JP7005888B2 - 滑性、耐ブロッキング性、ヒートシール性の良好なフィルム、及び、これを用いた包装材、包装体 - Google Patents
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Description
また、ブロッキングによるブロッキング跡の顕在化、印刷やラミネート工程におけるフィルム破断やテンション変動による収率低下が発生することがある。
凸形状部の高さはランダム、かつ各凸形状部の最大の高さがそれぞれ4μm~8μmであり、
高さが0.5μm以上の凸形状部の数は50個/mm2~500個/mm2であるフィルムである。
また、他の代表的な本発明の包装材は、前記フィルムの凸形状部が形成されていない側の面に、少なくとも基材層が積層されている。
さらに、他の代表的な本発明の包装体は、上記包装材を用いたものである。
ここで、凸形状4とは、表面2の平坦部からその法線方向に突出した部分を示すものとし、凸形状4の高さHとは、図2に示すように、表面2の平坦部から凸形状4の最高点までの法線方向における距離を示すものとする。また、凸形状4の最大の高さHmaxとは、任意の位置における1mm2あたりに含まれる凸形状4の高さHの中で、最も高さの高いものを示す。例えば、図2、3の場合、1mm2に含まれる3つの凸形状4の高さH1、H2、H3とHmaxの関係は、Hmax=H1>H3>H2となる。
さらに、フィルムの耐ブロッキング性も低下し、巻取り後のフィルム同士が密着し、外観のムラ、テンションの変動、フィルム破断などの問題が生じることがある。
凸形状4の最大高さHmaxが4μmよりも小さい場合、または、単位面積当たりの凸形状4の個数が50個/mm2よりも少ない場合には、いずれの場合でも、凸形状4を形成した効果が発揮されない。これは、フィルム同士が接触する際に、凸形状4のない部分で接触してしまうことが原因であると考えられる。
熱可塑性樹脂の材料は、適度な柔軟性を有するとともに、例えば押出機による加工適性を有する等、良好な加工性を備えることが好ましい。こうした材料としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーを持つポリプロピレン、上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーやオレフィンの側鎖を変性して得られるエチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-ブチルアクリレート共重合体(EBA)、あるいは、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等が挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、これらのうちの複数の材料を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明における樹脂の組成について、「主に」とは、包装材用フィルム1に用いる樹脂のうち、重量割合で70%以上であることを表すものとする。
また、平均密度は、JISK7112:1999に準拠した測定方法、もしくは、これと比較できる測定方法により測定する。
しかし、フィルム1を、図5に示すように2層構成とし、第一層5を低密度樹脂、第二層6を中~高密度樹脂とすることで、衝撃耐性、ヒートシール性を良好にしたまま、曲げ剛性、引裂き性を良好にすることができる。
さらに、本発明の凸形状4を有することで、滑性、耐ブロッキング性も良好にできる。
さらに好ましくは、LLDPE:LDPEの重量比を99:1~70:30の割合で混合させると良い。
凸形状4は、フィルム1の主樹脂となる熱可塑性樹脂とは異なる有機系粒子もしくは無機系粒子からなると良い。有機系粒子もしくは無機系粒子としては、例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、ゼオライト、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、セピオライトなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂に比べて、硬い材料で凸形状4を作製することで、フィルム同士が接触した際の摩擦力による凸形状4の変形も抑えることができる。凸形状4が変形してしまうと、接触面積が増大してしまったり、元に戻ろうとする力つまり復元力が生じてしまったりする。どちらも、摩擦力が増大し、上述と同様に滑りにくくなってしまう問題を生じる。硬い材料を用いることで、これらの問題を解決することができる。
