JP2023114986A - 包装材料用積層体、包装袋および包装体 - Google Patents

包装材料用積層体、包装袋および包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】リサイクル適性に優れ、製袋加工適性を有した耐圧性能や耐落下衝撃性に優れた包装材料用積層体およびこの積層体を用いた包装袋と包装体を提供すること。【解決手段】少なくとも第1のポリプロピレンフィルムとシーラントを備える包装材料用積層体であって、シーラントはポリプロピレン材料からなり、第1のポリプロピレンフィルムの融点とシーラントの融点の差が15℃以上ある、包装材料用積層体。【選択図】図1

Description

本開示は、包装材料用積層体、包装袋および包装体に関する。
近年、食品、医薬品等の包装に用いられる包装材料は、海洋プラスチックごみ問題等に端を発する環境意識の高まりから、プラスチック材料の分別回収と再資源化のさらなる高効率化が求められるようになってきている。
すなわち、従来、様々な異種材料を組み合わせることで高性能化を図ってきた包装用の積層体においても、環境対応の一環として、プラスチック製包装袋のリサイクルを促進すべく、プラスチック製包装袋を単一素材化(モノマテリアル化)する取り組みが広がっている。
モノマテリアル包材としては、包材を構成する各層を同種の材料であるオレフィン系材料で構成したものや、オレフィン系材料の中でも各層をポリプロピレン材料やポリエチレン材料などの同一素材で構成したものが知られている。
従来より、ポリプロピレンフィルムは菓子の軽包装等に使用されていて製袋実績があり、またベースフィルムとして耐熱性に優れている。
そのため、ポリプロピレン材料を単一素材として使用したいわゆるオールポリプロピレン包材のレトルト用途への展開の動きが活発になりつつある(特許文献1~3参照)。
特許第6902231号 特開2022-7962号公報 特開2022-7964号公報
一般的に、マルチマテリアル構成では基材にPETやナイロン(NY)といった、融点の高いフィルムを積層することで、一般的に融点の低いシーラントと基材、中間層に融点温度ギャップを設けて、製袋加工しやすくするような工夫が施されることが多い。
しかし、同じプラスチックで構成された基材や中間層とシーラントを組み合わせた包材においては、シーラント同士を貼り合わせる際、基材及び中間層とシーラントとの融点温度ギャップが狭くなり、製袋加工が非常に難しくなる。すなわち、シーラントが十分軟化する温度でシールすると基材等も熱の影響で収縮や白化してしまい、基材等が熱の影響を受けない温度でシールしようとするとシーラントが十分軟化しないためシール強度が出なくなり、十分なシール強度と基材、中間層の劣化防止の両立は困難である。
特に、オールポリプロピレン包材においては、シーラントとして無延伸ポリプロピレン(CPP)シーラントが用いられるものの、レトルト包材向けに使用されるCPPシーラントは、耐熱性に優れている一方で、融点が高くなるため、シール温度域が高くなる。
そして、オールポリプロピレン包材は、基材や中間層にCPPと融点の近しい延伸ポリプロピレン(OPP)等のポリプロピレンフィルムを使用するため、基材や中間層との融点温度ギャップが狭くなり、製袋加工が非常に難しくなる。
製袋加工時に十分にシールされなかった場合、パウチに圧力がかかったり、落下させたりするような状況下でパウチが破袋してしまう可能性がある。
特に、レトルト処理等の高温高圧下で処理時を行うレトルトパウチのような包装袋の場合、パウチに内圧がかかってパウチが膨らむ傾向にあるが、その際にシールが不十分であると、シール部分が後退し不具合を起こす可能性がある。
本開示は上記問題に鑑み、リサイクル適性に優れ、製袋加工適性を有し、かつ耐圧性能や耐落下衝撃性に優れた包装材料用積層体およびこの積層体を用いた包装袋と包装体を提供する。
上記課題を解決するため、本開示の一側面に係る包装材料用積層体は、少なくとも第1のポリプロピレンフィルムとシーラントを備える包装材料用積層体であって、シーラントはポリプロピレン材料からなり、ポリプロピレンフィルムの融点とシーラントの融点の差が15℃以上である包装材料用積層体とする。
一態様において、シーラントの融点は、130~160℃の範囲内であってよい。
一態様において、上記包装材料用積層体は、ポリプロピレンフィルムとシーラントの間に第2のポリプロピレンフィルムを備え、第2のポリプロピレンフィルムの融点とシーラントの融点の差が15℃で以上であってよい。
一態様において、上記包装材料用積層体は、ポリプロピレンフィルムとシーラントの間にバリア層を備えていてよい。
一態様において、上記積層体のMDの150℃での熱収縮率は、20.0%未満であってよい。
一態様において、上記積層体全体のヘイズが30%以下であってよい。一態様において、第1のポリプロピレンフィルムのMD及びTDの150℃での熱収縮率は、8%以下であってよい。
また、本開示の他の一側面に係る包装袋は、上記包装材料用積層体のシーラント同士を対面した状態で配置し、その周縁部の少なくとも一部をヒートシールされてなる包装袋。
また、本開示の更に他の一側面に係る包装袋は、上記包装材料用積層体のシーラント同士を対面した状態で配置し、その周縁部の少なくとも一部をヒートシールされてなる包装袋であって、少なくとも一部に透明部を備え、透明部のヘイズが30%以下である、包装袋とする。
本開示の更に他の一側面に係る包装体は、上記包装袋と、包装袋内に収容される内容物とを備える、包装体である。
本開示によれば、リサイクル適性に優れ、製袋加工適性を有し、かつ耐圧性能や耐落下衝撃性に優れた包装材料用積層体およびこの積層体を用いた包装袋と包装体が提供される。
