JP2009220878A - 商品収納袋 - Google Patents

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雅教 柴▲崎▼
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Abstract

【課題】商品収納袋において、持ち運び時に手指を掛ける部分の変形を抑制することである。
【解決手段】商品収納袋10は、対象商品8を収納可能な開口部14を上部に有する袋本体部20と、袋本体部20の後面側から延出する蓋部30と、蓋部30に一体化されて設けられる蓋部補強シート32と、袋本体部20の前面側に一体化されて設けられる袋本体前面補強シート50を含んで構成される。袋本体前面補強シート50には、指入れ用を兼ねる袋本体側切込部52が設けられ、蓋部補強シート32の先端部には、袋本体側切込部52に係止できる係止部34が設けられ、係止部34が袋本体側切込部52に係止した状態で、袋本体側切込部52に指入れが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は商品収納袋に係り、特に、対象商品を収納して展示し、そのまま手指を掛けて持ち運ぶことができる商品収納袋に関する。
シャンプー、リンス、化粧品、飲料等を入れた成形容器等の各種の商品は、収納ケースに収納されて販売されることが多い。一般的に、このような収納ケースとしては、所定形状の合成樹脂製シート材や紙材等に折り罫線を形成し、この折り罫線においてシート材を折り曲げて直方体等の形状とされる。
また、本来は個別に販売されている複数の商品をいくつか纏めて1つのセットとして販売する場合に、1つの収納ケースに複数の商品が収納される。このようなセット販売をするために用いられる収納ケースとしては、購入したお客がそのまま持ち運べるように、展示用兼持ち運び用の袋体に適したものが好ましい。そのため、セット販売のための展示用兼持ち運び袋としては、上記の直方体に折り曲げて形成されるものに比べ、より柔軟なシート材が用いられ、持ち運び等に適した構造が工夫される。
例えば、特許文献1には、複数個の商品をセットにした状態で収納できる展示用袋兼用持ち運び袋として、前片と後片と、マチ部を設けた左右側片とをシールして底部を設けた柔軟な合成樹脂性フィルムの袋体が形成されることが述べられている。ここでは、前片に商品の展示用表示部を設けると共に、前片の上端を上方に延長して袋体の開口部を施蓋する蓋部を形成し、蓋部の内側に、蓋部と後片とを帯状に接着するシール部が設けられ、後片の蓋部が接着される位置の下方近傍に、持ち運び用の取っ手孔が開穿され、収納される商品のセット全体の上部から前面にかけて被着する断面が略L字形状の補強シートが形成されることが開示される。この補強シートは、商品の前面に重合される重合片と、商品の上部に被着される被着片と、被着片から延長され商品の一部に係止される係止片から構成されている。そして、商品に被着した補強シートの上から蓋部を施蓋して後片に蓋部を接着し、持ち運び時には、取っ手孔から補強シートにかけて手指を挿入して補強シートごと把持する取っ手孔の周囲の変形を防止する、と述べられている。
実用新案登録第3135721号公報
従来技術によれば、複数の商品を余り嵩張らせずに展示販売でき、これらの商品をそのまま持ち運ぶことができる。しかしながら、上記構成によれば、前片、後片、左片、右片の4面からなる合成樹脂製フィルムを用い、それら各片の端部をそれぞれ熱シールすることで形成されるので製造工程が複雑になる。また、熱シール部分に起因する肉厚部が袋面の多くの箇所に生じる。また、補強シートの断面が略L字状であるため、これを対象商品の上部から前面にかけて被せても、持ち運び等の輸送中の振動によって補強シートが位置ずれし、場合によっては商品の上部から外れてしまうことが生じる。また、持ち運び時に手指を挿入するのは柔軟な合成樹脂性フィルムの袋体に設けられる取っ手孔そのものであるので、持ち運び時に取っ手孔の変形が生じやすい。
本発明の目的は、比較的簡易に製造でき、補強シートの位置ずれを生じさせない商品収納袋を提供することである。また、他の目的は、比較的簡易に製造でき、持ち運び時に手指を掛ける部分の変形を抑制できる商品収納袋を提供することである。また、さらに他の目的は、比較的簡易に製造でき、熱シールに起因する肉厚部の形成を抑制できる商品収納袋を提供することである。
