JP2018087029A - 包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、積層フィルムを延伸させることよって製品を固定し、重ね合わせた台紙と積層フィルムを融着させて台紙同士を固定することにより、接着材を使用せず簡易に包装でき、さらに開封性を向上させる包装体を提供することである。【解決手段】本発明の包装体100は、少なくとも1つの窓枠111を有する第1の台紙110と、第1の台紙110の少なくとも1つの窓枠111の周囲に第1のシールにより融着された積層フィルム130と、少なくとも1つの窓枠111の周囲に第1のシールにより融着された積層フィルム130に梱包対象物140を押し付けながら積層フィルム130を延伸させると同時に、積層フィルム130に第2のシール420により融着されることにより第1の台紙110に重ね合わされて固定される第2の台紙120とを備え、第2の台紙120に少なくとも1本のミシン目121が設けられることを特徴とする。【選択図】図5
Description
本発明は、梱包対象物を簡易に収容できる包装体に関する。
従来から、ブリスターパックと呼ばれる、透明プラスチックシートをデザインに合わせて真空成型し、凸部分に商品を入れ、裏面から比較的堅い材質で板状の薬包や厚紙を台紙とし商品名などを印刷し、台紙とプラスチックシートを接着し、あるいは、スライド式着脱可能に梱包する方法が知られている。ブリスターパックは、台紙とプラスチックシートの隙間がないため、商品が汚れず、透明なプラスチックシートから、商品の様子を細かく見ることができるため、文具や化粧品などのディスプレイに広く使用されている。
また、特許文献1には、窓枠を有する台紙にフィルムを固定し、製品及び型でフィルムを延伸して製品収納部を形成し、製品をセットした後、裏側に台紙で蓋をする梱包構造が開示されている。
また、特許文献2には、段ボールにフィルムを接着し、製品をセットした後、フィルムを延伸させ、フィルムの反発力により、製品を固定する梱包構造も開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された製品及び型でフィルムを延伸して製品収納部を形成し、製品をセットした後、裏側に台紙で蓋をする梱包構造では、製品を固定する前にフィルムの収納部を形成する工程が必要である上、製品毎に収納部を形成する型を変更する必要があるという問題がある。
また、特許文献2に開示されたフィルムの反発力を利用して製品を固定する梱包構造では、製品を固定するために、フィルムを延伸させる動作が必要な上、延伸状態で固定させるためにフィルムの反発力よりも強い力でフィルムの収縮を抑える構造が必要であるという問題がある。
また、積層フィルムを延伸させ製品を固定すると同時に、台紙同士を融着により接着して固定する場合、積層フィルムを延伸させた状態で過熱させる必要があるため、シールの端部で積層フィルムのエッジ切れが発生するという問題もある。さらに、開封時に2枚の台紙を接着しているシール部を剥す必要があり、開封性が良くないという問題もある。
したがって、本発明は、上述の従来の問題点を解決し、積層フィルムを延伸させることによって製品を固定し、重ね合わせた台紙と積層フィルムを融着させて台紙同士を固定することにより、接着材を使用せず簡易に包装でき、さらに開封性を向上させる包装体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の包装体は、少なくとも1つの窓枠を有する第1の台紙と、上記第1の台紙の上記少なくとも1つの窓枠の周囲に第1のシールにより融着された積層フィルムと、上記少なくとも1つの窓枠の周囲に上記第1のシールにより融着された積層フィルムに梱包対象物を押し付けながら上記積層フィルムを延伸させると同時に、上記積層フィルムに第2のシールにより融着されることにより上記第1の台紙に重ね合わせられて固定される第2の台紙とを備え、上記第2の台紙に少なくとも1本のミシン目が設けられることを特徴とする。
また、上記第1の台紙と上記積層フィルムとを融着する上記第1のシールに対して、上記第2の台紙と上記積層フィルムとを融着する上記第2のシールが上記少なくとも1つの窓枠の外側に所定値以上離れて位置されるものとしてもよい。
また、上記ミシン目は、1本であるものとしてもよい。
また、上記第2のシールのうち、上記ミシン目と直交する部分の両側に、未シール部が設けられるものとしてもよい。
また、上記未シール部は、上記第2のシールが上記ミシン目と直交する部分から、上記第2の台紙の長い辺を有する側には、所定値以上の長さで設けられ、上記第2の台紙の短い辺を有する側には、上記梱包対象物の端部から所定値以上の長さで設けられるものとしてもよい。
