JP6900655B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は引裂いて開封する際、開口部に段差部を形成し、その段差によって手指で容易に開口することができる包装袋、および包装体の製造方法に関する。
従来から2枚の積層フィルムのシーラント層同士を対向させて貼り合わされた包装袋において、袋本体の表面に第1ガイド線、背面に第2ガイド線を各々形成する包装袋が知られている。に沿って互いに分離する構造を有する包装袋が知られている。この包装袋は、第1ガイド線および第2ガイド線に沿って切り取られることにより、袋本体の幅方向に表面と背面の高さが互いの異なる段差部が形成される(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−213857号公報
しかしながら、特許文献1の包装袋においては、表面と背面の2枚の積層フィルムにガイド線を有するので、2枚の積層フィルムのシーラント層同士を対向させて貼り合わす際、2枚に積層フィルムの位置ずれを発生しやすく、当初予定した形状の段差ができないことがあった。
本発明は、このような状況においてなされたものであり、従来と比べて包装袋を構成する表面と背面の積層フィルムの位置ずれの発生を抑えることができる包装袋、および包装体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の包装袋は、少なくとも一方の面にシーラント性を有するフィルムのシーラント性を有する面を対向させて、前記フィルムの端縁部に側方シール部を有する包装袋であって、前記包装袋を構成する表面フィルムおよび背面フィルムのうち、表面フィルムが、一方の側方シール部から他方の側方シール部に亘って延びて前記表面フィルムの引裂方向に相当する開封予定線に対し、少なくとも一つの線が前記開封予定線と交点を有する開封補助線を備え、かつ、前記開封補助線が、連続して延びるハーフカットで形成された線であり、かつ、前記背面フィルムが、前記開封補助線を備えておらず、一方向に直線カット性を有するフィルムであり、かつ、前記一方向が、前記表面フィルムの引裂方向と平行であることを特徴とする。
また、本発明の包装袋は、開封開始手段が、前記側方シール部内の前記開封補助線に隣接する位置に形成されていることができる。
本発明の包装袋および包装体の製造方法によれば、従来と比べて包装袋を構成する表面と背面の積層フィルムの位置ずれの発生を抑えることができる包装袋、および包装体の製造方法を提供することが可能である。
本発明の包装袋の第1実施形態を示す例であって、包装袋の表側が示された平面図である。 本発明の包装袋の第1実施形態を示す例であって、包装袋の裏側が示された平面図である。 図1の包装袋が開封されるに際し、引裂かれた後の状態の一例が示された概略図である。 本発明の包装袋の第2実施形態を示す例であって、包装袋の表側が示された平面図である。 本発明の第1実施形態における包装体の製造方法を示す概念図である。 本発明の第2実施形態における包装体の製造方法を示す概念図である。
以下、本願発明による包装袋の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の包装袋の第1実施形態を示す例であって、包装袋の表側が示された平面図である。また、図2は、包装袋の裏側が示された平面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、包装袋が載置された図1の状態において、包装袋が引き裂かれた際に破断線の形成される側を上とし、図1のように、包装袋の表側が示された平面図においては図の手前側を表とし、図2のように、包装袋の裏側が示された平面図においては図の手前側を裏とする。
(包装袋)
本実施形態に係る包装袋Bは、重ね合わされた表面フィルム3と、背面フィルム4とに内容物(被包装物)が保持されるように構成されている。包装袋Bは、内容物収納部と、側方シール部5と、底シール部6とを備える。包装袋の外観形状は、平面視で例えば、左右の幅方向が短辺である矩形になされている。製袋時におけるフィルム原反の使用効率の観点から包装袋の外観形状は、例示された矩形、又は正方形であることが好ましい。しかしながら、包装袋の外観形状は、矩形や正方形には限らず、三角形、多角形、円形、楕円形、不規則な形状であっても良く、内容物の形状や、製品の意匠性等に応じて適宜設計できる。
