JP6205483B2 - 線状引き裂き伝播抵抗を有する多層フィルム - Google Patents

Description

本発明は、以下により形成される層配列を含む多層フィルムであって、
（ａ）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンで構成されるか、又は（α）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと（β）少なくとも１つの脂肪族Ｃ_３〜Ｃ_６オレフィンホモポリマーもしくはコポリマーとの混合物で構成される層（ａ）、
（ｂ）（Ｉ）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと、（ＩＩ）ポリスチレン及びスチレン系コポリマーを含む群から選択される少なくとも１つの熱可塑性ポリマーとの混合物で構成される層（ｂ）、
（ｃ）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンで構成されるか、又は（α）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと（β）少なくとも１つの脂肪族Ｃ_３〜Ｃ_６オレフィンホモポリマーもしくはコポリマーとの混合物で構成される層（ｃ）、
ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ６３８３−２に従ってエルメンドルフ試験により５０μｍの総フィルム厚で求められる機械方向及び機械方向に垂直な方向の両方向における前記多層フィルムの引き裂き伝播力は、１０００ｍＮ以下であることを特徴とする。

先行技術、例えば、英国特許出願公開第２３９７０６５号明細書には、包装の製造に適した線状引き裂き伝播が可能な多層フィルムが既に開示されている。機械方向における前記多層フィルムの引き裂き伝播力は低いが、他方、機械方向に垂直な方向における引き裂き伝播力は著しく高い。

そのため、この種の多層フィルムを包装用に加工するのを制限する要因は、この種の多層フィルムから製造される包装を開くための引き裂き方向が、より小さい引き裂き伝播力により予め定められ、したがって、包装のためのフィルムのさらなる加工様式が予め定められていることにある。

その上、従来技術から公知の線状引き裂きできる多層フィルムは、引き裂き及び引き裂き伝播に関して不適切な機械的性質、例えば、過度に低い穿刺抵抗又は不満足な特性を示すことが多い。

しかしながら、特に、包装材料、例えば使い捨て包装材料の形態で使用される多層フィルムは、開封時の未制御の引き裂き、及び場合によりそれが原因の包装した製品への不適切なアクセスを回避するために、引き裂き及び引き裂き伝播に関して、できるかぎり向上した線状引き裂き特性を有さねばならない。

更に、多層フィルムから製造される包装の取扱いを容易にするのに、包装材料の穿刺抵抗ができる限り高いのは有利である。多層フィルムで包装される製品は、貯蔵及び輸送中に相互に重なり合った層又は積み重ねで通常配置され、包装の意図されない傷がそこで生じ得ることがその理由である。これにより、傷物の数が増加することとなる。

そのため、縦方向及び横方向において、まっすぐで線状の引き裂き伝播に関して非常に良好な性質を特徴とし、かつ非常に良好な穿刺抵抗も有する多層フィルムへの需要がある。

したがって、本発明の目的は、改善された機械的性質、例えば、縦方向及び横方向における低い引き裂き伝播力並びに改善された穿刺抵抗などを有し、また開封時に、まっすぐな線状引き裂きからのずれが最小である多層フィルムを提供することである。

この目的は、本発明の多層フィルムを提供することにより達成され、この多層フィルムは、
（ａ）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンで構成されるか、又は（α）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと（β）少なくとも１つの脂肪族Ｃ_３〜Ｃ_６オレフィンホモポリマーもしくはコポリマーとの混合物で構成される層（ａ）と、
（ｂ）（Ｉ）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと、（ＩＩ）ポリスチレン及びスチレン系コポリマーを含む群から選択される少なくとも１つの熱可塑性ポリマーとの混合物で構成される層（ｂ）と、
（ｃ）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンで構成されるか、又は（α）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと（β）少なくとも１つの脂肪族Ｃ_３〜Ｃ_６オレフィンホモポリマーもしくはコポリマーとの混合物で構成される層（ｃ）と
により形成される層配列を含み、ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ６３８３−２に従ってエルメンドルフ試験により５０μｍの総フィルム厚で求められる機械方向及び機械方向に垂直な方向の両方向における多層フィルムの引き裂き伝播力は、１０００ｍＮ以下であることを特徴とする。

本発明の目的において、「層配列」という表現は、層（ａ）、層（ｂ）及び層（ｃ）が、列挙した配列で存在し、且つ、互いに直接隣接して存在することを意味する。追加層が、場合により、前記層配列の少なくとも一表面上に存在してもよい。

本発明の意味において、「低密度ポリエチレン」及び「ＬＤＰＥ」という表現は、非発泡の低密度ポリエチレンを意味し、これは分子の分岐度が高い点が特徴である。

本発明において、「機械方向」という表現は、多層フィルムが製造され、場合により巻き上げられる製造方向を意味し、「機械方向に垂直」という表現は、この多層フィルムの製造方向に対して直角の方向を意味する。

好ましい実施形態では、機械方向及び機械方向に垂直な方向の両方向における本発明の多層フィルムの引き裂き伝播力は、ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ６３８３−２に従ってエルメンドルフ試験によって求められ、フィルムの総厚が５０μｍの場合、８００ｍＮ以下である。

