JP3933481B2 - 湯切り孔付き蓋材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ入り生めん等のように、容器に収納されている袋入りの生めん、スープ、具等を取り出し、生めんを袋から取り出して容器に入れ、容器に熱湯を注いで一定時間放置した後に湯切りを行う用途に使用する湯切り孔付き蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カップ入り生めんのように、容器に収納されている袋入りの生めん、スープ、具等を取り出し、生めんを袋から出して容器に入れて熱湯を注ぎ一定時間放置した後に湯切りして使用する蓋付き容器としては、特開2001−19059号公報に記載されている、外蓋と内蓋が部分的に剥離可能に積層された構成からなり外周縁に外方に突出する摘み部が形成され、内蓋には、摘み部と対向する周縁部に湯切り孔切目が形成され、摘み部と湯切り孔切目が形成された領域を区画するように内蓋切目が形成され、外蓋の内面に湯切り孔切目が形成された領域に対向させて部分的に離型層が形成された構成の蓋材が知られている。
【0003】
しかしながら、上記の蓋材の場合は、容器の口部に熱接着により取り付けられた蓋材を摘み部を掴んで容器から剥離して、内蓋切目に沿って内蓋を切り取って大きい開口を形成すると同時に容器に接着された内蓋に湯切り孔を形成する際に、蓋材の剥離する方向と内蓋の両端部が容器から剥がれようとする方向が一致してしまうため、内蓋切目の両端部にて外蓋が内蓋から剥離せずに、内蓋が外蓋に接着した状態で熱接着部から剥離してきて、湯切り孔が形成された内蓋が容器に接着された状態で残らなくなってしまうケースが発生し湯切りができなくなるという欠点がある。また、容器に接着された状態で残った湯切り孔が形成された内蓋を容器から剥離して除去する際に摘み部がないために容器から剥離するのが困難であるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、蓋材を剥離して開封することにより、湯切り孔を有する内蓋を容器側に残すとともに内容物を取り出す大きい開口を形成することが可能であり、容器に接着されて残った湯切り孔が形成された内蓋を剥離して取り除くのが容易な生めん等の容器に使用する湯切り孔付き蓋材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
外蓋と内蓋が離型層を介して剥離可能に積層された構成からなり外周縁に外方に突出する摘み部を有する形状の蓋材であって、内蓋には、摘み部の近傍に剥離開始切目が形成され、前記剥離開始切目より中央側に湯切り孔切目が形成され、摘み部と蓋材の中心を結ぶ線に交差し対称な摘み部側に突出する円弧状ないしは円形状の内蓋切目が形成され、離型層が剥離開始切目と内蓋切目と蓋材の周端に囲まれた領域に形成された構成とすることにより、この蓋材を生めん等を収納した容器に熱接着して取り付けた包装体とし、摘み部を掴んで容器から蓋材を引き剥がすと、剥離開始切目の箇所から外蓋が内蓋から剥離されるとともに内蓋の湯切り孔切目に囲まれた部分が外蓋に接着した状態で抜き取られて湯切り孔が形成され、剥離が内蓋切目に達すると内蓋切目に沿って内蓋が切れて、内容物を取り出すための大きい開口を形成することができ、容器の口部には湯切り孔が形成された内蓋のみが接着された状態となる。この状態で開口部から容器に収納されている袋詰めされた生めん、具、スープ等を取り出し、生めんと具を袋から取り出して容器に入れて熱湯を注いで一定時間放置した後、内蓋に形成された湯切り孔から簡単に湯切りをすることができる。
【0006】
上記湯切り孔付き蓋材において、離型層が剥離開始切目の近傍領域においてベタ離型層とされ且つその他の領域において網点離型層とされている構成とすることにより、摘み部を掴んで蓋材を容器から剥離する際に、ベタ離型層が形成された剥離開始切目の近傍において、内蓋と外蓋が容易に剥離するとともに、湯切り孔切目が形成された領域は網点離型層とされており、外蓋と内蓋の剥離強度がやや強くなるので、湯切り孔切目に囲まれた部分は外蓋に接着した状態で抜き取られ、内蓋に湯切り孔を形成することができる。
【0007】
上記湯切り孔付き蓋材において、内蓋切目が内方に突出する内蓋剥離用の突出部を有する形状とすることにより、蓋材の摘み部を掴んで開封した後、容器に接着された状態で残った湯切り孔が形成された内蓋を内蓋剥離用の突出部を掴んで簡単に剥離することができる。
