JP5326422B2 - 蓋材 - Google Patents

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本発明は、食品用カップ型容器の熱封緘性蓋材に関し、更に詳しくは、構成材料からアルミニウム箔などの金属を除き、紙と樹脂を主とする材料で構成した蓋材に関するものである。
従来、食品用カップ型容器の蓋材としては、例えば、紙/ポリエチレン樹脂層/アルミニウム箔/ポリエチレン樹脂層/ホットメルト層の積層構成からなる熱封緘性蓋材が一般的に使用されている。この構成の蓋材には、アルミニウム箔が、その剛性、塑性変形性、或いはカール防止などの点から用いられている。
また、アルミニウム箔を使用しない構成の蓋材では、例えば、紙/接着剤又はポリエチレン樹脂層/二軸延伸プラスチックフィルム層/ポリエチレン樹脂層/ホットメルト層のような積層構成のものが知られている。
上述したように、アルミニウム箔を用いた構成の蓋材は、アルミニウム箔の特性である剛性、塑性変形性によりカールの発生を少なくできる。また、この蓋材が熱封緘性蓋材としてカップ型容器に取り付けられ、収容された食品を食するに際し、蓋材の一部分を捲り上げるように開いてからお湯を差し、そして蓋材を閉じて容器内の食品を蒸らしてから食する商品もある。この商品での蓋材にアルミニウム箔が層構成の一部として用いられていることで、注湯時の蓋材の部分的な開口性およびそれを戻した時の再封性に優れるなどの長所を有する。
しかし、その反面、商品製造ラインでの内容物充填後の金属探知機による金属異物の混入検査ができず、商品購入者側でも、注湯による調理法以外に最近注目されている電子レンジ調理加熱ができない。そして、蓋材の製造コストも割高となり、使用後の廃棄性についても、焼却では燃えかすが残り、埋め立てでは分解しないなどの問題があった。
また、後者のアルミニウム箔を使用しない構成の蓋材は、アルミニウム箔の使用による欠点は解消されるものの、逆に、アルミニウム箔の使用による長所が失われ、カールが発生し易くなると共に、お湯を差して食品を蒸らす商品に用いられる蓋材としては、開封時、その蓋材の折り曲げによる開口性及びその戻しによる再封性が低下するという問題があった。
これに対し、使用材料や後加工などによるアルミレス構成蓋材の性能改善が試みられていて、例えば、特許文献1に示されているように、使用紙材料における坪量やクレー層割合を調整して上記問題を改善する試みがある。
特開平11−310273号公報
しかしながら、上記文献の技術では、塗工されるクレー層についての記述はなく、汎用的に蓋材用途で用いられる片面コート紙の範疇であり、アルミレス構成蓋材の性能を改善するには至っていないものであった。
そこで本発明は、上記先行技術において不足しているコート剤成分の工夫や他の組合せ加工による改善策を盛込み、上記問題を解決しようとするもので、その目的とするところは、蓋材の構成材料からアルミニウム箔などの金属を除き、紙と樹脂を主とする材料で構成することにより、金属探知機による検査、及び電子レンジ調理を可能とし、使用後の廃棄性を改善すると共に、カールも少なく、開封時、蓋材の折り曲げによる開口性、及びその戻しによる再封性にも優れるという、総合的に優れた性能の熱封緘性蓋材を生産性よく提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決することができる。
(請求項1の発明)
請求項1に記載した発明は、容器本体の上端開口部を密封する蓋材であって、アルミニウム箔などの金属層を備えない積層体であり、且つ、外周縁に開封用タブを有する所定の形状に打ち抜かれた枚葉形状の即席食品用容器の蓋材において、片面塗工紙からなる紙層と樹脂層とが積層一体化された層構成を有していて、前記紙層の片面塗工紙は総紙秤量が90〜130g/mであり、総紙秤量に対するコート剤塗布量の質量割合が20〜30%であって、前記片面塗工紙のコート剤を塗工してなるコート層は、顔料成分と樹脂成分から成り、顔料成分と樹脂成分の質量比が、顔料成分/樹脂成分=90/10〜60/40であり、且つ、顔料成分には、該顔料成分での割合でカオリンが70%以上含有され、樹脂成分には、該樹脂成分での質量割合でSBRが50%以上含有されていることを特徴とする蓋材であり、この蓋材を提供して上記課題を解決する。
