JPH068320A - 包装用樹脂フィルム - Google Patents

包装用樹脂フィルム

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JPH068320A
JPH068320A JP4167646A JP16764692A JPH068320A JP H068320 A JPH068320 A JP H068320A JP 4167646 A JP4167646 A JP 4167646A JP 16764692 A JP16764692 A JP 16764692A JP H068320 A JPH068320 A JP H068320A
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resin
weight
air
ethylene
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JP4167646A
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Takao Yazaki
高雄 矢崎
Masataka Noro
正孝 野呂
Takashi Matsui
孝 松井
Noriyuki Kobayashi
則之 小林
Hiroshige Sano
博成 佐野
Koji Yamamoto
孝二 山本
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンを素材
とするストレッチ包装フィルム並の変形歪回復性の優れ
たオレフィン系樹脂製ストレッチ包装用フィルムを提供
する。 【構成】 次の(1)〜(4)の条件を満たす包装用樹
脂フィルム (1)フィルムの肉厚は6〜100ミクロンである。 (2)次式で定義される複屈折ΔnA が0.6×10-3
〜8×10-3である。 ΔnA =|nMD−nTD| (但し、nMDはフィルムの押出方向の屈折率を、nTD
フィルムの幅方向の屈折率を示す。) (3)フィルムを140℃のシリコンオイル浴中に3分
放置したときのフィルムの押出方向の熱収縮率SMDとフ
ィルムの幅方向の熱収縮率STDの比(SMD/STD)が
0.65〜1.50である。 (4)直径100mmの円形試料フィルムを展張固定し、
その中心に直径20mmの半球を押し込んでフィルムを変
形させた後、半球を取り除いた時の100%回復可能な
最大歪量が18mm以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、食品のストレッチ包装
用樹脂フィルム、パレットストレッチ包装用樹脂フィル
ム、製袋成形用樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来技術】近年、青果物、鮮魚、惣菜等の食品を直接
にまたはプラスチックトレイ上に載置して、これらをフ
ィルムでストレッチ包装する、いわゆるプリパッケージ
用のフィルムとして、安全衛生上の問題等から、従来の
ポリ塩化ビニルに代って低密度ポリエチレン樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のエチレン系樹脂によ
るものの開発が活発に行われている。
【0003】しかしながら、これらストレッチ包装用と
して、既に公知の低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−
ブテン−1共重合体樹脂等の低密度ポリエチレン系樹脂
フィルムでは、硬くて伸びにくいため、無理に伸ばして
も破れるか不均一な伸びしか示さず、さらに、被包装食
品を載置したトレイを変形させたり破壊させたりしてし
わが発生し、包装に必要な緊締力が得られないとか、商
品価値のある包装ができないという問題がある。
【0004】また、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂
フィルムでは、酢酸ビニル含有量、メルトフローレート
等を適切に選択した上で使用すれば、前述の低密度ポリ
エチレン系樹脂フィルムにおけるような問題は解消でき
るものの、被包装食品が鋭利な角を有する場合や被包装
食品を載置したトレイの角が鋭利な場合には、フィルム
を引き伸ばしながら包装すると、フィルムがこれらの鋭
利な角に当って引き裂かれるように破れてしまうという
問題があり、さらに、ストレッチ包装物としての物流過
程において、各種物体に触れてフィルムに小さな破れが
発生すると、その破れが伝播、拡大して大きな破れとな
ったり、これが原因して解包してしまうという問題があ
る。
【0005】さらに、前述の低密度ポリエチレンもしく
は線状低密度ポリエチレンフィルムとエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体樹脂フィルムを積層したフィルム(特公平
2−12187号)でも、硬くて伸びにくいという問題
はなくなるものの、包装時および物流過程で引き裂け易
いという前述の問題については、特にフィルム厚みを薄
肉化した場合においては、充分な解決とはなっていな
い。
【0006】食品のストレッチ包装用樹脂フィルムにお
けるこのような従来の問題点を解決すべく、適度の滑り
性、自己粘着性を有し、充分な熱融着性、透明性を有す
ることは勿論のこと、伸展性、柔軟性に優れ、特に引裂
強度が極めて優れた薄肉のストレッチ包装用フィルムを
提供することを目的として、特定のブテン−1系樹脂を