更に好ましくは、本発明の多層フィルムについて、ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ６３８３−２に従ってエルメンドルフ試験により５０μｍの総フィルム厚で求められる機械方向の引き裂き伝播力と機械方向に垂直な方向の引き裂き伝播力との比は、２：１〜１：２、好ましくは１．５：１〜１：１．５である。

本発明の多層フィルムは、ＡＳＴＭ Ｅ１５４−８８ パート１０に従って５０μｍの総フィルム厚で求められる穿刺抵抗が高いことを特徴とし、好ましくは少なくとも３０Ｎ、特に好ましくは少なくとも４０Ｎである。

好ましい実施形態では、層（ａ）、層（ｂ）及び層（ｃ）の各々のポリエチレンの密度は、０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内である。

層（ａ）、層（ｂ）及び層（ｃ）のポリエチレンの融点は、ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ３１４６により求められ、１１８℃以下、特に１１６℃以下であるのが好ましい。

層（ａ）及び層（ｃ）の両方は、同一でも又は異なってもよいが、各層のポリマー成分として、（α）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３、好ましくは０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと、（β）少なくとも１つの脂肪族Ｃ_３〜Ｃ_６オレフィンホモポリマー又はコポリマー、好ましくはプロピレンホモポリマー又はコポリマー、特に好ましくはポリプロピレン及び／又はプロピレンコポリマーとの混合物で構成してもよい。

（α）及び（β）のポリマー混合物は、何れの場合も、（α）及び（β）のポリマー混合物の総重量に対して、少なくとも５０重量％、特に好ましくは、少なくとも７０重量％〜９５重量％の程度まで、ポリエチレン成分（α）で構成するのが好ましい。

好ましくは、層（ａ）及び層（ｃ）のうちの少なくとも１つは、本発明の多層フィルムの表面層であり、好ましくはヒートシール可能である。

層（ａ）及び層（ｃ）は、同一でも又は異なっていてもよく、好ましくは同一である。

本発明の多層フィルムの層（ａ）及び層（ｃ）の各々の厚さは、好ましくは５μｍ〜７５μｍ、より好ましくは１０μｍ〜５０μｍ、更に好ましくは１５μｍ〜２５μｍである。

本発明の多層フィルムの好ましい実施形態では、層（ａ）及び層（ｃ）は、同一の層構造、好ましくは同一の厚さ及び／又は同一のポリマー成分組成を有する。

本発明の多層フィルムの層（ｂ）は、（Ｉ）０．９１５〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３、好ましくは０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと、（ＩＩ）ポリスチレン及びスチレン系コポリマーを含む群から選択される少なくとも１つの熱可塑性ポリマーとの混合物に基づいている。

ポリマー成分（ＩＩ）として、有利に好適なのは、ポリスチレン、スチレン／アクリロニトリルのコポリマー、スチレン／ブタジエンのコポリマー、スチレン／（メタ）アクリレートのコポリマー、スチレン／アクリロニトリル／（メタ）アクリレートのコポリマー、スチレン／アクリロニトリル／ブタジエンのコポリマー、特に好ましくは少なくとも１つのポリスチレンである。

好ましい実施形態では、ＩＳＯ １１３５７−１、−２、−３（ＤＳＣ）に従って求められるポリマー成分ＩＩのガラス転移温度Ｔ_ｇは、少なくとも６０℃であり、好ましくは少なくとも８０℃であり、極めて好ましくは少なくとも９０℃である。

層（ｂ）のスチレン系コポリマー中のスチレンの割合は、スチレン系コポリマーの総重量に対して、好ましくは少なくとも４０重量％、特に好ましくは少なくとも５０重量％である。

特別な一実施形態では、層（ｂ）中のポリマー成分（ＩＩ）の割合は、この層（ｂ）のポリマー成分（Ｉ）及び（ＩＩ）の総重量に対して、５０重量％以下、好ましくは４０重量％以下、特に好ましくは２０〜３５重量％である。

好ましくは、層（ｂ）の厚さは、５μｍ〜１００μｍ、特に１０μｍ〜５０μｍ、極めて特に１５μｍ〜３０μｍである。

層（ｂ）の厚さは、層配列（ａ）〜（ｃ）の総厚に対して、少なくとも２０％、特に２５〜７５％であることが好ましい。

層配列（ａ）〜（ｃ）の総厚は、多層フィルムの総厚に対して、少なくとも３０％、特に５０％〜１００％であることが好ましい。

本発明の多層フィルムは、任意の所望の製造プロセス、例えば、積層、押出、好ましくは共押出、極めて特に好ましくはインフレーションフィルム共押出法によって製造することができる。

別の実施形態では、本発明の多層フィルムは、それぞれ個々の層として、その層の部分的な複合体として、又は多層フィルム全体として、チューブラーフィルムの形状で製造され、加工してもよい。

