JP2017080950A - 滑り性制御シーラントフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】包装材料に用いられるフィルムはウェブ搬送されるが、フィルム製膜後より、装置加工中の機械テンションによる寸法変動、ラミネート工程でのエージングによる滑り性の変動による生産性低下、特に工程中のフィルム保管条件による滑り性変化が大きくフィルム蛇行性の制御が難しい。
【解決手段】ベース基材と、前記ベース基材とは異なる樹脂密度からなる表層基材を前記ベース基材中に有し、前記ベース基材の表層から前記表層基材の一部が露出し、前記表層基材の露出部における断面高さが5μm以下であり、前記表層の全面積に対する前記表層基材の露出面積比率が20%以上45%以下であり、前記ベース基材の総厚みに対する前記表層基材の埋め込み深さが10%以上20%以下であり、前記ベース基材の総厚みが50μm以上200μm以下である事を特徴とする包装材料用シーラントフィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明はシーラントフィルムに関する。
食品等の包装材料に用いられるシーラントフィルムとして一般的にポリエチレン、ポリプロピレン等ヒートシール性が良く、その他積層基材との密着性が良く、安価なフィルムが使用されている。包装材料として求められる物性としては、内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際の袋の破損が無い事、包装材料を開封する際の開封性等の物性、ならびに製造時の生産性が良い事が求められる。
前述の製造時の生産性について、包装材料に用いられるフィルムはウェブ搬送され、種々のフィルムとドライラミネート法、押出ラミネート法を用いて積層された後、製袋機を用いて加工される。ここで、フィルム製膜後より、加工中の機械テンションによる寸法変動、ラミネート工程でのエージングによる滑り性の変動が発生することによる生産性低下が問題となる事がある。
例えば、ウェブの搬送性の良化に対しては特許文献1の様にポリオレフィン系フィルムの表層に二酸化珪素、炭酸カルシウム、球形シリコン、ゼオライト、ポリメチルメタクリレート等のアンチブロッキング剤と脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ワックス等のスリップ剤を併用し、ポリオレフィンフィルムの滑り性を制御する手法が用いられている。
特許第5628132号公報
しかし、特許文献1では、アンチブロッキング性及び滑り性を付与するために、ポリオレフィンフィルムに対して10000ppm程度のアンチブロッキング剤、および400ppm以上のスリップ剤を添加している。この方法では、大量のアンチブロッキング剤を投入している事でコスト増加となる。また、多量のスリップ剤を添加する事によって、工程中にスリップ剤がポリオレフィンフィルム表層へ浮き出てきるブリードアウト現象による滑り性変動が発生しやすくなる。
ブリードアウト現象による影響は特に製造時に発生する。製造時ではフィルムを長尺の巻取りロールの状態にして工程間をハンドリングするため、保管時間や保管温度等の環境条件により、添加したスリップ剤に対するブリードアウト現象の発生状態が場所ごとに変化する。この結果、巻取りロールの各位置によって滑り性が変動してしまい、生産性が低下してしまう事がある。
また、スリップ剤を用いて滑り性を制御した場合、フィルムの滑り性はウェブ搬送方向と垂直方向で等方的になる。このため、スリップ剤を添加しすぎるとウェブ搬送時に蛇行し、しわ等が発生しやすくなるといった問題が発生する。これを抑制するには添加量の綿密な調整が必要となるが、非常に煩雑な作業となる。
本発明の目的は、上述の課題を解決することを目的とする。即ち、ウェブ搬送時の蛇行、包装資材の製袋時のシールズレ、抜きズレの低減効果を得られるシーラントフィルムを提供する。
本発明の一様態は、少なくともベース基材を有するシーラントフィルムであって、前記ベース基材とは異なる樹脂密度からなる表層基材を前記ベース基材中に有し、前記ベース基材の表層から前記表層基材の一部が露出し、前記表層基材の露出部における断面高さが5μm以下であり、前記表層の全面積に対する前記表層基材の露出面積比率が20%以上45%以下であり、前記ベース基材の総厚みに対する前記表層基材の埋め込み深さが10%以上20%以下であり、前記ベース基材の総厚みが50μm以上200μm以下である事を特徴とする包装材料用シーラントフィルムである。
