように、ウレタン樹脂系フィルム単層のフィルム2では50%モジュラス強度が4.4MPaを超えてしまい、すべり性が悪かった。MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力は1.0であり、しわはできにくかった。ヘイズは10%以上であり視認性が悪い。
比較例2に見られるように、オレフィン樹脂系フィルム単層のフィルム2では50%モジュラス強度が4.4MPaを超えてしまい、MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力は1.6で、1.4を超えており、しわが発生した。すべり性は良かった。ヘイズが10%以上であり視認性が悪い。
比較例3に見られるように、層1と層3でアンチブロック剤が添加されているので、すべり性がいい。フィルム2の50%モジュラス強度は3.6であるが、MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力は1.5であり、1.4を超えているので、しわが少し発生してしまう。ヘイズが10%以上であり視認性が悪い。
比較例4に見られるように、フィルム2の50%モジュラス強度は5.5であり、4.4を超えているので、MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力は1.1であるが、しわが発生する。層1と層3でアンチブロック剤が添加されているが、アンチブロック剤の添加量が少なくすべり性は良くない。ヘイズが10%未満であり視認性はよい。
比較例5に見られるように、50%モジュラス強度は4.5であり4.4を超えており、MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力は1.1であるが、しわが発生する。層1と層3でアンチブロック剤が添加されているが量が少なくすべり性は良くない。ヘイズが10%未満であり視認性はよい。
比較例6に見られるように、フィルム2の50%モジュラス強度は3.1であり、MD
の引張破壊応力/TDの引張破壊応力は1.1であり、しわ発生が少ない。層1と層3でアンチブロック剤が添加されているが、アンチブロック剤の添加量が少なくすべり性は良くない。ヘイズが10%未満であり視認性はよい。
1・・・台紙
2・・・フィルム
3・・・梱包対象物
4・・・溶着部
5・・・溶着部
6・・・折込部
11・・・台紙
15・・・層1
16・・・層2
17・・・層3
100・・・梱包用部材
200・・・梱包用部材

Claims (6)

  1. 台紙と、台紙に周辺を溶着されたフィルムから構成され、梱包対象物をフィルムの張力で支持する梱包用部材であって、
    フィルムは多層のオレフィン系フィルムであり、フィルムの50%モジュラス強度がフィルムの面内のいずれの方向に対しても4.4MPa以下であり、フィルム製造時の流れ方向(MD)の引張破壊応力とフィルム製造時の流れ方向に対して垂直方向(TD)の引張破壊応力の比(MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力)が1.4以下であることを特徴とする梱包用部材。
  2. 前記フィルムの最外層の2層に融点の差があった場合には融点が低い方の層に、融点が同じであれば、どちらか一方の層は直径5μmから10μm球状の無機物からなるアンチブロック剤が10,000ppm以上添加されていることを特徴とする請求項1の梱包用部材。
  3. 前記フィルムにおいて、台紙に溶着されない層のうち少なくとも1層の密度が0.900g/cm3以下であり、無機物を含まないことを特徴とする請求項2記載の梱包用部材。
  4. 前記フィルムのヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の梱包用部材。
  5. 前記台紙に前記フィルムの外縁が一部を残して溶着されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の梱包用部材。
  6. 楕円状の開口がある前記台紙で、台紙の開口部の周辺で前記フィルムが溶着されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の梱包用部材。
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