JP2001323119A - 押出しラミネート用ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

押出しラミネート用ポリプロピレン樹脂組成物

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JP2001323119A JP2000139746A JP2000139746A JP2001323119A JP 2001323119 A JP2001323119 A JP 2001323119A JP 2000139746 A JP2000139746 A JP 2000139746A JP 2000139746 A JP2000139746 A JP 2000139746A JP 2001323119 A JP2001323119 A JP 2001323119A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミネート基材に対する低温ヒートシール
性、剛性とシール性のバランス、高速成形性に優れた押
出しラミネート用ポリプロピレン樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)特定の融解ピーク温度、融解終了
温度、オルソジクロルベンゼン抽出量、Mw/Mn、エ
チレン含量を有するプロピレン−エチレンランダム共重
合体80〜90重量%、(B)低密度ポリエチレン3〜
15重量%、及び(C)特定のMFR、密度を有するエ
チレン−α−オレフィン共重合体3〜10重量%よりな
ることを特徴とする押出しラミネート用ポリプロピレン
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出しラミネート
用ポリプロピレン樹脂組成物に関し、特にラミ加工性、
ラミ品質に優れた押出しラミネート用ポリプロピレン樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品包装用資材、工業用資
材、建築用資材等として、各種樹脂フィルムやシート、
各種金属箔や板、紙等の基材にエチレン系樹脂やプロピ
レン系樹脂等のオレフィン系樹脂をラミネートして積層
体となし、熱融着性、水蒸気遮断性、防水性、防錆性等
の特性を付与することが行われ、主として、基材にアン
カーコート剤を介してオレフィン系樹脂を押出しラミネ
ートして積層体とする押出しラミネーション法が用いら
れている。
【0003】ポリプロピレン系樹脂は、防湿性、耐ガス
透過性、耐油性、耐熱性、腰の強さ等でポリエチレン系
樹脂よりも優れているが、押出しラミネーション法にお
いては、ネックイン(押出機ダイの幅よりも押出された
フィルムの幅が小さくなる現象)が大きく、高速でのラ
ミネーションではサージング(引き取り方向に発生する
厚みむら又はエッジ部の伸縮による不安定現象)を生じ
る等の加工性の問題があった。
【0004】ポリプロピレン樹脂として、高メルトフロ
ーレートのものを用いたり、ポリプロピレンに低密度ポ
リエチレンや無定形エチレン−α−オレフィン共重合体
を配合することにより、上記のような加工性の問題はあ
る程度改善されるものの、ラミネートフィルムとした時
に、ヒートシール強度に劣ったり、透明性に劣ったり、
高速成形性に劣る等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
押出しラミネーションによる問題を解決すべくなされた
もので、従って、本発明は、ラミネート基材に対する低
温ヒートシール性、剛性とシール性のバランス、高速成
形性に優れ、特に、ラミネート基材上にポリプロピレン
系樹脂層を形成した積層体とするに好適な押出しラミネ
ート用ポリプロピレン樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定のプロピレン−エ
チレンランダム共重合体を用いたポリプロピレン系樹脂
組成物が押出しラミネートにおいて、低温ヒートシール
性、剛性とシール性のバランス、高速成形性に優れるこ
とを見出し本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、下記の(A)、
(B)及び(C)成分よりなることを特徴とする押出し
ラミネート用ポリプロピレン樹脂組成物である。 (A)下記(a)〜(e)の特性を有するプロピレン−
エチレンランダム共重合体:80〜90重量% (a)DSCによる融解ピーク温度(Tp) が次式
(1)の範囲を満たすものである。 110℃≦Tp ≦140℃ …(1) (b)DSCによる融解終了温度(Te)が次式(2)
の範囲を満たすものである。 Te−Tp ≦8℃ …(2) (c)オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃にお
いて抽出した抽出量が2.0重量%以下である。 (d) ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
り求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5の範囲であ
る。 (e)NMR法より求めたエチレン含量が1〜5重量%
である。 (B)低密度ポリエチレン:3〜15重量% (C)メルトフローレート(MFR、230℃、21.
