JP2013234261A - 包装用フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な防湿性、透明性、及びヒートシール性を有する新たな包装用フィルム及びその製造方法を提案する。
【解決手段】オレフィン系樹脂組成物をインフレーション成形してフィルムを製造する工程を備えた包装用フィルムの製造方法において、前記オレフィン系樹脂組成物が、エチレン系重合体(A)と、核剤(B)と、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及びそれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなるオレフィン相溶樹脂(C)と、を含む樹脂組成物であることを第1の特徴とし、前記オレフィン系樹脂組成物の密度が0.940〜0.960g/cm3であることを第2の特徴とし、前記オレフィン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kgで測定)が0.5〜5.0g/10分であることを第3の特徴とし、且つ、ブロー比が2.0以上4.5以下の範囲でインフレーション成形することを第4の特徴とする包装用フィルムの製造方法を提案する。
【選択図】なし

Description

本発明は、防湿性、透明性、ヒートシール性に優れた包装用フィルム及びその製造方法に関する。
食品包装用フィルムや医薬品包装用フィルムの分野では、ポリオレフィン系樹脂やポリアミド系樹脂からなるフィルムが、単独のフィルムとして、或いは他のフィルムとの積層フィルムとして広く使用されている。特に、液体充填包装等の用途においては、その優れた酸素ガスバリア性、耐屈曲性、透明性、耐熱性、強靱性等の点から、ポリアミド系樹脂フィルムが広く使用されている。
このようなポリアミド系樹脂フィルムを、例えば味噌、醤油等の調味料、スープ、レトルト食品等の水分含有食品、または薬品の包装袋等に使用する際は、シーラント層を設けたポリアミド系フィルム積層体を製造し、この積層体から袋を作製し、該袋の開口部を通じて内容物を充填した後、該開口部をヒートシールして包装するのが一般的であった。この際、ヒートシール性を有するシーラント層としては、一般的に、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE」と省略する)やポリプロピレン等からなるフィルムが用いられていた。
中でも、透明性、ヒートシール性の点から、LLDPEなどのエチレン系樹脂を主成分とするシーラント層が多用されており、特に、生産性やコストの面から、インフレーション成形にて得られるものが一般的に使用されてきた。しかしながら、インフレーション成形にて得られたLLDPEからなるシーラント層は、高度な防湿性が要求される用途への使用が困難であった。
そこで、中密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンをインフレーション成形したものを用いた技術が提案されている。例えば特許文献1には、中密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンをブロー比1.0〜1.5でインフレーション成形したものをシーラント層として、ポリアミド系樹脂フィルムと積層した多層フィルムが開示されている。
また、特許文献2には、高ブロー比においてもバブル安定性が良好であり、長時間成形しても目ヤニや粉吹きの発生が少ない特定のポリエチレン系樹脂を成形してなるインフレーションフィルムが開示されている。
特開2001−278355号公報 特開2006−299167号公報
特許文献1に記載されている積層フィルムを用いた包装袋は、防湿性が十分でないため、実用性の点で劣っていた。この原因としては、ブロー比が低いために防湿性が不十分であったことが考えられる。
また、特許文献2に記載されているインフレーションフィルムは防湿性には優れるものの、透明性、ヒートシール性に劣るフィルムであった。
このように、従来技術において、インフレーション成形にて得られる包装用フィルムに関し、十分な防湿性、透明性及びヒートシール性を有する実用的な包装用フィルムを得ることは容易なことではなかったのである。
そこで、本発明の目的は、十分な防湿性、透明性、及びヒートシール性を有する新たな包装用フィルム及びその製造方法を提案することにある。
本発明は、オレフィン系樹脂組成物をインフレーション成形してフィルムを製造する工程を備えた包装用フィルムの製造方法において、前記オレフィン系樹脂組成物が、エチレン系重合体(A)と、核剤(B)と、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及びそれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなるオレフィン相溶樹脂(C)と、を含む樹脂組成物であることを第1の特徴とし、前記オレフィン系樹脂組成物の密度が0.940〜0.960g/cm3であることを第2の特徴とし、前記オレフィン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kgで測定)が0.5〜5.0g/10分であることを第3の特徴とし、且つ、ブロー比が2.0以上4.5以下の範囲でインフレーション成形することを第4の特徴とする包装用フィルムの製造方法を提案する。
本発明が提案する包装用フィルムの製造方法によれば、防湿性、透明性、ヒートシール性の優れた包装用フィルムを得ることができる。よって、例えば食品や医薬品等の包装資材などのように、防湿性、透明性、ヒートシール性が要求される包装資材用途、中でもこのような包装資材のヒートシール層として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態の一例として、包装用フィルムの製造方法(「本製法」と称する)について説明する。ただし、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本製法>
本製法は、エチレン系重合体(A)と、核剤(B)と、オレフィン相溶樹脂(C)とを含むオレフィン系樹脂組成物をインフレーション成形してフィルムを得る工程を備えた包装用フィルム(「本包装用フィルム」と称する)の製造方法である。
以下、詳細に説明する。
<オレフィン系樹脂組成物>
(エチレン系重合体(A))
本製法に用いるエチレン系重合体(A)は、エチレン単独重合体であってもよいし、或いは、エチレンと、エチレン以外のモノマー成分、特にα―オレフィンとの共重合体であってもよい。また、これらの混合物を用いることもできる。
