JP2015016878A - 袋体および包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、一般的な平袋形状の袋体に適用可能であり、開封位置を袋体の縦シール部に沿って自由な位置に設定可能な汎用性と、手で引き裂くことが可能な易開封性を備えつつも、開封時には切り取り片の発生を抑制することが可能な、袋体および包装体を提供することを主な目的とするものである。【解決手段】 内面がヒートシール性を有する積層フィルムの内面同士を向かい合わせ、周縁端部にヒートシールを施して対向する一対のサイドシール部を形成した袋体において、前記一対のサイドシール部の一方を、引き裂き阻害部材が挟持された状態でヒートシールされた構造とし、前記一対のサイドシール部の他方を、開封用の引き裂き開始構造を有する構成にすることにより、上記課題を解決する。【選択図】 図1

Description

本発明は、内容物を充填して密封することにより、内容物を保護し、流通させるために用いる袋体および包装体に関し、特に、内面がヒートシール性を有する積層フィルムから構成され、ヒートシールが施されたサイドシール部に設けた切り込み等から手で引き裂いて開封することができる袋体および包装体に関する。
従来、ヒートシール性を有するフィルムの周縁端部にヒートシールを施して形成した袋体で内容物を包装し、流通させることが広く行われており、内容物保護、製造コストの低減等に貢献している。
このような包装に用いる袋体には使用時の簡便性が求められており、袋体に内容物を収納し開口部を密封した包装体を、刃物を用いず、手で開封するための易開封性に関して多くの提案がなされている。
例えば、初歩的な工夫として、袋体のヒートシール部にノッチや切り込み等を設けることにより、手で包装体を開封するものがあり、また、基材層とヒートシール層からなる複合フィルムで形成された袋体のヒートシール部端縁部に少なくとも基材層を貫通する微細なキズを多数連続的に設けて、当該キズを設けたヒートシール部端縁部のどこからでもヒートシール部を引き裂けるようにしたものがある(特許文献1参照)。
特開昭63−82965号公報 特開2009−255959号公報
包装体の基本形態にはいくつかの種類があり、特に三方シール包装体、および、四方シール包装体は、引き裂き開封が容易なため、レトルト食品用袋、液体小袋用、医薬品用袋、医療器具包装等、色々な用途に用いられている。
しかしながら、袋体に内容物を収納し開口部を密封した包装体を手で引き裂いて開封すると、袋体を構成するフィルムの切り取り片が生じてゴミとなり、乳幼児が誤飲してしまうという問題や、環境が汚染されるといった問題がある。特に医療現場においては、床に落ちた切り取り片を医師や看護士が拾うことにより手が汚染されるとういう問題がある。
これらの問題は包装体の引き裂き性が良いほど懸念されるが、上記の三方シール包装体、および、四方シール包装体は、切り取り片が生じ易い包装体の形態である。
また、通常、包装体を手で引き裂く際は、片手で引き裂き開始位置の下側のヒートシール部を保持し、もう一方の手で引き裂き開始位置の上側のヒートシール部を持って、上側の手を動かして包装体を引き裂くが、勢い良く引き裂いてしまった場合に、内容物が流動性を有する場合や、内容物が重く、片手で保持し難い場合等において、引き裂きが終了した直後に片手で開封された袋体を保持した瞬間にバランスを崩し、内容物をこぼして周囲を汚してしまったり、内容物を落として汚してしまったり、熱い内容物が手に付着してやけどを負ってしまったりするという問題がある。
このような問題を回避するため、引き裂きが伝播するヒートシール部に半円形の切り込みを設けることによって、引き裂きの伝播が止まるようにした包装袋が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記の包装袋においては、幅の広いヒートシール部が必要であり、一般的な形状の袋体には適用できないのみならず、開封位置が限定されてしまうので汎用性が無く、普及していないのが実情である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、一般的な平袋形状の袋体に適用可能であり、開封位置を袋体の縦シール部に沿って自由な位置に設定可能な汎用性と、手で引き裂くことが可能な易開封性を備えつつも、開封時には切り取り片の発生を抑制することが可能な、袋体および包装体を提供することを主な目的とする。
