JP2016108004A - 包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】単純な構成でありながら、内容物の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、形成されるつかみやすい摘み部によって易開封性が付与されるとともに、その加工が簡便な包装体を提供する。【解決手段】包装体1は、周囲が、第1のシール部3によってシールされ、内容物100を保持する内容物収納部2と、包装体1の外縁の少なくとも一部と接する第2のシール部4と、第1のシール部3と、第2のシール部4との間にある未シール部5とを備え、一方のフィルム10aの未シール部5には、第2のシール部4に沿った方向に、フィルム10aの少なくとも一方の端部から延びる開封補助線6を有し、他方のフィルム10bの未シール部5には、開封補助線6が延びる端部の付近に開封手段7を有し、一方のフィルム10aの未シール部5は、開封補助線6に沿った裂け目が端部となり、第1のシール部3を剥離する摘み部の一方を構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、重ね合わされたフィルムで内容物を保持する包装体に関し、より詳細には、易開封性、及び運搬時等の誤開封防止の機能を有する包装体の開封構造に関する。
包装体は、開封される場合に簡単に手で開けられる易開封性を機能として備えていることが有用である。易開封性を有する包装体の一つとして、重ね合わされたフィルムの接着強度が弱められていることによって密封(シール)箇所が容易に剥離するイージーピールとされたプラスチック製の包装体が広く用いられている。
イージーピールで接着された包装体には開封用の摘み片が設けられている。摘み片は、重ね合わされたフィルムが接着されていない未シール部となっている。そして、摘み片の2枚のフィルムを摘んで引っ張ると、接着されているフィルムがはがれて包装体を開封することができる。
このような包装体の開封の際に、未シール部の表裏2枚のフィルムが密着してしまう場合がある。この場合には、摘み片がつかみづらくなり、その結果として、包装体の開封が困難になる。そこで、摘み片がつかみやすくなるような対策が考えられている。
特許文献1には、製剤を挟んで重ねた第1シート材及び第2シート材の周縁を密着させて再剥離可能な密着部を形成し、この密着部で囲まれる収容部に製剤を収容し、第1シート材及び第2シート材の密着部側の各一端を揃える一方で各他端をずらした状態で重ねた包装体が開示されている。
特許文献1の構成によれば、開封の開始時に各他端側に設けた摘み片を容易につかむことができ、2枚の第1シート材及び第2シート材の引き離しを容易に開始することができるとされている。このように、前後一方の摘み片の長さと、他方の摘み片の長さとが変えられることによって、包装体の開封の際に摘み片がつかみやすくされている。このような未シール部の摘み片がひらひらとしていると、包装体の輸送中や、携帯中に引っかかる等して、誤って、接着部が剥がれてしまうおそれがある。そして、特許文献1のように摘み片がつかみやすくなされた場合には、なおさら、誤開封の可能性が高まる。したがって、このような包装体に対して誤開封を防止する方策が必要となる。しかしながら、このような包装体においては、誤開封を防止すると易開封性を発現するのが困難となる。
そこで本発明の目的は、単純な構成でありながら、内容物の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、形成されるつかみやすい摘み部によって易開封性が付与されるとともに、その加工が簡便な包装体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、重ね合わされたフィルムで内容物を保持する包装体において、前記包装体は、周囲が、第1のシール部によってシールされ、前記内容物を保持する内容物収納部と、前記包装体の外縁の少なくとも一部と接する第2のシール部と、前記第1のシール部と、前記第2のシール部との間にある未シール部とを備え、一方の前記フィルムの前記未シール部には、前記第2のシール部に沿った方向に、前記フィルムの少なくとも一方の端部から延びる開封補助線を有し、他方の前記フィルムの前記未シール部には、前記開封補助線が延びる前記端部の付近に開封手段を有し、前記一方のフィルムの前記未シール部は、前記開封補助線に沿った裂け目が端部となり、前記第1のシール部を剥離する摘み部の一方を構成することを特徴とする。
更に、前記包装体は、前記一方のフィルムの前記未シール部に、前記開封補助線を複数有することを特徴とする。
更に、前記開封手段は、開封ノッチ、及び破断構造のいずれかであることを特徴とする。
更に、前記破断構造は、前記他方のフィルムの前記一方の端部と、他方の端部との間に延びることを特徴とする。
更に、前記他方のフィルムの破れ方向に相当し、前記端部の付近から前記第2のシール部に沿った方向に延びる想定線に対し、前記開封補助線は、前記端部から前記第2のシール部に沿った方向に離れた位置において、前記第1のシール部側、及び前記第2のシール部側のいずれかに形成されることを特徴とする。ここでの想定線とは、内容物収納部や第1のシール部側と、第2のシール部側とが分断する際に、包装体の開封端から、裂け目が進行(伝播)すると想定される方向への延長線である。
更に、前記開封補助線は、前記端部から前記第2のシール部に沿った方向に離れた位置において、前記他方のフィルムの前記開封手段から前記第2のシール部に沿った方向に延びる想定線に対し傾斜角を有して交差することを特徴とする。
更に、前記開封補助線は、ハーフカット、及びミシン目のいずれかであることを特徴とする。
本発明の包装体によれば、重ね合わされたフィルムで内容物を保持する包装体において、包装体は、周囲が、第1のシール部によってシールされ、内容物を保持する内容物収納部と、包装体の外縁の少なくとも一部と接する第2のシール部と、第1のシール部と、第2のシール部との間にある未シール部とを備え、一方のフィルムの未シール部には、第2のシール部に沿った方向に、フィルムの少なくとも一方の端部から延びる開封補助線を有し、他方のフィルムの未シール部には、開封補助線が延びる端部の付近に開封手段を有し、一方のフィルムの未シール部は、開封補助線に沿った裂け目が端部となり、第1のシール部を剥離する摘み部の一方を構成するので、表裏2枚のフィルムのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線の間に段差ができて、それぞれの摘み部がつかみやすくなる。一方で、フィルムが引き裂かれる前の状態では包装体が誤って開封される事態を防止することができる。したがって、一方のフィルムにのみ開封補助線を有する単純な構成でありながら、内容物の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、形成されるつかみやすい摘み部によって易開封性が付与されるとともに、その加工が簡便な包装体を提供することができる。
更に、包装体は、一方のフィルムの未シール部に、開封補助線を複数有する構成によれば、表裏2枚のフィルムのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線の間により段差ができて、それぞれの摘み部がよりつかみやすくなる。更に、他方のフィルムの開封手段が設けられる位置に幅ができて、製造をより容易にすることができる。
更に、開封手段は、開封ノッチ、及び破断構造のいずれかである構成によれば、他方のフィルムをより確実に引き裂くことができる。更に、他方のフィルムに用いられる材料を自由に選択することができる。
更に、破断構造は、他方のフィルムの一方の端部と、他方の端部との間に延びる構成によれば、他方のフィルムを引き裂きやすくすることができる。更に、他方のフィルムの破断構造を製造しやすくすることができる。
更に、他方のフィルムの破れ方向に相当し、端部の付近から第2のシール部に沿った方向に延びる想定線に対し、開封補助線は、端部から第2のシール部に沿った方向に離れた位置において、第1のシール部側、及び第2のシール部側のいずれかに形成される構成によれば、表裏2枚のフィルムのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線の間により段差ができて、それぞれの摘み部がよりつかみやすくなる。
更に、開封補助線は、端部から第2のシール部に沿った方向に離れた位置において、他方のフィルムの開封手段から第2のシール部に沿った方向に延びる想定線に対し傾斜角を有して交差する構成によれば、表裏2枚のフィルムのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線の間により確実に段差ができて、それぞれの摘み部がよりつかみやすくなる。