【0008】
上記湯切り孔付き蓋材において、内蓋切目が円弧状とされ、内蓋切目の一方の端縁部に外方に突出する内蓋剥離用の突出部を有する形状することにより、蓋材の摘み部を掴んで開封した後、容器に接着された状態で残った湯切り孔が形成された内蓋を指を汚すことなく内蓋剥離用の突出部を掴んで簡単に剥離することができる。
【0009】
上記湯切り孔つき蓋材において、前記外蓋が、紙層単体ないしはプラスチックフィルムと紙層の積層体からなり、前記内蓋が、ポリエチレン層とアルミニウム箔と熱接着性樹脂層の積層体からなる構成とすることにより、蓋材の内面からのハーフカットにより内蓋に剥離開始切目、湯切り孔切目、内蓋切目を形成するのが容易となる。また、アルミニウム箔を積層しているので蓋材のカールが少なくなり蓋を容器に熱接着する際の作業性がよくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示す底面図、図2は図1に於けるI−I断面図、図3は第1実施形態の蓋材を容器口部に熱接着した状態の断面図、図4は図3に示す状態から摘み部を掴んで蓋材を剥離させて内蓋に湯切り孔を形成した状態の断面図、図5は内蓋に湯切り孔を形成した状態の容器の平面図、図6は本発明の第2実施形態を示す底面図、図7は本発明の第3実施形態を示す底面図であって、1, 1', 1"は蓋材、2は摘み部、3は剥離開始切目、4は湯切り孔切目、5, 5', 5"は内蓋切目、6, 6', 6"は突出部、7は湯切り孔、8は熱接着部、9は容器、10は外蓋、11はプラスチックフィルム層、12は接着剤層、13は紙層、14は網点離型層、14a はベタ離型層、15は印刷層、20は内蓋、21はポリエチレン層、22はアルミニウム箔層、23は熱接着性樹脂層をそれぞれ表す。
【0011】
本発明の第1実施形態の蓋材1の底面図及び断面図は図1及び図2に示すとおりである。蓋材1の形状は、図1に示すように、略円形状であって外周端に蓋材1を剥離させて湯切り孔を形成するとともに容器に大きいを開口を形成するための摘み部2が外方に突出して形成されている。内蓋20には、摘み部2の近傍に剥離開始切目3が形成され、剥離開始切目3より内側の容器の中央側に複数の湯切り孔切目4が形成され、蓋材1の中央部には摘み部2と蓋材1の中心を結ぶ線に交差し対称な形状の摘み部2の側に突出する円弧状であり両端に内方に突出する突出部6を有する内蓋切目5が形成されている。外蓋10の内面には、剥離開始切目3と内蓋切目5と蓋材1の周縁に囲まれた領域には網点離型層14が形成され、剥離開始切目3の近傍領域にはベタ離型層14a が形成されている。剥離開始切目3は摘み部2を掴んで蓋材1を剥離することにより内蓋20から外蓋10を剥離させて湯切り孔を形成するためのものであり、内蓋切目5は内蓋20を切り取り蓋材に内容物を取り出すための大きい開口を形成するためのものである。
【0012】
第1実施形態の蓋材1の積層構成は、図2に示すとおりであって、外面から順に、プラスチックフィルム層11と接着剤層12と紙層13と網点離型層14及びベタ離型層14a からなる外蓋10と、ポリエチレン層21とアルミニウム箔22と熱接着性樹脂層23からなる内蓋20が積層された構成である。熱接着性樹脂層23として易剥離性樹脂が使用され熱接着された蓋材1が容器から剥離可能にされている。印刷層15は紙層13の外面に形成されている。外蓋10の紙層13の内面の形成されている離型層は、剥離開始切目3と内蓋切目5と蓋材1の周縁に囲まれた領域に形成されており、剥離開始切目3の近傍領域ではベタ離型層14a とされ、その他の領域では網点離型層14とされている。内蓋20には、摘み部2の近傍に剥離開始切目3が形成され、剥離開始切目3と内蓋切目5間の網点離型層14が形成された領域に複数の湯切り孔切目4が形成されている。剥離開始切目3と湯切り孔切目4と内蓋切目5は内蓋20を貫通する状態で形成されている。
【0013】
