JPH11124441A - 熱可塑性エラストマー - Google Patents

熱可塑性エラストマー

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JPH11124441A
JPH11124441A JP28992797A JP28992797A JPH11124441A JP H11124441 A JPH11124441 A JP H11124441A JP 28992797 A JP28992797 A JP 28992797A JP 28992797 A JP28992797 A JP 28992797A JP H11124441 A JPH11124441 A JP H11124441A
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thermoplastic elastomer
copolymer
ethylene
component
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JP28992797A
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English (en)
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Junji Mayumi
弓 順 次 真
Takahiro Ozu
津 孝 弘 小
Tetsuo Konno
野 哲 郎 今
Keisuke Shibafuji
藤 啓 介 柴
Shigekazu Oi
井 重 和 大
Shigeru Kako
古 慈 加
Hideo Nishimura
村 秀 雄 西
Junzo Ukai
飼 順 三 鵜
Naoyoshi Nakamura
村 直 義 中
Yuji Yamamoto
本 雄 二 山
Takashi Horie
江 隆 堀
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Mitsubishi Chemical Corp
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート成形性、熱成形性、耐低温脆性等に優
れると共に、耐油性に優れたポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーを提供する。 【解決手段】 結晶性プロピレン系重合体樹脂(A)1
0〜80重量%、エチレン56〜85重量%と極性基含
有ビニル単量体15〜44重量%との共重合体(B)5
0〜10重量%、および、エチレン含有量が40〜85
重量%であるオレフィン系共重合体ゴム(C)50〜1
0重量%(但し、(A)、(B)および(C)成分の総
和は100重量%とする。)、さらに、必要に応じて、
ゴム用軟化剤(D)を上記(C)成分100重量部に対
して50〜400重量部含有する組成物を有機過酸化物
の存在下に動的に熱処理した架橋物からなる熱可塑性エ
ラストマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーに関し、更に詳しくは、シート成
形性、熱成形性、耐低温脆性等に優れると共に、耐油性
に優れたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インストルメントパネル、ドアト
リム等の自動車内装部品の表皮には、ポリ塩化ビニルを
主材とするシートが用いられてきたが、自動車部品の軽
量化、およびリサイクル性や易焼却性等の環境問題の要
求から、近年、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
が注目され、実用に供され始めている。しかしながら、
一般的な従来のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
は鉱物油、油脂類等を吸収しやすく、例えば自動車内装
部品として使用する場合、耐油性が十分ではないと考え
られる。
【0003】一方、結晶性プロピレン系重合体樹脂とオ
レフィン系共重合体ゴム、さらに、必要に応じてゴム用
軟化剤とからなる組成物を有機過酸化物の存在下に動的
に熱処理した架橋物からなる従来のポリオレフィン系熱
可塑性エラストマーに代えて、結晶性プロピレン系重合
体樹脂と、エチレンとアクリル酸エステルもしくはメタ
クリル酸エステルとの共重合体とからなる組成物を同様
に熱処理して架橋物としたポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーが、耐油性を改良された材料として提案され
ている(特開平7−149964号公報参照)。しか
し、このポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、本
発明者等の検討によると、耐油性は改良されるものの、
従来のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが有する
シート成形性、熱成形性、および、耐低温脆性を犠牲に
するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前述の
従来技術に鑑み、従来のポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーの有する特性を維持した上で、前述の如き耐油
性を改良すべく検討した結果、本発明に到達した。従っ
て、本発明は、シート成形性、熱成形性、耐低温脆性に
優れると共に、耐油性に優れたポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
結晶性プロピレン系重合体樹脂(A)10〜80重量
%、エチレン56〜85重量%と極性基含有ビニル単量
体15〜44重量%との共重合体(B)50〜10重量
%、および、エチレン含有量が40〜85重量%である
オレフィン系共重合体ゴム(C)50〜10重量%(但
し、(A)、(B)および(C)成分の総和は100重
量%とする。)、さらに、必要に応じて、ゴム用軟化剤
(D)を上記(C)成分100重量部に対して50〜4
00重量部含有する組成物を有機過酸化物の存在下に動
的に熱処理した架橋物からなることを特徴とする熱可塑
性エラストマー、に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、(A)成分の結
晶性プロピレン系重合体樹脂としては、具体的に、例え
ば、プロピレン単独重合体、プロピレン90重量%以上
とエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オ
レフィン10重量%以下とのプロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体、プロピレン単独重合ブロック50
〜95重量%とプロピレン・α−オレフィン共重合ブロ
ック5〜50重量%からなり、プロピレン70重量%以
上と他のα−オレフィン30重量%以下とのプロピレン
・α−オレフィンブロック共重合体等を挙げることがで
きる。これら結晶性のプロピレン系重合体樹脂の結晶化
度は、耐油性の面からX線回折法で35%以上、さらに
は40〜80%であるものが好ましい。また、メルトフ
ローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠
した230℃、2.16kg荷重で0.01〜100g
/10分、さらには0.1〜80g/10分、特に0.