更に、開封補助線は、ハーフカット、及びミシン目のいずれかである構成によれば、より簡便な加工によって、開封補助線に沿った破断線をより確実に形成することができ、表裏2枚のフィルムのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線の間により段差ができて、それぞれの摘み部がよりつかみやすくなる。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本実施形態に係る包装体の構成を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る包装体1の一例であって、図1Aは、包装体1の表側が示された平面図であり、図1Bは、包装体1の裏側が示された平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、包装体1が載置された図1の状態において、包装体1が引き裂かれた際に破断線の形成される側を上とし、図1Aのように、包装体1の表側が示された平面図においては図の手前側を表とし、図1Bのように、包装体1の裏側が示された平面図においては図の手前側を裏とする。
本実施形態に係る包装体1は、重ね合わされたフィルム10、例えば、図1Aと、図1Bとにそれぞれ示されるように、表側フィルム10a(図1A参照)と、裏側フィルム10b(図1B参照)とに内容物100が保持されるように構成されている。包装体1は、内容物収納部2と、第1のシール部3と、第2のシール部4と、未シール部5とを備える。包装体1の外観形状は、平面視で例えば、左右の幅方向が短辺である矩形になされている。製袋時におけるフィルム原反の使用効率の観点から包装体1の外観形状は、例示された矩形、又は正方形であることが好ましい。しかしながら、包装体1の外観形状は、矩形や正方形には限らず、三角形や多角形、円形、楕円形、不規則な形状であっても良く、内容物100の形状や、製品の意匠性等に応じて適宜設計できる。なお、本実施形態に係る包装体1は、幅方向が数十mm程度の小型のものに適用されると特に有効である。
包装体1は、例えば、同一形状の2枚のフィルム10、すなわち表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが重ね合わされて構成されている。重ね合わされた表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとのそれぞれの対向面は、予め定められた幅を有する帯状の第1のシール部3、及び第2のシール部4によってシールされる。周囲が、帯状に延びる第1のシール部3によってシールされた領域には内容物100を保持する内容物収納部2が形成される。
図1の例示において、第1のシール部3は、五角形の各辺に相当する形状になされている。第1のシール部3の下辺、並びに下辺の両端から各々延びる左辺、及び右辺は包装体1の外縁と接している。そして、第1のシール部3の左辺、及び右辺のそれぞれの上端は包装体1の上下方向の中途まで延びている。更に、第1のシール部3は、左辺、及び右辺のそれぞれの上端から包装体1の幅方向の内方かつ上方に向けて延びる2つの上辺を有している。そして、包装体1の幅方向の中心において2つの上辺が接続している。
第1のシール部3は、剥離しやすいヒートシール強度を呈するように、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが接着されており、イージーピール性(易剥離性)、すなわち易開封性を有する。このような容易に剥離開封できる接着は弱シールとも称される。第1のシール部3のヒートシール強度は人が開封できる程度であれば良い。具体的には、第1のシール部3のヒートシール強度は4〜8N/15mmであることがより好ましい。なお、内容物収納部2に空気が入らない場合や、内容物100が薄板状の場合には第1のシール部3のヒートシール強度は更に弱くても構わない。一方で、第1のシール部3の下辺、左辺、及び右辺は、剥離の必要がない場合には、弱シールよりもヒートシール強度の強い強シールであっても構わない。なお、ヒートシール強度の測定法としては、JIS−Z−0238に準拠している。
一方で、第2のシール部4は、包装体1の外縁の少なくとも一部と接する外縁シール部である。図1の例示では、第2のシール部4は包装体1の上辺と接している。仮に、第2のシール部4を有していない構成の場合には、シールされていない領域、すなわち未シール部5における重ね合わされた各フィルム10が摘み部とされて第1のシール部3が容易に剥離できる状態になる。したがって、包装体1の輸送中や、携帯中に摘み部が引っかかる等して、内容物100を保持するための第1のシール部3が剥がれてしまうおそれがある。そこで、本実施形態に係る包装体1では、第2のシール部4を備える構成によって重ね合わされた各フィルム10が容易にはつかめない状態とされ、第1のシール部3が意図せず剥がれてしまうことが防止される。
第1のシール部3を剥離する摘み部が露出されないように包装体1が構成されることが第2のシール部4に求められる条件である。このため、第2のシール部4は、包装体1の外縁に沿った形状とされており、更に、第2のシール部4自体が剥離されるきっかけも包装体1の外縁に形成されないようになされる。そして、第2のシール部4が、包装体1の外縁と接して形成されていると、たとえそれが弱シールであっても包装体1の開封は困難である。したがって、上述の第2のシール部4の構成によって本実施形態に係る包装体1は初期状態において、第1のシール部3が意図せず剥がれてしまうことが防止される。
なお、図1の例示では、第1のシール部3が、包装体1の3方の外縁と接している。しかしながら、例えば、第2のシール部4が、包装体1の4方の全外縁と接している構成の場合には、第1のシール部3が、包装体1の外縁とは接していなくても構わない。より具体的には例えば、内側から内容物収納部2/第1のシール部3/未シール部5/第2のシール部4のそれぞれの構成が周回状の場合がこれに該当する。
第2のシール部4は、弱シールであることが必須とはされない。しかしながら、後述される手順に沿った包装体1の開封が行われた際には第2のシール部4が剥離されやすい方が好都合である。これは仮に、いずれか一方のフィルム10、ここでは裏側フィルム10bの裂け目が第2のシール部4に及んだ場合にも、第2のシール部4が剥離することによって、表側フィルム10aの裂け目がこれに追随することなく、裏側フィルム10bの裂け目の伝播が進行するからである。更に、例えば、第1のシール部3が弱シールで、第2のシール部4が強シールの構成の場合には、包装体1の製造時に、第1のシール部3には弱シール材が設けられ、第2のシール部4だけ弱シール材が設けられないという処置になり、製造工程が煩雑になる。したがって、第2のシール部4は弱シールであることが好ましい。
第1のシール部3の外側の領域は、重ね合わされたフィルム10、すなわち、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとのそれぞれの対向面がシールされていない未シール部5とされる。未シール部5は、第1のシール部3と、第2のシール部4との間の領域に位置し、図1の例示では、第2のシール部4の下方、かつ第1のシール部3の上辺の上方に位置している。未シール部5が設けられることによって、第1のシール部3と、第2のシール部4とは接続されていない。そして、包装体1の外縁は、未シール部5の領域以外で、第1のシール部3と、第2のシール部4とによる端部シールとなる。このような構成を有する包装体1は、開封の端、すなわちきっかけが設けられない限り、イージーピール性を有する第1のシール部3、及び第2のシール部4のヒートシール強度が弱くても包装体1を容易に開封することはできない。
未シール部5は、包装体1の外縁において、予め定められた距離L以下とされることが好ましい。すなわち、包装体1の左右の外縁において、第1のシール部3と、第2のシール部4との間がそれぞれ予め定められた距離L以下とされることが好ましい。より具体的には、未シール部5は、包装体1の外縁において、例えば、人の指が入り込まない長さに設計される。このように、未シール部5は、包装体1の外縁において、予め定められた距離L以下とされることによって、包装体1が意図せず開封してしまう事態をより抑止することができる。
包装体1は、未シール部5の領域で、第2のシール部4に沿って、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとがそれぞれ引き裂かれることによって包装体1から、第2のシール部4が取り除かれるように構成される。包装体1は、一方のフィルム10の未シール部5には、第2のシール部4に沿った方向に、フィルム10の少なくとも一方の端部から延びる開封補助線6を有する。
本実施形態に係る包装体1の開封補助線6は、フィルム10の少なくとも一方の端部を始点として延びていれば良い。開封補助線6の始点は、フィルム10の開封(引き裂き開始)端とさせることもできる。開封補助線6が、片方の端部のみを始点として延びて形成されていると、フィルム10の引き裂きを一方向に指定できる。一方で、開封補助線6が、両端部を始点として延びて形成されていても良く、この場合には、フィルム10の左右両方向からの引き裂きができて、使い勝手が良い。図1Aには、一方のフィルム10である表側フィルム10aの未シール部5の領域内に第2のシール部4に沿って左右両端間に直線状に延びる、すなわち、表側フィルム10aの左右の外縁がいずれも始点とされた開封補助線6を有する包装体1が例示されている。なお、開封補助線6は斜めに構成されていても構わない。
