JP6026805B2 - ストレッチラベル - Google Patents
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Description
容器などの被着体に装着されたストレッチラベルは、使用後、リサイクルのために被着体と分別される。
特に、被着体に装着する際、大きく伸張させるストレッチラベルほど、拡径時にミシン目線の貫通孔が繋がり易い傾向にある。
本発明は、かかる分断方法によって手で簡単に分断でき且つ拡径時に貫通孔が繋がらない分断用ミシン目線を有するストレッチラベルを創作したものである。
ただし、前記瞬間歪みは、自己伸縮性フィルムを、筒状体の縦方向に相当する方向に長さ15±0.1mm、筒状体の周方向に相当する方向に長さ200mmの長方形に切り取り、標線間距離100±2mmのサンプル片を作製し、このサンプル片の長辺方向を測定方向として、伸張速度50mm/分で標線間距離が1.60倍になるまで引張り、直後に荷重を0に戻したときの標線間距離を読み取り、その測定値を、瞬間歪み(%)=100×ΔL2/L2に代入することによって得られた値である。前記L2は、引張る前のサンプル片の標線間距離(mm)を示し、前記ΔL2は、伸張後に荷重を戻したときのサンプル片の標線間距離の増加(mm)を示す。
本発明の好ましいストレッチラベルは、前記筒状体の表面に、摩擦抵抗の大きい高摩擦面と、それよりも摩擦抵抗の小さい低摩擦面と、が設けられており、前記高摩擦面が、前記分断用ミシン目線を基準にして、周方向一方側及び周方向他方側の少なくとも何れか一方に部分的に設けられている。
また、本発明のストレッチラベルを被着体に装着した後には、分断用ミシン目線を境にしてストレッチラベルの周方向一方側及び周方向他方側に指先を当て、互い離反する方向にスライドさせることにより、分断用ミシン目線に沿って裂け目が生じるから、ストレッチラベルを容易に分断できる。
各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、この接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の優劣などを意味しない。また、本明細書において、「PPP〜QQQ」という記載は、PPP以上QQQ以下を意味する。
なお、各図の具体的な寸法及び縮尺比は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
筒状体2は、自己伸縮性フィルムを丸め、その第1側端部21の表面上に第2側端部22の裏面を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を接着することにより構成されている。前記接着方法としては、接着剤などを用いた接着、ヒートシールなどが挙げられる。
この重ね合わせて接着した部分は、一般にセンターシール部と呼ばれる。なお、図示例では、センターシール部4は、第1側端部21の表面上に第2側端部22の裏面を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を接着することにより構成されているが、これに限定されず、例えば、センターシール部は、第1側端部21の裏面に第2側端部22の裏面を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を接着する、或いは、第1側端部21の表面に第2側端部22の表面を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を接着する、ことにより構成されていてもよい(このようなセンターシール部は、合掌貼りタイプである)。
本発明では、自己伸縮性フィルムの第1側端部21と第2側端部22の重ね合わせ部分のうち、両側端部が接着された部分をセンターシール部4という。
センターシール部4の幅(周方向長さ)は、特に限定されないが、0.2mm〜10mm程度であり、好ましくは、0.3mm〜5mmであり、より好ましくは、0.4mm〜2.0mmである。
1本の分断用ミシン目線3は、前記筒状体2の上端部から下端部にまで形成されている。
以下、筒状体2の中で、センターシール部4の第1縁41から周方向一方側に3mm未満(好ましくは5mm未満)ずれた領域を、第1領域51といい、センターシール部4の第2縁42から周方向他方側に3mm未満(好ましくは7mm未満)ずれた領域を、第2領域52という。