また、上記ミシン目は、上記窓枠より幅の狭い2本のミシン目であるものとしてもよい。
また、上記第2のシールのうち、上記ミシン目と直交する部分に上記2本のミシン目の幅より所定値以上幅の広い未シール部が設けられるものとしてもよい。
また、上記第1の台紙と上記第2の台紙が1枚の台紙として構成され、上記1枚の台紙を折り畳むことにより上記第1の台紙と上記第2の台紙が重ね合わせられて固定されるものとしてもよい。
また、上記少なくとも1つの窓枠は、複数の窓枠で構成されるものとしてもよい。
また、上記少なくとも1つの窓枠の形状が、長方形、円形、楕円形、多角形、または、上記梱包対象物の形状に合わせた形状であるものとしてもよい。
また、上記積層フィルムが、オレフィン系樹脂フィルムを3層構造にしたものであるものとしてもよい。
本発明によれば、積層フィルムを延伸させることによって製品を固定し、重ね合わせた台紙と積層フィルムを融着させて台紙同士を固定し、押さえ用台紙にミシン目を設けることにより、従来の問題点を解決し、接着材を使用せず簡易に包装でき、さらに開封性を向上させる包装体を提供できる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の包装体100の構成を分解して示す平面図である。
図1において、包装体100は、窓枠付台紙である第1の台紙110と、押さえ用台紙である第2の台紙120と、積層フィルム130とを備える。
第1の台紙110は、中央に長方形状の開口部である窓枠111が形成されている。第1の台紙110の材質としては、ここでは紙製としたが、特に限定はなく、包装体100の内部に収容される後述する梱包対象物140を保持できる強度を有していればよく、薬包等でもよい。また、窓枠111の形状は、ここでは長方形状としたが、これには限定されず、円形、楕円形、または、多角形、あるいは、製品の形状に合わせた形状であっても構わない。また、窓枠111は、ここでは1箇所のみ形成されるものとしたが、これには限定されず、複数個所形成されるものとしてもよい。また、第1の台紙110には、窓枠111の一部を横断する位置に、後述する図5を使用して以下で詳細に説明する、折掛線112が設けられる。
第2の台紙120は、窓枠が無く、第1の台紙110と重ね合わせられるために、ほぼ同じ大きさに形成される。第2の台紙120の材質としては、第1の台紙110と同様に、ここでは紙製としたが、特に限定はなく、包装体100の内部に収容される後述する梱包対象物140を保持できる強度を有していればよい。また、第2の台紙120には、上述の折掛線112に対応する位置にミシン目121が設けられる。なお、ミシン目121は、ここでは、長方形の第2の台紙120の長手方向中央より上側に短手方向に横断する1本の直線として設けられるが、これには限定されず、長手方向に横断するように設けられても、後述する第3、第4、第5の実施形態の包装体700、800、1300に示すように2本の直線として設けられるものとしてもよい。
積層フィルム130は、後述するように、第1の台紙110の窓枠111の周囲に(熱)融着される。積層フィルム130は、延伸性を有し、延伸しても内部に収容する後述する梱包対象物140を保持できる強度を有する必要がある。また、後述するように、積層フィルム130は、第1の台紙110、及び、第2の台紙120に融着する必要があるため、積層フィルム130の各層のフィルムはガラス転移温度が常温以下で構成されることが望ましい。また、積層フィルム130として、積層フィルム130に張力をかけたときに、すべり性、視認性共に良好で、しわができにくいものが望ましい。
積層フィルム130として、ここでは、オレフィン系樹脂フィルムを3層構造にしたものであって、フィルムの50%モジュラス強度がフィルムの面内のいずれの方向に対しても4.4MPa以下であり、フィルム製造時の流れ方向(MD)の引張破壊応力とフィルム製造時の流れ方向に対して垂直方向(TD)の引張破壊応力の比(MDの引張破壊応力/TDの引張破壊応力)が1.4以下のものを使用したが、これには限定されず、上述の条件を満足する他のフィルムを使用してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態の包装体200の構成を分解して示す平面図である。
図2において、包装体200は、窓枠付台紙である第1の台紙210、及び、押さえ用台紙である第2の台紙220が一体として構成され、中央に折れ線罫線211´の付いた1枚の台紙210´と、積層フィルム230とを備える。
