JP4560914B2 - イージーピール蓋材 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、アルミニウム箔を積層していない、開蓋が容易であって、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難いイージーピール(Easy Peel;皮を剥がし易い)蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、廃棄時の処理、処分や食品類の金属探知などの理由でアルミニウム箔を積層していない、図1A,Bに示すような、表面に美麗な印刷をした遮光性がある紙材料層4と、ポリエステル(PET)、延伸ナイロン(0-NY)、セラミック蒸着付の延伸ポリプロピレン(0-PP)などの、強度とガスバリヤー性とが優れた樹脂フィルム層5と、エチレン-メタアクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ポリブテンブレンド樹脂、通常のホットメルトなどの、熱融着した後に剥がすことができるイージーピール層6とを、図示していない接着剤層を介するなどして適宜に積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材が、図2に示すように、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて熱融着して、一般に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の、アルミニウム箔を積層していない、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成る、カップ容器30に被せて熱融着したつまみ21付のイージーピール蓋材については、蓋材20のつまみ21に指を掛けて、やゝ強く引張るだけで簡単にカップ容器30を開蓋することができる、開蓋が容易なイージーピール蓋材であるものの、蓋材20の紙材料層4が、熱湯から発生する蒸気の影響を受け易いために、蓋材20を中央部分まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋して熱湯を注ぐ時に、折曲げた蓋材20の中央部分が、スチームアイロンを掛けたように延びることが多くて、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題があって、また蓋材20のつまみ部分21を内側に折曲げて、カップ容器30のフランジ31に繋止して3〜5分間放置して調理する時に、折曲げた蓋材20のつまみ部分21が、同様にスチームアイロンを掛けたように延びることが多くて、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題があった。
【0004】
なお、図示していない従来の、7μm程度のアルミニウム箔を積層したイージーピール蓋材については、アルミニウム箔に、与えられた形状を保持する性質(デットホールド性と言う)があるために、蓋材20の紙材料層4が、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難く、前述した熱湯を注ぎ難いなどの、また前述した充分に調理することが難しいなどの、問題は少なかった。
【0005】
ところで、本発明の目的は、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、アルミニウム箔を積層していない、従来と同様に開蓋が容易であって、熱湯を注ぐ時に、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題が少ない、また3〜5分間放置して調理する時に、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題が少ない、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難いイージーピール蓋材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のイージーピール蓋材は、図1A,Bに示すように、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材において、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向(図1A,Bでは左右方向、以下同じ)に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2を設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0007】
本発明のイージーピール蓋材においては、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2を設けたことによって、紙材料層4の1列又は2列以上の破線部分2の、直交する開蓋方向の大部分の繊維が切断されているために、蓋材20を中央の破線部分2まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋して熱湯を注ぐ時に、折曲げた蓋材20の中央の破線部分2が、スチームアイロンを掛けたように延びることが少なくて、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題が少ない、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難いイージーピール蓋材を提供することができる。
【0008】
また、本発明のイージーピール蓋材は、図1A,Bに示すように、蓋材20のつまみ部分21の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線3を設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0009】
本発明のイージーピール蓋材においては、蓋材20のつまみ部分21の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線3を設けたことによって、同様に紙材料層4の1列又は2列以上の破線部分3の、直交する開蓋方向の大部分の繊維が切断されているために、蓋材20のつまみ21の破線部分3を内側に折曲げて、カップ容器30のフランジ31に繋止して3〜5分間放置して調理する時に、折曲げた蓋材20のつまみ21の破線部分3が、同様にスチームアイロンを掛けたように延びることが少なくて、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題が少ない、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難いイージーピール蓋材を提供することができる。
【0010】
加えて、本発明のイージーピール蓋材は、前述した開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2,3を、紙材料層4の(図1Bに矢印で示す)抄紙方向に平行に設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0011】
本発明のイージーピール蓋材においては、前述した開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2,3を、紙材料層4の抄紙方向に平行に設けたことによって、紙材料層4には、もともと抄紙方向に直交する繊維が少ないところに、紙材料層4の抄紙方向に平行な1列又は2列以上の破線部分2,3の、抄紙方向に直交する開蓋方向の、もともと少ない大部分の繊維が切断されているために、前述した熱湯を注ぐ時に、折曲げた蓋材20の中央の破線部分2が、スチームアイロンを掛けたように延びることがさらに少なくて、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題が少ない、また前述した3〜5分間放置して調理する時に、折曲げた蓋材20のつまみ21の破線部分3が、同様にスチームアイロンを掛けたように延びることがさらに少なくて、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題が少ない、熱湯から発生する蒸気の影響をさらに受け難いイージーピール蓋材を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1Aは、本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材の断面図であって、図1Bは、イージーピール蓋材の平面図である。
