JP4552358B2 - 住宅情報盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターホンシステムに用いられる住宅情報盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マンション等の集合住宅には、共同玄関に設置されるロビーインターホン並びに各住戸の玄関戸外に設置されるドアホン子器と、各住戸内に設置される住宅情報盤との間で通話を行うインターホンシステムが設置されるようになっている。図37は従来のインターホンシステムの一例を概略的に示すシステム構成図である。
【0003】
このインターホンシステムは、共同玄関に設置されるロビーインターホン102と、管理人室等に設けられる警報監視盤103と、各住戸に設置される住宅情報盤100…と、各住戸の玄関戸外に設置されるドアホン子器101…とを備える。ロビーインターホン102と警報監視盤103との間、ロビーインターホン102と住宅情報盤100…の各々との間は信号線を介して接続されており、ロビーインターホン102、警報監視盤103、ロビーインターホン102及び住宅情報盤100……の各々との間で信号の伝送が可能となっている。
【0004】
また、各住戸の玄関戸外に設けられる各ドアホン子器101…は、対応する住戸内の各住宅情報盤100…と信号線を介して接続されている。ロビーインターホン102は、テンキー等の外部入力手段102aや、マイク102bや、スピーカ102cや、呼出ボタン102d等を備える。
【0005】
そして、来訪者が、ロビーインターホン102に設けられた外部入力手段102aから、訪問先の住戸の住戸番号を入力し、呼出釦102dを押操作すると、入力された住戸番号の住戸内に設置されている住宅情報盤100…から呼出音が発せられ、当該住戸の在宅者が呼出音に応答して住宅情報盤100…の応答釦を押操作した場合には、ロビーインターホン102のマイク102bやスピーカ102cと、住宅情報盤100…が具備するマイクやスピーカとにより、来訪者と在宅者とが通話できるようになっている。
【0006】
また、警報監視盤103は、テンキー等の外部入力手段103aや、ハンドセット103bや、警報発令手段(図示せず)や、各住戸に設けられた火災感知器等の各種セキュリティセンサ(図示せず)の状態を監視する監視手段(図示せず)等を備える。そして、管理人等が警報監視盤103に設けられた外部入力手段103aから、何れかの住宅番号を入力すると、この住戸番号の住戸内に設置された住宅情報盤100…から呼出音が発せられ、当該住戸の在宅者が呼出音に応答して住宅情報盤100…の応答釦を押操作した場合には、警報監視盤103のハンドセット103bと、住宅情報盤100…が具備するマイクやスピーカとにより、管理人等と在宅者とが通話できるようになっている。
【0007】
また、各住宅情報盤100…は、マイク並びにスピーカ、警報釦等を備えている。そして、各住宅情報盤100…に設けられたテンキー等の外部入力手段(図示せず)から、例えば、警報監視盤103の住戸番号を入力すると、警報監視盤103から呼出音が発せられ、管理人等が呼出音に応答して警報監視盤103のハンドセット103bを取った場合には、住宅情報盤100…のマイクならびにスピーカと、警報監視盤103のハンドセット103bとにより、在宅者と管理人等とが通話できるようになっている。
【0008】
また、ドアホン子器101は、呼出釦101aや、マイク101bや、スピーカ101c等を備える。そして、来訪者が、ドアホン子器101の呼出釦101aを押操作した場合には、その住戸内の住宅情報盤100…から呼出音が発せられ、在宅者が呼出音に応答して住宅情報盤100…の応答釦を押操作した場合には、ドアホン子器101のマイク101bならびにスピーカ101cと、住宅情報盤100…のマイク並びにスピーカとにより、来訪者と在宅者とが通話できるようになっている。
【0009】
ところで、住宅情報盤100では住戸内に設けられた1乃至複数の火災感知器の発報を監視しており、何れかの火災感知器の発報を検出したときには、警報音や予め記憶している音声メッセージ(警報メッセージ)を出力するなどして最初に住戸内の在宅者に火災感知器が作動したことを報知した後、信号線を介して警報監視盤103に対して火災感知器が作動したことを示す信号(火災感知器作動信号)を出力する。
【0010】
また、住宅情報盤100は、火災感知器作動信号を出力した後、在宅者が所定の火災確定操作を行ったとき、あるいは火災感知器作動信号を出力した後、所定時間内に在宅者が所定の復旧操作を行わなかったときには、警報監視盤103に信号線を介して火災確定信号を出力する。この場合、火災の発生した住戸では、予めそれぞれの住宅情報盤100に記憶させた音声メッセージを出力して警報が行われる。
【0011】
一方、警報監視盤103は、いずれかの住戸から信号線を介して火災感知器作動信号を受信したときには、火災感知器作動信号に付加されたアドレスを識別して当該信号を出力した住戸を特定し、火災感知器作動信号を出力した住宅情報盤100が設置された住戸番号を表示部に表示し、予告警報を同時に出力することによって管理人等にその旨を知らせる。
【0012】
また、住宅情報盤100が更に火災確定信号を出力すると、警報監視盤103では信号線を通じてこの火災確定信号を受信するので、火災確定信号を出力した住宅情報盤100の設置された近隣住戸の住宅情報盤100を指定して、信号線を通じて警報制御信号を出力し、近隣住戸(火災確定信号を出力した住宅情報盤100が設置された住戸と同一階、あるいは、直上階の住戸)に設置された住宅情報盤100からは、例えば、「火事です。火事です。火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さい。」といった、音声メッセージを住宅情報盤100のスピーカを通じて出力させることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の住宅情報盤100においては、火災感知器の発報の検出とロビーインターホン102やドアホン子器101などからの呼出とが重なった場合、警報音(又は警報メッセージ)と呼出音とが重畳して出力されるために警報音の少なくとも一部が呼出音に消されてしまい、在宅者等に警報音を確実に聞かせることができなくなる虞があった
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、警報音と呼出音とが重畳することを防いで警報音を確実に聞かせることができる住宅情報盤を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、インターホンシステムに用いられる住宅情報盤において、デジタル・シグナル・プロセッサで構成され、音声に関する信号処理を行う信号処理演算部と、主に音声以外の信号処理を行うとともに信号処理演算部の制御を行う主制御部と、マイク及びスピーカと、マイクで集音されたアナログの通話信号をデジタルの通話信号に変換して信号処理演算部に入力する第1のA/D変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの通話信号をアナログの通話信号に変換してスピーカに出力する第1のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換してスピーカに出力する第2のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの通話信号をアナログの通話信号に変換して住戸外に設置されたドアホン子器等に出力する第3のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換して住戸外に設置されたドアホン子器等に出力する第4のD/A変換手段と、住戸外に設置されたドアホン子器等からのアナログの通話信号をデジタルの通話信号に変換して信号処理演算部に入力する第2のA/D変換手段とを具備し、信号処理演算部は、住戸外に設置されたドアホン子器等からの呼出に応じて呼出音を生成する呼出音生成部と、センサ等の起動情報により発報を知らせるための警報音を生成する警報音生成部と、呼出音と警報音が互いに重畳しないように第2のD/A変換手段に出力調整させる出力制御部とを有し、且つ通話中に何らかの音声メッセージを出力制御部から出力する場合に、第2のD/A変換手段にのみ音声メッセージを出力し、第1,第3並びに第4のD/A変換手段には無音信号を出力することを特徴とし、警報音と呼出音とが重畳することを防いで警報音を確実に聞かせることができる。しかも、住戸内の在宅者にのみ知らせるべき特定の音声メッセージがロビーインターホンやドアホン子器から聞こえることがない。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、スピーカから出力される呼出音の音量を出力開始時点からの時間経過に伴って徐々に増大させる呼出音音量漸増手段を備えたことを特徴とし、最初から大きな音量で呼出音が鳴ると在宅者を驚かせてしまう場合があるが、呼出音音量漸増手段により呼出音を時間経過に伴って徐々に増大させるようにすれば、最初は小さな音量で呼出音を鳴らずことができるために在宅者を驚かせてしまうことがない。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、信号処理演算部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて出力制御部にて呼出音のレベルを減衰処理することを特徴とし、呼出音の増大の仕方が自由に設定できる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて出力制御部にて呼出音のレベルを減衰処理することを特徴とし、呼出音の増大の仕方が自由に設定できるとともに呼出音減衰量データの調整が容易に行える。
【0018】
