JP6337654B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、易開封性の包装袋に関する。
従来から、軟包材をシールして袋状に形成した包装袋が、食品やトイレタリーを初めとした様々な用途に用いられているが、かかる包装袋の開封性を改善することは、この分野での一般的な課題の一つとなっている。種々の形状が存在する中でも一般的な形状であるピロー型包装袋(合掌シール袋)を例にとって、この課題についてまず説明する。
ピロー型包装袋(合掌シール袋)は、包材の両側端部を合掌状に貼り合わせて高さ方向に延在する背貼りシール部を形成すると共に、前記背貼りシール部の両端位置で底部及び天部をシールして底部シール部及び天部シール部を形成することにより成形される。このような包装袋を開封するには、天部シール部端縁に開封ノッチ(例えばV字形あるいはI字形の切欠)を設けて、袋を縦に裂くように開封するか、あるいは背貼りシール部端縁に開封ノッチを設けて、袋を水平に裂くように開封するのが一般的である。しかし、たとえば水平に開封する、いわゆる帽子切りをしようとすると、背貼りシール部を中心として右側の包材と左側の包材とが反対方向に向かっているため、背貼りシール部端縁の開封ノッチから始まった裂け目が、背貼りシール部から袋本体にかかった所で止まってしまい、スムーズに開封することができないという問題がある。この問題を解決するために、包装袋の周方向への引裂きを誘導させる開封誘導線を備えた包装袋が知られている(たとえば特許文献1)。
このような開封誘導線は、ピロー型包装袋(合掌シール袋)の帽子切りの開封に限らず、他の開封方法ないし他の種類の包装袋の開封を容易にするのにも役立つものと考えられる。
しかし、開封誘導線により開封を容易にするためには、シール部端縁に形成された、開封の契機となる開封ノッチ(典型的にはV字形の切欠ないしI字型の切込)が必要であるところ、該開封ノッチの形成には、開封ノッチの位置調整用の設備と時間を要する。
たとえば合掌シール袋を例にとれば、包材フィルムをレーザー加工して開封誘導線を形成し、合掌貼りして背貼りシール部を形成後に、別途、特別の設備を用いることにより、開封ノッチを背貼りシール部に形成していた。このため、開封ノッチの形成には、レーザー加工装置以外に別途、特別な装置が必要であることになるし、開封誘導線と開封ノッチを別々に形成するため、既に形成された開封誘導線との関係での開封ノッチの位置関係(流れ方向の位置調整)、及び開封ノッチ自体の幅(幅方向の位置調整)という二重の意味での開封ノッチの適正な位置調整が必要となり時間がかかる。
さらに、上記のような位置調整の困難性から、開封ノッチと開封誘導線との間のズレが生じる危険があり、かかるズレが生じた場合、開封ノッチと開封誘導線の位置関係が適切に調節されていないため、開封時の力のかけ方によっては、開封誘導線から逸脱して開封してしまう危険も大きい。
また、開封ノッチは、一定幅の切込ないし切欠が外部に露出した状態にあるため、輸送途中等において、望まれない不意の開封が生じる危険に曝される場合が考えられるし、生産過程においてもこのような危険を回避するため、包装袋成形後に形成されているのが通常である。
特開2011−148546号公報
したがって、本願発明の主たる課題は、
(i)従来の開封ノッチのような位置調整用の設備と時間を要することなく形成可能であり、
(ii)容易に開封するための開封誘導線との適切な位置関係を形成でき、かつ
(iii)生産途中、あるいは輸送途中等において、望まれない不意の開封が生じる危険をより低下させることのできる、
ための好適な構造を有する、開封の契機となる、開封ノッチ以外の代替手段を備えた包装袋を提供することである。
本願発明は、
ヒートシールにより包材から成形された包装袋であって、
前記包材が、外層と最内層とを少なくとも有し、最内層がヒートシール性樹脂である積層体からなり、
前記包装袋が、前記ヒートシールにより形成されたシール部と、前記包装袋の袋形状を構成している包材部分である袋本体と、を有し、
前記シール部の少なくとも前記袋本体側はヒートシールされており、
前記シール部には、その厚み方向に貫通して形成され、前記包装袋の開封を開始することのできる1または複数の切込からなる開封開始用切込が備えられ、前記開封開始用切込の端部は、前記シール部の袋本体側端縁にも、前記シール部の袋本体反対側端縁にも達しておらず、
少なくとも前記袋本体に、厚み方向に未貫通の開封誘導線が備えられ、
前記開封誘導線は、開封開始用切込から伸展する裂け目を受け入れ開封の誘導を開始する側の端部である開封誘導端部を有し、
前記開封開始用切込が、
(i)
前記開封開始用切込の袋本体側端部から、前記シール部幅方向に少なくとも2mmの範囲内において、実質上、滑らかな線状である、との要件を満たし、
前記開封開始用切込と開封誘導線とが、
(ii)
前記開封誘導線と、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが交差すること、
かつ
(iii)
前記開封誘導線と、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが交差する部分を開封誘導開始部とすると、該開封誘導開始部における前記開封誘導線の接線と、
前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが、直交しない、
との要件を満たし、
もって前記開封開始用切込からの開封開始を契機として、前記包装袋の周方向への引き裂きを誘導でき、
ここで、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線、及び前記開封誘導開始部における前記開封誘導線の接線は、いずれも前記包材平面上の接線である、ことを特徴とする包装袋、を提供するものである。
本願発明の包装袋には開封開始用切込が備えられ、従来の開封ノッチは不要となり、開封ノッチ形成の際に要求される、上記のような位置調整用の設備と時間は不要とできる。
すなわち、本願発明の包装袋に備えられた開封開始用切込は、袋本体反対側のシール部端縁にまで達していないため、開封開始用切込に隣接するシール部端縁が安全装置としての盾として機能でき、生産の途中、あるいは輸送途中等において、望まれない不慮の開封をより有効に防止できる構造を有している。
