JP3842226B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟で、強度、加工性、耐熱性、耐熱老化性、難燃性等に優れた難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
不飽和エステル成分を相当量で含有するエチレン・不飽和エステル共重合体は、柔軟性、加工性、耐衝撃性、耐候性、フィラーローディング性等に優れており、難燃材料のベース樹脂として広く使用されている。しかしながら融点が低く、高温雰囲気下になると強度、伸びの低下が著しいところから、耐熱性が要求される分野にはそのままでは使用することはできなかった。
【0003】
上記エチレン共重合体の耐熱性を改良する手段として共重合体を架橋する方法はあるが、多くの場合加工性が損なわれるため、その適用分野は限定されていた。また耐熱性を改善するための別法として、融点もしくは軟化点の高い熱可塑性重合体を配合する方法は考えられるが、通常の場合、その配合割合が少ないと大きな改良が認められなかった。またその配合量を増していくと耐熱性は改良されるが、融点もしくは軟化点の高い熱可塑性重合体は一般に硬質のものが多く、そのためエチレン共重合体の特長である柔軟性が犠牲になることが多かった。
【0004】
例えば、エチレン・不飽和エステル共重合体に高融点重合体であるプロピレン系重合体を配合したものを難燃材料のベース樹脂として用いた場合、プロピレン系重合体の配合によってかなり耐熱性は改良されるが、120℃以上という高温度に耐えるような難燃性樹脂組成物を得るためには相当量のプロピレン系重合体を配合する必要があった。そのため柔軟性が損なわれるとともに、両者の相溶性不足に起因して伸びの小さい組成物しか得られなくなり、成形材料として適したものとはならないという欠点が生じた。また燃焼時に殻を形成し難くドリップするため、高度な難燃性が要求される分野には使用できなかった。
【0005】
このような欠点を改良するため出願人は、エチレン・不飽和エステル共重合体、プロピレン系重合体及びスチレン系エラストマーの特定割合からなる樹脂成分と難燃性無機化合物からなる樹脂組成物を提案した(特許文献1参照)。この提案によれば、引張特性、柔軟性、耐熱性、耐熱老化性、成形性、難燃性等に優れた難燃性樹脂組成物を提供することができる。しかしながら用途によっては柔軟性、耐熱性及び難燃性のバランスにおいて、より一層性能が優れた難燃性材料が求められていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−177426号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者はそのため、前記先願の難燃性樹脂組成物と同等の優れた難燃性及び耐熱性を示しつつ、より一層柔軟化可能な処方について検討を行なった。その結果、特定のエチレン共重合体、プロピレン系重合体及びオレフィン系熱可塑性エラストマーの適量割合からなる重合体成分に難燃性無機化合物を配合するときに、所望特性を有する組成物が得られることを見出すに至った。したがって本発明の目的は、機械的強度、耐熱性,耐熱老化性、柔軟性,加工性、難燃性等に優れた難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、エチレンと不飽和エステル及び不飽和カルボン酸から選ばれる極性モノマーとの共重合体(A)20〜90重量部、プロピレン系重合体(B)5〜40重量部及びエチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びオレフィン系プラスチックを必須成分として含有し、該エチレン・α−オレフィン共重合ゴムが部分的又は高度に架橋されており、該オレフィン系プラスチックの少なくとも一部が過酸化物分解型オレフィン系プラスチックであるオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)5〜40重量部からなる重合体成分100重量部に対し、難燃性無機化合物(D)25〜250重量部を配合してなる難燃性樹脂組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される上記エチレン共重合体(A)は、エチレンと不飽和エステル及び不飽和カルボン酸から選ばれる極性モノマーとの共重合体であって、単一の共重合体としてあるいは二種以上の共重合体を組み合わせて使用することができる。これら共重合体は、エチレンと不飽和エステル又は不飽和カルボン酸との2元共重合体のみならず、エチレン、不飽和エステル及び不飽和カルボン酸からなる3元共重合体や、さらにビニルシラン化合物や一酸化炭素などの他の単量体を共重合した多元共重合体であってもよい。エチレン共重合体(A)においては、上記極性モノマー含量が0.5〜60重量%、とくに5〜46重量%のものが好ましく、とくに極性モノマーが不飽和カルボン酸である場合には、その含量が0.5〜30重量%、とくに5〜20重量%であることが好ましい。また極性モノマーが不飽和カルボン酸である場合には、その一部が金属イオンで中和されていてもよい。上記極性モノマー含量が上記範囲より少ないものを使用すると、柔軟性の付与にほとんど寄与せず、また難燃性無機化合物を多量に配合した場合に外観良好な成形品を得ることが難しくなるので好ましくなく、またその含量があまりに多いものを使用すると、組成物にべたつきを生じるので好ましくない。
【0010】
上記エチレン共重合体(A)における極性モノマーとして使用可能な不飽和エステルとしては、酢酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステルを例示することができる。これらの中では、酢酸ビニルあるいはアクリル酸又はメタクリル酸のエステルを選択することが好ましい。また上記エチレン共重合体(A)における極性モノマーとして使用可能な不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、これらの中ではアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
