JP2005053970A - オレフィン系エラストマー組成物 - Google Patents

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Tadaaki Nishiyama
忠明 西山
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Abstract

【課題】耐永久伸び特性、耐磨耗性に優れるオレフィン系エラストマー組成物を提供すること。
【解決手段】下記成分(I)〜(IV)を含有し、成分(I)100重量部あたり、成分(II)の含有量が200重量部を超え1000重量部以下であり、成分(III)の含有量が30重量部以上300重量部以下であり、成分(IV)の含有量が1重量部以上40重量部以下であるエラストマー組成物。
(I)オレフィン系樹脂
(II)α−オレフィンから誘導される単量体単位の含有量が30モル%以上である非晶性α−オレフィン系重合体
(III)エチレンから誘導される単量体単位とα−オレフィンから誘導される単量体単位を含有し、α−オレフィンから誘導される単量体単位の含有量が30モル%未満である軟質オレフィン系共重合体
(IV)水添共役ジエン系ブロック重合体
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系エラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車内装部品、建材、家具、文房具、日用・雑貨用品等に用いられる表皮材には、柔軟性、耐磨耗性が求められ、これまで主に軟質塩化ビニル樹脂が用いられてきた。しかし、昨今の環境問題への関心の高まりから、軟質塩化ビニル樹脂に代えてオレフィン系樹脂を用いる検討がなされ、例えば、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体と非晶性エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体とからなる熱可塑性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−348417号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のオレフィン系樹脂組成物は、耐永久伸びにおいて十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、耐永久伸び特性、耐磨耗性に優れるオレフィン系エラストマー組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記成分(I)〜(IV)を含有し、成分(I)100重量部あたり、成分(II)の含有量が200重量部を超え1000重量部以下であり、成分(III)の含有量が30重量部以上300重量部以下であり、成分(IV)の含有量が1重量部以上40重量部以下であるエラストマー組成物に係るものである。
(I)オレフィン系樹脂
(II)α−オレフィンから誘導される単量体単位の含有量が30モル%以上である非晶性α−オレフィン系重合体(ただし、非晶性α−オレフィン系重合体中の全単量体単位を100モル%とする。)
(III)エチレンから誘導される単量体単位とα−オレフィンから誘導される単量体単位を含有し、α−オレフィンから誘導される単量体単位の含有量が30モル%未満である軟質オレフィン系共重合体(ただし、オレフィン系共重合体中の全単量体単位を100モル%とする。)
(IV)水添共役ジエン系ブロック重合体
【0006】
【発明の実施の形態】
成分(I)のオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数2〜10のオレフィン1種または2種以上から誘導される単量体単位を50重量%以上含有する重合体(ただし、当該重合体中の全単量体単位含有量を100重量%とする。)であって、JIS K−6253のDuro−A硬度が98を超える重合体である。該重合体はオレフィン以外の単量体から誘導される単量体単位を含有していてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素原子数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸があげられる。
【0007】
成分(I)のオレフィン系樹脂としては、たとえば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体が挙げられる。これら重合体は1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0008】
成分(I)のオレフィン系樹脂としては、耐永久伸び特性、耐磨耗性、耐熱性を高める観点から、プロピレンから誘導される単量体単位(プロピレン単量体単位)を含有する重合体であるプロピレン系重合体が好ましい。プロピレン系重合体としては、耐熱性を高める観点から、好ましくは、プロピレン単量体単位の含有量が80〜100重量%である重合体が好ましい(ただし、該重合体中の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)。プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、α−オレフィンおよび/またはエチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体などをあげることができる。プロピレン系重合体がプロピレン系ランダム重合体の場合、該共重合体中のプロピレン単量体単位の含有量は、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは93〜99.5重量%であり、プロピレン系重合体がプロピレン系ブロック重合体の場合、該共重合体中のプロピレン単量体単位の含有量は、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは85〜95重量%である。
【0009】
成分(I)のオレフィン系樹脂としては、結晶融解ピークの少なくとも一つが、50〜176℃にあることが好ましく、結晶融解熱量が30〜120J/gであることが好ましい。なお、結晶融解ピークおよび結晶融解熱量は、JIS K−7121およびK−7122に従い測定される。
【0010】
成分(I)のオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、耐永久伸び特性、耐磨耗性、成形加工性を高める観点から、好ましくは0.1〜500g/10分であり、より好ましくは0.3〜200g/10分であり、更に好ましくは0.5〜100g/10分である。なお、MFRは、JIS K−7210に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0011】
成分(I)のオレフィン系樹脂は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
【0012】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系重合体とは、α−オレフィンから誘導される単量体単位(α−オレフィン単量体単位)を含有する重合体であって、α−オレフィン単量体単位の含有量が、該重合体中の全単量体単位含有量を100モル%として、30モル%以上であり、示差走査熱量測定(DSC)により、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークおよび結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークのいずれもが観測されない重合体である。該ピークを有する場合、耐磨耗性、柔軟性に劣ることがある。
【0013】
該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等が例示され、これらは、1種または2種以上組み合わせて用いられる。入手容易性の観点から、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンであり、より好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンであり、更に好ましくはプロピレン、1−ブテンである。