本発明の蓋材は、片面塗工紙と樹脂とが例えば接着剤や溶融樹脂によって貼り合わされ、紙層と樹脂層とが積層一体化されたもので、アルミニウム箔を用いないものとした。これによって、電子レンジ調理および金属探知機の使用を差し支えないものとした。
しかし、アルミニウム箔の不採用はフラット性を低下させる。このアルミニウム箔の不採用に起因するフラット性の低下を改善する為、次の手段を採用する。
第一に、紙層は片面塗工紙からなりその片面塗工紙はコート層(塗工層)を有するが、このコート層を含めた全紙秤量を90〜130g/mとする。全紙秤量が90g/m未満の場合、腰強度が不足しフラット性が悪い。逆に、全紙秤量が130g/mを越えて多すぎる場合、フラット性に大きな問題は無いものの、蓋材が厚くなって取扱い難い。そこで、片面塗工紙は好ましくは、全紙秤量が100〜120g/mである。
第二に、全紙(総紙坪量)に対するコート層の質量割合を20〜30%とする。コート層の質量割合が20%未満の場合には、紙繊維の影響が大きく、蓋材開封時の折り曲げ適性、即ち、デッドホールド性が改善されない。逆に、コート層の質量割合が30%を越える場合、コート層の硬さにより折り曲げ適性が得られず、コート層が片面に偏在することからフラット性が向上しない。また、過剰なコート層の付与はコストアップにも繋がる。
よって、コート層の質量割合を20〜30%にすることで、適度な折り曲げ適性、デッドホールド性、製品のフラット性が得られるものである。
そして、顔料成分/樹脂成分の質量比を上記の範囲にすることの意味は、コート剤(顔料成分+樹脂成分)中の樹脂成分の含有率が10%未満である場合、塗工表面の強度が不十分となり、グラビア印刷加工を行なう際に印刷圧に耐えられず、印刷不良や毛羽立ちの原因となる。
コート剤(顔料成分+樹脂成分)中の樹脂成分の含有率が40%を超える場合、顔料成分により付与される表面の平滑性が損なわれ、印刷加工適性が得られない。また、コストアップにも繋がる。
さらに、顔料成分としてカオリンを顔料成分中に70%以上含有することにより、紙層表面の平滑性を得られることから、高い印刷加工適性を確保することができる。また、樹脂成分としてSBR(スチレンブタジエンラバー)を樹脂成分中に50%以上含有することにより、コート層の顔料粒子間の接着強度を確保することができる。
(請求項の発明)
請求項に記載の発明は、上記開封用タブは蓋材本体から側方に向けて突出していて、該開封用タブの突出方向が、蓋材本体における上記片面塗工紙の繊維方向と直角となっている請求項1に記載の蓋材からなるものである。
本発明の蓋材を取り付けた容器を開封する場合では開封用タブを持って捲り上げることから、片面塗工紙(紙層)の繊維の方向性をデッドホールド性に利用する。
(請求項の発明)
請求項に記載の発明は、蓋材表面に凹凸パターンが賦型されている請求項1または2に記載の蓋材からなるものである。
紙層と樹脂層とが積層一体化されてなる本蓋材に、凹凸パターンの型付け加工を行なうことによって、貼り合わせ時の張力アンバランスから生じた積層体の歪みが改善され、フラット性が向上し、耐ブロッキング性が改善され、充填ライン適性を向上させるために設けるものである。
その形状は、布目状、線状、その他細かな抽象柄など、任意のパターンで設けてよく、凹凸部の高さの差は5〜30μmの範囲が適当である。
このような凹凸パターンは公知のエンボス法で設けることができる。
(請求項の発明)