別の好ましい実施形態では、少なくとも層配列（ａ）〜（ｃ）は、好ましくは共押出されたチューブラーフィルムの形状で製造される。

共押出された層配列（ａ）〜（ｃ）のブローアップ比は、好ましくは少なくとも１：１、より好ましくは少なくとも１．５：１、更に好ましくは少なくとも２：１としてよい。

別の実施形態では、多層フィルムは、共押出された層配列（ａ）〜（ｃ）及び場合により少なくとも１つのさらなる層を含む積層の形態で製造してもよい。

存在するさらなる層は、バリア層（ｄ）及び／又は基材層としての、少なくとも１つの熱可塑性ポリマーに基づく層（ｅ）であってよく、その際、バリア層は、場合により、接着促進剤層により、フィルム複合体の他の層にそれぞれ直接に結合される。

別の好ましい実施形態では、多層フィルム全体は、好ましくは共押出されたチューブラーフィルムの形状を有し、かつ場合により、加工してフラットフィルムにすることができる。

本発明の多層フィルムが製造される形状は、押出し、特にインフレーションフィルム共押出により製造される多層インフレーションフィルムの形状とするのが好ましい。

別の実施形態では、ある程度まで又は完全にキャストフィルムとして、多層フィルムを製造及び加工してもよい。

好ましくは、キャストフィルムの形状で製造される多層フィルムは、少なくとも１：１．５、特に少なくとも１：２、特に好ましくは１：２〜１：４の延伸比で、少なくとも一軸延伸されていることが好ましい。

好ましい実施形態では、キャストフィルムの形状で製造される多層フィルムは、好ましくは少なくとも１：１．５、特に好ましくは少なくとも１：２、極めて特に好ましくは１：２〜１：４の延伸比で、縦方向に一軸延伸され得る。

別の好ましい実施形態では、二軸延伸キャストフィルムの形状で製造される多層フィルムは、好ましくは少なくとも１：１、特に好ましくは少なくとも１．１：１、極めて特に好ましくは少なくとも１．２：１の縦延伸対横延伸の比を有する。

前記したように、本発明の多層フィルムの個々の層又は全ての層は、好ましくはフラットフィルム押出物（＝キャストフィルム）の形状で、又は場合により多層チューブラーフィルムの形状で、（共）押出法によって製造することができる。このようにして押出されるフィルムは、製造中に又は好ましくは押出直後に、必要な程度まで延伸することができる。

本発明により使用される多層フィルムの個々の層を、前記プロセスの１つにより別々に製造するか又は複合体内の個々の層の接着が不十分である場合、多層フィルムの構造に接着促進剤層を含むことも必要になるかもしれない。これは、例として、本発明で使用される多層フィルムに結合すべき層の１つに、例えば層（ｃ）上に、吹き付け又はキャスティングなどの通常の方法によって、溶融物の形態又は液体調合物の形態で、例えば溶液もしくは分散液の形態で施し、他の層の１つに結合させることができる。又は、バリア層等の別の層に又は層複合体に、層（ｃ）を直接に結合させるため、押出によって層（ｃ）に接着促進剤層を施すことも場合により可能である。

上述したように、本発明の多層フィルムは、層配列（ａ）〜（ｃ）に加えて、更なる層を含むことができる。これらの層は、更なる層の種類に応じて適切に、層配列（ａ）〜（ｃ）と共に、共押出しするか又は層配列（ａ）〜（ｃ）上にラミネートしてもよい。

したがって、本発明の多層フィルムは、層配列（ａ）〜（ｃ）に加えて、バリア層（ｄ）を含んでもよい。

バリア層（ｄ）は、ガスバリア層として機能を果たすものが好ましく、酸素−バリア層及び／又は水−蒸気−バリア層であることが特に好ましい。

バリア層（ｄ）は、好ましくは、少なくとも１つのエチレン−ビニルアルコールコポリマー、少なくとも１つのポリビニルアルコール、少なくとも１つの金属、好ましくはアルミニウム、又は少なくとも１つの金属酸化物、好ましくはＳｉＯｘもしくは酸化アルミニウムに基づくことができる。その際、この金属は、フィルム形状をとるか又は金属酸化物層の形状で蒸気相から適用できる。

バリア層（ｄ）は、対応するエチレン含有ポリ酢酸ビニル（ＥＶＡｃ）の実質的に完全な加水分解によって得られたエチレン−ビニルアルコールコポリマー（ＥＶＯＨ）に基づくことができる。前記完全に加水分解されたエチレン含有ポリ酢酸ビニルの加水分解度は、９８％以上であり、その中のエチレンの割合は、０．０１〜８０ｍｏｌ％、好ましくは１〜５０ｍｏｌ％である。

バリア層（ｄ）は、ポリビニルアルコールに基づいてもよく、これは、ポリ酢酸ビニル（ＰＶＡ）のほぼ完全な加水分解により得られ、且つ、完全に加水分解されたポリ酢酸ビニルとして、９８％以上の加水分解度を有する。

金属が、バリア層（ｄ）として使用される場合は、気相から堆積されるアルミニウムであることが好ましい。

バリア層（ｄ）の厚さは、好ましくは１μｍ〜１００μｍ、より好ましくは２μｍ〜８０μｍ、特に好ましくは３μｍ〜６０μｍ、極めて特に好ましくは４μｍ〜４０μｍである。その際、気相から堆積される金属酸化物又は金属の層厚は、Åのオーダーである。