1枚の台紙210´の一部である第1の台紙210は、第1の実施形態の包装体100の第1の台紙110と同様に、中央に長方形状の開口部である窓枠211が形成され、窓枠211の周囲には、積層フィルム230が融着される。また、1枚の台紙210´の一部である第2の台紙220は、第1の実施形態の包装体100の第2の台紙120と同様に、窓枠が無く、第1の台紙210と重ね合わせられるために、ほぼ同じ大きさに形成される。また、第1の実施形態の包装体100と同様に、第1の台紙210には、窓枠211の一部を横断する位置に折掛線212が設けられ、第2の台紙220には、折掛線212に対応する位置にミシン目221が設けられる。
1枚の台紙210´は、折れ線罫線211´の部分で折り畳むことにより第1の台紙210と第2の台紙220が重ね合わせられ、第1の実施形態の包装体100と同様の形状を有する包装体200が形成される。なお、第2の実施形態の包装体200は、1枚の台紙210´を使用することにより、第1の実施形態の包装体100と比較して、製造工数を低減できるという効果を有する。
次に、本発明の製造方法について説明する。
図3は、本発明に係る包装体100を示す断面図である。なお、ここでは、第1の実施形態の包装体100を例にとり説明するが、第2の実施形態の包装体200、及び、後述する第3、第4、及び、第5の実施形態の包装体700、800、1300も同様の構成となる。
図3において、まず、包装体100の第1の台紙110の窓枠111の周囲に積層フィルム130が融着される。続いて、第1の台紙110の積層フィルム130が融着された面から、積層フィルム130の窓枠111の内部の位置に梱包対象物140を押し付けながら積層フィルム130を延伸させる。このときに、梱包対象物140を第2の台紙120で押し付けてもよく、この場合には、次の工程で第1の台紙と、第2の台紙を速やかに融着できる。なお、梱包対象物140としては、包装体100を商品陳列用に使用する場合には、文房具、化粧品などの製品が含まれ、運搬時の梱包用として使用する場合には、その運搬物などが含まれる。
次に、押し付けた梱包対象物140の後方から第2の台紙120を積層フィルム130に融着することにより、梱包対象物140を収容して第1の台紙110と第2の台紙120を重ね合わせて固定する。このように第1の台紙110及び第2の台紙120に積層フィルム130を融着して固定することにより、接着剤を使用することなく、簡易な方法で包装体100を形成することができる。
図4(a)は、本発明の第1、及び、第2の実施形態の包装体100、200の第1のシール410の位置を示す図であり、図4(b)は、本発明の第1、及び、第2の実施形態の包装体100、200の第2のシール420の位置を示す図である。なお、ここでは、第1の実施形態の包装体100を例にとり説明する。
図4(a)において、包装体100の第1の台紙110の窓枠111の周囲に積層フィルム130が融着される第1のシール410の位置が示される。一方、図4(b)において、包装体100の第2の台紙120が積層フィルム130に融着される第2のシール420の位置が示される。図4(b)に示すように、距離aは、第1のシール410と第2のシール420との距離である。また、第2のシール420には、未シール部420aが設けられるが、この点については、後述する図5を参照して詳細に説明する。
図4(b)に示す距離aについては、距離aがマイナスか0の場合、つまり第1のシール410より第2のシール420が内側か同じ位置の場合には、積層フィルム130が梱包対象物140により延伸した状態で、積層フィルム130と第2の台紙120を加熱して融着するため、積層フィルム130が融けて、エッジ切れが発生する。また、距離aが所定値以下の場合にも、熱が伝播するためエッジ切れが発生する可能性がある。従って、距離aは、所定値(ここでは1.0mm)以上にする必要があり、つまり第1のシール410より第2のシール420が所定値(ここでは1.0mm)以上外側の場合には、第2のシール420の融着時に熱が伝播せず、エッジ切れの発生を防止できる。
図5は、本発明の第1、及び、第2の実施形態の包装体100、200の開封方法を示す図である。なお、ここでは、第1の実施形態の包装体100を例にとり説明する。
図5の左側に示す図は、梱包対象物140が収容された包装体100を第1の台紙110側から透視した状態を示しており、右側の図は、ミシン目121を切り離し、包装体100を折り曲げて、梱包対象物140を突出させた状態を示している。図5に示されるように、包装体100から梱包対象物140を取り出す場合には、まず、第2の台紙120に設けられたミシン目121を切り離す。次に、第1の台紙110のミシン目121に対応する位置に設けられた折掛線112を第1の台紙110側に折り曲げて、ミシン目121の間から梱包対象物140を突出させて、取り出す。