本発明者は種々研究した結果、内面がヒートシール性を有する積層フィルムの内面同士を向かい合わせ、周縁端部にヒートシールを施して対向する一対のサイドシール部を形成した袋体において、前記一対のサイドシール部の一方を、引き裂き阻害部材が挟持された状態でヒートシールされた構造とし、前記一対のサイドシール部の他方を、開封用の引き裂き開始構造を有する構成にすることで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、内面がヒートシール性を有する積層フィルムから構成され、互いに対向する第1のサイドシール部と第2のサイドシール部を有する袋体であって、前記第1のサイドシール部が、引き裂き阻害部材が挟持された状態でヒートシールされており、前記第2のサイドシール部が、開封用の引き裂き開始構造を有していることを特徴とする袋体である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記引き裂き阻害部材が、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、セルロース系繊維、または、植物系天然繊維のいずれか1種を含む縒り糸であることを特徴とする請求項1に記載の袋体である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の袋体に内容物が収納され、前記袋体が有する開口部にヒートシールが施されて密封されていることを特徴とする包装体である。
本発明に係る袋体においては、ノッチや切り込み等の引き裂き開始構造を有する第2のサイドシール部に対向する第1のサイドシール部が、引き裂き阻害部材が挟持された状態でヒートシールされた構造を有している。
それゆえ、開封に際しては、第2のサイドシール部の引き裂き開始構造から容易に手で引き裂くことができ、かつ、伝播する引き裂きの進行は、第1のサイドシール部に挟持された引き裂き阻害部材により阻害されて引き裂きが止まるため、上記のような切り取り片は生じない。
また、ヒートシール部の幅を特別に広くする等、特殊形状の袋体である必要がなく、一般的な平袋形状で実施可能であり、開封時の開口部の幅が狭くなることがなく内容物を取り出し易く、かつ、内容物を充填する際も通常の包装機を使用することができる。
また、前記引き裂き阻害部材を連続的に挟持した構造にすることで、袋体の一辺のサイドシール部全体を引き裂き困難とすることができ、この引き裂き困難なサイドシール部に対向する他辺のサイドシール部のどの位置からでも引き裂くことができるという、汎用性も備えたものとすることができる。
また、本発明に係る包装体においては、包装体を両手で保持した状態で引き裂きが止まるので、内容物を落としたり、こぼしたりするおそれが減り、衛生性、及び、安全性に優れている。
本発明に係る三方シール袋の一例を示す説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。 本発明に係る三方シール袋の他の例を示す概略平面図である。 本発明に係る二方シール袋の一例を示す概略平面図である。 本発明に係る包装体の一例を示す概略平面図である。 本発明に係る包装体の他の例を示す概略平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る袋体および包装体の実施の形態について詳述する。
なお、本明細書においては、積層フィルムを折り返して重ね合わせ、L字型にヒートシールを施した袋体を二方シール袋、積層フィルムを重ね合わせて開口部を除く3辺にヒートシールを施した袋体を三方シール袋と称する。
また、上記の二方シール袋に内容物を充填し、開口部にヒートシールを施して密封した形態の包装体を三方シール包装体、三方シール袋に内容物を充填し、開口部にヒートシールを施して密封した形態の包装体を四方シール包装体と称する。