このような観点から、分断用ミシン目線3は、センターシール部4の第1縁41から周方向一方側に3mm〜45mmずれた領域53内、又は、且つセンターシール部4の第2縁42から周方向他方側に3mm〜45mmずれた領域54内に形成されていることが好ましい。さらに、分断用ミシン目線3は、センターシール部4の第1縁41から周方向一方側に5mm〜40mmずれた領域53内、又は、且つセンターシール部4の第2縁42から周方向他方側に7mm〜40mmずれた領域54内に形成されていることがより好ましい。
本実施形態では、分断用ミシン目線3は、センターシール部4の第1縁41から周方向一方側に5mm〜40mmずれた領域53に形成されている。
自己伸縮性フィルムの第1側端部21と第2側端部22の重ね合わせ部分の周方向中央部が接着されている場合には、センターシール部4の第1縁41及び第2縁42は、前記第1側端部21の縁及び第2側端部22の縁よりもそれぞれ内側に位置する。
本実施形態では、図3に示すように、センターシール部4の第1縁41は第1側端部21の縁よりも内側に位置し、且つセンターシール部4の第2縁42は第2側端部22の縁と略一致している。
具体的には、補助ミシン目線6は、一端部6aが分断用ミシン目線3よりも周方向一方側又は周方向他方側に位置ずれしており、その一端部6aから下方に向かうに従って分断用ミシン目線3に近づくように傾斜している。従って、補助ミシン目線6は、隣接する各貫通孔が筒状体2の縦方向及び周方向の双方向に位置ずれし、補助ミシン目線6を全体として見れば、筒状体2の周方向に対して斜めに延びている。
補助ミシン目線6の各貫通孔が縦方向において重ならずに位置ずれしているとは、補助ミシン目線6の任意の1つの貫通孔の上縁及び下縁を通り且つ縦方向と平行な仮想直線をそれぞれ引いたとき、その左右2本の仮想直線の間に、前記補助ミシン目線6の他の貫通孔が部分的又は全体的に重なっていないことをいう。補助ミシン目線6の各貫通孔が周方向において重ならずに位置ずれしているとは、補助ミシン目線6の任意の1つの貫通孔の上縁及び下縁を通り且つ周方向と平行な仮想直線をそれぞれ引いたとき、その上下2本の仮想直線の間に、前記補助ミシン目線6の他の貫通孔が部分的又は全体的に重なっていないことをいう。
このように補助ミシン目線6の各貫通孔を縦方向及び周方向に位置ずれさせることにより、ストレッチラベル1の拡径時に、補助ミシン目線6の隣接する貫通孔が繋がることを防止できる。
補助ミシン目線6の一端部6aにある貫通孔の上縁と筒状体2の上端2aとの間隔は、0.5mm〜4mmであることが好ましい。なお、前記間隔は、補助ミシン目線6の一端部6aの貫通孔の上縁と筒状体2の上端2aとの間の縦方向長さである。
なお、本実施形態の筒状体2においては、その上端2aの延びる方向と周方向とは平行である。また、筒状体2の縦方向は、前記上端2aの延びる方向と直交する方向である。
この場合、補助ミシン目線6の他端部6bの貫通孔と分断用ミシン目線3の貫通孔の間隔は、0.5mm〜3.0mmが好ましい。なお、前記間隔は、補助ミシン目線6の他端部6bの貫通孔の縁(他端部6bの貫通孔の縁のうち任意の一点)と分断用ミシン目線3の貫通孔の縁(近接する分断用ミシン目線3の貫通孔の縁のうち任意の一点)との最小直線長さである。
ラベルのデザインを考慮すると、補助ミシン目線6は、センターシール部4の第1縁41から周方向一方側に3mm〜45mmずれた領域53内、又は、且つセンターシール部4の第2縁42から周方向他方側に3mm〜45mmずれた領域54内に形成されていることがより好ましい。さらに、補助ミシン目線6は、センターシール部4の第1縁41から周方向一方側に5mm〜40mmずれた領域53内、又は、且つセンターシール部4の第2縁42から周方向他方側に7mm〜40mmずれた領域54内に形成されていることが特に好ましい。
本実施形態では、補助ミシン目線6は、分断用ミシン目線3の周方向一方側であって、センターシール部4の第1縁41から周方向一方側に5mm〜40mmずれた領域54に形成されている。
前記分断用ミシン目線3及び補助ミシン目線6の各貫通孔の重心は、それらの貫通孔が直線状又は複数の直線の交差状である場合には、その直線を拡大して面積を観念したときの重心を意味する。
