JP2017145026A - チューブ状共押出フィルムおよび飲料用包装体 - Google Patents

チューブ状共押出フィルムおよび飲料用包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 液体飲料を充填するまではチューブ状フィルムの内層同士が密着しており、液体飲料の充填においては、液体流入の力によりフィルム内層同士の間が開いてその内側に液体が収容されるフィルムを提供する。【解決手段】 外層にポリエチレン樹脂層、中間層にポリアミド樹脂層及び/又はエチレン−酢酸ビニル化物層、内層にポリエチレン系樹脂層の順に配する飲料包装用フィルムであって、外層と内層に配合する添加剤は無機系のみであり、且つ内層に配合する添加剤は非球形状粒子であり、チューブ内層同士の剥離強度が0.01N/15mm幅以上0.30N/15mm幅以下であることを特徴とするチューブ状共押出フィルム、およびそれを用いた飲料用包装体。【選択図】 図2

Description

本発明は、主にミネラルウォーター、ジュース等の液体飲料のフィルム包装袋に用いることが可能なチューブ形状の共押出多層フィルムに関する。
チューブ状のフィルムとは、チューブラー法またはインフレーション法と呼称される樹脂溶融押出法にて筒状に成形されるフィルムを云う。
従来、液体調味料、飲料、液体洗剤など液体の包装にはガラス瓶やプラスチックボトル等の容器が広く用いられているが、使用後の瓶やボトルがごみとして嵩張るという問題があり、その改善策として使用後に丸めたり畳めたりできる軟質の包装袋が用いられて来ている。
特に、ミネラルウォーター、ジュース等のウォーターサーバーや業務用大袋の包材には、外層にポリエチレン樹脂、中間層にポリアミド樹脂、ヒートシール層にポリエチレン樹脂からなる多層フィルムが市販され、用いられている。
このような市販品や特許文献1のフィルムでは、チューブ状フィルムの内層同士の間に液体飲料を充填する工程において、既にチューブ状フィルムの内層同士が剥がれ、内層間には空間が生じており、フィルム内層表面が大気に触れている状態となり、衛生性が劣るという問題がある。
特開2014−131835
上述の背景技術から、本発明は、液体飲料を充填するまではチューブ状フィルムの内層同士が密着しており、液体飲料の充填においては、その液体流入の力によりフィルム内層同士の間が開いて、その内側に液体が収容されるフィルムを提供することを課題とする。
本発明者は、特定の構成を有するフィルムによって上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の要旨は、外層にポリエチレン樹脂層、中間層にポリアミド樹脂層及び/又はエチレン−酢酸ビニルけん化物層、内層にポリエチレン系樹脂層の順に配する飲料包装用フィルムであって、外層と内層に配合する添加剤は無機系のみであり、且つ内層に配合する添加剤は非球形状粒子であり、チューブ内層同士の剥離強度が0.01N/15mm幅以上0.30N/15mm幅以下であることを特徴とするチューブ状共押出フィルム、およびそれを用いた飲料用包装体に存する。
本発明のフィルムは、無味無臭、且つ、液体が流れ入るまでフィルム内層が大気に触れず衛生性を保つことが出来ることから、ミネラルウォーターやジュース等の清涼飲料水や液体調味料などの液体を輸送保管する業務用大袋や、ドリンクサーバー機に入れて用いる袋に好適に使用できる。
チューブ状フィルム100の断面図であり、内層表面同士が密着している状態の略図である。 図1の部分拡大図であり、共押出多層フィルム10の多層構成を示す略図である。
本発明のフィルムは、一般に、チューブラー法またはインフレーション法と呼称される樹脂溶融押出法により成形されるチューブ状のフィルムであり、また共押出法による多層構成のフィルムである。
本発明のフィルムの外層とは、チューブ状フィルムの外側の層であり、飲料用包装体においても外気に触れる側の層である。同様に、フィルムの内層とは、チューブ状フィルムの内側の層であり、包装体において液体飲料に接する側の層である。中間層とは、外層と内層の間に配する層である。
以下、各層について説明する。
<外層:ポリエチレン樹脂層>
本発明のフィルムの外層は、密度930kg/m以上950kg/m以下のポリエチレン樹脂によって構成される。
外層に用いるポリエチレン樹脂は、エチレンホモポリマー、またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体のエチレン−α−オレフィンコポリマーである。また、炭素原子数3〜20のα−オレフィンは1種あるいは2種以上を組み合わせることができる。中でも、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。