18N荷重)が1〜10g/10分、密度が0.890
g/cm未満のエチレン−α−オレフィン共重合体:
3〜10重量%
【0008】また、本発明は、上記のプロピレン樹脂組
成物100重量部に対し、更に有機過酸化物を0.00
1〜0.1重量部配合してなる樹脂組成物を溶融混練し
て得られる押出しラミネート用ポリプロピレン樹脂組成
物である。
【0009】また、本発明は、メルトフローレート(M
FR、230℃、21.18N荷重)が10〜30g/
10分、かつ190℃におけるメモリーイフェクト(M
E)が1.10〜1.25である上記の押出しラミネー
ト用ポリプロピレン樹脂組成物である。
【0010】また、本発明は、上記(A)プロピレン−
エチレンランダム共重合体がメタロセン系化合物により
重合された押出しラミネート用ポリプロピレン樹脂組成
物である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、下記の(A)、
(B)、(C)、必要に応じて(D)、(E)成分より
なることを特徴とする押出しラミネート用ポリプロピレ
ン樹脂組成物である。以下に各成分および製造方法につ
いて説明する。
【0012】1.構成成分 (A)プロピレン−エチレンランダム共重合体 (1)特性 本発明で用いるプロピレン−エチレンランダム共重合体
は、下記(a)〜(e)の特性を有する。 (a)DSCによる融解ピーク温度(Tp )が、11
0℃≦Tp≦140℃、好ましくは115℃≦Tp≦1
35℃を満足するものである。DSCによる融解ピーク
温度(Tp)が110℃未満では、高速自動包装適性や
ラミネートフィルムのベタツキが満足できない。また、
融解ピーク温度(Tp)が140℃を超えると低温ヒー
トシール性が不良となる。
【0013】(b)DSCによる融解終了温度(Te)
が、Te−Tp≦8℃、好ましくはTe−Tp≦7.8
℃を満足するものである。Te−Tpが8℃を超えるラ
ンダム共重合体ではヒートシールの立上り性が不良とな
る。
【0014】(c)オルソジクロルベンゼンを溶媒とし
て40℃において抽出した抽出量が2.0重量%以下、
好ましくは1.5重量%以下のものである。抽出量が
2.0重量%を超えるランダム共重合体ではラミネート
フィルムのベタツキが悪化する。
【0015】(d)ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5
〜3.5の範囲内である。Mw/Mnが1.5未満では
ラミネートフィルムの成形性が不良となり、また3.5
を超えると透明性が不良となる。
【0016】(e)NMR法により求めたエチレン含量
が1〜5重量%である。エチレン含量が1重量%未満で
は、低温ヒートシール性が悪化し、5重量%を超えると
剛性が失われる。
【0017】なお、上記プロピレン−エチレンランダム
共重合体のMFR(230℃、21.18N荷重)は、
5〜25g/10分が好ましく、より好ましくは12〜
18g/10分である。
【0018】(2)プロピレン−エチレンランダム共重
合体の製造 上記のプロピレン系ランダム共重合体(成分(A))
は、メタロセン触媒により製造されたものが好ましく、
特に、下記の成分(i)、成分(ii)、並びに、必要
に応じて成分(iii)からなる触媒の存在下でプロピ
レンとエチレンとをランダム共重合させることにより製
造したものが好ましい。
【0019】触媒成分(i) Q(C4−a )(C4−b )M
eX〔ここで、Qは二つの共役五員環配位子を
架橋する結合性基であり、炭素数1〜20の2価の炭化
水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン
基、炭素数1〜20の炭化水素基を有するゲルミレン基
を示し、Meはジルコニウム、ハフニウムを、Xおよ
びYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン基、炭素
数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ
基、炭素数1〜20のアルキルアミド基、トリフルオロ
メタンスルホン酸基、炭素数1〜20のリン含有炭化水
素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を示
す。RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜
20の炭化水素基、ハロゲン基、アルコキシ基、ケイ素
含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水
素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接す
る2個のRまたは2個のRがそれぞれ結合して環を
形成していてもよい。aおよびbは0≦a≦4、0≦b
≦4を満足する整数である。ただし、RおよびR
有する2個の五員環配位子は、基Qを介しての相対位
置の観点において、Meを含む平面に関して非対称であ
る。〕
【0020】Qは、上記したように、二つの共役五員
環配位子を架橋する結合性基であり、(イ)炭素数1〜
20、好ましくは1〜6、の2価の炭化水素基、さらに
詳しくは、例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、
アリーレン等の不飽和炭化水素基、(ロ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有するシリレ
ン基、(ハ)炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の
炭化水素基を有するゲルミレン基である。なお、2価の
基の両結合手間の距離は、その炭素数の如何に関わ