ここで、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、へキセン−1、へプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等を例示することができる。中でも、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、プロピレン、ブテン−1、へキセン−1、オクテン−1が好適である。
エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもかまわない。
以上の中でも、エチレン単独重合体、或いは、エチレンと、ブテン−1、ヘキセン−1、及びオクテン−1からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせからなるα−オレフィンとの共重合体を用いるのが好ましい。
エチレンと、ブテン−1、ヘキセン−1、及びオクテン−1からなる群より選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせからなるα−オレフィンとの共重合体を用いる場合、該共重合体中に占めるブテン−1、ヘキセン−1及びオクテン−1の割合の合計が0.1〜10.0質量%であることが好ましく、中でも0.3質量%以上或いは5.0質量%以下、その中でも0.5質量%以上或いは3.0質量%以下であることがさらに好ましい。α−オレフィンの割合がかかる範囲内であれば、本包装用フィルムの防湿性、透明性をさらに優れたものとすることができる。
前記エチレン系重合体(A)の分子量分布指数(Mw/Mn)は、核剤を添加した場合に微細な結晶を形成し、透明性、防湿性の向上を図るために、2.0〜4.0であるのが好ましく、特に2.5以上、中でも2.6以上或いは3.8以下、その中でも3.0以上或いは3.6以下であるのが好ましい。
また、透明性と防湿性を両立するためには、エチレン系重合体(A)の密度が、0.936g/cm以上0.955g/cm未満であるのが好ましく、中でも0.938g/cm以上或いは0.953g/cm以下であることがより好ましく、その中でも0.940g/cm以上或いは0.951g/cm以下であることがさらに好ましい。前記エチレン系重合体(A)の密度がかかる範囲内であれば、本包装用フィルムの透明性と防湿性をさらに高めることができる。
前記エチレン系重合体(A)は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解ピーク温度(Tm)が100〜145℃であり、かつ、結晶融解熱量(ΔHm)が120〜190J/gを満足することが好ましい。かかる範囲内に結晶融解ピーク温度(Tm)及び結晶融解熱量(ΔHm)を有するエチレン系重合体(A)を用いることで、本包装用フィルムの透明性と防湿性を両立することができる。
中でも、前記結晶融解ピーク温度(Tm)は115℃以上或いは140℃以下であるのがより好ましく、125℃以上であるのがさらに好ましい。
また、前記結晶融解熱量(ΔHm)は135〜185J/gの範囲であるのがより好ましく、中でも150J/g以上或いは180J/g以下であるのがさらに好ましい。
なお、該結晶融解ピーク温度(Tm)は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7121に準じて加熱速度10℃/分で測定することができ、該結晶融解熱量(ΔHm)は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7122に準じて加熱速度10℃/分で測定することができる。
(核剤(B))
本製法に用いる核剤(B)は、本包装用フィルムの透明性、防湿性を向上させる効果が認められれば、その種類を特に制限するものではない。
この種の核剤としては、例えば、脂肪族、脂環族、および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸または多塩基性ポリカルボン酸、相当する無水物および金属塩などの有機酸の金属塩化合物、環式ビス−フェノールホスフェート、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸などの二環式ジカルボン酸、及び、その金属塩、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−ジカルボキシレートなどの二環式ジカルボキシレート、及び、その金属塩、1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8,−テトラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8,−テトラヒドロ−2−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−エチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチル−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロル−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトールなどのジアセタール化合物、ナトリウム2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、アルミニウムビス[2,2’−メチレン−ビス−(4−6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート]、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウムホスフェートなどのリン酸エステル化合物や、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の脂肪酸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、シリカ、タルク、カオリン、炭化カルシウム等の無機粒子、グリセロール、グリセリンモノエステルなどの高級脂肪酸エステル等を挙げることができる。
これらの中でも、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩が特に好ましい。
以上の結晶核剤は、これらのうちの一種を単独で用いることも、また、これらのうちの二種類以上を選択して組み合わせて併用することもできる。
