JP4335073B2 - 積層シートの製造方法、積層シート及び成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートと二軸延伸ポリプロピレンフィルムとが積層された積層シートを得るための製造方法に関する。更に詳しくは、印刷層が設けられた二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いても印刷柄の変形や色ムラがなく接着性が良好な積層シートを得るための製造方法に関する。また本発明は、前記製造方法により得られた積層シート及び該積層シートを熱成形して得られた成形体に関する。
従来、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等において販売される弁当、丼、惣菜などの食品包装容器その他の一般包装容器として、耐熱、耐油性が高く、廃棄焼却時の燃焼カロリーが低いなどの特徴から、無機充填剤配合ポリオレフィンシート製の成形容器が広く用いられている。
しかし、無機充填剤配合ポリオレフィンシートは、無機充填剤の影響によりシート製造時には冷却ロール等の接触により光沢のある表面を作り出せるものの、そのシートを容器形状等に成形(以下、二次成形と記す)した際には光沢が失われてしまい、光沢のある容器が得にくいという欠点を有し、光沢を必要とされる用途に使用することが困難であった。
更に、無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートを二次成形する際には、加熱によりシートが軟化し垂れ下がる、いわゆるドローダウン現象によって、成形時にシートが重なってしわが発生する問題もあった。これは特に加熱の熱量が多く必要となる深さの深い容器を成形する時に顕著になる。
そこで、ポリオレフィン系樹脂シートの光沢を向上させるために、無機充填剤を含有するオレフィン系樹脂シートと厚さ20〜100μmで2〜10倍に二軸延伸されたポリプロピレンフィルムとを貼り合わせてなるオレフィン系樹脂積層シートが提案されており、この積層シートの製造例として、無機充填剤入りオレフィン系樹脂シートの押出成形時に、樹脂シートが未だ溶融状態にある間にその熱を利用して二軸延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせる方法と樹脂シートに接着剤を塗工して二軸延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせる方法が記載されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリオレフィン系樹脂シートのドローダウンを抑制するために、縦方向、横方向の二方向に延伸された二軸延伸ポリプロピレン系樹脂シートと延伸処理の施されていない無延伸ポリプロピレン系樹脂シートとを積層してなり、全体の厚さが100〜600μmであることを特徴とする成形用ポリプロピレン系樹脂積層シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特定の物性を有する二軸延伸ポリオレフィンフィルムとポリプロピレンシートの積層シートが提案されており、その積層シートは熱ラミネート法で製造される旨が記載されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、熱可塑性樹脂材料をカレンダー加工してシート製造する際に、その製造ライン中で別のシートを熱融着により製造する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特公昭63−44060号公報 実公昭61−2030号公報 特開2003−41017号公報 特開2001−26028号公報
しかし、発明者らが検討したところ、前述した従来の製造方法では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムがフィルムの融点近傍の収縮しうる温度で積層され製造されているため、フィルムの巾が収縮したり、得られたシートの熱成形性が低下するという問題があり、積層する温度を下げた場合は、接着性が低下するという問題を有することが判明した。
また、印刷層が設けられた二軸延伸フィルムを使用する場合には、熱による変形により絵柄が変化してしまうという問題を有することが判明した。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、接着性、外観の良好な無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートと二軸延伸ポリプロピレンフィルムとの積層シートが得られると共に、印刷柄の変形や色ムラのない積層シートを製造できる方法、該方法により得られる外観が良好で印刷柄の変形や色ムラのない積層シート及び成形品の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、(a)ポリオレフィン系樹脂30〜95質量%と無機充填剤70〜5質量%とを含む無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂を押出機内で溶融混練し、押出機出口に設けたダイスから押出した後、この溶融混合物をカレンダーロールにて圧延しシートとする工程、(b)このシートをロール温度が70〜220℃に設定されたテイクオフロールにて徐冷する工程、(c)徐冷したシートの少なくとも片面に二軸延伸ポリプロピレンフィルムを予め加熱することなく圧着し積層シートとする工程、(d)該積層シートを冷却する工程、および(e)冷却した積層シートをロール状に巻き取る工程、とを有することを特徴とする積層シートの製造方法を提供する。