開封補助線6は、弱め線であることが好ましい。弱め線としては、表側フィルム10aの表面、及び裏面のいずれかの表層からその厚さ方向の途中まで切れ目が入ったハーフカット、及び開封補助線6が延びる方向に間欠的に、表側フィルム10aを貫通する切り込みが入ったミシン目のいずれかであると良い。図1Aには、ハーフカットで加工された直線が連続して延びる開封補助線6を有する包装体1が例示されている。なお、本実施形態の包装体1に形成される開封補助線6は、ハーフカットであってもミシン目であっても、両方が混在していても構わない。しかしながら、開封補助線6には、製造の効率の観点からは、ハーフカット、及びミシン目のいずれか一方が用いられることが好ましく、形成される破断線の形状の確実性の観点からは連続して延びるハーフカットが用いられることがより好ましい。
開封補助線6は、表側フィルム10aが引き裂かれる際に伝播する裂け目を開封補助線6上に誘導する機能を有する。そして、包装体1の表側フィルム10aは、未シール部5に設けられた開封補助線6を境に、内容物収納部2や第1のシール部3側と、第2のシール部4側とに容易に分断することができる。したがって、表側フィルム10a上を伝播する裂け目によって形成される破断線は未シール部5の領域内において開封補助線6に沿った形状となる。そして、第2のシール部4が取り除かれた表側フィルム10aの未シール部5は、開封補助線6に沿った裂け目による破断線が端部となり、第1のシール部3を剥離する摘み部の一方を構成する。このように、開封補助線6を有する構成によれば、より簡便な加工によって、開封補助線6に沿った破断線を確実に形成することができる。
なお、開封補助線6は、第1のシール部3の上端からある程度の距離を有していることが好ましい。これは、包装体1から、第2のシール部4が取り除かれた際に、開封補助線6と、第1のシール部3との間が摘み部となり、そのつかみやすさが左右されるからである。
一方で、他方のフィルム10である裏側フィルム10bには開封補助線6が設けられない。その代わりに、裏側フィルム10bの未シール部5には、開封補助線6が延びる端部(開封補助線6の始点)の付近に、裏側フィルム10bの引き裂きのきっかけとなる開封手段(開封端)が設けられる。開封端は、少なくとも、裏側フィルム10bに形成されていれば良いものの、表側フィルム10aにも形成されても良い。図1Bには、図1Aの表側フィルム10aに形成された開封補助線6の左右両端に対応した裏側フィルム10bの左右両端部に、裏側フィルム10bの開封端として、開封ノッチ7を有する包装体1が例示されている。このように、開封端として開封ノッチ7が用いられることによって裏側フィルム10bをより確実に引き裂くことができる。更に、裏側フィルム10bに用いられる材料を自由に選択することができる。
上述のように、開封ノッチ7は、開封補助線6の始点に対応して設けられる。したがって、開封補助線6が、片方の端部のみを始点として延びて形成されている場合には、開封ノッチ7は、開封補助線6の始点に対応したフィルム10の片方の端部のみに形成されれば良く、フィルム10の引き裂きを一方向に指定できる。一方で、開封補助線6が、両端部を始点として延びて形成されている場合には、開封ノッチ7は、両端部に形成され、この場合には、フィルム10の左右両方向からの引き裂きができて、使い勝手が良い。
なお、図1Aと、図1Bとでは、重ね合わされる表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとの対応する位置が表示上左右反転している。したがって、例えば、図1Aにおいて、表側フィルム10aの左端から開封補助線6が延びる(右端に開封補助線6が達していない)構成の場合には、図1Bの裏側フィルム10bの右端に開封端が形成されることとなる。
開封補助線6の始点と、開封ノッチ7との位置はフィルム10の上下方向に離れすぎず、かついずれも、第1のシール部3、及び第2のシール部4からは離間していることが好ましい。各フィルム10が支障なく引き裂かれる範囲で開封補助線6の始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置は設計される。なお、図1A、及び図1Bに示される包装体1においては、開封補助線6の始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置が一致するように構成されている。このように、1つの開封補助線6が直線状に延びる構成の包装体1の場合には開封補助線6の始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置が一致することが好ましい。このように構成されることによって、表側フィルム10aが引き裂かれる際に開封ノッチ7から伝播する裂け目をそのまま、開封補助線6上に誘導することができる。
上述のように、開封ノッチ7は、少なくとも裏側フィルム10bに形成されれば良い。しかしながら、開封ノッチ7は、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとを貫通する構成であると包装体1の製造が容易である。図1A、及び図1Bに例示された開封ノッチ7は、重ね合わされた表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bの両方のフィルム10を貫通して形成されている。
I字型の開封ノッチ7すなわちIノッチは、包装体1の幅方向に切り込みが延びている。そして、開封ノッチ7は、応力を集中させてフィルム10の引き裂きのきっかけとして機能し、軽い力でもフィルム10を引き裂きやすくする機能を有する。なお、開封ノッチ7は、I字型のIノッチに限らず、V字型のVノッチや、U字型のUノッチ等が用いられても良く、その種類は問わない。
開封補助線6を有さない場合には、引き裂かれるフィルム10の裂け目に加わる力は一定ではない。したがって、開封補助線6を有さない裏側フィルム10bの引き裂きの際に生じる裂け目の軌跡は不確定である。すなわち、裏側フィルム10bの未シール部5の領域内を伝播し、伝播する裂け目によって形成される破断線は不確定である。そして、裏側フィルム10bの第2のシール部4が取り除かれた未シール部5は、不確定に形成される破断線によって、第1のシール部3を剥離する摘み部の他方を構成する。そして、裏側フィルム10bの破断線の軌跡は、表側フィルム10aの開封補助線6に沿った破断線の軌跡とは異なる。
このように、本実施形態に係る包装体1は、一方のフィルム10のみに開封補助線6を有する。このように構成される本実施形態に係る包装体1は、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線の間に段差ができて、それぞれの摘み部がつかみやすくなる。一方で、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれが引き裂かれる前の状態では包装体1が誤って開封される事態を防止することができる。更に、開封補助線6、及び開封ノッチ7は、未シール部5に形成されているため、内容物100の保護性に影響を及ぼさない。したがって、本実施形態によれば、内容物100の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、易開封性を有するとともに、その構造が単純で、製造が容易な包装体1を提供することができる。
本実施形態に係る包装体1を構成するフィルム10は、単層フィルムの形態であっても良く、複数の材料の積層された多層フィルムの形態であっても良い。フィルム10は例えば、表面層と、バリア層と、ヒートシール層とで構成される3層構造とすることができる。
表面層としては例えば、合成樹脂フィルムが用いられ、特に、一軸方向に方向性を有している一軸延伸熱可塑性合成樹脂フィルムや、一方向に比較して他方向の配向性が極めて大きい二軸延伸熱可塑性合成樹脂フィルムが用いられる。より具体的には、表面層としては例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタラート(PET:PolyEthylene Terephthalate)フィルムを用いることができる。これらの延伸フィルムは、延伸方向と、開封補助線6の延びる方向とが一致するように積層されることによって、フィルム10の引き裂きをより容易にし、かつその方向性をより安定化させることができる。表面層には、フィルム10の基材としての強度が要求される。表面層の厚さは、12μm〜16μmであることが好ましく、12μmであることがより好ましい。表面層の裏面には印刷層が設けられていても良い。
バリア層としては例えば、金属箔が用いられ、中でも、好ましくは、アルミニウム(Al)箔が用いられる。バリア層の厚さは、7μm〜9μmであることが好ましく、7μmであることがより好ましい。表面層と、バリア層とは、熱融着性樹脂、例えばポリエチレンを溶融押し出しして圧着することによって積層することができる。押し出しポリエチレン層の厚さは15μmであることが好ましい。更に、表面層と、バリア層とは、熱融着性樹脂の代わりに接着剤例えば、ポリウレタン系接着剤によるドライラミネーションによって積層しても良く、一般的な積層方法が利用できる。なお、酸素や、水蒸気等に対するバリア性の不要な内容物100の場合にはバリア層は省略されても構わない。