図1は、本開示の包装材料用積層体の一例を示す断面説明図である。 図2は、本開示の包装材料用積層体の一例を示す断面説明図である。 図3は、本開示の包装材料用積層体の一例を示す断面説明図である。 図4は、本開示の包装材料用積層体の一例を示す断面説明図である。 図5は、本開示の包装材料用積層体の一例を示す断面説明図である。 図6は、本開示の包装袋の一例を示す説明図である。 図7は、実施例のパウチの反りの測定方法を示す模式図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<包装材料用積層体>
図1~5は、一実施形態に係る包装材料用積層体を示す模式断面図である。
図1の包装材料用積層体は、ポリプロピレン材料を含む基材1と、ポリプロピレン材料を含むバリア基材3、バリア基材上に形成したバリア層4からなるバリアフィルム2と、ポリプロピレン材料からなるシーラント6を備える。基材1とバリアフィルム2(バリア層形成面)、バリアフィルム2(バリア基材側)とシーラント6は接着層5を介して貼りあわされている。
図2の包装材料用積層体は、ポリプロピレン材料を含む基材1と、ポリプロピレン材料を含むバリア基材3、バリア基材層上に形成したバリア層4からなるバリアフィルム2と、ポリプロピレン材料からなるシーラント6を備える。基材1とバリアフィルム2(バリア基材側)、バリアフィルム2(バリア層形成面)とシーラント6は接着層5を介して貼りあわされている。
図3の包装材料用積層体はポリプロピレン材料を含むバリア基材3、バリア基材上に形成したバリア層4、ポリプロピレン材料からなるシーラント6を備える。バリア基材3のバリア層形成面とシーラント6は接着層5を介して貼りあわされている。
図4の包装材料用積層体はポリプロピレン材料を含む基材1、ポリプロピレン材料を含む中間層7、ポリプロピレン材料からなるシーラント6を備える。基材1と中間層7、中間層7とシーラント6はそれぞれ接着層5を介して貼りあわされている。
図5の包装材料用積層体はポリプロピレン材料を含む基材1、ポリプロピレン材料からなるシーラント6を備える。基材1とシーラント6は接着層5を介して貼りあわされている。
なお、包装材料用積層体を単に積層体と言う場合がある。
積層体の厚さは、180~300μmであり、200~280μmであってもよく、200~250μmであってもよい。包装材料用積層体の厚さが上記下限以上であることで、スリーブ形成時に良好な真円度を維持することができ、また良好な腰強度が得られ易い。
一方、厚さが上記下限以下であると十分な強度が得られない。積層体の厚さに特に制限はないが、上記上限以下であることで、十分な包材強度を保ちつつ、プレスチック資源を節約することができる。
積層体のバリアフィルム、中間層、基材とシーラントとはドライラミネート法により積層されており、接着層を介してシーラントを熱圧着することにより得られる。
後述のとおり、ドライラミネートにより得られる積層体は、シーラントと、バリアフィルム、中間層、基材との間に接着層を備えると言うことができる。
接着層は、ロールコート、グラビアコート、キスコート等のコート法や印刷法によって接着剤を基材上に塗布し、乾燥させることで形成される。接着剤の使用量(接着層の重量)には特に限定はないが、乾燥状態で0.1~10g/mとすることができ、1~5g/mであってもよい。
リサイクル適性、耐熱性等の観点から、基材、バリア基材、中間層、シーラントはいずれもポリプロピレン材料を用いることが好ましい。
ポリプロピレンの含有量は、積層体の全量を基準として90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上がよい。また、本開示でいうオールポリプロピレンとはこの範囲のことを言う。
ポリプロピレンの含有量の上限は特に制限されないが、リサイクル適性の観点から98質量%とすることができる。
(ポリプロピレンフィルム)
ポリプロピレンフィルムは基材やバリア基材、中間層に用いられる。基材は主としては包装材料用積層体の支持層となるものである。バリア基材はバリア層の支持層となるものであり、包装材料用積層体の支持層を兼ねることも可能である。また、外層として用いてもよい。
ポリプロピレンフィルムとしては延伸ポリプロピレンフィルムを用いることが好ましい。延伸ポリプロピレンは耐熱性、防湿性、耐水性、耐油性などに優れ、腰もあるため基材などに適している。また、透明性も高いため、後述のように内容物の視認が求められる場合に好適である。
ポリプロピレンは、ホモポリマー、ランダムコポリマー及びブロックコポリマーのいずれであってもよい。ポリプロピレンホモポリマーとは、プロピレンの単独重合体であり、ポリプロピレンランダムコポリマーとは、プロピレンとプロピレン以外の他のα-オレフィン(例えばエチレン、ブテン-1、4-メチル-1-ペンテン等)などとのランダム共重合体であり、ポリプロピレンブロックコポリマーとは、プロピレンからなる重合体ブロックと、上記したプロピレン以外の他のα-オレフィンからなる重合体ブロックを有する共重合体である。
これらポリプロプロピレンの中でも、透明性の観点からは、ホモポリマー又はランダムコポリマーを用いることができる。積層体の剛性や耐熱性等を重視する場合にはホモポリマーを用いることができ、耐衝撃性等を重視する場合にはランダムコポリマーを用いることができる。
ポリプロピレンとして、バイオマス由来のポリプロピレンや、メカニカルリサイクル又はケミカルリサイクルされたポリプロピレンを用いてもよい。
また、ポリプロピレンフィルムは、融点が160℃以上、好ましくは170℃以上のものを用いることができる。
