JP2016182812A - 共押出多層フィルムおよび液体飲料包装体 - Google Patents

共押出多層フィルムおよび液体飲料包装体 Download PDF

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俊和 徳光
Toshikazu Tokumitsu
俊和 徳光
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Abstract

【課題】 ミネラルウォーターやジュース等の清涼飲料水や液体調味料などの液体を輸送保管する業務用大袋やドリンクサーバー機用袋に適する、無臭であり、かつ製袋、梱包、輸送時に袋同士がこすれ合っても傷のつかないフィルムを提供する。【解決手段】 ポリエチレン樹脂からなる最外層、ポリアミド樹脂からなる中間層、ポリエチレン系樹脂からなる最内層を有し、総厚が60〜250μmである共押出多層フィルムにおいて、最外層と最内層が共に有機系滑剤を含有せず、最外層のポリエチレン樹脂が密度935kg/m3以上950kg/m3以下、重量平均分子量5万以上、分子量分散度(Mw/Mn)3.0以上6.0以下であり、最内層のポリエチレン樹脂が密度900kg/m3以上930kg/m3以下であり、最外層表面から測定したユニバーサル硬さが25MPa以上であることを特徴とするフィルム、およびそれを用いた液体飲料包装体。【選択図】 なし

Description

本発明は、主にミネラルウォーター、ジュース等の液体飲料のフィルム包装袋において、梱包、輸送、保管時などに包装袋同士が擦れ合う際に、包装袋表面が傷つきにくい共押出多層フィルムに関する。
従来、液体調味料、飲料、液体洗剤など液体の包装にはガラス瓶やプラスチックボトル等の容器が広く用いられているが、使用後の瓶やボトルがごみとして嵩張るという問題があり、その改善策として使用後に丸めたり畳めたりできる軟質の包装袋が用いられて来ている。
特に、ミネラルウォーター、ジュース等のウォーターサーバーや業務用大袋の包材には、外層にポリエチレン樹脂、中間層にポリアミド樹脂、ヒートシール層にポリエチレン樹脂からなる多層フィルムが市販され用いられている。
このような市販多層フィルムは、液体充填に用いる縦ピロー包装機におけるロールとの滑り性を良くするために、外層ポリエチレン層に脂肪酸アミド系等の滑剤が添加されており、このような有機系滑材は、フィルム外層表面にブリードアウトし、包装機内のロールを汚染してしまう問題や臭いを有する課題がある。
また、特許文献1の清涼飲料水包装袋では、生産や輸送時の耐ピンホール性向上のためにポリエステル系樹脂からなる最外層に有機系微粒子または無機系微粒子のアンチブロッキング剤を含有する技術が開示されている。
しかしながら、そのようなフィルムは、包装機における滑り性を満たすことは出来るものの、液体を充填した包装袋(パウチ)を段ボール箱内に段積みで梱包し輸送する際には、パウチ同士が圧着して擦れ合い、パウチ表面に傷が入ってしまう問題がある。
特開2000−072150
本発明は、ミネラルウォーターやジュース等の清涼飲料水や液体調味料などの液体を輸送保管する業務用大袋やドリンクサーバー機用袋に適する、無臭であり、かつ製袋、梱包、輸送時に袋同士がこすれ合っても傷のつかない共押出多層フィルム(以下、「本発明のフィルム」ともいう。)を提供することを課題とする。
本発明者は、液体内容物による包装体の圧迫や揺れが強く、フィルム樹脂が軟質でフィルム同士の摩擦係数が大きく、アンチブロッキング剤による表面微小突起が軟質樹脂フィルム表面を擦る状況について解析を行い、特定の構成を有するフィルムによって上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエチレン樹脂からなる最外層、ポリアミド樹脂からなる中間層、ポリエチレン系樹脂からなる最内層を有し、総厚が60〜250μmである共押出多層フィルムであって、最外層と最内層が共に有機系滑剤を含有せず、最外層のポリエチレン樹脂が密度935kg/m以上950kg/m以下、重量平均分子量5万以上、分子量分散度(Mw/Mn)3.0以上6.0以下であり、最内層のポリエチレン樹脂が密度900kg/m以上930kg/m以下であり、最外層表面から測定したユニバーサル硬さが25MPa以上であることを特徴とする共押出多層フィルムに存する。
本発明のフィルムは、耐擦傷性が高く、無色透明で良好な外観を維持できることから、内容物液体の検品を支障なく行うことが出来、且つ無臭であることから、各種液体飲料用包装材に好適に使用できる。