ヒートシール層は、熱によって溶融し、イージーピール性を呈するように相互に融着する材料であれば良い。より具体的には、ヒートシール層としては例えば、ポリエチレン(PE:PolyEthylene)フィルムを用いることができる。ヒートシール層の厚さは、30μm〜40μmであることが好ましく、30μmであることがより好ましい。バリア層と、ヒートシール層とは、熱融着性樹脂、例えばポリエチレンを溶融押し出しして圧着することによって積層することができる。押し出しポリエチレン層の厚さは15μmであることが好ましい。更に、バリア層と、ヒートシール層とは、熱融着性樹脂の代わりに接着剤例えば、ポリウレタン系接着剤によるドライラミネーションによって積層しても良く、一般的な積層方法が利用できる。
以上のように、本実施形態に係る包装体1を構成するフィルム10は例えば、PET(厚さ:12μm)/PE(押し出し15μm)/Al(7μm)/PE(押し出し15μm)/PE(30μm)の層構成とすることができる。
開封補助線6は、多層フィルムの内の単層(表層)のみに形成されるハーフカットの場合には、フィルム10の積層前に形成されると良い。しかしながら、ハーフカットの開封補助線6はフィルム10の積層後に形成することもできる。フィルム10の積層後であれば表層を含めた複数の層にハーフカットの開封補助線6を形成することもできる。一方で、開封補助線6は、全カットのミシン目の場合には、フィルム10の積層後に形成されると良い。開封補助線6は、全カット、及びハーフカットのいずれであっても、製袋後に、未シール部5となる箇所に適切に形成されていればその形成方法は問わない。開封補助線6は、例えばローラに設けられた刃をフィルム10に押し付けることによって形成することができる。
開封ノッチ7は、製袋時に形成されると良く、包装体1の製袋前であるフィルム10の積層後に形成されても構わない。開封ノッチ7は、製袋後に、開封補助線6の端部に対応した裏側フィルム10bの未シール部5の箇所に適切に形成されていればその形成方法は問わず、例えばローラに設けられた刃をフィルム10に押し付けることによって形成することができる。
以上のような開封補助線6が表側フィルム10aに、開封ノッチ7が少なくとも裏側フィルム10bに、それぞれ適宜位置に形成された各フィルム10から包装体1が製袋される。上述のように、本実施形態では、2枚の包装材が用いられ、それぞれの包装材が重ね合わされて製袋されている。しかしながら、1枚のフィルム10が折り曲げられて包装体1が製袋されても良い。包装体1の製袋時におけるフィルム10の接着は、接着剤が用いられる方法であっても構わない。しかしながら、フィルム10には、ヒートシール層として、例えばポリエチレンフイルムが用いられているため、フィルム10のヒートシール層が対向するように重ね合わされた上でヒートシール(熱融着)される方法であると製造が容易であり、好ましい。
なお、本実施形態に係る包装体1では裏側フィルム10bに、易引き裂き性を有する材料が用いられても良い。裏側フィルム10bに用いられる易引き裂き性を有する包装材としては外層から順に、(印刷/)紙/PE(15μm)/Al(7μm)/PE(30μm)の積層体が例示される。基材としての紙にアルミニウム箔が貼りつけられた包装材は引き裂きが容易である。したがって、易引き裂き性を有する包装材自体が、裏側フィルム10bの引き裂きのきっかけとなる開封手段(開封端)となる。このような場合には、裏側フィルム10bの左右両端部に開封ノッチ7を必ずしも有していなくても構わない。なお、包装体1を構成する2枚の包装材が同材質か、異材質かは問わないものの、製造の容易さからは、同材質である方が良い。
次に、本実施形態に係る包装体1の開封方法を詳細に説明する。図2は、包装体1が開封されるに際し、引き裂かれている状態の一例が示された概略図である。図2に示されるように、包装体1の上辺側の左端が右側の方向に引っ張られることによって、包装体1の開封端である開封ノッチ7から、右側の方向を指し示す矢印cの方向に沿って表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとがそれぞれ引き裂かれる。これによって、包装体1は、未シール部5の領域において、下側未シール部5aと、上側未シール部5bとに分断されていく。
表側フィルム10aの裂け目は、開封ノッチ7から開封補助線6(図1も参照)上を伝播する。そして、開封補助線6上を直線状に伝播する裂け目は表側フィルム10aの端部に達し、破断線aを形成する。一方で、裏側フィルム10bの裂け目は、開封ノッチ7から、包装体1の上下方向に無作為にぶれが生じた軌跡を描きながら矢印cの方向に伝播して裏側フィルム10bの端部に達し、破断線bを形成する。
上述のように、開封補助線6は、未シール部5の領域内、すなわち、第2のシール部4からは離間した位置に形成されている。このため、表側フィルム10aでは、上側未シール部5bの側に形成されている第2のシール部4は包装体1から切り離される。なお、包装体1のフィルム10の延伸方向は矢印cの方向と一致しており、フィルム10を容易に、かつ矢印cの方向に安定して引き裂くことができる。そして、開封ノッチ7も、未シール部5の領域内、すなわち、第2のシール部4からは離間した位置に形成されている。更に、第2のシール部4は易開封性を有している。このため、裏側フィルム10bでも、上側未シール部5bの側に形成されている第2のシール部4は包装体1から切り離されることとなる。
図3は、包装体1が開封されるに際し、引き裂かれた後の状態の一例が示された概略図である。上述のように、包装体1は、未シール部5の領域において、下側未シール部5aと、上側未シール部5bとに分断される。第2のシール部4の切り離された包装体1は下側未シール部5aが上端に位置する。このため、破断線a、及び破断線bを上端として、下側未シール部5aを構成する表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが包装体1の全幅にわたって別々に離れた状態で露出する。
図3では、破断線bは、破断線aよりも上方に位置している例が示されている。そして、破断線aよりも上方に突出している領域8には裏側フィルム10bのみが存在する。一方で、図示は省略されるものの、破断線bは、破断線aよりも下方に位置する場合もありうる。その場合には、破断線bよりも上方に突出している破断線aの領域には表側フィルム10aのみが存在することとなる。したがって、図3に例示された領域8を摘むと裏側フィルム10bをつかむことができ、図示は省略された場合における破断線bよりも上方に突出している破断線aの領域を摘むと表側フィルム10aをつかむことができる。なお、破断線bは、引き裂きの終端付近において、ずれが集積しやすいため、破断線aとの段差がよりできやすい。
このように、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとで、その破断線aと、破断線bとが異なる軌跡を描き、その形状が異なることで、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとがつかみやすくなる。そして、未シール部5の領域が密着してしまっている場合においても表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとをそれぞれ別個に確実につかむことができる。
なお、図3には、破断線bの一例が示されている。そして、実際には、破断線bに、例示とは異なる上下方向のずれが生じたり、傾斜が生じたりする場合もある。しかしながら、本実施形態の包装体1においては、破断線aと、破断線bとの間に段差が生じることによって、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが別個につかむことができるように構成されてさえいれば良い。
図4は、包装体1が開封されるに際し、重ね合わされたフィルム10の密封箇所が剥離されていく状態の一例が示された概略図である。表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとは第1のシール部3を剥離するための摘み部9を構成する。そして、図4の手前側と、奥側とをそれぞれ指し示す矢印で示されるように、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとで構成される摘み部9がそれぞれ表方向と、裏方向とに離れるように引っ張られる。このことで第1のシール部3が剥離し、内容物収納部2に保持されている内容物100が取り出される。その際に、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが確実につかまれているため、包装体1の開封が容易に行える。
なお、第2のシール部4が切り離された際に、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとがそれぞれ表方向と、裏方向とに離反するように形状が記憶された構成とされていても良い。このような構成によって摘み部9としての表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとがより摘みやすくなる。