分断用ミシン目線3の各貫通孔が直線状である場合、その直線状の貫通孔自体は、それぞれ、筒状体2の縦方向に対して傾斜していてもよいが、通常、その直線状の貫通自体も筒状体2の縦方向と平行に形成される。
補助ミシン目線6の各貫通孔が直線状である場合、その直線状の貫通孔自体は、それぞれ、筒状体2の周方向又は縦方向に平行に形成されていてもよいが、通常、その直線状の貫通孔自体も、筒状体2の周方向及び縦方向に傾斜して形成される。つまり、前記補助ミシン目線6の直線状の各貫通孔は、その直線が補助ミシン目線6が延びる方向と平行に延びている。
但し、前記式1及び式2において、貫通孔の長さY及び非貫通部の長さZの単位はmmであり、Xは、式3:0.01≦X≦0.08の範囲を満たす、自己伸縮性フィルムの厚み(単位mm)を示す。
例えば、厚み50μmの自己伸縮性フィルムから形成されるストレッチラベルの場合、分断用ミシン目線3の貫通孔の長さは、0.25mm〜1.2mmであり、好ましくは、0.3mm〜1.0mmであり、より好ましくは、0.3mm〜0.7mmであり、特に好ましくは、0.3mm〜0.6mmである。また、厚み50μmの自己伸縮性フィルムから形成されるストレッチラベルの場合、分断用ミシン目線3の非貫通部の長さは、1.8mm〜5.5mmであり、好ましくは、1.5mm〜5.0mmであり、より好ましくは、3.5mm〜4.5mmである。
なお、補助ミシン目線6を構成する複数の貫通孔の長さ及び非貫通部の長さは、それぞれ上記範囲内であれば異なっていてもよいが、1つの補助ミシン目線6を構成する複数の貫通孔の長さは、同じとされ、その複数の非貫通部の長さも同じとされていることが好ましい。
高摩擦面2Hは、前記分断用ミシン目線3を基準にして、その周方向一方側及び周方向他方側の少なくとも何れか一方に部分的に設けられ、好ましくは、その周方向一方側及び周方向他方側の双方にそれぞれ部分的に設けられている。
筒状体2の表面のうち、前記高摩擦面2H以外は、低摩擦面2Lとされている。
より具体的には、高摩擦面2Hは、2箇所設けられ、各高摩擦面2Hは、分断用ミシン目線3の周方向一方側と分断用ミシン目線3の周方向他方側とに設けられており、さらに、補助ミシン目線6から離れて設けられていることが好ましい。
低摩擦面2Lの静摩擦係数は、例えば、0.25以下であり、好ましくは、0.15以下である。低摩擦面2Lの静摩擦係数の下限は、理論的には0であるが、実際は、0を越え、好ましくは0.05以上である。
測定対象となる高摩擦面又は低摩擦面が表面に形成された自己伸縮性フィルムを80mm×100mm(幅×長さ)に切り取り、摩擦面形成処理が成されていない同材料の自己伸縮性フィルムを100mm×300mm(幅×長さ)に切り取り、前記測定対象の高摩擦面又は低摩擦面を前記摩擦面形成処理が成されていない自己伸縮性フィルムに重ね、JIS K 7125に準じて、引張りスピード100mm/分、温度23±2℃、湿度50±5%で、静摩擦係数を測定する。
他方、補助ミシン目線6及び分断用ミシン目線3並びにそれらの周辺を含む筒状体2の表面の高摩擦面2H以外は、低摩擦面2Lとされているので、ストレッチラベル1が被着体に装着された包装体の搬送時に、分断用ミシン目線3又は補助ミシン目線6の各貫通孔が拡がることを防止できる。具体的には、包装体(ストレッチラベル1装着済み被着体)の搬送時、そのストレッチラベル1の表面に異物や隣接する他の包装体などが接触することによって、ストレッチラベル1に引張り力が加わる。この点、低摩擦面2Lが形成された筒状体2からなるストレッチラベル1は、その面に異物などが接触してもラベルに負荷が掛かり難いので、分断用ミシン目線3及び補助ミシン目線6の各貫通孔が不用意に破断することを防止できる。
なお、自己伸縮性フィルムは、所定温度(例えば70℃〜100℃)で一方向に熱収縮し得るフィルムでもよいが、好ましくは前記温度で実質的に熱収縮しないフィルムが用いられる。
自己伸縮性フィルムの厚みは、10μm〜80μmであり、好ましくは、15μm〜70μmであり、より好ましくは、20μm〜60μmであり、特に好ましくは、25μm〜55μmである。