らず、Qが鎖状の場合に4原子程度以下、就中3原子
以下であることが、Qが環状基を有するものである場
合は当該環状基+2原子程度以下、就中当該環状基のみ
であることが、それぞれ好ましい。従って、アルキレン
の場合はエチレンおよびイソプロピリデン(結合手間の
距離は2原子および1原子)が、シクロアルキレン基の
場合はシクロヘキシレン(結合手間の距離がシクロヘキ
シレン基のみ)が、アルキルシリレンの場合は、ジメチ
ルシリレン(結合手間の距離が1原子)が、それぞれ好
ましい。
【0021】Meは、ジルコニウム、ハフニウムであ
り、好ましくはジルコニウムである。XおよびY
は、それぞれ独立に、すなわち同一でも異なってもよ
くて、(イ)水素、(ロ)ハロゲン(フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素好ましくは塩素)、(ハ)炭素数1〜20の
炭化水素基、(ニ)炭素数1〜20のアルコキシ基、
(ホ)炭素数1〜20のアルキルアミド基、(ヘ)炭素
数1〜20のリン含有炭化水素基または(ト)炭素数1
〜20のケイ素含有炭化水素基、(チ)トリフルオロメ
タンスルホン酸基を示す。RおよびRは、それぞれ
独立して、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化
水素基、ハロゲン基、アルコキシ基、ケイ素含有炭化水
素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基または
ホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR
または2個のRがそれぞれ結合して環を形成してい
てもよい。aおよびbは0≦a≦4、0≦b≦4を満足
する整数である。具体的な例としては特開平8−208
733号公報に例示された化合物を挙げることができ
る。
【0022】触媒成分(ii) (ii−1)アルミニウムオキシ化合物、(ii−2)
ルイス酸、或いは、(ii−3)成分(i)と反応して
成分(i)をカチオンに変換することが可能なイオン性
化合物より選ばれた少なくとも1つ以上の化合物であ
る。ルイス酸のあるものは、「成分(i)と反応して成
分(i)をカチオンに変換することが可能なイオン性化
合物」として捉えることもできる。従って、「ルイス
酸」及び「成分(i)と反応して成分(i)をカチオン
に変換することが可能なイオン性化合物」の両者に属す
る化合物は、いずれか一方に属するものと解釈するもの
とする。成分(ii)についての具体的な化合物や製造
方法等については、特開平8−208733号公報に例
示された化合物や製造方法を挙げることができる。
【0023】触媒成分(iii) 必要に応じて用いられる成分(iii)の有機アルミニ
ウム化合物としては、一般式(AlR 3−n
で示される化合物であり、単独あるいは複数種使用する
ことができる。Rは、炭素数1〜20、好ましくは1
〜10のアルキル基を示し、Xは、ハロゲン、水素、ア
ルコキシ基、アミノ基を示す。nは1〜3までの、mは
1〜2までの整数である。これら有機アルミニウム化合
物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウ
ム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、ト
リノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエ
チルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニ
ウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエ
チルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミ
ニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド
等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、m=1、
n=3のトリアルキルアルミニウムおよびジアルキルア
ルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、R
炭素数1〜8のトリアルキルアルミニウムである。
【0024】触媒の形成 重合で用いられる触媒は、上記の成分(i)、成分(i
i)ならびに必要に応じて成分(iii)を重合槽内で
あるいは重合槽外で、重合させるべきモノマーの存在下
あるいは非存在下に接触させることにより調整すること
ができる。更に、微粒子状の固体を担体として用い、固
体状触媒として使用することも可能である。微粒子状の
固体としては、シリカ、アルミナ等の無機の多孔質酸化
物や有機化合物としては、エチレン、プロピレン、ブテ
ン−1などのα−オレフィン、もしくはスチレンを主成
分として生成される重合体または共重合体を例示するこ
とができる。また、本発明で使用される触媒は、オレフ
ィンの存在下で予備重合を行ったものであっても良い。
予備重合に用いられるオレフィンはプロピレン、エチレ
ン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、スチレン、ジ
ビニルベンゼンなどが用いられるが、これらと他のオレ
フィンの混合物であってもよい。
【0025】本発明で使用する成分(i)、成分(i
i)、成分(iii)の使用量は任意であるが、一般的
に成分(i)として何を選択するかで好ましい使用量の
範囲が異なったものとなる。成分(ii)として成分
(ii−1)を使用する場合、成分(ii−1)中のア
ルミニウム原子と成分(i)中の遷移金属の原子比(A