本発明の多層フィルムは、層配列（ａ）〜（ｃ）及び存在する任意のバリア層（ｄ）に加えて、基材層として少なくとも１つの熱可塑性ポリマーに基づく層（ｅ）を、場合により備えてもよい。

層（ｅ）の製造に好適な材料は、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、及びこれらポリマーの少なくとも２種のモノマーで構成されるコポリマーを含む群から選択される熱可塑性ポリマーであり、特に好ましくはオレフィンホモポリマーもしくはコポリマー及び／又はポリエステルである。

本発明の多層フィルムは、好ましくは本発明の多層フィルムが包装材料として使用されない場合、その表面の少なくとも一方に、剥離層、好ましくは硬化ポリシロキサンに基づく少なくとも１つの剥離層を、場合により有してもよい。

本発明の多層フィルムは、多層フィルムが場合により包装材料として使用されない場合、その両面上に、剥離層、好ましくは硬化ポリシロキサンに基づく少なくとも１つの剥離層を、場合により有してもよい。

本発明の目的のために、「ポリシロキサン」という表現は、ケイ素と酸素原子を交互に配置するよう構成されるポリマー鎖を有する化合物を意味する。ポリシロキサンは、シロキサン単位のｎ回繰り返し（−［Ｓｉ（Ｒ_２）−Ｏ］−）_ｎに基づき、これは、何れの場合でも相互に独立して、２つの有機部分Ｒにより二置換され、式中、Ｒは、好ましくは何れの場合でもＲ^１又はＯＲ^１であり、Ｒ^１は、何れの場合もアルキル部分又はアリール部分である。

本発明の硬化ポリシロキサンは、ジアルキルシロキサン繰り返し単位又はアルキルアリールシロキサン繰り返し単位に基づくことが好ましい。四価ケイ素原子に基づき、各シロキサン単位が有するＳｉ−Ｏ結合数に応じて、１個のＳｉ−Ｏ結合を有する末端単官能性シロキサン（Ｍ）、２個のＳｉ−Ｏ結合を有する二官能性シロキサン（Ｄ）、３個のＳｉ−Ｏ結合を有する三官能性シロキサン（Ｔ）、及び４個のＳｉ−Ｏ結合を有する四官能性シロキサン（Ｑ）に前記単位を区別することができる。本発明で使用されるポリシロキサンは、好ましくは、２次元又は３次元ネットワークを生じるように（Ｄ）、（Ｔ）及び／又は（Ｑ）単位を介して連結された架橋環型の又は架橋鎖型の構造、特に好ましくは架橋鎖型の構造を有する。ポリシロキサン鎖中のシロキサン繰り返し単位（−［Ｓｉ（Ｒ_２）−Ｏ］−）_ｎの数ｎは、ポリシロキサンの重合度と呼ばれる。

場合により存在する剥離層は、付加架橋、好ましくは金属触媒による付加架橋、縮合架橋、フリーラジカル架橋、カチオン架橋及び／又は水分架橋のポリシロキサンを含む群から選択される、硬化された、即ち、架橋された少なくとも１つのポリシロキサンに基づくものが好ましい。

剥離層は、熱硬化を介して、電磁放射線、好ましくはＵＶ照射による硬化を介して、又は水分への曝露を介して硬化された少なくとも１つの硬化ポリシロキサンに基づくものが好ましい。本発明の多層フィルムの剥離層は、ＵＶ照射を介して硬化されたポリジアルキルシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサン、及びポリアルキルアリールシロキサン、好ましくはポリメチルフェニルシロキサンからなる群から選択される少なくとも１つの硬化ポリシロキサンに基づくものが好ましい。

本発明の多層フィルムの場合により存在する剥離層の厚さは、０．１μｍ〜３μｍ以下、好ましくは０．２μｍ〜１．５μｍであることが好ましい。

層（ａ）、層（ｂ）、層（ｃ）、場合により存在するバリア層（ｄ）、及び基材層（ｅ）、並びに場合により存在する前記ポリマー成分からなる接着促進剤層は、必要であれば、各場合において互いに独立して、抗酸化剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、帯電防止剤、抗菌成分、光安定剤、ＵＶ吸収剤、ＵＶフィルター、染料、着色顔料、安定剤、好ましくは熱安定剤、プロセス安定剤、並びに好ましくは少なくとも１つの立体障害アミン（ＨＡＬＳ）に基づくＵＶ安定剤及び／又は光安定剤、加工助剤、難燃剤、核形成剤、結晶化剤、滑剤、光学的光沢剤、柔軟剤、シール剤、可塑剤、シラン、スペーサー、充填剤、剥離添加剤、ワックス、湿潤剤、表面活性化合物、好ましくは界面活性剤、並びに分散剤からなる群から選択される添加剤を含んでもよい。

添加剤の適用又はこれらの量は、本発明の多層フィルムの引き裂き伝播特性を損なわないように注意を払わなければならない。

層（ａ）、層（ｂ）、層（ｃ）、場合により存在する層（ｄ）及び層（ｅ）並びに場合により存在する接着性促進剤層は、何れの場合も互いに独立して、何れの場合も個々の層の総重量に対して、少なくとも０．０１〜３０重量％、好ましくは少なくとも０．１〜２０重量％の少なくとも１つの前記添加剤を含んでもよい。この目的のため、添加剤は、ポリオレフィン又はオレフィンコポリマー中のマスターバッチの形態で、各々の層中に組み込んでもよい。

