JP7113676B2 - 梱包用部材 - Google Patents
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Description
しかし、前記緩衝材は、その性質上、嵩高いものであるため、廃棄物としての容積が大きいという問題がある。
そこで、前記緩衝材を使用せずに、物品を梱包容器内に梱包する方法が提案されている。特許文献1には、両端縁に立上り部、両側縁に立下り部を有するベースボードと、両端がベースボードの両端縁に固定された抑えシートとを有する内装体、及び外箱を有する物品運送用梱包具が提案されている。前記内装体においては、ベースボードと抑えシートとの間に物品が差し込まれた状態で立下り部を下向きに折返すことにより、抑えシートが緊張して物品がベースボードに押付けられるようになっている。また、その後、立上り部を上向きに折返し、その状態で内装体を外箱に収容するようになっている。
<1>シート状の基材と、前記基材の一方の面に配備された伸縮フィルムとを備え、前記基材と前記伸縮フィルムとの間に物品を挟持する梱包用部材であって、
前記基材は、前記物品が配置される中央部と、前記中央部の第1方向の一方側又は両側に設けられた折返し部と、前記中央部と前記折返し部との間に設けられた折曲げ部とを有し、前記折返し部に前記伸縮フィルムが貼着されており、
前記基材を、前記折曲げ部の位置で、前記伸縮フィルムが配備されている側が外側になるように折曲げて前記折返し部が折返された状態としたときに、その状態を維持する折返し状態維持手段を備える、梱包用部材。
<2>前記折返し部が、前記中央部の第1方向の両側に設けられている、前記<1>の梱包用部材。
<3>前記折返し状態維持手段は、第1の係合部と、前記第1の係合部と係合可能な第2の係合部とを備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合することによって前記折返し部の折返し状態を維持するものであり、
前記折返し部に前記第1の係合部が設けられ、前記中央部に前記第2の係合部が設けられている、前記<1>の梱包用部材。
<4>前記折返し状態維持手段は、第1の係合部と、前記第1の係合部と係合可能な第2の係合部とを備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合することによって前記折返し部の折返し状態を維持するものであり、
前記中央部の第1方向の両側の折返し部それぞれに前記第1の係合部が設けられ、前記中央部に前記第2の係合部が設けられているか、又は
前記中央部の第1方向の両側の折返し部のいずれか一方に前記第1の係合部が設けられ、他方に前記第2の係合部が設けられている、前記<2>の梱包用部材。
<5>前記第1の係合部及び前記第2の係合部のいずれか一方が係合片であり、他方が前記係合片を挿入可能な係合孔である、前記<3>又は<4>の梱包用部材。
図1は、本発明の一実施形態に係る梱包用部材1を示す上面図である。図2は、梱包用部材1の基材と伸縮フィルムとの間に物品を挿入した状態を示す上面図である。図3は、図2に示すように物品を挿入した状態で、梱包用部材1の基材を折曲げていく状態を示す斜視図である。図4は、図2に示すように物品を挿入した状態で、梱包用部材1の折返し部を折返した状態とした後、折返し部の係合片を中央部の係合孔に係合するときの状態を示す斜視図である。図5及び図6はそれぞれ、図2に示すように物品を挿入した状態で、梱包用部材1の折返し部を折返した状態とし、折返し部の係合片を中央部の係合孔に係合した状態(梱包用部材で物品を梱包した状態)を示す上面図及び下面図である。
基材10及び伸縮フィルム30はそれぞれ、略長方形状に形成されている。したがって、梱包用部材1も略長方形状である。
以下においては、基材10の一方の面(伸縮フィルム30が配備された面)を「上面」、基材10の他方の面を「下面」、梱包用部材1の長手方向を「第1方向」、第1方向と直交する方向を「第2方向」として説明する。
折返し部11は、基材10の第1方向の一方の縁から延出している。折返し部12は、基材10の第1方向の他方の縁から延出している。
伸縮フィルム30は、貼着部31,32以外の部分では、基材10に溶着していない。したがって、基材10の中央部13と伸縮フィルム30との間に、物品100を挿入可能となっている。また、基材10を前記のように折曲げたときに、伸縮フィルム30が引き伸ばされるようになっている。
折返し部12には、2つの係合片18,19(第1の係合部)が形成されている。係合片18,19はそれぞれ、折返し部12の第2方向両縁から離間した位置に形成された一対の切込み23,24で区画されている。一対の切込み23,24は、基材10の第1方向の折返し部12側の縁から内側に延び、基材10及びその上の伸縮フィルム30を厚さ方向に貫通している。