l/Me)で1〜100,000、好ましくは10〜1
0,000、さらに好ましくは50〜5,000の範囲
である。成分(ii)として成分(ii−1)、(ii
−2)、(ii−3)を使用する場合、成分(i)中の
遷移金属と成分(i−1)、(ii−2)、(ii−
3)のモル比で0.1〜1,000、好ましくは0.5
〜100、特に好ましくは1〜50の範囲で使用され
る。もし、成分(iii)を使用するならば使用量は、
対成分(A)に対するモル比で10以下、さらに10
以下、特に10以下の範囲が好ましい。
【0026】重合 プロピレンと、エチレンとを混合接触させることにより
行われる。共重合は、反応系中の各モノマーの量比が経
時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合
比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの
混合比を経時的に変化させることも可能である。また、
共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加
することも出来る。重合様式は、触媒成分と各モノマー
が効率よく接触するならば、あらゆる様式をとり得る。
具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶
媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いるスラ
リー法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず
各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法などが採用で
きる。また、連続重合、回分式重合または予備重合を行
う方法にも適用される。スラリー重合の場合は、重合溶
媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族
炭化水素の単独あるいは混合物が用いられる。重合温度
は0℃〜150℃であり、そのとき分子量調節剤として
補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜9
0kg/cmG、好ましくは0〜60kg/cm
G、特に好ましくは1〜50kg/cmGが適当で
ある。
【0027】(B)低密度ポリエチレン 本発明のプロピレン樹脂組成物で用いる低密度ポリエチ
レンは、密度が0.925g/cm 以下のものが望
ましく、密度が0.925g/cmを超えるものを用
いると、低密度ポリエチレンを用いることによる高速成
形性の改良効果が余り期待できない。また、低密度ポリ
エチレンのMFR(190℃、21.18N荷重)は、
1〜30g/10分が好ましく、より好ましくは4〜2
0g/10分である。このような低密度ポリエチレン
は、公知の方法、特に高圧法により製造される。また、
低密度ポリエチレンは、1種類又は2種類以上用いても
よく、MFRの異なる2種類の使用が好ましい。
【0028】(C)エチレン−α−オレフィン共重合体 本発明のプロピレン樹脂組成物で用いるエチレン−α−
オレフィン共重合体は、MFR(230℃、21.18
N荷重)が、1〜10g/10分、好ましくは2〜6g
/10分であり、密度が0.890g/cm未満の無
定形ないし低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体
である。MFRが1g/10分未満では、押出しラミネ
ートの高速加工性が悪化するとともに、ゲル、ブツが発
生し、10g/10分を超えると押出しラミネートの高
速加工性が悪くなる。
【0029】上記エチレン−α−オレフィン共重合体と
しては、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の
α−オレフィンの1種又は2種以上との共重合体、並び
にエチレンとα−オレフィン(好ましくはプロピレン)
及び1,3−ブタジエン、イソプレン、(ジ)シクロペ
ンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等
のジオレフィンとの共重合体が挙げられる。これらの中
でも、エチレンとプロピレン又は1−ブテンとの共重合
体、特にエチレンと1−ブテンとの共重合体が好まし
い。
【0030】(D)有機過酸化物 本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、必要に応じて、
上記(A)〜(C)成分に加えて有機過酸化物を配合す
ることができる。有機過酸化物は、プロピレン樹脂組成
物に加えられて、溶融混練時にプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体を減成し、MFRをコントロールするの
に有効である。有機過酸化物としては、ベンゾイルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、
1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ))−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−
ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、α,α´−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
t−ブチル−ハイドロパーオキサイド、キュメンハイド
ロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t
