JP4467399B2 - 収縮包装体および収縮包装方法 - Google Patents
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この方法では、脱気用の孔がないために食品包装をする場合に衛生状態を保ちやすく、また側方の密封シール部が包装体の上面にずれ上がることがなく、更に押さえ跡による外観低下が起こり難いために、高い商品性と展示効果が発揮されるものである。
1.熱収縮性フィルムからなる筒状フィルム内に被包装物を収納し、該筒状フィルムの一方の開口部を側面から内側に折り込み部を設けた状態で密封シールし、その後もう一方の開口部を同様にして折り込み部を設け、内部を脱気するとともに該開口部を密封シールしてガゼット形状の予備包装体を成形し、その後予備包装体の下面側の熱収縮性フィルムを熱収縮させて開口部の密封シール部を下方に引き付けたあと、予備包装体の上面側の熱収縮性フィルムを熱収縮させることを特徴とする収縮包装方法。
2.熱収縮性フィルムの熱収縮率が、横方向で10%以上かつ縦方向で20%以上であることを特徴とする1.に記載の収縮包装方法。
3.熱収縮性フィルムがガスバリア性を有することを特徴とする1.または2.に記載の収縮包装方法。
4.ガゼット形状の予備包装体の密封シール部の横寸法が、被包装物の上面から見た最大投影横寸法以下であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の収縮包装方法。
脱気の方法としては、最後の密封シール部を形成する寸前に、例えばスポンジ等の柔軟な材料で被包装物を押さえつけて内部の気体を押出すやり方の他、真空ポンプによる吸引のような周辺との圧力差を利用して脱気する方法があるが適宜選択すればよい。
同様に図7〜図9は丼形状の容器を使用した場合の本発明の収縮包装方法および収縮包
装体の例を示したものであり、図10は蓋付容器を被包装物とした予備包装体を熱収縮させて得られた本発明の収縮包装体の例を示したものである。
次に、本発明でいう容器とは、トレーのみ、または蓋と本体で構成される容器類を含み、フードパックと称されるヒンジを有する蓋と本体が一体となったものをも含む。さらに、上記にはトレーの内側または蓋と本体の中間に位置する中皿を有していてもよい。容器がガス置換包装に用いられる場合は、特に蓋付の容器の場合にガスの置換が容易に行われるように蓋または本体、あるいは蓋と本体を嵌合した状態で開口部が設けられているのが通常であり、更に小袋タイプの脱酸素剤が収納可能な形状に成形されたものでも良い。これら容器の材質は特に制限はないが、公知の樹脂類、金属、紙、木材(パルプ含)、等から適宜単独または複合化されて使用されるが、透明性および形状の多様性という観点からの成形性が優れる点で、公知の樹脂類が好ましい。
なお、本発明における熱収縮率とは、100mm角のフィルム試料を所定の温度に設定したエアーオーブン式恒温槽に入れ、自由に熱収縮できる状態で10分間処理した後、横方向、縦方向の熱収縮寸法を求め、元の寸法で除した値の百分率で表すものとする。熱収縮温度は、実際の包装時の加熱収縮温度条件を考慮し、80℃から160℃の間の任意の温度で測定すればよい。
なお、熱シール層に使用する樹脂は上記に挙げた樹脂から適宜選択すればよい。
また、本発明で用いる熱収縮性フィルムは架橋処理がされていてもよく、防曇剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、抗菌剤、着色剤、各種界面活性剤、アンチブロック剤、無機フィラー、粘着付与剤等を含ませることができ、また、コロナ処理やプラズマ処理、各種コーティング処理を施しておくこともできる。また必要に応じ、他種フィルムとの各種ラミネ−ションされたものでもよい。
本発明においてはガスバリア性を有した熱収縮性フィルムは好ましくはガス置換包装に用いられ、使用するガスとしては、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、キセノン、クリプトン、アルコール類やアリルカラシ油、等があり、目的に応じてこれらのうちから単独または混合して使用される。ガス置換方法としては、ガスフラッシュ法が一般的であるが、ガス置換率を向上する目的で適当な真空度による減圧処理とガスフラッシュを組み合わせてガス置換を行うことも可能である。
層構成が、エチレン−αオレフィン共重合体/接着性樹脂/ポリアミド系樹脂/非晶性ポリエステル/EVOH/接着性樹脂/エチレン−αオレフィン共重合体(内面ヒートシール層)で、各層の厚み比率(%)が10/5/20/20/10/5/30、厚みが25μmのフィルムを用いて包装を行った。なお、上記各エチレン−αオレフィン共重合体層には非イオン系界面活性剤を主体とする防曇剤を各層に対し2wt%含み、またフィルムの酸素透過度は150ml/(m2・day・Mpa)、120℃の熱収縮率がタテ28%、ヨコ24%であった。