請求項に記載の発明は、上記開封用タブには、紙層から樹脂層まで貫通した切り込みにより、蓋材の被着体容器周縁部に係止可能な係止部が形成されている請求項1からの何れか一項に記載の蓋材からなるものである。
この発明は、特徴的な片面塗工紙(コート紙)を用い、その他、加工上の工夫で付与した蓋材開口時のデッドホールド性能ではなく、注湯後に内容物を蒸らす際に必要である再封性を付与する為の工夫であって、係止部を蓋材の被着体容器周縁部に引っ掛けることで再封性を付与するものである。
(請求項の発明)
請求項に記載の発明は、蓋材本体の外周縁と上記開封用タブの境界部分に紙層のみ貫通した破線状の切り込みが配置され、該破線状の切り込みの破断により蓋材の被着体容器周縁部に係止可能な係止部となる係止予定部が形成されている請求項1からの何れか一項に記載の蓋材からなるものである。
この発明により、請求項5に記載の発明と同様、注湯後の再封性を付与するものである。
(請求項の発明)
請求項に記載の発明は、上記樹脂層は、層厚みが20μm〜60μmであって、単層または多層であり、蓋材の被着体容器側の樹脂層であるシーラント層は、ポリプロピレン系樹脂を主成分とした混合樹脂層である請求項1〜の何れか一項に記載の蓋材からなるものである。
この発明は、特に電子レンジ調理対応容器への用途とすることに適するようにするもので、容器がポリプロプレン系樹脂を主成分とした容器である場合が多いことから、蓋材の被着体容器側の樹脂層であるシーラント層をポリプロピレン系樹脂を主成分として層として積層することにより、電子レンジ調理用容器へのシール適性を付与している。
また、樹脂層の厚みを20〜60μmとしている理由としては、20μmより薄い場合ではシール時の樹脂埋まり適性が得られず、60μmより厚い場合では樹脂の腰強度が強くデッドホールド性が阻害されることによる制約条件である。
(請求項の発明)
請求項の発明は、上記樹脂層は、層厚みが20μm〜60μmであって、単層または多層であり、蓋材の被着体容器側の樹脂層であるシーラント層は、低密度ポリエチレン樹脂、または、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、または、酸共重合体樹脂を主成分とした混合樹脂層である請求項1〜の何れか一項に記載の蓋材からなるものである。
この発明は、請求項と同じく電子レンジ調理対応容器への用途とすることに適するようにするもので、容器が、ポリエチレン樹脂層をシーラント層として積層した紙カップ容器であることに対応し、その容器のシーラント層であるポリエチレン樹脂層へのシール適性を付与している。
本発明の蓋材は、巻き取り状の蓋材として、巻き取り状の蓋材を供給する充填シール機などでも使用することができるが、上記のような構成を採ることにより、製品形状(容器開口部を閉じる形状)に打ち抜いた枚葉形態の蓋材を供給する自動充填シール機で使用することができ、充填機上で二枚取りなどのトラブルがなく良好に使用することができる蓋材である。
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、金属探知機による検査適性や、電子レンジ調理適性などを付与すると共に、カールの安定性により生産・充填適性にも優れ、また、開口後の注湯時には開口性を保持し、麺を蒸らす際の再封適性も良好な蓋材であり、また、アルミニウム箔を使用しないことからコスト面、使用後の廃棄適性にも優れ、更に紙基材の構成から、印刷適性にも優れるという総合的に優れた性能を備えた熱封緘性蓋材が得られる。
そして、紙層表面の平滑性を得られて高い印刷加工適性を確保することができ、また、紙層表面においてコート層の顔料粒子間の接着強度を確保することができるようになる。
(請求項の発明の効果)
本発明の蓋材でカップ型容器の上端開口部を閉じ、そしてその蓋材を開くときには、開封用タブをもって捲り上げることになるが、その捲り上げ操作で蓋材が折り曲げられ、その曲がり部分の方向が片面塗工紙(紙層)の繊維の方向と平行となって大きな反発力を生じない。