主成分とする層の両面に、酢酸ビニル含有量が5〜25
重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分と
する層が積層されたフィルムをブロー比3〜7でインフ
レーション成形したストレッチ包装用フィルムが提案さ
れている(特開昭61−89040号)。
【0007】しかしながら、上記ストレッチ包装用フィ
ルムとて、シワを残すことなく被包装物形状にフィット
した緊締感のある包装とすること、および、包装物の輸
送、店頭陳列時のフィルム面にかかる変形に対してシワ
を残すことなく回復すること等の変形回復性において、
市場の要求に必ずしも充分に対応しきれているものでは
ない。
【0008】変形回復性の優れる包装用樹脂フィルムと
して(A)が低密度ポリエチレン又はビニル・エステル
単量体、脂肪族不飽和モノカルボン酸、該モノカルボン
酸アルキルエステルより選ばれる単量体とエチレンとの
共重合体、又はこれらの誘導体から選ばれる少なくとも
1種の共重合体、(B)がVicat軟化点60℃以下
の軟質エラストマー、(C)が結晶性ポリプロピレン、
結晶性ポリブテン−1のいずれか又はこれらの混合重合
体であり、(A)+(B)+(C)、(A)+(B)、
又は(B)+(C)より選ばれる混合組成物を主体とし
て含むベース層を、該(C)より選ばれる重合体よりな
る層(H層)に少なくとも1層隣接して、更に該
(A)、(B)又は結晶性1,2−ポリブタジエンから
選ばれる少なくとも1種の重合体を表層(S層)として
配置し、少なくとも4層よりなる筒状フィルムをダイよ
り押出し、これを水冷リングで急冷した後、これを2対
の送りニップロールと引取りニップロールの間に通して
この間で熱風により37℃に加熱し、そのまま内部に空
気を入れ、前述した整流接触ガイドを用いて連続的に膨
張させて、ほぼタテ3.3〜3.6倍、ヨコ3.2〜
3.4倍に延伸して、延伸終了域を18℃の冷風の吹き
出るエヤーリングにて冷却し、デフレーターで折りたた
み、ニップロールで引き取って、40℃の熱風で数秒間
ヒート・セットして耳部を縦方向にスリットして2枚の
フィルムに分けそれぞれ一定の張力で巻き取って収縮
性、強度に優れた包装用樹脂フィルムが提案され(特公
平2−14898号)、実用化されている。
【0009】しかし、この包装用樹脂フィルムは低温で
延伸した配向フィルムであるので、トレイ上の食品をス
トレッチ包装し、熱シールするとトレイが変形しやすい
欠点がある。更に、線状低密度ポリエチレン層の両面に
エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルムを積層した3層
構状の筒状フィルムをブロー比3〜6でインフレーショ
ン成形したストレッチ包装用フィルムも提案(特公平2
−12187号)され、かつ、実用化されている。しか
し、ポリ塩化ビニルフィルム並みの変形(歪)回復性を
もつことが要望されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品のスト
レッチ包装用フィルムにおける上述の変形回復性の問題
に鑑みなされたもので、その目的とするところは、スト
レッチ自動包装適性としての適度の滑り性、自己粘着性
を有し、透明性を有することは勿論のこと、伸展性、柔
軟性、引裂強度に優れ、かつ、変形回復性が極めて優れ
た包装用樹脂フィルムを提供するにある。
【0011】
【課題を解決する具体的手段】上記課題は、次の(1)
〜(4)の条件を満たす包装用樹脂フィルムにより達成
される。 (1)フィルムの肉厚は6〜100ミクロンである。 (2)次式で定義される複屈折ΔnA が0.6×10-3
〜8×10-3である。 ΔnA =|nMD−nTD| (但し、nMDはフィルムの押出方向の屈折率を、nTD
フィルムの幅方向の屈折率を示す。) (3)フィルムを140℃のシリコンオイル浴中に3分
放置したときのフィルムの押出方向の熱収縮率SMDとフ
ィルムの幅方向の熱収縮率STDの比(SMD/STD)が
0.65〜1.50である。 (4)直径100mmの円形試料フィルムを展張固定し、
その中心に直径20mmの半球を押し込んでフィルムを変
形させた後、半球を取り除いた時の100%回復可能な
最大歪量が18mm以上である。
【0012】
【作用】フィルムの押出方向(縦;MD方向)と幅
(横;TD方向)の応力バランスがとれているので包装
時のフィルムの破断がなく、トレイを変形させず、フィ
ルムにしわを発生させることなく包装できる。また、フ
ィルムの変形回復性も優れる。
【0013】(発明の具体的な説明)フィルム素材 本発明の包装用樹脂フィルムの素材としては、エチレン
含量が5〜25重量%、MFRが0.3〜5のエチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン80〜99重量%と、
炭素数が3〜8のα−オレフィン20〜1重量%との共
重合体である線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重
合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン
・メタクリル酸メチル共重合体、プロピレンホモ重合
体、プロピレンC88〜99.5重量%と、エチレンま
たは炭素数が4〜8のαオレフィン12〜0.5重量%
との共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ
ブテン等のオレフィン系樹脂が好ましく、これらは単独
でまたは2種以上混合して用いられる。
【0014】α−オレフィンとしてはブテン−1、ヘプ
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペ
ンテン−1が挙げられる。これらオレフィン系樹脂に水
添石油樹脂、水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重
合体、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、1,2−ポ
リブタジエン、エチレン・プロピレン・エチリデンノル
ボルネン共重合体ゴム等の衝撃改良剤をフィルムの透明
性を阻害しない程度(0.5〜20重量%)に加えても
良い。
【0015】更に、フィルムの滑り性を改善する滑剤や
粘着付与剤、フィルムの透明性を改良する核剤を0.0
5〜2重量%配合しても良い。上記滑剤としては、オレ
イン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルシン酸アミド
等の脂肪酸アミド及びステアリン酸モノグリセライド、
ステアリン酸ジグリセライド、オレイン酸モノグリセラ
イド、オレイン酸ジグリセライド等の脂肪酸グリセリン
エステル化合物及びそれらのポリエチレングリコール付
加物が挙げられる。また、核剤としてはタルク、シリカ
等の無機物質、粘着剤としては、ヒマシ油誘導体、ポリ
ブテンの低分子粘稠物質、ソルビタン高級脂肪酸エステ
ル等が利用できる。
【0016】フィルムは単層構造でも積層構造でも良
く、好ましくは、成形性の面とフィルム物性のバランス
を取り易くするには多層構造とするのがより好ましい。
かかる多層構造のフィルムの例としては、次の〜の
積層構造が考えられる。 MFRが0.1〜5、Q値が1〜6の線状低密度ポ
リエチレン樹脂層の両面にエチレン60〜95重量%と
酢酸ビニルエステル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族
不飽和モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれた単
量体5〜40重量%との共重合体樹脂表面層を積層した
フィルム。
【0017】 エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂よ
り選ばれた結晶性オレフィン系樹脂10〜90重量%と
オレフィン系熱可塑性エラストマー90〜10重量%か
らなる樹脂層の両面に、エチレン60〜95重量%と酢
酸ビニルエステル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不
飽和モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれた単量
体5〜40重量%との共重合体樹脂表面層を積層したフ
ィルム。
【0018】 線状低密度ポリエチレン80〜95重
量%にエチレン60〜95重量%と酢酸ビニルエステ
ル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和モノカルボ
ン酸アルキルエステルより選ばれた単量体5〜40重量
%との共重合体樹脂20〜5重量%からなる樹脂層の両
面に、エチレン60〜95重量%と酢酸ビニルエステ
ル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和モノカルボ
ン酸アルキルエステルより選ばれた単量体5〜40重量
%との共重合体樹脂表面層を積層したフィルム。
【0019】 ブテン−1系樹脂10〜90重量%
と、オレフィン系樹脂(ブテン−1系樹脂を除く)又は
/及びオレフィン系熱可塑性エラストマー90〜10重
量%からなる樹脂層の両面に、エチレン60〜95重量
%と酢酸ビニルエステル、脂肪族不飽和カルボン酸、脂
肪族不飽和モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれ
た単量体5〜40重量%との共重合体樹脂表面層を積層
したフィルム。
【0020】 低密度ポリエチレン樹脂層の片面又は
両面に線状低密度ポリエチレン樹脂層を積層したフィル
ム。 高密度ポリエチレン樹脂層の片面又は両面に低密度
ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレン樹脂層を積層
したフィルム。 線状低密度ポリエチレン樹脂層の片面又は両面に低
密度ポリエチレン又はプロピレン系樹脂層を積層したフ
ィルム。
【0021】 プロピレン系樹脂層の片面又は両面に
線状低密度ポリエチレン樹脂層を積層したフィルム。 これらの中でも、特にとの積層フィルムが歪回復性
の面から好ましい。
【0022】フィルムの成形法 本願発明のストレッチ包装用樹脂フィルムの製造は、例
えば図4に示すインフレーションフィルム成形機1を用
いて行なわれる。このインフレーションフィルム成形機
1において、原料の熱可塑性樹脂aは供給ホッパー2内
に貯蔵されており、コンピューターの指令によりインフ
レーションフィルムの引取速度に対応してロードセル3
が作動して、熱可塑性樹脂aは自動的に計量ホッパー4
内に供給される。押出機5は、スクリューモーター6に
よって回転駆動されるスクリュー7を内蔵しており、計
量ホッパー4から供給される熱可塑性樹脂aを溶融樹脂
として先端部から上方に押出す。