請求項5の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、信号処理演算部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて信号処理演算部が減衰部を制御してなることを特徴とし、信号処理演算部からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために信号処理演算部における処理量を低減することができる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて信号処理演算部が減衰部を制御してなることを特徴とし、信号処理演算部からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために信号処理演算部における処理量を低減することができるとともに、呼出音減衰量データの調整が容易に行える。
【0020】
請求項7の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて主制御部が減衰部を制御してなることを特徴とし、信号処理演算部からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために信号処理演算部における処理量を低減することができるとともに、呼出音減衰量データの調整が容易に行え、しかも、主制御部と信号処理部との間で呼出音音量減衰のための信号伝送が不要となって伝送誤りを考慮する必要がなくなる。
【0021】
請求項8の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、音量の異なる複数の呼出音データが格納された記憶部を有し、記憶部から音量の小さい順に読み出した呼出音データを順次出力制御部に出力してなることを特徴とし、記憶部に予め呼出音データを格納しておくだけで済み、音量調整が不要となる。
【0022】
請求項9の発明は、請求項2の発明において、通話相手に聞かせて通話を中止するための口実とする特定音を発生する特定音発生手段を備えたことを特徴とし、例えば、ロビーインターホンやドアホン子器にて通話している場合に電話機の呼出音や子供の泣き声などの特定音を通話相手に聞かせることで通話を中止させる口実が作り出せ、通話したくない相手との通話を早急に中止することができる。
【0023】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第3のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させることを特徴とし、通話音声とともにスピーカから出力された特定音がマイクに回り込んで通話相手に聞こえることとなり、在宅者自身が特定音の発生を確認できる。
【0024】
請求項11の発明は、請求項9の発明において、特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第3のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させることを特徴とし、通話相手に特定音を確実に聞かせることができる。
【0025】
請求項12の発明は、請求項9の発明において、特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第2のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させることを特徴とし、通話音声とともにスピーカから出力された特定音がマイクに回り込んで通話相手に聞こえることとなり、在宅者自身が特定音の発生を確認でき、しかも、通話路の増幅率に合わせて特定音の音量を調整する必要がない。
【0026】
請求項13の発明は、請求項9の発明において、特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第4のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させることを特徴とし、通話相手に特定音を確実に聞かせることができ、しかも、通話路の増幅率に合わせて特定音の音量を調整する必要がない。
【0027】
請求項14の発明は、請求項10〜13の発明において、特定音発生手段が特定音を出力する先のD/A変換手段を主制御部から選択して決定することを特徴とし、使い勝手の向上が図れる。
【0028】
請求項15の発明は、請求項1記載の発明において、基準波形信号を利用して所望のメロディを有する呼出音を生成して出力制御部に出力するメロディ音生成部を信号処理演算部に設けたことを特徴とし、様々なメロディを有した呼出音が容易に作成できるとともに、従来の録音型のものに比較して呼出音用のメモリ容量が極めて少なくて済む。
【0029】
請求項16の発明は、請求項15の発明において、メロディ音生成のために必要な各種の情報を信号処理演算部の内蔵メモリに格納し、メロディ音生成部が内蔵メモリから読み出した情報に基づいて呼出音を生成することを特徴とし、音源のデータを外部のメモリに格納しておく必要がない。
【0030】
請求項17の発明は、請求項15の発明において、メロディ音生成のために必要な各種の情報を記憶部に格納し、メロディ音生成部が記憶部から読み出した情報に基づいて呼出音を生成することを特徴とし、内蔵メモリに比較して十分な容量が確保できるためにメロディの長さ、音の高さ、継続時間のあらゆる組み合わせに対応可能となる。
【0031】
請求項18の発明は、請求項15の発明において、メロディ音生成のために必要な各種の情報を主制御部にて管理し、メロディ音生成部が主制御部から伝送される情報に基づいて呼出音を生成することを特徴とし、主制御部にてメロディの修正を行うことができ、メロディ音生成のためのパラメータ調整が行いやすい。
【0032】
請求項19の発明は、請求項1の発明において、少なくともドアホン子器との通話時間を計測し、所定の通話切断時間が経過したら当該通話を強制的に切断する通話切断手段を信号処理演算部に設けたことを特徴とし、通話路が長時間にわたって占有されるのを防ぐことができる。
【0033】
請求項20の発明は、請求項19の発明において、手動操作可能な通話延長スイッチを設け、通話延長スイッチが操作されると通話切断手段が通話切断時間のカウント値を変更して通話時間を延長することを特徴とし、通話延長スイッチを操作することで使用者の意志により通話時間を延長することができ、使い勝手が向上できる。
【0034】
請求項21の発明は、請求項20の発明において、通話延長スイッチを複数設け、操作される通話延長スイッチに応じて通話切断手段が変更するカウント値を異ならせてなることを特徴とし、延長する通話時間を選択することができる。
【0035】
請求項22の発明は、請求項20又は21の発明において、信号処理演算部は、通話切断手段によるカウント値が通話切断時間を経過する前に通話の切断を予告する音声メッセージを出力制御部から第1のD/A変換手段に出力することを特徴とし、スピーカから音声メッセージを出力して使用者に対して通話の強制切断を事前に知らせることができる。
【0036】
請求項23の発明は、請求項19の発明において、通話切断手段は、通話相手の機器毎に通話切断時間の設定が可能であることを特徴とし、ロビーインターホン、ドアホン子器並びに警報監視盤との通話切断時間が個別に設定可能で使い勝手が向上でき、特にロビーインターホンとの通話切断時間を他の通話切断時間よりも短くしてロビーインターホンと接続された信号線の占有時間を短くできる。
【0037】
請求項24の発明は、請求項19の発明において、現在時刻を計時する時計手段と、時計手段で計時する現在時刻に応じて時報音を生成する時報生成手段とを信号処理演算部に設け、信号処理演算部は、時報生成手段で生成される時報音を所定の時間間隔で出力制御部から第1のD/A変換手段に出力することを特徴とし、所定の時間間隔(例えば、毎時0分毎)でスピーカから時報音を出力して在宅者に時刻を知らせることができる。
【0038】
請求項25の発明は、請求項1の発明において、呼出音生成部から呼出音が出力された後に呼出元を報知する音声メッセージを作成して出力制御部から出力させる呼出元報知手段を信号処理演算部に設けたことを特徴とし、呼出音が鳴った場合にロビーインターホン、ドアホン子器又は警報監視盤の何れからの呼出であるかを音声メッセージにて在宅者に報知することができる。
【0039】
請求項26の発明は、請求項25の発明において、信号処理演算部は、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に通話中であることを知らせる話中音を生成して呼出元の機器に伝送することを特徴とし、呼出元の相手に話中音を聞かせることにより、通話中で応答できないことを知らせることができる。
【0040】
請求項27の発明は、請求項25の発明において、信号処理演算部は、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に通話中であることを知らせる話中音又は呼出音の何れかを選択して呼出元の機器に伝送することを特徴とし、呼出元の相手に話中音を聞かせれば通話中で応答できないことを知らせることができ、また、呼出元の相手に応答したくない場合には呼出音を聞かせることで留守を装うことができる。
【0042】
請求項28の発明は、請求項1の発明において、第1のA/D変換手段から入力する通話信号に基づいて周囲の騒音レベルを検出する周囲騒音レベル検出部を信号処理演算部に設け、信号処理演算部は、検出された周囲騒音レベルに応じて出力制御部から出力する音声メッセージの出力レベルを調整することを特徴とし、周囲騒音レベルに応じた適切な音量で音声メッセージを出力することができ、音声メッセージが騒音に埋まって聞き取れなくなったり、周囲が静かな状況で必要以上に大きい音量で音声メッセージが鳴るといった不具合の発生を防ぐことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。本実施形態の住宅情報盤は、通話信号及び音声信号の入出力処理を行う入出力ブロックBと、CPUを主構成要素とする主制御部1と、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)で構成される信号処理演算部10と、信号処理演算部10で取り扱う各種のデータを格納する不揮発性のメモリ部30とを備える。但し、従来例で説明した火災感知器等のセキュリティセンサを監視する手段、呼出信号や火災信号などの制御信号を信号線を介して伝送する伝送手段等については本発明の要旨に関係が無く、且つその構成は従来周知であるから図示並びに説明を省略する。