よって請求項の発明によれば、開封用タブにより、片面塗工紙の繊維の方向性をデッドホールド性に適正に利用する捲り上げ方向を簡単に指示できるようになる。
(請求項の発明の効果)
請求項の発明により、貼り合わせ時の張力アンバランスから生じた積層体の歪みが改善されるようになる。よって、蓋材のフラット性が向上し、耐ブロッキング性が改善されて、充填ライン適性が向上するようになる。
(請求項の発明の効果)
請求項の発明により、係止部を蓋材の被着体容器周縁部に引っ掛けることで、本蓋材を取り付けた容器に簡単な構成で、かつ容器側に新たな構成を設けることなく再封性を付与することができるようになる。
(請求項の発明の効果)
請求項の発明と同様にこの請求項の発明により、係止部を蓋材の被着体容器周縁部に引っ掛けることで、本蓋材を取り付けた容器に簡単な構成で、かつ容器側に新たな構成を設けることなく再封性を付与することができるようになる。
(請求項の発明の効果)
容器にはポリプロプレン系樹脂を主成分とした容器である場合が多く、請求項の発明により、ポリプロプレン系樹脂を主成分とした容器に用いることができ、よって、電子レンジ調理用容器へのシール適性が付与されるようになる。
(請求項の発明の効果)
また、同様に容器は、ポリエチレン樹脂層をシーラント層として積層した紙カップ容器である場合も多く、請求項の発明により、そのポリエチレン樹脂層をシーラント層とした容器へのシール適性を付与し、よって、電子レンジ調理用容器へのシール適性が付与されるようになる。
次に、本発明の蓋材の構成及び製造方法などその実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の蓋材の一実施例の構成を示す模式断面図である。但し、本発明は一実施例に限定されるものではない。
蓋材10は、図2に示すように上方に向けて略テーパー状に拡径したカップ型容器(被着体容器)aの容器本体における上端開口部bを密封する円形のものであり、容器本体の開口周縁部cに蓋材10の外周辺11がヒートシールにより剥離可能にして接合されるものである。
上記蓋材10は、図1に示すように片面塗工紙からなる紙層1と樹脂層2とが一体に積層された層構成を有する積層体を打ち抜いて、円形形状とした蓋材本体12の外周辺から外方に向けて突出する開封用タブ13を一体にして有する枚葉形状とされて、表面にエンボス加工が施されて微細な凹凸パターンを有している。さらに、図3に示すように前記蓋材本体12と開封用タブ13との境界部分に、紙層1から樹脂層まで貫通した切り込みを入れて容器本体の開口周辺部cに係止可能な係止部14が設けられており、図4に示すように蓋材10を一旦捲り上げた後にその蓋材10を戻すように閉じ、さらに前記係止部14を図5に示すように開口周縁部cに係止させることで、蓋材10による再封止がより良好に行なえるように設けられている。
この例において係止部14は紙層1から樹脂層2を貫通する切り込み、即ち、蓋材10の厚さ方向に全貫通する切り込みからなるものであり、略コ字状として対とされているが、開封用タブ13と蓋材本体12との連続状態を確保するために、少なくとも開封用タブ13の基端側の両端が蓋材本体12に連続しており、この両端については係止部14を設けていない。
上記係止部14は蓋材10を貫通する対の切り込みから形成したが、図6に示すように係止部14を一つの切り込みからなるものとしてもよい。また、再封止するための係止手段を得る手法がこれらの例に限定されるものではない。その他の例としては、図7に示すように蓋材本体12の外周縁と開封用タブ13の境界部分に紙層のみ貫通した破線状の切り込み15を入れ、再封止に際してこの切り込み15を破断することで上記容器本体の開口周縁部cに係止可能な係止部が得られるように、前記破線状の切り込み15から係止予定部16を形成することも可能である。