本発明に係る商品収納袋は、対象商品を収納可能な開口部を上部に有する袋本体部と、袋本体部の後面側から延出する蓋部であって、先端部が開口部を覆って袋本体部の前面側に曲げられる蓋部と、蓋部に一体化されて設けられる蓋部補強シートと、蓋部の先端部を袋本体部の前面側に対して開閉自在に着脱できる着脱手段と、蓋部の先端部または袋本体部の前面側に設けられる指入れ用切欠部と、を含み、袋本体部は、柔軟材で構成される前面シートと、柔軟材で構成され、上方に蓋部が延出する後面シートと、前面シートの両側辺部と、後面シートの蓋部の部分を除く両側辺部とがそれぞれ対応付けられて接合される側辺接合部と、を有し、蓋部補強シートは、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成され、蓋部と一体化して対象商品の少なくとも上部と前部とを覆うことを特徴とする。
また、本発明に係る商品収納袋において、前面シートと後面シートとが相互に接続する下方部において、両隅部が切り欠かれている下方両隅切欠部を有していることが好ましい。
また、本発明に係る商品収納袋において、袋本体部の前面シートに一体化されて設けられ、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成される袋本体前面補強シートを含み、着脱手段は、袋本体前面補強シートが一体化された袋本体部の前面シートに設けられ、指入れ用を兼ねる袋本体側切込部と、蓋部補強シートが一体化された蓋部の先端部に設けられ、袋本体側切込部に係止できる係止部であって、係止した状態で袋本体側切込部に指入れが可能となる係止部と、を有することが好ましい。
また、本発明に係る商品収納袋において、着脱手段は、袋本体部の前面シートと蓋先端部との間に設けられる着脱自在の接着手段であり、蓋部補強シートが一体化された蓋部の先端部は、指入れ用の蓋部切込部を有することが好ましい。
また、本発明に係る商品収納袋において、袋本体部の前面シートに一体化されて設けられ、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成される袋本体前面補強シートを含み、袋本体前面補強シートが一体化された袋本体部の前面シートに設けられ、蓋部切込部に対応する位置に指入れ用を兼ねる袋本体側切込部を有することが好ましい。
また、本発明に係る商品収納袋において、前面シートと後面シートとは、折り返して重ね合わせた1枚のシート材から形成されていることが好ましい。
上記構成により、商品収納袋は、対象商品を収納可能な開口部を上部に有する袋本体部の後面側から延出する蓋部に一体化されて蓋部補強シートが設けられる。この蓋部補強シートは、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成され、蓋部と一体化して対象商品の少なくとも上部と前部とを覆う。これによって、補強シートの位置ずれを生じさせない商品収納袋を比較的簡易に製造することができる。
また、商品収納袋において、前面シートと後面シートとが相互に接続する下方部において両隅部が切り欠かれているので、底マチ部を別途熱シール等によって形成することなく商品収納袋を製造でき、熱シールの箇所を少なくし、肉厚部が生じることを抑制できる。
また、商品収納袋において、袋本体部の前面シートに一体化されて袋本体前面補強シートが設けられ、この袋本体前面補強シートは、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成される。そして、蓋部の先端部を袋本体部の前面側に対して開閉自在に着脱できる着脱手段として、袋本体前面補強シートが一体化された袋本体部の前面シートに設けられ、指入れ用を兼ねる袋本体側切込部と、蓋部補強シートが一体化された蓋部の先端部に設けられ、袋本体側切込部に係止できる係止部であって、係止した状態で袋本体側切込部に指入れが可能となる係止部とが設けられる。これによって持ち運び時に手指を掛ける部分の変形が抑制された商品収納袋を比較的簡易に製造できる。
また、商品収納袋において、着脱手段として、袋本体部の前面シートと蓋先端部との間に着脱自在の接着手段が設けられ、蓋部補強シートが一体化された蓋部の先端部には、指入れ用の蓋部切込部が設けられる。これによって、蓋部の先端部を袋本体部の前面側に対し、開閉のための着脱を容易に行うことができる。
また、商品収納袋において、袋本体部の前面シートに一体化されて袋本体前面補強シートが設けられ、この袋本体前面補強シートは、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成される。そして、袋本体前面補強シートが一体化された袋本体部の前面シートには、指入れ用を兼ねる袋本体側切込部が蓋部切込部に対応する位置に設けられる。これによって持ち運び時に手指を掛ける部分の変形が抑制された商品収納袋を比較的簡易に製造できる。