凸形状部を形成するためには、フィルム1の第一層5に、有機系粒子または無機系粒子30を添加することで、フィルムの平面内に位置的にも高さHもランダムな凸形状4を容易に作製することができる。
フィルム1において、凸形状4の形成されている表面2とは反対の面である裏面3には、本発明の凸形状4を形成する必要はなく、裏面3の粗さは特段の制限はない。
具体的には、第二層6には、平均粒径が2μm~8μmの有機系粒子もしくは無機系粒子が重量比で1000ppm~10000ppm含まれている程度が良好である。
より適度な滑性を得るために、熱可塑性樹脂には有機滑剤が含まれていると良いが、凸形状4のある表面2に存在している有機滑剤量は5mg/m2以下であると良い。さらに好ましくは、3mg/m2以下であると良い。
熱可塑性樹脂に有機滑剤を添加すると、ブリードアウト現象が発生し、フィルムの滑性が不安定になることから、フィルムに含まれる有機滑剤は少ない方が好ましいことは前述のとおりである。
本発明によれば、凸形状4を適切に形成することで、滑性を適度に制御することが可能になるとともに、フィルム1や包装材9のいずれにおいても、表面2に存在している有機滑剤量を5mg/m2以下という少ない量に抑えることができる。これにより、熱可塑性樹脂の種類、接着剤の有無・種類、温度条件などの様々な条件下で、適切な滑性を安定して維持できるフィルムとなる。
また、有機滑剤の添加量も、フィルムに対し30ppm~200ppm程度で十分であることから低コストでの製造が可能となる。
さらに、フィルムの外観としても、凸形状4を有しないフィルムと遜色のない美観に仕上げることができる。
有機滑剤表面抽出用治具41は有機溶媒42をとどめておくための筒であり、有機溶媒42の蒸発を防ぐため、上部はあまり開口がないほうが好ましい。有機溶媒42としては、例えば、クロロホルム、アセトン、エタノール、メタノールなどが挙げられる。
また、表面2に存在している有機滑剤量の測定方法は、上記方法に限定させるものではなく、有機溶媒42でフィルム表面を洗浄することができれば測定が可能である。例えば、フィルムを有機溶媒42に数秒~数分浸漬する方法などでも、表面2に存在している有機滑剤量の測定が可能である。
本発明のフィルム1を作製する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。例えば、熱可塑性樹脂に、有機系粒子もしくは無機系粒子30及び有機滑剤を添加し、押出機を用いてフィルム製膜することで、フィルム1を作製することができる。フィルム製膜方法としても、公知の方法である、Tダイ押出機を用い、エアチャンバーやエアナイフ、バキュームチャンバー、それらを複数組み合わせた方法などで製膜することが可能である。
図7に示すように、フィルム1に対して、凸形状4の形成されている表面2とは反対の裏面3に、基材層8や、さらには、印刷層やバリア層といった機能層10を形成することで、本発明の効果を備えた包装材9を得ることができる。図7では基材層8、機能層10、フィルム1の三層構成が示されているが、これに限らず、基材層8、フィルム1の二層構成や、4層以上の多層構成としてもよい。
基材層8は、包装材9の支持体として機能する層であり、一般的には、プラスチックを主とするフィルムが用いられるが、内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件によって基材層を構成する材料は適宜選択される。基材層8の材料としては、プラスチックを主とするフィルム以外にも、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどが使用されることがあり、特に限定されない。
さらに、上記材料のうちの1つの材料からなる単層であってもよいし、こうした単層の積層によって上記材料のうちの複数の材料が組み合わされた層であってもよい。
機能層10としては、例えば印刷層やバリア層が挙げられる。バリア層は、空気中に含まれる酸素等の気体や水蒸気、封入した内容物等から包装材を保護するためのバリア性を高める機能を有する層であり、材料としては、例えば、EVOHやアルミニウム等の金属などが挙げられ、適宜使用することができる。
本発明の包装材9を用いて、互いに向かい合うフィルム1同士の周縁をヒートシール等により溶着することで、上述した本発明の効果を備えた包装体を得ることができる。