係合孔25,26はそれぞれ、折返し部11を折返した状態としたときに、折返し部11の係合片16,17を係合可能に形成されている。すなわち、第2方向において、係合孔25,26の両端の位置は、係合片16,17の両端、つまり一対の切込み21,22の位置と略一致する。また、第1方向において、折線14aから係合孔25,26までの距離は、折線14aから係合片16,17の基部、つまり一対の切込み21,22の折線14a側の末端までの距離と略一致する。
同様に、係合孔27,28はそれぞれ、折返し部12を折返した状態としたときに、折返し部12の係合片18,19を係合可能に形成されている。
伸縮フィルム(1):熱可塑性エラストマー含有層と、前記熱可塑性エラストマー含有層の一方の面側に設けられた第1のポリオレフィン系樹脂含有層と、を備え、前記第1のポリオレフィン系樹脂含有層が、極性付与剤を含有する、伸縮フィルム。
伸縮フィルム(2):熱可塑性エラストマー含有層と、前記熱可塑性エラストマー含有層の一方の面側に設けられた第2外層と、前記熱可塑性エラストマー含有層の他方の面側に設けられた第1外層と、を備え、前記第2外層は、密度が0.87g/cm3以上のポリマーを含有し、前記第1外層は、前記第2外層に含まれるポリマーの融点Tm2に対して20℃以上高い融点Tm1を有するポリマーを含有する、伸縮フィルム。
本明細書において、融点は、示差走査熱量測定によって求めた値である。
伸縮フィルム30として伸縮フィルム(1)を用いる場合、伸縮フィルム(1)の第1のポリオレフィン系樹脂含有層が基材10に熱溶着される。伸縮フィルム30として伸縮フィルム(2)を用いる場合、伸縮フィルム(2)の第2外層が基材10に熱溶着される。
これらの伸縮フィルムの中でも、接着強度および低温ヒートシール性の点から、伸縮フィルム(1)が好ましい。伸縮フィルム(1)、(2)については後で詳しく説明する。
まず、基材に打ち抜き加工、折曲げ加工、プレス加工等の加工を施して、所定の外形を有し、折曲げ部14,15及び係合孔25,26,27,28が形成された基材10を作製する。次いで、基材10に伸縮フィルム30を重ね、伸縮フィルム30の第1方向両縁部をそれぞれ基材10の折返し部11,12に貼着する。その後、一対の折返し部11,12それぞれに切込み21,22,23,24を形成することにより係合片16,17,18,19を形成する。これにより梱包用部材1が得られる。
伸縮フィルム30の貼着方法は、特に限定されず、熱溶着する方法、接着剤で接着する方法、テープ等で接着する方法等が挙げられる。コストの点では、熱溶着する方法が好ましい。伸縮フィルム30を熱溶着する方法としては、例えば、加熱したヒートシールバーを伸縮フィルム30に押し当てる方法や超音波でフィルムを瞬間的に溶融する方法等が挙げられる。
まず、図2に示すように、梱包用部材1の基材10と伸縮フィルム30との間に物品100を挿入し、中央部13の上面に配置する。
次いで、図3に示すように、基材10を、折曲げ部14の位置で、伸縮フィルム30が配備されている側が外側になるように、つまり折返し部11の下面と中央部13の下面が接触するように折曲げて、折返し部11が折返された状態とする。また、基材10を、折曲げ部15の位置で、伸縮フィルム30が配備されている側が外側になるように折曲げて、折返し部12が折返された状態とする。これにより、伸縮フィルム30が引き伸ばされ、基材10と伸縮フィルム30との間の物品100が、折返し部11,12の折返し前よりも強い力で基材10に押し付けられる。
次いで、図4に示すように、折返し部11,12の係合片16,17,18,19を中央部13側に折返し、係合孔25,26,27,28に挿入する。これにより、図5~6に示すように、係合片16,17,18,19が係合孔25,26,27,28に係止した状態になる。必要に応じて、係合孔25,26,27,28に挿入された係合片16,17,18,19を、係合孔25,26,27,28から抜けにくくするために、折曲げてもよい。
梱包容器としては、例えば、箱、袋等が挙げられ、通常は箱が使用される。箱としては、通常、物品100を梱包した梱包用部材1が輸送の際に箱の中で移動することを防止するために、底面の外形が、物品100を梱包した梱包用部材1の外形、つまり中央部13の外形と略一致するものが用いられる。
梱包容器の材質としては、例えば、紙、樹脂等が挙げられ、なかでも、紙が好ましく、段ボールがより好ましい。梱包容器としては、段ボール箱が特に好ましい。