また、商品収納袋において、前面シートと後面シートとは、折り返して重ね合わせた1枚のシート材から形成されているので、熱シールに起因する肉厚部の形成が抑制された商品収納袋を比較的簡易に製造できる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、商品収納袋として、同じ化粧品を2つセット販売するために用いるものを説明するが、これは例示であって、収納される個数は何個でもよく、また、同じ商品でなくても異なる種類の商品を収納するものであってもよい。また、以下で述べる形状、寸法、厚さ等は例示であって、実際の商品の形状、寸法、重さ等に応じ適宜変更が可能である。また、一部の図では、商品収納袋を構成するシート材を透明として、外側から袋の内側が見えるようにしてあるが、これは勿論説明のための便宜であり、シート材が着色、模様付、不透明であっても構わない。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、商品収納袋10の概要を示す図である。図2は、商品収納袋10を一部断面図で示す側面図、図3は、商品収納袋10の平面図である。この商品収納袋10は、対象商品を収納して販売等のために展示し、そのまま手指を掛けて持ち運ぶことができるものである。図1、図2においては、商品収納袋10の構成要素ではないが、収納する対象商品8として、化粧品が図示されている。また、図2には、運ぶときの様子を説明するために手指6が図示されている。
商品収納袋10は、対象商品8を収納可能な開口部14を上部に有する袋本体部20と、袋本体部20の後面側から延出する蓋部30と、蓋部30に一体化されて設けられる蓋部補強シート32と、袋本体部20の前面側に一体化されて設けられる袋本体前面補強シート50を含んで構成される。
袋本体部20は、1枚の柔軟なシート材を折り返し、折り返して重ねられる両側片を接合面28で接合して、袋状にしたものであり、袋状の開口部14から対象商品8が収納される。図1の例では、2個の化粧品がセットとして収納されている。そして、袋状となった前面側には、販売のための表示がなされる表示部12が設けられる。もっとも、表示部12を後面側に設けるものとしても構わない。
袋本体部20において、1枚のシートを折り返して重ねたときに、表示部12が設けられる袋本体部前面側のシートを前面シート22、もう一方で前面シート22の袋本体部背面側に当たるシートを後面シート24と呼ぶことにすると、後面シート24の方が前面シート22よりも長めに延出しており、また、前面シート22の一部も後面シート24の延出ほどではないが長めに延出している。
後面シート24から延出した部分が蓋部30であり、この蓋部30に蓋部補強シート32が取り付けられる。また、前面シート22の延出した部分に袋本体前面補強シート50が取り付けられる。そして、図3に示されるように、前面シート22と後面シート24とが相互に接続する下方部において、両隅部が切り欠かれて、下方両隅切欠部25となっている。すなわち、袋本体部20の底面側は、両側が開放状態の帯状形状を有し、この部分が底マチ部26となる。
袋本体部20は、上記のように1枚のシート材を折り返して接合面28で接合して袋状にしたものであるが、シート材としては、対象商品8の形状に追従できる程度の柔軟性を有するプラスチックフィルムを用いることができる。プラスチックフィルムの材質としては特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系等を用いることができる。また、同種または異種の材質のシートを積層した積層シートを用いることもできる。
袋本体部20の柔軟性は、厚みに依存するが、上記の各種材質を用いるものとして、通常、40μmから150μmの範囲の厚みを用いることができる。好ましくは、80μmから120μmの範囲の厚みが望ましい。
袋本体部20を形成するために両側片を接合面28で接合する方法としては、接着剤、または溶剤を用いて前面シート22と後面シート24とを接着する接着法、内面にシーラント層を有するシート材を用いて加熱によってシールする熱シール法を用いることができる。シーラント層としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン層を用いることができる。この他に、前面シート22と後面シート24を重ね合わせた状態で線状に加熱し溶断すると共に熱シールする熱溶断法を用いることができる。熱溶断法によれば、形状切断とともに熱シールができ、また、他の方法に比べ接合層の肉厚部分を低減できる。したがって、以下では、前面シート22と後面シート24の側辺を接合する側辺接合部である接合面28は、熱溶断法によって接合が形成されるものとして説明する。