すなわち、柔軟性に富んだポリオレフィンがシーラントフィルムに求められる内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際の袋の破損が無いという性能を付与できる。そして、表面層がウェブハンドリング時の滑り性を付与する事で、ウェブ搬送方向に対して平行方向と垂直方向で滑り性の異方性を持たせる事が可能となる。この結果、ウェブ搬送時の蛇行、包装資材の製袋時のシールズレ、抜きズレの低減効果を得られる。また、本発明のシーラントフィルムを製袋した包装体を商品として陳列した際の自立性を高めることができる。
本発明のシーラントフィルムの断面図及び上面図である。 図1で示したシーラントフィルムにおける表層基材付近の拡大図である。 本発明のシーラントフィルムの製造工程の概略図である。
以下、本発明について各図面を参照して詳細に記述する。なお、本発明は、以下に記載の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。また、各図面は理解を容易にするため適宜誇張して表現している。
(全体構成)
図1(a)は本発明のシーラントフィルム10の断面図、図1(b)は本発明のシーラントフィルム10の上面図を示している。シーラントフィルム10は、ベース基材11と、ベース基材11の表層に埋め込まれた表層基材12とを少なくとも備えている。表層基材12の一部は図1(b)に示すように、ベース基材11から露出している。
シーラントフィルム10の表層に表層基材12を有することで、包装材料用シーラントフィルム10の要求特性である開封性、生産性の要求特性であるフィルムの滑り特性、包装袋としたときの要求特性である自立性、を備えることができる。
即ち、開封性については包装形態となった場合の口開き性が重要であり、包装材を開封する際に対面になるシーラントフィルム10と簡単に剥離し、例えば液体を注ぎ出す際にはしっかりと開口を保持することができる。
静摩擦係数、動摩擦係数等の摩擦係数で表される滑り性については、表層基材12を備えていることで、製造時に加工装置とシーラントフィルム10が接触した際や、巻取りから巻き出されるシーラントフィルム10同士が搬送時に変形しないといった効果を得られる。このため、搬送時に加わる力が熱エネルギー損失とならず、効率的に搬送が可能となる。
さらに、本発明のシーラントフィルム10を製袋した包装体を商品として陳列した際に、表層基材12を陳列時の自立方向と平行にすることで、自立性を高めることができる。
ベース基材11の表層に対する表層基材12の露出度合いについては、20%以上45%以下の範囲に設定する事が好ましい。露出度合いとは、シーラントフィルム10における表層基材12を埋め込んだ側の面11a全体の面積に対する、表層基材12の露出している部分の面積12aの合計の割合と定義する。露出度合いが20%未満の場合、ウェブ搬送時やロール巻き出し分でのフィルム変形が起こりやすくなるため、滑り性が悪くなる他、製造上作製が困難となる。また表層基材12の露出度合が45%より大きい場合には、一般的な製袋工程で使用されるインパルスシーラー、ヒートシーラーにて十分に熱融着する事が出来ず、生産性の低下ならびに内容物充填後の落下衝撃等による破損が発生する恐れがある。
次に、表層基材12の表面高さについて図2を参照して説明する。図2は図1(a)における表層基材12近辺の拡大図を示している。表層基材12とベース基材11の表面高さの差は5μm以下とする事が好ましい。表面高さの差とは、図2中のhで示すように、各表層基材12の最大高さの平均値とベース基材11の差を表す。表面高さの差hが5μmより大きい場合には、シーラントフィルム10を巻取りロールとした際の巻き姿の悪化、さらにはフィルムへシワが入りやすくなるといった問題が発生する恐れがある。
表層基材12の表面露出形状については特に規定されるものではなく、使用する製法により自由に設定する事が可能であるが、図3に示したような形状とすることが特に好ましい。図3はシーラントフィルム10の製造工程の一部を示しており、シーラントフィルム10がY方向に搬送されている様子を表している。図3中Y方向を流れ方向、X方向をシーラントフィルム10の幅方向とする。図3に示すように、シーラントフィルム10の流れ方向Yと略平行に表層基材12を露出させておくことで、シーラントフィルム10の流れ方向Yに対して静摩擦係数、動摩擦係数が低下する事により滑り性は良化する。一方、シーラントフィルム10が幅方向Xに移動しようとする場合は、異なる樹脂が配置されているため、静摩擦係数、動摩擦係数が増加する事により滑りにくくなる。以上により、ウェブ搬送時の横滑りを低減する効果を発現する事が可能となり、ハンドリング性が向上する。
以下に各部位の詳細を示す。
(ベース基材)