(袋体)
図1は、本発明に係る三方シール袋の一例を示す説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。また、図2は、本発明に係る三方シール袋の他の例を示す概略平面図である。また、図3は、本発明に係る二方シール袋の一例を示す概略平面図である。
本発明に係る袋体は、内面がヒートシール性を有する積層フィルムから構成され、互いに対向する第1のサイドシール部と第2のサイドシール部を有する袋体であって、前記第1のサイドシール部が、引き裂き阻害部材が挟持された状態でヒートシールされており、前記第2のサイドシール部が、開封用の引き裂き開始構造を有しているものである。
例えば、図1(a)に示す本発明に係る袋体10Aは、内面2がヒートシール性を有する積層フィルム1から構成されており、図中、袋体10Aの上下の辺に沿って、互いに対向する第1のサイドシール部11aと第2のサイドシール部11bが形成されており、袋体10Aの左端近傍にはボトムシール部13が形成されている。一方、図中、袋体10Aの右端は開口部14になっている。
そして、第1のサイドシール部11aは、図1(b)に示すように、リボン状、または、糸状の引き裂き阻害部材21が挟持された状態でヒートシールされており、第2のサイドシール部11bには、開封の際の引き裂き開始構造として、略V字状のノッチ12が2箇所に設けられている。
なお、図1(a)において、引き裂き阻害部材21は太い破線で示されているが、これは、引き裂き阻害部材21が、第1のサイドシール部11aの表面に存在するのではなく、第1のサイドシール部11aの中に挟持されていることを示すものであり、実際の引き裂き阻害部材21は、通常、連続的につながった形態を有している。
より詳しくは、図1(b)に示すように、第1のサイドシール部11aは、積層フィルム1の内面2同士を向い合せてヒートシールを施すことによって形成されており、引き裂き阻害部材21は、この第1のサイドシール部11aを構成する2層の積層フィルム1の間に挟持されている。
また、図1(a)において、ノッチ12から第1のサイドシール部11aに伸びる細い破線で示した引き裂き線15は、現実には開封前の袋体10Aには設けられていないが、説明容易とするために視覚化したものである。
なお、図1(a)に示す例においては、本発明に係る袋体の引き裂き開始構造として、略V字状のノッチ12が、第2のサイドシール部11bに2箇所設けられている形態を例示したが、本発明は上記の例に制限されず、ノッチや切り込み等の引き裂き開始構造を、第2のサイドシール部11bに1個有するような形態であっても良く、複数箇所有している構造であっても良い。
上記のように、本発明に係る袋体10Aの第1のサイドシール部11aは、引き裂き阻害部材21が挟持された状態でヒートシールされている。
それゆえ、ノッチ12から引き裂きを開始して、第1のサイドシール部11aに向かって引き裂き線15が伸びてきても、この引き裂き線15が第1のサイドシール部11aの中の引き裂き阻害部材21に到達すると、この引き裂き阻害部材21が引き裂きの進行を阻害するように作用して、第1のサイドシール部11aの引き裂きが止まることになる。
すなわち、袋体10Aから形成された包装体においては、ノッチ12から容易に手で引き裂いて開封することができるという易開封性を有しつつも、引き裂き線15が第1のサイドシール部11aの中の引き裂き阻害部材21に到達した後は引き裂きが止まるため、切り取り片を生じさせないという効果を奏することができる。
また、本発明においては、ヒートシール部の幅を特別に広くする等、特殊形状の袋体とする必要がなく、通常の三方シール袋形状で実施可能であり、開封時の開口部の幅が狭くなることがなく内容物を取り出し易く、かつ、内容物を充填する際も通常の包装機を使用することができる。