汎用タイプの自己伸縮性フィルムは、筒状体としたときに、その筒状体の周方向に伸張倍率1.25倍以上1.60倍未満に伸張可能で、且つ、1.25倍に伸張後の瞬間歪み(50mm/分)が10.5%以下であるものが好ましく、同1.25倍に伸張後の瞬間歪みが10%以下がより好ましく、同1.25倍に伸張後の瞬間歪みが8%以下が特に好ましく、同1.25倍に伸張後の瞬間歪みが6%以下が最も好ましい。
なお、前記自己伸縮性フィルムの伸張倍率の上限は、特に制限はないが、例えば、2.0倍以下である。また、前記自己伸縮性フィルムの瞬間歪みの下限は、理論上では零であるが、実際に零という場合は少ない。このため、前記自己伸縮性フィルムの瞬間歪みの下限は、0%を越え、好ましくは1%以上である。
前記伸張倍率は、伸張後の長さ/伸張前の長さ、で求められる。
自己伸縮性フィルムを、他方向(筒状体の縦方向に相当)に長さ15±0.1mm、一方向(筒状体の周方向に相当)に長さ200mm(標線間距離100±2mm)の長方形に切り取り、サンプル片を作製する。このサンプル片の長辺方向を測定方向として、所定の伸張倍率(1.25倍又は1.40倍)になるまで引張り、サンプル片の標線間距離を測定する。
瞬間歪み(%)=100×ΔL2/L2。
前記L2は、引張る前のサンプル片の標線間距離(mm)を示し、前記ΔL2は、伸張後に荷重を戻したときのサンプル片の標線間距離の増加(mm)を示す。
なお、永久歪み(%)は、前記引っ張り試験後、試験機から取り外し、23℃の恒温槽で4週間保管した後に上記標線間距離を読み取って算出できる。
また、前記自己伸縮性フィルムは、無延伸でもよいが、TD方向及びMD方向にそれぞれ1.01倍〜1.3倍延伸されているものが好ましく、特に、1.05倍〜1.15倍延伸されているものがより好ましい。
高伸縮タイプの自己伸縮性フィルムは、筒状体としたときに、その筒状体の周方向に伸張倍率1.60倍以上に伸張可能で、且つ、周方向に1.60倍に伸張後の瞬間歪み(50mm/分)が13%以下となるものが好ましく、同1.60倍に伸張後の瞬間歪みが11.5%以下となるものがより好ましく、同1.60倍に伸張後の瞬間歪みが10.5%以下となるものが特に好ましく、同1.60倍に伸張後の瞬間歪みが10%以下が最も好ましい。
前記伸張倍率は、伸張後の長さ/伸張前の長さ、で求められる。
自己伸縮性フィルムを、他方向(筒状体の縦方向に相当)に長さ15±0.1mm、一方向(筒状体の周方向に相当)に長さ200mm(標線間距離100±2mm)の長方形に切り取り、サンプル片を作製する。このサンプル片の長辺方向を測定方向として、所定の伸張倍率(1.60倍又は1.75倍)になるまで引張り、サンプル片の標線間距離を測定する。
瞬間歪み(%)=100×ΔL2/L2。
前記L2は、引張る前のサンプル片の標線間距離(mm)を示し、前記ΔL2は、伸張後に荷重を戻したときのサンプル片の標線間距離の増加(mm)を示す。
以下、引張り試験とは、前記瞬間歪みの測定法における、引張試験機を用いてサンプル片を引き伸ばすことをいう。
永久歪みが小さいほど、ラベルの復元性が高く、ストレッチ特性に優れる。中でも、周方向に伸張倍率1.60倍に伸張後の永久歪み(50mm/分)は、11%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、7%以下が特に好ましく、6%以下が最も好ましい。
前記縦方向の伸びは、引張り応力と伸び(歪み)との応力歪み曲線から求めることができる。
また、前記少なくとも周方向に対して伸張倍率1.60倍に伸張させたときの引張り応力(以下、F60値とする)は、好ましくは1〜12N/mm2、より好ましくは2〜10N/mm2、特に好ましくは3〜9N/mm2である。なお、F10値及びF60値の下限値が低すぎると伸張した状態で容器の締め付け力が弱くなりすぎ、見栄えの良い装着状態が得られない場合がある。
前記F10値及びF60値は、前記瞬間歪みの測定法の引張り試験により得られる、引張り応力と伸び(歪み)との応力歪み曲線から求めることができる。
自己伸縮性フィルムの厚み方向の屈折率(Rt)に対する周方向の屈折率(Rcとする)の比率(Rc/Rt)は、1.000〜1.030が好ましく、1.001〜1.020がより好ましく、1.002〜1.015が特に好ましい。
自己伸縮性フィルムの縦方向の屈折率(Rh)に対する周方向の屈折率(Rc)の比率(Rc/Rh)は、0.980〜1.005が好ましく、0.985〜1.000がより好ましく、0.990〜0.999が特に好ましい。