また図2は、本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材を、カップ容器30に被せて熱融着した状態を示す断面説明図である。
【0013】
本実施の形態のイージーピール蓋材は、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材において、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2を、また蓋材20のつまみ部分21の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線3を、それぞれ紙材料層4の抄紙方向に平行に設けたイージーピール蓋材である。
【0014】
本実施の形態のイージーピール蓋材における、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材については、前述した従来のイージーピール蓋材と同様であって、表面に美麗な絵柄と耐水性ニスとを印刷した、50g/m2程度の上質紙、片面アート紙などの遮光性がある紙材料層4と、ポリエステル(PET)、延伸ナイロン(0-NY)、セラミック蒸着付の延伸ポリプロピレン(0-PP)などの、60μm程度の強度とガスバリヤー性とが優れた樹脂フィルム層5と、20μm程度のエチレン-メタアクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ポリブテンブレンド樹脂、通常のホットメルトなどの、後述するカップ容器30のフランジ31に熱融着した後に剥がすことができる、カップ容器30の構成材料(発泡スチロール、紙+ポリエチレン、ポリプロピレンなど)に適合したイージーピール層6とを、図1Aに示すように、図示していない接着剤層を介するなどして適宜に積層した後に、周辺を打抜型などで適宜に切断して除去して、図1Bに示すつまみ21付のイージーピール蓋材を、特に制約なく作製することができる。
【0015】
本実施の形態のイージーピール蓋材における、蓋材20の中央部分の紙材料層4に設けた、また蓋材20のつまみ部分21の紙材料層4に設けた、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2,3については、予め開蓋方向が、図1Bに矢印で示す抄紙方向に直交するように、表面に美麗な絵柄と耐水性ニスとを印刷した紙材料層4に、例えば図3Aに示すような、開蓋方向に直交する3列の、幅が6mm程度の紙材料層4を貫通した破線2,3を、打抜型を用いた打抜工程などで適宜に設けた後に、図1Aに示すように、この紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを適宜に積層することによって、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2を、また蓋材20のつまみ部分21の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線3を、それぞれ紙材料層4の、図1Bに矢印で示す抄紙方向に平行に設けることができる。
【0016】
続いて、本実施の形態の、図1A,Bに示すイージーピール蓋材を、図2に示すように、通常の発泡スチロール製や内面側にポリエチレンコートをしたカップ原紙製や成形ポリプロピレン製などの、熱湯を注いで調理するカップラーメン用のカップ容器30に被せて、フランジ31に熱融着したところ、蓋材20のつまみ21に指を掛けて、やゝ強く引張るだけで簡単にカップ容器30を開蓋することができる、従来と同様に開蓋が容易なイージーピール蓋材を得ることができた。
【0017】
本実施の形態のイージーピール蓋材においては、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2を、また蓋材20のつまみ部分21の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線3を、それぞれ紙材料層4の抄紙方向に平行に設けたことによって、紙材料層4の抄紙方向に平行な1列又は2列以上の破線部分2,3の、抄紙方向に直交する開蓋方向の、もともと少ない大部分の繊維が切断されているために、蓋材20を中央の破線部分2まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋して熱湯を注ぐ時に、折曲げた蓋材20の中央の破線部分2が、スチームアイロンを掛けたように延びることが少なくて、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題が少ない、また蓋材20のつまみ21の破線部分3を内側に折曲げて、カップ容器30のフランジ31に繋止して3〜5分間放置して調理する時に、折曲げた蓋材20のつまみ21の破線部分3が、同様にスチームアイロンを掛けたように延びることが少なくて、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題が少ない、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難いイージーピール蓋材を得ることができた。
【0018】
なお、本願のイージーピール蓋材の発明者らは、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2,3について、試行錯誤を繰返した結果、図3A,B,C,D,E,Fに示すような、開蓋方向に直交する2列以上の、幅が6〜9mm程度の各種形状の紙材料層4を貫通した破線2,3に、前述した直交する開蓋方向の大部分の繊維を切断する効果があることを、経験しているものである。
【0019】
【発明の効果】
以上、実施の形態ほかに示すとおり、本発明のイージーピール蓋材においては、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、アルミニウム箔を積層していない、従来と同様に開蓋が容易であって、熱湯を注ぐ時に、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題が少ない、また3〜5分間放置して調理する時に、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題が少ない、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難いイージーピール蓋材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、図1Aは、イージーピール蓋材の断面図であって、図1Bは、イージーピール蓋材の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材を、カップ容器30に被せて熱融着した状態を示す断面説明図である。
【図3】実施の形態のイージーピール蓋材における、開蓋方向に直交する2列以上の、各種形状の紙材料層4を貫通した破線2,3の平面図である。
【符号の説明】
2,3 …破線、破線部分
4 …紙材料層
5 …樹脂フィルム層
6 …イージーピール層
20 …蓋材
21 …つまみ、つまみ部分
30 …カップ容器
31 …フランジ
矢印 …抄紙方向
Claims (3)
- 熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材において、
蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2を設けて構成され、
この破線2が紙材料層4の抄紙方向に平行に設けられていることを特徴とするイージーピール蓋材。 - 熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材において、
蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2と、蓋材20のつまみ部分21の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線3とを設けて構成され、
前記破線2が紙材料層4の抄紙方向に平行に設けられていることを特徴とするイージーピール蓋材。 - 熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材において、
蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線2と、蓋材20のつまみ部分21の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の紙材料層4を貫通した破線3とを設けて構成され、
前記破線3が紙材料層4の抄紙方向に平行に設けられていることを特徴とするイージーピール蓋材。
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