そして、かかる構造を有することで、レーザー加工等により、包装袋成形前に、適切な位置関係での開封開始用切込(より正確には1対の開封開始用切込形成用切込、図7の3a、3b参照)と開封誘導線との同時形成が可能となり、もって、従来の開封ノッチのような、位置調整用の設備と時間は不要となる。
さらに、本願発明の好ましい態様によれば、開封開始用切込を備えるシール部を、ヒートシールされている接着帯域と、ヒートシールされていない非接着帯域とで構成することで、開封開始用切込を備えるシール部形成の際の、前記1対の開封開始用切込形成用切込の間の貼り合わせによるズレの影響を少なくし、もって開封開始をより効果的に行うことができる。
包装袋が合掌シール袋である場合の本願発明の代表例[背貼りシール部(2a)に開封開始用切込(3)を備える]を図示したものである。 図中、(a)は包装袋の斜視図を示し、(b)は開封開始用切込を含めて、その周辺部分を拡大した平面図である。 包装袋が三方シール袋である場合[(a)]、及び四方シール袋である場合[(b)]の本願発明の代表例を示す平面図である。 開封開始用切込及び開封誘導線に関する要件(i)〜(iii)につき説明する図である。図中の(a)が要件(i)を、図中の(b)が要件(ii)及び(iii)を説明する。 合掌シール袋を代表例として、その背貼りシール部(2a)に種々の形状の開封開始用切込(3)を設けた実施形態につき、開封開始用切込(3)を含めて、その周辺部分を拡大した平面図である。この図では、背貼りシール部(2a)の全帯域がヒートシールされた態様を例示している。図中、(d)では特に開封誘導線(4)が開封開始用切込(3)と連結している態様を例示している。 合掌シール袋を代表例として、その背貼りシール部(2a)に種々の形状の開封開始用切込を設けた実施形態につき、開封開始用切込(3)を含めて、その周辺部分を拡大した平面図である。この図では、背貼りシール部(2a)が接着帯域(2ax)と非接着帯域(2ay)とから構成され、開封開始用切込(3)が非接着帯域(2ay)にのみ形成されている態様を例示している。 合掌シール袋を代表例として、その背貼りシール部(2a)に種々の形状の開封開始用切込(3)を設けた実施形態につき、開封開始用切込(3)を含めて、その周辺部分を拡大した平面図である。この図では、背貼りシール部(2a)が接着帯域(2ax)と非接着帯域(2ay)とから構成され、開封開始用切込(3)が非接着帯域(2ax)と接着帯域(2ay)に跨って形成されている態様を例示している。特に、 図中、(b)では開封誘導線(4)が接着帯域(2ax)にまで形成されて、開封開始用切込(3)と連結している態様を例示している。(d)でも同様に開封誘導線(4)が接着帯域(2ax)にまで形成されて、開封開始用切込(3)と連結していると共に、二股状切目(5)が袋本体(1)と背貼りシール部(2a)の接着帯域(2ax)に跨って追加的に形成されている例を示している。 合掌シール袋を例にして、開封開始用切込(3)[より正確には1対の開封開始用切込形成用切込(3a、3b)]と開封誘導線(4)を同時形成して包装袋を形成する工程を説明するための図である。
(A)本願発明の主な特徴
本願発明の包装袋は、ヒートシールにより包材から成形された包装袋であって、前記ヒートシールにより形成されたシール部と、前記包装袋の袋形状を構成している包材部分である袋本体とを有し、シール部に開封開始用切込を備え、少なくとも袋本体に開封誘導線を備えている。
前記開封開始用切込は、従来の開封ノッチに置き換わって、開封誘導線と組み合わせて、包装袋の開封を容易にする作用を有すると共に、従来の開封ノッチと比較して、以下のような利点を有する。すなわち、
(i)従来の開封ノッチではシール部端縁に形成され、いわば切欠ないし切込が外部に露出した状態になっているため、生産途中、あるいは運送途中等の、意図しない開封のおそれが考えられる。これに対して、本願発明にいう開封開始用切込は、両シール部端縁のいずれの側にも達していないため、開封開始用切込に隣接する袋本体反対側のシール部端縁が盾となって、開封開始用切込は外部には直接露出しておらず、意図しない開封のおそれを回避できる構造になっていること、
(ii)従来の開封ノッチは、前記(i)で説明した意図しない開封のおそれから、開封誘導線とは別個に、包装袋形成後に形成されていたため、開封誘導線が開封のための適正な位置関係からずれる危険も大きかったところ、本願発明の包装袋では、開封開始用切込は、前記(i)で説明した特徴的な構造を有することから、レーザー加工等により開封誘導線と同時に形成することが可能となり、開封誘導線が、開封開始用切込に対して、常に適切な位置関係を実現できる構造を有していること、
(iii)前記(ii)で説明したように、本願発明にいう開封開始用切込は、開封誘導線と同時に形成できる構造を有していることから、開封誘導線とは別個に形成する必要のある従来の開封ノッチとは異なり、開封開始用切込の位置調整用の別個の設備と時間を不要にすることができる構造を有していること、である。
(B)包装袋について
(B−1)
本願発明の包装袋は、ヒートシールにより包材から成形された包装袋であって、前記ヒートシールにより形成されたシール部と、前記包装袋の袋形状を構成している包材部分である袋本体とを有する。
用いる包材は、外層と最内層とを少なくとも有し、最内層がヒートシール性樹脂である積層体からなる。
外層は1または複数の層から構成されていてもよく、種々の付加的機能を与えるために外層と最内層との間に中間層を設けてもよい。
外層は、本願発明の包装袋を構成する基本素材であり、かかる基本素材として適切なフィルムとしては、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系等の合成樹脂フィルムを用いることができる。この外層として使用する合成樹脂フィルムには、一般的に内層側の面に印刷が施されることが多いため、印刷適格性が求められることも多い。かかる場合、2軸方向に延伸した延伸フィルムを用いることが好ましい。
また、外層には、レーザー加工を可能とし、開封誘導線を形成するのに便宜なように、少なくとも1のレーザー吸収層が含まれることが好ましい。