図1の断面で示されているように蓋材10は、外面(上面であり、被着体容器側とは反対側となる面)にコート剤を塗工してなるコート層17が積層された紙層1を基材とし、前記外面側に、文字、絵柄、光沢ニス等のインキ層3を印刷し、紙層1の内面(下面側で被着体容器側となる面)側には容器本体の開口周縁cにヒートシールするためのシーラント層としての樹脂層2を積層した構成である。
尚、樹脂層2は単層でも多層でも良いが、樹脂層の最内面(最下層)はポリオレフィン系のイージーピールシーラント樹脂層である。また、紙層1と樹脂層2の間には遮光性インキ層を印刷などにより積層することができる。
上記構成において、紙層1は上述したように蓋材10の基材となるものであり、坪量が90g/m未満の場合は、剛性や機械的強度がやや不足し、130g/mを超える場合は、剛性は既に充分であり、それ以上の必要性がなく、むしろヒートシールに時間を要し、紙の層間強度なども低下傾向となるため好ましくない。
また、紙層1の材料である片面塗工紙のコート剤の塗布量は、片面塗工紙の総紙秤量90〜130g/m中、質量割合で20〜30%とするものであり、20%未満の場合は、コート層積層よる効果が十分に発揮されず、30%を超える場合は、コート層による過剰な剛性が付与されてしまう為、デッドホールド性を低減させるので好ましくない。
紙層1を構成する片面塗工紙のコート剤は顔料成分と樹脂成分からなり、顔料成分としては、カオリン、重炭、樹脂成分としてはSBR(スチレンブタジエンラバー)、でんぷんなどを主成分として使用することができる。これらの質量比が、顔料成分/樹脂成分=90/10〜60/40の範囲内であり、且つ、主要な顔料成分としてカオリンを顔料成分中の70%以上含有し、主要な樹脂成分としてSBRを樹脂成分中の50%以上含有している。
このようなコート剤をコートする方法としては、エアナイフ法やブレード法などにより片面塗工紙にする紙材料の外面側(片面側)にコートすることができる。
また、一度に塗布すると表面の平滑性が失われ、印刷基材としての性能が低減する為、二回に分けて積層することが好ましい。
シーラント層としての樹脂層3は、その層厚みが20μm〜60μmであって、上述したように単層または多層である。そして、蓋材10の被着体容器側の樹脂層であるシーラント層については、ポリプロピレン系樹脂を主成分とした混合樹脂層とすることが可能である。
また、シーラント層とする樹脂層は、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、及び、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、及び、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(EAA)などの酸コポリマー樹脂を主成分とした混合樹脂層とすることも可能である。
なお、シーラント層としての樹脂層の素材は、いずれにしても被着体容器の少なくとも開口周縁部の接合面側の素材に応じて選択されるべきものであり、イージーピール性を確保してヒートシールできるものとすることが必要である。
以下に、試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(試験例1)
図1に示した構成の熱封緘性の蓋材を作製することとし、蓋材の基材(紙)として全紙坪量105g/mの片面塗工紙を用い、その外面側に多色グラビア印刷機を用いて文字、絵柄、光沢ニス等のインキ層の印刷を行って紙層1を形成した。
次いで、紙層1の内面側に多色グラビア印刷機を用いて、カーボンブラックと酸化チタンの混合系の顔料を含有する遮光性インキを版深35μmのベタ版を用いて、2ユニットで重ね刷りし、塗布量6g/m(固形分)の遮光性インキ層を設けた。