蓋部30は、上記のように、袋本体部20の後面シート24が延出した部分であって、先端部が袋本体部20の開口部14を覆って、さらに前面シート22側に曲げられる部分である。蓋部30自身は、袋本体部20を構成する柔軟なシート材で構成されるので、蓋部30が前面シート22と後述のように係止によって一体化されても、そのままでは、蓋部30に手指を掛けて持ち運ぶには不便である。そこで、蓋部30に蓋部補強シート32が取り付けられる。
また、蓋部30が曲げられてその先端部が向かい合うところは、前面シート22が上方に延出している部分に対応するが、その前面シート22の延出している部分も袋本体部20を構成する柔軟なシート材で構成されるので、係止によって蓋部30と一体化されても、そのままでは、蓋部30に手指を掛けて持ち運ぶと前面シート22の部分が変形して不便である。そこで、前面シート22の延出部分に袋本体前面補強シート50が取り付けられる。
図3には、蓋部補強シート32と袋本体前面補強シート50の形状を抜き出して示してある。袋本体部20に対し、蓋部補強シート32と袋本体前面補強シート50とを一体化する手順等については後述する。
先に袋本体前面補強シート50を説明すると、袋本体前面補強シート50は、上記のように、前面シート22の上方に延出した部分に取り付けられ、袋本体部20を構成する柔軟なシート材よりも剛性の高い硬質材で構成されるシート状部材である。袋本体前面補強シート50の外形は、前面シート22の上方に延出した部分の形状に従ったものとなっている。図1では、袋本体前面補強シート50の外形と、前面シート22の上方に延出した部分の形状とが重なって示されている。
袋本体前面補強シート50には、指入れ用を兼ねる袋本体側切込部52が設けられる。袋本体側切込部52は、これに手指を入れて商品収納袋10を持ち運びするときの取っ手となる部分であり、後述する蓋部補強シート32の係止部34と係止する機能を有する部分である。袋本体側切込部52は、矩形形状の1辺を開閉のための支点部分として残し、他の3辺に相当するところに切り込みを設け、切り込みによって形成された部分が扉状に開閉できるものである。矩形形状の両端部は、丸みを帯びさせて略C字形状とすることができる。このような切り込みは、有端非直線状の切り込みと呼ぶことができる。手指を挿入できる開口を形成し、切り欠いた部分が分離せずに残されて開閉できるものであればこれ以外の形状であってもよい。また、場合によっては、単純に手指の入る開口部としてもよい。
袋本体前面補強シート50は、後述するように蓋部補強シート32と係止するときは、全体が対象商品8の側に曲げられ、また、上記のように袋本体側切込部52が扉状に開閉するものであるときには、これらが曲がりやすいように罫線刻み等の折れ曲がり案内を設けることが好ましい。ここでは、折れ曲がり案内として、ローレット状の溶着パターン54,56が設けられる。溶着パターン54,56は、例えば、超音波方式のロータリ溶着装置によってローレット状ポイント溶接を順次行うことで得ることができる。
袋本体前面補強シート50は、袋本体部20を構成する柔軟なシート材よりも剛性の高い硬質材で構成される。袋本体前面補強シート50は、対象商品8の前面に配置されるので、対象商品8が見えるように前面シート22が透明または半透明等で構成されるときには、袋本体前面補強シート50についても、透明、または半透明の材料を選択することが好ましい。袋本体前面補強シート50としては、特に限定されず、袋本体部20を構成するシート材と同様な材質のプラスチックシートを用いることができる。すなわち、プラスチックシートの材質としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系等を用いることができる。また、同種または異種の材質のシートを積層した積層シートを用いることもできる。
剛性は、厚みに依存するが、上記の各種材質を用いるものとして、通常、0.2mmから1.0mmの範囲の厚みを用いることができる。好ましくは、0.2mmから0.8mmの範囲の厚みが望ましい。
蓋部補強シート32は、蓋部30の先端側に取り付けられるもので、その外形は、蓋部30の先端側の外形に従ったものとなっている。蓋部補強シート32は2つの部分から構成される。1つの部分は、蓋部30の幅一杯の大きさを有し、蓋部30と一体化して対象商品8を覆うときに天面となる部分である。この天面となる部分が平坦面となるように、境界となるところに、折り曲がり案内を設けることが好ましい。ここでは、折れ曲がり案内として、ローレット状の溶着パターン36,38が設けられる。溶着パターン36,38で挟まれた細長い幅の部分が蓋部30の天面となる部分である。