【0044】
入出力ブロックBは、マイク部40及びスピーカ部41と、マイク部40で集音されたアナログの通話信号をデジタルの通話信号に変換する第1のA/D変換手段たる第1A/D変換部42と、信号処理演算部10から出力されるデジタルの通話信号をアナログの通話信号に変換してスピーカ部41に出力する第1のD/A変換手段たる第1D/A変換部43と、信号処理演算部10から出力されるデジタルの音声信号(呼出音,警報音,音声メッセージ等の信号を指す。以下同じ)をアナログ信号に変換してスピーカ部41に出力する第2のD/A変換手段たる第2D/A変換部44と、信号処理演算部10から出力されるデジタルの通話信号をアナログの通話信号に変換する第3のD/A変換手段たる第3D/A変換部45と、信号処理演算部10から出力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換する第4のD/A変換手段たる第4D/A変換部46と、ロビーインターホン、ドアホン子器又は警報監視盤からのアナログの通話信号をデジタルの通話信号に変換する第2のA/D変換手段たる第2A/D変換部47とを有する。ここで、第1D/A変換部43及び第1A/D変換部42と第2A/D変換部47及び第3D/A変換部45とは1チップのCODEC回路で実現され、第2及び第4D/A変換部44,46が1チップの16ビットD/A変換回路で実現されている。
【0045】
また、入出力ブロックBは、第1A/D変換部42から出力されるデジタルの通話信号と第2A/D変換部47から出力されるデジタルの通話信号を多重(時分割多重)化し、その多重化データTAを信号処理演算部10に出力するデジタル信号多重部48と、信号処理演算部10から出力される多重化データTBを通話信号と音声信号に分割して第1及び第3D/A変換部43,45に通話信号を出力するとともに第2及び第4D/A変換部44,46に音声信号を出力するデジタル信号分割部49と、第1D/A変換部43から出力されるアナログの通話信号と第2D/A変換部44から出力されるアナログの音声信号を多重化してスピーカ部41に出力するアナログ信号多重部50と、2線−4線変換を行う2線4線変換部51と、2線4線変換部51を介して第3D/A変換部45から出力されたアナログの通話信号と第4D/A変換部46から出力されたアナログの音声信号を多重化するアナログ信号多重部52と、アナログ信号多重部52から出力される多重化されたアナログ信号を信号線(図示せず)に送出してロビーインターホン,ドアホン子器又は警報監視盤に伝送するとともに信号線を介してロビーインターホン,ドアホン子器又は警報監視盤から伝送されたアナログ信号を取り込む外部インタフェース(I/F)部53とを有する。なお、外部I/F部53で取り込まれたアナログ信号(アナログの通話信号)はアナログ信号多重部52をスルーし、2線4線変換部51を経て第2A/D変換部47においてデジタルの通話信号に変換される。
【0046】
ここで、デジタル信号多重部48では、図2に示すようにクロック回路(図示せず)から出力する基準タイミング信号Tr(例えば、周期125μsec、オンデューティ比50%の方形パルス信号)の立ち上がりに同期し且つオン幅の2分の1の期間(以下、「第1データ期間」と呼ぶ)DT1に第1A/D変換部42から出力されるデジタルの通話信号(住宅情報盤からロビーインターホン等の通話相手機器に送る送話信号)X1を信号処理演算部10に出力し、基準タイミング信号Trの立ち下がりに同期し且つオフ幅の2分の1の期間(以下、「第3データ期間」と呼ぶ)DT3に第2A/D変換部47から出力されるデジタルの通話信号(通話相手機器から送られてきた受話信号)Y1を信号処理演算部10に出力する。すなわち、多重化データTAは図2(b)に示すように基準タイミング信号Trの立ち上がり及び立ち下がりに同期した第1及び第3データ期間DT1,DT3にそれぞれデジタルの通話信号X1,Y1が配置される。
【0047】
一方、信号処理演算部10は、DSPのハードウェアを専用のソフトウェアで制御することによって通話制御部11、入力制御部12、出力制御部13、呼出音生成部14、警報音生成部15、音声メッセージ伸長部16、メロディ音伸長部17、タイマ制御部18、動作制御部19などの各部機能を実現している。通話制御部11は、エコーキャンセラや音声スイッチなどの機能を有し、入力制御部12で分割された通話信号(送話信号)X1と通話信号(受話信号)Y1に各種のデジタル処理(通話処理)を施して出力制御部13に出力し、マイク部40及びスピーカ部41を使ってロビーインターホン、ドアホン子器又は警報監視盤との間で拡声通話を可能とするものである。但し、このような機能を有する通話制御部11は従来周知であり、本発明の要旨でもないので詳細な説明は省略する。
【0048】
呼出音生成部14は予め用意された複数の呼出音の中から適宜選択して生成したデジタルの呼出音を出力制御部13に出力する。なお、呼出音生成部14で生成可能な呼出音はメロディを有しない比較的に単純な音の組み合わせからなる。
同じく、警報音生成部15は予め用意された複数の警報音の中から適宜選択して生成したデジタルの警報音を出力制御部13に出力する。なお、警報音生成部15で生成可能な警報音も呼出音と同様にメロディを有しない比較的に単純な音の組み合わせからなる。
【0049】
音声メッセージ伸長部16は、メモリ部30に圧縮して格納された複数の音声メッセージデータの中から適宜選択して読み出した音声メッセージデータを伸長して出力制御部13に出力する。同じく、メロディ音伸長部17はメモリ部30に圧縮して格納された複数のメロディ音データの中から適宜選択して読み出したメロディ音データを伸長して出力制御部13に出力する。なお、メロディ音伸長部17で伸長されたメロディ音データは呼出音として使用される。
【0050】
出力制御部13は、通話中においては通話制御部11で通話処理が施された通話信号(送話信号X2及び受話信号Y2)に呼出音(メロディ音も含む)や警報音あるいは音声メッセージ等の音声信号Z1,Z2を多重化して出力する。すなわち、出力制御部13では、図2(c)に示すように基準タイミング信号Trの立ち上がりに同期し且つオン幅の2分の1の第1データ期間DT1に通話相手機器に伝送する音声信号(呼出音(リングバックトーン)や警報音あるいは音声メッセージ等)Z1をデジタル信号分割部49に出力し、第1データ期間DT1の終了時点から基準タイミング信号Trの立ち下がりまでの期間(以下、「第2データ期間」と呼ぶ)DT2に通話制御部11から出力された送話信号X2をデジタル信号分割部49に出力し、第2データ期間DT2に続く第3データ期間DT3にスピーカ部41から出力される音声信号(呼出音や警報音あるいは音声メッセージ等)Z2をデジタル信号分割部49に出力し、さらに第3データ期間DT3の終了時点から基準タイミング信号Trの立ち上がりまでの期間(以下、「第4データ期間」と呼ぶ)DT4に通話制御部11から出力された受話信号Y2をデジタル信号分割部49に出力する。一方、デジタル信号分割部49は基準タイミング信号Trに同期して、第1データ期間DT1に入力された音声信号Z1を第4D/A変換部46に出力し、第2データ期間DT2の入力された送話信号X2を第3D/A変換部45に出力し、第3データ期間DT3に入力された音声信号Z2を第2D/A変換部44に出力し、さらに第4データ期間DT4に入力された受話信号Y2を第1D/A変換部43に出力する(図1参照)。なお、通話中以外では第1〜第4データ期間DT1〜DT4にそれぞれ任意の音声信号を出力制御部13からデジタル信号分割部49に出力し得るものである。
【0051】
タイマ制御部18は、基準タイミング信号Trをカウントすることで後述する通話切断時間等の種々の時間をカウントするものである。ここで、信号処理演算部10を構成するDSPでは基準タイミング信号Trに同期して内部で発生させた割込信号に基づいて各種の処理を実行しており、基準タイミング信号Trの同期ずれが通話音声の品質に大きく影響することから同期ずれが殆ど生じないクロック回路を用いて基準タイミング信号Trを生成している。よって、同期ずれが殆ど生じない基準タイミング信号Trをカウントするタイマ制御部18では正確な時間のカウントが可能である。
【0052】
DSP動作制御部19は、主制御部1との間のデータ伝送機能を有し、独自にあるいは主制御部1から伝送されるコマンドデータに応じて他の各部を制御するものであって、例えば、呼出音生成部14が生成する呼出音の選択や警報音生成部15が生成する警報音の選択、音声メッセージ伸長部16で伸長する音声メッセージデータの選択やメロディ音伸長部17で伸長するメロディ音データの選択等を決定して指示する。一例として、主制御部1が火災感知器の発報を検出して火災警報を発生させるためのコマンドデータを伝送した場合、DSP動作制御部19は当該コマンドデータに従って警報音生成部15に生成させた火災警報用の警報音や音声メッセージ伸長部16に伸長させた火災警報用の音声メッセージをスピーカ部41(必要に応じて外部I/F部53を介してロビーインターホンやドアホン子器のスピーカ)から出力させるように各部を制御する。
【0053】
次に、通話信号及び音声信号の伝送経路に着目して本実施形態の動作を説明する。
【0054】
まず、住宅情報盤のマイク部40から出力される送話信号は、図3に示すように第1A/D変換部42でデジタルの送話信号X1に変換され、デジタル信号多重部48にて通話相手機器(ロビーインターホンやドアホン子器)からの受話信号Y1と多重化されて信号処理演算部10の入力制御部12に入力され、さらに通話制御部11で通話処理された後に出力制御部13からデジタル信号分割部49に出力され、第3D/A変換部45でアナログの送話信号に変換されて2線4線変換部51、アナログ信号多重部53を経て外部I/F部53から信号線に送出されて通話相手機器のスピーカから出力される(図3の太い矢印参照)。