ベース基材11は、製造時には340℃まで加温可能な押出成形機により製膜されるため、主材料として熱可塑性樹脂を使用する事が可能である。また、一般的な包装材料としてシーラントフィルム10を使用するためには、適度な柔軟性並びに加工性が良い必要がある。これらの事からオレフィンをベースとした、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマーを持つポリプロピレン及びシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンとオレフィンを共重合したシクロオレフィンコポリマー及び、上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーやオレフィンの側鎖を変性して得られる、エチレン−メチルアクリレート共重合(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のうち単体並びに複数を選択し適宜使用する事が可能である。
さらにベース基材11は、包装材料用シーラントフィルムの要求特性である、内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際の袋の破損が無い事、包装材料を開封する際の開封性等を満たす必要がある。具体的にはシーラントフィルム単体またはポリエチレンテレフタレートや6ナイロン、66ナイロン等のポリアミド等のフィルムと適宜積層して使用される際に、袋状に加工するために適当な融点ならびに融解熱量を持つ事が必要となる。このため、上記の主材料群のうち、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマーを持つポリプロピレンのいずれかが、ベース基材11の主材料となることが好ましい。ここで、主材料とは、ベース基材11を構成する材料のうちの重量比70%以上を満たす樹脂を指す。
ベース基材11としては上述の樹脂を組み合わせて使用する事が可能であるが、目的の物性によりその他の層を積層して使用する事も可能である。また、シーラントフィルム10の膜厚について、一般的な包装材料で使用される厚みであれば特に限られるものではないが、50μmから200μmの範囲で使用する事が好ましい。
(表層基材)
表層基材12の主材料としては、ベース基材11に使用可能な材料である低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマーを持つポリプロピレン及びシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンとオレフィンを共重合したシクロオレフィンコポリマー及び、上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーやオレフィンの側鎖を変性して得られる、エチレン−メチルアクリレート共重合(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のうち単体ならびに複数を選択し適宜使用する事が可能である。ただし、ベース基材11と同一の密度からなる材料を使用すると滑り性の異方性を有さないため好ましくない。
このうち、表層基材12として開封性及び滑り特性、自立性を備えるためには適度な剛性が必要である。よって、上記樹脂群のうち、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマーを持つポリプロピレン、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマーを単体ならびに複数を選択し適宜使用する事が特に好ましい。
表層基材12の膜厚については、シーラントフィルム10の総厚みの10%未満の場合、ウェブ搬送時やロール巻き出し分でのフィルム変形が起こりやすくなり、滑り性が低下する。一方、シーラントフィルム10の総厚みに対して20%より大きい場合、包装資材用シーラントとしての使用時に、包装材料に外力が加わると破損が発生しやすくなる。このため、表層基材10の膜厚については、シーラントフィルム10の総厚みの10%以上20%以下とする事が好ましい。
ベース基材11、表層基材12の組合せについては先述した組合せから選択可能であるが、さらに好ましい組み合わせ例について示す。
<組合せ1>
(ベース基材) 直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)密度0.92g/cm以下
(表層基材) 直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)密度0.93g/cm以上
<組合せ2>