外層のポリエチレン樹脂の密度の下限値は930kg/m以上が好ましく、935kg/m以上がより好ましく、940kg/mより大が更に好ましい。上限値は、950kg/m以下が好ましく、945kg/m以下がより好ましい。
ポリエチレン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万以上、より好ましくは6万以上、更に好ましくは7万以上である。上限は特に制限はないが、一般に50万以下であり、25万以下が好ましい。
分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量、Mw/Mn)は、好ましくは3.0より大きく、より好ましくは3.5以上、更に好ましくは4.0以上であり、上限は好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下である。代表的なシングルサイト触媒であるメタロセン触媒で製造される場合の分子量分散度は一般的に2〜3であり、チーグラー・ナッタ系触媒で製造される場合の分子量分散度は一般的に6以上であるので、本発明のフィルムに用いるポリエチレンの好ましい分子量分散度は、その両者間に位置する。
Mw/Mnが3.0より大きいことにより、ポリエチレン密度が高くなり剛性が得られ、Mw/Mnが6.0以下で小さいほど、耐衝撃性が良好となるので、製袋、梱包、輸送時などに液体内容物による包装体の圧迫や揺れが強く起こって袋同士が擦れ合っても、袋表面に傷が生じない。
このようなポリエチレン樹脂は、シングルサイト触媒とスラリー重合法により製造することができる。そうしたポリエチレン樹脂は、製造工程におけるワックス成分や低密度低分子量成分や触媒残渣の除去率が高いため、熱安定性が高く、揮発性有機物質(VOC)が少なく低臭気性であり、剛性や耐衝撃強度が高いものとなる。特に、ミネラルウォーター用包装体においては、僅かな臭気でも、内容物に移って臭いが付いたり味が変化したりして、使用者の不信感、嫌悪感を招くので、低臭気性材料を選択して用いる重要性は高い。
外層には、より滑り性を発現させるために、公知の各種アンチブロッキング剤を添加してもよい。中でも、合成ゼオライトまたは天然シリカの添加が、本発明のフィルム耐擦傷性と耐ブロッキング性とのバランスの点で好ましい。
それらの最外層における添加濃度は、1.0%以上3.0%以下が好ましい。
また、天然シリカ、合成ゼオライトの粒子径は、2μm以上であることが好ましい。2μm未満では、耐ブロッキング効果を発現することが難しい。
一般的に、包装フィルムには脂肪酸アミド等が多用されるが、臭気性やブリードアウトによるフィルム加工機のロール汚染の点から、本発明のフィルムの外層には有機化合物滑材を添加しない。
外層の厚みは、フィルム製膜性の観点から、フィルム総厚に対して2%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。また、厚過ぎるとフィルム全体が硬くなり包装体の耐屈曲疲労性が劣るため、上限は50%以下が好ましく、30%以下がより好ましい。
<中間層:ポリアミド樹脂層>
本発明のフィルムの中間層には、フィルムに強度、特に耐ピンホール性を付与する目的で、ポリアミド樹脂層を少なくとも1層配する。
ポリアミド樹脂の種類は、特に限定されないが、具体的に例示すると、例えば、4ナイロン、6ナイロン、7ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、46ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、610ナイロン、611ナイロン、6Tナイロン、6Iナイロン、MXD6ナイロン、6−66ナイロン、6−610ナイロン、6−611ナイロン、6−12ナイロン、6−612ナイロン、6−6Tナイロン、6−6Iナイロン、6−66−610ナイロン、6−66−12ナイロン、6−66−612ナイロン、66−6Tナイロン、66−6Iナイロン、6T−6Iナイロン、66−6T−6Iナイロン等が挙げられる。これらの中でも、耐ピンホール性の観点から、6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
ポリアミド樹脂層を2層以上設ける場合は、各層が異なる種類のポリアミド樹脂で構成されてもよい。
ポリアミド樹脂層の合計厚みは特に限定はされないが、フィルム総厚に対する比率の下限は10%以上が好ましく、15%以上がより好ましい。また、上限は50%以下が好ましく、45%以下がより好ましい。