伸縮フィルム(1)は、熱可塑性エラストマー含有層と、第1のポリオレフィン系樹脂含有層とを備える。伸縮フィルム(1)は、熱可塑性エラストマー含有層の他方の面側に、第2のポリオレフィン系樹脂含有層を備えていてもよい。
熱可塑性エラストマーとは、常温でゴム弾性を有する熱可塑性樹脂のことである。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらエラストマーのなかでも、第1のポリオレフィン系樹脂含有層との接着性及び第2のポリオレフィン系樹脂含有層との接着性が良いことから、オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン-αオレフィン共重合体が挙げられる。エチレン-αオレフィン共重合体を構成するαオレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等が挙げられる。エチレン-αオレフィン共重合体は、ランダム共重合体でもよいし、ブロック共重合体でもよいが、ブロック共重合体が好ましい。
融点を有する熱可塑性エラストマーの融点は、ヒートシール加工性の点から、第2のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれるポリオレフィン系樹脂の融点よりも低いことが好ましく、第2のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれるポリオレフィン系樹脂の融点に対して20℃以上低いことがより好ましい。これにより、ヒートシール加工性に優れ、基材への熱溶着時にフィルム形状が変化し、場合によっては溶着部の端部の破断(エッジ切れ)が発生することを防止できる。
融点を有する熱可塑性エラストマーの融点は、実用上、130℃以下であることが好ましい。融点を有する熱可塑性エラストマーの融点は、実用上、80℃以上であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーは、市販のものを用いてもよいし、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。市販の熱可塑性エラストマーとしては、エクソンモービル社のビスタマックス6102FL(融点なし)、ビスタマックス8880(融点なし)、ダウケミカル社製のInfuse9007(融点119℃)等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーの含有量は、熱可塑性エラストマー含有層の総質量に対し、70~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であることがさらに好ましい。熱可塑性エラストマーの含有量が前記下限値以上であれば、伸縮フィルム(1)の伸縮性が充分に高くなり、物品の保持性をより向上させることができる。
他のポリマーとしては、目的の性能を得やすい点で、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
本明細書において、層の厚さは、梱包用フィルムの断面を、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて観察し、5か所以上の厚さを計測し、平均した値である。
ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン単位(エチレン単位、プロピレン単位等)を有する樹脂である。オレフィン単位の含有量は、ポリオレフィン系樹脂の総質量に対し、例えば60~100質量%である。
以下、第1のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれるポリオレフィン系樹脂を「第1のポリオレフィン系樹脂」ともいう。
ブロックポリプロピレンとは、ホモポリプロピレンのマトリックス中又はエチレン単位を5質量%以下の割合で含むランダムポリプロピレンのマトリックス中にゴム成分が含まれる樹脂のことである。ゴム成分としては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、エチレン-オクテン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-ヘキセン共重合体、プロピレン-オクテン共重合体等が挙げられる。
通常、ブロックポリプロピレンは、一段目の重合にて、マトリックスとなるホモポリプロピレン又はランダムポリプロピレンを形成し、そのホモプロピレン又はランダムポリプロピレンの存在下、二段目の重合にて、ゴム成分を形成する。このように重合によってマトリックス中にゴム成分を形成することによって、ゴム成分の分散性を向上させることができる。