【0014】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系重合体は、α−オレフィン以外の単量体から誘導される単量体単位を含有していてもよく、該単量体としては、例えば、エチレン、ポリエン化合物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物等があげられる。該単量体から誘導される単量体単位の含有量は、耐永久伸び特性や耐熱性を高める観点から、非晶性α−オレフィン系重合体中の全単量体単位を100モル%として、好ましくは50モル%以下であり、より好ましくは30モル%以下である。
【0015】
上記ポリエン化合物としては、共役ポリエン化合物、非共役ポリエン化合物などをあげることができる。共役ポリエン化合物としては、脂肪族共役ポリエン化合物および脂環族共役ポリエン化合物などがあげられ、これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基などを有していてもよい。
【0016】
上記環状オレフィンとしては、たとえば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン等があげられる。
【0017】
上記ビニル芳香族化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等があげられる。
【0018】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとエチレンとの共重合体等があげられる。成分(I)のオレフィン系樹脂としてプロピレン系重合体を使用する場合、耐磨耗性および低温特性を高める観点から、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体が好ましく使用される。なお、上記重合体は、1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系重合体のα−オレフィン単量体単位の含有量は、非晶性α−オレフィン系重合体中の全単量体単位を100モル%として、30モル%以上であり、好ましくは40モル%以上であり、更に好ましくは50モル%以上である。該含有量が少なすぎると、耐磨耗性、耐永久伸び特性に劣ることがある。
【0020】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系共重合体は、耐磨耗性、耐永久伸び特性をより高める観点から、下記式(1)を充足することが好ましく、下記式(2)を充足することがより好ましく、下記式(3)を充足することが更に好ましく、下記式(4)を充足することが特に好ましい。
Ua≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 (1)
Ua≦1.4×Sa×(Ta/100)3.3 (2)
Ua≦1.3×Sa×(Ta/100)3.3 (3)
Ua≦1.2×Sa×(Ta/100)3.3 (4)
ここで、Uaは、非晶性α−オレフィン系重合体50重量%と、下記要件▲1▼〜▲3▼を充足する結晶性プロピレン単独重合体50重量%とからなる評価用樹脂組成物のJIS K−7203に従い測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、Saは該結晶性プロピレン単独重合体のJIS K−7203に従い測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、Taは該評価用樹脂組成物中の結晶性プロピレン単独重合体の配合割合(50重量%)を表す。
▲1▼:JIS K−7203に従い測定した曲げ弾性率(Sa)が1400±100MPaであること。
▲2▼:JIS K−7210に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが12±3g/10分であること。
▲3▼:JIS K−7122に従い示差走査熱量測定により観察される結晶の融解に基づくピークの温度(融点)が162±2℃であること。
【0021】
ある非晶性α−オレフィン系重合体が上記式(1)〜(4)を充足するかどうかは、以下の手順からなる方法で決定される。
手順1:上記要件▲1▼、要件▲2▼および要件▲3▼を充足する結晶性プロピレン単独重合体を準備する。該結晶性プロピレン単独重合体として、市販品を用いてもよい。
手順2:該結晶性プロピレン単独重合体の曲げ弾性率(Sa)を、JIS K−7203に従い測定する。
手順3:該結晶性プロピレン単独重合体50重量部と、非晶性α−オレフィン系重合体50重量部とを、バッチ式密閉混練機(例えば、ブラベンダー社製 プラスチコーダーPLV151型など)を用いて、200℃で約5分間溶融混合し評価用樹脂組成物を得る。
手順4:JIS K−6758に従い230℃で、上記評価用樹脂組成物をシートにプレス成形し、該シートの曲げ弾性率(Ua)を、JIS K−7203に従い測定する。
手順5:上記のSa値およびTa値(50重量部)を上記式(1)〜式(4)の各々の右辺に代入し、右辺の値を求める。次に、該右辺の値と上記Ua値とを比較して、評価用樹脂組成物が上記式(1)〜(4)を充足するかどうかを判定する。
【0022】
また、成分(II)に用いられる非晶性α−オレフィン系重合体は、下記式(5)を充足することが好ましい。
Ua’≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 (5)
ここで、Ua’は、非晶性α−オレフィン系重合体70重量%と、上記要件▲1▼〜▲3▼を充足する結晶性プロピレン単独重合体30重量%とからなる評価用樹脂組成物のJIS K−7203に従い測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、Saは該結晶性プロピレン単独重合体のJIS K−7203に従い測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、Taは該評価用樹脂組成物中の結晶性プロピレン単独重合体の配合割合(30重量%)を表す。
【0023】
更に、成分(II)に用いられる非晶性α−オレフィン系重合体は、下記式(6)を充足することが好ましい。
Ua’’≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 (6)
ここで、Ua’’は、非晶性α−オレフィン系重合体30重量%と、上記要件▲1▼〜▲3▼を充足する結晶性プロピレン単独重合体70重量%とからなる評価用樹脂組成物のJIS K−7203に従い測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、Saは該結晶性プロピレン単独重合体のJIS K−7203に従い測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、Taは該評価用樹脂組成物中の結晶性プロピレン単独重合体の配合割合(70重量%)を表す。
【0024】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系重合体としては、耐磨耗性、耐永久伸び特性をより高める観点から、好ましくは、下記式(7)を充足する非晶性α−オレフィン系重合体であり、より好ましくは、下記式(8)を充足する非晶性α−オレフィン系共重合体であり、さらに好ましくは、下記式(9)を充足する非晶性α−オレフィン系共重合体である。
[y/(x+y)]≧0.3 (7)
[y/(x+y)]≧0.4 (8)
[y/(x+y)]≧0.5 (9)
上記式(7)〜(9)において、xは非晶性α−オレフィン系重合体のエチレンから誘導される単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性ポリオレフィン系重合体の炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導される単量体単位の含量量(モル%)を表す。ただし、非晶性α−オレフィン系重合体の全単量体単位の含有量を100モル%とし、x=y=0であるプロピレン単独重合体は、上記式(7)〜(9)を満足するとみなす。