本発明のフィルムは、ポリエチレン樹脂からなる最外層、ポリアミド樹脂からなる中間層、ポリエチレン系樹脂からなる最内層を有し、最外層は包装体を作製した場合に包装体の外気に接する側となり、最内層は収容物に接する側となる。
<最外層>
本発明のフィルムの最外層は、密度935kg/m以上950kg/m以下、重量平均分子量5万以上、分子量分散度(Mw/Mn)3.0以上6.0以下のポリエチレン樹脂によって構成される。
最外層に用いるポリエチレン樹脂としては、エチレンホモポリマー、またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体のエチレン−α−オレフィンコポリマーを用いることができる。また、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、1種あるいは2種以上を組み合わせることができる。中でも、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。
ポリエチレン樹脂の密度の下限は940kg/m以上がより好ましく、上限は945kg/m以下がより好ましい。
ポリエチレン樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限は、6万以上がより好ましく、7万以上が更に好ましい。上限は特に制限はないが、一般に50万以下であり、25万以下が好ましい。
分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量、Mw/Mn)の下限は、3.5以上がより好ましく、4.0以上が更に好ましい。上限は5.5以下がより好ましい。代表的なシングルサイト触媒であるメタロセン触媒で製造される場合の分子量分散度は、一般的に2〜3であり、チーグラー・ナッタ系触媒で製造される場合の分子量分散度は一般的に6以上であるので、本発明のフィルムに用いるポリエチレンの好ましい分子量分散度は、その両者間に位置する。
Mw/Mnが3.0以上であることにより、ポリエチレン密度が高くなり剛性が得られ、Mw/Mnが6.0以下で小さいほど、耐衝撃性が良好となるので、製袋、梱包、輸送時などに液体内容物による包装体の圧迫や揺れが強く起こって袋同士が擦れ合っても、袋表面に傷が生じ難くなる。
このようなポリエチレン樹脂は、シングルサイト触媒とスラリー重合法により製造することができる。そうしたポリエチレン樹脂は、製造工程におけるワックス成分や低密度低分子量成分や触媒残渣の除去率が高いため、熱安定性が高く、揮発性有機物質(VOC)が少なく低臭気性であり、剛性や耐衝撃強度が高いものとなる。特に、ミネラルウォーター用包装体においては、僅かな臭気でも、内容物に移ったり、使用者の不信感、嫌悪感を招いたりするので、低臭気性材料を選択して用いる重要性は高い。
最外層には、滑り性を向上させるために、公知の各種アンチブロッキング剤を添加してもよい。中でも、合成ゼオライトまたは天然シリカの添加が、本発明のフィルム耐擦傷性と耐ブロッキング性とのバランスの点で好ましい。
それらの最外層における添加濃度は、10000ppm以上30000ppm以下が好ましい。
また、天然シリカ、合成ゼオライトの粒子径は、2μm以上であることが好ましい。2μm未満では、耐ブロッキング効果を発現することが難しい。
一般的に、包装フィルムには脂肪酸アミド等が多用されるが、臭気性やブリードアウトによるフィルム加工機のロール汚染の点から、本発明のフィルムの最外層には有機化合物滑材を添加しない。
最外層の厚みは、製膜性の観点から、フィルム総厚に対して2%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。また、厚過ぎるとフィルム全体が硬くなりパウチの耐屈曲疲労性が劣るため、上限は50%以下が好ましく、30%以下がより好ましい。
<ポリアミド樹脂>
本発明のフィルムの中間層には、フィルムに強度、特に耐ピンホール性を付与する目的で、ポリアミド樹脂層を少なくとも1層配する。
ポリアミド樹脂の種類は、特に限定されないが、具体的に例示すると、例えば、4ナイロン、6ナイロン、7ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、46ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、610ナイロン、611ナイロン、6Tナイロン、6Iナイロン、MXD6ナイロン、6−66ナイロン、6−610ナイロン、6−611ナイロン、6−12ナイロン、6−612ナイロン、6−6Tナイロン、6−6Iナイロン、6−66−610ナイロン、6−66−12ナイロン、6−66−612ナイロン、66−6Tナイロン、66−6Iナイロン、6T−6Iナイロン、66−6T−6Iナイロン等が挙げられる。これらの中でも、耐ピンホール性の観点から、6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