【0023】押出機5の先端部鉛直方向には直結管8を
介して環状成形ダイDを内蔵したブローヘッド9を取付
けてあり、押出した溶融樹脂内に空気を吹き込んでブロ
ー比が8〜20倍の円筒状バブルbを形成するために、
このブローヘッド9には電磁バルブ10を有するバルブ
管11を介して給排気ポンプ12を接続してある。ブロ
ーヘッド9の上方には風冷リング13を配置してあり、
冷却ブロア14より供給される空気により円筒状バブル
bは冷却される。
【0024】円筒状バブルbは案内板15,15に案内
され、引取モーター16により回転駆動される引取ロー
ル17,17により2層シート状に折り畳まれてインフ
レーションフィルムcとなる。インフレーションフィル
ムcは、フィルム幅測定装置18の幅センサー19によ
りフィルム幅を測定された後、ガイドロール20,2
1,21に案内され、フィルム巻取機22の保持杆23
に挿入、保持された紙管dに巻き取られる。
【0025】ここで、袋形成用フィルムを製造する場合
には、インフレーションフィルムcは2層シート状に折
り畳まれた状態で紙管dに巻き取られるが、ラップフィ
ルム、ストレッチフィルム等を製造する場合には、イン
フレーションフィルムcはカッターにより幅方向所要数
条に分割された後、フィルム巻取機22の保持杆23に
挿入、保持された数本の紙管d,d,d,dに巻き取ら
れる。
【0026】インフレーションフィルム成形において、
環状成形ダイの外径に対する膨張した円筒状バルブの内
径の比をブロー比(BUR)といい、一般には1.2〜
7倍でオレフィン系樹脂フィルムが成形されている。こ
のブロー比が3〜7のものを高ブロー成形と業界では呼
んでいる。本願発明の歪回復性の良好なストレッチ包装
用樹脂フィルムをインフレーションフィルム成形法で製
造するには、このブロー比が8〜20倍、好ましくは1
0〜16倍で製造されるため、冷却リング13として図
1または図3で示す空冷リング26と整流筒27を供え
た構造の冷却装置13′を用いる。
【0027】この冷却装置13′は少くとも上、中、下
層の三つの環状吹出口24a,24b,25を有し、か
つ、この上、中、下層の環状吹出口から吹き出される空
気の吐出量は順次増加するようになっている環状吹出口
を有する風冷リング26が成形ダイCの環状溶融樹脂吐
出口Dに臨在して設けてあり、これら環状吹出口のう
ち、上流側の上環状吹出口24a、中環状吹出口24b
は補助吹出口としてあり、下流側の下環状吹出口25を
主吹出口としてあり、この風冷リングの下流側には、直
径の異なる環状整流筒27が、前記吐出口と同心上に複
数個半径方向に間隔を置いて配置してあり、隣接する整
流筒間に下流側開口の環状エアチヤンバ28が形成さ
れ、これら整流筒のうち最外側の整流筒周壁には、風冷
リング寄りに複数の外気取入口29が放射状に穿設して
あり(図2参照)、残りの整流筒下端と前記風冷リング
26の上面間には、前記エアチヤンバ同士を連通する外
気吸排口30が各々穿設してあり、これら数個の整流筒
の高さは、外側に位置するものほど高くなりこれらの下
流側端を結ぶ形状は外側へ広がるテーパ状(この案内面
の前記吐出口Dの軸線Oとなす角度は45〜70度)の
バブル案内面を形成している構造となっている。
【0028】この多段の風冷リングとテーパ状のバブル
案内面が一定な整流筒群を備える冷却装置を利用して、
同一引取速度、同一肉厚のフィルムを成形する場合、ブ
ロー比が高くなればなるほど、補助の冷風の吹出口を多
くする風冷リングを増し、必要により前記バルブを支持
するエアチヤンバの数も増大させることによりブロー比
に関係なく、安定良くバブルを支持でき、インフレーシ
ョンフィルム成形できる。
【0029】風量は、下流側の吹出口25の風量を10
0容量部とすると、中流側の吹出口24bの風量は5〜
20容量部、上流側の吹出口24aの風量は0.1〜3
容量部となっている。上流側吹出口24aに通ずる風冷
リングの第1室31は一般には大気であるが、ブロアで
空気を強制的に供給してもよい。
【0030】中流吹出口24bに通ずる第2室31およ
び下流吹出口25に通ずる第3室33への空気の供給は
ブロア14により行われ、図1では第2室32と第3室
33とは通路34,34′で連通している。風冷リング
26のブロア14への連結は、図2に示すように、風冷
リング26の側壁に設けられた6個の管35,35,…
にホース36,36…によりブロア14に連結される。
【0031】又、図3は風冷リング26の補助吹出口2
4を3段24a,24b,24cとした冷却装置13′
を示す。本発明において、各吹出口に通ずる部室30,
31,32、…は各々から独立していてもよく(図3参
照)、その場合はブロア14は複数独立して用いられ
る。
【0032】各吹出口からの冷風の吹出速度はブロー
比、バブルの径、引取速度により異なるが上流側の吹出
口24aで0.1〜10m/秒、中流の吹出口24b,
24cで5〜40m/秒(上流側にいくにつれ風量を多
くする)、下流の吹出口25で10〜50m/秒であ
る。この冷却装置においては、前記補助の吹出口と主吹
出口を有する風冷リングの下流面に、複数の整流筒を前
記吐出口と同心上に間隔をおいて配置してあり、隣接す
る整流筒間に下流側開口の環状エアチヤンバが形成さ
れ、最外側の整流筒周壁に複数の外気取入口が放射状に
穿設してあり、残りの整流筒上流端と風冷リングの下流
側面間に、前記エアチヤンバ同士を連通する外気吸引口
が各々穿設されているため、前記補助吹出口24a,2
4b,24cより吐出された空気により溶融管状体が予
