JP7096081B2 - 梱包用フィルム及び梱包用部材 - Google Patents
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しかし、前記緩衝材は、その性質上、嵩高いものであるため、廃棄物としての容積が大きいという問題がある。
そこで、前記緩衝材を使用せずに、物品を梱包容器内に梱包する方法が提案されている。特許文献1には、紙製である基材と、前記基材に熱溶着され、張力を利用して物品を支持するポリオレフィンフィルムとを具備する梱包用部材が提案されている。
また、特許文献1に記載のポリオレフィンフィルムは、熱可塑性エラストマーであるポリオレフィン系エラストマーを用いる関係上、加熱時の形状保持が難しく、基材への熱溶着時にフィルム形状が変化し、場合によっては溶着部の端部の破断(エッジ切れ)が発生する。熱溶着の温度、圧力及び時間を制御することで、エッジ切れを緩和することは可能であるが、熱溶着時間が長くなり、梱包用部材の生産性が低下する。
梱包資材としての信頼性を確保しつつ梱包用部材の生産性を高めるためには、従来よりも低温(例えば120~145℃)で基材への熱溶着を行っても充分な接着強度が得られる(低温接着性に優れる)梱包用フィルムが望まれる。
<1>熱可塑性エラストマー含有層と、前記熱可塑性エラストマー含有層の一方の面側に設けられた第1のポリオレフィン系樹脂含有層と、を備え、
前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層が、極性付与剤を含有する、梱包用フィルム。
<2>前記極性付与剤の融点が140℃以下である、前記<1>の梱包用フィルム。
<3>前記極性付与剤の含有量が、前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対して1~15質量%である、前記<1>又は<2>の梱包用フィルム。
<4>前記極性付与剤の含有量が、前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対して3~8質量%である、前記<1>乃至<3>のいずれかの梱包用フィルム。
<5>前記極性付与剤が、分子内に無水カルボン酸構造を有するポリオレフィン系樹脂である、前記<1>乃至<4>のいずれかの梱包用フィルム。
<6>前記熱可塑性エラストマー含有層の他方の面側に、第2のポリオレフィン系樹脂含有層を備える、前記<1>乃至<5>のいずれかの梱包用フィルム。
<7>前記<1>乃至<6>のいずれかの梱包用フィルムと、前記梱包用フィルムの前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層が熱溶着された基材と、を備える、梱包用部材。
本発明の梱包用部材は、本発明の梱包用フィルムを用いているため、梱包資材としての信頼性に優れ、生産性にも優れる。
層の厚さは、梱包用フィルムの断面を、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて観察し、5か所以上の厚さを計測し、平均した値である。
融点は、示差走査熱量測定によって求めた値である。
酸価は、JIS K 0070によって求めた値である。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
本発明の梱包用フィルムの一態様について説明する。
本態様の梱包用フィルムは、熱可塑性エラストマー含有層と、前記熱可塑性エラストマー含有層の一方の面側に設けられた第1のポリオレフィン系樹脂含有層と、を備える。前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層は、極性付与剤を含有する。
本態様の梱包用フィルムは、第1のポリオレフィン系樹脂含有層が、後述する基材に熱溶着されて、梱包用部材を形成する。したがって、本態様の梱包用フィルムの一方の面側の最外層は第1のポリオレフィン系樹脂含有層である。
本態様の梱包用フィルムは、前記熱可塑性エラストマー含有層の他方の面側に、第2のポリオレフィン系樹脂含有層を備えていてもよい。
図2に、本態様の梱包用フィルムの他の一実施形態を示す。本実施形態の梱包用フィルム20は、熱可塑性エラストマー含有層1と、第1のポリオレフィン系樹脂含有層2と、第2のポリオレフィン系樹脂含有層3とを備える。熱可塑性エラストマー含有層1の一方の面側に第1のポリオレフィン系樹脂含有層2が設けられ、他方の面側に第2のポリオレフィン系樹脂含有層3が設けられている。