ポリアミド樹脂層を2層以上設ける場合は、各層が異なる種類のポリアミド樹脂で構成されてもよい。
ポリアミド樹脂層の合計厚みは特に限定はされないが、フィルム総厚に対する比率の下限は10%以上が好ましく、15%以上がより好ましい。また、上限は50%以下が好ましく、45%以下がより好ましい。
下限を10%以上とすることにより、フィルムに十分な耐ピンホール性を付与することができ、また上限を50%以下とすることにより、製造コストを抑制することができる。
<エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層>
本発明のフィルムは、酸素バリア性を向上させる目的で、中間層にエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(EVOH)層を備えてもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層中のエチレン含有モル率は、特に限定されるものではないが、フィルム製膜安定性の観点から、下限は27モル%以上が好ましく、29モル%以上がより好ましく、32モル%以上がさらに好ましい。一方、上限は47モル%以下が好ましく、44モル%以下がより好ましく、38モル%以下がさらに好ましい。
また、EVOHのケン化度は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
EVOH層厚のフィルム総厚に対する比率の下限は、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、7%以上がさらに好ましい。また、上限は20%以下が好ましく、18%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。
下限を3%以上とすることにより、フィルムに十分な酸素バリア性を付与することができ、また、上限を20%以下とすることにより、フィルムの耐ピンホール性の低下や製造コストを抑制することができる。
<最内層の隣接層>
本発明のフィルムの最内層の隣接層は、ポリエチレン樹脂で構成される。
ポリエチレン樹脂としては、種類は特に限定されないが、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)であることが好ましい。LLDPEは、引張強度、伸び、耐ピンホール強度、剛性等の物性強度が強いという特徴がある。
また、中でも、より臭気の少ない利点から、メタロセン系触媒を使用して製造した分子量分散度が3以下のLLDPEが好ましい。
最内層の隣接層のポリエチレン樹脂の密度は、925kg/m以下がより好ましく、920kg/m以下が更に好ましい。下限は900kg/m以上が好ましく、910kg/mがより好ましい。密度が925kg/m以上の場合、結晶化度が高いためフィルムが硬くなり屈曲疲労によるピンホールの発生原因となる恐れが有る。
最内層の隣接層厚のフィルム総厚に対する比率の下限は、20%以上が好ましく、25%以上がより好ましい。また、上限は70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下であることがより好ましい。
下限を20%以上とすることにより、フィルムに適度な柔軟性をもたせることができ、上限を70%以下とすることにより、製膜適性が向上する。
最内層の隣接層への脂肪酸アミド等の有機系滑材の添加は、最内層を通ってフィルム表面へ移行する懸念があるため控えた方が良い。
<最内層>
本発明のフィルムの最内層は、密度900kg/m以上930kg/m以下のポリエチレン樹脂からなり、ヒートシール性を有する。
最内層のポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー樹脂等が挙げられるが、樹脂の臭気の少なさを考慮するとLDPEやLLDPEが好ましく、さらに、シール強度、シール部の耐熱性を考慮するとLLDPEが好ましい。
最内層のポリエチレン樹脂の密度の下限は、910kg/m以上がより好ましく、上限は、925kg/m以下がより好ましい。
密度900kg/m以上では、フィルム表面の滑り性が良好であり、且つ、内容物充填時にフィルムが伸び過ぎることなく内容物の計量が行い易い。
密度930kg/m以下では、適度な結晶化度により、フィルムの柔軟となり屈曲疲労によるピンホールが発生し難い。