このように、ミシン目121を設けて、梱包対象物140の取り出し時に、ミシン目121を切り離して、梱包対象物140を突出させてから取り出すことにより、積層フィルム130を破く、又は、第1のシール410、あるいは、第2のシール420を剥す必要がなくなり、開封性が改善される。
また、図5の左側の図に示されるように、第2のシール420のミシン目121と直交する部分の両側には、未シール部420aが設けられている。未シール部420aは、開封性と取り出し易さを改善するために設けられているが、この点について、図6を参照して、以下に詳細に説明する。
図6は、本発明の第1、及び、第2の実施形態の包装体100、200の開封性、及び、取り出し易さを測定した結果を示す表である。
図6に示す測定結果は、以下に示す測定条件で測定したものである。第1の台紙110、及び、第2の台紙120として、170mm×50mmサイズにカットした350g/m2の厚みのカード紙を使用した。第1の台紙110には、125mm×35mmの窓枠111を設け、第2の台紙120には、図6に示す15mm、又は25mmの各位置にミシン目121を設けた。積層フィルム130として、170mm×45mmにカットされたものを使用し、梱包対象物140として、100mm×15mm×12mmのものを使用し、窓枠111に収まるように配置した。第1のシール410、及び、第2のシール420として、シール幅10mm、シール圧0.2MPa、シール時間1.0秒、シール温度140℃に設定して、熱融着を行った。
図6に示す表において、一番上の欄には、左から包装体100の図5に示す上端からの梱包対象物140の上端の位置を示す製品位置[Y]、ミシン目121の位置を示すミシン目位置[X1]、未シール部420aの上端を示す始点[g1]、未シール部420aの下端を示す終点[g2]、開封性、及び、取り出し易さが示されている。開封性、及び、取り出し易さについては、試験者の官能評価により判定した。
まず、ミシン目121がない場合(比較例1)には、第2の台紙120を開封することができず、開封性が悪く、取り出し易さも悪くなっている。次に、未シール部420aがない場合(比較例2)には、積層フィルム130が剥がれにくくなり、開封性、取り出し易さ共に悪くなっている。次に、製品位置[Y]が20mmであり、これに対してミシン目位置[X1]が上にある場合(15mm:比較例2〜5)には、開封性がよくても、取り出し易さが悪くなっている。これは、ミシン目121に対応する位置にある折掛線112で折り曲げたときに、梱包対象物140の上部が突出せず、取り出しにくくなるからである。次に、製品位置[Y]に対してミシン目位置[X1]が下にあり、未シール部420aの始点[g1]が製品位置[Y]より下にある場合(比較例6)には、この場合にも、ミシン目121に対応する位置にある折掛線112で折り曲げたときに、梱包対象物140の上部が突出し難くなり、取り出し易さが悪くなる。次に、未シール部420aの終点[g2]がミシン目位置[X1]より上にある場合(比較例7)には、ミシン目121に対応する位置にある折掛線112で折り曲げたときに、積層フィルム130が剥がれ難くなり、開封性が悪くなる。
以上の内容から、最下欄の実施例では、ミシン目位置[X1]は、製品位置[Y]より下方となり、未シール部420aの始点[g1]は、製品位置[Y]より所定値(ここでは1mm)以上上方となり、未シール部420aの終点[g2]より所定値(ここでは1mm)以上下方となっている。この場合には、開封性と取り出し易さが改善されることがわかった。なお、ここでは、所定値は1mmとなっているが、梱包対象物140の大きさなどにより適宜選択すればよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態の包装体700の構成を分解して示す平面図である。
図7において、包装体700は、窓枠付台紙である第1の台紙710と、押さえ用台紙である第2の台紙720と、積層フィルム730とを備える。
図7に示す包装体700は、図1に示す包装体100と比較して、第2の台紙720に窓枠711より狭い幅[X2]を有する2本のミシン目721が長方形の第2の台紙720の長手方向に横断するように設けられている点と、第1の台紙710に折掛線712が設けられていない点が異なり、その他の点は同じである。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態の包装体800の構成を分解して示す平面図である。