レーザー吸収層に好適な材料としては、ポリアミド系[ケブラー(登録商標)、ナイロン(登録商標)等]、ポリオキシエチレン系[デルリン(登録商標)等]、ポリエステル系[サーモライト(登録商標)、ポーラーガード(登録商標)等]、ポリエチレンテレフタレート系[マイラー(登録商標)等]、ポリイミド系[カプトン(登録商標)等]、ポリスチレン系、ポリメチルメタクリレート系[プレキシガラス(登録商標)等]、ポリカーボネート系[レキサン(登録商標)、マクロロン(登録商標)等]、ポリプロピレン系、ABS樹脂系の、レーザー加工可能な材料を例示できる。
外層が複数の層で構成され、かつレーザー吸収層を含む場合は、レーザー吸収層は最外層であってもよいし、外層中の内層であってもよい。
外層フィルムの厚みとしては、基本素材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、12〜25μm程度が適当である。また、前記フィルムとしてアルミニウムや酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層が形成されたフィルムを使用した場合、包材にバリヤ性を付与することも可能である。易カット性を向上させるために、セロファンや手切れ性の良いポリエステルフィルム等を使用しても良い。
最内層として使用するヒートシール性を有する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂等の、熱によって溶融し相互に融着し得るものが挙げられる。これらは単体または2種以上使用しても良く、樹脂及びこれらをフィルム化したシートを使用しても良い。厚みとしては、15〜100μmが望ましく、30〜50μmがより好ましい。
任意の中間層としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、スズ等の金属箔、あるいは、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−プロプレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニリデン樹脂等のフィルム、あるいはこれらにアルミニウムや酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層を施したフィルムを使用することができ、これらは単体または2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのフィルムを中間層として用いることにより、ガスバリヤ性、水蒸気バリヤ性、機械的強度、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等を向上させることが可能となる。
(B−2)
本願発明の対象は、ヒートシールにより包材から成形される包装袋であればよいが、以下の(i)〜(iii)の代表的な包装袋を含む。
(i)前記包材の両側端部を合掌状に貼り合わせて高さ方向に延在する背貼りシール部を形成すると共に、前記背貼りシール部の両端位置で底部及び天部をシールして底部シール部及び天部シール部を形成することにより成形された合掌シール袋であり、
前記開封開始用切込みが、前記背貼りシール部、前記底部シール部及び天部シール部のいずれかに形成されている、包装袋;
(ii)前記包材を折り目に沿って二つ折りにした後、互いに対向する両側の側端、及び前記折り目に対向する天部の三方をヒートシールして、互いに対向する両側の側端シール部、及び天部シール部を形成することにより成形された三方シール袋であり、
前記開封開始用切込みが、前記両側の側端シール部、天部シール部のうちのいずれか1のシール部に形成されている、包装袋;または
(iii)2の互いに独立した前記包材の間で、互いに対向する両側の側端、底部及び天部の四方をヒートシールして、互いに対向する両側の側端シール部、底部シール部及び天部シール部を形成することにより成形された四方シール袋であり、
前記開封開始用切込みが、前記両側の側端シール部、底部シール部及び天部シール部のうちのいずれか1のシール部に形成されている、包装袋。
これらの具体的な包装袋のうちでも、前記したように、合掌シール袋が一般的であり、合掌シール袋の背貼りシール部からの開封の容易性が一番問題になることから、合掌シール袋を、本願発明の対象となる好適な包装袋とすることができ、さらに本願発明にいう開封開始用切込が背貼りシール部に形成された合掌シール袋を、本願発明の対象となる、より好適な包装袋とすることができる。
なお、図1には本願発明の包装袋が合掌シール袋である場合の一実施形態、図2(a)及び図2(b)にはそれぞれ、本願発明の包装袋が三方シール袋あるいは四方シール袋である場合の一実施形態を図示している。いずれも、開封開始用切込(3)を直線状形状とし、開封誘導線(4)が袋本体に直線状に形成された一実施形態を図示している。また、図1(b)は、開封開始用切込(3)の周辺部分の拡大図を、該開封開始用切込(3)を備えた背貼りシール部(2a)、及び袋本体(1)を含めて示したものである。
(C)シール部について
包材をヒートシールすることによって形成される、袋本体以外の包装袋の一部分であり、該シール部の少なくとも前記袋本体側はヒートシールされている。
該シール部は、その全ての部分がヒートシールされていてもよいが、前記開封開始用袋本体側のヒートシールされた部分である接着帯域と、袋本体反対側のヒートシールされていない非接着帯域と、からなる構成を有してもよい。
特に、開封開始用切込を備えるシール部については、前記にいうような接着帯域と非接着帯域とで構成されていることが、貼り合わせてシール部を形成する際の、得られる開封開始用切込の貫通性に及ぼされるズレの影響がでにくく、良好に開封を開始できる開封開始用切込の形成に有利である。この有利な点については、後記の項目(D)において詳述する。
開封開始用切込を備えるシール部が接着帯域と非接着帯域とで構成されている場合、接着帯域の幅は、密閉性の観点からは、3mm以上が好ましく、5mm以上であることがより好ましい。
(D)開封開始用切込について
(D−1)
開封開始用切込は、包装袋のシール部に形成された、包装袋の開封を開始することのできる1または複数の切込から構成される。
後記する開封誘導線とは異なり、開封開始用切込を構成する切込は、シール部を完全に貫通している。