最内層に滑り性を付与するため、アンチブロッキング剤として合成ゼオライトあるいは天然シリカを添加することが好ましく、最内層における濃度は10,000ppm以上30,000ppm以下が好ましい。それらの粒子径は、2μm以上10μm以下が好ましい。
また、包装フィルムには、スリップ剤として脂肪酸アミド等の添加が一般医に多用されるが、フィルム加工機のロール汚染の点と、有機物添加剤であるが故の臭気、および内容物の液体へ移行が起きる点などから、本発明のフィルムの最内層には有機化合物滑材を添加しない。
最内層厚のフィルム総厚に対する比率の下限は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上であることがより好ましい。上限は、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。
<接着樹脂層>
本発明のフィルムは、各層の層間剥離強度を高める目的で、接着樹脂層を設けることができる。接着層は1層であってもよいし、複数であってもよい。
接着樹脂層がポリエチレン樹脂を含む層に隣接する場合は、ポリエチレン系接着樹脂を用いると好適である。
接着樹脂層に使用可能なポリエチレン系接着性樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMMA)、エチレン系アイオノマー(IO)等のエチレン共重合体系樹脂が例示できる。
また、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはエチレン系エラストマーに、アクリル酸若しくはメタアクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、またはマレイン酸、フマール酸若しくはイタコン酸等の二塩基性脂肪酸の無水物を化学的に結合させた変性ポリオレフィン系樹脂を例示でき、層間密着性が高く好ましい。
接着樹脂層の厚みは、作業性、経済性、取扱い性の観点から、下限は3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また上限は特に制限はないが、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。
下限が3μm以上であれば、層間剥離強度を向上させることができる。また接着層が厚過ぎると、透明性の悪化やフィルムの総厚みが厚くなってしまう他、製造コストもかさむため上限は30μm以下であることが望ましい。
<フィルム全体>
本発明のフィルムの総厚は、60〜250μmであり、包装袋に収容する液体の重量やその衝撃性とコストとの案配を鑑みて、総厚を加減選定して好適に使用できる。
フィルム総厚の下限は、80μm以上が好ましく、100μm以上が好ましく、上限は、240μm以下がより好ましい。フィルム総厚が60μm以上によって、フィルムの耐衝撃性が良好となる。また、250μm以下により、必要十分なフィルム特性を得ると共に包材コストを抑制できる。
本発明のフィルムの外層表面側から測定したユニバーサル硬さは、25MPa以上であり、より好ましくは26MPa以上である。25MPa以上により、フィルム外層表面の高い耐擦傷性が得られる。ユニバーサル硬さの上限は、特に制限はないが、一般に100MPa以下であり、50MPa以下が好ましい。
測定は、ISO14577に準拠して行うことができる。
<フィルム製膜方法>
本発明のフィルムは、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、押出ラミネーション法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法等を用いることができ、特に、フィルムの層数が多い場合でも製膜工程は変わらない点や厚み制御が比較的容易である点で共押出Tダイ法を用いることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(多層フィルムの作製)
下記に記載の原材料を用い、共押出Tダイ法により、各例に記した層構成で無延伸多層フィルムを作製した。
原料樹脂及び組成物の物性は、次の方法で測定した。
(密度)
JIS K 7112に準拠して測定した。
(メルトフローレート)
JIS K 7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定した。
(重量平均分子量、分子量分散度(Mw/Mn))
ゲルパーミエーションクロマトグラフ分析装置を用い、カラムにShodex製AT−807Sと東ソー製TSK−gelGMH−H6を直列にして用い、溶媒にイルガノックス10ppm添加のトリクロロベンゼンを用い、単分散ポリスチレンによる検量線を作成し、140℃で分析した。