なお、図1においては、本発明に係る袋体の好ましい形態として、三方シール袋を例示したが、本発明に係る袋体は、第2のサイドシール部の形状を直線状の形態以外に変形させることが可能であり、例えば、図2に示す袋体10Bのように、変形させた第2のサイドシール部11bを設けた後、余剰部を切り取ることによって、開封部を狭めた形態とすることもできる。
また、図3に示す袋体10Cのように、二方シール袋の折り返し部の一部分に第2のサイドシール部11bを設け、当該第2のサイドシール部11bにノッチ12等の引き裂き開始構造を設けた形態とすることもできる。
(包装体)
図4は、本発明に係る包装体の一例を示す概略平面図である。また、図5は、本発明に係る包装体の他の例を示す概略平面図である。
本発明に係る包装体は、上述の本発明に係る袋体に内容物が収納され、袋体が有する開口部にヒートシールが施されて密封されているものである。
例えば、上記の図1に示す袋体10Aの中に、内容物Mを充填した後、開口部14に密封シール部31を設けることにより、図4に示す包装体30のような四方シール包装体を形成することができる。
なお、特に図示しないが、本発明に係る三方シール包装体も、図3に示す袋体10Cのような二方シール袋を用いて、同様にして得ることができる。
本発明に係る包装体は、上述の本発明に係る袋体から形成されるため、包装体を引き裂いて開封する際に、包装体を両手で保持した状態で引き裂きが止まるので、内容物を落としたり、こぼしたりするおそれが減り、衛生性、及び、安全性に優れている。
なお、本発明は、製袋機で袋体を形成した後、別工程で内容物を充填し、包装体を形成する場合のみならず、包装機に積層フィルムを供給し、袋体を形成しつつ内容物を充填し、密封することによって包装体を形成する製袋充填機を用いる場合にも、適用することができる。
例えば、図5に示すように、積層フィルムを連続的に略中心線で折り曲げて折り返し、折り返し端部に引き裂き阻害部材を挟持しつつ、連続的に縦シールを施すことによっても、本発明に係る包装体を得ることができる。
ここで、図5に示す、切り離し前の形態の包装体40は、図中下側の端部に、積層フィルム1の折り返しによって形成された折り返し部44を有し、図中上側の端部に、本発明に係る第1のサイドシール部11aに相当する縦シール部41aを有している。そして、この縦シール部41aには、連続的に引き裂き阻害部材21が挟持されている。
なお、図5においては、図中の矢印方向(右から左への方向)が積層フィルムの流れ方向(縦方向)である。
一方、折り返し部44には、個々の包装体毎に本発明に係る第2のサイドシール部11bに相当する縦シール部41bが形成されており、この縦シール部41bには、引き裂き開始構造としてノッチ12が形成されている。
また、縦シール部41aと縦シール部41bを結ぶように、横シール部42が形成されており、この横シール部42の略中心線となる位置に、切り離し線43が形成されている。
横シール部42は、例えば、図3に示した袋体10Cのボトムシール部13と密封シール部を兼ねるものであり、この横シール部42で区切られる個々の包装体毎に内容物Mが充填されている。そして、この切り離し線43で切り離されることにより、個々の三方シール包装体が形成される。
なお、特に図示しないが、本発明に係る四方シール包装体も、同様にして得ることができる。
(引き裂き開始構造)
図1から図3おいては、本発明に係る袋体の引き裂き開始構造として、略V字状のノッチ12が、第2のサイドシール部11bに設けられている形態を例示したが、本発明に係る袋体の引き裂き開始構造は、上記の例に制限されず、各種の構造を適用することができる。
例えば、製袋する前の積層フィルム1の引き裂き開始構造となる位置に、少なくとも積層フィルム1を構成する基材フィルムを貫通する微細なキズを多数連続的に設けて、引き裂き開始構造としてもよい。
また、積層フィルム1を構成する基材フィルムに、一方向に直進引き裂き性を有する一軸延伸フィルムを用いることで、第2のサイドシール部11bのどの位置からでも引き裂き可能とした構造を、第2のサイドシール部11bが有する引き裂き開始構造としてもよい。