なお、包装袋は、一組の側方シール部5が形成されている態様であれば、三方シール袋であっても、四方シール袋、スタンディングパウチであっても構わない。
(開封開始手段)
開封開始手段9は、表面フィルム3と背面フィルム4の側方シール部5に有する。
開封開始手段9は、表面フィルム3と背面フィルム4それぞれの引き裂きのきっかけとなるものである。
図1および図2には、左右両端の側方シール部5に開封開始手段9としての開封ノッチを有する包装袋が例示されている。
このように、開封開始手段9として、開封ノッチが用いられることによって、包装袋をより確実に引き裂くことができる。更に、包装袋を構成する材料を引き裂き性の優劣によらずにより自由に選択することができる。
開封ノッチは、後述する開封補助線に隣接する位置に形成されると、更に開封ノッチから伝播する裂け目を開封補助線により確実に到達させることができる。
I字型の開封ノッチ(Iノッチ)は、包装袋の左右の端部から左右の幅方向に延びる切り込みである。そして、開封ノッチは、応力を集中させてフィルムの引き裂きのきっかけとなり、軽い力でもフィルムを引き裂きやすくする機能を有する。
なお、開封ノッチ7は、I字型のIノッチに限らず、V字型のVノッチや、U字型のUノッチ等が用いられても良く、その種類は問われない。
(表面フィルム)
表面フィルムは、少なくとも一方の面にシーラント性を有するフィルムのシーラント性を有する面を対向させて、当該フィルムの端部にシール部を設けた包装袋において、当該包装袋の対向するフィルムのうち、一方のフィルムをいう。
包装袋の一方のフィルムである表面フィルム3の未シール部には、一方の側方シール部5から他方の側方シール部5に亘って開封補助線1が延びる。なお、開封補助線1は、他方のフィルムである背面フィルム4には設けられない。
ここで、図1に示されるように、開封ノッチから対向する側方シール部5に沿った方向に延びて、フィルムの破れ方向に相当する線は開封予定線2と称される。
そして、開封補助線1は、表面フィルムの未シール部に形成され、開封予定線2に対し、交点を有する。すなわち、本実施形態に係る包装袋の開封補助線1の始点は、表面フィルムの外縁とは接していない。
(開封補助線)
開封補助線は、使用時に切り離されるミシン目、切り込み等で形成された線を示し、表面フィルム3を貫通しない弱め線の連続線であることが好ましい。
弱め線とは、その線に沿った破断を容易とするものである。弱め線としては、表面フィルムの表面の表層からその厚さ方向の途中まで切れ目が入ったハーフカットがよい。
図1には、ハーフカットで加工された線が連続して延びる開封補助線1が例示されている。なお、本実施形態に係る開封補助線は、ミシン目状であっても良い。中でも連続して延びるハーフカットを用いると、確実な破断線の形成がされやすいのでより好ましい。
開封補助線1は、表面フィルムが引き裂かれる際に伝播する裂け目を開封補助線上に誘導する機能を有する。開封補助線1は、開封開始手段側の端部に向けて延設されている。そして、開封補助線1上を裂け目が伝播することによって、包装袋の表面フィルムの開封補助線1を境に、容易に包装袋を開封することができる。
図3には、図1の包装袋が開封されるに際し、引裂かれた後の状態が例示されている。表面フィルム上を伝播する裂け目によって形成される破断線は開封補助線1にほぼ沿った形状となる。そして、上方シール部8が取り除かれた表面フィルムの未シール部は、開封補助線1に沿った裂け目による破断線が端部となり、包装袋を開口するための摘み部の一方を構成する。このように、開封補助線を有する構成によれば、より簡便な加工によって、開封補助線に沿った破断線を確実に形成することができる。
図4に示すように、複数の開封補助線を不連続にミシン目状に形成する場合、開封補助線が、開封予定線2に対して傾斜するように形成される。また、各開封補助線の終端が、引裂き方向Xに対して、後続の開封補助線の始端と一部重なる(重なり部分Y)ように形成すると、裂け目を開封補助線に沿って確実に誘導できるので好ましい。更に、開封補助線が、後続の開封補助線の延長線上に存在しないように形成すると、ミシン目の数を必要最小限に抑えることが出来て、品質管理がしやすいため、より好ましい。