この時に用いる片面塗工紙は、坪量80g/mの原紙に対し、顔料成分であるカオリン75/重炭25/樹脂成分であるSBR15/でんぷん3の質量比(75:25:15:3)の各成分を固形分として含む水系のコート剤を、二回に分けてブレード法で合計25g/mで塗工して得たものである。
上記2ユニットとは。二台の多色グラビア印刷機を連接させている形態を指し、この形態の下で「コート」→「乾燥」→「コート」→「乾燥」の工程を進めて塗工を行なう。
次に、前記遮光性インキ層の上に、コロナ放電処理を施し、低密度ポリエチレン樹脂層(厚20μm)/エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂層(厚15μm)/低密度ポリエチレンとポリブチレンのポリマーアロイ(混合樹脂)層(厚15μm)の三層を共押し出し樹脂加工により積層して試験例1の蓋材原反を作製した。
(試験例2)
蓋材の基材には試験例1と同じ全紙坪量110g/mの片面塗工紙を用い、その外面側(上面側)に多色グラビア印刷機を用いて文字、絵柄等のインキ層を付与し、その裏面側(被着体容器側となる面)に遮光性インキ層の印刷加工を行った。
この時用いる片面塗工紙は、坪量80g/mの原紙に対し、顔料成分であるカオリン100/樹脂成分であるSBR50の質量比の各成分を固形分として含む水系のコート剤を、二回に分けてブレード法で合計30g/mで塗工した。
次に、前記遮光性インキ層の上にノンソルベントラミネート法によりウレタン系接着剤を2g/mで塗布した後に両面コロナ処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚12μm)を積層した。更にこのポリエチレンテレフタレートフィルムの内面側(被着体容器側となる面)に、同じくノンソルベントラミネーション法によりウレタン系接着剤を2g/mで塗工した後に、ポリプロピレン樹脂層(厚20μm)/ポリプロピレン樹脂とポリブチレン樹脂のポリマーアロイ(混合樹脂)層(厚10μm)の二層構成のイージーピールシーラントフィルムを積層した。この積層体にエンボス法により、凹部が格子状のパターンで、凸部の高さが25μmとなる凹凸パターンを賦型して試験例2の蓋材原反を作製した。
(試験例3)
蓋材の基材として全紙坪量80g/mの片面塗工紙を用いる。この時用いる片面塗工紙は、坪量60g/mの原紙に対し、上記試験例2と同固形分配合の水系のコート剤を、二回に分けてブレード法で合計20g/mで塗工して得た。その他、加工条件は試験例1と同じである。
(試験例4)
試験例1と同じく、蓋材の基材として全紙坪量105g/mの片面塗工紙を用いるが、この時用いる片面塗工紙は、坪量90g/mの原紙に対し、同固形分配合の水系のコート層を、二回に分けてブレード法で合計15g/mで塗工した。その他、加工条件は試験例1と同じである。
(試験例5)
試験例1と同じく、蓋材の基材として全紙坪量105g/mの片面塗工紙を用いるが、この時用いる片面塗工紙は、坪量80g/mの原紙に対し、顔料成分であるカオリン100/樹脂成分であるSBR100の質量比の各成分を固形分として含む水系のコート剤を、二回に分けてブレード法で合計25g/mで塗工した。その他、加工条件は試験例1と同じである。
以上のようにして作製した試験例1〜5の各蓋材原反の印刷上がり状態を目視で評価した。また、積層後の原反を片面塗工紙の繊維方向に垂直につまみ片(開封用タブ)の付いた直径180mmの円形形状に打ち抜いて枚葉形態の蓋材を作製し、試験例1,3,4,5は低密度ポリエチレンで被覆された紙カップ容器、試験例2はポリプロピレンシート材の成型容器にヒートシールした後、デッドホールド性について下記により調べた。
(評価手法)
1)印刷適性
蓋材の基材の外面に設けられた絵柄において、網点抜けの有無を目視にて確認し、その結果を表1に示した。網点抜けが無い場合を○、網点抜けがあった場合に×とした。
2)デッドホールド性