このような場合には、第2のサイドシール部11bと対向する第1のサイドシール部11aの全体に引き裂き阻害部材21を挟持させることで、第2のサイドシール部11bのどの位置からの引き裂きであっても、上述と同様に、第1のサイドシール部11aにおいて引き裂きを止めることができる。
なお、特に図示しないが、第1のサイドシール部11aと略垂直な方向のヒートシール部に引き裂き開始構造を設けて、わざと引き裂き阻害部材を挟持した第1のサイドシール部11aに向かって斜めに引き裂いて、開封させることもできる。
(積層フィルム)
本発明に係る袋体を形成する積層フィルム1は、少なくとも基材フィルムとヒートシール性フィルムを積層したフィルムからなり、必要に応じて基材フィルムとヒートシール性フィルムの間に、中間層を設けても良い。
また、本発明において、引き裂き阻害部材21は袋体のヒートシール部内に挟持されるので、袋体のバリア性能に影響を与えることが無く、バリア性積層フィルムを用いれば、バリア性袋体を製造することができる。
基材フィルムとしては、一般的に食品用包装材料に用いられるポリエチレンテレフタレイト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン等の、物理的強度や耐熱性に優れた二軸延伸フィルム、および、これらのフィルムに金属酸化物や金属を蒸着したり、酸素バリア性コーティングを施したり、易接着性層を設けたりしたフィルムを用いることができる。また、横方向に直進引き裂き性を有する横一軸延伸フィルム(例えば、横一軸延伸ポリプロピレンフィルム、製品名「YT−22」、東レフィルム加工株式会社製)を用いても良い。
ヒートシール性フィルムとしては、加熱により軟化し、圧力を加えることによって熱融着する、一般的なヒートシール性フィルムを用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、環状オレフィンコポリマー、酸変性ポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等の未延伸フィルムを、用途に応じて使い分ければ良い。
中間層としては、前記の基材フィルムに用いるフィルムに加えて、金属箔、エチレン・ビニルアルコール共重合体、遮光性フィルム等を用途により単層、または、複層で用いることができる。
特に、基材フィルムに二軸延伸フィルムを用いた場合、ヒートシール性フィルムと貼り合わせる中間層に横一軸延伸フィルムを用いると直進易引き裂き性が得られ、引き裂きをし損じにくくなる点において有益である。
また、本発明に係る袋体に用いる積層フィルムにおけるフィルムの積層方法は、特に限定する必要がなく、通常のフィルム積層方法である、ドライラミネーション、ノンソルラミネーション、溶融樹脂の押出しラミネーション等を用いることができる。
また、本発明に係る袋体には文字や絵柄の印刷を施すことができ、通常は基材フィルムにグラビア印刷、フレキソ印刷等によって印刷する。
(製袋)
本発明に係る袋体は、二方シール袋または三方シール袋のいずれの形態であっても、特殊な製袋機を必要とせず、通常の製袋機を用いて製造することができる。
例えば、通常の製袋機において、連続する帯状部材(例えば、チャック、背貼りテープ、滅菌紙)を供給する方向は、フィルムの流れ方向と同じ縦方向であることから、本発明に係る袋体の製造においても、フィルムの流れ方向と同じ縦方向に、リボン状または糸状の連続する引き裂き阻害部材を供給し、ヒートシールを施して、前記引き裂き阻害部材を挟持した第1のサイドシール部を形成することができる。
本発明に係る二方シール袋を製造するには、例えば、背貼りテープ方式のピロー袋製袋が可能な製袋機を用い、背貼り用テープの代わりに引き裂き阻害部材をセットして製袋するのが最も容易である。
ここで、本発明に係る引き裂き阻害部材は、背貼り用テープと異なり、特殊なヒートシールバーを必要としないので、通常のピロー袋製袋機に引き裂き阻害部材供給軸とガイドプーリーを取り付ければ製袋できる。
例えば、積層フィルムを略中心線で折り返し、成形しながら、引き裂き阻害部材を重ね合わせ端部の縦シール部に一旦挟み込めば、製袋機が積層フィルムを引っ張るのと一緒に引き裂き阻害部材も引っ張り、縦シール部の形成と同時に引き裂き阻害部材の固定も成される。なお、この場合、上記の引き裂き阻害部材を挟み込んだ縦シール部が、本発明に係る袋体の第1のサイドシール部になる。