なお、開封補助線の終端と後続の開封補助線の始端との重なり部分Yが、0.5mm〜2.0mmであると好ましい。
開封補助線1は、円弧状、S字状、波型状等の曲線状、V字状、斜め線、ジグザク状等の直線状であってもよい。
開封補助線1は、開封予定線2に対してなす角度θが1度〜60度であると好ましく、15度〜45度であるとより好ましい。上記の範囲内であると、包装袋の開口部における段差をより確実に生じるので好ましい。
また、開封補助線1を複数本設ける場合、開封補助線の間隔は、0.5mm〜3mmであると好ましい。上記の範囲内であると、裂け目を開封補助線に沿って確実に誘導できるので好ましい。
また、段差は2mm以上であると、包装袋の開口部を手で摘みやすいのでより好ましい。
(背面フィルム)
図2は、包装袋の裏側が示された平面図である。背面フィルムは、少なくとも一方の面にシーラント性を有するフィルムのシーラント性を有する面を対向させて、当該フィルムの端部にシール部を設けた包装袋において、当該包装袋の対向するフィルムのうち、他方のフィルムをいう。
本実施形態に係る包装袋は、表面フィルム3のみに開封補助線を有するが、背面フィルム4は、開封補助線を有さない。このため、背面フィルム4を伝播する裂け目によって形成される破断線の軌跡は不確定である。そして、背面フィルム4に不確定に形成される破断線によって、包装袋の開口部における摘み部の他方を構成する。そして、背面フィルム4の破断線の軌跡は、表面フィルム3の開封補助線に沿った破断線の軌跡とは異なる。
このように構成される本実施形態に係る包装袋は、表面フィルムと、背面フィルムのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線の間に段差ができて、それぞれの摘み部がつかみやすくなる。
中でも、背面フィルムは、表面フィルムの引裂方向と平行な直線カット性を有するフィルムであると、背面フィルムを伝播する裂け目によって形成される破断線の軌跡が一定となり、開封口を美麗にすることができるので、好ましい。
(フィルムの層構成)
本実施形態に係る包装袋を構成する表面フィルム3および背面フィルム4は、少なくとも内側にシーラント性を有すればよく、単層フィルムでも、多層フィルムでもよい。多層フィルムの場合、例えば、外層と、シーラント層を備える構成が挙げられ、外層とシーラント層の間に中間層を設けてもよい。
(外層)
外層は、一方向に直線カット性を有する合成樹脂フィルムが用いられ、例えば、一軸方向に方向性を有している一軸延伸熱可塑性合成樹脂フィルムや、一方向に比較して他方向の配向性が極めて大きい二軸延伸熱可塑性合成樹脂フィルムが用いられる。具体的には、例えば、ポリエステル系フィルム(ユニチカ製、品名「エンブレット」)、ポリアミド系フィルム、ポリプロピレン系フィルム(出光ユニテック製、品名「ユニラックスTB−1000」)、低密度ポリエチレン系フィルム(東レフィルム加工製、製品名「ハイブロンP」)等を用いることができる。
これらの一方向に直線カット性を有するフィルムは、直線カットされる方向と、包装袋の引裂方向に一致するように積層されることによって、フィルムの引き裂きをより容易にし、かつその方向性をより安定化させることができる。
外層には、積層フィルムの基材としての強度が要求されるので、層の厚さは、12μm〜25μmであることが好ましい。外層の背面には印刷層が設けられていても良い。
(内層)
内層は、熱により溶融して相互に溶着しうる熱接着性樹脂から形成される層であればよい。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンとアクリル酸との酸コポリマー、エチレンとアクリル酸エステルとのエステルコポリマー等を用いることができる。層の厚さは、30μm〜70μmであることが好ましい。中でも、引き裂きやすい熱接着性樹脂層が好ましい。
(中間層)
中間層は、包装袋の剛性、遮光性、ガスバリアー性等が必要な場合に設けるものである。中間層としては、例えば、金属箔が用いられる。中でも、アルミニウム箔であると、引裂き性に優れるので好ましい。アルミニウム箔の層の厚さは、7μm〜9μmであることが好ましい。
(積層方法)
本発明の包装袋Bを構成する積層フィルムの各層の積層方法としては、サンドイッチラミネーション法、ドライラミネーション法等の積層方法を適宜用いて積層することができる。