備冷却されるため、主吹出口からの吐出される空気の量
を少くでき(或いは吹出速度を50m/秒に高速にする
必要もなく)、ついで主吹出口からバブルに向け吹出さ
れ若干昇温した空気流が、バブルと前記整流筒下流端間
を流れる際に生じるベンチユリ作用で、バブルのブロー
比に対応する複数箇所の整流筒間の環状エアチヤンバ内
が減圧状態となり、この減圧状態の環状エアチヤンバ内
に前記外気取入口、外気吸排口を通して外気流を取入れ
ることができ、前記吹出口からの空気流と合流してこの
エアチヤンバ内の空気の一部が、この下流端からバブル
に伴って移動し、バブルを急速に冷却すると共に、この
減圧状態の複数個の環状エアチヤンバにより、前記吐出
口を出たバブルを、その外周面から安定良く支持でき
る。
【0033】加えて、これら数個の整流筒の高さを外側
に位置するものほど高くし、これら下流側端を結ぶ形状
を外側へ広がるテーパ状案内面とすることにより、高ブ
ロー比の成形においても、前記吐出口から吐出した直後
で整流筒の下流側端に接触することなく一気に所望径に
バブルを膨張成形できる。更に、前記外気吸排口を通し
て隣接する前記エアチヤンバを外気はその圧力に応じて
流れ、常にバブル成形に適した圧力に各エアチヤンバ内
の圧力は維持される。
【0034】フィルム物性 本発明の包装用樹脂フィルムは次の(1)〜(4)の物
性を満たすフィルムである。 (1)フィルムの肉厚は6〜100ミクロンである。 (2)次式で定義される複屈折ΔnA が0.6×10-3
〜8×10-3である。 ΔnA =|nMD−nTD| (但し、nMDはフィルムの押出方向の屈折率を、nTD
フィルムの幅方向の屈折率を示す。) (3)フィルムを140℃のシリコンオイル浴中に3分
放置したときのフィルムの押出方向の熱収縮率SMDとフ
ィルムの幅方向の熱収縮率STDの比(SMD/STD)が
0.65〜1.50である。 (4)直径100mmの円形試料フィルムを展張固定し、
その中心に直径20mmの半球を押し込んでフィルムを変
形させた後、半球を取り除いた時の100%回復可能な
最大歪量が18mm以上である。
【0035】更に、この包装用フィルムは次の(5)と
(6)の物性を兼ね揃えるものがよりストレッチ包装用
フィルム、ピロー包装用フィルムとして好適である。 (5)フィルムの霞み度(JIS Z−6714)は3
%以下である。 (6)フィルムの押出方向および幅方向の引張弾性率
(ISO R−1184)がいづれも600〜1400
kg/cm2 である。
【0036】フィルムの肉厚は6〜100ミクロン、好
ましくは食品のストレッチ包装用フィルム、製袋用フィ
ルムのときは経済性、透明性の面からは8〜30ミクロ
ンであり、これを、積層フィルム構造とするときは、中
間層が2〜10μm、両表面層が各3〜10μmであ
る。また、パレットストレッチ包装用樹脂フィルムのと
きは20〜50ミクロンである。
【0037】(2)のフィルムの複屈折ΔnA とは、
(株)ニコンの偏光顕微鏡 OPTIPHOT−POL
(商品名)を用いて、次の順序で測定した値である。 (1) 5mm角に裁断したフィルムを試料とし、スライド
ガラス上に(株)ニコンのオイル タイプB(商品名)
を一滴落とし、このオイル滴上に試料を載せた後、更に
この試料上に上記オイルを一滴落とし、カバーガラスで
サンドイッチして測定サンプルを調整する。
【0038】(2) この測定サンプルを偏光顕微鏡の台
(ステージ)上に固定する。 (3) 三つ穴を繰り抜いたプレート(補償板)を偏光顕
微鏡のスロットに挿入し、該プレートの真中の穴が測定
サンプル中の試料の軸線上にくる位置に固定する。 (4) 上の文字盤の横に備えつけられたネジを押して偏
光をかけ、ついで上の文字板の0の目盛を下の文字盤の
目盛の0に合せる。
【0039】(5) 台を回動して暗くなる所で台上の目
盛を読む。 (6) ついで、補償板を抜き、代りに石英ガラス板(Q
uart Wedge)を挿入する。 (7) (5)の目盛の±45度のどちらかに台上を動かした
後、石英ガラス板を徐々に前後させ、白から黄色に移る
部分が出てきたところで石英ガラス板上の目盛を読み、
±45度のいずれかより白いときの石英ガラス板上の目
盛(ψ)を記憶する。
【0040】(8) 次にそのままの状態で石英ガラス板
を抜き取り、代りに中央に1個の穴が穿孔された補償板
(SENARMONT)を挿入し、下部のレンズに黄色
のフィルター(MXA 20168、MF45 IF5
46)をかぶせる。 (9) 上の文字盤を回動して、サンプルが暗くなった所
の目盛(θ)を読む。 (10) 次式で複屈折率ΔnA を算出する。 ΔnA =〔{(θ/180)×λ}+(λ×ψ)〕÷試
料の厚み (ここでλは、546nmである。)
【0041】このΔnA は、樹脂フィルムの押出方向
(nMD)、幅方向(nTD)についての各屈折率をもとに
して、下式に定義されるものの値である。 ΔnA =|nMD−nTD| 前記ΔnA はフィルムの押出方向と幅方向の分子鎖の配
向のバランスを示す一つの尺度であり、この値が大きく
なる程、どちらか一方の方向に分子鎖がより配向してい
るものと推定される。本発明ではΔnA は0.6×10
-3〜8×10-3、好ましくは0.8×10-3〜6×10
-3である。
【0042】これはΔnA が8×10-3を越えるとフィ
ルムの一方向の分子鎖の配向が強くなり、その方向のフ
ィルムの伸長が困難となるし、その方向と直角の方向の
引張りに対してのネッキング現像も生じ易くなり、スト