【0011】
上記エチレン共重合体(A)としてはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分、とくに0.1〜15g/10分のものを使用することが、耐熱性及び難燃性が良好な組成物を得る上で望ましい。このようなエチレン共重合体(A)は、高圧法ポリエチレンの製造と同様に、高温、高圧下のラジカル共重合によって製造することができる。
【0012】
本発明で使用されるプロピレン系重合体(B)は、アイソタクチックポリプロピレン又はシンジオタクチックポリプロピレンであり、プロピレン単独重合体のみならず、プロピレンと少量、例えば共重合体に対して20モル%以下、好ましくは10モル%以下の他のα−オレフィンの一種又は二種以上との共重合体であってもよい。このような共重合体における他のα−オレフィンとしては、エチレンあるいは1ーブテン、1ーペンテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテンなどの炭素数4〜8のα−オレフィンを挙げることができる。上記プロピレンと他のα−オレフィンの共重合体においてはまた、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
【0013】
プロピレン系重合体(B)としては、柔軟性、引張特性などの物性を考慮すると、プロピレンと共重合体に対して20モル%以下の他のα−オレフィンの二元もしくは三元以上の多元共重合体、又は該二元もしくは三元以上の多元共重合体とプロピレンの単独重合体の組成物を使用することが望ましく、該二元もしくは三元以上の多元共重合体としては、プロピレン・エチレン共重合体又はプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体が特に好ましい。また充分な耐熱性を付与するために融点が125℃以上のものを使用するのが望ましい。また加工性、強度、耐熱性の優れた組成物を得るためには、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.5〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。このようなプロピレン系重合体は、立体特異性触媒の存在下で、プロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィンを重合又は共重合することによって得ることができる。
【0014】
本発明においては、重合体成分としてエチレン共重合体(A)及びプロピレン系重合体(B)とともにオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が使用される。オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)は、オレフィン共重合ゴムとオレフィン系プラスチックを必須成分とし、少なくともオレフィン共重合体ゴム成分が部分的にあるいは高度に架橋されているものであって、エラストマー的性質を有するものである。
【0015】
上記オレフィン共重合ゴムは、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・ポリエン共重合ゴムのようなオレフィンを主体とする非晶性ないし低結晶性の共重合体であって、過酸化物によって架橋できるものが好ましく、とくにエチレンを主成分とするエチレン・αーオレフィン共重合ゴム、とりわけエチレン・プロピレン共重合ゴムやエチレン・プロピレン・ポリエン共重合ゴムが好適である。上記エチレン・プロピレン・ポリエン共重合ゴムにおけるポリエンとしては、ジシクロペンタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジビニルベンゼンなどを例示することができる。
【0016】
上記過酸化物架橋型オレフィン共重合ゴムとして好適なエチレン・プロピレン共重合ゴムやエチレン・プロピレン・ポリエン共重合ゴムにおいては、エチレンとプロピレンの重合比率は、エチレン/プロピレンがモル比で50/50〜90/10、とくに55/45〜85/15のものが好ましい。またポリエンの含有量としては、共重合ゴムの沃素価が16以下となるような割合で存在しているものを使用するのが好ましい。共重合ゴムとしてはまた、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が10〜180、とくに40〜120程度のものが望ましい。
【0017】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)を構成するオレフィン系プラスチック成分としては、1種又はそれ以上のオレフィンから種々の製法で製造される高結晶性の重合体もしくは共重合体であって、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどの重合体もしくは共重合体を挙げることができる。これらは一種単独であるいは二種以上混合して使用することができる。これらの中では、過酸化物分解型オレフィン系プラスチック、例えばプロピレン系重合体(B)として上記したようなものや、過酸化物架橋型オレフィン系プラスチックであるポリエチレン、とくに直鎖低密度ポリエチレンとから選ぶのが好ましく、とくに過酸化物架橋型オレフィン系プラスチック、とりわけプロピレン系重合体を少なくとも一成分とするものが好ましい。