(包装体の製造方法)
以下、本願発明による包装体の製造方法の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明の第1実施形態における包装体の製造方法を示す概念図である。
(a)図5に示すように、まず、包装体の製造手段に装着した上記説明のフィルムAの原反ロール11から給紙し、更に、フィルムAを段差ロ−ル12、等を介してその供給を調整しながら、ガイドロ−ル13に案内する。次に、ガイドロ−ル13に案内されたフィルムAを、通常の三角板等を通して、そのシーラント層の面を対向させるべく、二つ折りし、更に、二つ折りしたフィルムAを案内するガイド枠14を通って充填シール部へ連続して供給する。
(b)次に、フィルムのシーラント側をフォーマーにて対向させて折り曲げる間にフィルムの外方からレーザー照射装置21にてフィルムの幅方向の半部となる表面フィルムの所定の領域にレーザー光線照射し、引裂方向に相当する開封予定線に対し、交点を有する開封補助線として外層シートにハーフカットを形成する。なお、フィルムは、一方向に直線カット性を有し、前記一方向とフィルムの引裂方向が平行であると、フィルムの引き裂きをより容易にし、かつその方向性をより安定化させることができるので、好ましい。
また、開封補助線の形成は、ロータリーダイカッターを用いて物理的に形成してもよいが、好ましくはパルス発振型レーザー等を用いてフィルムに形成する。これに用いるレーザーの種類としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、アルゴンイオンレーザー等が可能であり、特に限定するものではない。
また、上記において、レーザーの照射位置としては、レーザー光をガイドロール上、またはガイド板の上で開封補助線の位置に照射することにより、走行中のフィルムの遥動が抑えられるので、正確な位置で開封補助線を形成することができるため好ましい。
(c)開封補助線を形成後のフィルムは、シーラント側を対向させて折り曲げられると長手方向の両側の端縁部を縦シールロール15によりヒートシールされ、側方シール部を形成し、連続した筒状フィルムを長手方向と直交する方向に配置された横シールロール16により所定の間隔でヒートシールして、袋本体を形成する。
(d)横シールの終了と前後して充填ノズル17から袋内に内容物M(被包装物)の充填と共に所定の間隔にフィルムが送られて充填スペースが確保される、充填と前後して次の横シールの位置が定まり、この位置を横シールロール16によりヒートシールを繰り返し順次行うものである。
(e)また、横シールの後、冷却シールロール18により横シール部を冷却してヒートシール部を安定させる。その後、次に、光電管装置19を配置して上記の横シ−ルの中心線を見地する。
(f)次の工程で連接された包装体Cを所定の間隔で開封開始手段となる開封開始手段を入れ、更に所定の間隔で切断して個別の包装体Cが製造される。また、個別包装体Cの切断は、ミシン目カットを用いて複数個が連続し、使用に際して自由に分けることもできる。なお、開封補助線を検出して開封開始手段(開封用ノッチ)と同期させれば、開封補助線に隣接する位置に、開封開始手段を形成することができる。
上記の製造方法においては、レーザー光線を照射する場合に開封補助線を正確な位置に形成することができる。また、上記の製造方法においては、1枚のフィルムを折り曲げて貼り合せるので、2枚のフィルムを貼り合せて包装袋を製造する方法と比べて、表面と背面のフィルムの位置ずれの発生を抑えることができる。また、上記の製造方法においては、背面フィルムに開封補助線を形成しない分、従来と比べて工程数を削減して生産効率を向上させることができる。
図6は、本発明の第2実施形態における包装体の製造方法を示す概念図である。
第1実施形態では、1枚のフィルムを折り曲げて貼り合せる製造方法としているが、第2実施形態では、開封補助線を形成した一対の帯状の表面フィルム3と、背面フィルム4の2枚を貼り合せる製造方法である。
すなわち、第2実施形態では、表面フィルム3の外方からレーザーにてフィルムの幅方向の半部となる表面フィルム3の所定の領域にレーザー光線照射し、引裂方向に相当する開封予定線に対し、交点を有する開封補助線を形成する。