前記屈折率は、例えば、JIS K 7142のA法に準拠した、アッベ屈折計((株)アタゴ製の製品名「アッベ屈折計NAR−2T」。Na白色光源)を用いて、測定波長589nmで測定できる。
なお、前記印刷層は、自己伸縮性フィルムの表面に設けられていてもよいし、或いは、自己伸縮性フィルムの表面及び裏面の双方に設けられていてもよい。
もっとも、センターシール部4の接着強度の低下を招かないようにするため、センターシール部4を構成する第1側端部21の表面及び第2側端部22の裏面には、前記印刷層を設けないことが好ましい。
1.25倍程度に伸張可能なストレッチラベル1は、装着箇所に径差のある部分を有する被着体への装着には適さないが、装着箇所に実質的に径差がない被着体への装着には適している。
径差の大きい部分を有する被着体としては、代表的には、飲料容器、調味料容器、シャンプーなどのサニタリー容器、洗剤容器、化粧品容器、医薬品容器などの各種容器が代表的に挙げられる。
この容器7の胴部71の縦方向中間部には、周方向に窪んだ凹部が周設されている。従って、この凹部は、胴部71の小径部711に相当し、その凹部の上下には、胴部71の大径部712がある。ストレッチラベル1は、前記肩部72と胴部71の大径部712、又は、胴部71の小径部711と大径部712の少なくとも何れかに跨って装着できる。
なお、胴部71の上方に前記小径な肩部72を有する容器7にあっては、ストレッチラベル1の全体を拡径せず、ストレッチラベル1の中間部及び下方部のみを治具で拡径し(つまり、装着後に肩部72に対応するストレッチラベル1の上方部は拡径せず、その上方部以外のみを拡径し)、容器7の上方から胴部71に嵌挿することもできる。このようにストレッチラベル1の上方部以外を拡径して装着する装着方法は、特開平6−259015に開示されているので、その具体的な手順はそれを参照されたい。
なお、包装体10において、ストレッチラベル1は、補助ミシン目線6の貫通孔の全部又はその一部(筒状体の上端部に形成された補助ミシン目線6の一部)が前記容器7の肩部52に対応するように、ストレッチラベル1が容器7の胴部71の全部又は一部及び肩部72の全部又は一部を含んで装着されている。
また、ストレッチラベル1の裏面(被着体への接触面)のうち、少なくとも分断用ミシン目線3及びその周辺は、被着体に接着されておらず、好ましくは、ストレッチラベル1の裏面全体は、被着体に接着されていない。
本発明のストレッチラベル1は、分断用ミシン目線3が形成されているが、その貫通孔及び非貫通部の長さが上記範囲であるので、拡径時に隣接する貫通孔が繋がって穴を生じることはない。また、分断用ミシン目線3についても同様に、ストレッチラベル1の拡径時に、隣接する貫通孔が繋がることもない。
この際、分断用ミシン目線3を基準にして、その周方向一方側又は周方向他方側におけるストレッチラベル1の表面に指先を当てる。好ましくは、分断用ミシン目線3を基準にして、その周方向一方側及び周方向他方側におけるストレッチラベル1の表面に指先をそれぞれ当てる。より好ましくは、図6の二点鎖線で示すように、補助ミシン目線6が設けられた筒状体2の上方部に指先を当て、特に好ましくは、高摩擦面2Hの上に指先を当てることにより、指先が滑り難くなる。
すると、ストレッチラベル1には互い離反する方向に引裂き力が加わり、それが分断用ミシン目線3の貫通孔の縁に集中するので、分断用ミシン目線3に沿って裂け目が生じ、ストレッチラベル1を分断できる。
また、高摩擦面2Hが形成されているので、指先が滑り難く、指をスライドさせることにより、ストレッチラベル1に引裂き力を確実に作用させて分断用ミシン目線3から分断できる。
例えば、上記実施形態において、補助ミシン目線6は、筒状体2の上端部から形成されているが、図7に示すように、補助ミシン目線6は、筒状体2の下端部から分断用ミシン目線3の中途部にまで設けられていてもよいし、或いは、特に図示しないが、筒状体2の上端部及び下端部の双方にそれぞれ設けられていてもよい。
補助ミシン目線6を筒状体2の下端部に設ける場合の具体例は、上記実施形態の上端部に補助ミシン目線6を設ける場合と同様である(つまり、上下反対に考えればよい)。補助ミシン目線6を下端部に設ける場合には、それに対応して、高摩擦面2Hも筒状体2の下方部に設けることが好ましい。