熱可塑性エラストマーとは、常温でゴム弾性を有する熱可塑性樹脂のことである。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらエラストマーのなかでも、第1のポリオレフィン系樹脂含有層との接着性及び第2のポリオレフィン系樹脂含有層との接着性が良いことから、オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン-αオレフィン共重合体が挙げられる。エチレン-αオレフィン共重合体を構成するαオレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等が挙げられる。エチレン-αオレフィン共重合体は、ランダム共重合体でもよいし、ブロック共重合体でもよいが、ブロック共重合体が好ましい。
融点を有する熱可塑性エラストマーの融点は、ヒートシール加工性(エッジ切れ防止)の点から、第2のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれるポリオレフィン系樹脂の融点よりも低いことが好ましく、第2のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれるポリオレフィン系樹脂の融点に対して20℃以上低いことがより好ましい。
融点を有する熱可塑性エラストマーの融点は、実用上、130℃以下であることが好ましい。融点を有する熱可塑性エラストマーの融点は、実用上、80℃以上であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーは、市販のものを用いてもよいし、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。市販の熱可塑性エラストマーとしては、エクソンモービル社のビスタマックス6102FL(融点なし)、ビスタマックス8880(融点なし)、ダウケミカル社製のInfuse9007(融点119℃)等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーの含有量は、熱可塑性エラストマー含有層の総質量に対し、70~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であることがさらに好ましい。熱可塑性エラストマーの含有量が前記下限値以上であれば、梱包用フィルムの伸縮性が充分に高くなり、梱包用フィルムを梱包用部材に用いた際に、物品の保持性をより向上させることができる。
他のポリマーとしては、目的の性能を得やすい点で、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン単位(エチレン単位、プロピレン単位等)を有する樹脂である。オレフィン単位の含有量は、ポリオレフィン系樹脂の総質量に対し、例えば60~100質量%である。
以下、第1のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれるポリオレフィン系樹脂を「第1のポリオレフィン系樹脂」ともいう。
ブロックポリプロピレンとは、ホモポリプロピレンのマトリックス中又はエチレン単位を5質量%以下の割合で含むランダムポリプロピレンのマトリックス中にゴム成分が含まれる樹脂のことである。ゴム成分としては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-ヘキセン共重合体、プロピレン-オクテン共重合体等が挙げられる。
通常、ブロックポリプロピレンは、一段目の重合にて、マトリックスとなるホモポリプロピレン又はランダムポリプロピレンを形成し、そのホモプロピレン又はランダムポリプロピレンの存在下、二段目の重合にて、ゴム成分を形成する。このように重合によってマトリックス中にゴム成分を形成することによって、ゴム成分の分散性を向上させることができる。
第1のポリオレフィン系樹脂の密度は、梱包用フィルムの実用上、0.91g/cm3以下であることが好ましい。
第1のポリオレフィン系樹脂の融点は、低温接着性の点から、130℃以下が好ましい。
第1のポリオレフィン系樹脂の融点は、実用上、80℃以上であることが好ましい。
ブロックポリプロピレンの場合、樹脂中に含まれるゴム成分の比率や構造によって融点や結晶化度(融解熱量)を調整できる。
第1のポリオレフィン系樹脂の含有量は、第1のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対し、80~99質量%であることが好ましく、83~96質量%であることがより好ましく、85~95質量%であることがさらに好ましい。第1のポリオレフィン系樹脂の含有量が前記下限値以上であれば、梱包用フィルムの伸縮性が充分に高くなる。第1のポリオレフィン系樹脂の含有量が前記上限値以下であれば、梱包用フィルムの低温接着性がより優れる。
極性付与剤は、第1のポリオレフィン系樹脂に極性を付与する作用を有する。第1のポリオレフィン系樹脂に極性を付与することで、第1のポリオレフィン系樹脂含有層と紙基材等の基材との接着性が高まり、従来よりも低温で基材への熱溶着を行っても充分な接着強度が得られる。