次いで、開封補助線を形成後の表面フィルムと、一方向の直線カット性を有する背面フィルムとをその背面フィルムの一方向が、表面フィルムの引裂方向と平行となるように、表面フィルムと背面フィルムのシーラント同士を対向させて重ね合わせ、長手方向の両側の端縁部を縦シールロール15によりヒートシールされ、側方シール部を形成し、連続した筒状シートを長手方向と直交する方向に配置された横シールロールにより所定の間隔でヒートシールして、袋本体を形成する。
なお、第2実施形態では、工程(b)および(c)以外は、第1実施形態と同一である。
(実施例1)
まず、表面フィルム3として、外層として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡製、製品名「E−5102」)と、中間層として、厚み7μmのアルミニウム箔とをポリウレタン系アンカーコート剤(三井化学製、主剤「A−3210」、硬化剤「A−3075」)を介して、Tダイスより密度0.918g/cmで厚み15μmの低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製、製品名「LC600A」)を押出すことによりサンドラミネーション法により貼り合せ、次いでアルミニウム箔側にシーラント層として、厚み25μmの上記の低密度ポリエチレンを押出して積層した。その結果、層構成、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム12μm/ポリウレタン系アンカーコート層/低密度ポリエチレン層15μm/アルミニウム箔7μm/ポリウレタン系アンカーコート層/低密度ポリエチレン層25μmの積層フィルムを得た。
次に、背面フィルム4として、外層として、縦方向に直線カット性を有する、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(ユニチカ製、製品名「エンブレットPC」)と、中間層として、厚み7μmのアルミニウム箔とをポリウレタン系アンカーコート剤(三井化学製、主剤「A−3210」、硬化剤「A−3075」)を介して、Tダイスより密度0.918g/cmで厚み15μmの低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製、製品名「LC600A」)を押出すことによりサンドラミネーション法により貼り合せ、次いでアルミニウム箔側にシーラント層として、厚み25μmの上記の低密度ポリエチレンを押出して積層した。その結果、層構成、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム12μm/ポリウレタン系アンカーコート層/低密度ポリエチレン層15μm/アルミニウム箔7μm/ポリウレタン系アンカーコート層/低密度ポリエチレン層25μmの積層フィルムを得た。
続いて、炭酸ガスレーザーを用いて、表面フィルムの外層である二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムのみに図1に示した形状の開封補助線として、ハーフカットを形成した。
表面フィルムのハーフカットを形成後、縦方向に直線カット性を有する背面フィルムの縦方向が、表面フィルムの引裂方向に一致するようにフィルムスタンドに配置し、低密度ポリエチレン層同士を対向させて連続的に充填シール部へ連続して供給した。
続いて、表面フィルムと背面フィルムのシーラント層同士を対向させて重ね合わせ、フィルムの長手方向の両側の端縁部を縦シールロール15によりヒートシールし、側方シール部を形成し、連続した筒状シートを長手方向と直交する方向に配置された横シールロールにより所定の間隔でヒートシールして、袋本体を得た。
次に、横シールの終了と前後して開口部から内容物Mとして顆粒剤を充填し、横シールロールにより開口部を密封後、縦シールにIノッチを入れ、4方シールの包装袋を得た。
この結果、Iノッチから直線カット方向に手で引き裂くことで、表面フィルムと、背面フィルムのそれぞれの破断線でスムースに引き裂かれることによって美麗な段差ができて、それぞれの摘み部がつかみやすく、内容物Mを容易に取り出すことができた。
(実施例2)
包装袋を構成するフィルムとして、まず、実施例1の背面フィルムを準備した。