1〜20g/10分のものが好ましい。なお、本発明に
おける(A)成分としては、前記結晶性プロピレン系重
合体樹脂の2種以上を用いてもよい。
【0007】また、本発明において、(B)成分のエチ
レンと極性基含有ビニル単量体との共重合体における極
性基含有ビニル単量体の極性基としては、具体的に、例
えば、カルボニル基、カルボン酸基、カルボン酸無水物
基、エステル基、水酸基、ニトリル基、アミド基、アミ
ノ基、イミノ基、イミド基等が挙げられるが、中でも、
エチレンとの共重合性からエステル基が好ましい。特に
好ましい極性基含有ビニル単量体としては、具体的に
は、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル(ここで、エステルは、炭素数1〜12のアルコ
ールエステルである。)が挙げられ、共重合体として
は、具体的に、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・
メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合
体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・
メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン・アクリル酸−
2−エチルヘキシル共重合体、エチレン・メタクリル酸
−2−エチルヘキシル共重合体等が挙げられる。なお、
これら共重合体は、少量のプロピレン等の他のα−オレ
フィンや2種以上の極性基含有ビニル単量体等を共重合
体成分として含有していてもよい。
【0008】これらエチレンと極性基含有ビニル単量体
との共重合体における極性基含有ビニル単量体単位の含
有量は15〜44重量%であり、好ましくは15〜38
重量%、特に好ましくは15〜34重量%である。少な
過ぎると、熱可塑性エラストマーとしての耐油性の改良
効果が十分とはならず、多過ぎると、耐低温脆性や機械
的強度が損なわれることとなる。また、これら共重合体
の密度は、0.90〜0.96g/cm3 、特に0.9
2〜0.95g/cm3 のものが好ましく、メルトフロ
ーレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し
た190℃、2.16kg荷重で0.1〜100g/1
0分、特に0.2〜50g/10分のものが好ましい。
なお、本発明における(B)成分としては、前記エチレ
ンと極性基含有ビニル単量体との共重合体の2種以上を
用いてもよい。
【0009】また、本発明において、(C)成分のエチ
レン含有量が40〜85重量%であるオレフィン系共重
合体ゴムとしては、具体的に、例えば、エチレン・プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン・ブテン−1共重合体ゴ
ム、エチレン・ヘキセン−1共重合体ゴム、エチレン・
プロピレン・ブテン−1共重合体ゴム等の、エチレンと
炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体ゴム、お
よび、さらに、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン
−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,7−
オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、
1,9−デカジエン等の非共役ジエンを共重合成分とし
て含有するもの等等を挙げることができる。中でも、エ
チレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレ
ン・非共役ジエン共重合体ゴムが好ましく、エチレン・
プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム、エチ
レン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン
共重合体ゴムが特に好ましい。
【0010】エチレン・プロピレン共重合体ゴム、また
は、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
におけるエチレン含量はエチレンとプロピレンの合計量
に対して40〜85重量%が好ましく、特に50〜80
重量%であるのが好ましい。これらのオレフィン系共重
合体ゴムは、X線回折法で30%以下の結晶化度の低結
晶性または非晶性の共重合体である。また、ムーニー粘
度(ML1+4 (100℃))は、ASTM D1646
に準拠した測定で10〜500、特に20〜400のも
のが好ましく、沃素価で測定される不飽和度は、20以