第1実施形態の蓋材1を容器に熱接着した状態は図3に示すとおりである。発泡ポリスチレン等からなる容器9のフランジ部に蓋材1が内面の熱接着性樹脂層23により熱接着部8にて熱接着されて取り付けられている。蓋材1を容器に熱接着する際には蓋材1の剥離開始切目3が熱接着部8の外端に位置するように取り付けられる。容器9に蓋材1を熱接着することにより容器9が完全に密封された状態となる。図3に示す容器9に蓋材1が取り付けられた状態から、蓋材1の摘み部2を掴んで蓋材1を容器9から引き剥がすと、剥離開始切目3にて外蓋10と内蓋20が剥離して外蓋10が内蓋20から剥がされ、内蓋切目5に達すると内蓋20が内蓋切目5に沿って切れて、内蓋20の内蓋切目5の摘み部2と反対側の部分が外蓋10に接着した状態で容器9から剥離されて、図4に断面形状が示されるような湯切り孔7と大きい開口が形成された状態となる。
【0014】
第1実施形態の蓋材1を容器9に熱接着して取り付けた後、摘み部2を掴んで蓋材1を容器9から剥離した状態の容器9の平面図は、図5に示すとおり、複数の湯切り孔7が形成された三日月状の内蓋20が容器9の開口部の半分近くを被覆した状態で熱接着部8にて容器9に接着されて残り、容器9の湯切り孔7が形成された内蓋20に隣接した領域に大きい開口が形成された状態となる。この状態で、大きく形成された開口から容器9に収納されている袋入りの生めん、具、スープ等の内容物を取り出し、生めんと具を袋から出して容器9に入れ、容器9内に熱湯を注入して一定時間放置した後、容器9を傾けることにより内蓋20の湯切り孔7から簡単に湯切りを行うことができる。湯切りが完了した後に、内蓋20の内方に突出する突出部6を掴んで容器9の口部に接着されて残っている内蓋20を容器9から剥離して取り除くことができる。
【0015】
第2実施形態の蓋材1'の底面図は、図6に示すとおりであって、第1実施形態の蓋材1と比較して内蓋切目5'の形状が異なる以外は同じである。蓋材1'の形状は略円形状であって、周端に外蓋10を内蓋20から剥離させて湯切り孔を形成するとともに容器9の口部に大きい開口を形成するための摘み部2が外方に突出して形成されている。内蓋20には、摘み部2の近傍に剥離開始切目3が形成されるとともに剥離開始切目3より内側の領域に複数の湯切り孔切目4が形成され、蓋材1'の中央部には摘み部2と蓋材1'の中心を結ぶ線に交差し対称な形状の摘み部2の側に突出する円弧状の切目と蓋材1'の周縁に沿って形成された中央部に2か所の内方に突出する突出部6'を有する切目により形成された円形状の内蓋切目5'が形成されている。外蓋10の内面には、剥離開始切目3と内蓋切目5'と蓋材1'の周縁に囲まれた領域には網点離型層14が形成され、剥離開始切目3の近傍領域ではベタ離型層14a が形成されている。
【0016】
第2実施形態の蓋材1'を容器9に熱接着して取り付けた後、摘み部2を掴んで蓋材1'を容器9から剥離した状態は、図示しないが、複数の湯切り孔7が形成された三日月状の内蓋20が容器9の口部の半分近くを被覆するとともに、湯切り孔7が形成された領域と対向する容器9の周縁を一定の幅で被覆する状態で内蓋20が容器9に接着されて残る。湯切り孔7及び大きい開口が形成された容器の使用方法は第1実施形態の場合と同じであり、開封した状態で容器9に接着して残った内蓋20は、湯切り孔7が形成された領域と対向する容器9の周縁に形成されている内方に突出する突出部6'を掴んで剥離することができる。
【0017】
第3実施形態の蓋材1"の底面図は、図7に示すとおりであり、第1実施形態の蓋材1と比較して内蓋切目5"の形状が異なるとともに内蓋切目5"の一方の端縁部に容器の外方に突出する突出部6"が設けられている点が異なる以外は同じである。第3実施形態の蓋材1"の形状は略円形状であって、外周端に外蓋10を内蓋20から剥離させて湯切り孔7を形成するとともに容器9の口部に大きい開口を形成するための摘み部2が外方に突出して形成されている。内蓋20には、摘み部2の近傍に剥離開始切目3が形成され、剥離開始切目3より内側の領域に複数の湯切り孔切目4が形成され、蓋材1"の中央部には摘み部2と蓋材1"の中心を結ぶ線に交差し対称な形状の摘み部2の側に突出する円弧状の内蓋切目5"が形成されており、内蓋切目5"の一方の端縁部に容器の外方に突出する突出部6"が設けられている。外蓋10" の内面には、剥離開始切目3と内蓋切目5"と蓋材1"の周縁に囲まれた領域には網点離型層14が形成され、剥離開始切目3の近傍領域ではベタ離型層14a とされている。
【0018】