【0055】
反対に、通話相手機器から信号線を介して伝送されて外部I/F部53にて取り込まれた受話信号は、図4に示すようにアナログ信号多重部52並びに2線4線変換部51を経て第2A/D変換部47でデジタルの受話信号Y1に変換され、デジタル信号多重部48にてマイク部41からの送話信号X1と多重化されて信号処理演算部10の入力制御部12に入力され、さらに通話制御部11で通話処理された後に出力制御部13からデジタル信号分割部49に出力され、第1D/A変換部43でアナログの受話信号に変換されてアナログ信号多重部50を経てスピーカ部41から出力される(図4の太い矢印参照)。
【0056】
また、信号処理演算部10で生成される呼出音,警報音並びに音声メッセージ等の音声信号の内でスピーカ部41から出力されるべき音声信号Z2は、図5に示すように出力制御部13からデジタル信号分割部49に出力され、第2D/A変換部44でアナログの音声信号に変換された後、アナログ信号多重部50を経てスピーカ部41から出力される(図5の太い矢印参照)。
【0057】
同じく、信号処理演算部10で生成される呼出音,警報音並びに音声メッセージ等の音声信号の内で通話相手機器のスピーカから出力されるべき音声信号Z1は、図6に示すように出力制御部13からデジタル信号分割部49に出力され、第4D/A変換部46でアナログの音声信号に変換された後、アナログ信号多重部52を経て外部I/F部53から信号線に送出されて通話相手機器のスピーカから出力される(図6の太い矢印参照)。
【0058】
ここで、従来技術で説明したような火災感知器の発報の検出とロビーインターホンやドアホン子器などからの呼出とが同時に発生する状況が起こった場合を想定する。この場合、信号処理演算部10の出力制御部13は、図7に示すように第1及び第3データ期間DT1,DT3に警報音(火災警報音)を出力するとともに第2及び第4データ期間DT2,DT4に呼出音(例えば、ロビーインターホンからの呼出音)を出力するから、警報音と呼出音が重畳することを防いで警報音を確実に聞かせることができる。なお、従来では主制御部1を構成するCPUから音声ICにコマンドを与えて呼出音並びに警報音を出力させる構成が採用されていたが、この従来構成ではCPUで音声ICの動作状態を監視することができず、呼出音と警報音との出力のタイミングをCPUで制御しようとしても音声ICの動作状態とCPUからのコマンド送出とにタイムラグが生じて呼出音と警報音との重畳を回避することが困難であった。これに対して本実施形態では、信号処理演算部10を構成するDSP内部の時間管理に基づいたソフトウェア処理によって呼出音及び警報音を出力するためにタイムラグがほぼゼロとなり、上述のように警報音と呼出音の重畳が確実に防止できる。
ところで、既に説明したように、主制御部1が火災感知器や防犯センサあるいは水量センサなどの各種セキュリティセンサの出力を監視し、信号処理演算部10を制御することによって監視状態に応じた音声メッセージ、例えば「火災が発生しました。」、「侵入者です。」、「防犯警戒中です。」あるいは「水漏れです。」というような音声メッセージを住宅情報盤のスピーカ部41のみならず、ドアホン子器やロビーインターホン、さらに警報監視盤に伝送して異常発生等を在宅者や他の住戸の住人あるいは管理人等に報知するようになっている。しかしながら、火災警報の音声メッセージのように非常に危険度及び重要度の高い内容に関してはロビーインターホン、ドアホン子器並びに警報監視盤に伝える必要があるが、「防犯警戒中です。」あるいは「水漏れです。」というような危険度並びに重要度が低く、在宅者のみに知らせるだけでよい内容の音声メッセージまでもロビーインターホン等から聞かせるとかえって不都合の生じる虞がある。
そこで本実施形態の信号処理演算部10では、通話中に特定の音声メッセージを出力制御部13から出力する場合に、第2D/A変換部44にのみ当該音声メッセージを出力し、第1,第3並びに第4D/A変換部43,45,46には無音信号を出力するようにしている。
例えば、ドアホン子器との通話中に危険度並びに重要度が低く且つ在宅者のみに知らせるだけでよい内容の音声メッセージの出力を指示するコマンドデータが主制御部1からDSP動作制御部19に伝送された場合を想定する。このようなコマンドデータを受け取ったDSP動作制御部19は音声メッセージ伸長部16を制御し、音声メッセージ伸長部16がメモリ部30に圧縮して格納されている音声メッセージデータを読み出して伸長することにより、上記音声メッセージを生成して出力制御部13に出力する。さらにDSP動作制御部19は出力制御部13を制御し、図35に示すように第1データ期間DT1に無音信号を出力させ、通話制御部11から入力される通話信号(送話信号)の代わりに第2データ期間DT2にも無音信号を出力させるとともに、第3データ期間DT3に上記音声メッセージを出力させ、通話制御部11から入力される通話信号(受話信号)の代わりに第4データ期間DT4に無音信号を出力させる。
その結果、住宅情報盤のスピーカ部41のみから音声メッセージが出力され、ドアホン子器、ロビーインターホン並びに警報監視盤には無音信号が出力されるから、住戸内の在宅者にのみ知らせるべき特定の音声メッセージがロビーインターホンやドアホン子器から聞こえることがない。
【0059】
(実施形態2)
図8は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0060】
本実施形態は、スピーカ部41から出力される呼出音の音量を出力開始時点からの時間経過に伴って徐々に増大(漸増)させる呼出音音量漸増手段20を信号処理演算部10が備えた点に特徴がある。すなわち、最初から大きな音量で呼出音が鳴ると在宅者を驚かせてしまう場合があるので、呼出音音量漸増手段20により呼出音を時間経過に伴って徐々に増大させ、最初は小さな音量で鳴らし、徐々に大きな音量で鳴らすことで呼出音によって在宅者を驚かせてしまうことがないものである。
【0061】
呼出音音量漸増手段20は、例えば図9に示すように出力制御部13に設けられ、信号処理演算部10の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて呼出音のレベルを減衰処理する減衰部20aで構成される。呼出音生成部14又はメロディ音伸長部17から出力制御部13に呼出音が入力されると、減衰部20aが内蔵メモリから読み出した呼出音減衰量データに基づいた減衰量で呼出音を減衰させる。呼出音減衰量データは互いに減衰量が異なる複数個のデータからなり、減衰量の大きいものから小さいものへと順番に読み出される。減衰部20aではタイマ制御部18でカウントされる時間のカウント値を参照し、呼出音の出力開始時点からの時間経過に合わせて減衰量の大きい呼出音減衰量データから順番に読み出して呼出音の減衰処理を行う。つまり、呼出音の出力開始時点では大きな減衰量で減衰するために呼出音の音量が非常に小さくなり、時間の経過とともに減衰量が減少するにつれて呼出音の音量は漸増することになる。
【0062】
而して、信号処理演算部10の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて呼出音のレベルを減衰処理する減衰部20aで呼出音音量漸増手段20を構成すれば、呼出音減衰量データの設定に応じて呼出音音量の漸増の仕方が自由に設定できるという利点がある。
【0063】
(実施形態3)
図10は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,2と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0064】
本実施形態は、呼出音減衰量データを主制御部1の内蔵メモリに予め格納し、信号処理演算部10のDSP動作制御部19が主制御部1の内蔵メモリから読み出した呼出音減衰量データに基づいて出力制御部13に設けた減衰部20aにて呼出音のレベルを減衰処理する点に特徴がある。
【0065】
通話相手機器からの呼出が信号線を介して主制御部1に伝送されると、主制御部1が呼出音を出力させるためのコマンドデータを信号処理演算部10のDSP動作制御部19に伝送する。コマンドデータを受けたDSP動作制御部19が呼出音生成部14又はメロディ音伸長部17を制御して呼出音を生成させて出力制御部13に入力させる。さらにDSP動作制御部19は、タイマ制御部18でカウントされる時間のカウント値を参照し、呼出音の出力開始時点からの時間経過に合わせて主制御部1の内蔵メモリより減衰量の大きいものから小さいものへと順番に呼出音減衰量データを読み出して減衰部20aに伝送する。そして、減衰部20aがDSP動作制御部19から伝送される呼出音減衰量データに基づいて呼出音のレベルを減衰処理することにより、実施形態2と同様に呼出音の出力開始時点では大きな減衰量で減衰して呼出音の音量を小さくし、時間の経過とともに減衰量が減少するにつれて呼出音の音量を漸増する。
【0066】
而して本実施形態によれば、実施形態2と同様に呼出音減衰量データの設定に応じて呼出音音量の漸増の仕方が自由に設定できるとともに、主制御部1の内蔵メモリに格納しているために呼出音減衰量データの調整が容易に行えるという利点がある。
【0067】
(実施形態4)
図11は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,2と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0068】