また、ポリプロピレンフィルムとしてMDの150℃での熱収縮率が20.0%未満のものを好適に用いることができる。ポリプロピレンフィルムのMDの150℃での熱収縮率は、製袋加工適性の観点から、8%以下であることが好ましい。ポリプロピレンフィルムのTDの150℃での熱収縮率は、8%以下であることが好ましい。ポリプロピレンフィルムの熱収縮率は、例えば、以下の方法により測定できる。すなわち、23℃にてA4サイズにカットしたポリエステルフィルムを、160℃に保たれたオーブン中で30分間加熱する。その後、ポリエステルフィルムを23℃まで冷まして長さを測定する。そして、下記式に従い熱収縮率を算出する。
熱収縮率(%)=[{熱処理前に測定された長さ(A4サイズ)-熱処理後に測定された長さ}/熱処理前に測定された長さ]×100
また、ポリプロピレンフィルムは単層から構成されていてもよく、複数層から構成されていてもよい。複数層から構成される場合は共押出フィルムを好適に用いることができる。なお、複数層を構成する材料としては全体のポリプロピレン比率を損なわない範囲でEVOHなどのポリプロピレン材料以外のものを含んでいてもよい。
また、ポリプロピレンフィルムは、所期の効果が発現される限り、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃化剤、無機充填材、有機充填剤、染料、顔料等を含むことができる。
ポリプロピレンフィルムにおけるポリプロピレンの含有量は、85質量%以上とすることができ、95質量%以上であってもよい。
ポリプロピレンフィルムには表面処理が施されていてもよい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス及び/又は窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理等の化学的処理が挙げられる。
ポリプロピレンフィルムの厚さ(複数層を備える場合はその総厚)は、基材用途、中間層用途などに応じて適宜設定できるが、おおよそ15~70μmとすることができ、また15~50μmであってもよく、20~40μmであってもよい。ポリプロピレンフィルムの厚さが上記範囲内であることで、印刷、ラミネート等の加工がし易くなる。
なお、本開示では、基材、バリア基材、中間層、外層など、ポリプロピレンフィルムが複数層存在する構成となる場合、最外層に位置するポロプロピレンフィルムをポリプロピレンフィルムとし、中間層となるポリプロピレンフィルムを第2のポリプロピレンフィルムとする。
(バリアフィルム)
バリアフィルムはバリア基材とバリア層を備える。バリア層としては無機酸化物層からなるバリア層を用いることができる。さらにアンカー層やオーバーコート層を備えていてもよい。さらにコート層からなるバリア層を用いることも可能である。
なお、バリア基材は包装材料用積層体の基材を兼ねることもできる。
(バリア基材)
バリア基材としては前述のポリプロピレンフィルムを用いることができる。
(バリア層)
バリア基材上に無機酸化物層からなるバリア層を備えることができる。
無機酸化物層により、酸素及び水蒸気の透過がより抑制されるため、内容物の保存安定性がより向上する。
包装袋とすることを想定すると、バリア性の観点から、無機酸化物層は基材の内容物とは反対側の面上に設けることができる。
無機酸化物層は酸化アルミニウム又は酸化ケイ素を含むことができる。
アルミニウム箔やアルミニウム蒸着膜等の金属層を使用する態様に比して、内容物を充填包装後に金属探知機を用いて金属異物の検査を行うことができる。
無機酸化物層は可視光を充分に透過する層(透明)であってよい。
これにより内容物の色や透明度を外部から視認し易い。酸化アルミニウム又は酸化ケイ素は高い透明性を有するので積層体全体を透明にする場合は好適に用いることができる。
無機酸化物層は無機酸化物蒸着層であってよい。すなわち、バリア基材表面に、物理気相成長法、化学気相成長法等による蒸着方式により無機酸化物層が形成されてよい。
無機酸化物層上には、ロールコート、グラビアロールコート、キスコート、その他等のコーティング方式、グラビア印刷、オフセット印刷、転写印刷、その他等の印刷方式等によりバリア性のオーバーコート層を形成してもよい。
無機酸化物層の厚さは、5~100nmとすることができ、好ましくは10~20nmの範囲内である。
無機酸化物層の厚さが上記下限以上であることで、充分なバリア性を発現し易くなり、上記上限値以下であることで、クラックによるバリア性の劣化を抑制し易くなる。
なお、バリア基材の無機酸化物層を形成する面にはプラズマ処理などを施してもよい。また、アンカー層などを設けてもよい。
また、バリア層として無機酸化物層上にはオーバーコート層を設けた構成を用いてもよい。オーバーコート層としては、金属アルコキシドと水溶性高分子との樹脂組成物から構成されるガスバリア性塗布膜を用いることができる。また、金属アルコキシドと、水溶性高分子以外さらにシランカップリング剤を加え、これらの樹脂組成物から構成されるガスバリア性塗布膜を用いてもよい。このオーバーコート層は透明性も有するため積層体全体を透明にしたい場合に好適に用いることができる。
(シーラント)
シーラントは、積層体の表面に位置するヒートシール性を有する層であり、積層体のシーラント同士を対面させ、適切な熱量を与えシールすることで包装袋とすることができる。
本開示ではオールポリプロピレン包材とするため、シーラントにはポリプロピレン材料を用いる。具体的には無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを用いることができる。