次に、フィルムスタンドからフィルムを繰り出し、フィルムのシーラント側をフォーマーにて対向させて折り曲げる間にフィルムの外方から炭酸レーザーにてフィルムの外層である二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムのみに図1に示した形状の開封補助線として、ハーフカットを形成した。
ハーフカットを形成後のフィルムは、シーラント側を対向させて折り曲げられると長手方向の両側の端縁部を縦シールロール15によりヒートシールされ、側方シール部を形成し、連続した筒状フィルムを長手方向と直交する方向に配置された横シールロールにより所定の間隔でヒートシールして、袋本体を得た。
次に、横シールの終了と前後して開口部から内容物Mとして顆粒剤を充填し、横シールロールにより開口部を密封後、縦シールにIノッチを入れ、4方シールの包装袋を10袋得た。
この結果、Iノッチから直線カット方向に手で引き裂くことで、表面フィルムと、背面フィルムのそれぞれの破断線でスムースに引き裂かれることによって美麗な段差ができて、それぞれの摘み部がつかみやすく、内容物Mを容易に取り出すことができた。
(実施例3)
包装袋を構成するフィルムとして、まず、実施例1の表面フィルムを準備した。
それ以外は実施例2と同様の製造方法で縦シールにIノッチを入れた4方シールの包装袋を10袋得た。
この結果、Iノッチからハーフカットに沿って手スムースに引き裂かれることによって段差を生じ、それぞれの摘み部がつかみやすく、内容物Mを容易に取り出すことができた。
(比較例1)
実施例3でハーフカットを形成しない以外は、実施例3と同様の製造方法で、縦シールにIノッチを入れた4方シールの包装袋を10袋得た。
この結果、Iノッチから対向するIノッチ方向に手で引き裂くことで、直線状に引き裂かれたが、段差が生じなかったため、表面フィルムと背面フィルムのそれぞれの摘み部がつかみにくく、内容物を容易に取り出すことができなかった。
(比較例2)
実施例2でハーフカットを形成しない以外は、実施例2と同様の製造方法で、縦シールにIノッチを入れた4方シールの包装袋を10袋得た。
この結果、直線カット方向に手で引き裂くことで、直線状に引き裂かれたが、段差が生じなかったため、表面フィルムと背面フィルムのそれぞれの摘み部がつかみにくく、内容物を容易に取り出すことができなかった。
(比較例3)
実施例1で表面フィルムと背面フィルムに各々ハーフカットを形成する以外は、実施例2と同様の製造方法で、縦シールにIノッチを入れた4方シールの包装袋を10袋得た。
この結果、背面フィルムにハーフカットを形成する工程が増え、その分、生産効率が低下した。
1 開封補助線
2 開封予定線
3 表面フィルム
4 背面フィルム
5 側方シール部
6 底シール部
8 上方シール部
9 開封開始手段
11 原反ロ−ル(巻取ロール)
12 段差ロ−ル
13 ガイドロ−ル
14 ガイド枠
15 縦シールロール
16 横シールロール
17 充填ノズル
18 冷却シールロール
21 レーザー照射装置
19 光電管装置
20 カッタ−装置
A フィルム
B 包装袋
C 包装体
M 内容物
X 引裂き方向
Y 重なり部分

Claims (2)

  1. 少なくとも一方の面にシーラント性を有するフィルムのシーラント性を有する面を対向させて、前記フィルムの端縁部に側方シール部を有する包装袋であって、
    前記包装袋を構成する表面フィルムおよび背面フィルムのうち、表面フィルムが、一方の側方シール部から他方の側方シール部に亘って延びて前記表面フィルムの引裂方向に相当する開封予定線に対し、少なくとも一つの線が前記開封予定線と交点を有する開封補助線を備え、
    かつ、前記開封補助線が、連続して延びるハーフカットで形成された線であり、
    かつ、前記背面フィルムが、前記開封補助線を備えておらず、一方向に直線カット性を有するフィルムであり、かつ、前記一方向が、前記表面フィルムの引裂方向と平行であることを特徴とする包装袋。
  2. 開封開始手段が、前記側方シール部内の前記開封補助線に隣接する位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装袋。
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