包装体の一例として、本発明の包装材9をスタンディングパウチに採用した場合の構造並びに製造方法を、図9、図10を参照して説明する。スタンディングパウチとは、液体洗剤、柔軟剤、シャンプー、リンスなどのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒー、酒などの食品等、液体、粉体、固体を問わず収納可能な容器の一種である。上述の包装体と同様の製袋方法に加え、シーラントフィルムを底テープとし、本体表面と本体裏面の間に挿入して周縁をシールすることで、容易に自立可能であることを特徴とする。図9はスタンディングパウチ12の断面図を、図10はスタンディングパウチ12形成前のウェブ搬送時の状態を示した模式図である。
フィルム1は二層積層フィルムとし、第一層5の熱可塑性樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.918g/cm3、MFR3.8)及び低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を80:20の割合でブレンドし、さらに、表1のように、平均粒径10μmサイズの有機系粒子(アクリル架橋体)を3000ppm~70000ppm、有機滑剤としてエルカ酸アミドを100ppm添加した。また、第二層6の熱可塑性樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.931g/cm3、MFR3.2)及び低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を80:20の割合でブレンドし、さらに、平均粒径5μmサイズの無機系粒子(ゼオライト)を3000ppm、有機滑剤としてエルカ酸アミドを100ppm添加した。なお、表中には、エルカ酸アミドを略して「EA」と記述している。
これら第一層5、第二層6を単軸共押出機により、それぞれ260℃に加熱溶融し、Tダイキャスト法にて、第一層5の厚みを15μm、第二層6の厚みを85μmし、トータル100μm厚みのフィルム1を製膜した。
なお、表2、表3に記載された実施例および比較例においては、有機系粒子はアクリル架橋体、無機系粒子はゼオライトを使用した。
フィルム1は二層積層フィルムとし、第一層5の熱可塑性樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.918g/cm3、MFR3.8)及び低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を80:20の割合でブレンドし、さらに、有機滑剤としてエルカ酸アミドを100ppm添加した。また、第二層6の熱可塑性樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.931g/cm3、MFR3.2)及び低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を80:20の割合でブレンドし、さらに、平均粒径5μmサイズの無機系粒子(ゼオライト)を3000ppm、有機滑剤としてエルカ酸アミドを100ppm添加した。
これら第一層5、第二層6を単軸共押出機により、それぞれ260℃に加熱溶融し、Tダイニップ加圧法にて、第一層5の厚みを15μm、第二層6の厚みを85μmし、トータル100μm厚みのフィルム1を製膜した。
上記実施例及び比較例で得られたフィルム1、包装材9の形態を評価するため、フィルム1の表面観察測定、フィルム1及び包装材9の有機滑剤の表面存在量測定を行った。測定結果は表1~4に示した通りである。
キーエンス製のレーザーマイクロスコープ(型番VK-X200)を用いて、対物レンズの倍率を10倍にし、表面2の測定を行い、凸形状4の配置、最大高さHmax、単位面積当たりの凸形状4の個数、凸形状4の面積率、凸形状4のある表面2の算術平均粗さRaを算出した。
凸形状4の配置は、測定画像から凸形状4に規則性があるかランダムかを観察した。
最大高さHmaxは、1mm2の測定範囲内での明らかな測定ノイズを取り除いた部分での最大の高さを読み取った。
凸形状4の個数は、1mm2の測定範囲内において、高さHが0.5μm以上突出している凸形状4の数を、観察画像から数えることで得た。
凸形状4の面積率は、1mm2の測定範囲内において、高さHが0.5μm以上突出している部分の面積割合を算出した。
表面2の算術平均粗さRaは、1mm2の測定範囲内においてJISB0601‘2001に準拠し、算出した。