【0025】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系重合体の極限粘度[η]は、耐磨耗性をより高める観点から、好ましくは0.5dl/g以上であり、より好ましくは0.7dl/g以上であり、更に好ましくは1.5dl/g以上であり、成型加工性をより高める観点から、好ましくは10dl/g以下であり、より好ましくは7dl/g以下であり、更に好ましくは5dl/g以下である。ここで、極限粘度[η]は、135℃のテトラリン中で測定される。
【0026】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、耐熱性を高める観点から、4以下であることが好ましく、さらには3以下であることが好ましい。ここで、非晶性α−オレフィン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される。
【0027】
成分(II)の非晶性α−オレフィン系重合体の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。これらの中でも好ましくは、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が用いられる。該錯体系触媒としては、たとえば特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平10−508055号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報などに記載のメタロセン系触媒;特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報、特開表11−71420号公報などに記載の非メタロセン系の錯体触媒を例示することができる。
これらの中でも、入手容易性の観点から、メタロセン触媒が好ましく、その中でも好適なメタロセン触媒の例としては、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有し、C対称構造を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ましい。また、メタロセン触媒を用いた製造方法の特に好ましい例として、欧州特許出願公開第1211287号明細書の方法を例示することができる。
【0028】
成分(III)の軟質オレフィン系共重合体とは、エチレンから誘導される単量体単位(エチレン単量体単位)とα−オレフィン単量体単位を含有する重合体であって、α−オレフィン単量体単位の含有量が、該重合体中の全単量体単位含有量を100モル%として、30モル%未満であり、JIS K−6253(1997)のA硬度が98以下の重合体である。
【0029】
該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−プロピレン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセンなどが例示され、これらは1種または2種以上組み合わせて用いられる。好ましくは、炭素原子数が3〜10のα−オレフィンである。
【0030】
成分(III)の軟質オレフィン系共重合体は、オレフィン以外の単量体から誘導される単量体単位を含有していてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸があげられる。
【0031】
成分(III)の軟質オレフィン系共重合体としては、たとえば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体等があげられ、これら重合体は1種または2種以上組み合わせて用いられる。入手容易性の観点から、好ましくはエチレン―プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体である。
【0032】
成分(III)の軟質オレフィン系共重合体のエチレン単量体単位含有量は、低温特性を高める観点から、軟質オレフィン系重合体中の全単量体単位を100モル%として、好ましくは75〜95モル%であり、より好ましくは80〜93モル%である。
【0033】
成分(III)の軟質オレフィン系共重合体のメルトフローレート(MFR)は、耐磨耗性、成形加工性を高める観点から、好ましくは0.5〜50g/10分であり、より好ましくは1〜30g/10分である。なお、MFRは、JIS K−7210に従って、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0034】
成分(III)の軟質オレフィン系共重合体は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
【0035】
成分(IV)の水添共役ジエン系ブロック重合体とは、共役ジエン単量体単位を主たる単量体単位とする重合ブロック(以下、共役ジエン系ブロックと称する。)を2以上有する重合体(以下、共役ジエン系ブロック重合体と称する。)を水素添加した重合体であって、水添共役ジエン系ブロック重合体中の共役ジエン系ブロックに基づくブロックに、結晶性ブロック(以下、ブロックAと称する。)とゴム質ブロック(以下、ブロックBと称する。)を有する重合体である。該共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2−3−ジメチルブタジエンなどの炭素原子数4〜8の共役ジエンがあげられ、これらは、1種または2種以上使用される。共役ジエンとしては、ブタジエンが好ましい。また、共役ジエン系ブロック重合体の重合には、共役ジエンに加え、共役ジエン以外の単量体を用いてもよく、該単量体としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどのビニル芳香族化合物があげられ、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンである。
【0036】
ブロックAとしては、入手容易性の観点から、1,4−ビニル結合したブタジエン単量体単位の含有量が80%以上であるポリブタジエンブロックが好ましく、該1,4−ビニル結合したブタジエン単量体単位の含有量としては、耐永久歪み特性を高める観点から、好ましくは82%以下であり、さらに好ましくは85%以下である。なお、ブロックA中の全ブタジエン単量体単位の含有量を100%とする。
【0037】
ブロックBとしては、共役ジエン重合体ブロック、共役ジエン−ビニル芳香族化合物重合体ブロックをあげることができる。(ただし、1,4−ビニル結合したブタジエン単量体単位の含有量が80%以上であるポリブタジエンブロックを除く。)なお、共役ジエン−ビニル芳香族化合物重合体ブロックにおいて、ビニル芳香族化合物単量体単位の含有量は、耐磨耗性を高める観点から、好ましくは35重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下であり、特に好ましくは5重量%以下であり、最も好ましくは0重量%である。ただし、ブロックB中の全ブタジエン単量体単位含有量を100重量%とする。
【0038】
ブロックBとしては、入手容易性の観点から、1,2−ビニル結合したブタジエン単量体単位の含有量が25〜95%であるポリブタジエンブロック、1,2−ビニル結合したブタジエン単量体単位の含有量が25〜95%であるブタジエン−スチレン重合体ブロックが好ましく、1,2−ビニル結合したブタジエン単量体単位の含有量が25〜95%であるポリブタジエンブロックがより好ましい。これらブロックの1,2−ビニル結合したブタジエン単量体単位の含有量としては、耐永久歪み特性を高める観点から、好ましくは30〜95%であり、さらに好ましくは35〜80%である。ただし、ブロックB中の全ブタジエン単量体単位の含有量を100%とする。
【0039】
成分(IV)の水添共役ジエン系ブロック重合体中において、ブロックA/ブロックBの比率は、重量比で5/95〜90/10が好ましく、より好ましくは10/90〜85/15である。ブロックAが過少(ブロックBが過多)の場合、耐永久歪み特性が低下することがあり、一方ブロックAが過多(ブロックAが過少)の場合、耐磨耗性、柔軟性に劣ることがある。