本発明の多層フィルムは、印刷、及び/又は着色、及び／又はエンボス加工されていてもよい。

本発明の多層フィルムは、場合により、その表面の少なくとも一方に、接着剤層を備えてもよい。

接着剤層に好適な接着剤の例は、アクリレート、天然ゴム、又はスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーに基づく感圧接着剤、及びシリコーン系接着剤、例えばポリジメチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンである。

本発明の多層フィルムは、好ましくは包装材料として好適である。

したがって、更に本発明は、包装材料としての本発明の多層フィルムの使用を提供する。

したがって、更に本発明は、包装体（Verpackungselement）の製造のための本発明の多層フィルムの使用を提供する。

本発明の多層フィルムは、包装体及び／又は包装を製造するのに、好ましくは包装袋、個包装体（Einzelportionsverpackung）、サシェ（sachet）、又はスティックパックを製造するのに特に適している。

したがって、更に本発明は、包装、好ましくは包装袋、個包装体、サシェ、又はスティックパックの製造のための本発明の多層フィルムの使用を提供する。

したがって、本発明は、更に、本発明の多層フィルムで作製された、包装袋、個包装体、サシェ、又はスティックパックの形状の包装を提供する。

本発明の多層フィルムは、好ましくは、易開封性（easy-to-open）包装を製造するのに使用される。

したがって、更に本発明は、本発明の多層フィルムで作られた易開封性包装を提供する。これにより、包装を開けるための引き裂き及びその後の引き裂き伝播が、まっすぐな線状引き裂きをもたらすので、包装された製品をこの種の包装から難なく取り出すことができる。このようにして、漏出等のリスクが最小となる。

本発明の多層フィルムは、好ましくは、易開封性包装体を製造するのに適しており、このような包装体としては、例えば、２つの部分にわかれる蓋の形態の包装がある。この種の本発明の２つの部分にわかれる包装としては、本発明の多層フィルムで作られた当該蓋と容器の場合も含み、後者は、好ましくは熱成形プラスチックから作られるトレイとして設計される。

したがって、本発明は、本発明の多層フィルムで作られた易開封性包装体、好ましくは蓋をさらに提供する。

本発明の包装の特徴は、使用される本発明の多層フィルムの製造方向と無関係に、即ち、機械方向及びそれに垂直な方向の両方向で、容易でまっすぐな線状引き裂き伝播を示し、そのため、開けやすいことにある。本発明の包装を開けるための引き裂きを補助するために、くぼみ又は脆弱点を利用することができる。くぼみ又は脆弱点を利用する場合、くぼみ又は脆弱点は、開けるための引き裂き方向に沿ってシールシーム（seal seam）の領域内に存在するのが好ましい。

本発明包装の別の特徴は、高い穿刺抵抗を有しているため、取り扱いがより容易であり、すなわち、同様の引き裂き伝播特性を有するフィルムと比較すると、貯蔵、輸送、及び販売中に衝撃に曝されることによって引き起こされる損傷を受けにくいことである。

別の好ましい実施形態では、本発明の多層フィルムは剥離フィルムとしても好適である。

したがって、特に本発明は、表面層として剥離層を有する剥離フィルムとしての本発明の多層フィルムの使用をさらに提供する。

この種の用途に使用する際の重要なファクターの１つは、剥離フィルムが、場合により保護用の基材と一緒に、直線コースに沿って所望の長さで、容易に分離できることである。そのため、本発明の多層フィルムは、その引き裂きによる分離および引き裂き伝播特性に関するその挙動に基づき、剥離フィルム及び保護フィルムとして特に好適である。

この種の実施形態では、本発明の多層フィルムは、粘着テープ用の保護及び剥離フィルムとして使用することができる。

したがって、更に本発明は、粘着テープ用の保護及び剥離フィルムとしての本発明の多層フィルムの使用を提供する。

［引き裂き伝播抵抗の決定］
固有のフィルム総厚を有する本発明の多層フィルムの、機械方向（ＭＤ）及び機械方向に垂直な方向（ＣＤ）の引き裂き伝播力（引き裂き伝播抵抗）は、ＩＳＯ６３８３−２に準拠してエルメンドルフ法によりそれぞれ求め、［ｍＮ］で示す。

［穿刺抵抗の決定］
固有のフィルム総厚を有する、本発明の多層フィルムの穿刺抵抗は、ＡＳＴＭ Ｅ１５４−８８パート１０に従って求め、［Ｎ］で示す。

［まっすぐな線状引き裂き伝播に関する特性の決定］
まっすぐな線状引き裂き伝播に関する本発明の多層フィルムの特性は、引き裂き（引き裂き伝播）時の直線コースからのずれを測定することによって評価する。［ｍｍ］で示す。