図8で示したように、表面2に有機滑剤表面抽出用治具41を固定し、その中に有機溶媒42としてクロロホルムを注入した。注入後1分経過したところでクロロホルムを取り出し、アジレントテクノロジー(株)製のガスクロマトグラフ/水素炎イオン化検出器にて、有機滑剤の表面2に存在していた量を測定した。カラムはHP-5MSを使用した。なお、事前にいくつかの濃度の異なるエルカ酸アミドの溶けたクロロホルム溶液を標準液とし測定を行い、ピーク面積と濃度の検量線を引くことで、表面存在量に換算している。
上述したように、有機滑剤の表面存在量は、熱可塑性樹脂の種類、接着剤の有無・種類、温度条件などによって変化するため、上記有機滑剤表面存在量測定は、フィルム1及び包装材9に対して実施した。それぞれ製膜後もしくはエージングから取り出し後、および、十分な時間経過後の測定結果をそれぞれ表1~4に記入した。なお、表面存在量は、接着剤のないフィルム1の方が多く、接着剤の存在する包装材9の方が少なくなる。
各実施例及び各比較例によって得られたフィルム1、包装材9の性能を評価するため、フィルム1に関して、フィルム外観評価、ヒートシール性評価、滑性評価、耐ブロッキング性評価、さらに、包装材9に関して、滑性評価、耐ブロッキング性評価を実施した。各評価結果を表1~4に示す。
目視観察により、干渉のような面状のムラや、輝点のような点状のムラが目立つものは×、目立たないが存在するものを△、見えなかったものを〇とした。ここで、点状のムラに関しては、フィッシュアイと区別するため、キーエンス製のレーザーマイクロスコープ(型番VK-X200)を用いて観察し、異物、ヤケ、未溶融、ゲル状の点欠陥は無視することとし、凸形状4に関わるもののみピックアップした。
ヒートシール性評価は、テスター産業製のヒートシーラー(型番TP-701-B)を用いてシール圧力0.2MPa、シール時間を1秒、シール幅を10mmとし、シール温度を130℃、フィルム1の凸形状4のある表面2側の面同士を重ねてシールをした。シールしたフィルムを15mm幅×100mmに切出し、チャック間距離を50mm、引張り速度を300mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS-500NX)を用いて、T字剥離強度を測定し、シール強度とした。シール強度が17[N/15mm]以上のものを〇、15[N/15mm]~17[N/15mm]のものを△、15[N/15mm]以下のものを×とした。
滑性評価は、東洋精機製作所製の滑り傾斜角測定装置を用いて、傾斜角度を徐々に上げていった際の錘の滑り始める角度から静摩擦係数を算出する傾斜法により、フィルム1の凸形状4のある表面2側の面同士の静摩擦係数を評価した。錘は30mm幅×40mm長さ×30mm高さで重量197gの金属性ブロックを使用した。
フィルム1に関する滑性評価は、製膜後から経時により有機滑剤のブリードアウトが発生するため、製膜直後から経時で同サンプルを測定し、表中には、その最大値と最小値を記している。製膜直後が最大値を示し、その後、数日程度のオーダーで、摩擦係数は低下していく。また、包装材9に関する滑性評価は、ドライラミネート後のエージングから取出してからの経時により、同様に、有機滑剤のブリードアウトが発生するため、同サンプルを経時測定し、表中には、その最大値と最小値を記している。エージング取出し直後が最大値を示し、その後、数日~数十日のオーダーで徐々に摩擦係数は低下していく。
評価結果は、静摩擦係数がいつでも0.15~0.90の範囲内に入っているものは〇、〇にはならないがいつでも0.1~1.2の範囲内に入っているものは△、それ以外のものを×とした。なお、静摩擦係数が1.2を超えるものは測定できていないため、「1.2>」と表記している。
フィルム1に関する耐ブロッキング性評価は、フィルム1を10枚重ね、テスター産業製の圧縮試験装置にて0.3MPaの荷重をかけた状態で2日保持した後に、ブロッキング強度の測定をした。ブロッキング強度の測定は、ブロッキングしたフィルムを30mm×30mmの範囲のみブロッキングされているように30mm幅×100mm長に切出し、チャック間距離を50mm、引張り速度を300mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS-500NX)を用いて、せん断剥離強度を測定し、ブロッキング強度とした。ブロッキング強度が20[N/30mm]以下のものを〇、20[N/15mm]~30[N/15mm]のものを△、30[N/15mm]以上のものを×とした
包装材9に関する耐ブロッキング性評価は、包装材9を10枚重ね、テスター産業製の圧縮試験装置にて0.3MPaの荷重をかけた状態で、50℃環境で2日保持した後に、ブロッキング強度の測定をした。ブロッキング強度の測定方法は同上である。全くブロッキングが観測されなかったものは表中0と記載し、〇判定とした。ブロッキングが観測はされたがブロッキング強度が45[N/15mm]以下のものは△、45[N/15mm]を超えるものを×とした。