下、特に18以下のものが好ましい。なお、本発明にお
ける(C)成分としては2種以上のオレフィン系共重合
体ゴムを用いても良い。
【0011】また、本発明において必要に応じて用いら
れる(D)成分のゴム用軟化剤は、通常、熱可塑性エラ
ストマーに加工性や柔軟性等を付与するために配合され
るものであり、本発明においても用いるのが好ましい。
ゴム用軟化剤は、鉱物油系で高沸点の石油留分であり、
一般に、芳香族類、ナフテン類、およびパラフィン類の
3者の混合物であって、パラフィン鎖の炭素数が全炭素
数の50%以上を占めるパラフィン系と、ナフテン環の
炭素数が全炭素数の30〜40%を占めるナフテン系
と、芳香族環の炭素数が全炭素数の30%以上を占める
芳香族系とに区分されているが、本発明においては、パ
ラフィン系のものが好ましく、その数平均分子量は、2
00〜2000、特に300〜1600のものが好まし
い。なお、本発明における(D)成分としては、前記の
ゴム用軟化剤の2種以上を用いてもよい。
【0012】本発明における、前記結晶性プロピレン系
重合体樹脂(A)、前記エチレンと極性基含有ビニル単
量体との共重合体(B)、および、前記オレフィン系共
重合体ゴム(C)からなる組成物の各成分の組成比は、
(A)成分10〜80重量%、(B)成分50〜10重
量%、および(C)成分50〜10重量%であり、
(A)成分20〜70重量%、(B)成分40〜15重
量%、および(C)成分40〜10重量%であるのが好
ましく、(A)成分30〜60重量%、(B)成分40
〜15重量%、および(C)成分35〜10重量%であ
るのが特に好ましい。(但し、(A)、(B)、および
(C)の各成分の総和は100重量%とする。)
【0013】前記組成比において、(A)成分が少な過
ぎると熱可塑性エラストマーとしての成形性、機械的強
度が低下し、多過ぎると熱可塑性エラストマーとしての
硬度が高くなりすぎて柔軟な風合いが損なわれると共
に、熱成形性が低下する。また、(B)成分が多過ぎる
と成形性、耐低温脆性が低下し、少な過ぎると耐油性の
改良効果が認められない。また、(C)成分が多過ぎる
と成形性が低下すると共に、耐油性の改良効果が低減
し、少な過ぎると耐低温脆性、柔軟性が損なわれる。
【0014】本発明において、必要に応じて前記組成物
に配合するゴム用軟化剤(D)の配合量は、前記(C)
成分100重量部に対して50〜400重量部であり、
75〜350重量部であるのが好ましく、100〜30
0重量部であるのが特に好ましい。前記配合量が、少な
過ぎると組成物としての耐油性の改良効果が不足し、多
過ぎるとゴム用軟化剤がブリードアウトするという問題
が生じる。
【0015】本発明においては、前記組成物を有機過酸
化物の存在下に動的に熱処理して架橋物とする。ここ
で、動的に熱処理するとは、ミキシングロール、ニーダ
ー、バンバリーミキサー、押出機等の混練機を用いて、
有機過酸化物の分解温度以上の温度で各成分を溶融状態
で混練することであり、通常、150〜350℃、好ま
しくは160〜300℃の温度で、0.2〜30分、好
ましくは0.5〜20分の時間行う。この動的熱処理に
より組成物中の(B)成分と(C)成分において架橋反
応が進行し、組成物は部分架橋物となるが、本発明にお
いて、その架橋度は、組成物中の(B)成分と(C)成
分との合計量に対して、沸騰キシレンによる10時間の
ソックスレー抽出後の不溶分として10〜99%、さら
には15〜95%、特に20〜90%の範囲が好まし
い。架橋度が低いと、熱可塑性エラストマーとしての機
械的強度、耐熱性が不十分となり、また高光沢となり過
ぎる。
【0016】なお、ここで、用いられる有機過酸化物と
しては、脂肪族系、芳香族系のいずれも用いることがで
き、具体的に、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾ
イルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキ
シド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド等が
挙げられる。なお、これらの有機過酸化物は2種以上を
用いてもよい。有機過酸化物の使用量は、前記(A)、
(B)、および(C)の各成分の合計量100重量部に
対して、通常0.01〜10重量部、特に0.1〜5重
量部とするのが好ましい。
【0017】また、前記有機過酸化物と共に、必要に応
じて架橋助剤を併用できる。この架橋助剤としては、具
体的に、例えば、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート等のアクリル系またはメタク
リル系多官能化合物やジビニルベンゼン、液状ポリブタ
ジエン等が挙げられる。架橋助剤の使用量は、前記
(A)、(B)、および(C)成分の合計量の100重