本発明の製造方法では、印刷層が設けられた二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いることが好ましい。
また本発明は、前述した本発明に係る積層シートの製造方法により製造された積層シートを提供する。
また本発明は、前述した本発明に係る積層シートを熱成形して製造された成形品を提供する。
本発明によれば、接着性、外観の良好な無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートと二軸延伸ポリプロピレンフィルムとの積層シートが得られると共に、印刷層が設けられた二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用した場合には、更に印刷柄の変形や色ムラのない積層シートを製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の製造方法の一例を説明する。
図1は、本発明の製造方法を実施するのに好適な積層シート製造装置の一例を示す構成図である。この製造装置は、原料投入用のホッパ1Aと出口側のダイス1Bを有する押出機1と、ダイス1Bから押し出された溶融混合物を圧延する複数のロール4〜7を備えたカレンダー装置3と、カレンダー装置3で圧延されたシートを徐冷する複数のロール9〜12を備えたテイクオフロール装置8と、徐冷したシートと二軸延伸ポリプロピレンフィルム14とを重ねた状態で圧着して積層シート15とするエンボスロール13と、その積層シート15を冷却する複数のクーリングロール16と、冷却した積層シートをロール状に巻き取る巻き取り機17とを備えて構成されている。
本発明で用いる無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂としては、プロピレンホモポリマー、プロピレン分子鎖中にランダムにエチレンあるいは他のコモノマーが1〜7質量%程度挿入されたランダム共重合体、通常プロピレン単独重合体のマトリックス中に約20%までのエチレン−プロピレンゴム(EPR)を含むインパクト共重合体(ブロック共重合体ともいう)などのポリプロピレン系樹脂や低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂などが挙げられる。その中でも、ポリプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂が好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂に添加される無機充填剤としては、例えばタルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、ガラスビーズ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウムなどが単独又は2種以上の混合物が挙げられる。これらの中でも特にタルクが好ましい。
本発明で用いる無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂は、前記ポリオレフィン系樹脂30〜95質量%、好ましくは60〜90質量%と、前記無機充填剤70〜5質量%、好ましくは10〜40質量%とを溶融混練して得られる。無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂全量に対し、無機充填剤の量が5質量%未満である場合、無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂からなるシートの剛性が不足し、二軸延伸フィルムの収縮力に耐え切らず、該シートも収縮してしまい、連続成形機のクランプから外れ、成形困難となる。一方、無機充填剤の量が70質量%を越えた場合、非常に脆いシートとなり、成形品が流通時に割れを発生してしまう可能性があるため好ましくない。
また前記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、すべり性付与およびアンチブロッキング性付与を目的とした界面活性剤、無機充填剤の分散性を良くするような高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドなどの種々の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜、添加してもよい。
前記無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂を押出・圧延して作られる無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シート(以下、シートと記す。)の厚みは、0.3〜0.8mmが好ましく、0.35〜0.6mmが特に好ましい。
本発明で用いる二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルムと記す。)の原料としては、プロピレンホモポリマー、プロピレン分子鎖中にランダムにエチレンあるいは他のコモノマーが1〜7質量%程度挿入されたランダム共重合体、通常プロピレン単独重合体のマトリックス中に約20%までのエチレン−プロピレンゴム(EPR)を含むインパクト共重合体(ブロック共重合体ともいう)などが挙げられ、これらのプロピレン系重合体はそれぞれ単独で使用できるほか、これらの混合物として使用することもできる。