本実施形態は、第2D/A変換部44でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部20aを設け、信号処理演算部10の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて出力制御部13が減衰部20aを制御する点に特徴がある。つまり、本実施形態の呼出音音量減衰手段20が実施形態2のものと相違する点は、呼出音のレベルの減衰処理を行う減衰器20aが第2D/A変換部44の出力側に設けられた点にあり、これ以外の構成並びに動作は実施形態2と共通であるから説明は省略する。
【0069】
而して本実施形態においても、実施形態2と同様に呼出音減衰量データの設定に応じて呼出音音量の漸増の仕方が自由に設定でき、しかも、信号処理演算部10からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために実施形態2,3に比較して信号処理演算部10における処理量を低減することができるという利点がある。
【0070】
(実施形態5)
図12は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,2と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0071】
本実施形態は実施形態3と実施形態4を組み合わせたものであって、呼出音減衰量データを主制御部1の内蔵メモリに予め格納し、信号処理演算部10のDSP動作制御部19が主制御部1の内蔵メモリから読み出した呼出音減衰量データに基づいて第2D/A変換部44の出力側に設けた減衰部20aにて呼出音のレベルを減衰処理する点に特徴がある。なお、これ以外の構成並びに動作は実施形態3,4と共通であるから説明は省略する。
【0072】
而して本実施形態においても、実施形態2と同様に呼出音減衰量データの設定に応じて呼出音音量の漸増の仕方が自由に設定でき、しかも、信号処理演算部10からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために実施形態2,3に比較して信号処理演算部10における処理量を低減することができるとともに、主制御部1の内蔵メモリに格納しているために呼出音減衰量データの調整が容易に行えるという利点がある。
【0073】
(実施形態6)
図13は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,2と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0074】
本実施形態は、呼出音減衰量データを主制御部1の内蔵メモリに予め格納し、主制御部1が内蔵メモリから読み出した呼出音減衰量データに基づいて第2D/A変換部44の出力側に設けた減衰部20aにて呼出音のレベルを減衰処理する点に特徴がある。なお、これ以外の構成並びに動作は実施形態3,4と共通であるから説明は省略する。
【0075】
而して本実施形態においても、実施形態3,4と同様に呼出音減衰量データの設定に応じて呼出音音量の漸増の仕方が自由に設定でき、しかも、信号処理演算部10からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために信号処理演算部10における処理量を低減することができるとともに、主制御部1の内蔵メモリに格納しているために呼出音減衰量データの調整が容易に行え、さらに、主制御部1と信号処理部10との間で呼出音音量減衰のための信号伝送が不要となって伝送誤りを考慮する必要がなくなるという利点がある。
【0076】
(実施形態7)
図14は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,2と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0077】
本実施形態は、同一の呼出音(メロディ音)について互いに音量の異なる複数の呼出音データ(メロディ音データ)MDを予めメモリ部30に圧縮して格納しておき、信号処理演算部10に設けた呼出音漸増伸長部21にてメモリ部30から音量の小さい順に読み出した呼出音データを順次伸長して出力制御部13に出力するようにした点に特徴があり、呼出音漸増伸長部21並びにメモリ部30にて呼出音音量漸増手段20を構成している。
【0078】
すなわち、DSP動作制御部19から呼出音出力の指示を受けた呼出音漸増伸長部21がメモリ部30に格納されているメロディ音データMDを音量の小さい順に読み出して順次伸長し、伸長したメロディ音(呼出音)を出力制御部13に出力する。出力制御部13では受け取った呼出音を通常の手順で順次デジタル信号分割部49に出力してスピーカ部41から呼出音を出力させるから、呼出音の出力開始時点では音量の小さい呼出音が出力され、時間の経過とともに呼出音の音量が漸増することになる。
【0079】
而して本実施形態によれば、メモリ部30に予め音量のみが異なる複数の呼出音データを格納しておくだけで済み、音量調整が不要となるという利点がある。
【0080】
(実施形態8)
図15は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0081】
本実施形態は、通話相手に聞かせて通話を中止するための口実とする特定音を発生する特定音発生手段を備えた点に特徴がある。例えば、ロビーインターホンからの呼出に在宅者が応答したところ、その相手(通話相手)がセールスマン等の招かれざる訪問者であったため、早々に通話を中止して当該訪問者にお引き取り願いたいと在宅者が望む場合がある。このような場合に電話機の呼出音や子供の泣き声などの音(これを「特定音」と名付ける)を通話相手に聞かせることで通話を中止する口実が作り出せ、例えば「今電話が鳴っているのでお引き取り下さい。」とか「子供が泣いていて手が離せないのでお引き取り下さい。」というように伝えて通話したくない相手との通話を早急に中止することができる。
【0082】
特定音発生手段は、図15に示すように電話機の呼出音のような人の声以外の音からなる特定音を生成する特定音生成部22と、予めメモリ部30に圧縮して格納されている、子供の泣き声のような人の声からなる特定音データを伸長する特定音伸長部23とで構成される。但し、特定音生成部22と特定音伸長部23は同時に動作する必要はなく、少なくとも何れか一方が動作すれば上述の効果が奏し得るものである。
【0083】
ここで、特定音生成部22又は特定音伸長部23から出力制御部13に入力された特定音は、出力制御部13からの出力のタイミング、つまり第1乃至第4データ期間DT1〜DT4の何れのデータ期間に出力するかによって出力する経路並びに出力先を選択することができる。
【0084】
まず、特定音伸長部23で伸長された人の声などからなる特定音をスピーカ部41から出力する場合を説明する。この場合、出力制御部13が特定音を第4データ期間DT4に出力すれば、図16に示すようにデジタル信号分割部49を経て第1D/A変換部43でアナログ信号に変換された特定音がアナログ信号多重部50を経てスピーカ部41に出力される(図16の太い矢印参照)。そして、スピーカ部41から出力された特定音がマイク部40に回り込み、通常の送話信号の経路で通話相手機器(例えば、ロビーインターホン)に送られて通話相手に聞こえることになる。すなわち、通話音声とともにスピーカ部41から出力された特定音がマイク部40に回り込んで通話相手に聞こえるため、在宅者自身が特定音の発生を確認できるという利点がある。
【0085】
続いて、特定音伸長部23で伸長された人の声などからなる特定音を通話相手機器(例えば、ロビーインターホン)のスピーカに出力する場合を説明する。この場合、出力制御部13が特定音を第2データ期間DT2に出力すれば、図17に示すようにデジタル信号分割部49を経て第3D/A変換部45でアナログの送話信号に変換されて2線4線変換部51、アナログ信号多重部53を経て外部I/F部53から信号線に送出されて通話相手機器のスピーカから出力されて通話相手に聞こえることになる(図17の太い矢印参照)。すなわち、特定音を直接通話相手機器に出力しているため、通話相手に特定音を確実に聞かせることができるという利点がある。
【0086】
また、特定音生成部22で生成された電話機の呼出音のような人の声以外の音からなる特定音をスピーカ部41から出力する場合を説明する。この場合、出力制御部13が特定音を第3データ期間DT3に出力すれば、図18に示すようにデジタル信号分割部49を経て第2D/A変換部44でアナログ信号に変換された特定音がアナログ信号多重部50を経てスピーカ部41に出力される(図18の太い矢印参照)。そして、スピーカ部41から出力された特定音がマイク部40に回り込み、通常の送話信号の経路で通話相手機器(例えば、ロビーインターホン)に送られて通話相手に聞こえることになる。すなわち、通話音声とともにスピーカ部41から出力された特定音がマイク部40に回り込んで通話相手に聞こえるために在宅者自身が特定音の発生を確認でき、しかも、通話信号の経路(通話路)の増幅率に合わせて特定音の音量を調整する必要がないという利点がある。
【0087】
さらに、特定音生成部22で生成された電話機の呼出音のような人の声以外の音からなる特定音を通話相手機器(例えば、ロビーインターホン)のスピーカに出力する場合を説明する。この場合、出力制御部13が特定音を第1データ期間DT1に出力すれば、図19に示すようにデジタル信号分割部49を経て第3D/A変換部45でアナログの送話信号に変換され、アナログ信号多重部53を経て外部I/F部53から信号線に送出されて通話相手機器のスピーカから出力されて通話相手に聞こえることになる(図19の太い矢印参照)。すなわち、特定音を直接通話相手機器に出力しているために通話相手に特定音を確実に聞かせることができ、しかも、通話路の増幅率に合わせて特定音の音量を調整する必要がないという利点がある。
【0088】
なお、図20に示すように主制御部1に特定音出力制御部2を設け、この特定音出力制御部2から上記4通りの特定音の出力方法の何れか1つを選択するコマンドデータをDSP動作制御部19に与え、コマンドデータに従ってDSP動作制御部19が出力制御部13を制御して特定音を出力するデータ期間を決定するようにしてもよい。このようにすれば、特定音の出力先を主制御部1の特定音出力制御部2から選択して決定することで使い勝手の向上が図れるという利点がある。