量部に対して、通常、10重量部以下、特に0.1〜5
重量部とするのが好ましい。
【0018】また、本発明においては上記熱可塑性エラ
ストマーの希釈剤として必要に応じて(E)成分のエチ
レンと極性基含有ビニル単量体との共重合体を配合する
ことができる。かかる(E)成分としては、前記(B)
成分の項に記載したエチレンと極性基含有ビニル単量体
との共重合体を用いることができる。また、(B)成分
の項に記載した好ましい成分は、この場合においても好
ましい成分として挙げることができる。(E)成分の配
合量は上記熱可塑性エラストマー100重量部に対して
10〜100重量部であり、10〜70重量部であるの
が好ましく、10〜50重量部であるのが特に好まし
い。当該配合量が多過ぎると柔軟性が損なわれる。
【0019】本発明においては、動的熱処理前の組成物
の段階で、または組成物を動的熱処理して架橋物とした
段階で、前記成分以外の各種樹脂やゴム、ガラス繊維、
タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、シリカ等の充填剤、
耐候安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散
剤、スリップ剤等の各種添加剤、カーボンブラック等の
顔料等を、必要に応じて配合することができる。なお、
本発明において、前記ゴム用軟化剤(D)の添加は、前
記(C)成分に予め配合しておく方法、前記組成物の段
階で配合する方法、組成物を動的熱処理して前記架橋物
とした段階で配合する方法、いずれの方法も採ることが
できる。
【0020】本発明の熱可塑性エラストマーは、それ単
独若しくは必要に応じて上記(E)成分等が配合され、
常法によりシート状に成形される。この際に用いられる
成形機としては、カレンダーロール、Tダイ若しくは環
状ダイを装着した押出機、プレス成形機等の一般的な成
形機が挙げられる。また、シート状成形体の表面にはエ
ンボス模様(シボ)を施すこともできる。エンボス模様
加工(シボ付け)は、カレンダーロール、Tダイを装着
した押出機等から成形されたシートをそのまま溶融ある
いは半溶融状態でエンボス模様加工用ロールとゴムロー
ル等の圧着ロールの間を通す方法、予め、巻き取ったシ
ートを加熱ドラム、赤外線ヒーターにより再加熱し同様
にエンボス模様加工用ロールとゴムロール等の圧着ロー
ルの間を通す方法、断続的にエンボス模様を施した金型
を用いてシートをプレスする方法が採用される。また、
エンボス模様を施した雌金型を用い真空成形によりシー
トの賦形と同時にエンボス模様加工する方法も含まれ
る。更に、このエンボス模様加工が施されたシートに発
泡体等を積層し雌引きの真空成形等により賦形されたも
のも本発明のシート状成形体に含まれる。なお、エンボ
ス模様とはシートの表面が皮革状あるいは幾何学状等の
凹凸の浮き出し模様にエンボス加工された状態である。
シート状成形体の厚みは、通常0.05〜10mm程度
である。該シート状成形体には、発泡体、織布、不織
布、綿布、紙等を積層することもでき、また、シート状
成形体の少なくとも一面にコート層を塗布することもで
きる。更に、これらシート状成形体及びその積層体を真
空成形、圧空成形等により、賦形することもできる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。 実施例1〜7、比較例1〜7 (A)成分、(B)成分、(C)成分、および(D)成
分として以下に記すものを用い、表1に示す組成比で、
有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン(化薬アクゾ社製、「カ
ヤヘキサAD」)を(A)、(B)、および(C)成分
の合計量の100重量部に対して0.5重量部、架橋助
剤としてジビニルベンゼン(三共化成工業社製)を同じ
く1.0重量部用いて、ヘンシェルミキサーにて混合し
た後、二軸押出機(日本製鋼所社製、「TEX30」)
で、200℃、230rpmで40秒間溶融混練してポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造した。 実施例8 上記実施例5の熱可塑性エラストマーに(E)成分を表
2に示す組成比で配合し、同じ二軸押出機で混練して熱
可塑性エラストマー組成物を製造した。
【0022】(A)成分:結晶化度が60%、230℃
でのMFR0.7g/10分のプロピレン単独重合体
(PP) (B)成分:酢酸ビニル単位含有量28重量%、密度
0.941g/cm3 、190℃でのMFR6.0g/
10分、DSC法による融解終了温度71℃のエチレン
・酢酸ビニル共重合体(EVA) 酢酸ビニル単位含有量11重量%、密度0.926g/
cm3 、190℃でのMFR3.5g/10分、DSC
法による融解終了温度89℃のエチレン・酢酸ビニル共