蓋部補強シート32のもう1つの部分は、天面となる部分のさらに先の先端部に設けられ、袋本体前面補強シート50に設けられる袋本体側切込部52と係止することができる切り込み端部を有する係止部34である。係止部34は、袋本体側切込部52の開口の大きさよりも大き目の端部形状を有し、シートの弾性を利用して切り込み端部を曲げて袋本体側切込部52の開口に挿入した後に、元の形状に戻ることで、袋本体側切込部52としっかり係止する。係止部34を曲げやすいように、折れ曲がり案内として、ローレット状の溶着パターン40が設けられる。
蓋部補強シート32は、袋本体部20を構成する柔軟なシート材よりも剛性の高い硬質材で構成される。具体的には、袋本体前面補強シート50で述べたものと同様の材質、厚さのプラスチックシートを用いることができる。透明または半透明、積層シートに関しても、袋本体前面補強シート50で述べたことと同様に考えることができる。
このように、蓋部補強シート32の係止部34と、袋本体前面補強シート50に設けられる袋本体側切込部52とは、蓋部30の先端部を袋本体部20の前面側に対して開閉自在に着脱できる着脱手段である。そして、袋本体側切込部52は、また、商品収納袋10を持ち運ぶための指入れ用切欠部でもある。
図2には、蓋部補強シート32と袋本体前面補強シート50に関する係止状態が示されている。すなわち、袋本体前面補強シート50に設けられる袋本体側切込部52の扉部分が押し開けられて、その開口に蓋部補強シート32の係止部34が挿入され、しっかりと係止されている。そして、この係止した状態で、袋本体側切込部52に、手指6が挿入でき、剛性のある蓋部補強シート32、袋本体前面補強シート50に手指6を掛けて、対象商品8が収納された商品収納袋10を持ち運びすることができる。
次に、商品収納袋10の製造方法について、図4から図7を用いて説明する。最初に、図4に示すように、袋本体部20の原材料に相当する柔軟なプラスチックフィルム60が巻かれたロールと、蓋部補強シート32の原材料に相当する剛性の高いプラスチックシート62が巻かれたロールと、袋本体前面補強シート50の原材料に相当する剛性の高いプラスチックシート64が巻かれたロールとが用意される。なお、プラスチックシート62とプラスチックシート64とは同じ材質、同じ厚さで、幅寸法が異なるだけとすることができる。また、プラスチックフィルム60は、プラスチックシート62とプラスチックシート64と同じ材質で、厚さが異なるだけとすることもできる。
そして、プラスチックフィルム60の幅方向の両端側に、予め定められた相互配置関係で、プラスチックシート62,64が配置される。そして、超音波方式ロータリ溶着装置66,68を用いて、ローレット状の溶着パターン36,38,40,54,56が設けられる。溶着パターン36,38,40は、プラスチックフィルム60とプラスチックシート62との間でポイント溶着されるもので、上記で述べた蓋部補強シート32における3つの平行に配置される溶着パターン36,38,40と同じものである。同様に、溶着パターン54,56は、プラスチックフィルム60とプラスチックシート64との間でポイント溶着されるもので、上記で述べた袋本体前面補強シート50における2つの平行に配置される溶着パターン54,56と同じものである。
なお、プラスチックフィルム60とプラスチックシート62との間、プラスチックフィルム60とプラスチックシート64との間において、これらの溶着パターンのほかに、さらに接着剤等を用いて接合するものとしてもよい。
プラスチックフィルム60、プラスチックシート62,64において、所定の溶着パターン36,38,40,54,56が形成されると、次に、図5に示されるように、予め定められた位置に、プラスチックシート62側の外形部72、プラスチックシート64側の外形部74が適当な抜き刃工具を用いて形成される。外形部72は、蓋部補強シート32の係止部34を含む外形に対応し、外形部74は、袋本体前面補強シート50の外形に対応する。なお、外形部74の形成の際に、袋本体側切込部52も形成される。
抜き刃工具による加工が終わると、次に、図6に示されるように、加工済みのシートが折り返されて重ねられる。これによって、前面シート22と後面シート24の区別が現れてくる。折り返しと重ね合わせは、図5で説明した外形部72と外形部74とが対応して重なるように行われる。この状態で、商品収納袋10の外形に相当するものがシートの長手方向に沿って複数配置された状態となる。なお、ここではまだ、下方両隅切欠部25が切り欠かれていない。次に、個別の商品収納袋10を形成しながら、隣接する商品収納袋10と分離するために、熱溶断法によって、接合面28が形成される。接合面28は、隣接する商品収納袋10の境界線に沿って形成される。