また前記プロピレン系重合体には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の樹脂を混合しても良い。前記他の樹脂としては、例えばエチレン、ブテン、α−オレフィン等の単独重合体もしくは共重合体、ポリオレフィン系ワックス、ポリオレフィン系エラストマー等のオレフィン系樹脂の他、石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素系樹脂などが、1種単独で、または2種以上混合して使用される。
また前記プロピレン系重合体には、必要に応じて帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、すべり性付与およびアンチブロッキング性付与を目的とした界面活性剤、フィラー等の種々の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜、添加してもよい。
OPPフィルムを製造するには、まずポリプロピレン系重合体と各種添加剤等を押出機を用いて溶融混練し、次いで押出機先端に接続した金型を通してシート状に押出成形する。そして押出成形されたシートを樹脂の押出方向(縦方向、MD)とそれに直交する方向(横方向、TD)の2方向に逐次あるいは同時に延伸(ニ軸延伸)することによってOPPフィルムが製造される。
OPPフィルム14の厚みは、5〜50μmの範囲とすることが好ましい。該フィルムの厚みが5μm未満では、積層発泡体のドローダウンを改善する効果や、あるいは成形品の強度、高温での剛性等を向上する効果が不十分になるおそれがあり、逆に50μmを越えた場合には、OPPフィルム14を無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂シートに積層して積層シートを作製する際や、あるいは作製した積層シートを熱成形して積層成形品を製造する際などに多くの熱量を必要とするため製造効率が悪くなり、また、熱成形時に局部的に伸ばされた部分が生じるなどして、成形品の外観が悪化するおそれもある。なおOPPフィルム14の厚みは、上記各特性のバランスを考慮すると、前記の範囲内でも特に10〜40μmであるのが好ましい。
本発明で用いるOPPフィルム14の融解ピーク温度は約140〜170℃であることが好ましい。融解ピーク温度は、OPPフィルムから試料を切り出し、JIS K7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠し、測定できる。測定は−40℃〜220℃〜−40℃〜220℃の昇温・降温操作が繰り返されるが、ここで言う融解ピーク温度とは一回目の−40℃〜220℃の昇温時の吸熱ピーク温度である。
ただし、OPPフィルムの場合は、延伸結晶化により重なるように2つのピークを有する場合がある。この場合は低い方の温度を融解ピーク温度とする。
OPPフィルム14の表面には、例えば印刷性等を向上すべくコロナ放電処理等の表面処理を施したり、つや消し調を得るためにマット処理などが施されていても良い。
OPPフィルム14は単層のものには限定されず、例えば組成の異なるポリプロピレン系樹脂からなる多層のOPPフィルムを用いることもできる。
またOPPフィルム14には、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばガスバリア性等の向上を目的として、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフィルムなど、組成の異なる他のフィルムを積層してもよい。
次に、図1に示す製造装置を用いると共に、前述したポリオレフィン系樹脂、無機充填剤及びOPPフィルムを用い、本発明の製造方法によって積層シートを製造する方法を説明する。
まず、押出機1のホッパ1Aに、予め所望の配合比率となるように混合されたポリオレフィン系樹脂と無機充填剤を含む材料を投入し、押出機1内でポリオレフィン系樹脂の溶融温度以上に加熱し、これらを混練する。押出機1内で混練された無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂は、押出機1の出口端に取り付けられたダイス1Bから押出される。このダイス1Bとしては、角型や円型などの出口形式のものが使用され、特に角型が好ましい。押出時の樹脂温度は180℃〜200℃程度が好ましい。
ダイス1Bから押出された溶融混合物2は、カレンダー装置3の第1ロール4と第2ロール5間に供給され、第2ロール5の表面を沿って第3ロール6に導かれる。第1ロール4、第2ロール5間のギャップにより圧延された溶融混合物2は、第3ロール6の表面に沿って、第4ロール7とのギャップを通過した後、再度、第3ロール6表面に沿ってシートとされる。このカレンダー装置3において、第1ロール4と第2ロール5との間、第3ロール6と第4ロール7との間のギャップ間隔を調整すると共にシートの引取スピードを調整することにより、所望のシート厚みに調整することができる。
カレンダー装置3にて所望の厚みに成形されたシートは、続いてテイクオフロール装置8に導かれ、テイクオフロール装置8のNo.1ロール9〜No.4ロール12にて徐冷される。テイクオフロール装置8の各ロール温度はそれぞれ70〜220℃に設定される。特に、No.1ロール9、No.2ロール10の温度は同温度に設定し、No.3ロール11、No.4ロール12の温度はNo.1ロール9、No.2ロール10の温度より低く、また、No.3ロール11、No.4ロール12と順に温度を下げて徐冷していくことが好ましい。No.1ロール9〜No.4ロール12の温度が70℃より低いとOPPフィルム14との接着性が低下したり、シートが急冷され表面平滑性が失われたりするので好ましくない。また、No.1ロール9〜No.4ロール12の温度が220℃より高い場合、OPPフィルム14に過剰な熱が加わり、フィルムの収縮、溶融による切断などが発生するため、やはり好ましくない。