核剤(B)の具体例としては、新日本理化社製「ゲルオールD」シリーズ、「ゲルオールMD」シリーズ、旭電化工業社製「アデカスタブ」シリーズ、ミリケンケミカル社製「Millad」シリーズ、「Hyperform」シリーズ、BASF社製「IRGACLEAR」シリーズ等が挙げられ、また結晶核剤のマスターバッチとしては理研ビタミン社製「リケマスターCN」シリーズ、ミリケンケミカル社製「HL3−4」等があげられる。この中でも特に透明性を向上する効果が高いものとして、ミリケンケミカル社製「HYPERFORM HPN−20E」、「HL3−4」、理研ビタミン社製「リケマスターCN−001」「リケマスターCN−002」等を挙げることができる。
(オレフィン相溶樹脂(C))
前記エチレン系重合体(A)に対して、オレフィン相溶樹脂(C)を添加することで、防湿性を向上できるだけでなく、優れたヒートシール性を付与することができる。
本発明において、「相溶」又は「相溶樹脂」とは、分子レベルで親和性が良好な状態を示し、前記エチレン系重合体(A)と前記オレフィン相溶樹脂(C)とが相溶するとは、前記エチレン系重合体(A)と前記オレフィン相溶樹脂(C)との混合物のガラス転移温度が単一となる状態を指す。
前記オレフィン相溶樹脂(C)としては、オレフィン系樹脂、特にエチレン系重合体(A)と相溶し、かつエチレン系重合体(A)よりもガラス転移温度が高い樹脂であるのが好ましい。このような樹脂として、例えば石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及び、これらの水素添加物からなる群から選ばれる1種類の樹脂又は2種類以上の組み合わせからなる混合樹脂を挙げることができる。
前記石油樹脂としては、例えばシクロペンタジエンもしくはその二量体からの脂環式石油樹脂、C9成分からの芳香族石油樹脂等を挙げることができる。
前記テルペン樹脂としては、例えばβ−ピネンからのテルペン−フェノール樹脂などを挙げることができる。
前記クマロン−インデン樹脂としては、例えば、クマロン−インデン共重合体や、クマロン−インデン−スチレン共重合体などを挙げることができる。
さらに、前記ロジン系樹脂としては、例えばガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリン、ペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂等を挙げることができる。
前記オレフィン相溶樹脂(C)は、エチレン系重合体(A)に混合した場合に比較的良好な相溶性を示し、色調、熱安定性、相溶性、耐透湿性などをさらに高める観点から、水素添加物、特に水素添加率(以下「水添率」という)が95%以上である石油樹脂又はテルペン樹脂を用いることが好ましい。
また、同様の観点から、前記オレフィン相溶樹脂(C)は、水酸基、カルボキシル基、ハロゲンなどの極性基、或いは二重結合などの不飽和結合を実質上含有しない、石油樹脂またはテルペン樹脂を用いることが好ましい。
オレフィン相溶樹脂(C)は、その分子量を変えることにより、種々の軟化温度のものを得ることができる。
オレフィン相溶樹脂(C)のJIS K2207に基づき測定した軟化温度Ts(C)は、前記エチレン系重合体(A)の示差走査熱量測定における冷却速度10℃/分で測定される結晶化ピーク温度Tc(A)+15℃以下、すなわち結晶化ピーク温度Tc(A)+15℃を超えた高温にならないことが好ましく、Tc(A)+10℃以下であることがより好ましく、Tc(A)+5℃以下であることがさらに好ましい。なお、Ts(C)の下限は80℃であることが好ましい。
前記オレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度Ts(C)の上限が前記条件を満たすことで、エチレン系重合体(A)の結晶化過程においてオレフィン相溶樹脂(C)分子の自由度が高い状態にあり、エチレン系重合体(A)の結晶化が阻害されず、微細な結晶が形成され、透明性に優れた包装用フィルムが得られる。また、Ts(C)が80℃以上であれば、成形時におけるペレットのブロッキングや、二次加工時、あるいは、輸送時、使用時における成形品表面へのブリードアウトを生じることがない。
オレフィン相溶樹脂(C)の具体例としては、例えば、三井化学社製「ハイレッツ」シリーズ、「ペトロジン」シリーズ、荒川化学工業社製「アルコン」シリーズ、ヤスハラケミカル社製「クリアロン」シリーズ、出光石油化学社製「アイマーブ」シリーズ、トーネックス社製「エスコレッツ」シリーズ等を挙げることができる。
(配合割合)
オレフィン系樹脂組成物中に占める核剤(B)の含有量は、0.01〜3.0質量%であるのが好ましく、中でも0.03質量%以上或いは2.0質量%以下であるのがさらに好ましく、その中でも特に0.05質量%以上或いは1.0質量%以下であるのがより一層好ましい。かかる範囲内で核剤(B)を配合することにより、結晶核剤の過剰な添加による透明性の低下を生じることなく、効果的に本包装用フィルムの透明性及び防湿性をさらに向上させることができる。
また、オレフィン系樹脂組成物中に占めるオレフィン相溶樹脂(C)の含有量は、5〜30質量%であるのが好ましく、中でも10質量%以上或いは25質量%以下であるのがさらに好ましく、その中でも特に15質量%以上或いは20質量%以下であるのがより一層好ましい。かかる範囲内でオレフィン相溶樹脂(C)を配合することにより、オレフィン相溶樹脂のシート表面へのブリードを生じることがなく、また、溶融粘度の低下による成形不良を生じることなく、効果的に本包装用フィルムの防湿性を向上させることができる。
(その他の成分)
オレフィン系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン系重合体(A)及びオレフィン相溶樹脂(C)以外の樹脂を含有してもよい。例えばポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂や、ポリオレフィン系、あるいは、ポリスチレン系の熱可塑性エラストマー等を配合することができる。
例えば環状オレフィン系樹脂を含有すれば、透明性をさらに向上させることができる。この際、環状オレフィン系樹脂の含有量は、オレフィン系樹脂組成物中に占める割合が10〜50質量%であることが好ましく、中でも20質量%以上或いは45質量%以下、その中でも25質量%以上或いは35質量%以下であることがさらに好ましい。
(オレフィン系樹脂組成物の物性)
オレフィン系樹脂組成物の密度は、0.940〜0.960g/cm3である。オレフィン系樹脂組成物の密度が0.940g/cm3以上であれば、防湿性に優れた包装用フィルムが得られ、密度が0.960g/cm3以下であれば、透明性とヒートシール性に優れた包装用フィルムが得られるため好ましい。
同様の観点から、オレフィン系樹脂組成物の密度は0.942g/cm3以上或いは0.958g/cm3以下であるのがさらに好ましく、中でも0.944g/cm3以上或いは0.954g/cm3以下であるのがより一層好ましい。