レッチ包装されたフィルムにしわが発生し易いことと、
歪回復量が小さいからである。ΔnA が小さい値をとる
程、フィルム面に対しての分子鎖の配向が面内で異方性
がないこととなる。従ってこのフィルムの異方性を小さ
くするにはフィルムに溶融配向が残る量が少ないインフ
レーションフィルム成形法の方が、フィルムの融点より
低い温度でフィルムを延伸するテンター延伸法やロール
差の周速差を利用して配向の度合を大きくする延伸フィ
ルム成形法よりも好ましい。もっとも延伸フィルム成形
法も縦と横の延伸倍率、延伸温度を同一にしてできるだ
け縦横の配向の異方性の違いを小さくすることもできる
が、この延伸方法によるとフィルムの弾性率が高くなり
すぎ、ストレッチ包装時のトレイの破損が生じ易いフィ
ルムとなる。
【0043】溶融配向をもたらすインフレーションフィ
ルム成形方法を取るときは、筒状フィルムのブロー比と
引取速度のバランスを考慮すべきてあり、ブロー比が大
きくなるとフィルムの引取速度もより速くして得られる
フィルムの縦(押出方向)と横(幅方向)の配向の異方
性が小さくなるようにする。従って、引取速度が20〜
150m/分の条件下ではブロー比を8〜20倍、好ま
しくは10〜16倍とする。
【0044】現在の商業的に可能なインフレーションフ
ィルム成形技術ではΔnA が0.6×10-3未満のフィ
ルムを成形することは困難である。(3)項の熱収縮比
(SMD/STD)もフィルムの縦と横の配向応力のバラン
スに帰因するものでストレッチ包装時の包装したフィル
ムにしわが発生しやすいか否かの判断に役立つ。
【0045】この熱収縮比の値は0.65〜1.5、好
ましくは0.7〜1.35、より好ましくは1に近い程
良く、0.65未満または1.5を越えるとストレッチ
包装したフィルムにしわが発生したり、歪回復率が小さ
く、消費者がトレイ上にストレッチ包装された食品を購
入する際に食品をフィルム上から指で押すと歪が回復せ
ず、フィルムにしわが残り、もし、この歪を付した消費
者がこの食品を購入しないとき、新たな消費者がこの食
品トレイを見た際、この歪が気になって、この食品トレ
イは購入されない可能性が大となる。
【0046】この熱収縮比の測定は、縦100mm、横1
00mmのフィルムに、このフィルムの中心を通る十文字
線をペンで記入し、これを140℃のシリコンオイル浴
中に3分間浸漬した後、これを浴中より取り出し、温度
22℃、相対湿度57%の恒温室に2時間保管した後の
十文字線の長さ(LMD、LTD)を測定し、これを次式で
算出したものである。 SMD/STD=(100−LMD)/(100−LTD
【0047】(4)項の歪回復性は、図5に示すように
直径100mmの円形試料フィルムcを展張固定し、その
中心に直径20mmの半球を頭に有するピストン棒37を
押し込んでフィルムを変形させた後、半球を取り除いた
時の100%回復可能な最大歪量Hを測定したもので、
この歪回復量は18mm以上、好ましくは20mm以上、よ
り好ましくは23〜35mmである。
【0048】なお、図5中、38はロードセルである。
包装用フィルムは収納物が透視できるようにできるだけ
透明(霞み度が3%未満)のものが好ましい。但し、製
袋のように透明性が要求されない用途には透明性は重要
でなく、フィルム中にカーボンブラック、焼成クレイ、
炭酸カルシウム、タルク等の無機微細粉末を3〜40重
量%含有させてフィルムの霞み度を3%以上、好ましく
は40〜100%の半透明乃至不透明のフィルムとする
ことができる。
【0049】また、ストレッチ包装時のトレイの破損を
生じないようにするには、引張弾性率(ISO R−1
184)が縦、横とも600〜1400kg/cm2 である
のが好ましい。600kg/cm2 未満では、フィルムが柔
かすぎて包装物の緊締力が不充分である。一方、140
0kg/cm2 を越えては、硬すぎて、包装時にトレイを変
形、場合によっては破損させてしまう。
【0050】
【実施例】
実施例1 成形ダイCの直径 100mmφ リップ幅 1.0mm 空冷リングの吹出口 上流側(24a)−吐出量 0.016m3 /分、速
度1m/秒 中流側(24b)−吐出量 3.2m3 /分、速度2
5m/秒 下流側(25)−吐出量 46.7m3 /分(大
気)、速度40m/秒 整流筒(上端のテーパー60度)
【0051】
【表1】
【0052】上記設計の図1に示す冷却装置13′を図
4のインフレーション成形機1の風冷リング13の代り
に用い、次の三層構造のインフレーションフィルムの成
形を行った。即ち、三井石油化学工業(株)の線状低密
度ポリエチレン“ウルトゼックス(Ultzex)”1
020L(MI 2.0、エチレン含量84.9重量
%、4−メチルペンテン−1 15.1重量%)を、口
径65mm、L/D25の押出機を用いて185℃で混練
し、一方、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(酢酸ビ
ニル含有量15重量%、190℃でのMI 2.0g/
10分)98.5重量%、モノグリセリンオレエート
(理研ビタミン社製、リケマールOL100)1.5重
量%よりなる樹脂組成物を、口径50mm、L/D25の
押出機を用いて160℃で混練し、この両者を一台の環
状三層ダイに供給して、線状低密度ポリエチレン(厚み
3μm)の中間層の両面に、エチレン・酢酸ビニル共重
合体樹脂を主成分とする各厚み4μmの表面層が積層さ
れるようにして、ダイ温度185℃、ブロー比12.