補助ミシン目線6を筒状体2の下端部に設けた場合、装着されたストレッチラベル1を分断する際には、その下方部に指先を当てて分断用ミシン目線3に引裂き力を加えればよい。
なお、補助ミシン目線6を筒状体2の上端部及び下端部の双方に設ける場合には、高摩擦面2Hもそれらに対応してそれぞれの両側に設けることが好ましい。
この場合、ストレッチラベル1は、容器7の肩部72の全部又は一部、胴部71の全部、アール部74の全部又は一部を含むように、容器7に装着されていることが好ましい。
貫通孔自体が縦方向に延びる補助ミシン目線6であっても、各貫通孔は、上記実施形態と同様に、縦方向において部分的に重ならずに位置ずれしており、補助ミシン目線6を全体として見れば、筒状体2の周方向に対して斜めに延びている。
この場合、上記実施形態と同様に、分断用ミシン目線3の、周方向一方側及び周方向他方側の少なくとも何れか一方における筒状体2の表面に、高摩擦面(図10において図示せず)が設けられていることにより、上記本発明の分断方法によってストレッチラベル1を分断し易くなる。
さらに、ストレッチラベル1に、包装体の開封方法(ストレッチラベル1の分断の仕方)を示す表示、高摩擦面に指を押すことが判る表示、及び/又は、その指のスライド方向を示す表示などが印刷などによって設けられていてもよい。
線状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製、商品名「ユメリット715FT」)に、スリップ剤としてエルカ酸アミド(宇部丸善ポリエチレン(株)製、商品名「M405」)を全量に対して0.08質量%、アンチブロッキング剤として合成ゼオライト(宇部丸善ポリエチレン(株)製、商品名「24201M」)を全量に対して0.8質量%それぞれ加えて、樹脂組成物を調製した。合流方式がフィードブロック2種3層型の押出し機を用いて、前記樹脂組成物を210℃で溶融させ、これをTダイのスロットから25℃のキャスティングドラム上に押し出して急冷固化し、1種3層の未延伸フィルムを作製した。
この未延伸フィルムを、延伸温度52℃で、MD方向に1.06倍延伸し、続いて、延伸温度82℃でTD方向に1.06倍延伸することにより、厚み50μmの二軸延伸フィルム(自己伸縮性フィルム(A))を作製した。なお、延伸は、テンター方式で行った。
前記二軸延伸フィルムの屈折率を、JIS K 7142のA法に準拠した、アッベ屈折計((株)アタゴ製の製品名「アッベ屈折計NAR−2T」。Na白色光源。測定波長589nm)を用いて測定した。
その結果、二軸延伸フィルムのMD方向の屈折率は、1.515、TD方向の屈折率は、1.513、厚み方向の屈折率は、1.508であった。
その結果、伸張速度50mm/分での1.60倍伸張後の瞬間歪みは、9.8%、伸張速度6000mm/分での1.60倍伸張後の瞬間歪みは、3.5%、引張り応力4.3N/mm2のときの伸びは、6.8%、F10値は、5.2N/mm2、F60値は、7.5N/mm2であった。
二軸延伸フィルムを、MD方向に長さ15±0.1mm、TD方向に長さ200mm(標線間距離100±2mm)の長方形に切り取り、第1サンプル片を作製した。この第1サンプル片のTD方向を測定方向として、1.60倍になるまで引張り、第1サンプル片の標線間距離を計測した。なお、後述するように、二軸延伸フィルムのTD方向は、ストレッチラベルの周方向に対応し、MD方向は、縦方向に対応する。
伸張速度6000mm/分での1.60倍伸張後の瞬間歪みは、伸張速度6000mm/分としたこと以外は、上記と同様にして測定し、算出した。
二軸延伸フィルムを、TD方向に長さ15±0.1mm、MD方向に長さ200mm(標線間距離100±2mm)の長方形に切り取り、第2サンプル片を作製した。第2サンプル片のMD方向を測定方向として、伸張速度50mm/分で第2サンプル片を引っ張り、前記クロスヘッド速度一定型又は振子型引張試験機を用いて応力歪み曲線を作成した。その曲線から引張り応力4.3N/mm2のときのMD方向の伸び、F10値(1.10倍に伸張させたときの引張り応力)及びF60値(1.60倍に伸張させたときの引張り応力)を求めた。
キャスティングドラム上に押し出す樹脂組成物の厚みを調整することにより、厚み40μmの二軸延伸フィルムを作製したこと以外は、上記自己伸縮性フィルム(A)の作製方法と同様にして、厚み40μmの自己伸縮性フィルムを作製した。