オレフィン系樹脂組成物の密度は、主にエチレン系重合体(A)の組成や、エチレン系樹脂(A)とオレフィン相溶樹脂(C)の混合比率等によって調整可能である。
また、温度190℃、荷重2.16kgで測定したオレフィン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は0.5〜5.0g/10分である。オレフィン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上であれば、押出機の過負荷を生じることなく工業的に量産可能であり、5.0g/10分以下であれば、バブルの安定性、外観に優れた包装用フィルムが得られるため好ましい。
同様の観点から、オレフィン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は0.7g/10分以上或いは4.0g/10分以下であるのがさらに好ましく、中でも1.0g/10分以上或いは3.0g/10分以下であるのがより一層好ましい。
オレフィン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、主にエチレン系重合体(A)の組成、密度や、エチレン系樹脂(A)とオレフィン相溶樹脂(C)の混合比率等によって調整可能である。
また、オレフィン系樹脂組成物は、結晶融解熱量(ΔHm)が120〜160J/gの範囲であるのがより一層好ましい。
オレフィン系樹脂組成物の結晶融解熱量(ΔHm)が120J/g以上であれば、防湿性に優れた包装用フィルムが得られ、160J/g以下であれば、透明性とヒートシール性に優れた包装用フィルムが得られるため好ましい。
同様の観点から、オレフィン系樹脂組成物の結晶融解熱量(ΔHm)の下限は125J/g以上であるのがさらに好ましく、中でも130J/g以上であるのがより一層好ましい。また、上限は155J/g以下であるのがさらに好ましく、150J/g以下であるのがより一層好ましい。
オレフィン系樹脂組成物の結晶融解熱量(ΔHm)は、主にエチレン系重合体(A)の組成や、エチレン系樹脂(A)とオレフィン相溶樹脂(C)の混合比率等によって調整可能である。
オレフィン系樹脂組成物の貯蔵せん断弾性率(G’)は2MPa〜50MPaであるのが好ましい。
オレフィン系樹脂組成物の貯蔵せん断弾性率(G’)が2MPa以上であれば、バブルの安定性、外観に優れた包装用フィルムが得られるため好ましく、50MPa以下であれば、押出機の過負荷を生じることなく工業的に量産可能であるため好ましい。
同様の観点から、オレフィン系樹脂組成物の貯蔵せん断弾性率(G’)は3MPa以上或いは40MPa以下であるのがさらに好ましく、中でも4MPa以上或いは30MPa以下であるのがより一層好ましい。
オレフィン系樹脂組成物の貯蔵せん断弾性率(G’)は、主にエチレン系重合体(A)の組成、密度や、エチレン系樹脂(A)とオレフィン相溶樹脂(C)の混合比率等によって調整可能である。
オレフィン系樹脂組成物の190℃、2.16kg荷重で測定したMFR、及び、200℃における貯蔵せん断弾性率(G’)がかかる範囲内であれば、インフレーション成形において優れた成形性(バブルの安定性)に優れたフィルムを得ることができる。
<インフレーション成形>
本包装用フィルムは、生産性やコストの面からインフレーション法によりフィルム成形するのが特に好ましい。
インフレーション法による成形では、具体的には、例えば原料をインフレーション押出成形機に投入し、加熱されたシリンダー内のスクリューによって練りながら完全に溶融した状態としてダイスに送り、ダイスから円形に押し出して空気を吹き上げて、空気を調節しながら吹き上げた形状を整えると共に、エアリングで冷却し、ピンチロールで引っ張り上げながら巻き取るようにすればよい。但し、このような具体的な方法に限定するものではない。
この際、筒状のチューブは、中に入れる空気の量を調整して幅を決め、樹脂を押出す量や巻取りスピードを調整してフィルムの厚みを決めることができる。
本包装用フィルムをインフレーション法により製造する際のブロー比は2.0〜4.5以下であり、2.2以上或いは4.3以下であることが好ましく、2.4以上或いは4.0以下であることがより好ましい。ブロー比がかかる範囲を下回る場合、十分な面配向度が得られず防湿性に劣る場合があり、一方、ブロー比がかかる範囲を上回る場合、フィルム表面の荒れによる透明性の低下や、製膜時におけるバブルの安定性の低下を生じる場合がある。
<本包装用フィルム>
上記の如き本製法によって得られる包装用フィルム(「本包装用フィルム」と称する)は、面配向度ΔPが0.4×10−3〜2.0×10−3の範囲内にあるように調製することができる。
本包装用フィルムの面配向度ΔPが0.4×10−3以上であれば、優れた防湿性を付与できるため好ましく、2.0×10−3以下であればフィルムの表面荒れによる透明性低下を生じないため好ましい。
よって、このような観点から、本包装用フィルムの面配向度ΔPは、0.6×10−3以上或いは1.6×10−3以下であるのがさらに好ましく、中でも0.8×10−3以上或いは1.4×10−3以下であるのがより一層好ましい。
本包装用フィルムは、さらに次のような物性を備えるように調製するのが好ましい。
(水蒸気透過率)
JIS K7129B法に基づき、温度40℃、相対湿度90%で測定した厚み0.05mmでの本包装用フィルムの水蒸気透過率が、2.0g/(m・24時間)以下となるように本包装用フィルムを調製することができ、中でも1.7g/(m・24時間)以下、その中でも1.5g/(m・24時間)以下となるように調製するのがさらに好ましい。
本包装用フィルムの水蒸気透過率は、エチレン系重合体の組成、オレフィン相溶樹脂の配合量や、インフレーション成形時のブロー比等によって調整することができる。
(ヘーズ値)
JIS K7105に基づき測定した厚み0.05mmでの本包装用フィルムのヘーズ値が、20%以下となるように本包装用フィルムを調製することができ、中でも15%以下、その中でも13%以下となるように調製するのがさらに好ましい。
本包装用フィルムのヘーズ値は、エチレン系重合体の組成や、インフレーション成形時のブロー比等によって調整することができる。
(用途)
本包装用フィルムを用いて各種包装資材を形成することができる。特に本包装用フィルムは、防湿性、透明性、ヒートシール性の全てに優れるため、シーラントフィルムとして特に好適である。よって、各種基材と積層することにより医薬品や食品等の包装資材等に広く使用することができる。
<本多層フィルム>