無水カルボン酸としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水安息香酸等が挙げられる。
分子内に無水カルボン酸構造を有するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、分子内に無水カルボン酸構造を有するポリプロピレン、無水カルボン酸構造を有するポリエチレン等が挙げられる。
なお、極性付与剤として機能するポリオレフィン系樹脂は、第1のポリオレフィン系樹脂ではなく、極性付与剤として取り扱う。
極性付与剤の融点は、140℃以下が好ましく、137℃以下がより好ましい。極性付与剤の融点が前記上限値以下であれば、低温で基材への熱溶着を行ったときの接着強度がより優れる。
極性付与剤の融点が低いほど、梱包用フィルムの熱溶着に要する時間を短縮でき、極性付与剤の融点の下限は特に限定されないが、実用上、極性付与剤の融点は、90℃以上であることが好ましい。
極性付与剤の含有量は、第1のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対して1~15質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがより好ましく、3~8質量%であることがさらに好ましい。極性付与剤の含有量が前記下限値以上であれば、梱包用フィルムの低温接着性がより優れる。極性付与剤の含有量が前記上限値以下であれば、梱包用フィルムの伸縮性が充分に高くなる。
特に、第1のポリオレフィン系樹脂含有層は、ブロッキングをより防止するために、スリップ剤を含有することが好ましい。スリップ剤のなかでも、ブロッキング防止性が特に優れることから、有機スリップ剤が好ましく、アマイド系スリップ剤がより好ましい。アマイド系スリップ剤としては、例えば、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド等が挙げられ、エルカ酸アマイドが好ましい。
以下、第2のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれるポリオレフィン系樹脂を「第2のポリオレフィン系樹脂」ともいう。
第2のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられる。これらのなかでも、柔軟性により優れ、融点が高いことから、ランダムポリプロピレンが好ましい。
第2のポリオレフィン系樹脂の融点は、第1のポリオレフィン系樹脂の融点よりも高いことが好ましく、(第1のポリオレフィン系樹脂の融点+20℃)以上であることがより好ましく、(第1のポリオレフィン系樹脂の融点+30℃)以上であることがさらに好ましい。第2のポリオレフィン系樹脂の融点が第1のポリオレフィン系樹脂の融点よりも高ければ、基材への熱溶着時に梱包用フィルムが溶断することをより防止できる。
梱包用フィルムを製造しやすくする点では、第2のポリオレフィン系樹脂の融点は、(第1のポリオレフィン系樹脂の融点-70℃)以下であることが好ましい。
第2のポリオレフィン系樹脂の融点は、140℃以上であることが好ましい。
第2のポリオレフィン系樹脂の融点は、実用上、180℃以下であることが好ましい。
ランダムポリプロピレンの場合、エチレン単位の含有割合によって融点を調整できる。ランダムポリプロピレンにおけるエチレン単位の含有割合が多い程、融点が低くなる傾向にある。
第2のポリオレフィン系樹脂の含有量は、第2のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対し、70~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であることがさらに好ましい。第2のポリオレフィン系樹脂の含有量が前記下限値以上であれば、梱包用フィルムの耐熱性がより優れる。
梱包用フィルムが延伸フィルムである場合、一軸延伸フィルムであってもよいし、二軸延伸フィルムであってもよい。
熱可塑性エラストマーと任意成分(他のポリマー、添加剤等)とを混合して熱可塑性エラストマー層形成用樹脂材料を調製する。任意成分を含まない場合には、熱可塑性エラストマー層形成用樹脂材料は熱可塑性エラストマーのみからなる。
第1のポリオレフィン系樹脂と、極性付与剤と、任意成分(添加剤等)とを混合して第1のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料を調製する。任意成分を含まない場合には、第1のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料は第1のポリオレフィン系樹脂及び極性付与剤からなる。