しかし、基材や中間層とシーラントが同種の材料であるため、通常使用されるポリプロピレン系のシーラントを用いると、シーラントと基材や中間層との融点が近しいため、製袋加工が非常に難しく、十分なシール強度と基材、中間層の劣化を防ぐことを両立することが困難となってしまう。すなわち、シールの際に十分な熱量が供給されずにシール強度が出なかったり、また熱量が過多になり基材等の劣化が起き結果として包装袋の変色やゆがみ、シール剥がれなどの原因となってしまう。
そこで本開示ではシーラントとして、ポリプロピレンフィルム(最外層となる基材等)との融点差が15℃以上ある(ポリプロピレンフィルムの融点より融点が15℃以上低い)ことが好ましい。
具体的に使用されるものとしては融点差が15~80℃の範囲内である(ポリプロピレンフィルムより融点が15~80℃低い)ものを用いることができる。15℃未満であると融点差が小さすぎ十分なシール強度と基材などに用いられるポリプロピレンフィルムの劣化を防ぐことを両立ができないものとなる。また、80℃を超える場合は現実的に使用できる材料がなく、また融点が低くなりすぎるため日常的な使用温度域で軟化してしまい使い勝手が悪くなることが想定される。この範囲であればシーラントが十分軟化してシール強度を確保できるとともに、基材などに用いられるポリプロピレンフィルムには加熱による劣化がないような温度域でのシールが可能となる。
なお、シーラントとポリプロピレンフィルムとの融点差は20℃以上であるとより好ましい。さらにより好ましい融点差の範囲は20~30℃である。なお、このようなシーラントを用いることでシール工程に要するエネルギーを抑えることができるというメリットもある。
ポリプロピレンフィルムの融点は上述の通り165℃以上、好ましくは170℃以上であるため、シーラントに用いるポリプロピレン材料としては、融点が130~160℃の範囲内、好ましくは140~150℃の範囲内のものを用いることができる。このようなポリプロピレン材料のうち、使用するポリプロピレンフィルムとの融点の差が15℃以上のものであるものを選択することができる。
このように、低温シール性のあるポリプロピレンフィルムを使用することにより、リサイクル適性に優れながら、製袋加工適性を有する耐圧性能や耐落下衝撃性に優れた包材とすることができる。なお、水蒸気バリア、酸素バリアを有するバリア包材の場合、十分なシール強度を確保できるため、シール部分が後退した部分からバリア性が低下するということがないため、内容物の劣化を防ぐ点でも効果がある。
なお、本開示ではシーラントの融点とポリプロピレンフィルムの融点の差が15℃以上あることを特徴としているが、積層体においてポリプロピレンフィルムが複数層存在する構成においては、最外層(シーラントとは反対側)に位置するポリプロピレンフィルムとシーラントの融点差が15℃以上あることを特徴とする。
なお、最外層ではない中間の層となる他のポリプロピレンフィルム(第2のポリプロピレンフィルム)とシーラントの融点差も15℃以上、好ましくは20℃以上であることがよい。シール工程では第2のポリプロピレンフィルムも熱的な影響を受ける場合があるためである。なお、シーラントの融点と第2のポリプロピレンフィルムの融点の差は80℃以下が好ましい。また、より好ましい融点差は20~30℃の範囲内である。
また、本開示に用いる低温シール性のあるポリプロピレン材料は一般的なポリプロピレンシーラントと比較すると透明性に優れており、一部又は全部が透明である包装袋とした際に内容物の視認性を向上させることができる。
従来のレトルト包材はアルミ層を含む構成がほとんどであったため、内容物の視認性は重要ではなかった。モノマテリアル構成になる場合、同時にアルミレス化も伴うことが多いが、その場合透明な包装袋の実現も可能となる。そして透明な包装袋とする場合は、内容物をクリアかつおいしそうに見せることも求められてくる可能性があるため、本開示の構成は透明性の点でも有用である。
本開示の包装材料用積層体では、基材やバリア層などは元々高い透明性を有するため、全体での透明性を高めるためにはシーラントの透明性が課題になるが、上述の低温シールが可能な130~160℃の範囲内のポリプロピレン材料を用いることで、包装材料用積層体全体のヘイズを30%以下にすることが可能である。
シーラントは、所期の効果が発現される限り、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃化剤、無機充填材、有機充填剤、染料、顔料等を含むことができる。
シーラントにおけるポリプロピレンの含有量は、85質量%以上とすることができ、95質量%以上であってもよい。
シーラントの厚さは、40~180μmの範囲内とすることができ、好ましくは60~110μmの範囲内である。
シーラントの厚さが上記下限以上であることで、十分なシール強度及び優れた自立性を得易くなる。
(接着層)
積層体において、シーラント、バリアフィルム、基材、中間層はドライラミネート法により積層することができる。すなわち、各層は接着層により貼りあわされてなる。
このようなものとして、柔軟性と屈曲性に優れる接着剤層とする観点から、接着剤としてはポリウレタン系接着剤を用いることができ、例えば、ポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹脂、ポリアクリレートポリウレタン系樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
ポリウレタン系接着剤を用いることで、ラミネート加工、印刷加工等の加工適性が向上し易い、という利点もある。