第1のポリオレフィン系樹脂の密度は、伸縮フィルム(1)の実用上、0.91g/cm3以下であることが好ましい。
第1のポリオレフィン系樹脂の融点は、130℃以下が好ましい。融点が130℃以下であれば、伸縮フィルム(1)の低温接着性が優れ、従来よりも低温(例えば120~145℃)で基材への熱溶着を行っても充分な接着強度が得られる。
第1のポリオレフィン系樹脂の融点は、実用上、80℃以上であることが好ましい。
ブロックポリプロピレンの場合、樹脂中に含まれるゴム成分の比率や構造によって融点や結晶化度(融解熱量)を調整できる。
第1のポリオレフィン系樹脂の含有量は、第1のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対し、80~99質量%であることが好ましく、83~96質量%であることがより好ましく、85~95質量%であることがさらに好ましい。第1のポリオレフィン系樹脂の含有量が前記下限値以上であれば、伸縮フィルム(1)の伸縮性が充分に高くなる。第1のポリオレフィン系樹脂の含有量が前記上限値以下であれば、伸縮フィルム(1)の低温接着性がより優れる。
極性付与剤は、第1のポリオレフィン系樹脂に極性を付与する作用を有する。第1のポリオレフィン系樹脂に極性を付与することで、第1のポリオレフィン系樹脂含有層と紙基材等の基材との接着性が高まり、従来よりも低温で基材への熱溶着を行っても充分な接着強度が得られる。
無水カルボン酸としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水安息香酸等が挙げられる。
分子内に無水カルボン酸構造を有するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、分子内に無水カルボン酸構造を有するポリプロピレン、無水カルボン酸構造を有するポリエチレン等が挙げられる。
なお、極性付与剤として機能するポリオレフィン系樹脂は、第1のポリオレフィン系樹脂ではなく、極性付与剤として取り扱う。
極性付与剤の融点は、140℃以下が好ましく、137℃以下がより好ましい。極性付与剤の融点が前記上限値以下であれば、低温で基材への熱溶着を行ったときの接着強度がより優れる。
極性付与剤の融点が低いほど、伸縮フィルム(1)の熱溶着に要する時間を短縮でき、極性付与剤の融点の下限は特に限定されないが、実用上、極性付与剤の融点は、90℃以上であることが好ましい。
本明細書において、酸価は、JIS K 0070によって求めた値である。
極性付与剤の含有量は、第1のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対して1~15質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがより好ましく、3~8質量%であることがさらに好ましい。極性付与剤の含有量が前記下限値以上であれば、伸縮フィルム(1)の低温接着性がより優れる。極性付与剤の含有量が前記上限値以下であれば、伸縮フィルム(1)の伸縮性が充分に高くなる。
特に、第1のポリオレフィン系樹脂含有層は、ブロッキングをより防止するために、スリップ剤を含有することが好ましい。スリップ剤のなかでも、ブロッキング防止性が特に優れることから、有機スリップ剤が好ましく、アマイド系スリップ剤がより好ましい。アマイド系スリップ剤としては、例えば、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド等が挙げられ、エルカ酸アマイドが好ましい。
以下、第2のポリオレフィン系樹脂含有層に含まれるポリオレフィン系樹脂を「第2のポリオレフィン系樹脂」ともいう。
第2のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられる。これらのなかでも、柔軟性により優れ、融点が高いことから、ランダムポリプロピレンが好ましい。
第2のポリオレフィン系樹脂の融点は、第1のポリオレフィン系樹脂の融点よりも高いことが好ましく、(第1のポリオレフィン系樹脂の融点+20℃)以上であることがより好ましく、(第1のポリオレフィン系樹脂の融点+30℃)以上であることがさらに好ましい。第2のポリオレフィン系樹脂の融点が第1のポリオレフィン系樹脂の融点よりも高ければ、基材への熱溶着時に伸縮フィルム(1)が溶断することをより防止できる。
伸縮フィルム(1)を製造しやすくする点では、第2のポリオレフィン系樹脂の融点は、(第1のポリオレフィン系樹脂の融点-70℃)以下であることが好ましい。
第2のポリオレフィン系樹脂の融点は、140℃以上であることが好ましい。