【0018】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)には、任意にポリイソブチレン、ブチルゴム、アタクチックポリプロピレン、プロピレンが主成分のプロピレン・エチレン共重合ゴムのような過酸化物分解型ゴムや鉱物油のような柔軟化剤が含まれていてもよい。この熱可塑性エラストマーの典型的な製法は、上記各成分に有機過酸化物を加え、動的に架橋する方法であり、このようにして得られる部分架橋物をそのままあるいはさらに結晶性オレフィン系プラスチックをブレンドした形で用いることができる。より具体的には、エチレン・α―オレフィン共重合ゴム100〜20重量部、オレフィン系プラスチックス0〜80重量部、過酸化物非架橋型ゴムと柔軟化剤の合計0〜100重量部からなる混合物を過酸化物の存在下に動的に架橋することによって得られる部分架橋ゴム組成物100〜30重量部とオレフィン系プラスチックス0〜70重量部とからなる混合物であって、最終混合物中100重量部当たりのオレフィン系プラスチックス成分が5〜70重量部となるように調製されたものを使用することができる。
【0019】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)は上記製法に限定されるものではなく、例えば部分架橋したエチレン・α―オレフィン共重合ゴムとオレフィン系プラスチックスを単純にブレンドしたタイプのものであってもよい。またさらに、無水マレイン酸のようなもので変性されたものであってもよい。
【0020】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)としては、230℃、10kg荷重におけるメルトフローレートが1〜100g/10分、とくに5〜70g/10分程度のものを使用することが望ましい。またショアA硬度が45〜90程度のものを使用するのが好ましい。
【0021】
このような熱可塑性エラストマー(C)として、例えばミラストマー、サーモラン、サントプレン、住友TPE、グドマー、アクティマー、レオストマー、トリニティー、P.E.R、AMZELなどの商品名で市販されているものを使用することができ、これらは市場から容易に入手することができる。
【0022】
本発明において上記(A)、(B)及び(C)からなる重合体成分に配合される難燃性無機化合物(D)としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトのような金属水酸化物、珪酸金属塩、硼酸金属塩、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、ゼオライト、カーボンブラック、ガラス繊維などの充填剤や補強剤を例示することができる。これらは2種以上組み合わせて使用することができる。充分な難燃性を求める場合には、金属水酸化物を使用するかあるいは金属水酸化物が少なくとも50重量%以上を占めるような混合無機化合物を使用するのがよい。とくに好適な難燃性無機化合物(D)は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである。
【0023】
難燃性無機化合物(D)の混和性、難燃性樹脂組成物から得られる成形物外観などを考慮すると、難燃性無機化合物として平均粒径が0.05〜20μm、とくに0.1〜5μm程度のものを使用するのが望ましい。また同様の理由で、難燃性無機化合物の表面が、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル、リン酸エステル等で表面処理されたものを使用するのが好ましい。
【0024】
エチレンと、不飽和エステル及び不飽和カルボン酸から選ばれる極性モノマーとの共重合体(A)、プロピレン系重合体(B)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)の配合割合は、これらの合計量を100重量部とするときに、(A)が20〜90重量部、好ましくは40〜80重量部、(B)が5〜40重量部、好ましくは10〜35重量部、(C)が5〜40重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲である。エチレン共重合体(A)の使用割合が上記範囲より多くなり、またプロピレン系重合体(B)の使用割合が上記範囲より少なくなると、耐熱性に優れた組成物が得られず,また逆にエチレン共重合体(A)の使用割合が上記範囲より少なく、またプロピレン系重合体(B)の使用割合が上記範囲を越えると、柔軟性に優れた組成物が得られない。またオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)の使用割合が上記範囲より少ないと、耐熱性、耐熱老化性に優れた組成物が得られなくなる。またその使用量が上記範囲を超えると、引張特性に優れた組成物が得られなくなる。
【0025】
また難燃性無機化合物(D)の配合量は、エチレン・極性モノマー共重合体(A)、プロピレン系重合体(B)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)からなる重合体成分の合計量100重量部に対して、25〜250重量部、好ましくは50〜220重量部の範囲である。難燃性無機化合物の配合量が過少であると充分な難燃性を付与することができず、またその配合量が過大となると、加工性良好な組成物を得ることが難しくなる。
【0026】
本発明の難燃性樹脂組成物には、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系オイル等の石油系軟化剤やシリコーンオイル等を併用してもよい。本発明の難燃性樹脂組成物にはまた、本発明の目的を損なわない範囲において、必要に応じ他の重合体、例えば各種密度のポリエチレンや種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤の例として、酸化防止剤、熱安定剤,光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、顔料、染料、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、可塑剤などを例示することができる。このような添加剤は、予めマスターバッチを作って添加することができる。