0、引取速度50m/分でインフレーション成形するこ
とにより、全厚み11μm(4μm/3μm/4μm)
のストレッチ包装用樹脂フィルムを製造した。
【0053】このフィルムを使用し、押出発泡ポリスチ
レンシート製のトレイ(縦210mm、横140mm、深さ
20mm、肉厚2mm)上に肉、魚、野菜をそれぞれ載せて
ストレッチ自動包装機、フジパックシステム社製A−1
8X(商品名)にて包装を行なった。その結果を変形
(歪)回復量、50%伸び応力比(50%伸びに要する
縦方向の応力と横方向の応力の比)等のフィルム物性と
共に表3に示す。
【0054】なお、フィルムの評価は次の方法による。 変形歪回復量:図5に示す装置を使用して、直径20mm
φのピストン棒を500mm/分の速度でフィルム中心部
に押し込んだ後、ピストン棒を後退させてフィルムに発
生するピストン棒による傷跡が3分後に消える歪量を変
形歪回復量とした。
【0055】フィルム破断の有無:ストレッチ包装の際
のフィルム破断がなかったものを良好(○)、破断した
ものを不良(×)とした。 トレイの変形:ストレッチ包装後のトレイを観察し、ト
レイに破損や変形が見受けられなかったものを良好
(○)、トレイに変形があったものを不良(×)とし
た。
【0056】しわの発生:ストレッチ包装した物のフィ
ルムのシワの有無を肉眼で観察した。 ○ しわの発生なし。 △ しわが若干発生する。 × しわが多い。
【0057】実施例2〜3、比較例1 実施例1において、ブロー比を8倍(実施例2)、10
倍(実施例3)および5倍(比較例1)と変更し、か
つ、全厚み11μmのフィルムが得られるように樹脂の
押出量を変更する他は同様にしてインフレーションフィ
ルムを得た。
【0058】実施例4〜5 実施例1において、冷却装置として図3に示す次の規格
の冷却装置13′を用い、かつ、バブル内に供給する空
気の量をブロー比が16倍となるようにする他は実施例
1と同様にしてインフレーション成形を行ない、表3に
示す物性のフィルムを得た。 成形ダイCの直径 100mmφ リップ幅 1.0mm 空冷リングの吹出口 上流側(24a)−吐出量 0.016m3 /分、速
度1m/秒 中流側(24b)−吐出量 3.1m3 /分、速度2
5m/秒 中流側(24c)−吐出量 13.4m3 /分、速度
31m/秒 下流側(25)−吐出量 50.2m3 /分、速度
42m/秒 整流筒(上端のテーパー60度)
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】参考例1〜4 4社の市販のオレフィン系樹脂ストレッチ包装用フィル
ムを入手し、これの物性、包装適性を実施例1と同様に
して評価した。結果を表4に示す。
【0062】比較例2 第1層及び第5層用樹脂として、エチレン・酢酸ビニル
共重合体(酢酸ビニル含量15重量%、MI 1g/1
0分)98重量%とモノグリセリンオレエート2.0重
量%からなる樹脂組成物、第2層及び第4層用樹脂とし
て、上記エチレン・酢酸ビニル共重合体65重量%と、
エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合
エラストマー(プロピレン含量15モル%、エチリデン
ノルボルネン2.8モル%、MI 0.45g/10
分、密度0.88g/cm3 )20重量%と、ポリプロピ
レン(C2 含量4重量%、MFR 7g/10分、密度
0.90g/cm3 )10重量%と、ポリブテン−1(C
2 含量4モル%、MFR 1.0g/cm3 、密度0.9
05g/cm3 )5重量%からなる樹脂組成を、第3層用
樹脂として、第2層で用いたのと同じポリプロピレン8
0重量%と、第2層で用いたのと同じポリブテン−1
20重量%からなる樹脂組成物を、それぞれ3台の押出
機〔上記順に50mmφ(L/D25)、65mmφ(L/
D25)、50mmφ(L/D25)〕を用いて第1層と
第5層は160℃で、第2層と第4層は200℃で、第
3層は200℃でそれぞれ溶融混合し、3種5層の環状
ダイに供給し、ダイ先端から6cmのところで水の均一に
出る水冷リングで急冷して径100mmφで、全厚み80
μm(第1層と第5層10μm、第2層と第4層20μ
m、第3層30μm)の原反を得た。
【0063】この原反を2対の送りニップロールと引取
ニップロールの間に通してこの間で熱風により40℃に
加熱し、そのまま内部に空気を入れ、連続的に膨張させ
て、縦 約3.5倍、横 約3.0倍に延伸して、延伸
終了部を約20℃の冷風の吹き出るエアーリングにて冷
却した後、ニップロールで引き取って、40℃の熱風で
数秒間ヒートセットして耳部を縦方向にスリットして2
枚のフィルムに分け最終厚み10μmのフィルムを得
た。このフィルムの物性を表4に示す。
【0064】比較例3 エチレン・ブテン−1共重合体樹脂(C4 含量11.0
重量%、MI 0.85g/10分)を、口径65mm、
L/D25の押出機を用いて220℃で混練した。一
方、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(酢酸ビニル含
量17重量%、MI 3.5g/10分)98重量%、
モノグリセリンオレエート2.0重量%から成る樹脂組
成物を、口径50mm、L/D25の押出機を用いて17
0℃で混練し、一台のT型3層ダイに供給して、エチレ
ン・ブテン−1共重合体樹脂8μmの中間層の両表面
に、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分とする
各厚み4μmの表面層が積層されるようにして、ダイ温
度220℃、引取速度60m/分で全厚み16μmのフ
ィルムを得た。このフィルムの物性を表4に示す。
【0065】
【表4】
【0066】実施例6〜9、比較例4〜5 実施例1〜3または実施例4〜5あるいは比較例1にお
いて、積層樹脂フィルムとして、ポリブテン−1(密度
0.915g/cm3 、190℃でのMFR1.8g/1
0分、シエルケミカル社製「M0200」、商品名)7
0重量%、プロピレン・エチレン・ブテン−1ランダム
共重合体樹脂(エチレン含有量2.0重量%、ブテン−
1含有量13.0重量%、密度0.896g/cm3 、2