引き裂き伝播特性が測定される固有のフィルム総厚を有する本発明の多層フィルムのそれぞれから、１０個の試料を、その長さが機械方向（ＭＤ）と平行に１００ｍｍであり、その幅が機械方向の垂直方向（ＣＤ）に５０ｍｍとなるように切り取る。更に、１０個の試料を、その長さが機械方向の垂直方向（ＣＤ）に１００ｍｍであり、その幅が機械方向（ＭＤ）と平行に５０ｍｍとなるように切り取る。

個々の試料各々の幅側の中央に、機械方向および縦方向側と平行に、５０ｍｍの切り込みを作り、この切り込みの下で、各試料に、幅２０ｍｍ及び長さ９０ｍｍの両面粘着テープを、同心かつ縦方向側に平行に設ける。マーカーを使用して、切り込みからの線状外挿ラインをマークする。このラインは、ずれを測定するためのまっすぐな線状引き裂きラインとして機能する。

個々の試料の引き裂き特性を、温度及び湿度の標準条件下で求める（ＤＩＮ５００１４−２３／５０−２）。この目的のために、材料に接着させる両面粘着テープを使用して、幅１００ｍｍ、長さ３５０ｍｍの金属板上に、４５°の規定された角度［β］で個々の試料の各々の一方の側を固定する。

電子引き裂き試験機（Ｚｗｉｃｋ）の下側のクランプ内に金属板を留める。両面粘着テープを使用して、長さ４００ｍｍの堅いフィルム細片上に、個々の試料の自由側（固定されていないズボンの脚部（ｄａｓ ｎｉｃｈｔ ｆｉｘｉｅｒｔｅ Ｈｏｓｅｎｂｅｉｎ））の切り込み端部を固定し、引き裂き試験機の上側のクランプ内にこれを留める。

次に、各試料の両脚を、試料が完全に分離するまで１７５°の角度及び５００ｍｍ／分の速度で引き離す。

試料の線状引き裂き伝播特性を、試料端部でマーキングライン（切り込みを外挿するまっすぐな線状引き裂き）からのｍｍでの引き裂きの最大のずれＡを求めることによって評価する。

寸法１００ｍｍ（ＭＤ）×５０ｍｍ（ＣＤ）を有する１０個の試料について測定した最大のずれＡから平均値を計算する。これは、機械方向（ＭＤ）の線状引き裂き特性の評価に使用する。

それに応じて、寸法１００ｍｍ（ＣＤ）×５０ｍｍ（ＭＤ）を有する１０個の試料について測定した最大のずれＡから平均値を同様に計算する。これは、機械方向の垂直方向（ＣＤ）での線状引き裂き特性の評価に使用する。

以下の本発明の実施例および比較例を使用して、本発明を説明するが、これらは本発明を限定するものと解釈されない。

［Ｉ．使用ポリマーの化学的特性］
・Ｌｕｐｏｌｅｎ ２４２０Ｆ：Ｂａｓｅｌｌ製ＬＤＰＥ、密度（ＩＳＯ１１８３）：０．９２７ｇ／ｃｍ^３、融点（ＩＳＯ３１４６）：１１４℃
Ｉｎｎｏｖｅｘ ＬＬ ０２０９ＡＡ：Ｉｎｅｏｓ製ＬＬＤＰＥ、コモノマーとして１−ブテンを含む、密度（ＩＳＯ１１８３）：０．９２０ｇ／ｃｍ^３
・Ｐｏｌｙｓｔｙｒｅｎｅ １３４０：Ｔｏｔａｌ Ｐｅｔｒｏｃｈｅｍｉｃａｌｓ製ポリスチレン、密度（ＩＳＯ１１８３）：１．０５ｇ／ｃｍ^３、ビカット軟化温度ＶＳＴ／Ａ／５０（ＩＳＯ３０６）：９８℃
・Ｓｔｙｒｏｌｕｘ ３Ｇ ５５：ＢＡＳＦ製スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、密度（ＩＳＯ１１８３）：１．０１ｇ／ｃｍ^３、ビカット軟化温度ＶＳＴ／Ａ／５０（ＩＳＯ３０６）：６７℃
・Ｅｘｃｅｅｄ １０１８ ＣＡ：ＥｘｘｏｎＭｏｂｉｌ製メタロセンエチレン−ヘキセンコポリマー、密度０．９１８ｇ／ｃｍ^３、融点（ＩＳＯ３１４６）：１１９℃

［ＩＩ．本発明による多層フィルムの製造又は単層及び多層比較フィルムの製造］
比較例（ｃｅ１）によれば、フィルムは１層からなり、総厚５０μｍを有する。比較例（ｃｅ２）及び本発明例（ｉｅ１）によれば、フィルムは３層からなり、何れの場合も総厚５０μｍを有する。層厚さの比は、１：２：１である。多層フィルムｃｅ２及びｉｅ１の個々の層は、以下に列挙される順序で互いに直接隣接する。フィルムｃｅ１、ｃｅ２及びｉｅ１は、何れの場合もインフレーションフィルム共押出によって製造した。ブローアップ比は、何れの場合でも２：１であった。