被包装物には、内容物にダミーとして約100gの粘土を収納した蓋付容器を用いた。該蓋付容器は外寸が130mm(長さ)×110mm(横)×38mm(高さ)(容器本体の高さは21mm)、蓋にはガス置換用の孔が付設してあり、容器は各コーナー部が曲率半径38mm、弧の長さ53mmの丸みを帯びた形状であり、容器の素材は蓋がポリスチレン製、本体は無機フィラー充填ポリプロピレン製のものを用いた。
更に、得られた包装体を1段あたり4個を2段に積載して計8ケをダンボールに箱詰し、JIS Z0232の包装貨物−振動試験方法に準拠して振動を与えた後、包装体を取り出して三菱瓦斯化学(株)製「エージレス・シールチェック」にてピンホールの有無を調査した。振動試験条件は、ダンボール箱は固定し、加速度0.75G、振動数5〜50Hzで垂直方向に40分間、水平横方向に20分間、水平縦方向に20分の合計80分で行った。
その結果、包装体にはピンホールは認められなかった。
実施例1と同じフィルムを用いて、筒状フィルムの内側に折り込み部を形成せずに包装を行った以外は実施例1と同様にして収縮包装体を得た。このときの予備包装体のLs/Liは1.09であった。得られた包装体はコーナー部に明らかな突起が認められ、美観に劣り、しかも1つの突起の先端部は硬く尖っていた。この包装体を実施例1と同様な方法で振動試験を行い、ピンホールの発生をしらべたところ、8個中3個の包装体に、突起先端部に起因していると思われるピンホールが認められた。
内面ヒートシール層とは反対側のエチレン−αオレフィン共重合体層が電子線で架橋されており、120℃の熱収縮率がタテ35%、ヨコ33%である以外は、実施例1と同様な熱収縮性フィルムを用いて、実施例1と同様な条件で包装を行った。このフィルムの酸素透過度は140ml/(m2・day・Mpa)であった。
また、予備包装体のLs/Liは0.71の条件で包装を行った。架橋されているエチレン−αオレフィン共重合体層のゲル分率は41wt%であり、一方、内面ヒートシール層のエチレン−αオレフィン共重合体層のゲル分率は0%であった。
得られた包装体は実施例1と同様、タイトな仕上がりであり、容器コーナー部にフィルムの突起状物が残っておらず、容器のフランジ部にもほとんどシワが見られず綺麗な外観を有していた。また、同様な耐ピンホール調査においても、包装体にはピンホールは認められなかった。
電子線照射架橋を行ったエチレン−αオレフィン共重合体層および内面ヒートシール層の架橋度の測定は、フィルム全体を160℃以上の温度で熱収縮させた後に、各測定対象層のみをその外側表面から90%までの厚み範囲内で50mg削りだして金網中に封入し、ASTM D2765に準拠した方法によって、沸騰パラキシレン中で12時間処理した後に乾燥して秤量し、試料の元の重量に対する処理後の重量割合を算出してゲル分率とした。
層構成が、エチレン−酢酸ビニル共重合体/エチレン−αオレフィン共重合体/ポリプロピレン系樹脂/エチレン−αオレフィン共重合体/エチレン−酢酸ビニル共重合体で、各層の厚み比率(%)が10/25/30/25/10、厚みが11μmのフィルムを用いて包装を行った。なお、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−αオレフィン共重合体層の各層には非イオン系界面活性剤を主体とする防曇剤が各層に対し1wt%含むものであった。このフィルムの酸素透過度は150,000ml/(m2・day・Mpa)、100℃の熱収縮率がタテ50%、ヨコ34%であった。この包装における予備包装体のLs/Liは0.82であった。得られた包装体は容器コーナー部にフィルムの突起状物が残っておらず、タイトで綺麗な仕上がりであり商品性に優れるものであった。
2 トレーもしくは容器本体
3 開口部密封シール部
4 筒状フィルムを形成するためのヒートシール部(縦シール)
5 突起状物
6 ガゼット部
7 蓋
Li 被包装物の上面から見た最大投影横寸法
Ls 予備包装体の密封シール部の横寸法
Claims (4)
- 熱収縮性フィルムからなる筒状フィルム内に被包装物を収納し、該筒状フィルムの一方の開口部を側面から内側に折り込み部を設けた状態で密封シールし、その後もう一方の開口部を同様にして折り込み部を設け、内部を脱気するとともに該開口部を密封シールしてガゼット形状の予備包装体を成形し、その後予備包装体の下面側の熱収縮性フィルムを熱収縮させて開口部の密封シール部を下方に引き付けたあと、予備包装体の上面側の熱収縮性フィルムを熱収縮させることを特徴とする収縮包装方法。
- 熱収縮性フィルムの熱収縮率が、横方向で10%以上かつ縦方向で20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の収縮包装方法。
- 熱収縮性フィルムがガスバリア性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の収縮包装方法。
- ガゼット形状の予備包装体の密封シール部の横寸法が、被包装物の上面から見た最大投影横寸法以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の収縮包装方法。
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