下限を10%以上とすることにより、フィルムに十分な耐ピンホール性を付与することができ、また上限を50%以下とすることにより、製造コストを抑制できる。
<中間層:エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層>
本発明のフィルムは、酸素ガスバリア性を向上させる目的で、中間層にエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(EVOH)層を備えることができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層中のエチレン含有モル率は、特に限定されないが、フィルム製膜安定性の観点から、下限は27モル%以上が好ましく、29モル%以上がより好ましく、32モル%以上がさらに好ましい。一方、上限は47モル%以下が好ましく、44モル%以下がより好ましく、38モル%以下がさらに好ましい。
また、ケン化度は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
EVOH層厚のフィルム総厚に対する比率の下限は、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、7%以上がさらに好ましい。また、上限は20%以下が好ましく、18%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。
下限を3%以上とすることにより、フィルムに十分な酸素バリア性を付与することができ、また、上限を20%以下とすることにより、フィルムの耐ピンホール性の低下や製造コストを抑制することができる。
<内層に隣接する層:ポリエチレン樹脂層>
本発明のフィルムは、内層の中間層側に隣接して、ポリエチレン樹脂層を配することができる。
そのポリエチレン樹脂としては、種類は特に限定されないが、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)であることが好ましい。LLDPEは、引張強度、伸び、耐ピンホール強度、剛性等の物性強度が強いという特徴がある。
また、中でも、より臭気の少ない利点から、メタロセン系触媒を使用して製造した分子量分散度が3以下のLLDPEが好ましい。
ポリエチレン樹脂の密度は、925kg/m以下が好ましく、920kg/m以下がより好ましい。下限は900kg/m以上が好ましく、910kg/mがより好ましい。密度が925kg/m以下であると適度は結晶化度によって、フィルムに柔軟性を付与しやすく、屈曲疲労によるピンホールを抑制しやすい。
当該層厚のフィルム総厚に対する比率の下限は、20%以上が好ましく、25%以上がより好ましい。また、上限は70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下であることがより好ましい。
下限を20%以上とすることにより、フィルムに適度な柔軟性をもたせることができ、上限を70%以下とすることにより、製膜適性が向上する。
また、当該層への脂肪酸アミド等の有機系滑材の添加は、内層を透過してフィルム表面へ移行する懸念があるため控える方が良い。
<内層:ポリエチレン系樹脂層>
本発明のフィルムの内層には、ヒートシール性を有するポリエチレン系樹脂層を配する。
内層のポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー樹脂等が挙げられるが、樹脂の臭気の少なさを考慮するとLDPEやLLDPEが好ましく、さらに、シール強度、シール部の耐熱性を考慮するとLLDPEが好ましい。
内層のポリエチレン系樹脂の密度の上限は、930kg/m以下が好ましく、925kg/m以下がより好ましい。下限は、900kg/m以上が好ましく、910kg/m以上がより好ましく、915kg/mより大が更に好ましい。
密度930kg/m以下により、適度な結晶化度となってフィルムに柔軟性が付与でき、チューブ状フィルムの内層同士が液体充填前までは密着した状態となりやすい。また、屈曲疲労によるフィルムのピンホール発生を抑制しやすい。
密度900kg/m以上により、内層表面に適度な滑り性を付与でき、チューブ状フィルムの内層同士が剥がれ液体流入する際に摩擦が生じにくい。また、液体充填時にフィルムが伸び過ぎないため収容液体量の計量が行いやすい。
本発明のフィルムの内層には、非球形状粒子を添加する。
非球形状粒子の添加により、液体充填までのフィルム内層同士の密着が軽い状態となり、また、液体充填の流入圧力によって内層同士の間が開きやすくなる。他方、球形状の場合はフィルム内層同士の密着が重めとなり、液体流入工程で内層同士が開きづらくなる。非球形状の場合、粒子の輪郭に角が存在することにより、上述の効果が得られるものと推察される。