以上のように、本実施形態に係る包装体1の構成によれば、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bの2枚それぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線aと、破断線bとの間に段差ができて、それぞれの摘み部9がつかみやすくなる。一方で、フィルム10が引き裂かれる前の状態では包装体1が誤って開封される事態を防止することができる。したがって、一方のフィルム10にのみ開封補助線6を有する単純な構成でありながら、内容物100の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、形成されるつかみやすい摘み部9によって易開封性が付与されるとともに、その加工が簡便な包装体1を提供することができる。
次に、包装体1の変形例の構成を詳細に説明する。なお、以下では、上述の実施形態と同一の構成、及び効果についての説明を適宜省略し、上述の実施形態とは異なる部分を中心に説明する。
本実施形態に係る包装体1は、一方のフィルム10の未シール部5に開封補助線6を複数有していても良い。図5は、包装体1の第1の変形例であって、図5Aは、包装体1の表側が示された平面図であり、図5Bは、包装体1の裏側が示された平面図である。第1の変形例に係る包装体1は、一方のフィルム10の未シール部5に、第2のシール部4に沿った方向に、フィルム10の少なくとも一方の端部から各々が延びる複数の開封補助線6aを有する。図5Aには、一方のフィルム10である表側フィルム10aに全部で5本の開封補助線6aを有する包装体1が例示されている。なお、図5Bに示される他方のフィルム10である裏側フィルム10bは上述の実施形態と同様の構成である包装体1が例示されている。
複数の開封補助線6aは、上述の開封補助線6と同様に、フィルム10の少なくとも一方の端部を始点として延びていれば良く、フィルム10の両端部を始点として延びて形成されていても良い。図5Aには、各線がいずれも、表側フィルム10aの未シール部5の領域内に第2のシール部4に沿って左右両端間に直線状に延びる、すなわち、表側フィルム10aの左右の両外縁が始点とされた5本の開封補助線6aを有する包装体1が例示されている。なお、図5Aにおいては、5本の開封補助線6aの各線がすべて平行に設けられているものの、これらは平行でなくても構わない。複数の開封補助線6aは、ハーフカットや、ミシン目等の弱め線の加工がなされたものである。図5Aには、いずれも、ハーフカットで加工された直線が連続して延びる5本の開封補助線6aが例示されている。
複数の開封補助線6aは、表側フィルム10aが引き裂かれる際に伝播する裂け目を開封補助線6aのいずれかの線上に誘導する機能を有する。そして、包装体1の表側フィルム10aは、未シール部5に設けられた開封補助線6aのいずれかを境に、内容物収納部2や第1のシール部3側と、第2のシール部4側とに容易に分断することができる。したがって、表側フィルム10a上を伝播する裂け目によって形成される破断線は未シール部5の領域内において開封補助線6aのいずれかに沿った形状となる。そして、第2のシール部4が取り除かれた表側フィルム10aの未シール部5は、開封補助線6aのいずれかに沿った裂け目による破断線が端部となり、第1のシール部3を剥離する摘み部の一方を構成する。このように、複数の開封補助線6aを有する構成によれば、簡便な加工によって、開封補助線6aのいずれかに沿った破断線をより確実に形成することができる。
なお、複数の開封補助線6aの内で最も下側に位置する線は、第1のシール部3の上端からある程度の距離を有していることが好ましい。これは、包装体1から、第2のシール部4が取り除かれた際に、少なくとも開封補助線6aの最も下側に位置する線と、第1のシール部3との間が摘み部となり、そのつかみやすさが左右されるからである。
一方で、裏側フィルム10bの未シール部5には、開封補助線6aが延びる端部(開封補助線6aの始点)の付近に、裏側フィルム10bの引き裂きのきっかけとなる開封手段(開封端)が設けられる。開封端は、少なくとも、裏側フィルム10bに形成されていれば良いものの、表側フィルム10aにも形成されても良い。図5Bには、表側フィルム10aに形成された5本の開封補助線6aの左右両端に対応した裏側フィルム10bの左右両端部に、裏側フィルム10bの開封端として、開封ノッチ7を有する包装体1が例示されている。このように、開封ノッチ7は、上述の開封補助線6と同様に、複数の開封補助線6aの始点に対応して設けられる。
複数の開封補助線6aの始点と、開封ノッチ7との位置はフィルム10の上下方向に離れすぎず、かついずれも、第1のシール部3、及び第2のシール部4からは離間していることが好ましい。各フィルム10が支障なく引き裂かれる範囲で複数の開封補助線6aの始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置は設計される。なお、第1の変形例に係る包装体1では、開封補助線6aが複数存在することによってその始点が、フィルム10の上下方向に幅を持っている。そして、その上下幅の範囲内において、表側フィルム10aの引き裂きが可能であるため、その上下幅に収まるように、裏側フィルム10bの開封端は設けられれば良い。したがって、裏側フィルム10bの開封ノッチ7が設けられる位置に幅ができて、製造をより容易にすることができる。そして、開封ノッチ7の位置が多少上下方向にずれたとしても容易にフィルム10の引き裂きを行うことができる。
なお、図5A、及び図5Bに示される包装体1においては、5本の開封補助線6aの内で上から3番目の線の始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置が一致するように構成されている。このような、複数の開封補助線6aが直線状に延びる構成の包装体1の場合には開封補助線6aのいずれかの始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置が一致することが好ましい。このように構成されることによって、表側フィルム10aが引き裂かれる際に開封ノッチ7から伝播する裂け目をそのまま、開封補助線6a上に誘導することができる。
更に、複数の開封補助線6aを有する包装体1の場合には、開封補助線6aの内で上下方向に隣り合う始点の間に開封ノッチ7が位置していても良い。このように構成されることによっても、表側フィルム10aが引き裂かれる際に開封ノッチ7から伝播する裂け目を上側、及び下側のいずれかの開封補助線6a上に誘導することができる。
開封補助線6aを有さない裏側フィルム10bの引き裂きの際に生じる裂け目の軌跡は不確定である。すなわち、裏側フィルム10bの未シール部5の領域内を伝播し、伝播する裂け目によって形成される破断線は不確定である。そして、裏側フィルム10bの第2のシール部4が取り除かれた未シール部5は、不確定に形成される破断線によって、第1のシール部3を剥離する摘み部の他方を構成する。そして、裏側フィルム10bの破断線の軌跡は、表側フィルム10aの開封補助線6に沿った破断線の軌跡とは異なる。
このように、第1の変形例に係る包装体1は、一方のフィルム10のみに複数の開封補助線6aを有する。このように構成される第1の変形例に係る包装体1は、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線の間により段差ができて、それぞれの摘み部がよりつかみやすくなる。一方で、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれが引き裂かれる前の状態では包装体1が誤って開封される事態を防止することができる。更に、開封補助線6a、及び開封ノッチ7は、未シール部5に形成されているため、内容物100の保護性に影響を及ぼさない。
したがって、一方のフィルム10にのみ複数の開封補助線6aを有する単純な構成でありながら、内容物100の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、形成されるよりつかみやすい摘み部9(図4参照)によって易開封性が付与されるとともに、その加工がより簡便な包装体1を提供することができる。
本実施形態に係る包装体1は、裏側フィルム10bの破れ方向に相当し、端部の付近から第2のシール部4に沿った方向に延びる直線状の想定線11に対し、開封補助線6bは、端部から第2のシール部4に沿った方向に離れた位置において、第1のシール部3側、及び第2のシール部4側のいずれかに形成されていても良い。ここで、内容物収納部2や第1のシール部3側と、第2のシール部4側とが分断する際に、包装体1の開封端から、裂け目が進行(伝播)すると想定される方向への延長線は想定線11と称される。更に、本実施形態に係る包装体1では、開封補助線6bは、端部から第2のシール部4に沿った方向に離れた位置において、裏側フィルム10bの開封ノッチ7から第2のシール部4に沿った方向に延びる想定線11に対し傾斜角を有して交差するように構成されていても良い。