例えば本包装用フィルムを、各種基材フィルム、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂や、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のポリオレフィン系樹脂等の基材フィルムと積層して積層フィルム(「本多層フィルム」と称する)を形成し、例えば食品や医薬品等の包装資材等として使用することができる。
(基材フィルム)
この際、前記基材フィルムとしては、酸素ガスバリア性、耐屈曲性、強靱性等の点から、後述するポリアミド系樹脂を用いることが好ましく、さらにポリアミド系樹脂の中でもポリアミドMXD6(ポリメタキシレンアジパミド)を用いることがさらに好ましい。
また、より高度な酸素ガスバリア性の点から、後述するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、「EVOH」と記載する。)を用いることが好ましい。なお、基材フィルムは単一の樹脂であっても、2種類以上の樹脂からなる多層フィルムであってもどちらでも構わない。また、本包装用フィルムは前記多層フィルムの少なくとも1つの最外層を構成することが好ましい。
(ポリアミド系樹脂)
前記ポリアミド系樹脂としては、特に限定されないが、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、ジアミンとジカルボン酸を主成分とするものを用いることが好ましい。
ポリアミド系樹脂が共重合体である場合、ポリアミド成分は80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含まれているものが好ましい。
また、前記ポリアミド系樹脂が他の樹脂、添加剤等を含む組成物である場合、組成部物中に占めるポリアミド成分の割合は70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
上記の3員環以上のラクタムとしては、例えばε−カプロラクタム、γ−ウンデカンラクタム、ω−ラウリルラクタムなどを挙げることできる。
上記の重合可能なω−アミノ酸としては、例えば、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノヘプタン酸、ω−アミノノナン酸、ω−アミノウンドデカン酸、ω−アミノドデカン酸などを挙げることができる。
また、上記のジアミンとしては、例えばテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トチメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トチメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族アミン、1,3/1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス−(4’−アミノシクロヘキシル)プロパンなどの脂環族ジアミン、及びメタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミンを挙げることができる。
上記のジカルボン酸としては、例えばグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ノナンジオン酸、デカンジオン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(1,2−体、1,3−体、1,4−体、1,5−体、1,6−体、1,7−体、1,8−体、2,3−体、2,6−体、2,7−体)、スルホイソフタル酸金属塩などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。
上記のような3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、ジアミンとジカルボン酸から誘導される前記ポリアミド系樹脂の具体例としては、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,9、ポリアミド6,10、ポリアミド6,11、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)、ポリアミド6−6,6、ポリアミド6−6,10、ポリアミド6−6,11、ポリアミド6,12、ポリアミド6−6,12、ポリアミド6−6T、ポリアミド6−6I、ポリアミド6−6,6−6,10、ポリアミド6−6,6−12、ポリアミド6−6,6−6,12、ポリアミド6,6−6T、ポリアミド6,6−6I、ポリアミド6T−6I、ポリアミド6,6−6T−6I等が挙げられる。これらのポリアミド系樹脂は、ホモポリマーであってもよく、また共重合体やこれらの混合物であっても良い。
(EVOH)
上述したように、例えば防湿性の向上を目的として、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、「EVOH」と記載する。)を含有する層を設けることができる。
この際、前記EVOHを特に限定するものではない。公知の方法によって製造されるEVOHを用いることができる。その中でも、特にエチレン含有率の下限が25モル%以上、より好ましくは29モル%以上、かつ、上限が38モル%以下、より好ましく35モル%以下であり、ケン化度の下限が95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、かつ、上限が100モル%以下のEVOHが、本多層フィルムに用いるEVOHとして特に適している。エチレン含有率が25モル%以上、38モル%以下の範囲であれば、溶融押出し時の溶融押出し性が良好となり、成形品外観、機械強度、酸素ガスバリア性が良好となる。また、EVOHのケン化度が95モル%以上、100モル%以下の範囲であれば、酸素ガスバリア性や耐湿性が良好となる。
また、前記EVOHは、エチレンと酢酸ビニル二元共重合体のケン化物の他に、共重合成分として少量のプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα-オレフィンや、不飽和カルボン酸、またはその塩等を含むものであってもよい。
また、前記ポリアミド系樹脂、又は、EVOHに柔軟性、耐衝撃性等を付与する目的で、ポリオレフィン類、ポリアミドエラストマー類、ポリエステルエラストマー類などの樹脂を添加することができる。
上記のポリオレフィン類は、主鎖中のポリエチレン単位、ポリプロピレン単位を主成分とするものであり、無水マレイン酸等でグラフト変性していてもよい。ポリエチレン単位、ポリプロピレン単位以外の構成単位としては、酢酸ビニル、あるいはその部分けん化物、(メタ)アクリル酸、あるいは、それらの部分金属イオン中和物、(メタ)アクリル酸エステル類、ブテンなどの1−アルケン類、アルカジエン類、スチレン類などを挙げることができる。これらの構成単位を複数含んでも構わない。