第2のポリオレフィン系樹脂の融点は、実用上、180℃以下であることが好ましい。
ランダムポリプロピレンの場合、エチレン単位の含有割合によって融点を調整できる。ランダムポリプロピレンにおけるエチレン単位の含有割合が多い程、融点が低くなる傾向にある。
第2のポリオレフィン系樹脂の含有量は、第2のポリオレフィン系樹脂含有層の総質量に対し、70~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であることがさらに好ましい。第2のポリオレフィン系樹脂の含有量が前記下限値以上であれば、伸縮フィルム(1)の耐熱性がより優れる。
伸縮フィルム(1)が延伸フィルムである場合、一軸延伸フィルムであってもよいし、二軸延伸フィルムであってもよい。
熱可塑性エラストマーと任意成分(他のポリマー、添加剤等)とを混合して熱可塑性エラストマー層形成用樹脂材料を調製する。任意成分を含まない場合には、熱可塑性エラストマー層形成用樹脂材料は熱可塑性エラストマーのみからなる。
第1のポリオレフィン系樹脂と、極性付与剤と、任意成分(添加剤等)とを混合して第1のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料を調製する。任意成分を含まない場合には、第1のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料は第1のポリオレフィン系樹脂及び極性付与剤からなる。
必要に応じて、第2のポリオレフィン系樹脂と、任意成分(添加剤等)とを混合して第2のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料を調製する。任意成分を含まない場合には、第2のポリオレフィン系樹脂含有層形成用樹脂材料は第2のポリオレフィン系樹脂のみからなる。
押出機によって成形された溶融状態の2層又は3層積層体を、キャストロールの周面に密着させ、冷却して、伸縮フィルム(1)を得る。キャストロールを用いてフィルムを成形するキャスト法を適用すると、伸縮フィルム(1)の生産性を容易に向上させることができる。
伸縮フィルム(2)は、熱可塑性エラストマー含有層と、前記熱可塑性エラストマー含有層の一方の面側に設けられた第2外層と、前記熱可塑性エラストマー含有層の他方の面側に設けられた第1外層と、を備える。
熱可塑性エラストマー含有層は、伸縮フィルム(1)の熱可塑性エラストマー含有層と同様である。
第1外層に含まれるポリマーとしては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。これらポリマーのなかでも、柔軟性により優れ、融点が高いことから、ランダムポリプロピレンが好ましい。
融点Tm1は、融点Tm2に対して30℃以上高いことが好ましい。伸縮フィルム(2)を製造しやすくする点では、融点Tm1と融点Tm2との差は70℃以下であることが好ましい。
前記融点Tm1は、140℃以上であることが好ましい。前記融点Tm1は、実用上、180℃以下であることが好ましい。
前記融点Tm2は、120℃以下であることが好ましい。前記融点Tm1は、実用上、80℃以上であることが好ましい。
特に、第1外層においては、融点Tm1を有するポリマーの含有量が70~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であることがさらに好ましい。
ブロックポリプロピレンとしては、伸縮フィルム(1)の第1のポリオレフィン系樹脂含有層の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
特に、第2外層においては、密度0.87g/cm3以上のポリマーの含有量が70~100質量%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であることがさらに好ましい。
特に、第2外層は、ブロッキングをより防止するために、スリップ剤を含有することが好ましい。スリップ剤としては、伸縮フィルム(1)の第1のポリオレフィン系樹脂含有層の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
伸縮フィルム(2)が延伸フィルムである場合、一軸延伸フィルムであってもよいし、二軸延伸フィルムであってもよい。
エンボス加工は、第1外層の外面のみに形成されてもよいし、第2外層の外面に形成されてもよいし、第1外層の外面及び第2外層の外面の両方に形成されてもよい。
第1の係合部を係合孔、第2の係合部を係合片としてもよい。
一対の折返し部11,12のいずれか一方に第1の係合部を設け、他方に第2の係合部を設けてもよい。