第3実施形態の蓋材1"を容器9に熱接着して取り付けた後、摘み部2を掴んで蓋材1"を容器9から剥離した状態は、図示しないが、複数の湯切り孔7が形成された三日月状の内蓋20が容器9の口部の半分近くを被覆するとともに内蓋切目5"の一方の端縁部に容器9の外方に突出する突出部6"を有する状態で容器9に接着されて残る。湯切り孔7及び大きい開口が形成された容器の使用方法は第1実施形態の場合と同じであり、開封した状態で容器9に接着されて残った内蓋20は、内蓋切目5"の一方の端縁部に外方に突出するように形成された突出部6"を掴んで指を汚すことなく内蓋20を剥離することができる。なお、第1〜第3実施形態では、湯切り孔切目を円形としているが、円形に限ることはなく、複数の線状切目を平行もしくは千鳥状に配列したものであってもかまわない。
【0019】
離型層を形成するための樹脂としては、硝化綿、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の単体ないしは混合物が使用できる。必要により少量のシリコーン等を添加してもよい。離型層は上記の樹脂からなるインキを使用して紙層の内面にグラビア印刷等により印刷することにより形成される。ベタ離型層はベタ版を使用した印刷により、網点離型層は網点面積率が10〜40%の網点状にエッチングされた印刷版を使用して印刷することにより形成される。ベタ離型層とポリエチレン層との界面では容易に剥離するが、網点離型層とポリエチレン層との界面ではやや剥離強度が強くなる。剥離開始切目の近傍の領域をベタ離型層とし湯切り孔切目が形成される領域を網点離型層とすることにより、摘み部を掴んで蓋材を剥離することにより剥離開始切目の箇所から外蓋と内蓋を剥離開始させるとともに湯切り孔切目に囲まれた部分の内蓋を外蓋に接着した状態で抜き取り湯切り孔を形成することができる。なお、外蓋の内面の湯切り孔切目の中央部に対向する領域に網点離型層を形成しない構成としてもよく、その場合、円形の湯切り孔切目に囲まれた部分の内蓋が外蓋と一体となって剥がし取ることができるので、湯切り孔を確実に形成することができる。
【0020】
本発明の実施形態において、外蓋の構成をプラスチックフィルムと紙層の積層体としているが、外蓋を紙層の単体としてもよい。接着層として押出ポリエチレン又はウレタン系接着剤を使用することができる。外蓋をプラスチックフィルムと紙層の積層体とする場合の紙の厚さは40〜160g/m2 程度であり、外蓋を紙層の単体とする場合は、紙の厚さは70〜130g/m2 とするのが好ましい。熱接着性樹脂層としては、熱溶融して押出しラミネーションすることのできるエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする易剥離性樹脂が使用できる。外蓋の構成としては、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート12μ/ポリエチレン20μ/印刷層/紙60g/m2 /部分離型層、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート12μ/ウレタン系接着剤/印刷層/紙60g/m2 /部分離型層、印刷層/紙100g/m2 /部分離型層等であり、内蓋の構成としては、例えば、ポリエチレン20μ/アルミニウム箔7〜15μ/熱接着性樹脂25μ、ポリエチレン20μ/アルミニウム箔7〜15μ/ポリエチレン20μ/熱接着性樹脂20μ等である。
【0021】
本発明の実施形態の湯切り孔付き蓋材を製造する方法は下記のとおりである。片アート紙等のロール状の紙の表面に印刷層を形成する印刷工程とインラインで紙の裏面に印刷層と見当を合わせて網点離型層とベタ離型層を印刷して形成した後に、印刷層と部分的な離型層が形成された紙の印刷層面にポリエチレンを使用した押出ラミネーション又はウレタン系接着剤を使用したドライラミネーションにより2軸延伸ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムを積層して外蓋基材を作製する。次いで、上記で作製した外蓋用基材の部分的な離型層が形成された紙面に、ポリエチレンの押出ラミネーションによりアルミニウム箔を積層し、更に、アルミニウム箔面に押出ラミネーションにより熱接着性樹脂層を積層することにより、ロール状の蓋材用の積層体を作製する。