また、本発明に係る三方シール袋を製造する場合も、引き裂き阻害部材の固定には特殊なヒートシールバーを必要としないので、通常の三方シール袋製袋機に引き裂き阻害部材供給軸とガイドプーリーを取り付ければ製袋できる。
なお、本発明に係る袋体の製造方法は、上記の方法に制限されず、例えば、積層フィルムの流れ方向に対して略垂直な横方向に、引き裂き阻害部材を挟持させた第1のサイドシール部を形成し、この第1のサイドシール部に対向する横シール部に引き裂き開始構造を設けてもよい。
また、上述のように、包装機に積層フィルムを供給し、袋体を形成しつつ内容物を充填し、密封することによって包装体を形成する製袋充填機を用いる場合においても、シールバーの変更を伴う大規模な改造は必要なく、引き裂き阻害部材供給軸とガイドプーリーを取り付けることで、本発明に係る包装体を製造することができる。
(引き裂き阻害部材)
本発明に係る袋体に用いる引き裂き阻害部材は、第1のサイドシール部に挟持された状態でヒートシールが施されるため、耐熱性が必要である。さらに、ヒートシール部に挟持してもシール抜けが発生しない細い部材である必要があり、かつ、その細さにおいても引張強度を有している必要がある。
上記の理由から、本発明に係る引き裂き阻害部材としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、セルロース系繊維、または、植物系天然繊維のいずれか1種を含む縒り糸であることが好ましい。植物系天然繊維としては木綿、亜麻、麻があるが、汎用性、選択肢の多さ、コストの点で木綿が最も適している。
本発明に係る引き裂き阻害部材には、包装体を引き裂いたときに、第1のサイドシール部の引き裂きと共に、引き裂き阻害部材も一緒に切れてしまわないことが求められる。引き裂き阻害部材が第1のサイドシール部の引き裂きと共に切れてしまうか否かの判断方法としては、例えば、引き裂き阻害部材を単独で両手の指で摘んで引っ張っても破断しなければ、本発明に好適に用いることができるとする方法が挙げられる。
ここで、引き裂き阻害部材が積層フィルムのヒートシール性フィルムに固定されていない場合、包装体を勢いよく引き裂くと、引き裂き線が引き裂き阻害部材に達したときに、当該引き裂き阻害部材が第1のサイドシール部から引き抜かれる形になってしまい、引き裂き線を止めることができず、第1のサイドシール部が切断され、切り取り片が生じてしまうことがある。
それゆえ、引き裂き阻害部材の形態としては、ヒートシール時の熱により軟化した積層フィルムのヒートシール性フィルムが引き裂き阻害部材に浸透し、見かけのヒートシール部を形成できる、縒り糸、または、不織布の形態であることが好ましく、特に、縒り糸の場合、細くても引っ張り強度が優れているため好ましい。
また、本発明においては、第1のサイドシール部に引き裂き阻害部材を複数本挟持させることによって、上記のような引き裂き阻害部材の引き抜きを抑制する効果を高めることもできる。
また、積層フィルムのヒートシール性フィルムとヒートシール性を有するヒートシール剤を、引き裂き阻害部材に予め含浸させておく方法を用いても、引き抜き防止効果を高めることができる。
以上、本発明に係る袋体および包装体についてそれぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
(実施例1)
(積層フィルムの製造)
基材フィルムとして、厚み15μm、幅580mmの二軸延伸ポリアミドフィルム(製品名「N2102」、東洋紡績株式会社製)を選定し、グラビア印刷機で、コロナ処理面に、図柄、および、文字を印刷した。
前記の印刷済み二軸延伸ポリアミドフィルムの印刷面に、2液硬化型ウレタン系接着剤を塗布し、ヒートシール性フィルムとして、厚み40μm、幅580mmの未延伸ポリエチレンフィルム(製品名「L4102」、東洋紡績株式会社製)を貼り合わせた後、280mm幅にスリットし、積層フィルムAを得た。
(製袋機)