熱溶断法は、フィルムを重ね合わせて加熱し、上下フィルムを接合すると共に分離するものである。これによって、図6の状態から、個別の商品収納袋10の外形に相当するものが分離されて得られる。そして、下方両隅切欠部25が切り欠かれる。このようにして、図7に示されるような商品収納袋10が得られる。図7の商品収納袋10は、図3で説明したものと同じものである。このようにして、袋本体部20に蓋部補強シート32、袋本体前面補強シート50が一体化された商品収納袋10を製造することができる。
なお、上記の製造例では、加工済みシートを折り返して熱溶断した後に下方両隅切欠部25が切り欠いて製造したが、この工程順序に限定されるものではなく、加工済みシートを折り返した後、先に下方両隅切欠部25を切り欠いてから熱溶断して製造してもよいし、加工済みシートを折り返す前に定められた位置に適当な抜き刃工具を用いて下方両隅切欠部25を形成し、その後に加工済みシートを折り返して熱溶断して製造してもよい。
熱溶断法を適用する際に、接合面の形状を変更することで、対象商品の形状に合わせた商品収納袋を得ることができる。図8、図9にその一例を示す。ここでは、商品収納袋80は、対象商品を収納する部分が突出円弧形状を有している。すなわち、商品収納袋80の上部である蓋部30から下部である底マチ部26の方に向かって、前面シート84の幅、後面シート86の幅が、次第に広くなり、その後次第に狭くなる形状を有する。これに伴って、向かい合う2つの接合面82の間の間隔距離が、商品収納袋80の上部である蓋部30から底部の方に向かって、次第に広くなり、その後次第に狭くなり、いわゆる突出円弧状となる。
このように、熱溶断法の接合面82の形状を突出円弧状とすることで、対象商品を収納する部分を突出円弧形状とする商品収納袋80の外形に相当するものが分離して得られる。その後、下方両隅切欠部27が切り欠かれ、図9に示されるような商品収納袋80を得ることができる。この商品収納袋80は、対象商品が、軸方向に沿って中央部が突き出して円弧形状となるものであるとき、すなわち、軸方向に沿って上方および下方にいずれも縮径するものであるときに、効率よく収納することができる。
図10は、対象商品を収納する部分をくぼみ円弧形状とする商品収納袋90を得る例を示す図である。ここでは、熱溶断法の接合面92の形状をくぼみ円弧状とすることで、商品収納袋90の上部から下部に向かって、前面シート94の幅、後面シート96の幅を、次第に狭くなり、その後次第に広くなる形状とすることができる。この商品収納袋90は、対象商品が、軸方向に沿って中央部がくぼんで円弧形状となるものであるとき、すなわち、中央部が上部、下部に対し縮径するものであるときに、効率よく収納することができる。
図11は、対象商品を収納する部分を上部が広く下部が狭い下テーパの傾斜形状とする商品収納袋100を得る例を示す図である。ここでは、熱溶断法の接合面102の形状を下テーパの傾斜状とすることで、商品収納袋90の上部から下部に向かって、前面シート104の幅、後面シート106の幅を、次第に狭くなる形状とすることができる。この商品収納袋90は、対象商品が、軸方向に沿って上部から下部に向かって傾斜する形状となるものであるとき、すなわち、上部から下部に向かって縮径するものであるときに、効率よく収納することができる。
図12は、底マチ部に関する下方両隅切欠部を用いない商品収納袋110を示す図である。ここでは、向かい合う接合面112は底部まで平行な直線状のものとされる。これによって、前面シート114と後面シート116は、底マチ部がないように接続される。この商品収納袋110は、対象商品の厚さが薄く平板状の場合に、効率よく収納することができる。
図13は、底マチ部に関する下方両隅切欠部25を用いないが、底マチ部128を十分に取った商品収納袋120を示す図である。ここでは、底マチ部128を除いて、向かい合う接合面122は、底部まで直線状のものとされる。これによって、前面シート124と後面シート126は、底マチ部128を十分にとって接続される。この商品収納袋120は、対象商品の厚さが厚い場合に、効率よく収納することができる。
このように、接合面の形状等を変更することで、袋本体部20の両側辺部の形態を対象商品の形状に適合するように形成することができる。これによって、袋本体部20と対象商品との密着部分が増加し、袋本体部20の中で対象商品が動き難くなり、かつ、外観上綺麗な包装体を適用することができる。