−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパ−オ
キシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、イソプロピルパーカーボネート等が挙げら
れる。これらは、1種に限らず2種以上を組み合せて使
用することができる。
【0031】(E)その他 本発明の樹脂組成物には、上記成分の他に、押出しラミ
ネート加工適性を向上させるために、種々の任意の添加
剤を加えることができる。これらの添加剤としては、酸
化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、
酸化珪素、硫酸カルシウム等のアンチブロッキング剤等
の添加剤、充填剤等を本発明の効果を損なわない範囲で
添加することができる。
【0032】2.成分の配合割合 (A)成分の配合割合は、(A)〜(C)の合計量の8
0〜90重量%、好ましくは82〜88重量%である。
(A)成分が80重量%未満では、ヒートシール強度が
低下するとともに透明性が悪化し、90重量%を超える
と押出しラミネート加工性が悪化する。
【0033】(B)成分の配合割合は、(A)〜(C)
の合計量の3〜15重量%、好ましくは5〜12重量%
である。(B)成分が3重量%未満では、押出しラミネ
ートの高速加工性が悪化し、15重量%を超えると透明
性が悪化する。
【0034】(C)成分の配合割合は、(A)〜(C)
の合計量の3〜10重量%、好ましくは4〜7重量%で
ある。(C)成分が3重量%未満では、押出しラミネー
トの高速加工性が悪化し、10重量%を超えると透明性
が悪化する。
【0035】(D)成分は、(A)成分100重量部当
たり、0.001〜0.1重量部、好ましくは0.00
5〜0.05重量部である。(D)成分が、0.001
重量部未満では、押出しラミネートの高速加工性が悪化
し、0.1重量部を超えると色相、臭いが悪化する。
【0036】3.ポリプロピレン樹脂組成物の製造 本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、上記の成分
(A)、(B)、(C)、必要に応じて(D)、(E)
成分をタンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型
ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合し
た後、一軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練すること
により調製される。成分(D)の有機過酸化物を配合し
た場合は、有機過酸化物がポリプロピレン系樹脂に均一
に分散するように、有機過酸化物を適当な媒体に混合し
たものも使用することができる。
【0037】4.溶融混練樹脂組成物 上記の様にして得られたポリプロピレン樹脂組成物は、
MFR(230℃、21.18N荷重)が10〜30g
/10分、好ましくは14〜24g/10分である。M
FRが上記範囲内であることにより、押出しラミネート
における加工性及び品質に優れる。また、190℃にお
けるメモリーイフェクト(ME:Memory Eff
ect)は、1.10〜1.25の範囲内である。ME
が1.10未満であるとラミネート加工時のネックイン
が悪化し、1.25を超えると透明性が悪化する。
【0038】5.ポリプロピレン樹脂組成物の用途 本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、従来公知の方法
により、基材上にアンカーコート剤を介して、逐次押出
しラミネート、サンドイッチ押出しラミネート、共押出
しラミネート等により積層体とされるが、押出しラミネ
ート用樹脂組成物の層と、基材とを共押出しし、基材上
にアンカーコート剤を介して、本発明の樹脂組成物の層
を積層するのに好適である。
【0039】ここで、その基材としては、具体的には、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート・イソフタレート共重合体、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、
ナイロンMXD6、ナイロン6/66等のポリアミド系
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等の未延伸
又は延伸フィルム・シート、或いは、それらの表面に印
刷等が施された印刷フィルム・シート等の厚み5〜20
00μm程度の樹脂製のもの、アルミニウム、銅、鉄等
の金属の箔、板等の厚み3〜1000μm程度の金属製
のもの、及び、紙、板紙等の紙製等のものが挙げられ
る。
【0040】また、アンカーコート剤としては、具体的
には、アルキルチタネート、チタンアシレート、チタン
キレート等の有機チタン系、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のポ
リイソシアネート化合物とポリオールとの反応による二
液反応型、ポリウレタンプレポリマーを主成分とする一
液反応型等のイソシアネート系、及び、ポリエチレンイ
ミン系等の通常用いられているものが挙げられるが、中
でも、イソシアネート系のものが好ましい。これらは、
通常、0.01〜10g/m程度の量で塗布すること
により使用される。
【0041】
【実施例】以下に、実施例および比較例により本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、実施例における評価方法は、以
下の通りである。
【0042】(1)MFR(メルトフローレート):J
IS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.