キャスティングドラム上に押し出す樹脂組成物の厚みを調整することにより、厚み30μmの二軸延伸フィルムを作製したこと以外は、上記自己伸縮性フィルム(A)の作製方法と同様にして、厚み30μmの自己伸縮性フィルムを作製した。
このストレッチラベルの直径は、周長は、142mm、縦方向長さは、128mmであった。
厚み50μmの自己伸縮性フィルム(A)を所定の長方形状に裁断し、TD方向が周方向となるようにして自己伸縮性フィルム(A)を丸め、その第1側端部の表面上に第2側端部の裏面を重ね合わせてヒートシールにより接着することにより、センターシール部で接合された筒状のストレッチラベルを作製した。
このストレッチラベルの直径は、周長は、142mm、縦方向長さは、128mmであった。
この分断用ミシン目線は、同じ長さの直線状の貫通孔の複数が同じ間隔を開けて(同じ長さの非貫通部を有して)直線上に並んだものとし、その各貫通孔の長さ(貫通孔の上縁から下縁までの縦方向長さ)を0.3mmとし、同各非貫通部の長さ(上側の貫通孔の下縁から下側の貫通孔の上縁までの縦方向長さ)を、1.8mmとした。
さらに、ストレッチラベルの上端部において、分断用ミシン目線を基準にして周方向一方側に補助ミシン目線を形成した。この補助ミシン目線は、同じ長さの直線状の貫通孔の複数が同じ間隔を開けて(同じ長さの非貫通部を有して)直線上に並び且つストレッチラベルの上端に対して60度に傾斜したものとし、その各貫通孔の長さ(各貫通孔の一縁から他縁までの直線長さ)を0.7mmとし、同各非貫通部の長さ(上側の貫通孔の一縁から下側の貫通孔の一縁までの直線長さ)を0.7mmとした。
このようにして実施例1のストレッチラベルを作製した。
分断用ミシン目線の各貫通孔の長さ及び各非貫通部の長さを表1に示すようにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ストレッチラベルを作製した。
厚み50μmの自己伸縮性フィルム(A)に代えて、厚み40μmの自己伸縮性フィルム(B)を用いたこと、並びに、分断用ミシン目線の各貫通孔の長さ及び各非貫通部の長さを表1に示すようにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ストレッチラベルを作製した。
厚み50μmの自己伸縮性フィルム(A)に代えて、厚み30μmの自己伸縮性フィルム(C)を用いたこと、並びに、分断用ミシン目線の各貫通孔の長さ及び各非貫通部の長さを表1に示すようにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ストレッチラベルを作製した。
実施例1乃至23及び比較例1乃至9の各ストレッチラベルについて、容器に装着する際にミシン目線の貫通孔が大きく拡がるかどうかの確認を行った。
容器として、周長215mmの円筒状の胴部と、その胴部の上方に連続して縮径した肩部と、を有する市販のPETボトルを用いた。
ストレッチャーを用いて、各ストレッチラベルをそれぞれ約1.6倍に伸張させ、容器に被せた後、ストレッチャーを引き抜き、ストレッチラベルを容器胴部に装着した。
装着後のストレットラベルの起点形成用ミシン目線の外観を目視で観察した。その結果を表1に示す。
表1において、「○」は、分断用ミシン目線及び補助ミシン目線の各貫通孔から裂け目が生じていなかったことを、「×」は、分断用ミシン目線の貫通孔から裂け目が生じ、ストレッチラベルを良好に装着できなかったことを示す。
実施例1乃至23及び比較例1乃至9の各ストレッチラベルを装着した容器について、ストレッチラベルの分断性の確認を行った。
具体的には、装着された各ストレッチラベルの分断用ミシン目線を基準にして、その周方向一方側及び周方向他方側におけるストレッチラベルの表面に指先をそれぞれ当て、互いに離反する方向にスライドさせて引裂き力を加え、分断用ミシン目線を利用してストレッチラベルを分断できるかどうかを試験した。その結果を表1に示す。
表1において、「○」は、分断用ミシン目線から裂け目が生じ、容易にストレッチラベルを分断できたことを、「×」は、分断用ミシン目線から開封起点となる裂け目が生じ難く、ストレッチラベルを容易に分断できなかったことを、「−」は、分断用ミシン目線の貫通孔から裂け目が生じていたので、評価しなかったことを、それぞれ示す。