上記では、蓋部の先端部を袋本体部の前面側に対して開閉自在に着脱できる着脱手段として、袋本体前面補強シート50の袋本体側切込部52と、蓋部補強シート32の係止部34とによる係止を用いるものとして説明した。着脱手段としては、蓋部の先端部と袋本体部の前面とを接着テープ等の着脱自在の接着手段を用いることができる。
図14に示す商品収納袋130は、蓋部132の先端部、すなわち蓋部補強シート134の先端部に係止部を設けずに、接着テープ138を設けたものである。蓋部補強シート134は、図1から図3で説明した蓋部補強シート32と同様の材質、厚さのプラスチックシートで形成され、袋本体部20を構成するプラスチックフィルムよりも剛性が高い。
ここでは、蓋部補強シート134の先端部において、指入れ用の蓋部切込部136が設けられる。この蓋部切込部136は、蓋部132が対象商品を覆って袋本体前面補強シート50の側に曲がったときに、袋本体側切込部52に対応する位置に設けられる。蓋部切込部136の形状は、袋本体側切込部52と対称形で、蓋部132が対象商品を覆って袋本体前面補強シート50の側に曲がり、袋本体側切込部52に重ね合わせられたときに、同じ形状となるようにされる。
図15に、蓋部補強シート134と袋本体前面補強シート50に関する状態が示されている。ここでは、蓋部132が対象商品を覆って前面シート22の側に曲げられて、その先端部の接着テープ138によって、前面シート22の表面にしっかりと固定される様子が示されている。接着テープ138は着脱自在の一時的接着手段であるので、蓋部132の先端部を摘み上げることで、蓋部132を容易に開状態とすることができる。そして、ここでは、袋本体側切込部52に重ねられて蓋部切込部136が配置されるので、指入れができる開口が形成される。この開口に手指6を挿入し、剛性のある蓋部補強シート134、袋本体前面補強シート50に手指6を掛けて、対象商品が収納された商品収納袋130を持ち運びすることができる。
図16は、図14において、袋本体前面補強シートを省略した商品収納袋140を示す図である。ここでは、前面シート22から上方に延出した部分もなく、袋本体前面補強シートも設けられない。もっとも、前面シート22から上方に延出した部分を適当に残してもよい。それ以外の構成は図14と同じである。
図17には、この商品収納袋140についての蓋部補強シート134と前面シート22に関する状態が示されている。ここでは、蓋部132が対象商品を覆って前面シート22の側に曲げられて、その先端部の接着テープ138によって、前面シート22の表面にしっかりと固定される様子が示されている。接着テープ138は着脱自在の一時的接着手段であるので、蓋部132の先端部を摘み上げることで、蓋部132を容易に開状態とすることができる。そして、ここでも、蓋部補強シート134に蓋部切込部136が配置されているので、指入れができる開口が形成される。この開口に手指6を挿入し、剛性のある蓋部補強シート134に手指6を掛けて、対象商品が収納された商品収納袋140を持ち運びすることができる。
なお、図14から図17において、接着テープを蓋部の先端部に設けるものとして説明したが、これを前面シートの対応する位置に設けるものとしてもよい。
本発明に係る実施の形態における商品収納袋の概要を示す図である。 本発明に係る実施の形態における商品収納袋を一部断面図で示す側面図である。 本発明に係る実施の形態における商品収納袋の平面図である。 本発明に係る実施の形態において、商品収納袋の製造方法の手順の中で、プラスチックフィルムと2種類のプラスチックシートが用意されて、溶着パターンが形成される様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、商品収納袋の製造方法の手順の中で、切欠部、外形部等が形成される様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、商品収納袋の製造方法の手順の中で、加工されたシートが折り返されて重ねられ、熱溶断法によって接合面が形成される様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、熱溶断法によって形成された個々の商品収納袋の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、接合面の形状を変更して突出円弧形状を有する商品収納袋を製造する様子を示す図である。 