JP4940524B2 - イージーピール蓋材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着するイージーピール( Easy Peel;皮を剥がし易い )蓋材であって、アルミニウム箔を積層していない構成で、開封が容易であって、熱湯を注ぐ時に、カップ容器が閉蓋して熱湯が注ぎ難いなどの問題が少ないイージーピール蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図3に示すように、熱湯を注いで調理するカップラーメン用など発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着する紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とに加えて、7μm程度のアルミニウム箔8を積層して成るイージーピール蓋材が一般に広く用いられているものであって、この7μm程度のアルミニウム箔に、与えられた形状をそのまま保持する性質( デッドホールド性と言う、以下同じ )があるために、蓋材20の紙材料層4にデッドホールド性がないことから、紙材料層自体の反発力や、熱湯から発生する蒸気の吸収による自重の増加により復元しようとする力の影響を受け難く、また蓋材20のイージーピール層6が蒸気により収縮しようとする力が働いて、元の形状に戻ろうとする性質( 形状記憶性と言う、以下同じ )を抑えて、蓋材20を中央付近まで剥がして外側に折曲げ、カップ容器30を途中まで開蓋した状態で熱湯を注ぐ時に、カップ容器30が閉蓋して熱湯が注ぎ難いなどの問題は少なかった。
【0003】
また従来から、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着する、廃棄時の処理処分や食品類の金属探知などの理由で、アルミニウム箔を積層していないイージーピール蓋材が、強く望まれていた。
【0004】
すなわち、例えば図4に示すような、上質紙や片面アート紙などの、表面に美麗な印刷をした紙材料層4と、ポリエステルや延伸ナイロンやセラミック蒸着付のポリエステル、延伸ポリプロピレンなどの、強度や各種バリアー性などが優れた樹脂フィルム層5と、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA )やポリエチレンとポリブテンとのブレンド樹脂や通常のホットメルト接着剤などの、密封性などが優れている上に、熱融着した後に容易に剥がすことができるイージーピール層6とを、図示していない接着剤層を介するなどして適宜に積層して成る、周縁につまみ21を有するイージーピール蓋材である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着する、アルミニウム箔を積層していない、図4に示す紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを、適宜に積層して成る、周縁につまみ21を有するイージーピール蓋材については、蓋材20のつまみ21に指を掛けて、やゝ強く引張るだけで、簡単にカップ容器30を開蓋することができる、開蓋が容易なイージーピール蓋材であるものの、蓋材20の紙材料層4が、熱湯から発生する蒸気の影響を受け易いために、また蓋材20のイージーピール層6が収縮して、元の形状に戻ろうとする性質があるために、蓋材20を中央付近まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋した状態で熱湯を注ぐ時に、外側に折曲げた紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とが、蒸気の影響を受けるなどして元の形状に戻ることが多くて、カップ容器30が閉蓋して熱湯が注ぎ難いなどの問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着するイージーピール蓋材であって、アルミニウム箔を積層していない、蓋材20の紙材料層4が、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難くして、また蓋材20の樹脂フィルム層5とイージーピール層6との、元の形状に戻ろうとする性質を抑えて、それぞれにデッドホールド性を付与した、蓋材20を中央付近まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋した状態で熱湯を注ぐ時に、カップ容器30が閉蓋して熱湯が注ぎ難いなどの問題が少ないイージーピール蓋材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、紙材料層と樹脂フィルム層とイージーピール層とを積層して成り、周縁につまみを有するイージーピール蓋材において、該蓋材の紙材料層に、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の紙材料層の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線と、該蓋材の樹脂フィルム層とイージーピール層とに、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の樹脂フィルム層を貫通しイージーピール層の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線とを、それぞれ位置をずらして重ならないように設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0008】
上記請求項1に係る発明によれば、図1A、B、図2に示すように、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成り、周縁につまみ21を有するイージーピール蓋材において、蓋材20の紙材料層4に、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の紙材料層4の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線2、2、2、…と、蓋材20の樹脂フィルム層5とイージーピール層6とに、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の樹脂フィルム層5を貫通してイージーピール層6の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線3、3、3、…とを、それぞれ位置をずらして、重ならないように設けたことによって、この紙材料層4の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した蓋材20の直線状又はミシン目状の切れ目線2、2、2、…で切断された紙材料層4と、樹脂フィルム層5を貫通してイージーピール層6の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線3、3、3、…で切断された樹脂フィルム層5とイージーピール層6との元の形状に戻ろうとする性質を抑えて、それぞれに開蓋方向の与えられた形状をそのまま保持する性質( デッドホールド性 )を付与することができるものであって、蓋材20を中央付近まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋した状態で熱湯を注ぐ時に、外側に折曲げた紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とが、蒸気の影響を受けるなどして元の形状に戻ることが少ないために、カップ容器30が閉蓋して熱湯が注ぎ難いなどの問題が少ないイージーピール蓋材を提供することができる。