【0027】
本発明の難燃性樹脂組成物を得るには、上記成分(A)、(B)、(C)、(D)及び任意成分であるその他重合体や各種添加剤を、通常の混練装置、例えば一軸又は二軸の押出機、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどを用い、150〜250℃程度の温度で溶融混練すればよい。溶融混練は一括してあるいは逐次的に行なうことができ、例えば上記成分を同時に溶融混練する方法、(A)、(B)、(C)などの重合体成分を予め溶融混練した後、(D)成分や他の添加剤を添加して溶融混練する方法などを採用することができる。
【0028】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明する.尚、実施例に用いた原料及び各種物性の評価方法は次の通りである。
【0029】
1.原料
エチレン共重合体(A)
EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート4g/10分(190℃、2160g荷重))EEA:エチレン・アクリル酸エチル共重合体(アクリル酸エチル含量15重量%、メルトフローレート0.5g/10分(190℃、2160g荷重))
プロピレン系重合体(B)
PP:プロピレン・エチレン・1−ブテン三元ランダム共重合体(プロピレン含有量93.5モル%、エチレン含有量3.0モル%、1−ブテン含有量3.5モル%、メルトフローレート7.2g/10分(230℃、2160g荷重))
オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)
TPO(商品名:ミラストマー9020N、三井化学社製、メルトフローレート12g/10分(230℃、10kg荷重)
難燃性無機化合物(D)
水酸化マグネシウム(商品名:キスマ 5A、協和化学工業社製)
その他添加剤
酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)
【0030】
2.物性試験方法
(1)メルトフローレート(MFR):JIS K6760に準拠
樹脂温度190℃、荷重2160g
(2)引張特性:JIS K6760に準拠
試験片:JIS K6301 3号ダンベル 1mm厚
(3)曲げ剛性率:JIS K7106(3mm厚)に準拠
(4)加熱老化試験
上記引張特性評価用試験片について、加熱後の強度の残率を測定した。
加熱装置:ギヤオーブン、加熱条件:120℃、48時間
判定
○:加熱後の強度残率が70%以上
×:加熱後の強度残率が70%未満又は溶融したもの
(5)難燃性
酸素指数(OI):JIS K7201に準拠
UL−94:UL−94垂直燃焼方法準拠/厚み3mm
【0031】
[実施例1〜4、比較例1〜4]
エチレン共重合体、プロピレン系重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー及び酸化防止剤を、ヘンシェルミキサーを用いて表1及び表2に示す配合比でブレンドした後、一軸押出機(L/D=28、温度200℃)を用い、溶融混練してペレットを作製した。次に加圧ニーダー(温度160℃×30分)を用い、このペレットと表1又は表2に示す割合の水酸化マグネシウムとをブレンドし、ロール混練後、分出しシートを作製した。ついで加圧プレス成形(温度160℃×10分)で試験片を作製し、その物性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
表1及び表2の比較から明らかなように、実施例により得られた本発明の難燃性樹脂組成物は、優れた引張特性、耐熱性、耐熱老化性、難燃性を有しており、成形性も良好であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の難燃性樹脂組成物は、引張特性、柔軟性、耐熱性、耐熱老化性、成形性、難燃性に優れている。かかる特性を生かして、押出成形、射出成形、中空成形、圧縮成形、発泡成形、真空成形などの成形方法により種々の成形品にして利用することができる。例えば、人工芝、マット、トンネルシート、止水シート、ルーフィング等の土木分野、ホース、チューブ等のパイプ用途、パッキン、制振シートなどの家電製品、カーペットの裏打ち材、ドアパネル防水シート、泥よけ、モール等の自動車内外装部品、家具、床材、発泡シート等の建材用途、通信ケーブル、電力ケーブル、家電コード、機器内配線、収縮チューブ等のケーブル用途等、種々の分野で使用することができる。
Claims (3)
- エチレンと不飽和エステル及び不飽和カルボン酸から選ばれる極性モノマーとの共重合体(A)20〜90重量部、プロピレン系重合体(B)5〜40重量部及びエチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びオレフィン系プラスチックを必須成分として含有し、該エチレン・α−オレフィン共重合ゴムが部分的又は高度に架橋されており、該オレフィン系プラスチックの少なくとも一部が過酸化物分解型オレフィン系プラスチックであるオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)5〜40重量部からなる重合体成分100重量部に対し、難燃性無機化合物(D)25〜250重量部を配合してなる難燃性樹脂組成物。
- プロピレン系重合体(B)が、プロピレンと他のα−オレフィンの二元もしくは三元以上の多元共重合体、又は該二元もしくは三元以上の多元共重合体とプロピレンの単独重合体の混合物である請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
- 難燃性無機化合物(D)が、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
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