非球形状粒子としては、不定形状のシリカ粒子などが挙げられ、内層における濃度は0.5%以上5%以下が好ましく、1.0%以上3.0%以下がより好ましく、1.5%以上2.5%以下が更に好ましい。添加濃度が小さいと内層同士が剥離しづらく、添加濃度が大きいと剥離しやすい傾向となる。添加濃度が多過ぎるとチューブ状フィルムを作製した際や、液体充填前から、内層同士が離れてしまう。
粒子径は、2μm以上20μm以下が好ましく、5μm以上10μm以下がより好ましく、電子顕微鏡観察などの手法で計測できる。
また、一般的には、包装フィルムには脂肪酸アミド等が多用されるが、チューブ状フィルムを作製した際や液体充填前から内層同士が滑りやすく離れ易かったり、フィルム加工機のロール汚染、臭気性、内容物の液体中へ移行する点からも、本発明のフィルムの内層には有機化合物滑材は添加しない。
内層厚のフィルム総厚に対する比率の下限は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上であることがより好ましい。上限は、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。
<接着樹脂層>
本発明のフィルムは、各層の層間剥離強度を高める目的で、上記の各層間に接着樹脂層を設けることができる。接着層は1層であってもよいし、複数であってもよい。
接着樹脂層がポリエチレン樹脂を含む層に隣接する場合は、ポリエチレン系接着樹脂を用いると好適である。
接着樹脂層に使用可能なポリエチレン系接着性樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMMA)、エチレン系アイオノマー(IO)等のエチレン共重合体系樹脂が例示できる。
また、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはエチレン系エラストマーに、アクリル酸若しくはメタアクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、またはマレイン酸、フマール酸若しくはイタコン酸等の二塩基性脂肪酸の無水物を化学的に結合させた変性ポリオレフィン系樹脂を例示でき、層間密着性が高く好ましい。
接着樹脂層の厚みは、作業性、経済性、取扱い性の観点から、下限は3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また上限は特に制限はないが、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。
下限が3μm以上であれば、層間剥離強度を向上させることができる。また接着層が厚過ぎると、透明性の悪化やフィルムの総厚みが厚くなってしまう他、製造コストもかさむため上限は30μm以下が望ましい。
<フィルム全体>
本発明の共押出多層フィルムは、公知の共押出インフレーション法を用いて作製することができる。
本発明のフィルムの総厚は、50〜250μmであり、包装袋に収容する液体の重量やその衝撃性とコストとの案配を鑑みて、総厚を加減選定して好適に使用できる。
フィルム総厚の下限は、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましく、100μm以上が更に好ましい。上限は、250μm以下が好ましく、240μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。
フィルム総厚が50μm以上により、フィルムの耐衝撃性が向上する。フィルム総厚250μm以下により柔軟性がよく経済性もよい。
本発明のフィルムの内層同士の密着性と、液体流圧による内層同士の開口性は、フィルムの柔軟性や内層の組成が関係する。チューブ状フィルムの液体充填前の内層同士の密着が強過ぎると、液体充填時に開口しない。逆に、内層同士の密着性が弱過ぎると、内層同士の間が離れて大気に触れ衛生度が劣ってしまう。従って、チューブ状フィルム製膜後の内層同士は適度な密着性を持つことが望ましく、その密着性は、内層同士の剥離強度(N/15mm幅)により評価できる。
本発明のフィルムの内層同士の剥離強度(N/15mm幅)は、0.01以上0.30以下である。下限は0.05以上がより好ましく、0.08以上が更に好ましい。上限は0.25以下がより好ましく、0.20以下が更に好ましい。