また、個々の切込の形状は、レーザー加工等によって形成することのできる任意の形状、たとえば実線状(直線状、曲線状を含む)、破線状などの線状、あるいは所定幾何形状のくり貫き等を採り得るが、レーザー照射面積等、作業性の観点からは線状、すなわち実線状、破線状、またはその組み合わせであることが好ましく、直線状の実線または破線の形状が、直進カット性の観点でより好ましい。
また、開封開始用切込が複数の切込から構成されている場合、互いに隣接する切込間の間隔(最短距離)は、開封開始用切込が一体的な機能を可能にするとの観点から、0.5mm以下であることが好ましい。
また、開封開始用切込が複数の切込から構成されている場合、それらができるだけ同一の実線に沿って配置されていることが好ましい。
開封開始用切込が破線の場合、破線を構成する各線分状切込の長さは 2mm以下が好ましく、隣接する各線分の間隔は0.5mm以下であることが好ましい。実線を破線に置き換えることで、開封開始用切込の強度を調節し、望まれない不慮の開封が生じる危険を更に低下させることができる。
また、指で押し開けるのに便宜であるとの観点から、開封開始用切込には、好ましくは5〜15mm、より好ましくは7〜13mmの最大径を有する切込が含まれることが好ましい。該切込が実線状の切込である場合、前記最大径は、該実線の両端部を結ぶ直線の長さに相当する。
(D−2)
また、開封開始用切込は、
(i)
前記開封開始用切込の袋本体側端部から、前記シール部幅方向に少なくとも2mmの範囲内において、実質上、滑らかな線状である、との要件を満たし、
前記開封開始用切込と開封誘導線とが、
(ii)
前記開封誘導線と、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが交差すること、
かつ
(iii)
前記開封誘導線と、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが交差する部分を開封誘導開始部とすると、前記開封誘導線の該開封誘導開始部における接線と、
前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが、直交しない、
との要件を満たす。
ここで、前記開封開始用切込の袋本体端部における接線とは、開封開始用切込の袋本体側端部における包材平面上の接線をいい、前記開封誘導線の開封誘導開始部における接線とは、前記開封誘導線の開封誘導開始部における、前記包材平面上の接線をいう。
これらの要件を満たすことにより、開封開始用切込から開始された開封の裂け目が伸展し、開封開始用切込からの開封開始を契機として、効果的に開封誘導線に沿った引き裂きを誘導できる。
以下、これらの要件(i)〜(iii)につき詳述する。
要件(i)
上記(i)の要件は、開封開始用切込による開封を一定方向にする観点から規定した。
まず、開封開始用切込の袋本体側端部とは、開封開始用切込のうち、シール部の袋本体側端縁にもっとも近い端部をいう。
滑らかな線状とは、該線状の各点に尖った箇所がないこと、すなわち該線状の各点における接線の傾きが1点で不連続に変動する箇所がないことを意味する。線状は滑らかであれば、実線でも破線でも、実線と破線の組み合わせでもよいし、直線状でも曲線状でもよい。滑らかな線状形状を得る観点から、好ましくはこの部分の曲率半径は5mm以上であることが好ましい。
また、実質上の線状とは、包材平面上、0.3mm以下の間隔で平行に延びる滑らかな2曲線ないし2直線を考え、それらの間に、前記開封開始用切込が包接されていることをいう。すなわち、この2曲線ないし2直線の幅の範囲内での変動を無視して、線状を認定できる。この場合の線状は、前記平行に延びる滑らかな2曲線ないし2直線から等距離の中間線で代表する。数学上の線とは異なり、この線状は一定の幅を有さざるを得ないからである。
さらに、開封開始用切込は、シール部幅方向に少なくとも2mmの範囲内において、前記の意味での線状である。この程度の長さであれば、開封方向をおおよそ決めることができると考えられるからである。
図3(a)ではこの要件を説明するために、図1(b)と同様、合掌シール袋の背貼りシール部に開封開始用切込を形成した実施態様で図示している。この図中、T1が開封開始用切込(3)の袋本体側端部であり、この端部T1から始まってシール部の幅方向がLとして示されている。
要件(ii)
上記(ii)の要件は、開封開始用切込が形成されている位置(合掌シール袋の背貼りシール部に開封開始用切込が形成されている典型的な場合には、開封開始用切込の高さ)が、開封誘導線に対して適切な位置にあることを規定したものである。このような位置関係にあることで、開封開始用切込の袋本体側端部から伸展する裂け目が、開封誘導線に到達しやすくなる。より具体的には、合掌シール部の背貼りシール部に開封開始用切込を形成した場合を例に採れば、開封開始用切込の袋本体側端部から伸展する裂け目の高さが、開封誘導線の高さに合致しやすくなる。
そこで、開封誘導線と、開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが交差することを要求した。ここで、「交差」には、前記開封誘導線と前記接線とが実質上重なる場合も含み、実質上重なるとは、包材平面上、0.3mm以下の間隔で平行に延びる2直線を考え、それらの間に、前記開封誘導線と前記接線とが包接されていることをいう。
図3(b)ではこの要件を説明するために、図1(b)と同様、合掌シール袋の背貼りシール部に開封開始用切込を形成した実施形態で図示している。
この図の態様では、開封誘導線(4)は袋本体側にのみ形成されており、開封開始用切込から伸展する裂け目を受け入れ開封の誘導を開始する側の端部である、開封誘導端部T2を有する。開封開始用切込(3)はこの図では、開封誘導線(4)とは連結しておらず、袋本体側にT1の端部を有している。直線t1は開封開始用切込(3)の端部T1における接線であり、該接線t1は開封誘導線(4)とT3(開封誘導開始部)において交差しているので、要件(ii)を充足する。
なお、図3(b)では、T2が接線t1上にはないし、開封開始用切込(3)は開封誘導線(4)とは連結していない態様を図示している。すなわち、T2とT3は一致しておらず、T1とT3も一致していない。