【0089】
(実施形態9)
図21は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0090】
本実施形態は、基準波形信号を利用して所望のメロディを有するメロディ音(呼出音)を生成して出力制御部13に出力するメロディ音生成部24を信号処理演算部10に設けた点に特徴がある。
【0091】
メロディ音生成部24は、信号処理演算部10を構成するDSP内部で生成される正弦波信号を基準波形信号とし、従来周知のFM音源の原理を使って種々のメロディを有した呼出音を生成する。なお、このようなメロディ音生成部24はDSPに所定のプログラムを実行させることで実現可能である。
【0092】
而して本実施形態によれば、様々なメロディを有した呼出音が容易に作成できるとともに、従来の録音型のもの(予め種々のメロディを有した呼出音を記憶しておくもの)に比較して呼出音用のメモリ容量が極めて少なくて済むという利点がある。
【0093】
ところで、図22に示すようにメロディ音生成部24が正弦波信号を利用してメロディを生成するために必要な周波数成分情報、継続時間情報、振幅制御情報などの情報(メロディ音情報)を信号処理演算部10の内蔵メモリに格納し、メロディ音生成部24が内蔵メモリから読み出したメロディ音情報に基づいて呼出音を生成する構成とすれば、メモリ部30に音源のデータを格納する必要が無く、メモリ部30の容量消費を抑えることができる。
【0094】
あるいは、図23に示すようにメロディ音情報をメモリ部30に格納し、メモリ部30から読み出したメロディ音情報に基づいてメロディ音生成部24が呼出音を生成する構成とすれば、内蔵メモリに比較して十分な容量が確保できるために格納可能なメロディ音情報を増やすことができ、メロディの長さ、音の高さ、継続時間のあらゆる組み合わせに対応可能となる。
【0095】
さらに、図24に示すようにメロディ音情報を主制御部1の内蔵メモリ又は主制御部1が管理する外部メモリに格納し、主制御部1が読み出してDSP動作制御部19に伝送したメロディ音情報を基づいてメロディ音生成部24が呼出音を生成する構成とすれば、主制御部1にてメロディの修正を行うことができ、メロディ音生成のためのパラメータ調整が行いやすいという利点がある。
【0096】
(実施形態10)
図25は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0097】
本実施形態は、通話相手機器(ロビーインターホン、ドアホン子器並びに警報監視盤)との通話時間を計測し、通話時間が所定の通話切断時間を経過したら当該通話を強制的に切断する通話切断手段を信号処理演算部10に設けた点に特徴がある。
【0098】
すなわち、通話相手機器の呼出に応じて在宅者が応答釦(図示せず)を押操作すると主制御部1からのコマンドデータによりDSP動作制御部19が通話制御部11に動作を開始させて通話が開始される。このとき、DSP動作制御部19は予め設定されている通話切断時間のカウントをタイマ制御部18に開始させ、通話切断時間がカウントアップすると入力制御部12並びに出力制御部13に対してタイマ制御部18から通話停止指令が与えられる。この通話停止指令を受けた入力制御部12並びに出力制御部13が動作を停止して通話を切断する。つまり、通話相手機器(特にロビーインターホン又は警報監視盤)との通話路が長時間にわたって占有されると、他の住戸の住宅情報盤が当該通話相手機器と通話することができない等の不都合が生じるため、通話相手機器との通話時間に上限(通話切断時間)を設け、通話時間が通話切断時間に達したら強制的に通話を切断することで通話路が長時間占有されるのを防いでいるものである。
【0099】
ここで、実施形態1で述べたようにタイマ制御部18は同期ずれが殆ど生じない基準タイミング信号Trをカウントすることで時間を正確にカウントすることができるから、上記通話切断時間についても正確な管理が可能である。
【0100】
(実施形態11)
図26は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,10と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0101】
本実施形態は、手動操作可能な通話延長スイッチを設け、通話延長スイッチが操作されると通話切断手段が通話切断時間のカウント値を変更して通話時間を延長する点に特徴がある。
【0102】
通話延長スイッチは住宅情報盤の筐体に押操作可能に設けられた通話延長ボタン3と、主制御部1に設けられ、通話延長ボタン3の操作(押し下げ)を検出するボタン押下検出部4とで構成される。ボタン押下検出部4で通話延長ボタン3の操作が検出されると、主制御部1が通話切断時間を延長させるコマンドデータをDSP動作制御部19に伝送し、このコマンドデータを受けたDSP動作制御部19がタイマ制御部18でカウントする通話切断時間の設定値を変更することで通話時間が延長される。
【0103】
而して本実施形態によれば、通話延長スイッチを操作することで使用者の意志により通話時間を延長することができ、使い勝手が向上できるという利点がある。
【0104】
なお、図27に示すように通話延長スイッチを複数個の通話延長ボタン31…と各通話延長ボタン31…の操作を個別に検出可能なボタン押下検出部4とで構成し、ボタン押下検出部4で何れかの通話延長ボタン31…の操作が検出されると、操作された通話延長ボタン31…に応じた延長時間だけ通話切断時間を延長させるコマンドデータを主制御部1からDSP動作制御部19に伝送し、このコマンドデータを受けたDSP動作制御部19がタイマ制御部18でカウントする通話切断時間の設定値をコマンドデータで指示された延長時間の値に変更するようにすれば、延長する通話時間を選択することができて、使い勝手がさらに向上できる。
【0105】
(実施形態12)
図28は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,10と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0106】
本実施形態は、タイマ制御部18による通話切断時間のカウントがカウントアップする前に通話の切断を予告する音声メッセージを出力制御部13から第1D/A変換部43に出力する点に特徴がある。
【0107】
すなわち、タイマ制御部18による通話切断時間のカウントが残り数秒(例えば10秒)となった時点でDSP動作制御部19が音声メッセージ伸長部16に指示を与え、音声メッセージ伸長部16がメモリ部30に圧縮して格納された音声メッセージデータを読み出し且つ伸長して通話切断予告の音声メッセージ、例えば「10秒後に通話は切断されます。」といった内容の音声メッセージを出力制御部13に出力する。出力制御部13では入力された通話切断予告の音声メッセージを第4データ期間DT4に出力し、デジタル信号分割部49を経て第1D/A変換部43にてアナログ信号に変換した音声メッセージをアナログ信号多重部50からスピーカ部41に出力することで在宅者に通話切断予告の音声メッセージを聞かせることができる(図28の太い矢印参照)。
【0108】
而して本実施形態では、タイマ制御部18による通話切断時間のカウントがカウントアップする前に通話切断予告の音声メッセージを出力制御部13から第1D/A変換部43に出力するため、スピーカ部41から通話切断予告の音声メッセージを出力して使用者に対して通話の強制切断を事前に知らせることができる。
【0109】
(実施形態13)
図29は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,10と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0110】
本実施形態は、通話相手機器毎に通話切断時間の設定を可能とした点に特徴がある。すなわち、タイマ制御部18にはロビーインターホンとの通話時に第1の通話切断時間をカウントする第1のタイマ18aと、ドアホン子器との通話時に第2の通話切断時間をカウントする第2のタイマ18bとを具備し、第1及び第2の通話切断時間が独立して設定できるようにしてある。
【0111】
従って、ロビーインターホンとの通話時にはタイマ制御部18の第1のタイマ18aが第1の通話切断時間をカウントし、ドアホン子器との通話時には第2のタイマ18bが第2の通話切断時間をカウントし、第1及び第2のタイマ18a,18bによる第1及び第2の通話切断時間のカウントがカウントアップしたときに入力制御部12並びに出力制御部13に対してタイマ制御部18から通話停止指令が与えられて通話が強制的に切断される。
【0112】
而して本実施形態によれば、通話相手機器との通話切断時間が個別に設定可能であるから使い勝手が向上でき、特にロビーインターホンとの通話切断時間を他の通話切断時間よりも短くしてロビーインターホンと接続された信号線の占有時間を短くできる。
【0113】
(実施形態14)
図30は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,10と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0114】
本実施形態は、現在時刻を計時する時計部18cと、時計部18cで計時する現在時刻に応じて時報音を生成する時報生成部25とを信号処理演算部10に設け、信号処理演算部10では時報生成部25で生成される時報音を所定の時間間隔で出力制御部13から第1D/A変換部43に出力するようにした点に特徴がある。
【0115】
時計部18cはタイマ制御部18に設けられ、基準タイミング信号Trを利用して現在時刻を正確に計時することができる。また、時報生成部25は時計部18cで計時する現在時刻を監視し、所定の時刻(例えば、毎時0分)に時報音を生成して出力制御部13に出力する。出力制御部13では入力された時報音を第4データ期間DT4に出力し、デジタル信号分割部49を経て第1D/A変換部43にてアナログ信号に変換した時報音がアナログ信号多重部50からスピーカ部41に出力されることで在宅者に時報音を聞かせることができる(図30の太い矢印参照)。