上記のポリアミドエラストマー類は、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド等のポリアミド系ブロック共重合体に属するものであり、アミド成分としてはポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12等が例示され、エーテル成分としては、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシー1,2−プロピレングリコール等が例示されるが、好ましくはポリテトラメチレングリコールとポリラウリルラクタム(ポリアミド12)を主成分とする共重合体である。また、任意成分としてドデカンジカルボン酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸を少量用いたものであってもよい。
上記のポリエステルエラストマー類としては、例えばポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールを組み合わせたポリエーテル・エステルエラストマーや、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンを組み合わせたポリエステル・エステルエラストマーなどを挙げることができる。
前記ポリオレフィン類、ポリアミドエラストマー類、ポリエステルエラストマー類などの樹脂は、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて混合して使用してもよい。この際、当該樹脂の添加量は、ポリアミド系樹脂組成物中、0.1〜20質量%の割合とするのが好ましく、中でも0.5質量%以上或いは15質量%以下の割合とするのがより好ましく、その中でも1質量%以上或いは10質量%以下の割合とするのがさらに好ましい。かかる範囲で、ポリオレフィン類、ポリアミドエラストマー類、ポリエステルエラストマー類などの樹脂を添加することにより、透明性、耐熱性を低下させることなく、柔軟性や耐衝撃性を付与することができる。
基材フィルムを構成する樹脂組成物に、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、染料等の添加剤を配合することができる。
基材フィルムの製造方法は、特に限定されるものではない。例えば一般的なTダイキャスト法、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー法、インフレーション法等により製膜することができる。例えば、前記基材フィルムとしてポリアミド樹脂を用いた場合は、生産性、製膜性の点、及び、得られる基材フィルムの強度、耐熱性の点からテンター延伸法を選択することが好ましい。この際、延伸フィルムの延伸倍率は、面積倍率で1.1〜16倍の範囲にあることが好ましい。また、面積倍率の下限は1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることがさらに好ましい。一方、面積倍率の上限は15倍以下であることがより好ましく、14倍以下であることがさらに好ましい。かかる範囲でフィルムを延伸することにより、強度、耐熱性、透明性に優れた基材フィルムを得ることができる。
(厚み比率)
本多層フィルムに占める本包装用フィルムの厚み比率は、50〜90%であることが好ましく、中でも55%以上或いは85%以下であることがより好ましく、その中でも60%以上或いは80%以下であることがさらに好ましい。
本多層フィルムに占める包装用フィルムの厚み比率がかかる範囲内であれば、本多層フィルムに優れた防湿性とヒートシール性を付与することができる。
(積層方法)
本包装用フィルムと前記基材フィルムとの積層方法としては、全ての層を共押出によって一度に製膜してもよいし、また、各層を個々に製膜した後、一般的なラミネート法により貼り合せてもよい。各層の製膜性、製膜方法を考慮した場合、各層を個々に製膜した後、一般的なラミネート法により貼り合せることが好ましい。
なお、各層を個別に製膜して一般的なラミネート方法によって貼り合せる場合には、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤を用いたドライラミネート法、ウェットラミネート法、サンドラミネート法、押出ラミネート法等により貼り合せることができる。
<用語の説明>
一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。他方、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、「主成分」と表現した場合、特にことわらない限り、主成分が1つである場合には、全体成分の50%(モル%、質量%、体積%)以上を占める成分の意味であり、全体成分の50%(モル%、質量%、体積%)以上を占める成分がない場合は、全体成分の中で最も含有量が多い成分の意味である。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
<評価方法>
以下の実施例・比較例で表示される原料及び試験片についての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向と呼ぶ。
(1)結晶融解ピーク温度(Tm)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(商品名「Pyris1 DSC」)を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解ピーク温度(Tm)(℃)を求めた。
(2)結晶融解熱量(ΔHm)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(商品名「Pyris1 DSC」)を用いて、JIS K7122に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解熱量(ΔHm)(J/g)を求めた。
(3)結晶化ピーク温度(Tc)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(商品名「Pyris1 DSC」)を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶化ピーク温度Tc(℃)を求めた。
(4)軟化温度(Ts)
JIS K2207に準じてオレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度を求めた。