もっとも、T2が実質上、接線t1上にある場合、すなわちT2とT3が実質上重なっている場合も要件(ii)を満たしており、開封誘導線の有効利用の観点からは、好ましい態様である。ここで、T2とT3とが実質上重なっているとは、包材平面上、T2とT3とが、包材平面上、直径0.3mm未満の円に包接されていることをいう。
さらに、開封開始用切込(3)と開封誘導線(4)とが連結している場合、すなわち、T1とT3が実質上重なっている場合も、要件(ii)を満たしており、開封開始用切込の袋本体側端部から伸展する裂け目が、開封誘導線に達する観点からは、好ましい態様である。ここで、T1とT3とが実質上重なっているとは、包材平面上、直径0.3mm未満の円に包接されていることをいう。
さらに、T1、T2、T3が全て実質上重なっていることがより好ましい。ここで、T1、T2、T3が全て実質上重なっているとは、T1とT2、T2とT3、T3とT1それぞれが包材平面上、直径0.3mm未満の円に包接されていることをいう。
また、図3(b)で、背貼りシール部(2a)の左側の袋本体からの開封誘導線(4)との関係を図示しているが、背貼りシール部(2a)の右側の袋本体からの開封誘導線(4)との関係でも、それが、開封開始用切込から伸展する裂け目を受け入れて、開封誘導を開始する端部を有する限りは、この要件を満たす必要がある。他の種類の包装袋についても同様である。
要件(iii)
開封開始用切込の袋本体側端部と開封誘導線とが連結している場合においてさえも、開封開始用切込と開封誘導線とのなす連結点における角度が適切でない場合、たとえば直角に連結しており、開封開始用切込からの開封方向ベクトルと開封誘導線の開封方向ベクトルとに間に、共通の開封方向のベクトル成分がない場合、開封開始用切込から伸展する裂け目が、開封誘導線をはずれる危険がかなり大きい。
このため、開封開始用切込の袋本体側端部と開封誘導線とが連結していない場合も含めて一般的に、前記開封誘導線の開封誘導開始部における接線と、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが、包材平面上で直交はしない、すなわち2接線の交角が90°ではないとした。
前記2接線の交角は、好ましくは0°〜60°、より好ましくは、0〜30°、最も好ましくは、ほぼ0°、すなわち、前記2接線がほぼ一直線上に重なり、両者の開封方向がほぼ一致することが一番好ましい。ここで、前記2接線の交角は、0°〜90°の間の角度として表示する。すなわち、2直線の交角は、0°及び90°の場合を除き、互いに補角の関係にある2種類の角度が存在するが、そのうちの0°〜90°の間の角度の方を、前記2接線の交角として採用する。
図3(b)では、前記要件(ii)のみならず、この要件についても図示している。すなわち、図3(b)では、直線t3は開封誘導線(4)の開封誘導開始部T3における接線であり、2接線t1及びt3の交角として、互いに補角の関係にあるα及びβという2種類の角度のいずれかを採用できるところ、0°〜90°の範囲の角度であるαをもって、2接線t1及びt3の交角とする。
なお、図3(b)で、背貼りシール部(2a)の左側の袋本体からの開封誘導線(4)との関係を図示しているが、背貼りシール部(2a)の右側の袋本体からの開封誘導線(4)との関係でも、それが、開封開始用切込から伸展する裂け目を受け入れて、開封誘導を開始する端部である、開封誘導端部を有する限りは、この要件を満たす必要がある。他の種類の包装袋についても同様である。
なお、上記交角は、包装袋中に内容物を未充填の状態、すなわち、包材平面が平坦な平面になっている状態で測定した角度をいう。
(D−3)
開封開始用切込の端部は、シール部の袋本体側端縁にも、シール部の袋本体反対側端縁にも達していない。
開封開始用切込が複数の切込から構成される場合には、開封開始用切込の端部とは、シール部の袋本体側端縁に最も近い切込の袋本体側端部、及びシール部の袋本体反対側端縁に最も近い切込の袋本体反対側端部を意味する。
開封開始用切込の袋本体側端部が、シール部の袋本体側端縁に達していないことにより、包装袋の密閉性が確保される。
また、開封開始用切込の袋本体反対側端部が、シール部の袋本体反対側端縁にも達していないことは、開封開始用切込に隣接する袋本体反対側のシール部端縁が盾となって、開封開始用切込を外部の直接的露出から保護し、生産途中、あるいは運送途中等での意図しない開封の危険を低下させることができる。これにより、レーザー加工等による後記の開封誘導線との同時形成にも便宜となり、別々に形成した場合のように開封開始用切込と開封誘導線との間の位置関係を調節する手間を省くことも可能となる。
開封開始用切込の袋本体側端部とシール部の袋本体側端縁との最短距離は、包装袋の密閉性をより有効に確保する観点からは2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましく;開封の容易性の観点からは5mm以下が好ましく、4mm以下であることがより好ましい。
他方、開封開始用切込の袋本体反対側端部とシール部の袋本体反対側端縁との最短距離は、意図しない開封の危険を有効に低下させる観点からは1mm以上が好ましく、2mm以上であることがより好ましく、;開封の容易性の観点からは4mm以下が好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
(D−4)
図4には、図1(b)と同様にして、合掌シール袋を代表例として、その背貼りシール部に種々の開封開始用切込(3)を形成した、具体例につき、開封開始用切込周辺部分の拡大図を、該開封開始用切込を備えた背貼りシール部(2a)、及び袋本体(1)を含めて示したものである。この図では、背貼りシール部(2a)の全帯域をヒートシールした場合を図示している。
開封開始用切込(3)が、図4(a)では破線形状で構成され、図4(b)では実線とその両端の破線の形状で構成され、図4(c)では曲線形状で構成されている。図4(d)では開封開始用切込(3)は直線形状で構成されているが、開封誘導線(4)が袋本体とシール部に跨って形成され、かつ開封開始用切込(3)と連結している実施形態を図示している。
(D−5)
開封開始用切込を、接着帯域と非接着帯域とで構成されているシール部に形成することは、貼り合わせてシール部を形成する際の、開封開始用切込に対するズレの影響がでにくく、良好に開封を開始できる開封開始用切込の形成に有利である。