必要に応じて、第2のポリオレフィン系樹脂と、任意成分(添加剤等)とを混合して第2のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料を調製する。任意成分を含まない場合には、第2のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料は第2のポリオレフィン系樹脂のみからなる。
押出機によって成形された溶融状態の2層又は3層積層体を、キャストロールの周面に密着させ、冷却して、梱包用フィルムを得る。キャストロールを用いてフィルムを成形するキャスト法を適用すると、梱包用フィルムの生産性を容易に向上させることができる。
本発明の梱包用部材の一態様について説明する。
本態様の梱包用部材は、前記した本発明の一態様の梱包用フィルムと、前記梱包用フィルムの第1のポリオレフィン系樹脂含有層が熱溶着された基材と、を備える。
したがって、梱包用部材において、梱包用フィルムは、第1のポリオレフィン系樹脂含有層が基材に熱溶着された部分(溶着部)を有する。
梱包用フィルムは、典型的には、溶着部と、第1のポリオレフィン系樹脂含有層が基材に熱溶着されていない部分(未溶着部)とを有し、梱包用フィルムの未溶着部と基材との間に物品を収容できるようになっている。
図4に、本態様の梱包用部材の一実施形態を示す。本実施形態の梱包用部材120は、長方形状の前記実施形態の梱包用フィルム20と、長方形状の紙基材30とを備える。
これらの梱包用部材110,120において、紙基材30の平面視の面積は、梱包用フィルム10,20の平面視の面積より大きい。
梱包用フィルム10,20は、その長辺の周縁部10a,20aが紙基材30に熱溶着されている。周縁部10a,20a以外の部分は未溶着部である。
梱包用部材110,120においては、梱包用フィルム10,20が伸縮性を有し、容易に伸びるため、未溶着部において物品を梱包用フィルム10,20と紙基材30と間に挿入でき、梱包用フィルム10,20と紙基材30と間で物品を挟持できる。梱包用フィルム10,20は伸縮性を有し、伸びた状態では縮もうとするため、梱包用フィルム10,20と紙基材30と間で挟持した物品を強固に固定して包装できる。したがって、梱包用部材110,120は、物品の保持力が高い。
基材の形状としては、特に限定されず、梱包する物品の形状、梱包容器の形状に応じて適宜選択すればよい。基材の形状の例としては、長方形状、正方形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。
まず、基材に梱包用フィルムを、基材に第1のポリオレフィン系樹脂含有層が接するように重ねる。次いで、加熱したヒートシールバーを梱包用フィルムの周縁部に押し当てて、梱包用フィルムの周縁部を基材に熱溶着する。その際、基材と梱包用フィルムとの間に物品を挿入できるように、梱包用フィルムの周縁部の全部を基材に熱溶着せず、梱包用フィルムの周縁部の一部は基材に熱溶着せずに未貼着部とする。前記のように熱溶着することにより、梱包用部材を得ることができる。なお、熱溶着の方法は上記だけでなく、超音波溶着やレーザー溶着でもよい。
梱包容器としては、例えば、箱、袋等が挙げられ、通常は箱が使用される。梱包容器の材質としては、例えば、紙、樹脂等が挙げられ、なかでも、紙が好ましく、段ボールがより好ましい。これらより、梱包容器としては、段ボール箱が特に好ましい。
梱包用部材は、輸送の際の振動に対しても梱包容器の内部で固定される形状を有することが好ましい。
なお、以下の例では、下記の材料を使用した。
・プライムポリマー社製、プライムポリプロF227:ランダムポリプロピレン、融点152℃、密度0.910g/cm3。以下、「樹脂1」と表記する。
・エクソンモービル社製、ビスタマックス3588FL:ブロックポリプロピレン、融点109℃、密度0.889g/cm3。以下、「樹脂2」と表記する。
・エクソンモービル社製、ビスタマックス6102FL:オレフィン系熱可塑性エラストマー、融点なし、密度0.862g/cm3。以下、「エラストマー1」と表記する。
・エクソンモービル社製、ビスタマックス8880:オレフィン系熱可塑性エラストマー、融点なし、密度0.879g/cm3。以下、「エラストマー2」と表記する。
・理研ビタミン社製、リケマスターELM080:スリップ剤、エルカ酸アマイド含有マスターバッチ。以下、「スリップ剤MB」と表記する。
・三洋化成工業製、ユーメックス1010:分子内に無水カルボン酸構造を有するポリオレフィン系樹脂、融点135℃、酸価52。以下、「極性付与剤1」と表記する。
・三洋化成工業製、ユーメックス5500:分子内に無水カルボン酸構造を有するポリオレフィン系樹脂、融点123℃、酸価17。以下、「極性付与剤2」と表記する。
・理研ビタミン社製、リケエイドMG-400P:分子内に無水カルボン酸構造を有するポリオレフィン系樹脂、融点167℃、酸価41。以下、「極性付与剤3」と表記する。
(実施例1)