総合判定として、上記の包装材9に関するフィルム外観評価、ヒートシール性評価、滑性評価、耐ブロッキング性評価、及び、包装材9に関する滑性評価、耐ブロッキング性評価、の6つが全て〇のものを〇とし、一つでも△があったものを△、一つでも×があったものを×とした。
各実施例、各比較例のフィルム1及び包装材9の評価結果を表1~4に記載する。
なお、何れの数値も小さくなると滑性や耐ブロッキング性に問題が生じ、大きくなると外観やヒートシール性に問題が生じてしまう。比較例2の外観がNGなのは、粒子が多くなりすぎることで、いくつかの粒子がくっついてしまうものがあり、それが点状のムラに観測されたたためである。
また、比較例5と実施例4を比べると、凸形状4はほぼ同等の数、サイズで存在しているが、賦形による比較例5は、熱可塑性樹脂よりも硬い有機微粒子を添加した実施例4に比べてブロッキング性が低下している。これは、賦形による凸形状4は、有機微粒子よりも柔らかいことから、凸形状4の潰れが発生してしまったためであると考えられる。
2…表面
3…裏面
4…凸形状
5…第一層
6…第二層
7…第三層
8…基材層
9…包装材
10…機能層
12…スタンディングパウチ
13…パウチ表面
14…パウチ裏面
16…注出ノズル
17…開封用切目線
18…開封つまみ
19…ハーフカット線
20…底テープ
21…折り曲げ部稜線
22…サイドシール部
23…ボトムシール部
24…注出ノズルシール部
25…注出ノズル先端シール部
26…エンボス加工部
30…有機系粒子もしくは無機系粒子
41…有機滑剤表面抽出用治具
42…有機溶媒
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂で形成されたフィルムの少なくとも一方の面にランダムに配置された凸形状部を有し、
前記凸形状部が占める面積の総合計は、前記一方の面全体に対して2%~20%であり、
前記凸形状部は、前記熱可塑性樹脂とは異なる有機系粒子によって形成されたものであり、
前記有機系粒子は1種類から成り、平均粒径は7~15μmであり、
前記凸形状部の高さはランダムかつ各前記凸形状部の最大の高さがそれぞれ4μm~8μmであり、
高さが0.5μm以上の前記凸形状部の密度は50個/mm2~500個/mm2であり、
前記熱可塑性樹脂は、重量割合の70%以上がポリエチレンもしくはその誘導体によって構成され、
前記フィルムは、少なくとも2層からなる積層フィルムであって、
第一層フィルムの平均密度は0.910g/cm 3 ~0.930g/cm 3 で、前記第一層フィルムの厚みは5μm~30μmであり、
第二層フィルムの平均密度は0.920g/cm 3 ~0.940g/cm 3 であって、前記第一層フィルムの平均密度よりも高く、前記第二層フィルムの厚みは30μm~100μmであり、
前記第一層に6,000ppm~50,000ppmの有機系粒子を含み、フィルムに対し有機滑剤を30~300ppm添加して該有機滑剤の表面存在量が8.3mg/m 2 以下である
ことを特徴とするフィルム。 - 前記フィルムの表面に存在している前記有機滑剤の量は5mg/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
- 前記一方の面の算術平均粗さRa(JISB0601-2001)が0.5μm~2.0μmであることを特徴とする請求項2に記載のフィルム。
- 前記一方の面において、前記凸形状部が形成されていない面は、1mm2あたりの凹凸の最大高さ差が、凸形状の最大高さHmaxの1/5以下であることを特徴とする請求項2または3に記載のフィルム。
- 前記凸形状部の形状は、球形であることを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載のフィルム。
- 前記有機滑剤は、分子量250~350の脂肪酸アミドであることを特徴とする請求項2~5のいずれか一項に記載のフィルム。
- 請求項2乃至6のいずれか一項に記載のフィルムの前記凸形状部が形成されていない側の面に、少なくとも基材層が積層されていることを特徴とする包装材。
- 前記包装材には、有機滑剤が含まれており、前記包装材のフィルムの表面に存在している前記有機滑剤の量は3mg/m2以下であることを特徴とする請求項7に記載の包装材。
- 請求項7又は8に記載の包装材を用いたことを特徴とする包装体。
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