次いで、作製した蓋材用の積層体の内面の熱接着性樹脂層面から印刷絵柄に見当を合わせてハーフカットを行うことにより剥離開始切目と湯切り孔切目と内蓋切目を形成し、最後に蓋材用の積層体を印刷絵柄に見当を合わせた所定位置にて打ち抜くことにより実施形態の蓋材を作製することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の蓋材は、外蓋と内蓋が離型層を介して剥離可能に積層された構成からなり外周縁に外方に突出する摘み部を有する形状で、内蓋には、摘み部の近傍に剥離開始切目が形成され、剥離開始切目より中央側に湯切り孔切目が形成され、摘み部と蓋材の中心を結ぶ線に交差し対称な摘み部側に突出する円弧状ないしは略円形状の内蓋切目が形成され、離型層が剥離開始切目と内蓋切目と蓋材の周縁に囲まれた領域に形成された構成であるので、この蓋材を生めん等を収納した容器に熱接着して取り付けた後に、摘み部を掴んで容器から蓋材を引き剥がすと、剥離開始切目の箇所から外蓋が内蓋から剥離されると同時に内蓋の湯切り孔切目に囲まれた部分が外蓋に接着した状態で抜き取られて湯切り孔が形成され、剥離が内蓋切目に達すると内蓋切目に沿って内蓋が切れて、内容物を取り出すための大きい開口を形成することができる。
【0023】
上記湯切り孔付き蓋材において、内蓋切目が内方に突出する内蓋剥離用の突出部を有する形状、ないしは内蓋切目が円弧状とされて一方の端縁部に外方に突出する内蓋剥離用の突出部を有する形状とすることにより、蓋材の摘み部を掴んで開封した後、容器に接着された状態で残った湯切り孔が形成された内蓋を突出部を掴んで簡単に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す底面図。
【図2】図1に於けるI−I断面図。
【図3】第1実施形態の蓋材を容器口部に熱接着した状態の断面図。
【図4】図3に示す状態から摘み部を掴んで蓋材を剥離させて内蓋に湯切り孔を形成した状態の断面図。
【図5】内蓋に湯切り孔を形成した状態の容器の平面図。
【図6】本発明の第2実施形態を示す底面図。
【図7】本発明の第3実施形態を示す底面図。
【符号の説明】
1, 1', 1" 蓋材
2 摘み部
3 剥離開始切目
4 湯切り孔切目
5, 5', 5" 内蓋切目
6, 6', 6" 突出部
7 湯切り孔
8 熱接着部
9 容器
10 外蓋
11 プラスチックフィルム層
12 接着剤層
13 紙層
14 網点離型層
14a ベタ離型層
15 印刷層
20 内蓋
21 ポリエチレン層
22 アルミニウム箔層
23 熱接着性樹脂層
Claims (5)
- 外蓋と内蓋が離型層を介して剥離可能に積層された構成からなり外周縁に外方に突出する摘み部を有する形状の蓋材であって、前記内蓋には、前記摘み部の近傍に剥離開始切目が形成され、前記剥離開始切目より中央側に湯切り孔切目が形成され、前記摘み部と蓋材の中心を結ぶ線に交差し対称な前記摘み部の側に突出する円弧状ないしは円形状の内蓋切目が形成され、前記離型層が前記剥離開始切目と前記内蓋切目と蓋材の周縁に囲まれた領域に形成された湯切り孔付き蓋材であって、
当該蓋材を熱接着してカップ状容器を封止した状態において、上記摘み部を掴んで容器から蓋材を引き剥がすと、剥離開始切目の箇所から外蓋が内蓋から剥離し、容器側に残存する内蓋部分に湯切り孔が形成され、内蓋切目の箇所からは外蓋と内蓋が接着した状態で剥がされて、内容物を取り出すための大きい開口が形成され、
その結果、カップ状容器の口部には、湯切り孔が形成された内蓋部分のみが残ることを特徴とする、湯切り孔付き蓋材。 - 前記離型層が、前記剥離開始切目の近傍領域においてベタ離型層とされ且つその他の領域において網点離型層とされた構成からなることを特徴とする請求項1記載の湯切り孔付き蓋材。
- 前記内蓋切目が、内方に突出する内蓋剥離用の突出部を有する形状とされた構成からなることを特徴とする請求項1または2記載の湯切り孔付き蓋材。
- 前記内蓋切目が円弧状とされ、前記内蓋切目の一方の端縁部に外方に突出する内蓋剥離用の突出部を有する形状とされた構成からなることを特徴とする請求項1または2記載の湯切り孔付き蓋材。
- 前記外蓋が、紙層単体ないしはプラスチックフィルムと紙層の積層体からなり、前記内蓋が、ポリエチレン層とアルミニウム箔と熱接着性樹脂層の積層体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の湯切り孔付き蓋材。
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