重合体(EVA) アクリル酸メチル単位含有量20重量%、密度0.93
5g/cm3 、190℃でのMFRが6.0g/10
分、DSC法で測定される融解終了温度が87℃のエチ
レン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、およ
び、 アクリル酸メチル単位含有量53重量%、密度0.95
7g/cm3 、190℃でのMFRが3.0g/10分
のエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA) (C)成分:エチレン含量72重量%、プロピレン含量
28重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)287
(但し、ゴム100重量部に対して75重量部のパラフ
ィン系ゴム用軟化剤配合物の測定値92からの換算
値)、沃素価15のエチレン・プロピレン・5−エチリ
デン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(EPDM) (D)成分:数平均分子量746、環分析0%のパラフ
ィン系ゴム用軟化剤(出光興産社製、「ダイアナプロセ
スオイルPW380」) (E)成分:アクリル酸メチル単位含有量20重量%、
密度0.935g/cm3 、190℃でのMFRが6.
0g/10分、DSC法で測定される融解終了温度が8
7℃のエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA
)、ヘキセン−1含有量18.5重量%、密度0.8
95g/cm3 、190℃でのMFRが2.0g/10
分、DSC法で測定される融解終了温度が90℃のエチ
レン・ヘキセン−1共重合体(PE)
【0023】得られた熱可塑性エラストマーもしくは熱
可塑性エラストマー組成物のペレットを2mm厚に圧縮
成形し、JIS K7216に準拠して衝撃による耐低
温脆性試験を実施し、−30℃にて脆性破壊しないもの
を○、−30℃にて脆性破壊するものを×として評価し
た。また、JIS K6301に準拠して表面硬度(A
形)を測定し、さらに、柔軟な風合いを有するものを
○、柔軟性が不足するものを×として柔軟性を評価し
た。
【0024】さらに、得られた熱可塑性エラストマーも
しくは熱可塑性エラストマー組成物を、コートハンガー
Tダイおよびフルフライトスクリューを装着したスクリ
ュー径45mm、圧縮比L/D28の押出機(武蔵野機
械製)で220℃でシート状に押出し、シボ付け用ロー
ル(30℃)と圧着ロール間で、一方の面に平均シボ深
さ100μmのエンボス加工を施すと共に、他方の面に
ポリプロピレン樹脂発泡シート(東レ社製「PPAM2
5020」を引き取り速度2m/分で積層した後、さら
に、発泡シート表面にポリプロピレンを押出しラミネー
トして熱可塑性エラストマー層の厚さ0.35mmの3
層積層シートを製造した。このとき、熱可塑性エラスト
マーのシート成形性を評価し、延展性がありシート成形
性良好なものを○、延展性がない等の理由によりシート
成形性不良のものを×として評価した。
【0025】さらに、得られた3層積層シートを、赤外
線ヒーターにより表面温度が100〜130℃になるよ
うに加熱した後、真空成形機(浅野研究所社製)にて下
面面積130cm2 、上面面積40cm2 、高さ5.5
cmの四角錐台を有する雄金型にて雄引き真空成形を行
い、熱成形品を製造した。得られた熱成形品について、
熱可塑性エラストマー層に破れ箇所が全く認められない
ものを○、破れ箇所が認められるものを×として熱成形
性を評価した。
【0026】また、得られた熱成形品の四角錐台上面を
切り出し、JIS K6301に準拠してJIS3号オ
イルに100℃で22時間浸漬した後、熱可塑性エラス
トマー層表面にベタツキ、変形等の異常が認めらないも
のを○、ベタツキ、変形等の異常が認められるが軽微な
ものを△、ベタツキの発生等の異常が顕著に認められる
ものを×としてその外観変化を評価した。
【0027】さらに、得られた熱成形品の四角錐台上面
からエラストマー層を剥離し、同様の浸漬試験を行い重
量変化率を測定した。以上の耐低温脆性、硬度、柔軟
性、シート成形性、熱成形性、および外観変化と重量増
加率による耐油性の評価結果を表1および表2に示し
た。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、シート成形性、熱成形
性、耐低温脆性等に優れると共に、耐油性に優れ、従っ
て、例えばインストルメントパネル、ドアトリム、コン
ソールボックス、天井材シート、ハンドルパッド等の自
動車内装部品の表皮材や、椅子用レザーシート、鞄用表