好ましいNo.1ロール9〜No.4ロール12の各温度は、No.1ロール9、No.2ロール10が180〜210℃、No.3ロール11が120〜150℃、No.4ロール12が80〜110℃である。これらの温度はOPPフィルム14の融解ピーク温度によって微調整される。最終のNo.4ロール12を離れる際のシートの表面温度は、OPPフィルム14の融解ピーク温度より10℃〜50℃低い温度とすることが好ましい。より好ましくは15℃〜30℃低い温度である。
テイクオフロール装置8から導出されたシートは、エンボスロール13を通過する直前にOPPフィルム14をその表面に重ね合わせ、シートとフィルムを重ねた状態でエンボスロール13を通過させる。OPPフィルム14は、エンボスロール13の圧力によってシートに圧着され、積層シート15となる。この時、シートの表面温度は、OPPフィルム14の融解ピーク温度より10℃〜50℃低い温度になっており、一方、OPPフィルム14は予熱することなく、室温程度の温度でシートの持つ熱量のみでシート表面に圧着される。
このように、OPPフィルム14の融解ピーク温度より10℃〜50℃低い温度とされたシートの表面に、予熱されていないOPPフィルム14を重ね、エンボスロール13を通過させて圧着させることにより、OPPフィルム14が熱変形することなく、シート表面に該フィルムを強固に接着することができ、接着性、外観の良好な積層シートが得られる。また、印刷層が設けられたOPPフィルム14を使用した場合であっても、印刷柄の変形や色ムラのない積層シートを製造することができる。
その後、積層シート15は、複数のクーリングロール16…に順次接触させて冷却され、その後巻き取り機17にてロール状に巻き取られる。
本発明はまた、前述した製造方法により得られた積層シートを提供する。
前述した製造方法により得られた積層シートは、無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂からなるシートの表面に、OPPフィルムが強固に接着されており、フィルム剥がれのない良好なものとなる。
また、OPPフィルム14の収縮による変形がなく、外観が良好となる。
また、印刷層が設けられたOPPフィルムを使用しても、印刷柄の変形や色ムラのない意匠性に優れたものとなる。
さらに本発明は、前記積層シートを熱成形して製造される成形品を提供する。
前記積層シートから本発明の成形品を製造するための方法としては、前述のように、例えば積層シートに切り込みを入れておいて組み立てるなど従来公知の種々の方法で製造することが考えられるが、熱成形によって製造するのが最も製造効率がよく好ましい。
熱成形の方法としては、例えば真空成形や圧空成形、あるいはこれらの応用としてのマッチド・モールド成形、プラグアシスト成形等の、従来公知の種々の成形法を採用することができる。
図2は、本発明に係る成形品の一例として、前記積層シートを用いて製造される皿形状の成形容器を示す図であり、(a)は成形容器20の平面図、(b)は断面図である。
この成形容器20は、円板状の底部21とその周縁から斜め上方に向けて拡径する周縁部22とからなっている。この底部21には複数の島状リブや環状リブを設けることができる。この成形容器20は、OPPフィルムに種々の印刷を施すことができる。
この成形容器20は、弁当容器、惣菜容器、トレー、カップ、ケース、部品トレー、フードパック、蓋材、ブリスターパック、レンジアップ容器、冷凍食品容器、嵌合容器、蒸し容器、一般容器、などに好適に使用できる。また食品包装分野その他として、一般包装分野でも好適に使用できる。
[実施例1]
エチレン成分を3質量%含有したエチレン−プロピレンブロック共重合体(日本ポリケム社製、品番BC6C)70質量%及び無機充填剤としてタルク(日本タルク社製、品番MS−P)30質量%を二軸押出機にて溶融混練し、ペレット状の無機充填剤配合ポリプロピレン系樹脂ペレットを作製した。また、OPPフィルム14には、厚み25μm(融解ピーク温度159℃)のフィルム(東洋紡社製、品番P−2161)を使用した。積層シートの製造装置として、図1に示す装置を用いた。前記の通り得られた無機充填剤配合ポリプロピレン系樹脂ペレットを押出機1のホッパ1Aに供給し、溶融混練し、押出機1の出口のダイス1Bから押出し、その溶融混合物2をカレンダー装置3の第1ロール4と第2ロール5の間隙へ供給した。カレンダー装置3の各ロール温度は、第1ロール4を220℃、第2ロール5を220℃、第3ロール6を220℃、第4ロール7を220℃に設定した。溶融混合物2は第1ロール4と第2ロール5との間隙を通り、第2ロール5表面を沿って進み、更に第3ロール6に移って第4ロール7との間隙を通り、厚み0.45mm、巾900mmのシートとなってテイクオフロール装置8へ送り出した。テイクオフロール装置8の各ロールの温度は、No.1ロール9を210℃、No.2ロール10を210℃、No.3ロール11を140℃、No.4ロール12を90℃に設定した。カレンダーロール装置8から送り出されたシートは、テイクオフロール装置8のNo.1ロール9〜No.4ロール12の表面をS字状に沿って徐冷された後、エンボスロール13に移る直前にそのシート上方からOPPフィルム14を供給し、エンボスロール13の圧力によって圧着し、積層シート15とした。この時のエンボスロール13に至る直前(ロールより15cm手前)のシートの表面温度は140℃であった。エンボスロール13から送り出された積層シート15はクーリングロール16に移送され室温近くまで冷却され、巻き取り機17にてロール状に巻き取られた。得られた積層シートは厚み0.4mm、幅1040mmであり、接着性、表面状態も良好であった。