接着剤の態様として、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等が挙げられる。接着剤の形態として、フィルム状、シート状、粉末状、固形状等が挙げられる。接着剤の反応機構として、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶着型、熱圧型等が挙げられる。
また、接着層はバリア接着剤を用いてもよい。
また、各層は二液硬化型接着剤の接着剤や、無溶剤型の接着剤を用いても貼り合わせてもよい。
(印刷層)
積層体は、基材や中間層の表面に更に印刷層を備えてよい。なお基材、中間層の一方の面のみに設けてもよいし両方の面に設けてもよい。
印刷層は全面に設けてもよいし、透明部を有する包装袋とするときは部分的に非印刷領域を設けてもよい。
印刷層は文字、柄、記号及びこれらの組み合わせからなる画像を含む。印刷層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の従来公知の印刷法を挙げることができる。
積層体のMDの150℃での熱収縮率は、製袋加工適性の観点から、20.0%未満であることが好ましい。積層体の熱収縮率は、ポリプロピレンフィルムの熱収縮率と同様にオーブンを用いて測定してよい。
<包装袋>
上記積層体は、サシェ、ガゼットなどの包装袋や、平パウチやスタンディングパウチの各種パウチ包装袋やラミネートチューブ等のチューブなどの包装袋に用いることができる。包装袋に内容物を収容することで包装体が得られる。
具体的には例えば、図6(8a)に示すような平タイプのパウチ包装袋とすることが可能である。図6(8a)のパウチ包装袋は前面、背面の2つの包装材料用積層体を貼り合わせた構造である。そして下辺、側辺、上辺がシールされている(灰色部がシール部)。
また、図6(8b)に示すようなガゼットタイプのパウチ包装体とすることが可能である。図6(8b)のパウチ包装袋は前面、背面、左側面、右側面の4つの包装材料用積層体を貼り合わせ、上部に口栓を取り付けた構造である。各包装材料用積層体は端部でシールされている(灰色部がシール部)。
また、図6(8c)に示すようなスタンディングタイプのパウチ包装袋とすることが可能である。図6(8c)のパウチ包装袋は前面、背面、底面の3つの包装材料用積層体を貼り合わせた構造である。各包装材料用積層体は端部でシールされている(灰色部がシール部)。底面の包装材料用積層体の中心部分は内側に入るように配置され、前面、背面と底面をシールした端部が脚部となってスタンディングするような構造となっている。
本開示の包装袋の用途としてはトイレタリーや食品用、レトルト用途、レンジ対応用途など様々な用途に用いることができるが、本開示では特に高温高圧処理のレトルト処理を施すレトルト用途のパウチ包装袋に好適に用いることが可能である。
また、本開示の包装材料用積層体は高い透明性を有するため、少なくとも一部に透明部分を有する包装袋とすることができる。このようにすることで内容物を視認することが可能となる。
以下、本開示について実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、基材として厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム、東洋紡株式会社製P2171、融点170℃)を用い、基材の一方の面にドライラミネート用接着剤を用いて接着層を形成した。接着剤としては、二液反応型ポリエステルポリウレタン系樹脂(三井化学株式会社製)を用い、接着剤の厚みは3μm(乾燥状態)、とした。
次に中間基材として厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム、東洋紡株式会社製P2171、融点170℃)を用い、基材の接着層を設けた面を貼り合わせ、(中間基材/接着層/基材)からなる積層体を得た。
次に中間基材の基材を貼り合わせた面とは反対の面にドライラミネート用接着剤を用いて接着層を形成した。接着剤としては、二液反応型ポリエステルポリウレタン系樹脂(三井化学株式会社製)を用い、接着剤の厚みは3μm(乾燥状態)、とした。
そして中間基材の接着層を設けた面に、シーラントとして厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、オカモト株式会社製ET20、融点150℃)を貼り合わせ、(シーラント/接着層/中間基材/接着層/基材)からなる包装材料用積層体Aを得た。
得られた包装材料用積層体Aを2枚用意して平パウチサンプルを作製した。
用意した包装材料用積層体Aは縦16cm×横12cmの矩形のフィルムである。
平パウチサンプルの作製は、包装材料用積層体のシーラント側を対面させて重ね、底辺、側辺において6cm幅でシールして行った。
シール条件を170℃2秒、180℃2秒、190℃2秒の3種類を設定して行い、それぞれ実施例1の平パウチサンプルとして、平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(実施例2)
まず、バリア基材として厚さ18μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム、東洋紡株式会社製P2171、融点170℃)を用い、このOPPフィルムに厚さ30nmの酸化ケイ素蒸着層を設け、さらに乾燥膜厚300nmのオーバーコート層を設けた。オーバーコート層としてはポリビニルアルコール樹脂と金属アルコキシドを主成分とする溶液を塗布したものを用いた。