図6は、包装体1の第2の変形例であって、図6Aは、包装体1の表側が示された平面図であり、図6Bは、包装体1の裏側が示された平面図である。第2の変形例に係る包装体1は、一方のフィルム10の未シール部5に、第2のシール部4に沿った方向に、フィルム10の少なくとも一方の端部から曲線状に延びる開封補助線6bを有する。図6Aには、一方のフィルム10である表側フィルム10aの上下方向に振幅を有する正弦曲線状の開封補助線6bを有する包装体1が例示されている。なお、図6Bに示される他方のフィルム10である裏側フィルム10bは上述の実施形態と同様の構成である包装体1が例示されている。
図6Aには、フィルム10の端部、ここでは左右両端部の付近から第2のシール部4に沿った方向に延びる想定線11が示されている。上述のように、第2の変形例に係る開封補助線6bは、第2のシール部4に沿った方向に曲線状に延びる。したがって、上述の実施形態の開封補助線6とは異なり、開封補助線6bは、フィルム10の左右いずれかの端部から第2のシール部4に沿った方向に離れた位置においては、想定線11に対し、第1のシール部3側、及び第2のシール部4側のいずれかに形成される。
開封補助線6bは、上述の開封補助線6と同様に、フィルム10の少なくとも一方の端部を始点として延びていれば良く、フィルム10の両端部を始点として延びて形成されていても良い。図6Aには、表側フィルム10aの未シール部5の領域内に第2のシール部4に沿って左右両端間に正弦曲線状に延びる、すなわち、表側フィルム10aの左右の外縁が始点とされた開封補助線6bを有する包装体1が例示されている。
なお、図6Aにおいては、開封補助線6bの振幅や、波長が一定に設けられているものの、これらは一定ではなく変化しても構わない。そして、開封補助線6bの振幅や、波長の大きさ等は、裂け目が、開封補助線6c上を確実に伝播して、段差が確実に形成される範囲で適宜設計される。更に、開封補助線6bと、上述の開封補助線6のような直線とが組み合わされた形状であっても良い。開封補助線6bは、ハーフカットや、ミシン目等の弱め線の加工がなされたものである。図6Aには、ハーフカットで加工された正弦曲線が連続して延びる開封補助線6bが例示されている。
開封補助線6bは、表側フィルム10aが引き裂かれる際に伝播する裂け目を開封補助線6b上に誘導する機能を有する。そして、包装体1の表側フィルム10aは、未シール部5に設けられた開封補助線6bを境に、内容物収納部2や第1のシール部3側と、第2のシール部4側とに容易に分断することができる。したがって、表側フィルム10a上を伝播する裂け目によって形成される破断線は未シール部5の領域内において開封補助線6bに沿った形状となる。そして、第2のシール部4が取り除かれた表側フィルム10aの未シール部5は、開封補助線6bに沿った裂け目による破断線が端部となり、第1のシール部3を剥離する摘み部の一方を構成する。このように、開封補助線6bを有する構成によれば、簡便な加工によって、開封補助線6bに沿った破断線をより確実に形成することができる。
なお、開封補助線6bは、第1のシール部3の上端からある程度の距離を有していることが好ましい。これは、包装体1から、第2のシール部4が取り除かれた際に、開封補助線6bと、第1のシール部3との間が後述する摘み部となり、そのつかみやすさが左右されるからである。
一方で、裏側フィルム10bの未シール部5には、開封補助線6bが延びる端部(開封補助線6bの始点)の付近に、裏側フィルム10bの引き裂きのきっかけとなる開封手段(開封端)が設けられる。開封端は、少なくとも、裏側フィルム10bに形成されていれば良いものの、表側フィルム10aにも形成されても良い。図6Bには、表側フィルム10aに形成された開封補助線6bの左右両端に対応した裏側フィルム10bの左右両端部に、裏側フィルム10bの開封端として、開封ノッチ7を有する包装体1が例示されている。このように、開封ノッチ7は、上述の開封補助線6と同様に、開封補助線6bの始点に対応して設けられる。
開封補助線6bの始点と、開封ノッチ7との位置はフィルム10の上下方向に離れすぎず、かつ第1のシール部3、及び第2のシール部4からは離間していることが好ましい。更に、開封ノッチ7の上下方向の位置は、開封補助線6bの上端と、下端との間であることがより好ましい。そして、各フィルム10が支障なく引き裂かれる範囲で開封補助線6bの始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置は設計される。
開封補助線6bは、フィルム10の端部から第2のシール部4に沿った方向に離れた位置において、裏側フィルム10bの開封ノッチ7から第2のシール部4に沿った方向に延びる想定線11に対し傾斜角を有して交差するように構成されている。このように、開封補助線6bと、想定線11とが1箇所でも交差するように構成されている包装体1の場合には開封補助線6bの始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置がずれていても構わない。一方で、フィルム10の端部から第2のシール部4に沿った方向に離れた位置において、開封補助線6bと、想定線11とが交差しない構成の包装体1の場合には開封補助線6bの始点と、開封ノッチ7との上下方向の位置が一致することが好ましい。このように構成されることによって、表側フィルム10aが引き裂かれる際に開封ノッチ7から伝播する裂け目をそのまま、開封補助線6b上に誘導することができる。
一方で、開封補助線6bを有さない裏側フィルム10bの引き裂きの際に生じる裂け目の軌跡は不確定である。すなわち、裏側フィルム10bの未シール部5の領域内を伝播し、伝播する裂け目によって形成される破断線は不確定である。そして、裏側フィルム10bの第2のシール部4が取り除かれた未シール部5は、不確定に形成される破断線によって、第1のシール部3を剥離する摘み部の他方を構成する。そして、裏側フィルム10bの破断線の軌跡は、表側フィルム10aの開封補助線6に沿った破断線の軌跡とは異なる。
図7は、図6の包装体1が開封されるに際し、引き裂かれた後の状態の一例が示された概略図である。上述のように、包装体1は、未シール部5の領域において、下側未シール部5aと、上側未シール部5bとに分断される。第2のシール部4の切り離された包装体1は下側未シール部5aが上端に位置する。このため、破断線a1、a2、a3、及びa4、並びに破断線bを上端として、下側未シール部5aを構成する表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが包装体1の全幅にわたって別々に離れた状態で露出する。なお、破断線a1は、略水平方向に延びる形状であり、裂け目が開封補助線6上に誘導されて形成された破断線a2、及びa4は上に凸の山の形状であり、同様に、裂け目が開封補助線6上に誘導されて形成された破断線a3は下に凸の谷の形状である。
破断線a2、及びa4は、破断線bよりも上方に位置する。そして、破断線bよりも上方に突出している平面視で山の形状の領域12aには表側フィルム10aのみが存在する。一方で、破断線bは、破断線a3よりも上方に位置する。そして、破断線a3よりも上方に突出している平面視で谷の形状の領域8aには裏側フィルム10bのみが存在する。したがって、領域12aを摘むと表側フィルム10aをつかむことができ、領域8aを摘むと裏側フィルム10bをつかむことができる。なお、破断線a1と、破断線bとの間の段差の形成については不確定である。
このように、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとで、その破断線a2、a3、及びa4と、破断線bとが異なる軌跡を描き、その形状が異なることで、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとがつかみやすくなる。そして、未シール部5の領域が密着してしまっている場合においても表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとをそれぞれ別個に確実につかむことができる。なお、逆側(図7においては右側)からフィルム10が引き裂かれた場合には、形成される段差が上下逆順になるだけであって基本的には変わらない。
なお、図7には、破断線bの一例が示されている。そして、実際には、破断線bに、例示とは異なる上下方向のずれが生じたり、傾斜が生じたりする場合もある。しかしながら、本実施形態の包装体1においては、破断線a2、a3、及びa4と、破断線bとの間に段差が生じることによって、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが別個につかむことができるように構成されてさえいれば良い。
このように、第2の変形例に係る包装体1は、一方のフィルム10のみに開封補助線6bを有する。このように構成される第2の変形例に係る包装体1は、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線a2、a3、及びa4と、破断線bとの間により段差ができて、それぞれの領域12a、及び8aが摘み部としてよりつかみやすくなる。一方で、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれが引き裂かれる前の状態では包装体1が誤って開封される事態を防止することができる。更に、開封補助線6b、及び開封ノッチ7は、未シール部5に形成されているため、内容物100の保護性に影響を及ぼさない。