得られた積層シートを熱成形し、図2に示す形状で外形200mm、深さ35mmの成形容器を成形した。成形条件は、株式会社浅野研究所製FLS型高速連続真空圧空成型機を用い上下ヒーターを380℃に保持して、シートを両面から加熱し、成形秒数11秒で成形した。また1回の成形で16個の容器を得た。得られた成形容器は、光沢に優れ、高級感のある綺麗な外観であった。
[実施例2]
実施例1で使用したOPPフィルムに印刷層が設けられたOPPフィルムを使用した以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。
得られた積層シートは厚み0.4mm、幅1040mmであり、接着性、表面状態が良好であり、印刷柄の変形や色ムラもなく良好であった。
この積層シートを用い、実施例1と同様の条件で同様の成形容器を熱成形した結果、光沢に優れ、高級感のある綺麗な外観の成形容器が得られた。また、得られた成形容器は印刷柄の変形や色ムラもなく綺麗な仕上がり状態となった。
[実施例3]
OPPフィルムに厚み30μm(融解温度168℃)のフィルム(サントックス社製、品番MF21)に印刷層が設けられたフィルムを使用し、エンボスロール13に至る直前(ロールより15cm手前)のシートの表面温度を143℃とした以外は、実施例1と同様に積層シートを作製した。
得られた積層シートは厚み0.4mm、幅1040mmであり、接着性、表面状態が良好であり、印刷柄の変形や色ムラもなく良好であった。
この積層シートを用い、実施例1と同様の条件で同様の成形容器を熱成形した結果、光沢に優れ、高級感のある綺麗な外観の成形容器が得られた。また、得られた成形容器は印刷柄の変形や色ムラもなく綺麗な仕上がり状態となった。
[比較例1]
実施例1において、OPPフィルムをカレンダー装置3の第四ロール7表面を沿わせ第三ロール6と第四ロール7との間隙でシートと積層させた。また、テイクオフロール装置8の各ロールの温度は冷却のためNo.1ロール9を120℃、No.2ロール10を100℃、No.3ロール11を70℃、No.4ロール12を40℃にした。それ以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。
得られた積層シートは厚み0.4mm、幅1040mmであり、OPPフィルムを積層する際にシートの温度がOPPフィルムの融解ピーク温度よりもかなり高いために、OPPフィルムが溶融した状態で積層されており、光沢性が失われ、また、平滑性も悪かった。
この積層シートを用い、実施例1と同様の条件で熱成形して成形容器を作製したが、得られた成形容器は表面の光沢性に乏しかった。
[比較例2]
実施例1において、OPPフィルムを積層せずに、厚み0.37mm、巾1040mmのシートを得た。このシートに実施例1で使用したOPPフィルムを流れ方向を合わせて、フィルム側のロール温度を190℃に設定し、シート側のロールは温度コントロールせず室温として熱ラミネート法によって積層シートを得た。得られたシートは厚み0.4mm、幅1040mmであり、外観は良いものの、フィルムが容易にはがれてしまい、成形性に劣るものであった。
本発明の製造方法を実施する製造装置の一例を示す構成図である。 本発明の成形品の一例である成形容器を示し、(a)は成形容器の平面図、(b)は断面図である。
符号の説明
1…押出機、1A…ホッパ、1B…ダイス、2…溶融混合物、3…カレンダー装置、4…第1ロール、5…第2ロール、6…第3ロール、7…第4ロール、8…テイクオフロール装置、9…No.1ロール、10…No.2ロール、11…No.3ロール、12…No.4ロール、13…エンボスロール、14…OPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)、15…積層シート、16…クーリングロール、17…巻き取り機。

Claims (4)

  1. (a)ポリオレフィン系樹脂30〜95質量%と無機充填剤70〜5質量%とを含む無機充填剤配合ポリオレフィン系樹脂を押出機内で溶融混練し、押出機出口に設けたダイスから押出した後、この溶融混合物をカレンダーロールにて圧延しシートとする工程、
    (b)このシートをロール温度が70〜220℃に設定されたテイクオフロールにて徐冷する工程、
    (c)徐冷したシートの少なくとも片面に二軸延伸ポリプロピレンフィルムを予め加熱することなく圧着し積層シートとする工程、
    (d)該積層シートを冷却する工程、および
    (e)冷却した積層シートをロール状に巻き取る工程、とを有することを特徴とする積層シートの製造方法。
  2. 印刷層が設けられた二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いることを特徴とする請求項1に記載の積層シートの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の積層シートの製造方法により製造された積層シート。
  4. 請求項に記載の積層シートを熱成形して製造された成形品。
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