［ＩＩＩ．実施例および比較例］
以下の％データは、すべて重量％である。

ＩＩＩ．１（実施例１）
・層（ａ）（１２．５μｍ）：Ｌｕｐｏｌｅｎ ３０２０Ｈ １００％
・層（ｂ）（２５μｍ）：Ｌｕｐｏｌｅｎ ３０２０Ｈ ８０％及びＰｏｌｙｓｔｙｒｅｎｅ １３４０ ２０％
・層（ｃ）（１２．５μｍ）：Ｌｕｐｏｌｅｎ ３０２０Ｈ １００％

ＩＩＩ．２（比較例１）
・層（ａ）（５０μｍ）：Ｉｎｎｏｖｅｘ ＬＬ ０２０９ＡＡ ８０％及びＰｏｌｙｓｔｙｒｅｎｅ １３４０ ２０％

ＩＩＩ．３（比較例２）
・層（ａ）（１２．５μｍ）：Ｅｘｃｅｅｄ １０１８ ＣＡ １００％
・層（ｂ）（２５μｍ）：Ｓｔｙｒｏｌｕｘ ３Ｇ ５５ ７０％及びＰｏｌｙｓｔｙｒｅｎｅ １３４０ ３０％
・層（ｃ）（１２．５μｍ）：Ｅｘｃｅｅｄ １０１８ ＣＡ １００％

［ＩＶ．エルメンドルフ引き裂き抵抗、穿刺抵抗、及びまっすぐな線状引き裂きからのずれの測定］
機械方向（ＭＤ）及び機械方向の垂直方向（ＣＤ）の引き裂き抵抗（エルメンドルフ）、及び穿刺抵抗、並びに機械方向（ＭＤ）及び機械方向の垂直方向（ＣＤ）で引き裂き伝播時の直線状引き裂きからのずれを、それぞれ、先に記載の方法により、実施例（ｉｅ１）の多層フィルム及び比較例（ｃｅ１）による単層フィルム及び比較例（ｃｅ２）による多層フィルムについて、それぞれフィルム総厚５０μで求めた。

Claims (31)