基材として厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム、東洋紡株式会社製P2171、融点170℃)を用い、基材の一方の面にドライラミネート用接着剤を用いて接着層を形成した。接着剤としては、二液反応型ポリエステルポリウレタン系樹脂(三井化学株式会社製)を用い、接着剤の厚みは3μm(乾燥状態)、とした。
そしてバリア基材の酸化ケイ素蒸着層とオーバーコート層を設けた面と基材の接着層を設けた面を貼り合わせ、(バリア基材/酸化ケイ素蒸着層/オーバーコート層/接着層/基材)からなる積層体を得た。
次にバリア基材の酸化ケイ素蒸着層とオーバーコート層を設けた面とは反対側の面にドライラミネート用接着剤を用いて接着層を形成した。接着剤としては、二液反応型ポリエステルポリウレタン系樹脂(三井化学株式会社製)を用い、接着剤の厚みは3μm(乾燥状態)、とした。
そして、バリア基材の接着層を設けた面に、シーラントとして厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、オカモト株式会社製ET20、融点150℃)を貼り合わせ、(シーラント/接着層/バリア基材/酸化ケイ素蒸着層/オーバーコート層/接着層/基材)からなる包装材料用積層体Bを得た。
次に包装材料用積層体Bを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(実施例3)
まず、バリア基材として厚さ18μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム、東洋紡株式会社製P2171、融点170℃)を用い、このOPPフィルムに厚さ30nmの酸化ケイ素蒸着層を設け、さらに乾燥膜厚300nmのオーバーコート層を設けた。オーバーコート層としてはポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製、商品名:クラレポバールPVA124)、テトラエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBE-04)、1,3,5-トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM-9659)を10:6:1(重量比)からなる塗液を塗布したものを用いた。
基材として厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム、東洋紡株式会社製P2171、融点170℃)を用い、基材の一方の面にドライラミネート用接着剤を用いて接着層を形成した。接着剤としては、二液反応型ポリエステルポリウレタン系樹脂(三井化学株式会社製)を用い、接着剤の厚みは3μm(乾燥状態)、とした。
そしてバリア基材の酸化ケイ素蒸着層を設けた面とは反対側の面と基材の接着層を設けた面を貼り合わせ、(オーバーコート層/酸化ケイ素蒸着層/バリア基材/接着層/基材)からなる積層体を得た。
次に厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、オカモト株式会社製ET20、融点150℃)を用意し、シーラントの一方の面にドライラミネート用のガスバリア性接着剤を用いて接着層を形成した。ガスバリア接着剤としては、二液反応型エポキシ樹脂(三菱瓦斯化学株式会社製)を用い、接着剤の厚みは3μm(乾燥状態)、とした。そしてシーラントの接着層を設けた面とバリア基材の酸化ケイ素蒸着層とオーバーコート層を設けた面を貼り合わせ、(シーラント/接着層/オーバーコート層/酸化ケイ素蒸着層/バリア基材/接着層/基材)からなる包装材料用積層体Cを得た。
次に包装材料用積層体Cを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(比較例1)
実施例1のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、フタムラ化学株式会社製FRTK-G、融点165℃)に変更した以外は実施例1と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Dを得た。
得られた包装材料用積層体Dを2枚用意して平パウチサンプルを作製した。
用意した包装材料用積層体Dは縦16cm×横12cmの矩形のフィルムである。
平パウチサンプルの作製は、包装材料用積層体のシーラント側を対面させて重ね、底辺、側辺において6cm幅でシールして行った。
シール条件を180℃2秒、190℃2秒、200℃2秒の3種類を設定して行い、それぞれ比較例1の平パウチサンプルとして、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)、平パウチサンプル(200℃)を作製した。
(比較例2)
実施例2のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、東レフィルム加工株式会社製ZK207、融点165℃)に変更した以外は実施例2と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Eを得た。
そして包装材料用積層体Eを用い、比較例1と同様の方法で平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)、平パウチサンプル(200℃)を作製した。
(比較例3)
実施例3のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、東レフィルム加工株式会社製ZK500、融点165℃)に変更した以外は実施例3と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Fを得た。