係合片の代わりにフック等を採用してもよい。
係合孔の代わりにハトメ等を採用してもよい。
第1の係合部及び第2の係合部以外の折返し状態維持手段を採用してもよい。第1の係合部及び第2の係合部以外の折返し状態維持手段としては、接着剤、接着テープ、紐、面ファスナー、つづり針(ステープル)等が挙げられる。
折線14a,15a及び切り欠き14b,14c,15b,15cが折曲げ部14,15を構成する例を示したが、折線14a,15a及び切り欠き14b,14c,15b,15cのいずれか一方を省略してもよい。折線14a,15aの代わりに、ミシン目、ハーフカット、印刷、プレス等を採用してもよい。
伸縮フィルムは不透明なものであってもよい。
10 基材
11,12 折返し部
13 中央部
14,15 折曲げ部
14a,15a 折線
14b,14c,15b,15c 切り欠き
16,17,18,19 係合片(第1の係合部)
21,22,23,24 切込み
25,26,27,28 係合孔(第2の係合部)
30 伸縮フィルム
31,32 貼着部
100 物品
Claims (5)
- シート状の基材と、前記基材の一方の面に配備された伸縮フィルムとを備え、前記基材と前記伸縮フィルムとの間に物品を挟持する梱包用部材であって、
前記基材は、前記物品が配置される中央部と、前記中央部の第1方向の一方側又は両側に設けられた折返し部と、前記中央部と前記折返し部との間に設けられた折曲げ部とを有し、前記折返し部に前記伸縮フィルムが貼着されており、
前記基材を、前記折曲げ部の位置で、前記伸縮フィルムが配備されている側が外側になり、前記中央部及び前記折り返し部それぞれの、前記伸縮フィルムが配備されている側とは反対側の面同士が接触するように折曲げて前記折返し部が折返された状態としたときに、その状態を維持する折返し状態維持手段を備える、梱包用部材。 - 前記折返し部が、前記中央部の第1方向の両側に設けられている、請求項1に記載の梱包用部材。
- 前記折返し状態維持手段は、第1の係合部と、前記第1の係合部と係合可能な第2の係合部とを備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合することによって前記折返し部の折返し状態を維持するものであり、
前記折返し部に前記第1の係合部が設けられ、前記中央部に前記第2の係合部が設けられている、請求項1に記載の梱包用部材。 - 前記折返し状態維持手段は、第1の係合部と、前記第1の係合部と係合可能な第2の係合部とを備え、前記第1の係合部と前記第2の係合部とを係合することによって前記折返し部の折返し状態を維持するものであり、
前記中央部の第1方向の両側の折返し部それぞれに前記第1の係合部が設けられ、前記中央部に前記第2の係合部が設けられているか、又は
前記中央部の第1方向の両側の折返し部のいずれか一方に前記第1の係合部が設けられ、他方に前記第2の係合部が設けられている、請求項2に記載の梱包用部材。 - 前記第1の係合部及び前記第2の係合部のいずれか一方が係合片であり、他方が前記係合片を挿入可能な係合孔である、請求項3又は4に記載の梱包用部材。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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---|---|---|---|---|
JP2015078008A (ja) | 2013-10-18 | 2015-04-23 | 株式会社日立システムズ | 電子機器用包装体 |
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-
2018
- 2018-06-19 JP JP2018116234A patent/JP7113676B2/ja active Active
Patent Citations (2)
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JP2015078008A (ja) | 2013-10-18 | 2015-04-23 | 株式会社日立システムズ | 電子機器用包装体 |
JP2018034874A (ja) | 2016-09-01 | 2018-03-08 | 株式会社中川パッケージ | 梱包用緩衝材 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101166136B1 (ko) | 2011-05-13 | 2012-07-23 | 한국원자력연구원 | 감쇄탱크 |
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