すなわち、開封開始用切込は、好ましくは、包材フィルムの対向する包材シート領域のそれぞれに、対応する1または複数の切込を形成後、対応する前記1または複数の切込が互いに重なるように、ヒートシールで貼り合わせることにより形成する(図7参照)。たとえば、図7では、包材シート(0)上、開封開始用切込形成用切込(3a及び3b)を開封誘導線(4)と同時形成[図7(a)]した後、2つの開封開始用切込形成用切込同士(3a及び3b)が重なるように、ヒートシールしてシール部(2a)及び開封開始用切込(3)を形成している。
この際、前記互いに対応する1または複数の切込が完全には重ならずに、ズレが生じ、開封開始用切込のシール部厚み方向への貫通性が低下する危険がある。この危険は特に、開封開始用切込全体が線状の形状である場合に最も大きくなる。このため、袋本体以外の部分であるシール部の全域をヒートシールにより接着した場合、開封開始用切込全体に渡って、貼り合わせの際のズレの影響を受けやすくなり、より厳密な貼合わせ位置の調整が要求されることになる。
かかる観点からは、シール部がヒートシールされた接着帯域とヒートシールされていない非接着帯域とで構成され、かつ開封開始用切込の少なくとも一部が非接着帯域に位置するようにすることで、多少のズレが生じても、開封開始用切込の機能に及ぼす影響を低下させることができる。かかる観点を徹底すれば、開封開始用切込は、非接着帯域内にのみ形成されていることが好ましいともいえる。
しかし、開封開始用切込の一体性の観点[図7を例に採れば、ヒートシールにより開封開始用切込形成用切込(3a)及び(3b)を、開封開始用切込(3)に一体化させるとの観点]からは、一般的には、少なくとも開封開始用切込の袋本体側端部から、シール部の幅方向に少なくとも2mmは接着帯域に含まれることが好ましい。
さらに、本願発明の一態様として、指で押し開くのに便宜なように、開封開始用切込に、両端部間の直線距離が7〜13mmの実線状の切込、あるいは7〜13mmの長さの直線状の切込が含まれる場合において、前記実線状の切込、あるいは前記直線状の切込を、貼り合わせのズレによる影響を極力減らすために、少なくともその一部を前記シール部の非接着帯域に形成することが、貼り合わせのズレの影響を低くする観点からは好ましい。
(D−6)
図5には、図1(b)や図4と同様にして、合掌シール袋を代表例として、その背貼りシール部に種々の開封開始用切込(3)を形成した実施形態につき、開封開始用切込周辺部分の拡大図を、該開封開始用切込を備えた背貼りシール部(2a)、及び袋本体(1)を含めて示したものである。もっとも図5の態様においては、背貼りシール部が袋本体側の接着帯域(2ax)と、袋本体反対側の非接着帯域(2ay)で構成され、開封開始用切込(3)はもっぱら非接着帯域に形成されている。開封開始用切込(3)が、図5(a)では直線形状、図5(b)では直線とその片側の破線の形状、図5(c)では、破線形状、図5(d)では曲線形状を図示している。
さらに図6には、図1(b)や図4、図5と同様にして、合掌シール袋を代表例として、その背貼りシール部に種々の開封開始用切込(3)を形成した、具体例につき、開封開始用切込周辺部分の拡大図を、該開封開始用切込を備えた背貼りシール部(2a)、及び袋本体(1)を含めて示したものである。
もっとも図6においては、図5と同様、背貼りシール部が袋本体側の接着帯域(2ax)と、袋本体反対側の非接着帯域(2ay)で構成され、開封開始用切込(3)が接着帯域(2ax)と非接着帯域(2ay)に跨って形成されている。開封開始用切込(3)が、図6(a)、図6(b)では直線形状、図6(c)、では、接着帯域の直線、非接着帯域の直線及びその片側の破線の形状、図6(d)では接着帯域の直線、非接着帯域の直線及びその両側の破線の形状、の形状を図示している。さらに図6(d)には、袋本体(1)と背貼りシール部(2a)の接着帯域(2ax)に跨って、開封誘導線(4)の1点を起点とし、背貼りシール部側に開いた二股状開封誘導補助線(5)も追加的に備えられている具体例を図示している。
(E)開封誘導線について
(E−1)
本発明の包装袋の少なくとも袋本体には、厚み方向に未貫通の開封誘導線が備えられている。開封開始用切込からの開封開始を契機として、前記包装袋の周方向への引き裂きを誘導するための手段である。
開封誘導線は、開封開始用切込から伸展する裂け目を受け入れ、開封の誘導を開始する側の端部である開封誘導端部を有している。
開封開始用切込の袋本体側端部における接線が開封誘導線と交差する部位が、開封誘導開始部であり、開封誘導線の有効利用の観点からは、開封誘導開始部と開封誘導端部とが実質上重なっていることが好ましい。ここで、実質上重なっているとは、包材平面上、開封誘導開始部と開封誘導端部とが、包材平面上、直径0.3mm未満の円に包接されていることをいう。
また、開封誘導線には開封誘導を終了する側の端部である開封終了端部を有していてもよい。
開封誘導線は、包材を構成する積層体の外層ないし外層に含まれる層を切断して少なくとも最内層を残すハーフカット線として構成することが好ましい。ハーフカット線を形成する方法としては、刃物による方法やレーザー加工機による方法が挙げられる。レーザー加工機による場合、外層には少なくともレーザー吸収層が含まれる。
包材の開封誘導線を含む垂直方向の破断強度を5N/15mm以上とすることができ、これにより、包材の流れ方向の強度が保たれ、包材が製造工程、使用時において開封線を発端とした破断、ピンホール、バリア性低下、局所的な伸びを発することなく、安定した物性を保ちながら製造、使用することができる。
また、包材の開封誘導線に沿った引裂強度が、JIS K−7125 C法による測定で、後加工適正ないし流通適正の観点らは0.01N以上、開封誘導線に実開封線を誘導する観点から2N以下とすることができ、これにより、他方向に曲がることなく、またシーラント層の伸びによる引裂き強度過剰になることなく、適度な強度で開封誘導線に沿った綺麗な開封を行うことが可能である。
(E−2)
開封誘導線は、少なくとも袋本体に形成されているが、シール部内まで跨って形成されていてもよい。特に開封開始用切込と連結している場合には、該開封開始用切込を備えるシール部内にまで入り込むことで、跨って形成されている。