したがって、一方のフィルム10にのみ開封補助線6bを有する単純な構成でありながら、内容物100の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、形成されるよりつかみやすい摘み部9(図4参照)によって易開封性が付与されるとともに、その加工が簡便な包装体1を提供することができる。
図8は、包装体1の第3の変形例であって、図8Aは、包装体1の表側が示された平面図であり、図8Bは、包装体1の裏側が示された平面図である。第3の変形例に係る包装体1は、一方のフィルム10の未シール部5には、第2のシール部4に沿った方向に、フィルム10の少なくとも一方の端部から曲線状に延びる複数の開封補助線6cを有する。更に、第3の変形例に係る包装体1は、他方のフィルム10の未シール部5には、開封補助線6cに対応してフィルム10の少なくとも一方の端部の付近に開封手段としての破断構造13を有する。
破断構造13は、他の領域と比べて強度や、剛性等が弱められ、人の手によってフィルム10を容易に引き裂くことが可能とされたものである。破断構造13は、多数の構成要素例えば傷痕が不規則に配置されて帯状をなす。破断構造13が、包装体1の外縁まで延びて形成されることによって、包装体1は、その外縁からフィルム10を引き裂くことが可能に構成される。なお、傷痕は、未シール部5に形成されていて、内容物100の収納(保護性の確保)とは無関係であるため、フィルム10の厚さ方向に完全に貫通したもの、貫通していないもの、又はこれら双方の混在したものであっても良い。
図8Aには、一方のフィルム10である表側フィルム10aに下方向に凸の円弧状の3本の開封補助線6cを有する包装体1が例示されている。更に、図8Bには、表側フィルム10aに形成された開封補助線6cの左右両端に対応した裏側フィルム10bの左右両端部に、裏側フィルム10bの開封端として破断構造13をそれぞれ有する包装体1が例示されている。
ここで、破断構造13を有する構成の包装体1の開封端から、裂け目が進行(伝播)すると想定される方向へと延びる領域は想定域11aと称される。なお、想定域11aは、上述の想定線11において、上下幅方向の成分を有するものであり、その幅は、破断構造13の上下幅に相当する。図8Aには、フィルム10の端部の付近から第2のシール部4に沿った方向に延びる想定域11aが示されている。上述のように、第3の変形例に係る複数の開封補助線6cは、第2のシール部4に沿った方向に曲線状に延びる。そして、複数の開封補助線6cは、フィルム10の左右いずれかの端部から第2のシール部4に沿った方向に離れた位置においては、想定域11aと傾斜角を有して交差するか、あるいは想定域11aよりも第1のシール部3側に突出するように形成される。
複数の開封補助線6cは、上述の開封補助線6と同様に、フィルム10の少なくとも一方の端部を始点として延びていれば良く、フィルム10の両端部を始点として延びて形成されていても良い。図8Aには、各線がいずれも、表側フィルム10aの未シール部5の領域内に第2のシール部4に沿って左右両端間に下に凸の円弧状に延びる、すなわち、表側フィルム10aの左右の外縁が始点とされた3本の開封補助線6cを有する包装体1が例示されている。なお、図8Aにおいては、3本の開封補助線6が平行に設けられているものの、これらは平行でなくても構わない。更に、開封補助線6cと、上述の開封補助線6のような直線とが組み合わされた形状であっても良い。複数の開封補助線6cは、ハーフカットや、ミシン目等の弱め線の加工がなされたものである。図8Aには、ハーフカットで加工された円弧状の曲線が連続して延びる開封補助線6cが例示されている。
複数の開封補助線6cは、表側フィルム10aが引き裂かれる際に伝播する裂け目を開封補助線6c上に誘導する機能を有する。そして、包装体1の表側フィルム10aは、未シール部5に設けられた複数の開封補助線6cのいずれかを境に、内容物収納部2や第1のシール部3側と、第2のシール部4側とに容易に分断することができる。したがって、表側フィルム10a上を伝播する裂け目によって形成される破断線は未シール部5の領域内において開封補助線6cのいずれかに沿った形状となる。そして、第2のシール部4が取り除かれた表側フィルム10aの未シール部5は、開封補助線6cのいずれかに沿った裂け目による破断線が端部となり、第1のシール部3を剥離する摘み部の一方を構成する。このように、複数の開封補助線6cを有する構成によれば、簡便な加工によって、開封補助線6cのいずれかに沿った破断線をより確実に形成することができる。
なお、複数の開封補助線6cの内で最も下側に位置する線は、第1のシール部3の上端からある程度の距離を有していることが好ましい。これは、包装体1から、第2のシール部4が取り除かれた際に、少なくとも開封補助線6cの最も下側に位置する線と、第1のシール部3との間が後述する摘み部となり、そのつかみやすさが左右されるからである。
一方で、上述のように、裏側フィルム10bの未シール部5には、開封補助線6cが延びる端部(開封補助線6cの始点)の付近に、裏側フィルム10bの引き裂きのきっかけとなる開封手段(開封端)としての破断構造13が設けられる。このように、破断構造13は、上述の開封補助線6と同様に、複数の開封補助線6cの始点に対応して設けられる。図8Bには、第2のシール部4の下方で、第2のシール部4に沿って、未シール部5の領域内の左右両端部にそれぞれ形成された長方形状の破断構造13が例示されている。
なお、図8Bでは、破断構造13が明確に示されているものの、実際の破断構造13は、多数の微細な傷痕が不規則に配置され、かつそれらの構成要素は認識しにくい。しかも、破断構造13は、包装体1のフィルム10の全面ではなく予め定められた範囲に形成されている。したがって、その範囲は容易には認識できない。このため、フィルム10は、破断構造13の目印14を有していても良い。図8Bの例示では、フィルム10の外表面側に、破断構造13の領域の外周を示す線が目印14として描かれている。なお、包装体1は、開封端さえ認識できれば良いため、目印14は、破断構造13の領域全体ではなく、フィルム10の端部付近のみに描かれても良い。目印14を有する構成によって、破断構造13の領域の視認性を向上させることができる。なお、目印14は、破断構造13の領域が認識できれば良く、外周を示す線に限らず、領域の塗りつぶし等であっても良い。
破断構造13の構成要素例えば傷痕は、フィルム10を貫通しない構造の場合にはフィルム10の積層前に形成されると良く、一方で、フィルム10を貫通する構造の場合には、フィルム10の積層後に形成されると良く、製袋時に形成されても構わない。傷痕は、引き裂きの起点となる構造として多数形成されていればその形成方法は問わず、例えばローラに設けられた多数の凸状の刃をフィルム10(貫通)、又はその表面層(非貫通)に押し付けることによって形成することができる。傷痕は、フィルム10から包装体1が形成された際に、所望とされるフィルム10の引き裂きの起点となるような位置に形成される。
なお、破断構造13は、裏側フィルム10bの一方の端部と、他方の端部との間に延びて構成されていても良い。すなわち、破断構造13は、第2のシール部4の下方で、第2のシール部4に沿って、未シール部5の領域内の全幅に、帯状、例えば長方形状に形成されていても良い。このように構成されることによって、裏側フィルム10bを引き裂きやすくすることができるとともに、破断構造13の形成時に、フィルム10の位置決めを行わなくて済むため、包装体1の製造がより容易となる。
複数の開封補助線6cの始点と、破断構造13との位置はフィルム10の上下方向に離れすぎず、かつ第1のシール部3、及び第2のシール部4からは離間していることが好ましい。各フィルム10が支障なく引き裂かれる範囲で複数の開封補助線6cの始点と、破断構造13との上下方向の位置は設計される。なお、複数の開封補助線6cと、破断構造13との組み合わせにおいては、両方のフィルム10の開封端に上下方向の幅を持たせることができ、フィルム10の引き裂きを容易にすることができる。
複数の開封補助線6cは、フィルム10の端部から第2のシール部4に沿った方向に離れた位置において、想定域11aよりも第1のシール部3側、及び第2のシール部4側の少なくともいずれかにはみ出て形成されることが好ましい。このように構成されることによって、表側フィルム10aが引き裂かれる際に、伝播する裂け目が、第1のシール部3側、及び第2のシール部4側の少なくともいずれかにはみ出て、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれの破断線の間により段差ができて、それぞれの摘み部がよりつかみやすくなる。
一方で、開封補助線6cを有さない裏側フィルム10bの引き裂きの際に生じる裂け目の軌跡は不確定である。すなわち、裏側フィルム10bの未シール部5の領域内を伝播し、伝播する裂け目によって形成される破断線は不確定である。そして、裏側フィルム10bの第2のシール部4が取り除かれた未シール部5は、不確定に形成される破断線によって、第1のシール部3を剥離する摘み部の他方を構成する。そして、裏側フィルム10bの破断線の軌跡は、表側フィルム10aの開封補助線6に沿った破断線の軌跡とは異なる。