(5)密度
JIS K7112に準じて、密度勾配管法にて、後述する樹脂組成物(X)及びエチレン系重合体(A)の密度(g/cm3)を求めた。
(6)MFR
JIS K7210に準じて、温度190℃、荷重2.16kgの条件にて、後述する樹脂組成物(X)及びエチレン系重合体(A)のMFR(g/10分)を求めた。
(7)貯蔵せん断弾性率(G’)
レオメトリックス社製RDAII(粘弾性測定装置ダイナミックアナライザー)を用いて、温度140〜220℃、周波数1Hz、昇温速度3℃/分、歪み量0.5%の条件で、後述する樹脂組成物(X)の貯蔵せん断弾性率(G’)の測定を行った。得られた結果より、200℃における貯蔵せん断弾性率(G’)の値を読み取った。
(8)面配向度ΔP
アッベ屈折計を用いて、直交する3軸方向の屈折率(nα、nβ、nγ)を測定し、次式により面配向度ΔPを算出した。
ΔP={(nγ+nβ)/2}−nα
(nα<nβ<nγ)
nγ:フィルム面内における最大屈折率
nβ:γ方向に直交するフィルム面内方向の屈折率
nα:フィルムの厚み方向における屈折率
(9)水蒸気透過率
JIS K7129Bに基づき、MOCON社製PERMATRAN W 3/31を用いて、40℃、90%RHの雰囲気下において、厚み0.05mmのサンプルについて水蒸気透過率を測定した。
評価基準としては、水蒸気透過率が2.0g/(m・24時間)以下であるものを「合格」とした。
(10)ヘーズ(透明性)
JIS K7105に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。
評価基準としては、厚み0.05mmでのヘーズが20%以下であるものを「合格」とした。
[ヘーズ]=[拡散透過率]/[全光線透過率]×100
(11)ヒートシール強度
縦方向に150mm、横方向100mmに切り出した本包装用フィルムを合わせた後、圧力1kgf/cm、温度130℃、シール時間1秒の条件で幅10mmの加熱バーによりサンプルの横方向と並行に、縦方向の中央部をヒートシールした。
次いで、ヒートシールしたサンプルを縦方向に150mm、横方向に15mmに切り出した後、引張試験機(インテスコ社製恒温槽付き材料試験器201X)を用いて、雰囲気温度23℃、剥離速度50mm/分で180℃剥離試験を実施した。
評価基準としては、剥離強度が10N/15mm以上のものを「合格」とした。
<使用した材料>
[エチレン系重合体(A)]
(A)−1:エチレン系共重合体(エチレン/ヘキセン−1/オクテン−1=95.2/3.5/1.3質量%、密度=0.940g/cm、結晶融解ピーク温度=128℃、結晶融解熱量=145J/g、結晶化ピーク温度Tc(A)=113℃、MFR=0.45g/10分、Mw/Mn=3.56)
(A)−2:エチレン系共重合体(エチレン/ブテン−1/オクテン−1=98.3/0.4/1.3質量%、密度=0.946g/cm、結晶融解ピーク温度=129℃、結晶融解熱量=176J/g、結晶化ピーク温度Tc(A)=110℃、MFR=1.3g/10分、Mw/Mn=3.14)
(A)−3:エチレン単独重合体(エチレン=100質量%、密度=0.958g/cm、結晶融解ピーク温度=134℃、結晶融解熱量=207J/g、結晶化ピーク温度Tc(A)=115℃、MFR=1g/10分、Mw/Mn=4.72)
(A)−4:エチレン系共重合体(エチレン/ヘキセン−1=90.5/9.5質量%、密度=0.921g/cm、結晶融解ピーク温度=121℃、結晶融解熱量=136J/g、結晶化ピーク温度Tc(A)=105℃、MFR=1.1g/10分、Mw/Mn=2.60)
(A)−5:エチレン系共重合体(エチレン/ブテン−1/オクテン−1=97.7/1.1/1.2質量%、密度=0.941g/cm、結晶融解ピーク温度=127℃、結晶融解熱量=162J/g、結晶化ピーク温度Tc(A)=114℃、MFR=2.5g/10分、Mw/Mn=3.12)
[核剤(B)]
(B)−1:ミリケンケミカル社製「HYPERFORM HPN−20E」(脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛/1,2−シクロヘキサンジカルボン酸カルシウム塩=34/66質量%))
[オレフィン相溶樹脂(C)]
(C)−1:水素添加石油樹脂(荒川化学工業(株)製の商品名「アルコンP115」、軟化温度Ts(C)=115℃、水添率100%)
(C)−2:水素添加テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製の商品名「クリアロンP125」、軟化温度Ts(C)=125℃、水添率100%)
(実施例1)
(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1を、混合質量比79.9:0.1:20の割合でドライブレンドした後、Φ25mm同方向二軸押出機に投入し、設定温度220℃にて溶融混練した後、ストランド状口金より押出した。次いで、水槽にて冷却後、ペレット状にカットし、オレフィン系樹脂組成物(X)を得た。
このようにして得た樹脂組成物(X)のペレットについて、密度、結晶融解熱量(ΔHm)、MFR、貯蔵せん断弾性率(G’)の測定を行った。
上記のようにして得た樹脂組成物(X)のペレットを、Φ30mm単軸押出機に投入し、設定温度200℃で溶融混練した後、環状口金より設定温度200℃、ブロー比2.2の条件でインフレーション成形を行い、厚み0.05mmのフィルムサンプルを得た。
得られたフィルムサンプルについて、面配向度ΔP、水蒸気透過率、ヘーズ、ヒートシール強度について評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、インフレーション成形の際のブロー比を2.6とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、インフレーション成形の際のブロー比を3.5とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例2において、(A)−1、(B)−1、及び、(C)−1の混合質量比を、89.9:0.1:10.0に変更した以外は、実施例2と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例2において、(A)−1の代わりに(A)−2を用いた以外は、実施例2と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例2において、(C)−1の代わりに(C)−2を用いた以外は、実施例2と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