(原材料)
PE1: 高密度ポリエチレン(メタロセン触媒、スラリー重合法、密度941kg/m、重量平均分子量7.7万、分子量分散度5.0)
PE2: 直鎖状低密度ポリエチレン(チーグラー・ナッタ触媒、溶液重合法、密度931kg/m、重量平均分子量4.5万、分子量分散度2〜3)
PE3: 直鎖状低密度ポリエチレン(チーグラー・ナッタ触媒、溶液重合法、密度0.918kg/m
PE4: 直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン触媒、高圧重合法、密度0.901kg/m
PE5: 高密度ポリエチレン(チーグラー・ナッタ触媒、スラリー重合法、密度951kg/m、重量平均分子量4.7万、分子量分散度6以上)
PP1: ポリプロピレンランダムコポリマー、(蜜度0.900kg/m
接着樹脂1: 酸変性ポリエチレン樹脂
Ny1: 6ナイロン
Ny2: 6/66共重合ナイロン
EVOH: エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(エチレン含有率32mol%)
添加1: 合成ゼオライト、層中濃度2万ppmで配合した。
添加2: オレイン酸アミド、層中濃度2万ppmで配合した。
(実施例1)
以下、層構成を各層組成(層厚)の表記で、外層側からの順で記す。「/」は層界面を意味し、「+」は層中の配合を意味する。
PE1+添加1(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(28μm)/接着樹脂1(10μm)/PE4(52μm)/PE3+添加1(10μm)
(実施例2)
実施例1において、3層目のNy1をNy2に変更した。
PE1+添加1(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny2(28μm)/接着樹脂1(10μm)/PE4(52μm)/PE3+添加1(10μm)
(実施例3)
実施例1において、EVOH層を追加配設した。
PE1+添加1(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(28μm)/EVOH(8μm)/接着樹脂1(10μm)/PE4(44μm)/PE3+添加1(10μm)
(比較例1)
実施例1において、1層目(外層)の樹脂をPE2に変更した。
PE2+添加1(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(28μm)/接着樹脂1(10μm)/PE4(52μm)/PE3+添加1(10μm)
(比較例2)
実施例1において、1層目(外層)を添加剤配合なしのPP1に変更した。
PP1(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(28μm)/接着樹脂1(10μm)/PE4(52μm)/PE3+添加1(10μm)
(比較例3)
実施例1において、1層目(外層)の樹脂をPE2、添加剤を添加2に変更した。
PE2+添加2(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(28μm)/接着樹脂1(10μm)/PE4(52μm)/PE3+添加1(10μm)
(比較例4)
実施例1において、1層目(外層)の樹脂をPE5に変更した。
PE5+添加1(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(28μm)/接着樹脂1(10μm)/PE2(52μm)/PE3+添加1(10μm)
(参考例1)
実施例1において、5層目(最内層の隣接層)をPE2に変更した。
PE1+添加1(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(28μm)/接着樹脂1(10μm)/PE2(52μm)/PE3+添加1(10μm)
<評価方法>
各例で得られたフィルムについて、下記の評価を行い、結果を表1に記す。
<耐屈曲疲労性(ピンホール数)評価>
各例で得られたフィルム(長さ180mm、幅280mm)の幅方向を直径90mmのヘッドに巻き付け、ゲルボフレックス測定を実施した。
23℃、湿度50%の環境下において、フィルムを440度回転しながらフィルム長さ180mmを距離89mm潰し、更に、440度回転したままの状態で距離63.5mm潰す。この試験を500回繰り返した後、0.05m(180mm×280mm)中のピンホールの数を計測した。
<フィルム傷つき性評価>