1. （ａ）０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンで構成されるか、又は（α）０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと（β）少なくとも１つの脂肪族Ｃ_３〜Ｃ_６オレフィンホモポリマーもしくはコポリマーとの混合物であってこの混合物の総重量に対して５０重量％以上が前記（α）で構成される層（ａ）と、
   （ｂ）（Ｉ）０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと、（ＩＩ）ポリスチレン及びスチレン系コポリマーを含む群から選択される少なくとも１つの熱可塑性ポリマーとの混合物であってこの混合物の総重量に対して５０重量％以下が前記（ＩＩ）で構成される層（ｂ）と、
   （ｃ）０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンで構成されるか、又は（α）０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の範囲内の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと（β）少なくとも１つの脂肪族Ｃ_３〜Ｃ_６オレフィンホモポリマーもしくはコポリマーとの混合物であってこの混合物の総重量に対して５０重量％以上が前記（α）である混合物で構成される層（ｃ）と
   により形成される層配列を含む多層フィルムであって、
   ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ ６３８３−２に従ってエルメンドルフ試験により５０μｍの総フィルム厚で求められる機械方向及び機械方向に垂直な方向の両方向における前記多層フィルムの引き裂き伝播力が、１０００ｍＮ以下であり、且つ前記機械方向の引き裂き伝播力と前記機械方向に垂直な方向の引き裂き伝播力との比が、２：１〜１：２であることを特徴とする多層フィルム。
2. 前記ＤＩＮ ＥＮ ＩＳＯ６３８３−２に従ってエルメンドルフ試験により５０μｍの総フィルム厚で求められる機械方向及び機械方向に垂直な方向の両方向での多層フィルムの引き裂き伝播力が、８００ｍＮ以下であることを特徴とする請求項１に記載の多層フィルム。
3. ＡＳＴＭ Ｅ１５４−８８パート１０に従って５０μｍの総フィルム厚で求められる前記多層フィルムの穿刺抵抗が、少なくとも３０Ｎであることを特徴とする請求項１又は２に記載の多層フィルム。
4. 前記層（ａ）及び前記層（ｃ）の各々が、（α）０．９２０〜０．９３５ｇ／ｃｍ^３の密度を有する少なくとも１つの低密度ポリエチレンと、（β）少なくとも１つのポリプロピレン及び／又はプロピレンコポリマーとの混合物であってこの混合物の総重量に対して５０重量％以上が前記（α）である混合物で構成されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の多層フィルム。
5. 前記（α）と（β）との混合物が、この混合物の総重量に対して、少なくとも７０重量％の低密度ポリエチレン成分（α）を含むことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の多層フィルム。
6. 前記低密度ポリエチレンを含有する層（ａ）〜（ｃ）における各ポリエチレン成分が、同一であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の多層フィルム。
7. ＩＳＯ１１３５７−１、−２、−３（ＤＳＣ）に従って求められる前記層（ｂ）のポリマー成分（ＩＩ）のガラス転移温度Ｔ_ｇが、少なくとも６０℃であることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の多層フィルム。
8. 前記ポリマー成分（ＩＩ）が、ポリスチレン、スチレン／アクリロニトリルのコポリマー、スチレン／ブタジエンのコポリマー、スチレン／（メタ）アクリレートのコポリマー、スチレン／アクリロニトリル／（メタ）アクリレートのコポリマー及びスチレン／アクリロニトリル／ブタジエンのコポリマーを含む群から選択される少なくとも１つのポリマーを含むことを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の多層フィルム。
9. 前記スチレン系コポリマーがブロックコポリマーであり、このブロックコポリマーは、請求項８に記載のポリマーのうちのコポリマーであって、このコポリマーの各モノマーはそれぞれ構造的繰り返し単位とする少なくとも１つのブロックで構成されていることを特徴とする請求項８に記載の多層フィルム。
10. 前記層（ｂ）中のポリマー成分（ＩＩ）の割合が、ポリマー成分（Ｉ）及び（ＩＩ）の混合物の総重量に対して、４０重量％以下であることを特徴とする請求項１〜９のいずれか１項に記載の多層フィルム。
11. 前記層（ｂ）のポリマー成分（ＩＩ）のスチレン系コポリマー中のスチレンの割合が、このスチレン系コポリマーの総重量に対して、少なくとも４０重量％であることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか１項に記載の多層フィルム。
12. 前記層（ｂ）の厚さが、前記層配列（ａ）〜（ｃ）の総厚に対して、少なくとも２０％であることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか１項に記載の多層フィルム。
13. 前記層配列（ａ）〜（ｃ）の総厚が、前記多層フィルムの総厚に対して、少なくとも３０％であることを特徴とする請求項１〜１２のいずれか１項に記載の多層フィルム。
14. 前記多層フィルムの全体が、前記層配列（ａ）〜（ｃ）からなり、共押出チューブラーフィルムであることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか１項に記載の多層フィルム。
15. 前記共押出の層配列（ａ）〜（ｃ）のブローアップ比が、少なくとも１：１であることを特徴とする請求項１４に記載の多層フィルム。
16. 前記製造された多層フィルムが、少なくともある程度、キャストフィルムであることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか１項に記載の多層フィルム。
17. 前記キャストフィルムとして製造される多層フィルムが、少なくとも１：１．５の延伸比で、少なくとも一軸延伸されていることを特徴とする請求項１６に記載の多層フィルム。
18. 前記キャストフィルムとして製造され、二軸延伸された多層フィルムが、縦延伸対横延伸の比、少なくとも１：１を有することを特徴とする請求項１６に記載の多層フィルム。
19. 前記多層フィルムが、前記層配列（ａ）〜（ｃ）に加えて、少なくとも１つのバリア層（ｄ）を含むことを特徴とする請求項１〜１８のいずれか１項に記載の多層フィルム。
20. 前記多層フィルムが、前記層配列（ａ）〜（ｃ）に加えて、基材層として、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、及びこれらポリマーの少なくとも２つのモノマーで構成されるコポリマーを含む群から選択される少なくとも１つの熱可塑性ポリマーに基づく少なくとも１つの層（ｅ）を含むことを特徴とする請求項１〜１９のいずれか１項に記載の多層フィルム。
21. 前記多層フィルムが、印刷、及び／又は着色、及び／又はエンボス加工されていてよいことを特徴とする請求項１〜２０のいずれか１項に記載の多層フィルム。
22. 前記多層フィルムが、その少なくとも一方の表面に、剥離層を有することを特徴とする請求項１〜２１のいずれか１項に記載の多層フィルム。
23. 前記多層フィルムが、その少なくとも一方の表面に、接着剤層を備えることを特徴とする請求項１〜２２のいずれか１項に記載の多層フィルム。
24. 包装材料としての請求項１〜２３のいずれか１項に記載の多層フィルムの使用。
25. 剥離フィルム又は保護フィルムとしての請求項２２に記載の多層フィルムの使用。
26. 請求項１〜２１のいずれか１項に記載の多層フィルムで作られた易開封性包装又は易開封性包装体。
27. 請求項１〜２１のいずれか１項に記載の多層フィルムで作られた包装袋、個包装体、サシェ又はスティックパックの形態の易開封性包装。
28. ＩＳＯ１１３５７−１、−２、−３（ＤＳＣ）に従って求められる前記層（ｂ）のポリマー成分（ＩＩ）のガラス転移温度Ｔ _ｇ が、少なくとも８０℃であることを特徴とする請求項１〜２３のいずれか１項に記載の多層フィルム。
29. 前記層（ｂ）中のポリマー成分（ＩＩ）の割合が、ポリマー成分（Ｉ）及び（ＩＩ）の混合物の総重量に対して、２０〜３５重量％であることを特徴とする請求項１〜２３及び２８のいずれか１項に記載の多層フィルム。
30. 前記層（ｂ）の厚さが、前記層配列（ａ）〜（ｃ）の総厚に対して、２５〜７５％であることを特徴とする請求項１〜２３、２８及び２９のいずれか１項に記載の多層フィルム。
31. 前記層配列（ａ）〜（ｃ）の総厚が、前記多層フィルムの総厚に対して、５０〜１００％であることを特徴とする請求項１〜１２のいずれか１項に記載の多層フィルム。