つまみ片より角度135°で容器半分まで手剥きした後、容器側面から目視にて開封角度を確認した。この時、容器フランジ/蓋材の角度が30°以上であればデッドホールド性が良好であり、これを表1において○として示し、30°以下であればデッドホールド性が不良であり、これを表1において×として示した。
Figure 0005326422
なお、表1の項目中、「製品坪量」とは上記総紙坪量である。また、「塗工比率塗工/紙」とは総紙坪量に対するコート剤塗布量(塗工量)の質量割合である。また、「DF性」とはデッドホールド性である。
表1に示されているように試験例1、2が良好であり、試験例3、4、5に不良である点が確認された結果から、蓋材にあっては、紙層の片面塗工紙は総紙秤量が90〜130g/mの範囲であり、総紙坪量に対するコート剤塗布量の質量割合が20〜30%の範囲に収まるものが良好であることが分かった。
本発明に係る蓋材の一例の積層構成を断面で概略的に示す説明図である。 一例の蓋材をカップ型容器に取り付けた状態を示す説明図である。 一例の蓋材を示す説明図である。 カップ型容器に取り付けた蓋材の一部を捲り上げた状態を示す説明図である。 係止部が容器の開口周縁部に係止する状態を示す説明図である。 他の例における蓋材を示す説明図である。 係止予定部を示す説明図である。
符号の説明
1…紙層
2…樹脂層
10…蓋材
11…外周辺
12…蓋材本体
13…開封用タブ
14…係止部
15…切り込み
16…係止予定部
17…コート層
a…容器
b…上端開口部
c…開口周縁部

Claims (7)

  1. 容器本体の上端開口部を密封する蓋材であって、アルミニウム箔などの金属層を備えない積層体であり、且つ、外周縁に開封用タブを有する所定の形状に打ち抜かれた枚葉形状の即席食品用容器の蓋材において、
    片面塗工紙からなる紙層と樹脂層とが積層一体化された層構成を有していて、前記紙層の片面塗工紙は総紙秤量が90〜130g/mであり、総紙秤量に対するコート剤塗布量の質量割合が20〜30%であって、
    前記片面塗工紙のコート剤を塗工してなるコート層は、顔料成分と樹脂成分から成り、顔料成分と樹脂成分の質量比が、顔料成分/樹脂成分=90/10〜60/40であり、且つ、顔料成分には、該顔料成分での割合でカオリンが70%以上含有され、樹脂成分には、該樹脂成分での質量割合でSBRが50%以上含有されていることを特徴とする蓋材。
  2. 上記開封用タブは蓋材本体から側方に向けて突出していて、該開封用タブの突出方向が、蓋材本体における上記片面塗工紙の繊維方向と直角となっている請求項に記載の蓋材。
  3. 蓋材表面に凹凸パターンが賦型されている請求項1または2に記載の蓋材。
  4. 上記開封用タブには、紙層から樹脂層まで貫通した切り込みにより、蓋材の被着体容器周縁部に係止可能な係止部が形成されている請求項1からの何れか一項に記載の蓋材。
  5. 蓋材本体の外周縁と上記開封用タブの境界部分に紙層のみ貫通した破線状の切り込みが配置され、該破線状の切り込みの破断により蓋材の被着体容器周縁部に係止可能な係止部となる係止予定部が形成されている請求項1からの何れか一項に記載の蓋材。
  6. 上記樹脂層は、層厚みが20μm〜60μmであって、単層または多層であり、蓋材の被着体容器側の樹脂層であるシーラント層は、ポリプロピレン系樹脂を主成分とした混合樹脂層である請求項1〜の何れか一項に記載の蓋材。
  7. 上記樹脂層は、層厚みが20μm〜60μmであって、単層または多層であり、蓋材の被着体容器側の樹脂層であるシーラント層は、低密度ポリエチレン樹脂、または、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、または、酸共重合体樹脂を主成分とした混合樹脂層である請求項1〜の何れか一項に記載の蓋材。
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