また、開封開始用切込が、接着帯域と非接着帯域から構成されるシール部に形成されている場合、接着帯域、あるいは接着帯域及び非接着帯域にまで跨って形成されていてもよい。特に開封開始用切込と連結している場合には、シール部の接着帯域、あるいは接着帯域及び非接着帯域にまで入り込んで、跨って形成されている。
(E−3)
本願発明の開封誘導線については、開封開始用切込との関係で、前記(D−2)で説明した要件、特に開封誘導線との関係では要件(ii)及び(iii)満たす。これらの要件の詳細は前記(D−2)を参照されたい。
さらに、開封誘導線は、前記要件(ii)及び(iii)に加えて、開封開始用切込と連結していることが好ましく、滑らかに連結していることがより好ましい。
ここで、開封誘導線と開封開始用切込が連結しているとは、たとえば開封開始用切込として破線形状も含まれることを考慮すると、開封誘導線と開封開始用切込とが実線形状で切れ目なく連続している場合のみならず、開封誘導線と開封開始用切込とに、0.5mm以下の間隔が空いている場合でも連結しているとみなす。
また、滑らかに連結しているとは、開封誘導線と開封開始用切込の連結点が、尖っていないこと(連結点における接線の傾きが不連続に変化しないこと)をいい、連結点における形状が5mm以上の曲率半径の曲線に近似できることが好ましい。
また、好ましい一態様では、開封開始用切込と開封誘導線は一直線状に形成されている[図4(a)(b)(d)、図5(a)(b)(c)、図6(a)(b)(c)(d)等参照]。かかる構成を採ることは、包材シート上に開封開始用切込と開封誘導線を同時形成するのには好ましい。
(E−4)
開封誘導線には、さらに開封補助線として開封開始用切込側に開いた二股状誘導補助線を有することができる[たとえば図6(d)の二股状開封誘導補助線(5)参照)。これは、開封誘導線(4)と同様にしてレーザー加工等で形成でき、開封誘導線と同時に形成できる。これにより、開封開始用切込から始まる開封を、より効果的に開封誘導線に伸展する裂け目をつなげることができる。
また、開封誘導線の開封終了端部が、包装袋のさらなる破断を有効に止めることができるよう屈曲していてもよい[図7中の破断停止用屈曲部(4a)参照]。
さらに、開封誘導線の高さは、内容物の高さに応じた位置に形成できる。これにより、内容物によっては、開封後の内容物の取り出しを容易に行うことが可能となる。
(F)包装袋の製造について
(F−1)
本発明の包装袋の好ましい製造工程としては、外層フィルムに所定の絵柄を印刷する工程、外層フィルムに少なくとも最内層を含む他の層(任意に中間層を含む)を貼り合わせて包材原反を作成する工程、印刷を施した包材原反にレーザー加工によって開封誘導線及び開封開始用切込を同時形成する工程、印刷を施した包材原反を所定巾にスリットする工程、ヒートシールによりシール部を形成して内容物充填口を有する包装袋を成形する工程、内容物を包装袋に充填する工程、内容物充填口をヒートシールする工程等が含まれる。
図7には合掌シール袋についての製造過程の一部の例を図示している。図7(a)には、レーザー加工によって開封誘導線(4)及び開封開始用切込形成用切込(3a、3b)を同時形成して得られた包材を示し、図7(b)は対向する開封開始用切込形成用切込(3a、3b)が重なるように、ヒートシールして、前記開封開始用切込(3)を備えた背貼りシール部(2a)を形成したものを図示しており、図7(c)ではヒートシールによって密封された、完成された包装袋を図示している。
特に印刷を施した包材原反にレーザー加工によって開封誘導線及び開封開始用切込を同時形成する工程を含むことは、開封誘導線と開封開始用切込を、それらの間の正確な位置関係を含めて同時に形成し、別々に形成した場合に必要となる位置調整の手間をなくすると共に、かなり正確に適切な位置関係の開封誘導線及び開封開始用切込を形成することができる利点がある。
本願発明における開封開始用切込では、袋本体反対側のシール部端縁が盾として働き、開封開始用切込を外部の直接的露出から保護し、生産途中での意図しない開封の危険を低下させているため、生産途中でも比較的安全に開封開始用切込を存在させることができる点で、シール部端縁に形成され、包装袋形成後に作成される開封ノッチとは大きく異なる。
なお、開封開始用切込では完全に包材を貫通する切込を入れる必要があるのに対して、開封誘導線では包材積層物の一部の層のみを切断する非貫通のハーフカット線等であることから、前者については、後者よりもレーザーの強度を強める、ないし照射時間を長くする等、より強度の条件が必要となる。
レーザー加工機としては、連続またはパルス発振形式を有する炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーなどを用いたレーザー加工機が挙げられるが、食品等、内容物のガスバリヤ性が要求されるような場合には、例えば最内層のシーラント層のみを残すような選択的なカットが可能な炭酸ガスレーザーの使用がより好ましい。
レーザー加工機を用いて開封誘導線及び開封開始用切込を同時形成する工程としては、印刷済みの広幅原反を所定の包材幅にスリット加工する時点で行うこともできるし、スリット加工後に行うこともできるが、工程数や作業時間等の作業効率の観点からは、スリット加工する時点で形成する方が好ましい。
0 包材シート
1 袋本体
2 シール部
2a 背貼りシール部
2ax 接着帯域
2ay 非接着帯域
2b 底部シール部
2c 天部シール部
3 開封開始用切込
3a 開封開始用切込形成用切込
3b 開封開始用切込形成用切込
4 開封誘導線
4a 破断停止用屈曲部
5 二股状開封誘導補助線
L 開封開始用切込の袋本体側端部からのシール部の幅方向
1 開封開始用切込の袋本体側端部
2 開封誘導線の開封誘導端部
3 開封誘導線の開封誘導開始部
1 開封開始用切込の袋本体側端部における接線
3 開封誘導線の開封誘導開始部における接線
α 2接線t1及びt3の交角
β 2接線t1及びt3の交角の補角

Claims (12)

  1. ヒートシールにより包材から成形された包装袋であって、
    前記包材が、外層と最内層とを少なくとも有し、最内層がヒートシール性樹脂である積層体からなり、
