JP6217246B2 - 包装袋 - Google Patents
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Description
また無菌充填機は、通常その製造方法において、過酸化水素による殺菌工程を含む。すなわちその殺菌工程では、包材を過酸化水素水に浸漬した後乾燥する。
したがって、たとえばナイロンフィルムのように過酸化水素に耐性のない材料は使用することが困難とされていた。
本発明は、無菌充填機に対し、過酸化水素を速やかに除去し、乾燥することが出来、また輸送時の耐ピンホール性や落下時にも破袋することなく内容物を保護でき、さらに内容物に影響を与える残留溶剤を低減した充填、包装を目的とした無菌包装袋を提供することを課題とする。
少なくとも、最外層がブロック共重合体である無延伸ポリプロピレンフィルム、中間層が二軸延伸ナイロンフィルム、最内層がヒートシール層である無延伸ポリエチレンから構成される3層以上の積層体を用いた無菌充填機用の包装袋であって、
前記積層体は、前記二軸延伸ナイロンフィルムと最内層の無延伸ポリエチレンフィルムとを、溶剤を含まない接着剤で貼りあわせてなり、
前記積層体の腰強度が100mN/15mm以下であることを特徴とする包装袋である。
包装袋のためのフィルム積層体を設計する場合に、飲料や食品用として用いることを目的とすれば、積層体の強度、弾性率が大きいことの他にガスバリア性、低吸水性に優れ、成形加工性などを兼ね備える必要がある。
このような要求を満たすために、ガスバリア性に優れ、強度も大きいナイロンフィルムを積層体のひとつの層として選択することが多い。
しかしながらナイロンフィルムは過酸化水素の吸着が大きく、その酸化作用による劣化が問題とされている。
そのため最外層に無延伸ポリプロピレンフィルム(1)を包材の表面層として配することにより、包材の表面の濡れ性を低下させ、これにより過酸化水素水を速やかに除去し、乾燥することができるようにした。また先に述べたように、ナイロンフィルム自身に過酸化水素水耐性が無いために、二軸延伸ナイロンフィルム(2)を中間層として、その両側に無延伸ポリプロピレンフィルム(1)および無延伸ポリエチレンフィルム(3)を保護層として配置する構成とした。
さらにポリエチレンフィルムを無延伸フィルムとすることで、ピロー包装などでは、横シールと背貼りシール部が熱融着し、さらに耐衝撃性が上がる利点がある。
また、無延伸フィルムを表裏に配置しているため、この積層フィルムを加工する際、溶剤を含む接着剤で貼り合わせる(ドライラミネーション)場合には、無延伸フィルムを乾燥オーブン内に通すに際して、フィルムの収縮が起こり加工しにくく、さらに乾燥オーブン内の温度を高く出来ないため、溶剤が残り易くなる問題が発生する。そのため少なくとも二軸延伸ナイロンフィルム(2)と内容物側の無延伸ポリエチレンフィルム(3)は、溶剤を含まない接着剤で貼りあわせ(ノンソルベントラミネーション)を行うことにより、内容物に影響を与える残留溶剤を低減した無菌包装袋を提供することが出来る。
またフィルム積層体の腰強度を100mN/15mm以下とすることで、内容物が充填された包装袋の段ボール詰めの際フィルムが折れて、折れた部分が段ボールに擦れて破袋あるいはピンホールが発生することを防ぐことができる。
その場合中間層(6)は複数のフィルム層を含むことになり、接着剤層(5)はヒートシール層である無延伸ポリエチレンフィルム(3)と中間層(6)の間を接着するものとなる。
を使用し、その厚みは、5〜300μm、好ましくは10〜100μmの範囲内で設定するとよい。
接着剤層(4)については無溶剤タイプのほか、溶剤を含む接着剤を用いることもできる。
接着剤として、ドライ(溶剤系)ラミネーション機を用いて二軸延伸ナイロンフィルム(2)とヒートシール層の接着剤に溶剤系接着剤(三井化学(株)、商品名:A525)を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例1の積層体を作成した。
接着剤として、ドライ(溶剤系)ラミネーション機を用いて二軸延伸ナイロンフィルム(2)とヒートシール層の接着剤に溶剤系接着剤(三井化学(株)、商品名:A525)を使用した以外は実施例2と同様にして、比較例2の積層体を作成した。
最外層として厚さ60μmの無延伸共押し出しフィルム(オカモト(株)、商品名:ET20)およびヒートシール層として、厚さ100μm直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)、商品名:MZ180)を積層した以外は実施例1と同様にして、比較例3の積層体を作成した。
最外層として厚さ40μmのホモポリマーからなる無延伸共押し出しフィルム(三井化学東セロ(株)、商品名SC)を用いた以外は実施例1と同様にして比較例4を作成した。
最外層として厚さ60μmの無延伸共押し出しフィルム(オカモト(株)、商品名:ET
20)およびヒートシール層として、厚さ100μm直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)、商品名:MZ180)を積層した以外は実施例2と同様にして、比較例5の積層体を作成した。
最外層として厚さ40μmのホモポリマーからなる無延伸共押し出しフィルム(三井化学東セロ(株)、商品名SC)を用いた以外は実施例2と同様にして比較例6を作成した。
(落下試験)
サンプルの作製:前記積層体から、包装袋 幅(横)260mm、流れ(縦)500mmの縦ピロー包装袋を作製した。その包装袋に5Lの水を詰めて、24時間5℃の環境下に保存し、落下試験1及び2を実施した。
落下試験1:ピロー包装袋を高さ1mの位置からコンクリートに連続10回落下させて、ピロー包装袋が破袋するかどうかを評価した。試験は10個の袋サンプルに対して行った。破袋したピロー包装袋の数を表1に示す。
落下試験2(段ボール詰め想定):ピロー包装袋を高さ1mの位置から段ボール箱に連続5回落下させて、ピロー包装袋が破袋するかどうかを評価した。試験は10個の袋サンプルに対して行った。
破袋したピロー包装袋の数を表1に示す。
(腰強度測定)
フィルムを幅方向に15mm幅、長さ120mmの短冊状に切り取り、東洋精機製「ループスティフネステスター」で、ループ長100mm、圧縮速度3.5mm/secの試験条件で、測定を行った。
(残留溶剤測定)
包装袋を100mm×100mmに切り取り、4つ折りにし、裁断したフィルムを全て20mlバイアル瓶に入れ、ガスクロマトグラフィー(アジレント製:7890A)にて時間20分温度80℃で加熱し、フィルムに含まれる残留溶剤の量を測定した。
測定した残留溶剤の量を表1に示す。
2・・・二軸延伸ナイロンフィルム
3・・・無延伸ポリエチレンフィルム
4・・・接着剤層
5・・・接着剤層
6・・・中間層
Claims (2)
- 少なくとも、最外層がブロック共重合体である無延伸ポリプロピレンフィルム、中間層が二軸延伸ナイロンフィルム、最内層がヒートシール層である無延伸ポリエチレンから構成される3層以上の積層体を用いた無菌充填機用の包装袋であって、
前記積層体は、前記二軸延伸ナイロンフィルムと最内層の無延伸ポリエチレンフィルムとを、溶剤を含まない接着剤で貼りあわせてなり、
前記積層体の腰強度が100mN/15mm以下であることを特徴とする包装袋。 - 前記積層体において中間層に二軸延伸ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム層、エチレンビニルアルコール共重合体層、ポリ塩化ビニリデン層、シリカ層、アルミナ層から選択される1又は2以上の層を積層したことを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
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