図9は、図8の包装体1が開封されるに際し、引き裂かれた後の状態の一例が示された概略図である。上述のように、包装体1は、未シール部5の領域において、下側未シール部5aと、上側未シール部5bとに分断される。第2のシール部4の切り離された包装体1は下側未シール部5aが上端に位置する。このため、破断線a5、及び破断線bを上端として、下側未シール部5aを構成する表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが包装体1の全幅にわたって別々に離れた状態で露出する。なお、破断線a5は下に凸の形状である。
破断線bは、破断線a5よりも上方に位置する。そして、破断線a5よりも上方に突出している平面視で谷の形状の領域8bには裏側フィルム10bのみが存在する。したがって、領域8bを摘むと裏側フィルム10bをつかむことができる。
このように、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとで、その破断線a5と、破断線bとが異なる軌跡を描き、その形状が異なることで、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとがつかみやすくなる。そして、未シール部5の領域が密着してしまっている場合においても表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとをそれぞれ別個に確実につかむことができる。なお、逆側(図9においては右側)からフィルム10が引き裂かれた場合にも形成される段差は略同じである。
なお、図9には、破断線bの一例が示されている。そして、実際には、破断線bに、例示とは異なる上下方向のずれが生じたり、傾斜が生じたりする場合もある。しかしながら、本実施形態の包装体1においては、破断線a5と、破断線bとの間に段差が生じることによって、表側フィルム10aと、裏側フィルム10bとが別個につかむことができるように構成されてさえいれば良い。
このように、第3の変形例に係る包装体1は、一方のフィルム10のみに開封補助線6cを有する。このように構成される第3の変形例に係る包装体1は、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線a5と、破断線bとの間により段差ができて、領域8bが摘み部としてよりつかみやすくなる。一方で、表側フィルム10a、及び裏側フィルム10bのそれぞれが引き裂かれる前の状態では包装体1が誤って開封される事態を防止することができる。更に、開封補助線6c、及び破断構造13は、未シール部5に形成されているため、内容物100の保護性に影響を及ぼさない。
したがって、一方のフィルム10にのみ開封補助線6cを有する単純な構成でありながら、内容物100の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、形成されるよりつかみやすい摘み部9(図4参照)によって易開封性が付与されるとともに、その加工が簡便な包装体1を提供することができる。
なお、以上に説明がなされた本実施形態に係る包装体1や、その変形例等は、矛盾の生じない範囲で自由に組み合わせることができる。例えば、正弦曲線状の開封補助線6bを有する図6Aの包装体1において、その開封手段を図8Bに示された破断構造13とすることが可能である。
以上に説明がなされたように、重ね合わされたフィルム10で内容物100を保持する包装体1において、包装体1は、周囲が、第1のシール部3によってシールされ、内容物100を保持する内容物収納部2と、包装体1の外縁の少なくとも一部と接する第2のシール部4と、第1のシール部3と、第2のシール部4との間にある未シール部5とを備え、一方のフィルムである表側フィルム10aの未シール部5には、第2のシール部4に沿った方向に、表側フィルム10aの少なくとも一方の端部から延びる開封補助線6を有し、他方のフィルムである裏側フィルム10bの未シール部5には、開封補助線6が延びる端部の付近に開封手段としての開封ノッチ7や破断構造13等を有し、表側フィルム10aの未シール部5は、開封補助線6に沿った裂け目が端部(破断線a、及びa1〜a5)となり、第1のシール部3を剥離する摘み部9の一方を構成する。
そして、本実施形態に係る構成によれば、表裏2枚のフィルム10のそれぞれが引き裂かれることによって形成されるそれぞれの破断線、特に破断線a、a2〜a5と、破断線bとの間に段差ができて、それぞれの摘み部9がつかみやすくなる。一方で、フィルム10が引き裂かれる前の状態では包装体1が誤って開封される事態を防止することができる。したがって、一方のフィルム10(表側フィルム10a)にのみ開封補助線6を有する単純な構成でありながら、内容物100の保護性に優れ、誤開封を防止しつつ、形成されるつかみやすい摘み部9によって易開封性が付与されるとともに、その加工が簡便な包装体1を提供することができる。
本開示は、重ね合わされたフィルムで内容物を収容する包装体に好適に利用することができる。しかしながら、本開示は、上述された実施形態、及び実施例に限定されるものではない。本開示の包装体は、内容物として特に、医薬品、化粧品等の非食品、栄養機能食品、栄養補助食品、香辛料等の刺激性物質を含む食材、その他を収容したあらゆる包装体に有用である。
1 包装体
2 内容物収納部
3 第1のシール部
4 第2のシール部
5 未シール部
5a 下側未シール部
6、6a、6b、6c 開封補助線
7 開封ノッチ
8、8a、8b 裏側フィルムのみが存在する領域
9 摘み部
10 フィルム
10a 表側フィルム
10b 裏側フィルム
11 想定線
11a 想定域
12a 表側フィルムのみが存在する領域
13 破断構造
100 内容物
a、a1、a2、a3、a4、a5 表側フィルムの破断線
b 裏側フィルムの破断線
2 内容物収納部
3 第1のシール部
4 第2のシール部
5 未シール部
5a 下側未シール部
6、6a、6b、6c 開封補助線
7 開封ノッチ
8、8a、8b 裏側フィルムのみが存在する領域
9 摘み部
10 フィルム
10a 表側フィルム
10b 裏側フィルム
11 想定線
11a 想定域
12a 表側フィルムのみが存在する領域
13 破断構造
100 内容物
a、a1、a2、a3、a4、a5 表側フィルムの破断線
b 裏側フィルムの破断線
Claims (7)
- 重ね合わされたフィルムで内容物を保持する包装体において、
前記包装体は、
周囲が、第1のシール部によってシールされ、前記内容物を保持する内容物収納部と、
前記包装体の外縁の少なくとも一部と接する第2のシール部と、
前記第1のシール部と、前記第2のシール部との間にある未シール部と
を備え、
一方の前記フィルムの前記未シール部には、前記第2のシール部に沿った方向に、前記フィルムの少なくとも一方の端部から延びる開封補助線を有し、
他方の前記フィルムの前記未シール部には、前記開封補助線が延びる前記端部の付近に開封手段を有し、
前記一方のフィルムの前記未シール部は、前記開封補助線に沿った裂け目が端部となり、前記第1のシール部を剥離する摘み部の一方を構成することを特徴とする包装体。 - 前記包装体は、前記一方のフィルムの前記未シール部に、前記開封補助線を複数有することを特徴とする
請求項1に記載の包装体。 - 前記開封手段は、開封ノッチ、及び破断構造のいずれかであることを特徴とする
請求項1乃至2のいずれか1項に記載の包装体。 - 前記破断構造は、前記他方のフィルムの前記一方の端部と、他方の端部との間に延びることを特徴とする
請求項3に記載の包装体。 - 前記他方のフィルムの破れ方向に相当し、前記端部の付近から前記第2のシール部に沿った方向に延びる想定線に対し、前記開封補助線は、前記端部から前記第2のシール部に沿った方向に離れた位置において、前記第1のシール部側、及び前記第2のシール部側のいずれかに形成されることを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装体。 - 前記開封補助線は、前記端部から前記第2のシール部に沿った方向に離れた位置において、前記他方のフィルムの前記開封手段から前記第2のシール部に沿った方向に延びる想定線に対し傾斜角を有して交差することを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装体。 - 前記開封補助線は、ハーフカット、及びミシン目のいずれかであることを特徴とする
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014245574A JP2016108004A (ja) | 2014-12-04 | 2014-12-04 | 包装体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018076096A (ja) * | 2016-11-09 | 2018-05-17 | 大日本印刷株式会社 | 包装袋、および包装体の製造方法 |
WO2021039823A1 (ja) * | 2019-08-27 | 2021-03-04 | 凸版印刷株式会社 | 包装体 |
-
2014
- 2014-12-04 JP JP2014245574A patent/JP2016108004A/ja active Pending
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