【0009】
しかも、本発明のイージーピール蓋材においては、蓋材20の樹脂フィルム層5とイージーピール層6とに、前述した樹脂フィルム層5を貫通してイージーピール層6の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線3、3、3、…を、密封性などが優れているイージーピール層6の下層を残して設けたことによって、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着する、密封性などを損なう恐れがないイージーピール蓋材を提供することができる。また、蓋材20の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の、表面に美麗な印刷をした紙材料層4の最上層(表面)を残して、紙材料層4の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線2、2、2、…を設けたことによって、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着する、美麗な印刷をした紙材料層4の展示効果などを損なう恐れがないイージーピール蓋材を提供することができる。
【0010】
紙材料層と樹脂フィルム層とイージーピール層とを積層して成り、周縁につまみを有するイージーピール蓋材において、該蓋材の中央付近からつまみに至る部分の紙材料層に、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の紙材料層の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線と、該蓋材の中央付近からつまみに至る部分の樹脂フィルム層とイージーピール層とに、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の樹脂フィルム層を貫通してイージーピール層の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線とを、それぞれ位置をずらして重ならないように設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0011】
上記請求項2に係る発明によれば、図1A、B、図2に示すように紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成り、周縁につまみ21を有するイージーピール蓋材において、蓋材20を中央付近まで剥がして、外側に折曲げる中央付近からつまみ21に至る部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の紙材料層4の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線2、2、2、…と、蓋材20を中央付近まで剥がして、外側に折曲げる中央付近からつまみ21に至る部分の樹脂フィルム層5とイージーピール層6とに、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の樹脂フィルム層5を貫通してイージーピール層6の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線3、3、3、…とを、それぞれ位置をずらして、重ならないように集中的に設けたことによって、蓋材20の、この紙材料層4の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線2、2、2、…で切断された紙材料層4と、樹脂フィルム層5を貫通してイージーピール層6の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線3、3、3、…で切断された樹脂フィルム層5とイージーピール層6との、元の形状に戻ろうとする性質を抑えて、それぞれに開蓋方向の与えられた形状をそのまま保持する性質(デッドホールド性 )を、効果的に付与することができるものであって、蓋材20を中央付近まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋した状態で熱湯を注ぐ時に、カップ容器30が閉蓋して熱湯が注ぎ難いなどの問題が、より少ないイージーピール蓋材を提供することができる。また、蓋材20の紙材料層4に、開蓋方向に直交する1列又は2列以上の、表面に美麗な印刷をした紙材料層4の最上層(表面)を残して、紙材料層4の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線2、2、2、…を設けたことによって、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着する、美麗な印刷をした紙材料層4の展示効果などを損なう恐れがないイージーピール蓋材を提供することができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は請求項2に係るイージーピール蓋材において、前記紙材料層の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線と、前述した樹脂フィルム層を貫通しイージーピール層の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線とを、それぞれ交互に等間隔に位置をずらして重ならないように設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0013】
上記請求項3に係る発明によれば、蓋材20の紙材料層4に、開蓋方向に直交する方向に延びた1列又は2列以上の前述した紙材料層4の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線2、2、2、…と、蓋材20の樹脂フィルム層5とイージーピール層6とに、開蓋方向に直交する方向に延びた1列又は2列以上の前述した樹脂フィルム層5とイージーピール層6の途中迄とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線3、3、3、…とを、それぞれ交互に等間隔に位置をずらして、重ならないように設けたことによって、蓋材20を中央付近まで剥がして外側に折曲げた時などに、無理なく外側に折曲げることができるために、蓋材20が切断される恐れが殆どないものであって、蓋材20のつまみ21に指を掛けて、やゝ強く引張るだけで、簡単にカップ容器30を安定して開蓋することができる開蓋が容易なイージーピール蓋材を提供することができる