本発明のフィルムは、フィルム外層表面の擦傷性が高いことが望まれる。これは、液体飲料を包装した袋形状で梱包および輸送される際に、袋体の外面同士が擦れ合うので、擦傷性が低いと飲料包装体の美観が損なわれ、商品価値が下がるからである。その擦傷性は、摩擦堅牢度によって評価でき、2.5N荷重100回往復条件における傷あるいは圧着痕の数が幅20mm長さ60mm当たり45箇所以下が好ましい。より好ましくは30箇所以下、更に好ましくは20箇所以下である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
原料樹脂の物性は、次の方法で測定した。
<密度>
JIS K 7112に準拠して測定した。
<メルトフローレート>
JIS K 7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定した。
<分子量、分子量分散度Mw/Mn>
ゲルパーミエーションクロマトグラフ分析装置を用い、カラムにShodex製AT−807Sと東ソー製TSK−gelGMH−H6を直列にして用い、溶媒にイルガノックス10ppm添加のトリクロロベンゼンを用い、単分散ポリスチレンによる検量線を作成し、140℃で分析した。
(実施例1)
共押出インフレーション法により、下記層構成および層組成の無延伸多層フィルムを作製した。
外層(15μm)/接着樹脂層(10μm)/中間層(20μm)/接着樹脂層(10μm)/内層隣接層(50μm)/内層(15μm)、総厚120μm
・外層: メタロセン触媒、スラリー重合法で製造された高密度ポリエチレン樹脂(密度941kg/m、重量平均分子量7.7万、分子量分散度5.0)に、添加剤として合成ゼオライト(粒径5μm)を2.0重量%混合した。
・接着樹脂層: 酸変性ポリエチレン樹脂
・中間層: ナイロン6樹脂
・内層隣接層: 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度920kg/m
・内層: 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度920kg/m)に、添加剤として不定形シリカ粒子(粒径5〜10μm)を2.0重量%混合した。
(実施例2)
実施例1において、外層をチーグラー・ナッタ触媒、溶液重合法で製造された直鎖状低密度ポリエチレン(密度931kg/m、分子量分散度2.1)を代えた他は同様にして作製した。
(実施例3)
実施例1において、外層の添加剤をオレイン酸アミドに代えた他は同様にして作製した。
(実施例4)
実施例1において、中間層を6−66ナイロン共重合樹脂に代えた他は同様にして作製した。
(実施例5)
実施例1において、中間層をナイロン6樹脂(10μm)/EVOH(10μm)に代え、また内層の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を密度913kg/mのものに代えた他は同様にして作製した。
EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(エチレン含有率32mol%)である。
(実施例6)
実施例5において、中間層をEVOH(20μm)に代えた他は同様にして作製した。
(実施例7)
実施例1において、内層の添加剤濃度を1.0重量%に代えた他は同様にして作製した。
(実施例8)
実施例1において、内層の添加剤濃度を3.0重量5に代えた他は同様にして作製した。
(実施例9)
実施例1において、内層の不定形シリカの粒径を7μmに代えた他は同様にして作製した。
(実施例10)
実施例1において、各層厚を次のように代えた他は同様にして作製した。
外層(5μm)/接着樹脂層(5μm)/中間層(10μm)/接着樹脂層(5μm)/内層隣接層(20μm)/内層(15μm)
(実施例11)
実施例1において、各層厚を次のように代えた他は同様にして作製した。
外層(30μm)/接着樹脂層(10μm)/中間層(50μm)/接着樹脂層(10μm)/内層隣接層(70μm)/内層(30μm)
(比較例1)
実施例1において、内層に添加剤を用いない他は同様にして作製した。
(比較例2)
実施例2において、内層の添加剤を合成ゼオライト(球形状、粒径5μm)に代えた他は同様にして作製した。
(比較例3)
比較例2において、外層の添加剤をオレイン酸アミドに代えた他は同様にして作製した。
各例で得られたフィルムについて、下記の評価を行い、結果を表1、2に記す。
尚、表1,2のフィルム層構成は、外層、中間層、内層のみを記し、接着樹脂層、内層隣接層は省略した。
<内層同士の剥離強度>