背貼りテープ方式のピロー袋製袋が可能な製袋機のテープリールセット部に工業用ミシン糸セット軸と繰り出しループを設置し、テープ用ガイドローラーをガイドプーリーに付け換えることにより、引き裂き阻害部材供給装置を設けた。
(袋体の製造)
図3に示した形態の袋体を製造すべく、前記の積層フィルムAを前記ピロー袋製袋機にセットし、積層フィルムAを繰り出し、積層フィルムAの略中心線で折り返して半折し、内面(未延伸ポリエチレンフィルム側)同士を重ね合わせた折り返し端部から7mm内側の積層フィルムAの前記重ね合わせた内面間に、引き裂き阻害部材として50番の赤色ポリエステル糸を挟み込み、その上から幅12mmの縦シールを施した。
その後、210mm間隔で幅10mmの横シール部と、前記横シール部に接する10mm×10mmの突起シール部(第2のサイドシール部に相当)を折り返し部に設け、当該突起シール部にノッチを設けてから、縦シール部の外側2mmの位置で化粧裁ちを施した後、個々の袋体形態に断裁して、縦シール部(第1のサイドシール部に相当)に引き裂き阻害部材を挟持し、幅135mm、長さ210mm、シール幅10mmの、本発明に係る二方シール袋を得た。
(引き裂き試験)
前記の袋体に水350mlを充填した後、開口部にヒートシールを施して幅10mmの密封シール部を設け、本発明に係る包装体を10個得た。
前記包装体の突起シール部に設けたノッチの下側のヒートシール部を左手で、ノッチの上側のヒートシール部を右手で保持した後、右手を手前に引くようにして、ノッチを設けた突起シール部から引き裂き阻害部材を挟持した縦シール部に向かって包装体を引き裂いた。
その結果、10個全てにおいて、前記縦シール部の引き裂き阻害部材の位置で引き裂きが止まり、切り取り片は生じなかった。
また、引き裂きが止まった時点において、包装体は両手で保持された状態であり、水がこぼれぬよう引き裂き口を水平に保つことができたので、水をこぼすことなく包装体を開封することができた。
(実施例2)
(積層フィルムの製造)
基材フィルムとして、厚み12μm、幅580mmの酸化珪素蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレイトフィルム(製品名「IB−PET−RB」、大日本印刷株式会社製)を選定し、グラビア印刷機で、蒸着面表面のコーティング面に、図柄、および、文字を印刷した。
前記の印刷済み酸化珪素蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレイトフィルムの印刷面に、2液硬化型ウレタン系接着剤を塗布し、厚み25μm、幅580mmの横一軸延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「YT42」、東レフィルム加工株式会社製)を貼り合わせた後、前記ポリプロピレンフィルム面に、2液硬化型ウレタン系接着剤を塗布し、ヒートシール性フィルムとして、厚み60μm、幅580mmの未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「P1147」、東洋紡績株式会社製)を貼り合わせた後、280mm幅にスリットし、積層フィルムBを得た。
(袋体の製造)
図1(a)に示した形態の袋体を製造すべく、前記の積層フィルムBを実施例1で用いた製袋機にセットし、積層フィルムBを繰り出し、積層フィルムBの略中心線で折り返して半折し、内面(未延伸ポリプロピレンフィルム側)同士を重ね合わせた折り返し端部から7mm内側の積層フィルムBの前記重ね合わせた内面間に、引き裂き阻害部材として30番の黒色木綿糸を挟み込み、その上から幅12mmの縦シールを施すと同時に折り返し部に幅10mmの縦シールを施した。
その後、210mm間隔で幅10mmの横シール部を設け、前記横シール部で区切られる領域毎に、折り返し部側の縦シール部にノッチを2箇所設けてから、引き裂き阻害部材を挟持した縦シール部の外側2mmの位置で化粧裁ちを施した後、個々の袋体形態に断裁して、一方の縦シール部(第1のサイドシール部に相当)に引き裂き阻害部材を挟持し、他方の縦シール部(第2のサイドシール部に相当)にノッチを2箇所有する、幅135mm、長さ210mm、シール幅10mmの、本発明に係る三方シール袋を得た。