(ベース基材) 直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)密度0.92g/cm以下
(表層基材) 高密度ポリエチレン(HDPE) 密度0.95g/cm以上
<組合せ3>
(ベース基材) 直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)密度0.92g/cm以下
(表層基材) 環状オレフィンコポリマー(COC)
即ち、同種の材料を用いる事により、成形時の粘度が同等となる事から、成形性の組合せが良くなり、安定して製造する事が可能となる。なお、好適な組合せ例を示したが、上記組合せに限定されるものでは無く、適宜目的の物性に対して基材を組合せて使用する事が可能である。
(添加剤)
ベース基材11及び表層基材12にはフィルム成型時の加工適性、またフィルムを使用する際の生産性向上のため、フィルムに一般的に使用する添加材料を適宜添加する事が可能である。例えば、フィラー等のブロッキング防止剤、滑り性を向上させるための滑剤、また加工安定性を付与するための酸化防止剤、剥離帯電防止のための帯電防止剤などを適宜添加する事が可能である。
フィラー等のブロッキング防止剤として、例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、セピオライトなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等を適宜使用する事が出来る。
フィラー等のブロッキング防止剤はコストが高いため、多量の添加は好ましくない。この点において、本発明のシーラントフィルム10では、表面に露出している表層基材12によってブロッキング性を制御できるため、一般的なシーラントフィルムに添加されている量と比較して投入量を減少する事が可能となる。
滑り性向上のための滑剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、合成樹脂系としては流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系、ステアリン酸、ステアリルアルコールなどの脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどのアルキレン脂肪酸アミドなどを好適に使用できる。
滑り性向上のための滑剤の含有量については、添加量が増加した場合に巻取保管時や包装材料として使用される際の他基材との積層工程において、滑り性が不安定となってしまうため、本発明使用時には使用樹脂の重量に対して100ppm以下で使用する事が好ましい。
(製造方法)
本発明のシーラントフィルム10を作製する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用する事が可能である。ベース基材11に関しては、例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等にTダイを組合せたフィルム製膜装置を用いる事が可能である。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機または2軸スクリュー押出機を使用する事が良いが、2種以上の樹脂を混合して使用する場合には、単軸押出機では混練性が高いミキシングエレメントを持つスクリューを用いる方が好ましい。2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、またスクリュー形状もフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプと特に限定されるものでは無い。
表層基材12の製造方法では、押出装置の先端に円形ダイを持ち紡糸成形した巻取りを作製し、ベース基材11の押出成形時のニップロール部で溶融圧着する方法、押出装置の先端にTダイを持ち、フィルム製膜した後に適当な幅にスリットして表層基材12を作製後にベース基材11の押出成形時のニップロール部で溶融圧着する方法、剥離可能なシリコーンフィルム基材上に表層基材を溶媒に希釈し、グラビア印刷を行った基材を作製し、ベース基材11の押出成形時のニップロール部で表層基材12側がベース基材11の溶融膜と接触後、溶融圧着する方法、ベース基材11を溶融、製膜後に融点近傍まで加温し、前述と同様の方法にて作製した表層基材12をニップし作製する方法等を用いる事が可能である。また、上述の方法以外に公知の製造方法を用いることができる。