皮材等の好適なポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/14 C08K 5/14 C08L 23/08 C08L 23/08 23/10 23/10 23/16 23/16 //(C08F 210/02 218:08) (C08F 210/02 220:10) (72)発明者 小 津 孝 弘 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 今 野 哲 郎 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 柴 藤 啓 介 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 大 井 重 和 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 加 古 慈 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西 村 秀 雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鵜 飼 順 三 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中 村 直 義 静岡県浜松市東町1876番地 共和レザー株 式会社内 (72)発明者 山 本 雄 二 静岡県浜松市東町1876番地 共和レザー株 式会社内 (72)発明者 堀 江 隆 静岡県浜松市東町1876番地 共和レザー株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性プロピレン系重合体樹脂(A)10
    〜80重量%、エチレン56〜85重量%と極性基含有
    ビニル単量体15〜44重量%との共重合体(B)50
    〜10重量%、および、エチレン含有量が40〜85重
    量%であるオレフィン系共重合体ゴム(C)50〜10
    重量%(但し、(A)、(B)および(C)成分の総和
    は100重量%とする。)からなる組成物を有機過酸化
    物の存在下に動的に熱処理した架橋物からなることを特
    徴とする熱可塑性エラストマー。
  2. 【請求項2】結晶性プロピレン系重合体樹脂(A)10
    〜80重量%、エチレン56〜85重量%と極性基含有
    ビニル単量体15〜44重量%との共重合体(B)50
    〜10重量%、および、エチレン含有量が40〜85重
    量%であるオレフィン系共重合体ゴム(C)50〜10
    重量%(但し、(A)、(B)および(C)成分の総和
    は100重量%とする。)、並びに、ゴム用軟化剤
    (D)を上記(C)成分100重量部に対して50〜4
    00重量部含有する組成物を有機過酸化物の存在下に動
    的に熱処理した架橋物からなることを特徴とする熱可塑
    性エラストマー。
  3. 【請求項3】共重合体(B)における極性基含有ビニル
    単量体が、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、およびメ
    タクリル酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも
    1種である、請求項1または2に記載の熱可塑性エラス
    トマー。
  4. 【請求項4】共重合体(B)における極性基含有ビニル
    単量体単位の含有量が、該共重合体中15〜38重量%
    である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラ
    ストマー。
  5. 【請求項5】共重合体(B)における極性基含有ビニル
    単量体単位の含有量が、該共重合体中15〜34重量%
    である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラ
    ストマー。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性
    エラストマー100重量部にエチレンと極性基含有ビニ
    ル単量体との共重合体(E)を10〜100重量部配合
    してなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成
    物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性
    エラストマーもしくは熱可塑性エラストマー組成物から
    なるシート状成形体。
  8. 【請求項8】シート状成形体の表面がエンボス模様加工
    されたものである請求項7に記載のシート状成形体。
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