30℃でのMFR5.0g/10分)15重量%、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体樹脂(酢酸ビニル含有量15
重量%および190℃でのMFR2.0g/10分)1
5重量%よりなる樹脂組成物を、口径65mm、L/D2
5の押出機を用いて185℃で混練し、一方エチレン・
酢酸ビニル共重合体樹脂(酢酸ビニル含有量15重量
%、190℃でのMI 2.0g/10分)98.5重
量%、モノグリセリンオレエート(理研ビタミン社製、
リケマールOL100)1.5重量%よりなる樹脂組成
物を、口径50mm、L/D25の押出機を用いて160
℃で混練し、この両者を一台の環状三層ダイに供給し
て、ポリブテン−1を含有する樹脂成分を主成分とする
厚み3μmの中間層の両面に、エチレン・酢酸ビニル共
重合体樹脂を主成分とする各厚み4μmの表面層が積層
されるようにして、ダイ温度185℃、ブロー比を表3
の値でインフレーション成形することにより、全厚み1
1μm(4μm/3μm/4μm)のストレッチ包装用
樹脂フィルムを製造した。得られたフィルムの物性を表
5に示す。
【0067】
【表5】
【0068】実施例10〜14、比較例6 実施例1〜3または実施例4〜5、比較例1において、
積層フィルムとして、ポリブテン−1(密度0.915
g/cm3 、190℃でのMFR1.8g/10分、シエ
ルケミカル社製「M0200」、商品名)55重量%、
プロピレン・エチレン・ブテン−1ランダム共重合体樹
脂(エチレン含有量2.0重量%、ブテン−1含有量1
3.0重量%、密度0.896g/cm3 、230℃での
MFR5.0g/10分)15重量%、エチレン・ブテ
ン−1共重合エラストマー(ブテン−1含有量20重量
%および190℃でのMFR4.0g/10分、密度
0.88g/cm3 )30重量%よりなる樹脂組成物を、
口径65mm、L/D25の押出機を用いて185℃で混
練し、一方、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(酢酸
ビニル含有量15重量%、190℃でのMFR2.0g
/10分)98.5重量%、モノグリセリンオレエート
(理研ビタミン社製、リケマールOL100)1.5重
量%よりなる樹脂組成物を、口径50mm、L/D25の
押出機を用いて160℃で混練し、この両者を一台の環
状三層ダイに供給して、ポリブテン−1を含有する樹脂
成分を主成分とする厚み3μmの中間層の両面に、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分とする各厚み4
μmの表面層が積層されるようにして、ダイ温度185
℃、ブロー比を表6のように変化させてインフレーショ
ン成形することにより、全厚み11μm(4μm/3μ
m/4μm)の、表6に示す物性のストレッチ包装用フ
ィルムを製造した。
【0069】
【表6】
【0070】
【効果】8〜20の高ブロー比のインフレーションフィ
ルム成形法により得られたオレフィン系樹脂フィルムで
複屈折ΔnA が0.6×10-3〜8×10-3であり、1
40℃における熱収縮比が0.65〜1.50のフィル
ムは変形歪回復性に優れ、ストレッチ包装用フィルムに
適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の冷却装置の断面図である。
【図2】図2は本発明の冷却装置の側面図である。
【図3】図3は本発明の別の実施態様を示す冷却装置の
断面図である。
【図4】図4はインフレーションフィルム成形機の平面
図である。
【図5】図5はフィルムの変形回復歪量の測定装置の平
面図である。
【符号の説明】
1 インフレーション成形機 2 供給ホッパー 3 ロードセル 4 計量ホッパー 5 押出機 6 モーター 7 スクリュー 8 連結管 9 ブローヘッド C 成形ダイ D 樹脂吐出口 10 電磁バブル 11 バブル管 12 ポンプ 13 風冷リング 13′ 冷却装置 14 ブロア 15 案内板 b バブル 16 引取モーター 17 引取ロール 18 フィルム幅測定装置 19 センサー 20,21 ガイドロール 22 巻取機 23 保持杆 d 紙管 24 上流吹出口 25 下流吹出口 26 風冷リング 27 整流筒 28 エアチヤンバー 28′ エアチヤンバー 29 外気取入口 30 外気吸排口 31 第1部室 32 第2部室 33 第3部室 34,34′ 通路 35 パイプ 36 ホース 37 ピストン棒 c フィルム(試料) 38 ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 則之 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 佐野 博成 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 山本 孝二 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(1)〜(4)の条件を満たす包装
    用樹脂フィルム (1)フィルムの肉厚は6〜100ミクロンである。 (2)次式で定義される複屈折ΔnA が0.6×10-3
    〜8×10-3である。 ΔnA =|nMD−nTD| (但し、nMDはフィルムの押出方向の屈折率を、nTD
    フィルムの幅方向の屈折率を示す。) (3)フィルムを140℃のシリコンオイル浴中に3分
    放置したときのフィルムの押出方向の熱収縮率SMDとフ
    ィルムの幅方向の熱収縮率STDの比(SMD/STD)が
    0.65〜1.50である。 (4)直径100mmの円形試料フィルムを展張固定し、
    その中心に直径20mmの半球を押し込んでフィルムを変
    形させた後、半球を取り除いた時の100%回復可能な
    最大歪量が18mm以上である。
  2. 【請求項2】 包装用樹脂フィルムの押出方向および幅
    方向の引張弾性率がいづれも600〜1400kg/cm2
    である請求項1の包装用樹脂フィルム。
JP4167646A 1991-11-27 1992-06-25 包装用樹脂フィルム Pending JPH068320A (ja)

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