図8において、包装体800は、窓枠付台紙である第1の台紙810、及び、押さえ用台紙である第2の台紙820が一体として構成され、中央に折れ線罫線811´の付いた1枚の台紙810´と、積層フィルム830とを備える。
図8に示す包装体800は、図2に示す包装体200と比較して、第2の台紙820に窓枠811より狭い幅[X2]を有する2本のミシン目821が長方形の第2の台紙820の長手方向に横断するように設けられている点と、第1の台紙810に折掛線812が設けられていない点が異なり、その他の点は同じである。
図9(a)は、本発明の第3、及び、第4の実施形態の包装体700、800の第1のシール910の位置を示す図であり、図9(b)は、本発明の第3、及び、第4の実施形態の包装体700、800の第2のシール920の位置を示す図である。なお、ここでは、第3の実施形態の包装体700を例にとり説明する。
図9(a)において、包装体700の第1の台紙710の窓枠711の周囲に積層フィルム730が融着される第1のシール910の位置が示される。一方、図9(b)において、包装体700の第2の台紙720が積層フィルム730に融着される第2のシール920の位置が示される。図9(b)に示すように、距離aは、第1のシール910と第2のシール920との距離であるが、上述の図4(b)に示す第1、及び、第2の実施形態の包装体100、200と同様であるため説明は省略する。また、第2のシール920には、上部の短手方向に幅[g]mmの未シール部920aが設けられる。この点については、以下で詳細に説明する。
図10は、本発明の第3、及び、第4の実施形態の包装体700、800の開封性を測定した結果を示す表である。
図10に示す測定結果は、以下に示す測定条件で測定したものである。第1の台紙710、及び、第2の台紙720として、180mm×65mmサイズにカットした350g/m2の厚みのカード紙を使用した。第1の台紙710には、115mm×35mmの窓枠711を設け、第2の台紙720には、図10に示す各幅のミシン目721を設けた。積層フィルム730として、170mm×55mmにカットされたものを使用し、梱包対象物140を窓枠711に収まるように配置した。第1のシール910、及び、第2のシール920として、シール幅10mm、シール圧0.2MPa、シール時間1.0秒、シール温度140℃に設定して、熱融着を行った。
図10に示す表において、一番上の欄には、左から図7、及び、図8に示すミシン目721の幅であるミシン目幅[X2]、図9(b)に示す未シール部920aの幅である未シール部幅[g]、及び開封性が示されている。開封性については、試験者の官能評価により判定した。
まず、ミシン目幅[X2]と未シール部幅[g]が同じ場合(比較例1、比較例4)には、誤差や熱の伝播により、積層フィルム730が剥がれ難くなり、開封性が悪くなる。また、ミシン目幅[X2]が未シール部幅[g]より広い場合(比較例2、比較例5)には、積層フィルム730は第2の台紙720に熱融着されており、積層フィルム730は剥がれ難く、開封性が悪くなる。
以上の内容から、最下欄の2つの実施例では、ミシン目幅[X2]が未シール部幅[g]より所定値(ここでは、2mm)以上狭くなっており、この場合には、第2の台紙720が積層フィルム730から剥がれ易くなり、開封性が改善されることがわかった。なお、ここでは、所定値は2mmとなっているが、梱包対象物140の大きさなどにより適宜選択すればよい。次に、本発明の第3、及び、第4の実施形態の包装体700、800の開封方法を説明する。
図11は、本発明の第3、及び、第4の実施形態の包装体700、800の開封方法の一例を示す図である。
図11において、包装体700には、2本のミシン目721の幅より狭い幅の梱包対象物740が収納されている。この場合、上述の未シール部920aが設けられた上部から、ミシン目721を切り離した端部を剥し、内部に収容された梱包対象物740を取り出すことができる。
図12は、本発明の第3、及び、第4の実施形態の包装体700、800の開封方法の別の例を示す図である。
図12において、包装体700には、2本のミシン目721より幅の広い梱包対象物740´が収納されている。この場合、未シール部920aは、上部と下部の両方に設けられ、ミシン目721を切り離した短冊部分を取り外すことができる。この後、包装体700を第1の台紙710側に折り曲げ、内部の梱包対象物740´を突出させて、取り出すことができる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図13は、本発明の第5の実施形態の包装体1300の開封方法の例を示す図である。