そして包装材料用積層体Fを用い、比較例1と同様の方法で平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)、平パウチサンプル(200℃)を作製した。
(実施例4)
まず、基材として厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム、AJ Plast Pubilc Company Limited製VRH20110、融点170℃)を用い、基材の一方の面にドライラミネート用接着剤を用いて接着層を形成した。接着剤としては、二液反応型ポリエステルポリウレタン系樹脂(三井化学株式会社製)を用い、接着剤の厚みは3μm(乾燥状態)、とした。
次に基材の一方の面にドライラミネート用接着剤を用いて接着層を形成した。接着剤としては、二液反応型ポリエステルポリウレタン系樹脂(三井化学株式会社製)を用い、接着剤の厚みは3μm(乾燥状態)、とした。
そして基材の接着層を設けた面に、シーラントとして厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、東洋紡株式会社製P1153、融点150℃)を貼り合わせ、(シーラント/接着層/基材)からなる包装材料用積層体Gを得た。
そして包装材料用積層体Gを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(実施例5)
実施例3のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、東洋紡株式会社製P1157、融点150℃)に変更した以外は実施例3と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Hを得た。
そして包装材料用積層体Hを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(実施例6)
実施例3のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、東レフィルム加工株式会社製トレファン3951、融点140℃)に変更した以外は実施例3と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Iを得た。
そして包装材料用積層体Iを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(実施例7)
実施例3のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、東レフィルム加工株式会社製トレファン9501、融点150℃)に変更した以外は実施例3と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Jを得た。
そして包装材料用積層体Jを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(実施例8)
実施例3のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、フタムラ化学株式会社製FRTK-S、融点150℃)に変更した以外は実施例3と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Kを得た。
そして包装材料用積層体Kを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(実施例9)
実施例3のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、三井化学東セロ株式会社製GLC、融点140℃)に変更した以外は実施例3と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Lを得た。
そして包装材料用積層体Lを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
(実施例10)
実施例3のシーラントを厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、出光ユニテック株式会社製ユニラックスRT-610C、融点150℃)に変更した以外は実施例3と同様の方法で積層体を作製し、包装材料用積層体Mを得た。
そして包装材料用積層体Mを用いて実施例1と同様の方法で平パウチサンプル(170℃)、平パウチサンプル(180℃)、平パウチサンプル(190℃)を作製した。
<評価>
以下評価した結果を示す。
<耐圧試験>
まず、実施例、比較例の平パウチサンプルの上面開口部から80℃のお湯100mlを入れ、上辺をシールしたものを用意した。なおシール条件はそれぞれ底辺、側辺のシール条件と同様にした。
次に80kgで3分加圧し、シール後退(内容物が侵食しシール部分が後退している状態)の有無、程度を確認した。
<落袋耐性試験>
まず、実施例、比較例の平パウチサンプルの上面開口部から180gの冷水(5℃)を入れ、上辺をシールしたものを5つずつ用意した。なおシール条件はそれぞれ底辺、側辺のシール条件と同様にした。
次に高さ1mから平パウチサンプルを垂直に落下させ、シール部が切れて破袋するまでの回数を測定し、5つのサンプルの平均の値を算出した。
<透明性>
実施例、比較例の平パウチサンプルをNIPPON DENSHOKU製ヘイズメーターNDH7000にて測定した。
<パウチの反り測定>