    前記包装袋が、前記ヒートシールにより形成されたシール部と、前記包装袋の袋形状を構成している包材部分である袋本体と、を有し、
    前記シール部の少なくとも前記袋本体側はヒートシールされており、
    前記シール部には、その厚み方向に貫通して形成され、前記包装袋の開封を開始することのできる1または複数の切込からなる開封開始用切込が備えられ、前記開封開始用切込の端部は、前記シール部の袋本体側端縁にも、前記シール部の袋本体反対側端縁にも達しておらず、
    前記開封開始用切込を備えるシール部が、前記袋本体側の接着帯域と、前記袋本体反対側の非接着帯域と、から構成され、
    前記接着帯域では前記包材がヒートシールされており、
    前記非接着帯域では前記包材がヒートシールされておらず、
    前記開封開始用切込は、前記非接着帯域内にのみ形成されているか、または前記接着帯域と前記非接着帯域に跨って形成されており、
    少なくとも前記袋本体に、厚み方向に未貫通の開封誘導線が備えられ、
    前記開封誘導線は、開封開始用切込から伸展する裂け目を受け入れ開封の誘導を開始する側の端部である開封誘導端部を有し、
    前記開封開始用切込が、
    (i)
    前記開封開始用切込の袋本体側端部から、前記シール部幅方向に少なくとも2mmの範囲内において、実質上、滑らかな線状である、との要件を満たし、
    前記開封開始用切込と開封誘導線とが、
    (ii)
    前記開封誘導線と、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが交差すること、
    かつ
    (iii)
    前記開封誘導線と、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが交差する部分を開封誘導開始部とすると、該開封誘導開始部における前記開封誘導線の接線と、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線とが、直交しない、
    との要件を満たし、
    もって前記開封開始用切込からの開封開始を契機として、前記包装袋の周方向への引き裂きを誘導でき、
    ここで、前記開封開始用切込の袋本体側端部における接線、及び前記開封誘導開始部における前記開封誘導線の接線は、いずれも前記包材平面上の接線である、ことを特徴とする包装袋。
  2. 前記開封開始用切込は、前記接着帯域と前記非接着帯域に跨って形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記包装袋が、下記(i)〜(iii):
    (i)前記包材の両側端部を合掌状に貼り合わせて高さ方向に延在する背貼りシール部を形成すると共に、前記背貼りシール部の両端位置で底部及び天部をシールして底部シール部及び天部シール部を形成することにより成形された合掌シール袋であり、
    前記開封開始用切込みが、前記背貼りシール部、前記底部シール部及び天部シール部のいずれかに形成されている、包装袋;
    (ii)前記包材を折り目に沿って二つ折りにした後、互いに対向する両側の側端、及び前記折り目に対向する天部の三方をヒートシールして、互いに対向する両側の側端シール部、及び天部シール部を形成することにより成形された三方シール袋であり、
    前記開封開始用切込みが、前記両側の側端シール部、天部シール部のうちのいずれか1のシール部に形成されている、包装袋;または
    (iii)2の互いに独立した前記包材の間で、互いに対向する両側の側端、底部及び天部の四方をヒートシールして、互いに対向する両側の側端シール部、底部シール部及び天部シール部を形成することにより成形された四方シール袋であり、
    前記開封開始用切込みが、前記両側の側端シール部、底部シール部及び天部シール部のうちのいずれか1のシール部に形成されている、包装袋;
    のいずれかの包装袋である、請求項1または2に記載の包装袋。
  4. 前記包装袋が、前記(i)の合掌シール袋であり、前記開封開始用切込みが、前記背貼りシール部に形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の包装袋。
  5. 前記開封開始用切込が、実線状、破線状、またはこれらの組み合わせの形状で構成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の包装袋。
  6. 前記開封開始用切込が実線形状を少なくとも含み、前記実線形状の両端部間の直線距離が5〜15mmであることを特徴とする、請求項に記載の包装袋。
  7. 前記開封誘導線が前記袋本体及び前記開封開始用切込が形成されたシール部に跨って形成されており、
    前記開封開始用切込が前記開封誘導線と滑らかに連結していることを特徴とする、請求項またはに記載の包装袋。
  8. 前記開封開始用切込及び前記開封誘導線が一直線上に形成されていること特徴とする、請求項のいずれかに記載の包装袋。
  9. 前記開封誘導線上の点を起点として、前記開封開始用切込側に開いた二股状補助誘導線をさらに有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の包装袋。
  10. 前記開封誘導線が、前記開封誘導線の開封誘導を終了する側の開封終了端部を有し、該端部が、包装袋のさらなる破断を止めることができるよう屈曲していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の包装袋。
  11. 前記開封誘導線が、おおよそ前記包装袋に収納する内容物の高さの位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の包装袋。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の包装袋であって、
    包材シートをレーザー加工することにより、前記開封開始用切込を形成するための1または複数の切込及び前記開封誘導線を同時形成した後、ヒートシールを用いて、シール部に開封開始用切込を備えた袋形状に製造して得ることができる、包装袋。
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