いずれの方法を用いて表層基材12をベース基材11に熱融着する場合であっても、ニップ部で十分な圧力を加える必要がある。圧力が1MPa未満の場合、ベース基材11に表層基材12を圧着する際の圧力が十分ではなく、ベース基材11と表層基材12の表面に段差が出来てしまい、巻き姿が悪くなる。また、ニップ部の圧力が10MPaより大きい場合、熱融着は十分行われるが、ニップ部でフィルムにシワが発生し生産性が悪くなる場合がある。このため、特に制限は無いが1MPa以上10MPa以下で熱融着する事が特に好ましい。
(機能層)
シーラントフィルム10の表層基材12を形成している面とは反対の面に、さらに印刷層やバリア層といった機能層を形成することができる。
バリア層は、空気中に含まれる酸素等の気体や水蒸気、封入した内容物等から包装材を保護するためのバリア性を高める機能を有する層であり、材料としては、例えば、EVOHやアルミニウム等の金属などが挙げられ、適宜使用することができる。
(包装体)
本発明のシーラントフィルム10を用いて、袋状に溶着することによって包装体を得ることができる。上述のように、表層基材12の延在方向が商品として陳列した際の直立方向となるように製袋することで自立性を高めることができる。
(実施例1)
表層基材12として株式会社プライムポリマー製直鎖状低密度ポリエチレン(品名エボリューSP4030 密度0.938g/cm、MFR:3.8)を単軸押出機に投入し、230℃に加熱、溶融し、Tダイから膜厚が100μmとなる様にフィルム製膜した後、3mm幅となる様スリットを実施した。
ベース基材11として株式会社プライムポリマー製直鎖状低密度ポリエチレン(品名エボリューSP2040 密度0.918g/cm、MFR:3.8)を単軸押出機に投入し、270℃に加熱、溶融し、厚み1mm、幅200mmとなる様にフィルム製膜した。その後、90℃に加温した冷却ロール部にニップ圧力5MPaにて、ベース基材11の幅方向に対して10mm間隔で表層基材12を投入し、ベース基材11と結合した。
得られたフィルムを60℃に加温し、総厚みが100μmとなる様に延伸し実施例1のフィルムを作製した。
(実施例2)
実施例1において、ベース基材11と溶融圧着する際の表層基材12の厚みを150μmとなる様に加工した。その他は実施例1と同様の方法により、実施例2のフィルムを作製した。
(実施例3)
実施例1において、ベース基材11と溶融圧着する際の表層基材12の厚みを200μmとなる様に加工した。その他は実施例1と同様の方法により、実施例3のフィルムを作製した。
(実施例4)
実施例1において総厚みが50μmとなる様に延伸した。その他は実施例1と同様の方法により、実施例4のフィルムを作製した。
(実施例5)
実施例1において総厚みが200μmとなる様に延伸した。その他は実施例1と同様の方法により、実施例5のフィルムを作製した。
(実施例6)
実施例1においてベース基材11と溶融圧着する際の表層基材12の幅を10mmとした。その他は実施例1と同様の方法により、実施例6のフィルムを作製した。
(実施例7)
実施例1において表層基材12を株式会社プライムポリマー製高密度ポリエチレン(品名HZ3300 密度0.95g/cm、MFR:1.1)とした。その他は実施例1と同様の方法により、実施例7のフィルムを作製した。
(実施例8)
実施例1において表層基材12を三井化学株式会社製環状オレフィン(品名 アペルAPL5014DP)とした。その他は実施例1と同様の方法により、実施例8のフィルムを作製した。
(比較例1)
実施例1においてベース基材11と溶融圧着する際の表層基材12の幅を7mmとし、5mm間隔で投入する事で比較例1のフィルムを作製した。
(比較例2)
実施例1においてベース基材11と溶融圧着する際の表層基材12の厚みを300μmとなる様に加工した。その他は実施例1と同様の方法により、比較例2のフィルムを作製した。
(比較例3)
実施例1において、ベース基材11、表層基材12を共に株式会社プライムポリマー製直鎖状低密度ポリエチレン(品名エボリューSP2040 密度0.918g/cm、MFR:3.8)とし、両基材共に直鎖状低密度ポリエチレンに対し、重量比率で日本化成株式会社製エルカ酸アミド(品名ダイヤミッドL‐200)を300ppm添加した。その他は実施例1と同様の方法により、比較例3を作製した。
(評価実験)
得られたフィルムに関して、ヒートシール強度測定、耐衝撃性試験、摩擦係数測定、引裂強度の測定、使用材料の動的粘弾性評価、を実施した。
(ヒートシール強度測定試験)
ヒートシール強度の測定では、テスター産業製ヒートシーラー(型番TP−701−B)を用いてシール圧力0.2MPa、シール時間を1秒、シール幅を10mmとし、シール温度を130℃でシール層同士をシールした。シールしたフィルムを15mm幅×80mmに切出し、チャック間距離を20mm、引張り速度を300mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS−500NX)を用いて、n=5で評価を実施した。