なお、上記の2箇所のノッチは、得られた三方シール袋において、横シール部(ボトムシール部に相当)の端部から10mmの位置と、断裁により形成された開口部の端部から25mmの位置となるように設けた。
(引き裂き試験)
前記の袋体に水350mlを充填した後、開口部にヒートシールを施して幅10mmの密封シール部を設け、本発明に係る包装体を20個得た。
前記包装体の10個を用い、横シール部側のノッチの下側の縦シール部を左手で、前記ノッチの上側の縦シール部を右手で保持した後、右手を手前に引くようにして包装体を引き裂いた。
また、残りの包装体10個を用い、前記試験とは上下逆にして、密封シール部側のノッチの下側の縦シール部を左手で、前記ノッチの上側の縦シール部を右手で保持した後、右手を手前に引くようにして袋体を引き裂いた。
その結果、10個ずつ20個全てで、いずれのノッチから引き裂いても、引き裂き阻害部材を挟持した縦シール部の引き裂き阻害部材の位置で引き裂きが止まり、切り取り片は生じなかった。
また、引き裂きが止まった時点において、包装体は両手で保持された状態であり、水がこぼれぬよう引き裂き口を水平に保つことができたので、水をこぼすことなく包装体を開封することができた。
(比較例)
(袋体の製造)
実施例2で製造した積層フィルムBを用いて、引き裂き阻害部材を使用しないこと以外は実施例2と同様に製袋することにより、縦シール部に引き裂き阻害部材を有していない、幅135mm、長さ210mm、シール幅10mmの、比較例の袋体を得た。
(引き裂き試験)
前記の袋体に水350mlを充填した後、開口部にヒートシールを施して幅10mmの密封シール部を設け、比較例の包装体を10個得た。
前記包装体の横シール部側のノッチの下側の縦シール部を左手で、前記ノッチの上側の縦シール部を右手で保持した後、右手を手前に引くようにして袋体を引き裂いた。
その結果、10個全てにおいて、ノッチを形成した縦シール部と対向する縦シール部も容易に引き裂かれてしまい、切り取り片が発生した。
また、切り取り片が発生した時点で、包装体を左手のみで保持しているため、包装体が傾き、10個全てで水をこぼしてしまった。
1・・・積層フィルム
2・・・内面
10A、10B、10C・・・袋体
11a・・・第1のサイドシール部
11b・・・第2のサイドシール部
12・・・ノッチ
13・・・ボトムシール部
14・・・開口部
15・・・引き裂き線
21・・・引き裂き阻害部材
30・・・包装体
31・・・密封シール部
40・・・包装体
41a、41b・・・縦シール部
42・・・横シール部
43・・・切り離し線
44・・・折り返し部
M・・・内容物

Claims (3)

  1. 内面がヒートシール性を有する積層フィルムから構成され、互いに対向する第1のサイドシール部と第2のサイドシール部を有する袋体であって、
    前記第1のサイドシール部が、引き裂き阻害部材が挟持された状態でヒートシールされており、
    前記第2のサイドシール部が、開封用の引き裂き開始構造を有していることを特徴とする袋体。
  2. 前記引き裂き阻害部材が、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、セルロース系繊維、または、植物系天然繊維のいずれか1種を含む縒り糸であることを特徴とする請求項1に記載の袋体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の袋体に内容物が収納され、前記袋体が有する開口部にヒートシールが施されて密封されていることを特徴とする包装体。
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JP2022002983A (ja) * 2015-11-25 2022-01-11 進栄化成株式会社 無延伸petフィルムを用いた袋容器

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