【0016】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係るイージーピール蓋材において、前記紙材料層の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線及び前記樹脂フィルム層を貫通しイージーピール層の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線から選ばれた1つ以上の前記切れ目線を前記蓋材の熱融着する周縁部を除いて設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0017】
上記請求項4に係る発明によれば、前記紙材料層4の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線2、2、2、…及び前記樹脂フィルム層5を貫通して、イージーピール層6の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線3、3、3、…から選ばれた1つ以上の前記切れ目線を前記蓋材の熱融着する周縁部を除いて設けたことによって、上記切れ目線などによるデッドホールド性の発現に加えて、つまみ21を持って開蓋する際に前記切れ目線を起点として生じる紙ムケなどの材料破壊の発生を防止できる。したがって材料破壊により開蓋した際の見映えが悪くなるのを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1A、Bは、本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材の断面説明図、平面図である。
また図2は、本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材を、カップ容器30に被せて熱融着した状態を示す断面図である。
【0019】
本実施の形態のイージーピール蓋材は、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを積層して成る、周縁につまみ21を有するイージーピール蓋材において、蓋材20の熱融着する周縁部22を除いた部分の、中央付近からつまみ21に至る部分の紙材料層4に、開蓋方向( 図1A、B、図2では右左方向 )に直交する方向に延びる5列の紙材料層4の最上層を残して、紙材料層4の中間層と下層とを貫通したミシン目状の切れ目線2、2、2、…と、蓋材20の熱融着する周縁部22を除いた部分の、中央付近からつまみ21に至る部分の樹脂フィルム層5とイージーピール層6とに、開蓋方向に直交する方向に延びる4列のイージーピール層6の下層を残して、樹脂フィルム層5を貫通してイージーピール層6の途中迄貫通した直線状の切れ目線3、3、3、…とを、それぞれ交互に等間隔に位置をずらして重ならないように設けたイージーピール蓋材である。
【0020】
本実施の形態のイージーピール蓋材における、紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを適宜に積層して成るイージーピール蓋材については、上質紙や両面アート紙、片面アート紙、コート紙などの表面に美麗な印刷をした50〜160g/m2 の紙材料層4と、ポリエステルや延伸ナイロンや延伸ポリプロピレンや酸化アルミニウムや酸化珪素などの金属酸化物をセラミック蒸着したポリエステル、延伸ポリプロピレンなどの強度や各種バリアー性などが優れた2〜12μmの樹脂フィルム層5と、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMAA)やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリエチレンとポリブテンとのブレンド樹脂やワックス系の通常用いられるホットメルト接着剤などの、密封性などが優れている上に、後述するカップ容器30のフランジ31に熱融着した後に容易に剥がすことができる、カップ容器30の構成材料(発泡スチロールや紙+ポリエチレンやポリプロピレンなど)に適合した5〜30μmのイージーピール層6とを、図1Aに示すように、ポリエステル系ポリウレタンやポリエーテル系ポリウレタンなどの適宜の接着剤層7、7を介して、後述するドライラミネーション又は押出しラミネーションと通称する巻取り状の積層工程で、特に制約なく積層することができる。
【0021】
本実施の形態のイージーピール蓋材における、紙材料層4の中間層と下層とを貫通したミシン目状の切れ目線2、2、2、…については、図1Aに示す紙材料層4と樹脂フィルム層5、イージーピール層6とを、後述する適宜の接着剤層7を介して積層する前に、通常の金属製の打抜刃装置やレーザーカット装置などを用いて、紙材料層4の下層側から、図1Bに示すように、蓋材20の熱融着する周縁部22を除いた部分の、中央付近からつまみ21に至る部分の紙材料層4に、4〜8mm間隔の開蓋方向に直交する方向に延びる5列の紙材料層4の中間層と下層とを貫通したミシン目状の切れ目線2、2、2、…を、美麗な印刷をした紙材料層4の最上層を残して、特に制約なく設けることができる。
【0022】
本実施の形態のイージーピール蓋材における、樹脂フィルム層5とイージーピール層6の途中迄とを貫通した直線状の切れ目線3、3、3、…については、図1Aに示す樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを、ポリエステル系ポリウレタンなどの熱融着性の接着剤層7を介して、通常の押出しラミネーション方法で積層した後に、通常のレーザーカット装置や金属製の打抜刃装置などを用いて、樹脂フィルム層5側から、図1Bに示すように、蓋材20の熱融着する周縁部22を除いた部分の、中央付近からつまみ21に至る部分の樹脂フィルム層5とイージーピール層6とに、同じ4〜8mm間隔の開蓋方向に直交する方向に延びる4列の樹脂フィルム層5を貫通してイージーピール層6の途中迄貫通した直線状の切れ目線3、3、3、…を、密封性などが優れているイージーピール層6の下層を残して、切れ目線2、2、2、…と交互に等間隔(2〜4mm)に位置をずらして、重ならないように設けることができる。
【0023】
続いて、図1Bに示す紙材料層4の中間層と下層とを貫通したミシン目状の切れ目線2、2、2、…を設けた、前述した図1Aに示す紙材料層4と、樹脂フィルム層5とイージーピール層6とを接着剤層7を介して積層して、図1Bに示す樹脂フィルム層5を貫通してイージーピール層6の途中迄貫通した直線状の切れ目線3、3、3、…を設けた、前述した図1Aに示す樹脂フィルム層5、イージーピール層6とを、ウレタン系などの適宜の接着剤層7を介して、通常のドライラミネーション方法で積層した後に、周辺を打抜刃などで適宜に切断して除去して、本実施の形態の、図1Bに示す周縁につまみ21を有するイージーピール蓋材を作製して、図2に示すように、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、通常の発泡スチロール製やポリエチレンコートをしたカップ原紙製や成形ポリプロピレン製などのカップ容器30に被せて、カップ容器30のフランジ31に蓋材20の周縁部22を熱融着したところ、蓋材20のつまみ21に指を掛けて、やゝ強く引張るだけで、簡単にカップ容器30を開蓋することができる、従来と同様に開蓋が容易なイージーピール蓋材を得ることができた。
