JP4604321B2 - イージーピール蓋材及びカップ容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、アルミニウム箔を積層していない、開蓋が容易であって、熱湯から発生する蒸気の影響を受けないイージーピール(Easy Peel;皮を剥がし易い)蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、廃棄時の処理、処分や食品類の金属探知などの理由でアルミニウム箔を積層していない、図1A,B,Cに示すような、表面側に美麗な印刷をした紙材料層4と、カーボンブラック、チタンホワイトなどをコーティングした遮光層5と、ポリエステル(PET)、延伸ナイロン(0-NY)、セラミック蒸着付の延伸ポリプロピレン(0-PP)などの、強度とガスバリヤー性とが優れた樹脂フィルム層5と、エチレン-メタアクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ポリブテンブレンド樹脂、通常のホットメルトなどの、熱融着した後に剥がすことができるイージーピール層6とを、図示していない接着剤層を介するなどして適宜に積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材が、図2に示すように、発泡スチロール製などのカップ容器30に被せて熱融着して、一般に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の、アルミニウム箔を積層していない、紙材料層4と遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とを積層して成る、カップ容器30に被せて熱融着したつまみ21付のイージーピール蓋材については、蓋材20のつまみ21に指を掛けて、やゝ強く引張るだけで簡単にカップ容器30を開蓋することができる、開蓋が容易なイージーピール蓋材であるものの、
蓋材20の紙材料層4が、熱湯から発生する蒸気の影響を受け易いために、蓋材20を中央部分まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋して熱湯を注ぐ時に、折曲げた蓋材20の中央部分が、スチームアイロンを掛けたように延びることが多くて、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題があって、また蓋材20のつまみ部分21をフランジ31に繋止して、カップ容器30を閉蓋して3〜5分間放置して調理する時に、一旦折曲げた蓋材20の中央部分が、再び外側に折曲がることが多くて、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題があった。
【0004】
なお、図示していない従来の、7μm程度のアルミニウム箔を積層したイージーピール蓋材については、アルミニウム箔に、与えられた形状を保持する性質(デットホールド性と言う)があるために、蓋材20の紙材料層4が、熱湯から発生する蒸気の影響を受け難く、前述した熱湯を注ぎ難いなどの、また前述した充分に調理することが難しいなどの、問題は少なかった。
【0005】
ところで、本発明の目的は、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、アルミニウム箔を積層していない、従来と同様に開蓋が容易であって、熱湯を注ぐ時に、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題がない、また3〜5分間放置して調理する時に、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題がない、熱湯から発生する蒸気の影響を受けないイージーピール蓋材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のイージーピール蓋材は、図1A,B,Cに示すように、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、紙材料層4と遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材において、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向(図1A,B,Cでは左右方向、以下同じ)に直交する剥離部分2を、2列の切れ目線a,aで区画して設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0007】
本発明のイージーピール蓋材においては、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する剥離部分2を、2列の切れ目線a,aで区画して設けたことによって、この2列の切れ目線a,aを切断して、熱湯から発生する蒸気の影響を受け易い紙材料層4の、開蓋方向に直交する剥離部分2を剥離して除去することができるために、