【0116】
(実施形態15)
図31は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0117】
本実施形態は、呼出音生成部14から呼出音が出力された後に呼出元を報知する音声メッセージを作成して出力制御部13から出力させる呼出元報知手段を信号処理演算部10に設けた点に特徴がある。なお、呼出元報知手段はDSP動作制御部19で構成される。
【0118】
すなわち、ロビーインターホンやドアホン子器からの呼出が主制御部1に伝送されると主制御部1からのコマンドデータに従ってDSP動作制御部19が呼出音生成部14に呼出音を生成させ、出力制御部13から第3データ期間DT3に呼出音を出力させてスピーカ部41に呼出音を鳴動させる。また、主制御部1からは呼出元(ロビーインターホンやドアホン子器など)を知らせるコマンドデータがDSP動作制御部19に伝送され、このコマンドデータに従ってDSP動作制御部19が音声メッセージ伸長部16を制御し、音声メッセージ伸長部16がメモリ部30に圧縮して格納されている音声メッセージデータを読み出して伸長することにより、呼出元を知らせる音声メッセージ(例えば、「ロビーインターホンからの呼出です。」という内容の音声メッセージ)を生成して出力制御部13に出力する。出力制御部13が第4データ期間DT4に音声メッセージを出力することでスピーカ部41に音声メッセージを鳴動させる。
【0119】
而して本実施形態では、呼出音の後に呼出元を知らせる音声メッセージを鳴らしているため、呼出音が鳴った場合にロビーインターホン、ドアホン子器又は警報監視盤の何れからの呼出であるかを音声メッセージにて在宅者に報知することができ、在宅者に呼出元を容易に判らせることができる。特に通話相手機器毎に異なる呼出音を鳴動するようにした場合において、在宅者が呼出元と呼出音との対応関係を忘れたときにも呼出元が容易に判別できる。
【0120】
(実施形態16)
図32は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0121】
本実施形態は、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に通話中であることを知らせる話中音を生成して呼出元の機器に伝送する点に特徴があり、話中音を生成する話中音生成部26を信号処理演算部10に設けている。
【0122】
例えば、ドアホン子器との通話中にロビーインターホンからの呼出が主制御部1に伝送されると主制御部1からのコマンドデータに従ってDSP動作制御部19が話中音生成部26に話中音を生成させ、出力制御部13から第1データ期間DT1に話中音を出力させる。この話中音がデジタル信号分割部49を経て第4D/A変換部46でアナログの音声信号に変換された後、アナログ信号多重部52を経て外部I/F部53から信号線に送出されてロビーインターホンのスピーカから出力される。
【0123】
而して本実施形態では、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に通話中であることを知らせる話中音を生成して呼出元の機器に伝送するため、呼出元の相手(訪問者)に話中音を聞かせることにより、住戸の在宅者が通話中で応答できないことを知らせることができる。
【0124】
(実施形態17)
図33は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1,16と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0125】
本実施形態は、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に話中音又は呼出音(リングバックトーン)の何れかを選択して呼出元の機器に伝送する点に特徴があり、呼出元へ伝送する音(話中音又はリングバックトーン)を選択して決定するバックトーン決定部5を主制御部1に設けている。
【0126】
例えば、ドアホン子器との通話中にロビーインターホンからの呼出が主制御部1に伝送されると、主制御部1はバックトーン決定部5で決定されている音(話中音又はリングバックトーン)を送出させるためのコマンドデータをDSP動作制御部19に伝送する。DSP動作制御部19はコマンドデータによって話中音の送出が指示された場合には実施形態16で説明したように話中音生成部26に話中音を生成させ、コマンドデータによってリングバックトーンの送出が指示された場合には呼出音生成部14に呼出音(リングバックトーン)を生成させるとともに、話中音又は呼出音を出力制御部13から第1データ期間DT1に出力させる。第1データ期間DT1に出力された話中音又は呼出音がデジタル信号分割部49を経て第4D/A変換部46でアナログの音声信号に変換された後、アナログ信号多重部52を経て外部I/F部53から信号線に送出されてロビーインターホンのスピーカから出力される。
【0127】
而して、呼出元の相手に話中音を聞かせれば通話中で応答できないことを知らせることができ、また、呼出元の相手に応答したくない場合には呼出音(リングバックトーン)を聞かせることで留守を装うことができる。
【0133】
(実施形態18
図36は本実施形態の住宅情報盤における要部の構成を示したブロック図である。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明並びに一部図示を省略し、本実施形態の特徴となる構成についてのみ説明する。
【0134】
本実施形態は、第1A/D変換部42から入力する通話信号(送話信号)に基づいて周囲の騒音レベルを検出する周囲騒音レベル検出部27を信号処理演算部10に設け、周囲騒音レベル検出部27で検出された周囲騒音レベルに応じて出力制御部13から出力する音声メッセージの出力レベルを調整する点に特徴がある。
【0135】
マイク部40で集音されて第1A/D変換部42でデジタル信号に変換された送話信号がデジタル信号多重部48を経て入力制御部12から周囲騒音レベル検出部27に入力される。周囲騒音レベル検出部27では人の声が含まれていないと判断し得る部分の送話信号のレベルに基づいて周囲騒音レベルを検出する。
【0136】
そして、音声メッセージ伸長部16で伸長された音声メッセージを出力する際に、出力制御部13が周囲騒音レベル検出部27で検出された周囲騒音レベルに応じた出力レベルに調整して音声メッセージを出力する。すなわち、周囲騒音レベルが低い場合には音声メッセージの出力レベルも低くし、周囲騒音レベルが高い場合には音声メッセージの出力レベルも高くするのである。
【0137】
而して本実施形態では、周囲騒音レベルに応じた適切な音量で音声メッセージを出力することができ、音声メッセージが騒音に埋まって聞き取れなくなったり、周囲が静かな状況で必要以上に大きい音量で音声メッセージが鳴るといった不具合の発生を防ぐことができる。
【0138】
【発明の効果】
請求項1の発明は、インターホンシステムに用いられる住宅情報盤において、デジタル・シグナル・プロセッサで構成され、音声に関する信号処理を行う信号処理演算部と、主に音声以外の信号処理を行うとともに信号処理演算部の制御を行う主制御部と、マイク及びスピーカと、マイクで集音されたアナログの通話信号をデジタルの通話信号に変換して信号処理演算部に入力する第1のA/D変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの通話信号をアナログの通話信号に変換してスピーカに出力する第1のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換してスピーカに出力する第2のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの通話信号をアナログの通話信号に変換して住戸外に設置されたドアホン子器等に出力する第3のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換して住戸外に設置されたドアホン子器等に出力する第4のD/A変換手段と、住戸外に設置されたドアホン子器等からのアナログの通話信号をデジタルの通話信号に変換して信号処理演算部に入力する第2のA/D変換手段とを具備し、信号処理演算部は、住戸外に設置されたドアホン子器等からの呼出に応じて呼出音を生成する呼出音生成部と、センサ等の起動情報により発報を知らせるための警報音を生成する警報音生成部と、呼出音と警報音が互いに重畳しないように第2のD/A変換手段に出力調整させる出力制御部とを有し、且つ通話中に何らかの音声メッセージを出力制御部から出力する場合に、第2のD/A変換手段にのみ音声メッセージを出力し、第1,第3並びに第4のD/A変換手段には無音信号を出力するので、警報音と呼出音とが重畳することを防いで警報音を確実に聞かせることができ、しかも、住戸内の在宅者にのみ知らせるべき特定の音声メッセージがロビーインターホンやドアホン子器から聞こえることがないという効果がある。
【0139】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、スピーカから出力される呼出音の音量を出力開始時点からの時間経過に伴って徐々に増大させる呼出音音量漸増手段を備えたので、最初から大きな音量で呼出音が鳴ると在宅者を驚かせてしまう場合があるが、呼出音音量漸増手段により呼出音を時間経過に伴って徐々に増大させるようにすれば、最初は小さな音量で呼出音を鳴らずことができるために在宅者を驚かせてしまうことがないという効果がある。
【0140】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、信号処理演算部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて出力制御部にて呼出音のレベルを減衰処理するので、呼出音の増大の仕方が自由に設定できるという効果がある。