フィルム製膜後のチューブ状フィルムを、内層同士間を開けることなく、フィルム流れ方向に沿って15mm幅に切り出して、内層表面同士が接し合った2枚の短冊片とし、INSTRON社製引張試験機3342型機を用い、引張速度200mm/分、180度剥離、室温下の条件で、2枚の内層間を剥がして剥離強度(gf/15mm幅)を測定した。
<外面の摩擦堅牢度>
大栄科学精器製作所製染色物摩擦堅牢度試験機を用い、ステンレス製試験台にフィルム(幅3cm、長さ15cm)外層を摩擦子側へ向けて固定し、また、摩擦子にもフィルム外層を試験台側へ向けて取り付け、試験台上のフィルムと摩擦子のフィルムとの外層同士を、摩擦子面積20mm角、荷重2.5N、移動距離60mm、30往復/分、往復回数100回、室温下の条件で擦り合わせ、摩擦堅牢度試験を行った。
試験台側に取り付けたフィルムの摩擦箇所(幅20mm長さ60mm)について、傷または圧着痕の数を計測した。
<包装機汚染>
各例で得られた幅370mmのフィルムロールを縦ピロー包装機に設置してフィルム長さ500mを走行させ、包装機のニップロールに異物が付着するかどうかを目視観察した。
異物付着がない場合を「〇」、異物付着があった場合を「×」と評価した。
<飲料水(ミネラルウォーター)の味・臭い>
得られたチューブ状フィルムに市販のペットボトル入りミネラルウォーター400mLを注入し、ヒートシールして縦15cm横15cmの袋を作製し、50℃で96時間保存した。その後、23℃に冷却した袋を開封し、中身のミネラルウォーターをコップに注いで口に含み、味覚、臭気を評価した。
試験者は非喫煙の健康な成人男女5名とし、下記基準の評価値の平均値2.0未満を「○」、2.0以上を「×」とした。ブランク品には、23℃に冷却したペットボトル入りミネラルウォーターをコップに注いで用いた。
0; ブランク品の味および臭気と差異なし。
1; ブランク品の味および/または臭気と、僅かに差異を感じる(検知閾値)。
2; 袋由来の味および/または臭気の影響があると判別できる(認知閾値)。
3; ブランク品の味および/または臭気と、容易に差異を感じる。
4; 強い味覚変化および/または強い臭気を感じる。
Figure 2017145026
Figure 2017145026
実施例1〜11は、何れも、フィルム製膜後は内層同士が密着しており、内層同士は適度に剥離し易く、外層表面の傷や痕がつき難い結果となった。内層同士の剥離強度は、内層の非球形状粒子の添加濃度により、傾向がみられた。外面の摩擦堅牢度は、外層のポリエチレン樹脂密度により、差がみられた。外層にオレイン酸アミドを添加した場合は、包装機汚染と、飲料水の味・臭気変化が生じた。
比較例1は内層に無機粒子を添加せず、比較例2〜3は内層の添加粒子が球形状であり、内層同士の密着が強く、剥離強度が大きかった。比較例2は、外層のポリエチレン樹脂密度が小さめであり外層表面の摩擦により傷や痕がつきやすかった。比較例3は、外層のポリエチレン樹脂密度は比較例2と同じであっても、有機系滑材のオレイン酸アミドを添加したことから傷や痕はつき難かったが、包装機汚染と、飲料水の味・臭気変化が生じた。
1 共押出フィルムの外層
2 共押出フィルムの中間層
3 共押出フィルムの内層
10 共押出多層フィルム1枚
100 チューブ状フィルム
本発明の共押出多層フィルムによれば、無味無臭、且つ、包装フィルム内面が大気汚染されず、液体流入によって自然とチューブ状フィルムの内側が開くといった特徴を有し、衛生性が高く、ミネラルウォーター、ジュース等の飲料の包装袋に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 外層にポリエチレン樹脂層、中間層にポリアミド樹脂層及び/又はエチレン−酢酸ビニルけん化物層、内層にポリエチレン系樹脂層の順に配する飲料包装用フィルムであって、外層と内層に配合する添加剤は無機系のみであり、且つ内層に配合する添加剤は非球形状粒子であり、チューブ内層同士の剥離強度が0.01N/15mm幅以上0.30N/15mm幅以下であることを特徴とするチューブ状共押出フィルム。
  2. 外層を構成するポリエチレン樹脂が、密度930kg/m以上950kg/m以下、且つ分子量分散度(Mw/Mn)3.0以上6.0以下である請求項1または2に記載のチューブ状共押出フィルム。
  3. 摩擦堅牢度試験による外層表面の擦傷痕数が、幅20mm長さ60mm当たり45箇所以下である請求項1〜2の何れかに記載のチューブ状共押出フィルム。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のチューブ状共押出フィルムを用い、ピロー包装してなる飲料用包装袋。
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