図8によって製造された商品収納袋の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、くぼみ円弧形状を有する商品収納袋の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、下テーパ傾斜形状を有する商品収納袋の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、底マチ部を省略した商品収納袋の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、十分な底マチ部を有する商品収納袋の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、蓋部の先端部に接着テープを設けた商品収納袋の様子を示す図である。 図14における蓋部と前面シートとの関係を示す図である。 図14において、袋本体前面補強シートを省略した商品収納袋を示す図である。 図16における蓋部と前面シートとの関係を示す図である。
符号の説明
6 手指、8 対象商品、10,80,90,100,110,120,130,140 商品収納袋、12 表示部、14 開口部、20 袋本体部、22,84,94,104,114,124 前面シート、24,86,96,106,116,126 後面シート、25,27 下方両隅切欠部、26,128 底マチ部、28 接合面、30,132 蓋部、32,134 蓋部補強シート、34 係止部、36,38,40,54,56 溶着パターン、50 袋本体前面補強シート、52 袋本体側切込部、60 プラスチックフィルム、62,64 プラスチックシート、66,68 超音波方式ロータリ溶着装置、72,74 外形部、82,92,102,112,122 接合面、136 蓋部切込部、138 接着テープ。

Claims (6)

  1. 対象商品を収納可能な開口部を上部に有する袋本体部と、
    袋本体部の後面側から延出する蓋部であって、先端部が開口部を覆って袋本体部の前面側に曲げられる蓋部と、
    蓋部に一体化されて設けられる蓋部補強シートと、
    蓋部の先端部を袋本体部の前面側に対して開閉自在に着脱できる着脱手段と、
    蓋部の先端部または袋本体部の前面側に設けられる指入れ用切欠部と、
    を含み、
    袋本体部は、
    柔軟材で構成される前面シートと、
    柔軟材で構成され、上方に蓋部が延出する後面シートと、
    前面シートの両側辺部と、後面シートの蓋部の部分を除く両側辺部とがそれぞれ対応付けられて接合される側辺接合部と、
    を有し、
    蓋部補強シートは、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成され、蓋部と一体化して対象商品の少なくとも上部と前部とを覆うことを特徴とする商品収納袋。
  2. 請求項1に記載の商品収納袋において、
    前面シートと後面シートとが相互に接続する下方部において、両隅部が切り欠かれている下方両隅切欠部を有することを特徴とする商品収納袋。
  3. 請求項1又は2に記載の商品収納袋において、
    袋本体部の前面シートに一体化されて設けられ、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成される袋本体前面補強シートを含み、
    着脱手段は、
    袋本体前面補強シートが一体化された袋本体部の前面シートに設けられ、指入れ用を兼ねる袋本体側切込部と、
    蓋部補強シートが一体化された蓋部の先端部に設けられ、袋本体側切込部に係止できる係止部であって、係止した状態で袋本体側切込部に指入れが可能となる係止部と、
    を有することを特徴とする商品収納袋。
  4. 請求項1又は2に記載の商品収納袋において、
    着脱手段は、袋本体部の前面シートと蓋先端部との間に設けられる着脱自在の接着手段であり、
    蓋部補強シートが一体化された蓋部の先端部は、指入れ用の蓋部切込部を有することを特徴とする商品収納袋。
  5. 請求項4に記載の商品収納袋において、
    袋本体部の前面シートに一体化されて設けられ、袋本体部を構成する柔軟材よりも剛性の高い硬質材で構成される袋本体前面補強シートを含み、
    袋本体前面補強シートが一体化された袋本体部の前面シートに設けられ、蓋部切込部に対応する位置に指入れ用を兼ねる袋本体側切込部を有することを特徴とする商品収納袋。
  6. 請求項1から5のいずれか1に記載の商品収納袋において、
    前面シートと後面シートとは、折り返して重ね合わせた1枚のシート材から形成されていることを特徴とする商品収納袋。
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