蓋材20を中央の剥離部分2まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋して熱湯を注ぐ時に、折曲げた蓋材20の剥離部分2を除去した部分の、残された遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とが、スチームアイロンを掛けたように延びることがなくて、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題がない、また蓋材20のつまみ部分21をフランジ31に繋止して、カップ容器30を閉蓋して3〜5分間放置して調理する時に、一旦折曲げた蓋材20の剥離部分2を除去した部分の、残された遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とが、再び外側に折曲がることがなくて、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題がない、熱湯から発生する蒸気の影響を受けないイージーピール蓋材を提供することができる。
【0008】
加えて、本発明のイージーピール蓋材は、図1A,Bに示すように、蓋材20の中央部分の紙材料層4の、開蓋方向に直交する剥離部分2の内面側に、剥離層3を設けたことを特徴とするイージーピール蓋材である。
【0009】
本発明のイージーピール蓋材においては、蓋材20の中央部分の紙材料層4の、前述した開蓋方向に直交する剥離部分2の内面側に、剥離層3を設けたことによって、2列の切れ目線a,aを切断して、熱湯から発生する蒸気の影響を受け易い紙材料層4の、開蓋方向に直交する剥離部分2を、より簡単に確実に剥離して除去することができるために、
前述した熱湯を注ぐ時に、折曲げた蓋材20の剥離部分2を確実に除去した部分の、残された遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とが、スチームアイロンを掛けたように延びることがなくて、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題がない、また前述した3〜5分間放置して調理する時に、一旦折曲げた蓋材20の剥離部分2を確実に除去した部分の、残された遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とが、再び外側に折曲がることがなくて、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題がない、熱湯から発生する蒸気の影響をさらに受けないイージーピール蓋材を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1A,Bは、本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材の断面図であって、図1Cは、イージーピール蓋材の平面図である。
また図2は、本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材を、カップ容器30に被せて熱融着した状態を示す断面説明図である。
【0011】
本実施の形態のイージーピール蓋材は、紙材料層4と遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材において、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する剥離部分2を、2列の切れ目線a,aで区画して設けて、加えて蓋材20の中央部分の紙材料層4の、この開蓋方向に直交する剥離部分2の内面側に、剥離層3を設けたイージーピール蓋材である。
【0012】
本実施の形態のイージーピール蓋材における、紙材料層4と遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とを積層して成る、つまみ21付のイージーピール蓋材については、前述した従来のイージーピール蓋材と同様であって、表面側に美麗な絵柄と耐水性ニスとを印刷した、50g/m2程度の上質紙、片面アート紙などの紙材料層4と、この紙材料層4又は後述する樹脂フィルム層6に、10μm程度のカーボンブラック、チタンホワイトなどをコーティングした遮光層5と、ポリエステル(PET)、延伸ナイロン(0-NY)、セラミック蒸着付の延伸ポリプロピレン(0-PP)などの、60μm程度の強度とガスバリヤー性とが優れた樹脂フィルム層5と、20μm程度のエチレン-メタアクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ポリブテンブレンド樹脂、通常のホットメルトなどの、後述するカップ容器30のフランジ31に熱融着した後に剥がすことができる、カップ容器30の構成材料(発泡スチロール、紙+ポリエチレン、ポリプロピレンなど)に適合したイージーピール層6とを、図1Aに示すように、図示していない接着剤層を介するなどして、順に積層した後に、又は図1Bに示すように、同様に図示していない接着剤層を介するなどして、遮光層5と樹脂フィルム層6との順序を変えて積層した後に、周辺を打抜型などで適宜に切断して除去して、図1Cに示すつまみ21付のイージーピール蓋材を、特に制約なく作製することができる。
【0013】