【0040】
成分(IV)の水添共役ジエン系ブロック重合体としては、一般式:(A−B)n、(A−B)n−A、(A−B)n−X(式中、AはブロックA、BはブロックB、Xはカップリング剤残基、nは1以上の整数である。)で表される重合体をあげることができる。
【0041】
該一般式で表される重合体を得るには、たとえば、一般に有機溶媒中で、有機リチウム化合物等の重合開始剤を用いて、まずブロックA又はブロックBを重合し、続いてブロックB又はブロックAを重合すればよい。ブロックAあるいはブロックBのどちらを先に重合してもよい。またこれらの操作を繰り返すことで、(A−B)nブロック重合体(nは1以上の整数である。)を得ることもできる。また、有機溶媒中で、有機リチウム化合物等の重合開始剤を用いて、ブロックAを重合し、続いてブロックをB重合し、更にブロックAを重合することで、A−B−Aブロック重合体を得ることができる。これらの操作を繰り返すことで、(A−B)n−Aブロック重合体(nは1以上の整数である。)を得ることもできる。このようにして得られる(A−B)ブロック重合体に、カップリング剤を添加することにより、(A−B)n−Xブロック重合体(Xはカップリング剤残基、nは1以上の整数である。)を得ることもできる。カップリング剤としては、アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロシラン、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどをあげることができる。
【0042】
成分(IV)の水添共役ジエン系ブロック重合体の水添率は、耐熱性や耐光性の観点から、好ましくは80%重量以上である。なお、共役ジエン系ブロック重合体を水素添加することにより、共役ジエンから誘導される単量体単位(共役ジエン単量体単位)の不飽和結合が飽和されるが、水添率とは、共役ジエン系ブロック重合体中の共役ジエン単量体単位量に対する、不飽和結合が飽和された単量体単位(水添共役ジエン単量体単位)の量の割合である。
【0043】
成分(IV)の水添共役ジエン系ブロック重合体のメルトフローレート(MFR)は、耐磨耗性、成形加工性を高める観点から、好ましくは0.1〜500g/10分であり、より好ましくは0.5〜300g/10分である。なお、MFRは、JIS K−7210に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0044】
成分(IV)の水添共役ジエン系ブロック重合体としては、特開平4―236249号公報に記載の重合体や、市販品としては、JSR株式会社製の「ダイナロン6200P」を用いることができる。
【0045】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物は、上記成分(I)、(II)、(III)および(IV)を含有してなるオレフィン系エラストマー組成物である。
【0046】
オレフィン系エラストマー組成物中の成分(II)の含有量は、耐磨耗性や柔軟性を高める観点から、成分(I)100重量部あたり、200重量部を超え、好ましくは250重量部以上であり、耐永久歪み特性を高める観点から、成分(I)100重量部あたり、1000重量部以下であり、好ましくは800重量部以下である。
【0047】
オレフィン系エラストマー組成物中の成分(III)の含有量は、耐永久歪み特性や低温特性を高める観点から、成分(I)100重量部あたり、30重量部以上であり、好ましくは40重量部以上であり、耐磨耗性や耐熱性を高める観点から、成分(I)100重量部あたり、300重量部以下であり、好ましくは280重量部以下である。
【0048】
オレフィン系エラストマー組成物中の成分(IV)の含有量は、耐永久歪み特性を高める観点から、成分(I)100重量部あたり、1重量部以上であり、好ましくは2重量部以上であり、耐磨耗性を高める観点から、成分(I)100重量部あたり、40重量部以下であり、好ましくは30重量部以下である。
【0049】
また、オレフィン系エラストマー組成物中の成分(IV)の含有量は、耐永久歪み特性を高める観点から、成分(III)100重量部あたり、好ましくは5〜50重量部である。
【0050】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物は、必要に応じて上記成分(I)〜(IV)に加え、他の重合体を配合してもよい。他の重合体としては、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、非水添共役ジエン重合体、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム等のゴム質重合体;エチレン−アクリル酸共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこれらのけん化物;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体;エチレン−アクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体;エチレン−メタクリル酸グリシジル−酢酸ビニル共重合体等をあげることができる。他の重合体の含有量は、成分(I)〜(IV)の合計量を100重量部として、通常50重量部以下である。
【0051】
また、本発明のオレフィン系エラストマー組成物には、必要に応じて、各種添加剤を配合してもよい。該添加剤としては、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤および光安定剤などの安定剤;滑剤;フィラー;難燃剤;高周波加工助材;発泡剤;帯電防止剤;内部剥離剤;着色剤;分散剤;アンチブロッキング剤;防曇剤などを例示することができる。
【0052】
上記の滑剤として、ワックス、高級アルコール、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、カルボン酸エステル、リン酸エステル、スルホン酸金属塩、酸エステル金属塩、アクリル系樹脂、フッ素含有樹脂類およびシリコーンを例示することができる。これらの2種類以上を併用してもよい。
【0053】
上記のワックスとして、パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスのような石油ワックス;ライスワックスのような植物系ワックス;モンタンワックスのような鉱物系ワックス;並びに、ポリエチレンワックス及び低分子量ポリプロピレンのような合成系ワックスを例示することができる。
【0054】
上記の高級アルコールとして、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、エルシルアルコール及び12ヒドロキシステアリルアルコールを例示することができる。
【0055】
上記の脂肪酸として、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸およびリシノール酸を例示することができる。
【0056】
上記の脂肪酸金属塩として、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リシノール酸などの脂肪酸と、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ba、Pbなどの金属との塩を例示することができる。具体的な脂肪酸金属塩として、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛を例示することができる。
【0057】
上記の脂肪酸アミドとして、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド及びステアリルジエタノールアミドを例示することができる。
【0058】