18Nにて測定した。ポリエチレンは、190℃、2
1.18Nにて測定した。
【0043】(2)密度:JIS K6922に準拠し
て測定した。
【0044】(3)示差走査型熱量計(DSC)による
融解ピーク温度(Tp)、融解終了温度(Te):セイ
コー社製DSCを用い、サンプル量5.0mgを採り、
200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の
降温スピードで結晶化させ、更に10℃/分の昇温スピ
ードで融解させたときの融解ピーク温度及び融解終了温
度で評価した(単位:℃)。
【0045】(4)オルソジクロルベンゼンによる抽出
量:クロス分別法による40℃での抽出量として求め
た。なお、装置、条件は、次の通りである。 装置:三菱化学(株)製 CFC T150A型 カラム:昭和電工(株)製 AD80M/S 3本 濃度:40mg/10ml 溶媒:オルソジクロルベンゼン
【0046】(5)Mw/Mn:GPCによる重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量
分布)を次のGPC装置にて測定した。 装置:ウォーターズ製 GPC 150C型 カラム:昭和電工(株)製 AD80M/S 3本 測定温度:140℃ 濃度:20mg/10ml 溶媒:オルソジクロルベンゼン
【0047】(6)エチレン含量:装置:JEOL−G
SX270(日本電子(株)製)、濃度:300mg/
2ml溶媒:オルソジクロルベンゼンを用い、13C−
NMR法によって決定した。
【0048】(7)メモリーイフェクト(ME):メル
トインデクサーのシリンダー内温度を190℃に設定
し、オリフィスは長さ8.00mm、径1.00mm
φ、L/D=8のものを用いる。また、オリフィス直下
にエチルアルコールを入れたメスシリンダーを置く(オ
リフィスとエチルアルコール液面との距離は20±2m
mにする。)。この状態でサンプルをシリンダー内に投
入し、1分間の押出量が0.1±0.03gとなるよう
に荷重を調整し、6分後から7分後の押出物をエタノー
ル中に落とし、固化してから採取する。採取した押出物
のストランド状サンプルの直径を上端から1cm部分、
下端から1cm部分、中央部分の3箇所で最大値、最小
値を測定し、計6箇所測定した直径の平均値をもってM
Eとした。
【0049】(8)延展性:樹脂組成物を、口径90m
mφの押出機に装着したTダイスから押し出される樹脂
の温度が280℃になるように設定した押出しラミネー
ト装置を用い、冷却ロール表面温度25℃、ダイス幅5
60mm、ダイリップ開度0.7mmで引き取り加工速
度が80m/分の場合に被覆厚みが30μmになるよう
に押出量を調整して押し出し、幅500mm、厚み20
μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム上に、引き取り
速度を20m/分から上昇させながら押出しラミネート
加工を行い、安定して被覆加工ができる最高加工速度を
延展性とした。延展性が高いほど、高速での押出しラミ
ネート加工性が優れる。
【0050】(9)ネックイン:上記押出しラミネート
装置を用い、加工速度が150m/分、厚み20μmの
二軸延伸ポリプロピレンフィルム上への被覆厚みが15
μmの積層体を作成し、ダイス幅と得られた積層体中の
樹脂組成物層の幅の差をネックインとした。ネックイン
が小さいほど、有効製品幅が広くなり、押出しラミネー
ト加工性が優れる。
【0051】(10)110℃シール強度:上記押出し
ラミネート装置を用いてネックイン測定用に作成した積
層体を23℃で1日状態調整した後、樹脂組成物面を合
わせて、5mm×200mmのヒートシールバーを用
い、110℃において、ヒートシール圧力1kg/cm
、ヒートシール時間0.5秒のヒートシール条件でシ
ールした試料から15mm幅のサンプルを切り取り、シ
ョッパー型試験機を用いて引張速度500mm/分にて
引き剥し、その時の剥離強度とし、ヒートシール強度の
目安とした。110℃シール強度が高いほど、ヒートシ
ール性に優れる。
【0052】(11)300g/15mmシール温度:
上記と同様にして5mm×200mmのヒートシールバ
ーを用い、100℃から160℃において、ヒートシー
ル圧力1kg/cm、ヒートシール時間0.5秒のヒ
ートシール条件でシールした試料から15mm幅のサン
プルを切り取り、ショッパー型試験機を用いて引張速度
500mm/分にて引き剥し、300gの剥離強度を示
す時のシール温度とし、低温ヒートシール性の目安とし
た。300g/15mmシール温度が低いほど、低温ヒ
ートシール性が優れる。
【0053】(12)静止摩擦係数:上記と同様にして
得られた積層体を23℃−1日状態調整した後、AST
M−D1894に準拠して、積層体の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム面と樹脂組成物面との静止摩擦係数をス
リップテスター法にて評価した。静止摩擦係数が小さい
ほど、滑り性が優れ、充填工程などでのハンドリングに
優れる。
【0054】(13)ループスティフネス:上記と同様
にして得られた積層体を23℃−1日状態調整した後、
幅25mm、長さ150mmに切り取り、東洋精機製ル