、インフレーション成形の際のブロー比を1.8とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、インフレーション成形の際のブロー比を4.7とした以外は、実施例1と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2において、(A)−1の代わりに(A)−3を用いた以外は、実施例2と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例2において、(A)−1の代わりに(A)−4を用いた以外は、実施例2と同様の方法でフィルムサンプルの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例2において、(A)−1の代わりに(A)−5を用いた以外は、実施例2と同様の方法でインフレーション成形を行ったが、バブルの安定性が悪く、フィルムサンプルを作製できなかった。
(比較例6)
実施例2において、フィルムを作製する際に、(A)−1及び(C)−1を、混合質量比80:20の割合でドライブレンドし、(B)−1をブレンドしなかった以外は、実施例2と同様の方法でフィルムサンプルの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例7)
実施例2において、フィルムを作製する際に、(A)−1及び(B)−1を、混合質量比99.9:0.1の割合でドライブレンドし、(C)−1をブレンドしなかった以外は、実施例2と同様の方法でフィルムサンプルの作製、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2013234261
実施例1〜6で得たフィルムサンプルは、面配向度ΔPが0.4〜2.0×10−3の範囲にあり、水蒸気バリア性に優れ、且つ、ヘーズが少なく透明性に優れ、ヒートシール性にも優れたものであった。
これに対し、ブロー比が低い比較例1で得たフィルムサンプルは、防湿性が不十分であり、ブロー比が高い比較例2で得たフィルムサンプルは、透明性が不十分であった。
また、比較例3及び4で得たフィルムサンプルは、防湿性、透明性、ヒートシール性のいずれか1つ以上の物性が不十分であった。
なお、比較例5は、実施例2の(A)−1の代わりに(A)−5を用いた結果、オレフィン系樹脂組成物(X)のMFRが高くなり、バブルの安定性が悪く、フィルムを作製できなかった。
さらに、核剤(B)を含まない比較例6で得たフィルムサンプルは、防湿性が不十分であり、透明性も不十分であった。
オレフィン相溶樹脂(C)を含まない比較例7で得たフィルムサンプルは、防湿性、及び、ヒートシール強度が不十分であった。
なお、上記の実施例では、オレフィン相溶樹脂(C)として、石油樹脂の水素添加誘導体及びテルペン樹脂を用いたが、エチレン系重合体(A)と相溶して防湿性を向上するという作用を考えると、例えばクマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、或いはこれらの水素添加誘導体などのオレフィン相溶樹脂も同様の効果を得ることができると考えることができる。

Claims (11)

  1. オレフィン系樹脂組成物をインフレーション成形してフィルムを製造する工程を備えた包装用フィルムの製造方法において、
    前記オレフィン系樹脂組成物が、エチレン系重合体(A)と、核剤(B)と、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及びそれらの水素添加誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなるオレフィン相溶樹脂(C)と、を含む樹脂組成物であることを第1の特徴とし、
    前記オレフィン系樹脂組成物の密度が0.940〜0.960g/cm3であることを第2の特徴とし、
    前記オレフィン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kgで測定)が0.5〜5.0g/10分であることを第3の特徴とし、
    ブロー比が2.0〜4.5の範囲でインフレーション成形することを第4の特徴とする、包装用フィルムの製造方法。
  2. 前記ブロー比が2.4〜4.0の範囲でインフレーション成形することを特徴とする請求項1に記載の包装用フィルムの製造方法。
  3. 前記オレフィン系樹脂組成物中に占める核剤(B)の割合が0.01〜3.0質量%であり、オレフィン相溶樹脂(C)の割合が5〜30質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用フィルムの製造方法。
  4. 前記オレフィン系樹脂組成物は、200℃における貯蔵せん断弾性率(G’)が2〜50MPaであり、且つ、結晶融解熱量ΔHmが120〜160J/gであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の包装用フィルムの製造方法。
  5. 前記エチレン系重合体(A)の分子量分布指数が2.0〜4.0であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の包装用フィルムの製造方法。
  6. JIS K2207に基づき測定した前記オレフィン相溶樹脂(C)の軟化温度Ts(C)が、前記エチレン系重合体(A)の示差走査熱量測定における冷却速度10℃/分で測定される結晶化ピーク温度Tc(A)+15℃以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の包装用フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の製造方法で得られる包装用フィルム。
  8. 前記包装用フィルムが、JIS K7129B法に基づき、温度40℃、相対湿度90%で測定した厚み0.05mmでの水蒸気透過率が2.0g/(m・24時間)以下であることを特徴とする請求項7に記載の包装用フィルム。
  9. 前記包装用フィルムが、JIS K7105に基づき測定した厚み0.05mmでのヘーズ値が20%以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の包装用フィルム。
  10. 請求項7〜9の何れかに記載の包装用フィルムの少なくとも片側に、ポリアミド系樹脂を含むフィルムを積層してなる構成を備えた多層フィルム。
  11. 請求項10に記載の多層フィルムを用いて形成された包装資材。
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