上記のカルボン酸エステルとして、脂肪族カルボン酸(アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、アコニット酸など)、脂肪酸(ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リシノール酸など)、オキシカルボン酸(乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)などのカルボン酸と、脂肪族アルコール(ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、12ヒドロキシステアリルアルコールなど)、芳香族アルコール(ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、フタリルアルコールなど)、多価アルコール(グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなど)などのアルコールとのエステルを例示することができる。具体的なカルボン酸エステルとして、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ポリエチレングリコールモノステアレート及びクエン酸ジステアレートを例示することができる。
【0059】
上記のリン酸エステルとして、リン酸と高級アルコールとのモノアルキルエステル、ジアルキルエステル及びトリアルキルエステルを例示することができる。具体的なリン酸エステルとして、旭電化工業製の商品名がAX−1なるリン酸エステルを例示することができる。
【0060】
上記のスルホン酸金属塩として、ステアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ステアリルスルホン酸カリウム、ラウリルスルホン酸カリウム、スルホコハク酸ジブチルナトリウム、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、及び、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル−2−ナトリウムを例示することができる。
【0061】
上記の酸エステル金属塩として、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸カリウムなどの硫酸エステル塩;ラウリルリン酸ナトリウム及びラウリルリン酸カリウムなどのリン酸エステル塩を例示することができる。
【0062】
上記のアクリル系樹脂として、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステルから誘導される構造単位や、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸−2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステルから誘導される構造単位を主たる単位とする重合体を例示することができる。具体的なアクリル系樹脂として、三菱レーヨン製の商品名がメタブレンなるアクリル系樹脂や、鐘淵化学工業製の商品名がカネエースなるアクリル系樹脂を例示することができる。
【0063】
上記のフッ素含有樹脂類として、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フルオロアルキルエチレン及びパーフルオロアルキルビニルエーテルなどの含フッ素オレフィン;パーフルオロアルキレンアクリレート及びパーフルオロメタアルキレンアクリレートなどの含フッ素アルキルアクリレート;並びに、含フッ素アルキルメタアクリレートなどの含フッ素化合物から誘導される構造単位を主たる単位とする重合体を例示することができる。具体的なフッ素含有樹脂類として、ポリテトラフルオロエチレン及びパーフルオロ(ポリオキシプロピレンエチルエーテル)を例示することができる。
【0064】
上記のシリコーンとして、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン及びジフェニルシロキサンのようなシロキサン誘導体から誘導される構造単位を主たる単位とする重合体を例示することができる。具体的なシリコーンとして、ポリジメチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンを例示することができる。
【0065】
上記のフィラーとして、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、アラミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク及びフッ素樹脂を例示することができ、またナフテン油およびパラフィン系鉱物油のような鉱物油系軟化剤を添加してもよい。
【0066】
上記の難燃剤として、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、グァニジン系難燃剤およびジルコニウム系難燃剤のような無機化合物;ポリりん酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、及び、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシドのようなりん酸エステル及びりん化合物;塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン及びパークロロシクロペンタデカンのような塩素系難燃剤;並びに、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、及び、テトラブロモジペンタエリスリトールのような臭素系難燃剤を例示することができる。これら難燃剤の2種以上を併用してもよい。
【0067】
上記の高周波加工助材としての極性ポリマーを用いることができる。極性ポリマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸およびクロトン酸のようなモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸のようなジカルボン酸や該ジカルボン酸のモノエステル;メチルメタクリレート、メチルアクリレート及びエチルアクリレートのようなアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル;並びに、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルのような飽和カルボン酸のビニルエステル及びそのアイオノマー、からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、エチレンとの共重合体を例示することができる。
【0068】
上記の発泡剤として、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム及び炭酸アンモニウムのような無機発泡剤;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンのようなニトロソ化合物;アゾカルボナミド及びアゾイソブチロニトリルのようなアゾ化合物;並びに、ベンゼンスルフォニルヒドラジン、 p,p’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、トルエンスルフォニルヒドラジド、及び、トルエンスルフォニルヒドラジド誘導体のようなスルフォニルヒドラジドを例示することができる。発泡剤は発泡助材と組合せて用いることができる。発泡助材として、サリチル酸や、尿素および尿素化合物を例示することができる。
【0069】
また、本発明のオレフィン系エラストマー組成物には、必要に応じて、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂などを配合してもよい。
【0070】
上記のロジン系樹脂として、天然ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、完全水添ロジン;上記ロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステル及びメチルエステルのようなエステル化物;並びに、上記ロジンを不均化、フマール化、ライム化またはこれら方法を組合せた方法によって得られるロジン誘導体を例示することができる。
【0071】