ープスティフネステスターを用いて積層体のループステ
ィフネスを測定した。ループスティフネス値が高いほ
ど、積層体の腰があり、充填工程などでのハンドリング
に優れる。
【0055】実施例1 メタロセン系触媒で製造したプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体(MFR=13g/10分、融解ピーク温
度(Tp)=135℃、融解終了温度(Te)=140
℃、抽出量=0.2重量%、Mw/Mn=2.8、エチ
レン含量=2.2重量%)88重量%、低密度ポリエチ
レン(日本ポリケム(株)製、ノバテックLD LC6
04;MFR=8g/10分、密度=0.919g/c
)6重量%、エチレン−プロピレン共重合体(三井
化学(株)製、タフマーP0280;MFR=5.4g
/10分、密度=0.871g/cm)6重量%、及
び樹脂成分100重量部に対してフェノール系酸化防止
剤(テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン)0.05重量部、リン系酸化防止剤(テトラキ
ス(2,4−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェ
ニレンジフォスフォナイト)0.05重量部、ステアリ
ン酸カルシウム0.05重量部、エルシン酸アミド0.
05重量部、t−ブチルパーオキサイド0.02重量部
を混合した後、溶融押出してペレット化し、得られたペ
レットを口径90mmの押出機に装着した幅600mm
のTダイから、樹脂温度290℃で押出し、厚み20μ
mの二軸延伸ポリプロピレンフィルム上に肉厚15μ
m、速度150m/minで積層した。得られたペレッ
ト及び積層体の品質を評価した。結果を表1に示す。
【0056】実施例2 メタロセン系触媒で製造したプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体(MFR=16g/10分、融解ピーク温
度(Tp)=125℃、融解終了温度(Te)=130
℃、抽出量=0.6重量%、Mw/Mn=2.6、エチ
レン含量=3.5重量%)84重量%、低密度ポリエチ
レン1(日本ポリケム(株)製、ノバテックLD LC
720;MFR=10g/10分、密度=0.922g
/cm)6重量%、低密度ポリエチレン2(日本ポリ
ケム(株)製、ノバテックLDMS30;MFR=20
g/10分、密度=0.920g/cm)5重量%、
エチレン−ヘキセン共重合体(日本ポリケム(株)製、
カーネル KS240;MFR=4.3g/10分、密
度=0.880g/cm)5重量%からなる樹脂組成
物を用い、他の添加剤を実施例1と同様に加えて混合し
た後、実施例1と同様にしてペレット及び積層体を得
た。得られたペレット及び積層体の品質を評価した。結
果を表1に示す。
【0057】比較例1 チーグラー系触媒で製造したプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体(MFR=8g/10分、融解ピーク温度
(Tp)=138℃、融解終了温度(Te)=148
℃、抽出量=3.4重量%、Mw/Mn=3.7、エチ
レン含量=4.0重量%)84重量%、低密度ポリエチ
レン1(日本ポリケム(株)製、ノバテックLD LC
720;MFR=10g/10分、密度=0.922g
/cm)6重量%、低密度ポリエチレン2(日本ポリ
ケム(株)製、ノバテックLD MS30;MFR=2
0g/10分、密度=0.920g/cm)5重量
%、エチレン−ヘキセン共重合体(日本ポリケム(株)
製、カーネル KS240;MFR=4.3g/10
分、密度=0.880g/cm)5重量%からなる樹
脂組成物を用い、他の添加剤を実施例1と同様に加えて
混合した後、実施例1と同様にしてペレット及び積層体
を得た。得られたペレット及び積層体の品質を評価し
た。結果を表1に示す。
【0058】比較例2 実施例1で用いたメタロセン系触媒で製造したプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体95重量%、低密度ポリ
エチレン3重量%、エチレン−プロピレン共重合体2重
量%からなる樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1
と同様にしてペレット及び積層体を得た。得られたペレ
ット及び積層体の品質を評価した。結果を表1に示す。
【0059】比較例3 実施例1で用いたメタロセン系触媒で製造したプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体70重量%、低密度ポリ
エチレン25重量%、エチレン−プロピレン共重合体5
重量%からなる樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例
1と同様にしてペレット及び積層体を得た。得られたペ
レット及び積層体の品質を評価した。結果を表1に示
す。
【0060】比較例4 チーグラー系触媒で製造したプロピレン−エチレン−ブ
テン−1ランダム共重合体(MFR=7g/10分、融
解ピーク温度(Tp)=136℃、融解終了温度(T
e)=152℃、抽出量=7.8重量%、Mw/Mn=
3.7、エチレン含量=1.4重量%、ブテン含量1