本実施の形態のイージーピール蓋材における、蓋材20の中央部分の紙材料層4に設けた、開蓋方向に直交する剥離部分2については、蓋材20の中央部分の、表面側に美麗な絵柄と耐水性ニスとを印刷した紙材料層4に、図1Cに示す開蓋方向に直交する2列の、間隔が8mm程度のミシン目状の切れ目線a,aを、打抜型を用いた打抜工程などで適宜に設けた後に、この紙材料層4と遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とを、図1Aに示す順に積層することによって、又は図1Bに示す遮光層5と樹脂フィルム層6との順序を変えて積層することによって、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する剥離部分2を、2列の切れ目線a,aで区画して設けることができる。
【0014】
加えて、本実施の形態のイージーピール蓋材における、蓋材20の中央部分の紙材料層4の、前述した開蓋方向に直交する剥離部分2の内面側に設けた、剥離層3については、前述した蓋材20の中央部分の紙材料層4の、前述した開蓋方向に直交する剥離部分2に相当する内面側に、通常の炭化水素(パラフィン)系、高級脂肪酸系、有機シリコン系などの、紙材料層4の内面側と遮光層5又は樹脂フィルム層6との接着阻害剤3を、図示していない適宜の目止め剤を介するなどして印刷した後に、この紙材料層4に、図1Cに示す開蓋方向に直交する2列の切れ目線a,aを設けることによって、蓋材20の中央部分の紙材料層4の、開蓋方向に直交する剥離部分2の内面側に、剥離層3を設けることができる。
【0015】
続いて、本実施の形態の、図1A,B,Cに示すイージーピール蓋材を、図2に示すように、通常の発泡スチロール製や内面側にポリエチレンコートをしたカップ原紙製や成形ポリプロピレン製などの、熱湯を注いで調理するカップラーメン用のカップ容器30に被せて、フランジ31に熱融着したところ、蓋材20のつまみ21に指を掛けて、やゝ強く引張るだけで簡単にカップ容器30を開蓋することができる、従来と同様に開蓋が容易なイージーピール蓋材を得ることができた。
【0016】
本実施の形態のイージーピール蓋材においては、蓋材20の中央部分の紙材料層4に、開蓋方向に直交する剥離部分2を、2列の切れ目線a,aで区画して設けて、加えて蓋材20の中央部分の紙材料層4の、この開蓋方向に直交する剥離部分2の内面側に、剥離層3を設けたことによって、2列の切れ目線a,aを切断して、熱湯から発生する蒸気の影響を受け易い紙材料層4の、開蓋方向に直交する剥離部分2を確実に剥離して除去することができるために、
蓋材20を中央の剥離部分2まで剥がして外側に折曲げて、カップ容器30を途中まで開蓋して熱湯を注ぐ時に、折曲げた蓋材20の剥離部分2を確実に除去した部分の、残された遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とが、スチームアイロンを掛けたように延びることがなくて、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題がない、また蓋材20のつまみ部分21をフランジ31に繋止して、カップ容器30を閉蓋して3〜5分間放置して調理する時に、一旦折曲げた蓋材20の剥離部分2を確実に除去した部分の、残された遮光層5と樹脂フィルム層6とイージーピール層7とが、再び外側に折曲がることがなくて、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題がない、熱湯から発生する蒸気の影響を受けないイージーピール蓋材を得ることができた。
【0017】
【発明の効果】
以上、実施の形態ほかに示すとおり、本発明のイージーピール蓋材においては、熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、アルミニウム箔を積層していない、従来と同様に開蓋が容易であって、熱湯を注ぐ時に、カップ容器30が閉蓋して熱湯を注ぎ難いなどの問題がない、また3〜5分間放置して調理する時に、カップ容器30が開蓋して充分に調理することが難しいなどの問題がない、熱湯から発生する蒸気の影響を受けないイージーピール蓋材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、図1A,Bは、イージーピール蓋材の断面図であって、図1Cは、イージーピール蓋材の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態における、イージーピール蓋材を、カップ容器30に被せて熱融着した状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
2 …剥離部分
3 …剥離層、接着阻害剤
4 …紙材料層
5 …遮光層
6 …樹脂フィルム層
7 …イージーピール層
20 …蓋材
21 …つまみ、つまみ部分
30 …カップ容器
31 …フランジ
a …切れ目線
Claims (2)
- 熱湯を注いで調理するカップラーメン用などの、紙材料層と遮光層と強度とガスバリヤー性に優れた樹脂フィルム層とイージーピール層とを積層して成る、つまみ付のイージーピール蓋材において、蓋材の中央部分の紙材料層に、開蓋方向に直交する剥離部分を、2列の切れ目線で区画すると共に、前記剥離部分の紙材料層の内面側に炭化水素(パラフィン)系、高級脂肪酸系又は有機シリコン系の接着阻害剤からなる剥離層を設けたことを特徴とするイージーピール蓋材。
- 請求項1記載のイージーピール蓋材を、カップ容器のフランジに熱融着してなることを特徴とするカップ容器。
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