上記のポリテルペン系樹脂として、α−ピネン、β−ピネン及びジペンテンのような環状テルペンの単独重合体および共重合体;該環状テルペンとフェノール及びビスフェノールのようなフェノール系化合物との共重合体である、α−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂およびテルペン−ビスフェノール樹脂のようなテルペン−フェノール系樹脂;並びに、該環状テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂、を例示することができる。
【0072】
上記の合成石油樹脂として、ナフサ分解油のC留分、C〜C11留分およびその他オレフィン系留分の単独重合体および共重合体;並びに、該単独重合体や共重合体の水添物である、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂および脂肪族−脂環族共重合樹脂を例示することができる。また、上記のナフサ分解油の各留分と、上記のテルペンとの共重合体、及び、該共重合体の水添物である共重合系石油樹脂を例示することができる。上記のC留分として、イソプレン;シクロペンタジエン;1,3−ペンタジエン;2−メチル−1−ブテン及び2−メチル−2−ブテンなどのメチルブテン類;1−ペンテン及び2−ペンテンなどのペンテン類;並びに、ジシクロペンタジエンが好ましい。上記のC〜C11留分として、インデン;スチレン;o−、m−、p−ビニルトルエン;α−、β−メチルスチレンなどのメチルスチレン;メチルインデン;エチルインデン;ビニルキシレン;並びに、プロペニルベンゼンが好ましい。上記のその他オレフィン系留分として、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエン及びオクタジエンが好ましい。
【0073】
上記のフェノール系樹脂として、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂、及び、これら樹脂の変性物を例示することができる。該フェノール系樹脂は、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂、及び、フェノールをアルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。
【0074】
上記のキシレン系樹脂として、m−キシレンとホルムアルデヒドとの反応によって得られるキシレン−ホルムアルデヒド樹脂、及び、該樹脂に第3成分を添加し反応させて得られる変性樹脂を例示することができる。
【0075】
上記のスチレン系樹脂として、スチレンの低分子量物、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合樹脂、及び、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合樹脂を例示することができる。
【0076】
上記のイソプレン系樹脂として、イソプレンの二量化物であるC10脂環式化合物と、C10鎖状化合物とを共重合して得られる樹脂を例示することができる。
【0077】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物は、必要に応じて、ゴムや樹脂の架橋において一般的に用いられている架橋剤を用い、公知の方法によって、イオウ架橋、有機過酸化物架橋、無機過酸化物架橋、金属イオン架橋、シラン架橋および樹脂架橋などの架橋を行うことができる。架橋剤として、硫黄、フェノール樹脂、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩化物、p−キノンジオキシム、及び、ビスマレイミド系の架橋剤を例示することができる。架橋速度を調節するために、架橋剤は架橋促進剤と組合せて用いてもよい。架橋促進剤として、鉛丹や、ジベンゾチアゾイルサルファイドなどの酸化剤を例示することができる。架橋剤は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛および酸化カルシウムなどの金属酸化物;ステアリン酸などの分散剤と組合せて用いてもよい。これらの中では、酸化亜鉛や酸化マグネシウムが好ましい。
【0078】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物は、単層のシートやフィルム(以下、シートとフィルムを総称して「シート類」と称する。)または多層シート類を構成する材料として用いることができる。多層シート類においては、本発明のオレフィン系エラストマー組成物以外の材料からなる層を有していてもよく、該層は発泡層であってもよい。該層を構成する材料としては、エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレンとアクリル酸系モノマ−との共重合体樹脂、エチレンと酢酸ビニル系モノマ−との共重合体樹脂、エチレンとメタクリル酸系モノマ−との共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ナイロン系樹脂及びポリビニルアルコ−ル系樹脂などの樹脂;エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−ポリエン系共重合体ゴム、スチレン系ゴム、水添スチレン系ゴム、ジエン系ゴム、及び、公知の架橋性ゴムなどのゴム;紙;織布;不織布;フェルトなどを例示することができる。紙としてはクラフト紙等が用いられ、織布、不織布およびフェルトの素材としては、麻、綿、レーヨン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレンもしくはこれらを主成分とする混紡が用いられる。
【0079】
上記の樹脂やゴム成分は、適宜、安定剤、添加剤、充填剤、鉱物油系軟化剤、難燃剤、高周波加工助材、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂及びイソプレン系樹脂などと組合せて用いてもよい。
【0080】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物の製造方法として、各成分を、ラバーミル、ブラベンダーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ルーダー及び二軸押出機などの公知の混練り装置で混練する溶融ブレンド法を例示することができる。該装置は密閉式および開放式のいずれでもよい。これらの中では、不活性ガスによって置換できる密閉式の装置が好ましい。混練り時間は、混合された構成成分の種類、量及び混練り装置の種類により適宜調整され、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練り装置を使用する場合には、通常0.5〜60分であり、好ましくは1〜30分であり、より好ましくは3〜10分である。
【0081】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物の形状は、移送や輸送の観点からは、ペレットであることが好ましい。ペレットの製造方法として、オレフィン系エラストマー組成物を押出機で溶融押出しした後、押出した該オレフィン系エラストマー組成物を水中あるいは空気中で、ホットカットあるいはストランドカットすることによって球状、円柱状またはレンズ状のペレットを得る方法;オレフィン系エラストマー組成物をロールなどでシートに成形し、次いで、該シートをシートペレタイズ機で裁断することによって、四角柱状のペレットを得る方法など、公知の方法を用いることができる。ペレットの計量誤差を抑制する観点から、ペレットの最長部分の長さは、3cm以下であることが好ましい。
【0082】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物からなるペレットには、ペレットの互着によるブリッジ現象を抑制する観点から、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ステアリン酸およびポリオレフィンパウダーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粉体をドライブレンドしてもよい。ドライブレンド量は、互着防止および経済性の観点から、ペレットのサイズや形状に応じて適宜決定され、オレフィン系エラストマー組成物からなるペレット100重量部あたり、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0083】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物は、押出成形法、異型押出成形法、多色押出成形法、被覆(芯入)押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、発泡成形法、中空成形法、粉末成形法、カレンダー成形法、ブロー成形法、練加工法及びインフレーション法などの公知の方法によって種々の成形体に成形される。