【0024】
本実施の形態のイージーピール蓋材においては、蓋材20の熱融着する周縁部22を除いた部分の、蓋材20を中央付近まで剥がして、外側に折曲げる中央付近からつまみ21に至る部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する方向に延びる5列の紙材料層4の最上層を残して、紙材料層4の中間層と下層とを貫通したミシン目状の切れ目線2、2、2、…と、蓋材20の熱融着する周縁部22を除いた部分の、蓋材20を中央付近まで剥がして、外側に折曲げる中央付近からつまみ21に至る部分の樹脂フィルム層5とイージーピール層6とに、開蓋方向に直交する方向に延びる4列のイージーピール層6の下層を残して、樹脂フィルム層5を貫通しイージーピール層6の途中迄貫通した直線状の切れ目線3、3、3、…とを、それぞれ交互に等間隔に位置をずらして、重ならないように集中的に設けたことによって、
この紙材料層4の中間層と下層とを貫通した蓋材20のミシン目状の切れ目線2、2、2、…で切断された紙材料層4、及び樹脂フィルム層5とイージーピール層6の途中迄とを貫通した直線状の切れ目線3、3、3、…で切断された樹脂フィルム層5とイージーピール層6との、元の形状に戻ろうとする性質(形状記憶性)を抑えて、それぞれに開蓋方向の与えられた形状をそのまま保持する性質(デッドホールド性)を、効果的に付与することができるものであって、蓋材20を中央付近まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋した状態で熱湯を注ぐ時に、外側に折曲げた紙材料層4と樹脂フィルム層5とイージーピール層6とが、蒸気の影響を受けるなどして元の形状に戻ることが少ないために、カップ容器30が閉蓋して熱湯が注ぎ難いなどの問題が少ないイージーピール蓋材を得ることができた。
【0025】
【発明の効果】
以上実施の形態ほかに示すとおり、本発明のイージーピール蓋材においては、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて、蓋材20の周縁部22を熱融着するイージーピール蓋材であって、アルミニウム箔を積層していない、蓋材20の紙材料層4、及び樹脂フィルム層5とイージーピール層6との元の形状に戻ろうとする性質を抑えて、それぞれにデッドホールド性を付与した、蓋材20を中央付近まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋した状態で熱湯を注ぐ時に、カップ容器30が閉蓋して熱湯が注ぎ難いなどの問題が少ないイージーピール蓋材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1A、Bは、本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材の断面説明図、平面図である。
【図2】本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材を、カップ容器30に被せて熱融着した状態を示す断面図である。
【図3】従来のイージーピール蓋材の断面説明図である。
【図4】従来のイージーピール蓋材の断面説明図である。
【符号の説明】
2、3…切れ目線 4…紙材料層 5…樹脂フィルム層
6…イージーピール層 7…接着剤層 8…アルミニウム箔
20…蓋材 21…つまみ 22…周縁部 30…カップ容器 31…フランジ
Claims (4)
- 紙材料層と樹脂フィルム層とイージーピール層とを積層して成り、周縁につまみを有するイージーピール蓋材において、該蓋材の紙材料層に、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の紙材料層の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線と、該蓋材の樹脂フィルム層とイージーピール層とに、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の樹脂フィルム層を貫通しイージーピール層の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線とを、それぞれ位置をずらして重ならないように設けたことを特徴とするイージーピール蓋材。
- 紙材料層と樹脂フィルム層とイージーピール層とを積層して成り、周縁につまみを有するイージーピール蓋材において、該蓋材の中央付近からつまみに至る部分の紙材料層に、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の紙材料層の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線と、該蓋材の中央付近からつまみに至る部分の樹脂フィルム層とイージーピール層とに、開蓋方向に直交する方向に延びる1列又は2列以上の樹脂フィルム層を貫通してイージーピール層の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線とを、それぞれ位置をずらして重ならないように設けたことを特徴とするイージーピール蓋材。
- 前記紙材料層の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線と、前述した樹脂フィルム層を貫通しイージーピール層の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線とを、それぞれ交互に等間隔に位置をずらして重ならないように設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイージーピール蓋材。
- 前記紙材料層の最上層を残して、紙材料層の中間層と下層とを貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線及び前記樹脂フィルム層を貫通しイージーピール層の途中迄貫通した直線状又はミシン目状の切れ目線から選ばれた1つ以上の前記切れ目線を前記蓋材の熱融着する周縁部を除いて設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のイージーピール蓋材。
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2001
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