実施例、比較例の平パウチサンプルを机の上に置き図7に示すとおり平パウチサンプルの上辺から23mmの領域を重しで押さえた。そして、平パウチサンプルの反りとして、机の主面からパウチの底辺の右側部までの距離を測定した。
<パウチの凹凸>
実施例、比較例の平パウチサンプルの底部について収縮により生じる凹凸の有無を観察した。観察は、平パウチサンプルの底辺からの距離が10mmの部分について、平パウチサンプルの幅方向に沿って凹凸の有無を観察した。観察には、キーエンス製の三次元形状測定機VR6200を使用した。
<評価結果>
上記評価の結果を表1に示す。

評価結果によれば、耐圧試験において、実施例のサンプルはいずれのシール温度においてもシール後退が起きなかったが、比較例のサンプルはいずれもシール後退が起きた。特に、比較例では3種のシール条件のうち、温度が低い場合、高い場合で特にシール後退が進んでおり、シール条件の適正な幅も狭く、製袋適正に劣ることが推察される。
また、落袋耐性試験において、実施例のサンプルはいずれも比較例に比べてシーラントが切れて破袋までの回数が多く、落袋耐性があることが確認できた。また、比較例のサンプルは3種のシール条件のうち、温度が低い場合、高い場合で特に少ない回数で破袋しており、シール条件の適正な幅も狭く、製袋適正に劣ることが推察される。
また、透明性試験において、実施例のサンプルはいずれもヘイズが低く高い透明性を有することが確認できた。すなわち内容物を視認させるような包装袋に好適に用いることができることが確認できた。
また、パウチの反り評価において、実施例のサンプルはいずれも比較例に比べてパウチの反りが小さいことが確認できた。また、パウチの凹凸を確認すると、実施例のサンプルはいずれも比較例に比べて平滑であることから、充填工程においてパウチを1枚ずつなめらかに供給可能であり、給袋適正に優れることが推察される。
本開示の要旨は以下の[1]~[10]に存する。
[1]少なくとも第1のポリプロピレンフィルムとシーラントを備える包装材料用積層体であって、
シーラントはポリプロピレン材料からなり、
第1のポリプロピレンフィルムの融点とシーラントの融点の差が15℃で以上ある、包装材料用積層体。
[2]シーラントの融点が130~160℃の範囲内である、[1]に記載の包装材料用積層体。
[3]第1のポリプロピレンフィルムとシーラントの間に第2のポリプロピレンフィルムを備え、
第2のポリプロピレンフィルムの融点とシーラントの融点の差が15℃で以上ある、[1]又は[2]に記載の包装材料用積層体。
[4]第1のポリプロピレンフィルムとシーラントの間にバリア層を備える、[1]~[3]のいずれかに記載の包装材料用積層体。
[5]当該積層体のMDの150℃での熱収縮率が20.0%未満である、[1]~[4]のいずれかに記載の包装材料用積層体。
[6]当該積層体のヘイズが30%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の包装材料用積層体。
[7]第1のポリプロピレンフィルムのMD及びTDの150℃での熱収縮率が8%以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の包装材料用積層体。
[8][1]~[7]のいずれかに記載の包装材料用積層体のシーラント同士を対面した状態で配置し、その周縁部の少なくとも一部をヒートシールされてなる包装袋。
[9]少なくとも一部に透明部を備え、
透明部のヘイズが30%以下である、[8]に記載の包装袋。
[10][8]又は[9]に記載の包装袋と、前記包装袋内に収容される内容物とを備える、包装体。
1…基材、2…バリアフィルム、3…バリア基材、4…バリア層、5…接着層、6…シーラント、7…中間層、8a…平パウチ、8b…ガゼットタイプのパウチ、8c…スタンディングタイプのパウチ、9…ヒートシール部。

Claims (10)

  1. 少なくとも第1のポリプロピレンフィルムとシーラントを備える包装材料用積層体であって、
    前記シーラントはポリプロピレン材料からなり、
    前記第1のポリプロピレンフィルムの融点と前記シーラントの融点の差が15℃で以上ある、包装材料用積層体。
  2. 前記シーラントの融点が130~160℃の範囲内である、請求項1に記載の包装材料用積層体。
  3. 前記第1のポリプロピレンフィルムと前記シーラントの間に第2のポリプロピレンフィルムを備え、
    第2のポリプロピレンフィルムの融点と前記シーラントの融点の差が15℃で以上ある、請求項1に記載の包装材料用積層体。
  4. 前記第1のポリプロピレンフィルムと前記シーラントの間にバリア層を備える、請求項1に記載の包装材料用積層体。
  5. 当該積層体のMDの150℃での熱収縮率が20.0%未満である、請求項1に記載の包装材料用積層体。
  6. 当該積層体のヘイズが30%以下である、請求項1に記載の包装材料用積層体。
  7. 前記第1のポリプロピレンフィルムのMD及びTDの150℃での熱収縮率が8%以下である、請求項1に記載の包装材料用積層体。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の包装材料用積層体のシーラント同士を対面した状態で配置し、その周縁部の少なくとも一部をヒートシールされてなる包装袋。
  9. 少なくとも一部に透明部を備え、
    前記透明部のヘイズが30%以下である、請求項8に記載の包装袋。
  10. 請求項8に記載の包装袋と、前記包装袋内に収容される内容物とを備える、包装体。
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