エラストマー1の100質量部を熱可塑性エラストマー層形成用樹脂材料とし、樹脂2の90質量部、スリップ剤MBの5質量部、及び極性付与剤1の5質量部を第1のポリオレフィン系樹脂含有層とし、100質量部の樹脂1を第2のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料とした。これら樹脂材料を、多層成形可能な押出機に供給した。押出機としては、先端にマルチマニホールドダイが取り付けられたものを使用した。ダイの温度は200℃とした。
前記押出機により、各樹脂材料を押出成形すると共に、熱可塑性エラストマー層の一方の面側に第1のポリオレフィン系樹脂含有層、他方の面側に第2のポリオレフィン系樹脂含有層が配置されるように積層した。各層の厚さは、表1に示す通りとした。
押出機によって成形された溶融状態の3層積層体を、30℃に調整したキャストロールの周面に密着させ、冷却して、梱包用フィルムを得た。
熱可塑性エラストマー層及び第1のポリオレフィン系樹脂含有層の配合又は層の厚さを、表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして梱包用フィルムを得た。
各実施例及び各比較例の梱包用フィルムについて、以下のように評価した。評価結果を表1に示す。
ヒートシールにより梱包用フィルムを紙基材に熱溶着して梱包用部材を作製した。ヒートシール条件は、表1に示した。
得られた梱包用部材を用いて、紙基材に対する梱包用フィルムの接着性を評価した。その接着性は、紙基材に対する梱包用フィルムの剥離強度を、引張試験機(島津製作所社製トラペジウム2)を用いて測定することにより評価した。剥離強度の測定においては、梱包用部材から幅25mm、長さ100mmの試験片を切り出し、その試験片を用いて、測定温度23℃、引張速度300mm/分の条件で180℃剥離を行い、梱包用部材と梱包用フィルムの剥離強度を測定した。剥離強度が高い程、接着性に優れる。
測定した剥離強度から、以下の基準で紙基材に対する接着性を評価した。
○:剥離強度が2.5N/25mm以上。
△:剥離強度が2.0N/25mm以上2.5N/25mm未満。
×:剥離強度が2.0N/25mm未満。
2 第1のポリオレフィン系樹脂含有層
3 第2のポリオレフィン系樹脂含有層
10 梱包用フィルム
20 梱包用フィルム
30 紙基材
110 梱包用部材
120 梱包用部材
Claims (7)
- 熱可塑性エラストマー含有層と、前記熱可塑性エラストマー含有層の一方の面側に設けられた第1のポリオレフィン系樹脂含有層と、を備え、
前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層が、極性付与剤を含有し、
前記極性付与剤が、分子内に無水カルボン酸構造を有するポリオレフィン系樹脂であり、前記極性付与剤の酸価が17~52である、梱包用フィルム。 - 前記極性付与剤の含有量が、前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対して1~15質量%である、請求項1に記載の梱包用フィルム。
- 前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれる第1のポリオレフィン系樹脂が、ホモポリプロピレンのマトリックス中又はエチレン単位を5質量%以下の割合で含むランダムポリプロピレンのマトリックス中にゴム成分が含まれる樹脂である、請求項1又は2に記載の梱包用フィルム。
- 前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層が、スリップ剤を含有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の梱包用フィルム。
- 前記熱可塑性エラストマー含有層の厚みが25~40μmであり、前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層の厚みが2~6μmである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の梱包用フィルム。
- 前記熱可塑性エラストマー含有層の他方の面側に、第2のポリオレフィン系樹脂含有層を備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の梱包用フィルム。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の梱包用フィルムと、前記梱包用フィルムの前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層が熱溶着された基材と、を備える、梱包用部材。
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