各例で得られたフィルムを用いて、大栄科学精器製作所製染色物摩擦堅牢度試験機を用い、ステンレス製試験台にフィルム(幅3cm、長さ15cm)外層を摩擦子側へ向けて固定し、また、摩擦子にもフィルム外層を試験台側へ向けて取り付け、試験台上のフィルムと摩擦子のフィルムとの外層同士を、摩擦子面積2cm角、荷重2.5N、移動距離60mm、30往復/分、往復回数100回、室温下の条件で擦り合わせ、摩擦堅牢度試験を行った。
試験台側に取り付けたフィルムの摩擦箇所(幅2cm、長さ6cm)について、傷または圧着痕の数を計測した。
<耐衝撃性評価>
各例で得られたフィルムを用いて、落袋テストを実施した。
フィルム35cm×35cmを2枚用い、最内層同士を合わせた四方ヒートシール縦ピローで、水7リットルを充填した袋を作製した。袋の四辺を水平にして1.0mの高さからコンクリートの床に落下させた。
落下を5回行い、ピンホールが発生しなかった場合を「○」、ピンホールが発生した場合を「×」と評価した。
<包装機汚染評価>
各例で得られたフィルムを用いて、縦ピロー包装機で製袋した。
幅750mmのフィルム長さ500m程度を包装機で走行させ、ロールに異物が付着するかどうかを観察した。
異物付着がない場合を「〇」、異物が付着した場合を「×」と評価した。
<フィルム硬度評価>
各例で得られたフィルムについて、島津製作所製ダイナミック超微小硬度計DUH−W201を用い、稜間角115°の三角錐状圧子をフィルムの外層表面に当てて圧子押し込み試験を行い、ステップ的に荷重を加えながら、フィルム外層面から深さ1.5μmまで押し込んだ際の荷重を計測し、フィルムのユニバーサル硬さを求めた。
Figure 2016182812
<評価結果>
<耐屈曲疲労性(ピンホール数)評価>
実施例1〜実施例3、比較例1、比較例3は、結果良好であった。
比較例2は、外層樹脂にポリプロピレンを用いたのでフィルム表面が硬質になり、ピンホールが発生した。
比較例4は、外層にチーグラー・ナッタ触媒で製造した高密度ポリエチレン樹脂を用いたため、フィルム強度が低下し、ピンホールが発生した。
参考例1は、最内層の隣接層に密度の高い直鎖状低密度ポリエチレンを用いたため、フィルムが若干硬くなりピンホールが発生した。
<フィルム傷つき評価>、<フィルム硬度評価>
実施例1〜実施例3、比較例2〜比較例4、参考例1は、フィルム傷つき評価の傷または圧着痕の数が15箇所以下であった。
比較例1は、外層ポリエチレン樹脂を、密度が低い樹脂に変更したため、硬度が20.3MPaと低く、傷・圧着痕が多く入った。
比較例3は、硬度は19.8MPaと低いものの、滑材として脂肪酸アミドを添加していたため、傷・圧着痕が入りにくかった。
<耐衝撃強度評価>
実施例1〜実施例3、比較例1、比較例3、参考例1は、結果良好であった。
比較例2は、外層樹脂をポリプロピレンにしたことで、耐衝撃性が低下した。
比較例4は、外層LLDPE樹脂をチーグラー・ナッタ触媒で製造したHDPEとしたことで強度が低下し、ピンホールが発生した。
<包装機汚染評価>
比較例3以外で結果良好であった。
比較例3は、外層ポリエチレン樹脂層に添加した脂肪酸アミドを添加がフィルム表面にブリードアウトし、包装機のロールに付着した。
以上より、実施例1〜3は、フィルム外層に傷が付きにくく、フィルム強度、耐屈曲疲労が良好な柔軟性を兼ね備えていることが分かる。
本発明の共押出多層フィルムによれば、傷が付きにくく、耐ピンホール性、柔軟性にも優れたミネラルウォーター、ジュース等液体飲料の包装袋に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. ポリエチレン樹脂からなる最外層、ポリアミド樹脂からなる中間層、ポリエチレン樹脂からなる最内層を有し、総厚が60〜250μmである共押出多層フィルムであって、最外層と最内層が共に有機系滑剤を含有せず、最外層のポリエチレン樹脂が密度935kg/m以上950kg/m以下、重量平均分子量5万以上、分子量分散度(Mw/Mn)3.0以上6.0以下であり、最内層のポリエチレン樹脂が密度900kg/m以上930kg/m以下であり、最外層表面から測定したユニバーサル硬さが25MPa以上であることを特徴とする共押出多層フィルム。
  2. 前記最内層が、密度0.925kg/m以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂で構成される隣接層を有する、請求項1に記載の共押出多層フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の共押出多層フィルムを用い成形した液体飲料包装体。
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