実施例1乃至23のストレッチラベルは、容器に装着する際に分断用ミシン目線及び補助ミシン目線から裂け目が生じず、容器に装着した後には、分断用ミシン目線により容易に分断できた。
比較例1、4乃至6、8及び9ののストレッチラベルは、容器に装着する際に分断用ミシン目線及び補助ミシン目線から裂け目が生じなかったが、容器に装着した後には、容易に分断できなかった。また、比較例2、3及び7のストレッチラベルは、容器に装着する際に分断用ミシン目線から裂け目が生じた。
分断用ミシン目線から裂け目が発生するかどうかは、単に、ミシン目線の貫通孔の長さ及び非貫通部の長さだけでなく、自己伸縮性フィルムの厚みが密接的に関連していることが判った。
図13は、横軸を自己伸縮性フィルムの厚み(mm)とし、縦軸を分断用ミシン目線の非貫通部の長さ(mm)とするグラフ図であって、実施例1乃至23及び比較例1乃至9の自己伸縮性フィルムの厚みと非貫通部の長さをプロットした図である。
何れの図においても、実施例の値を○点で、比較例の値を×点で示している。
なお、図12において、5X≦Y≦22.5X+0.075を満たす範囲内に比較例の値である×がプロットされ、 図13において、−110X+7.3≦Z≦−150X+13を満たす範囲内に比較例の値である×がプロットされている。しかし、この5X≦Y≦22.5X+0.075を満たすものは比較例3、4、5、6及び9であり、−110X+7.3≦Z≦−150X+13を満たすものは比較例1、2及び7であり、5X≦Y≦22.5X+0.075と−110X+7.3≦Z≦−150X+13を同時に満たす比較例は存在しない。
Claims (4)
- 自己伸縮性フィルムの第1側端部に第2側端部を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を接着してセンターシール部が形成された筒状体と、
前記筒状体の上端部から下端部にかけて縦方向に形成された分断用ミシン目線と、を有し、
前記自己伸縮性フィルムが、筒状体としたときに、その筒状体の周方向に伸張倍率1.60倍以上に伸張可能で且つ周方向に1.60倍に伸張後の瞬間歪みが13%以下の、密度0.880〜0.930g/cm 3 の線状低密度ポリエチレンを主成分とするフィルムであり、
前記自己伸縮性フィルムの厚み(mm)をX、分断用ミシン目線の貫通孔の長さ(mm)をY、分断用ミシン目線の隣接する貫通孔の間にある非貫通部の長さ(mm)をZとした場合、
5X≦Y≦22.5X+0.075、
−110X+7.3≦Z≦−150X+13、及び
0.01≦X≦0.08の関係を満たしている、ストレッチラベル。
ただし、前記瞬間歪みは、自己伸縮性フィルムを、筒状体の縦方向に相当する方向に長さ15±0.1mm、筒状体の周方向に相当する方向に長さ200mmの長方形に切り取り、標線間距離100±2mmのサンプル片を作製し、このサンプル片の長辺方向を測定方向として、伸張速度50mm/分で標線間距離が1.60倍になるまで引張り、直後に荷重を0に戻したときの標線間距離を読み取り、その測定値を、瞬間歪み(%)=100×ΔL2/L2に代入することによって得られた値である。前記L2は、引張る前のサンプル片の標線間距離(mm)を示し、前記ΔL2は、伸張後に荷重を戻したときのサンプル片の標線間距離の増加(mm)を示す。 - 前記分断用ミシン目線が、前記第1側端部の縁に対応するセンターシール部の第1縁から周方向に3mm未満の領域以外及び前記第2側端部の縁に対応するセンターシール部の第2縁から周方向に3mm未満の領域以外の領域に形成されている、請求項1に記載のストレッチラベル。
- 前記筒状体の表面に、摩擦抵抗の大きい高摩擦面と、それよりも摩擦抵抗の小さい低摩擦面と、が設けられており、
前記高摩擦面が、前記分断用ミシン目線を基準にして、周方向一方側及び周方向他方側の少なくとも何れか一方に部分的に設けられている、請求項1又は2に記載のストレッチラベル。 - 前記筒状体には、さらに、補助ミシン目線が形成されており、
前記補助ミシン目線は、前記筒状体の上端部又は下端部から分断用ミシン目線の中途部又はその近傍にまで筒状体の周方向に対して斜めに形成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載のストレッチラベル。
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