(耐衝撃性試験)
耐衝撃性試験では、JISK7124−1:1999自由落下のダート法による衝撃試験方法、第1部ステアケース法のA法を用いてテスター産業株式会社製ダートインパクトテスター(型番IM−302)を用いて評価した。
(摩擦係数測定試験)
摩擦係数測定では、JISK7125:1999プラスチック‐フィルム及びシート‐摩擦係数試験方法に準じて、測定速度100mm/minにて静摩擦係数をフィルム流れ方向、幅方向について各々n=5で測定した平均値を求めた。
(引裂き評価試験)
引裂き評価ではJISK7128−1に記載されているトラウザー引裂法を用いて測定した。使用した引張試験機はヒートシール強度測定と同一装置を使用し、引張り速度は200mm/minとしてフィルムMD、TDに対してそれぞれn=5で評価実施した。
(動的粘弾性試験)
動的粘弾性の測定では、各実施例、比較例のベース基材、表層基材に用いた樹脂を200℃で5分間加熱、圧縮し、厚み200μmのシートを作製した後、10mm×50mmの短冊上に切出し、SII社製DMS(型番DMS6100)を用いて25℃、変位振動数1Hzで損失正接を計測し、ベース基材/表層基材の数値を計算した。
(試験結果)
実施例1から8までと、比較例1から3に記載のフィルムに関して物性評価を実施した結果を表1に記載する。
Figure 2017080950
実施例1から8、比較例1から3において、ヒートシール強度が10N/15mm以上、ダートインパクト50%破壊重量が400g以上、MDの静摩擦係数が0.5以下、TDの静摩擦係数が0.6以上、MD引裂強度が30N/mm以下、TD引裂強度が40以下、損失正接比が1.2以上である事を判定基準として評価した。
実施例1から8においては、上述の判定基準を全て満たしている。なお、実施例5における耐衝撃性試験は、総厚みが200μmと厚かったため測定限界を超える結果となった。一方、比較例1については、表層面積比率が大きいため、HS強度が不足しており、比較例2については表層基材厚みが増した事により耐衝撃性が不足しており、比較例3については、引裂強度が悪く、摩擦係数が低くフィルムのMD、TDで等方的になっておりフィルムが滑りすぎる上に異方性を持っていない。よって、各比較例に記載のフィルムは実用上問題があることが確認できた。
本発明はシーラントフィルムの滑り性の異方性を発現する事が可能となり、ウェブ搬送時の蛇行、包装資材の製袋時のシールズレ、抜きズレの低減効果を提供する。
10…シーラントフィルム
11…ベース基材
12…表層基材

Claims (5)

  1. ベース基材と、
    前記ベース基材とは異なる樹脂密度からなる表層基材を前記ベース基材中に有し、
    前記ベース基材の表層から前記表層基材の一部が露出し、
    前記表層基材の露出部における断面高さが5μm以下であり、
    前記表層の全面積に対する前記表層基材の露出面積比率が20%以上45%以下であり、
    前記ベース基材の総厚みに対する前記表層基材の埋め込み深さが10%以上20%以下であり、
    前記ベース基材の総厚みが50μm以上200μm以下である事を特徴とする包装材料用シーラントフィルム。
  2. 前記ベース基材を構成する主材料の損失正接が、前記表層基材を構成する主材料の損失正接の1.3倍以上である事を特徴とする請求項1に記載の包装材料用シーラントフィルム。ただし、損失正接の測定は室温25℃、振動数1Hzにて行う。
  3. 前記ベース基材及び前記表層基材はそれぞれポリエチレン、ポリプロピレン及びその側鎖を変性したもののうちから少なくとも一種類以上含む事を特徴とする請求項1又は2に記載の包装材料用シーラントフィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシーラントフィルムを備えたことを特徴とする包装体。
  5. 前記ベース基材と前記表層基材を接着層を介さずに接触し、熱融着して得られた事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装材料用シーラントフィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021172388A (ja) * 2020-04-27 2021-11-01 住友ベークライト株式会社 スキンパック包装体
WO2023085049A1 (ja) * 2021-11-12 2023-05-19 東洋紡株式会社 積層シーラントフィルム

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