【0084】
該成形体は、更に、曲げ、切断、裁断、切削、打抜、絞り、彫刻、プレス加工、ホットスタンピング、高周波加工、超音波加工、ラミネート、縫製/巻縫/手編、真空成形、圧空成形、接着、溶接、植毛、ライニング加工、スリット加工、塗装、蒸着、印刷及び表面コーティングなどを行ってもよい。
【0085】
上記の粉末成形法として、スラッシュ成形法、流動浸せき法、静電塗装法、粉末溶射法、及び、粉末回転成形法を例示することができる。
【0086】
上記のカレンダー成形法として、厚み精度の高い平滑なシートを連続生産し得るシーティング加工法;ピンホールがなく厚み精度の高いシートを連続生産し得るダブリング加工法;布とシートとを貼合せて複合体を連続生産し得るトッピング加工法;接着性向上を目的として、オレフィン系エラストマー組成物を布にすり込むフリクション加工法;及び、ロール表面の彫刻模様をシート表面に連続して型付けし得るプロファイリング加工法、を例示することができる。
【0087】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物からなる成形体を表面コーティングするには、表面処理剤を塗布する方法があげられる。該表面処理剤としては、変性アクリル系処理剤、アクリル系処理剤、ウレタン系処理剤、オレフィン系処理剤、シリコーン系処理剤等の使用が可能であり、その塗布量は固形分量2〜5g/mが好ましい。またこれらの処理剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、この表面処理剤の塗布に際しては、上記樹脂配合物層の表面をポリウレタン系処理剤、オレフィン系処理剤等のプライマーで処理することができる。
【0088】
本発明のオレフィン系エラストマー組成物は、その優れた特徴を利用して、車両部品、電気・電子機器部品、電線、建築材料、農・水産・園芸用品、化学産業用品、土木資材、産業・工業資材、家具、文房具、日用・雑貨用品、衣服、容器・包装用品、玩具、レジャー用品及び医療用品などの用途に用いることができる。
【0089】
上記の車両部品として、インパネ、ドア、ピラー、座席及びエアーバッグカバーなどの自動車内装表皮;オーバーフェンダー、クラウディングパネル、ルーフレール、タイヤ用等の各種カバー類及びサイドモールなどの自動車外装部品;ホース;チューブ;ガスケット;パッキング;ウェザーストリップ;耐油ホース;各種シールスポンジ;ウィンドウォッシャー液配水用チューブ;各種ドレンチューブ;燃料タンク用クッション材;水系ホース;保護フィルム;並びに自転車部品を例示することができる。
【0090】
上記の電気・電子機器部品として、電気・機械部品、電子部品、弱電部品、家電部材、冷蔵庫用品、照明器具、ダクトホース、弱電ホース、フレキシブルチューブ、サクションホース、洗濯機用ホース、シャワーホース、バンパー類、ダイシングフィルム及び電気用カバーを例示することができる。
【0091】
上記の電線として、プラスチックケーブル、絶縁電線及び電線保護材を例示することができる。
【0092】
上記の建築材料として、リブ、巾木、パネル、化粧フィルム、保護フィルム、及びターポリンなどの壁・天井材用途;波板、樋および屋根下地材などの屋根材用途;敷居材やタイルなどの床部材用途;目地、目地棒、止水材、遮水シートおよび防水シートなどの防水用途;ダクト、ケーブルダクト、パイプ、プレハブ部材、浄化槽などの設備・装置部品用途;建築用エッジ、建築用ガスケット、カーペット抑え、アングル及びルーバーなどの構造・造作材用途;並びに、ジョイナー及び養生シートなどの工業資材用途を例示することができる。
【0093】
上記の農・水産・園芸用品として、農業用ハウス用途、ガーデンホース、散水ホースを例示することができる。
【0094】
上記の産業・工業用資材として、機械カバー、機械部品、パッキング、ガスケット、フランジ、レザー帆布、ボルト、ナット、バルブ、継手、金属保護用フィルム、エアーホース、給排水ホース、ベルト類、グレージングガスケット、及び、凹凸付ダクトホースを例示することができる。
【0095】
上記の家具として、キャビネット、スツール、ソファー、マット、クッション、カーテン、保冷袋、浄水器ホース、及び、テーブルクロスを例示することができる。
【0096】
上記の文房具として、カードケース、筆記具ケース、アクセサリー、キーケース、キャッシュカードケース、ステッカー、ラベル、ブックカバー、ノートカバー、バインダー、手帳、表紙、ファイル、カード、定期類、下敷き、ホルダー、マガジントレー、アルバム、テンプレート、カッティングマット、デスクマット、ペングリップ及び筆記具軸を例示することができる。
【0097】
上記の日用・雑貨用品として、風呂蓋、すのこ、バケツ、洋服カバー、布団ケース、洋傘、傘カバー、すだれ、裁縫用具、棚板、棚受け、額縁、エプロン、トレー、テープ、紐、ベルト類、鞄、歯ブラシグリップ及び吸盤を例示することができる。
【0098】
上記の衣服として、レインコート、合羽、雨具シート、子供レザーコート、靴、シューズカバー、履き物、手袋、スキーウエア、帽子及び帽子用副資材を例示することができる。
【0099】
上記の容器・包装用品として、食品容器、衣料包装品、梱包・包装資材、化粧品瓶、化粧品容器、薬品瓶、食品瓶、理化学瓶、洗剤瓶、コンテナ、キャップ、フードパック、積層フィルム、工業用シュリンクフィルム、ストレッチフィルム及び業務用ラップフィルムを例示することができる。
【0100】
上記の医療用品として、輸液バック、連続携行式腹膜透析バック、及び、血液バックを例示することができる。
【0101】
【実施例】
以下、実施例、および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
[1]物性測定
本発明の物性測定は、以下の方法で行った。
(1)重合体の単量体単位含有量
(1−1)オレフィン系樹脂の単量体組成
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、H−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。メチン単位とメチレン単位由来の水素のスペクトル強度とメチル単位由来の水素のスペクトル強度との比からエチレン単量体単位、プロピレン単量体単位の組成比を算出した。
(1−2)軟質オレフィン系重合体の単量体組成
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、H−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。メチン単位とメチレン単位由来の水素のスペクトル強度とメチル単位由来の水素のスペクトル強度との比からエチレン単量体単位、1−ブテン単量体単位の組成比を算出した。
(1−3)非晶性オレフィン系重合体の単量体組成
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、13C−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、13C−NMRスペクトルにおいて、プロピレン単量体単位由来のメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテン単量体単位由来のメチル炭素スペクトルとの強度比からプロピレン単量体単位と1−ブテン単量体単位の組成比を算出した。
(2)極限粘度[η]
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの非晶性オレフィン系重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlである非晶性オレフィン系重合体のテトラリン溶液を調整し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