図13において、包装体1300は、窓枠付台紙である第1の台紙1310と、押さえ用台紙である第2の台紙1320と、積層フィルム1330とを備える。
図13に示す包装体1300は、図7に示す第3の実施形態の包装体700と比較して、第2の台紙1320に、窓枠1311より狭い幅を有する2本のミシン目1321が長方形の第2の台紙1320の短手方向に横断するように設けられている点が異なり、その他の点は同じである。
図13の右側の図に示すように、包装体1300は、ミシン目1321を切り離した短冊部分を取り外し、包装体1300を第1の台紙1310側に折り曲げ、内部に収容された梱包対象物1340を突出させて、取り出すことができる。
以上のように、本発明によれば、積層フィルムを延伸させることより製品を固定し、重ね合わせた台紙と積層フィルムを融着させて台紙同士を固定し、押さえ用台紙にミシン目を設けることにより、従来の問題点を解決し、接着材を使用せず簡易に包装でき、さらに開封性を向上させる包装体を提供できる。
100、200、700、800、1300 包装体
110、210、710、810、1310 第1の台紙
111、211、711、811、1311 窓枠
120、220、720、820、1320 第2の台紙
130、230、730、830、1330 積層フィルム
140、740、740´、1340 梱包対象物
210´、810´ 1枚の台紙
211´、811´ 折れ線罫線
410、910 第1のシール
420、920 第2のシール
110、210、710、810、1310 第1の台紙
111、211、711、811、1311 窓枠
120、220、720、820、1320 第2の台紙
130、230、730、830、1330 積層フィルム
140、740、740´、1340 梱包対象物
210´、810´ 1枚の台紙
211´、811´ 折れ線罫線
410、910 第1のシール
420、920 第2のシール
Claims (11)
- 少なくとも1つの窓枠を有する第1の台紙と、
前記第1の台紙の前記少なくとも1つの窓枠の周囲に第1のシールにより融着された積層フィルムと、
前記少なくとも1つの窓枠の周囲に前記第1のシールにより融着された積層フィルムに梱包対象物を押し付けながら前記積層フィルムを延伸させると同時に、前記積層フィルムに第2のシールにより融着されることにより前記第1の台紙に重ね合わせられて固定される第2の台紙とを備え、
前記第2の台紙に少なくとも1本のミシン目が設けられることを特徴とする包装体。 - 前記第1の台紙と前記積層フィルムとを融着する前記第1のシールに対して、
前記第2の台紙と前記積層フィルムとを融着する前記第2のシールが前記少なくとも1つの窓枠の外側に所定値以上離れて位置されることを特徴とする請求項1に記載の包装体。 - 前記ミシン目は、1本であることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
- 前記第2のシールのうち、前記ミシン目と直交する部分の両側に、未シール部が設けられることを特徴とする請求項3に記載の包装体。
- 前記未シール部は、前記第2のシールが前記ミシン目と直交する部分から、前記第2の台紙の長い辺を有する側には、所定値以上の長さで設けられ、前記第2の台紙の短い辺を有する側には、前記梱包対象物の端部から所定値以上の長さで設けられることを特徴とする請求項4に記載の包装体。
- 前記ミシン目は、前記窓枠より幅の狭い2本のミシン目であることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
- 前記第2のシールのうち、前記ミシン目と直交する部分に前記2本のミシン目の幅より所定値以上幅の広い未シール部が設けられることを特徴とする請求項6に記載の包装体。
- 前記第1の台紙と前記第2の台紙が1枚の台紙として構成され、前記1枚の台紙を折り畳むことにより前記第1の台紙と前記第2の台紙が重ね合わせられて固定されることを特徴とする請求項1乃至7のうち1項に記載の包装体。
- 前記少なくとも1つの窓枠は、複数の窓枠で構成されることを特徴とする請求項1乃至8のうち1項に記載の包装体。
- 前記少なくとも1つの窓枠の形状が、長方形、円形、楕円形、多角形、または、前記梱包対象物の形状に合わせた形状であることを特徴とする請求項1乃至9のうち1項に記載の包装体。
- 前記積層フィルムが、オレフィン系樹脂フィルムを3層構造にしたものであることを特徴とする請求項1乃至10のうち1項に記載の包装体。
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