1.1重量%)88重量%、低密度ポリエチレン(日本
ポリケム(株)製、ノバテックLD LC604;MF
R=8g/10分、密度=0.919g/cm)6重
量%、エチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)
製、タフマーP0280;MFR=5.4g/10分、
密度=0.871g/cm)6重量%からなる樹脂組
成物を用い、他の添加剤を実施例1と同様に加えて混合
した後、実施例1と同様にしてペレット及び積層体を得
た。得られたペレット及び積層体の品質を評価した。結
果を表1に示す。
【0061】比較例5 エチレン−α−オレフィン共重合体として、エチレン−
プロピレン共重合体(JSR(株)製、EP07P;M
FR=0.6g/10分、密度=0.859g/c
)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペレ
ット及び積層体を得た。得られたペレット及び積層体の
品質を評価した。結果を表1に示す。
【0062】比較例6 エチレン−α−オレフィン共重合体として、エチレン−
ブテン共重合体(日本ポリケム(株)製、UF240;
MFR=4.5g/10分、密度=0.920g/cm
)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペレッ
ト及び積層体を得た。得られたペレット及び積層体の品
質を評価した。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、
ラミネート基材に対する低温ヒートシール性、剛性とシ
ール性のバランス、高速成形性に優れ、特に、ラミネー
ト基材上にポリプロピレン系樹脂層を形成した積層体と
するに好適な押出しラミネート用ポリプロピレン樹脂組
成物であり、食品包装用資材、工業用資材、建築用資材
として好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:06 C08L 23:06 23:08) 23:08) Fターム(参考) 4F207 AA04 AA07 AA11A AA11C AA11H AB19 KA01 KA17 KB11 KF01 KJ05 KK81 4J002 BB032 BB053 BB141 BB151 EK016 EK026 EK036 EK046 EK056 EK086 4J100 AA02Q AA03P CA04 DA04 DA40 DA42 HA51 HC36 JA58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)、(B)及び(C)成分よ
    りなることを特徴とする押出しラミネート用ポリプロピ
    レン樹脂組成物。 (A)下記(a)〜(e)の特性を有するプロピレン−
    エチレンランダム共重合体:80〜90重量% (a)DSCによる融解ピーク温度(Tp) が次式
    (1)の範囲を満たすものである。 110℃≦Tp ≦140℃ …(1) (b)DSCによる融解終了温度(Te)が次式(2)
    の範囲を満たすものである。 Te−Tp ≦8℃ …(2) (c)オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃にお
    いて抽出した抽出量が2.0重量%以下である。 (d) ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
    り求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
    n)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5の範囲であ
    る。 (e)NMR法より求めたエチレン含量が1〜5重量%
    である。 (B)低密度ポリエチレン:3〜15重量% (C)メルトフローレート(MFR、230℃、21.
    18N荷重)が1〜10g/10分、密度が0.890
    g/cm未満のエチレン−α−オレフィン共重合体:
    3〜10重量%
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂組成物100重量
    部に対し、更に有機過酸化物を0.001〜0.1重量
    部配合してなる樹脂組成物を溶融混練して得られる押出
    しラミネート用ポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 メルトフローレート(MFR、230
    ℃、21.18N荷重)が10〜30g/10分、且つ
    190℃におけるメモリーイフェクト(ME)が1.1
    0〜1.25である請求項1又は2に記載の押出しラミ
    ネート用ポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)プロピレン−エチレンランダム共
    重合体がメタロセン系化合物にて重合された請求項1乃
    至3に記載の押出しラミネート用ポリプロピレン樹脂組
    成物。
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