(3)分子量分布
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により、下記の条件で測定を行った。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M2本
温度 :140℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/min
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(4)結晶融解ピーク及び結晶化ピーク
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。この(ii)で観察されるピークが結晶化ピークであり、ピーク面積が1J/g以上の結晶化ピークの有無を確認した。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。この(iii)で観察されるピークが結晶の融解ピークであり、ピーク面積が1J/g以上の融解ピークの有無を確認した。
(5)メルトフローレート(MFR)
JIS K−7210に従い、結晶性プロピレン系重合体および水添共役ジエン系ブロック重合体については、荷重21.18N、温度230℃の条件で、軟質オレフィン系重合体については、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定を行った。
(6)硬度
JIS K−6758に従いプレス成形により厚さ2mmのシートを作成した。該シートのデュロメーター硬さ(Duro−A)を、JIS K−6253に従い測定した。
(7)曲げ弾性率
JIS K−7203に従い測定した。
【0102】
(8)耐永久伸び特性
JIS K−6301に従い、引張り永久歪みを測定した。測定条件としては、試験片:ダンベル状1号形、厚さ0.5mm、試験温度:23℃、試験時間10分、歪み量:100%、変形速度:200mm/分、変形開放後の測定時間:10分とした。本値が小さいほど、耐永久歪み特性に優れる。
(9)耐磨耗性
JIS K−6758に従いプレス成形により厚さ2mmのシートを作成した。該シート表面をJASO−M−403−83に記載の磨耗強さB法(平面磨耗試験機法)に従い綿帆布6号で往復摩擦し、摩擦後のシート表面を下記のとおり判定した。
○:10回往復しても表面に傷が認められない。
×:10回往復すると表面に傷が認められる。
【0103】
[2]材料
(1)成分(I) 結晶性プロピレン系重合体
結晶性プロピレン−エチレン共重合体(MFR(230℃)=1.5g/10分、エチレン単量体単位含有量=5重量%、Duro−A硬度=100)
【0104】
(2)成分(II) 非晶性α−オレフィン系重合体
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンとを、分子量調節として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、本発明の非晶性α−オレフィン系重合体にあたるプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00Kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81Kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。
重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物にエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマー及び水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。該共重合体の生成速度は7.10Kg/時間であった。
得られたプロピレン−1−ブテン共重合体の物性評価結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
Figure 2005053970
【0106】
得られたプロピレン−1−ブテン共重合体50重量%と、結晶性プロピレン単独重合体(JIS K−7203に従い測定した曲げ弾性率(Sa)が1380MPa、JIS K−7210に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定したメルトフローレートが14g/10分、JIS K−7122に従い示差走査熱量測定(DSC)により観察された結晶融解ピークの温度(融点)が161℃)50重量%(Ta)とからなる評価用樹脂組成物のJIS K−7203に従い測定される曲げ弾性率(MPa)(Ua)は158MPaであった。
その結果、得られたプロピレン−1−ブテン共重合体は式(1)の関係を満たしていた。
【0107】
(3)成分(III) 軟質オレフィン系共重合体
エチレン−1−ブテン共重合体(1−ブテン単量体単位含有量=15モル%、MFR(190℃)=20g/10分、Duro−A硬度=70)
(4)成分(IV) 水添共役ジエン系ブロック重合体
JSR(株)製 ダイナロン6200P(MFR(230℃)=2.5g/10分)
【0108】
[実施例1]および[比較例1]
表2に示した配合量の成分(I)〜(IV)ならびに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 イルガノックス1010)0.2重量部と、芳香族フォスファイト系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 イルガフォス168)0.2重量部とを、混練機(ブラベンダー社製 プラスチコーダーPLV151型)を用い、スクリュー回転数10rpm、ジャケット温度200℃で5分間混練した後、更に、スクリュー回転数100rpm、ジャケット温度200℃で5分間混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を得た。該樹脂組成物をJIS K−6758に従いプレス成形し、厚さ0.5mmのシートを得た。得られたシートの物性測定結果を表2に示す。
【0109】
【表2】
Figure 2005053970
【0110】
【発明の効果】
本発明により、耐永久伸び特性、耐磨耗性に優れるオレフィン系エラストマー組成物を提供することができた。

Claims (3)

  1. 下記成分(I)〜(IV)を含有し、成分(I)100重量部あたり、成分(II)の含有量が200重量部を超え1000重量部以下であり、成分(III)の含有量が30重量部以上300重量部以下であり、成分(IV)の含有量が1重量部以上40重量部以下であるエラストマー組成物。
    (I)オレフィン系樹脂
    (II)α−オレフィンから誘導される単量体単位の含有量が30モル%以上である非晶性α−オレフィン系重合体(ただし、非晶性α−オレフィン系重合体中の全単量体単位を100モル%とする。)
    (III)エチレンから誘導される単量体単位とα−オレフィンから誘導される単量体単位を含有し、α−オレフィンから誘導される単量体単位の含有量が30モル%未満である軟質オレフィン系共重合体(ただし、オレフィン系共重合体中の全単量体単位を100モル%とする。)
    (IV)水添共役ジエン系ブロック重合体
  2. オレフィン系樹脂が、プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が80〜100重量%である重合体(ただし、該重合体中の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)である請求項1記載のエラストマー組成物。
  3. 非晶性α−オレフィン系重合体が、プロピレン−1−ブテン共重合体またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体である請求項1または2に記載のエラストマー組成物。
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