【0141】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて出力制御部にて呼出音のレベルを減衰処理するので、呼出音の増大の仕方が自由に設定できるとともに呼出音減衰量データの調整が容易に行えるという効果がある。
【0142】
請求項5の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、信号処理演算部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて信号処理演算部が減衰部を制御してなるので、信号処理演算部からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために信号処理演算部における処理量を低減することができるという効果がある。
【0143】
請求項6の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて信号処理演算部が減衰部を制御してなるので、信号処理演算部からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために信号処理演算部における処理量を低減することができるとともに、呼出音減衰量データの調整が容易に行えるという効果がある。
【0144】
請求項7の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて主制御部が減衰部を制御してなるので、信号処理演算部からは呼出音の音量レベルを一定として出力することができるために信号処理演算部における処理量を低減することができるとともに、呼出音減衰量データの調整が容易に行え、しかも、主制御部と信号処理部との間で呼出音音量減衰のための信号伝送が不要となって伝送誤りを考慮する必要がなくなるという効果がある。
【0145】
請求項8の発明は、請求項2の発明において、呼出音音量漸増手段は、音量の異なる複数の呼出音データが格納された記憶部を有し、記憶部から音量の小さい順に読み出した呼出音データを順次出力制御部に出力してなるので、記憶部に予め呼出音データを格納しておくだけで済み、音量調整が不要となるという効果がある。
【0146】
請求項9の発明は、請求項2の発明において、通話相手に聞かせて通話を中止するための口実とする特定音を発生する特定音発生手段を備えたので、例えば、ロビーインターホンやドアホン子器にて通話している場合に電話機の呼出音や子供の泣き声などの特定音を通話相手に聞かせることで通話を中止させる口実が作り出せ、通話したくない相手との通話を早急に中止することができるという効果がある。
【0147】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第3のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させるので、通話音声とともにスピーカから出力された特定音がマイクに回り込んで通話相手に聞こえることとなり、在宅者自身が特定音の発生を確認できるという効果がある。
【0148】
請求項11の発明は、請求項9の発明において、特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第3のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させるので、通話相手に特定音を確実に聞かせることができるという効果がある。
【0149】
請求項12の発明は、請求項9の発明において、特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第2のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させるので、通話音声とともにスピーカから出力された特定音がマイクに回り込んで通話相手に聞こえることとなり、在宅者自身が特定音の発生を確認でき、しかも、通話路の増幅率に合わせて特定音の音量を調整する必要がないという効果がある。
【0150】
請求項13の発明は、請求項9の発明において、特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第4のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させるので、通話相手に特定音を確実に聞かせることができ、しかも、通話路の増幅率に合わせて特定音の音量を調整する必要がないという効果がある。
【0151】
請求項14の発明は、請求項10〜13の発明において、特定音発生手段が特定音を出力する先のD/A変換手段を主制御部から選択して決定するので、使い勝手の向上が図れるという効果がある。
【0152】
請求項15の発明は、請求項1記載の発明において、基準波形信号を利用して所望のメロディを有する呼出音を生成して出力制御部に出力するメロディ音生成部を信号処理演算部に設けたので、様々なメロディを有した呼出音が容易に作成できるとともに、従来の録音型のものに比較して呼出音用のメモリ容量が極めて少なくて済むという効果がある。
【0153】
請求項16の発明は、請求項15の発明において、メロディ音生成のために必要な各種の情報を信号処理演算部の内蔵メモリに格納し、メロディ音生成部が内蔵メモリから読み出した情報に基づいて呼出音を生成するので、音源のデータを外部のメモリに格納しておく必要がないという効果がある。
【0154】
請求項17の発明は、請求項15の発明において、メロディ音生成のために必要な各種の情報を記憶部に格納し、メロディ音生成部が記憶部から読み出した情報に基づいて呼出音を生成するので、内蔵メモリに比較して十分な容量が確保できるためにメロディの長さ、音の高さ、継続時間のあらゆる組み合わせに対応可能となるという効果がある。
【0155】
請求項18の発明は、請求項15の発明において、メロディ音生成のために必要な各種の情報を主制御部にて管理し、メロディ音生成部が主制御部から伝送される情報に基づいて呼出音を生成するので、主制御部にてメロディの修正を行うことができ、メロディ音生成のためのパラメータ調整が行いやすいという効果がある。
【0156】
請求項19の発明は、請求項1の発明において、少なくともドアホン子器との通話時間を計測し、所定の通話切断時間が経過したら当該通話を強制的に切断する通話切断手段を信号処理演算部に設けたので、通話路が長時間にわたって占有されるのを防ぐことができるという効果がある。
【0157】
請求項20の発明は、請求項19の発明において、手動操作可能な通話延長スイッチを設け、通話延長スイッチが操作されると通話切断手段が通話切断時間のカウント値を変更して通話時間を延長するので、通話延長スイッチを操作することで使用者の意志により通話時間を延長することができ、使い勝手が向上できるという効果がある。
【0158】
請求項21の発明は、請求項20の発明において、通話延長スイッチを複数設け、操作される通話延長スイッチに応じて通話切断手段が変更するカウント値を異ならせてなるので、延長する通話時間を選択することができるという効果がある。
【0159】
請求項22の発明は、請求項20又は21の発明において、信号処理演算部は、通話切断手段によるカウント値が通話切断時間を経過する前に通話の切断を予告する音声メッセージを出力制御部から第1のD/A変換手段に出力するので、スピーカから音声メッセージを出力して使用者に対して通話の強制切断を事前に知らせることができるという効果がある。
【0160】
請求項23の発明は、請求項19の発明において、通話切断手段は、通話相手の機器毎に通話切断時間の設定が可能であるので、ロビーインターホン、ドアホン子器並びに警報監視盤との通話切断時間が個別に設定可能で使い勝手が向上でき、特にロビーインターホンとの通話切断時間を他の通話切断時間よりも短くしてロビーインターホンと接続された信号線の占有時間を短くできるという効果がある。
【0161】
請求項24の発明は、請求項19の発明において、現在時刻を計時する時計手段と、時計手段で計時する現在時刻に応じて時報音を生成する時報生成手段とを信号処理演算部に設け、信号処理演算部は、時報生成手段で生成される時報音を所定の時間間隔で出力制御部から第1のD/A変換手段に出力するので、所定の時間間隔(例えば、毎時0分毎)でスピーカから時報音を出力して在宅者に時刻を知らせることができるという効果がある。
【0162】
請求項25の発明は、請求項1の発明において、呼出音生成部から呼出音が出力された後に呼出元を報知する音声メッセージを作成して出力制御部から出力させる呼出元報知手段を信号処理演算部に設けたので、呼出音が鳴った場合にロビーインターホン、ドアホン子器又は警報監視盤の何れからの呼出であるかを音声メッセージにて在宅者に報知することができるという効果がある。
【0163】
請求項26の発明は、請求項25の発明において、信号処理演算部は、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に通話中であることを知らせる話中音を生成して呼出元の機器に伝送するので、呼出元の相手に話中音を聞かせることにより、通話中で応答できないことを知らせることができるという効果がある。
【0164】
請求項27の発明は、請求項25の発明において、信号処理演算部は、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に通話中であることを知らせる話中音又は呼出音の何れかを選択して呼出元の機器に伝送するので、呼出元の相手に話中音を聞かせれば通話中で応答できないことを知らせることができ、また、呼出元の相手に応答したくない場合には呼出音を聞かせることで留守を装うことができるという効果がある。
【0166】
請求項28の発明は、請求項1の発明において、第1のA/D変換手段から入力する通話信号に基づいて周囲の騒音レベルを検出する周囲騒音レベル検出部を信号処理演算部に設け、信号処理演算部は、検出された周囲騒音レベルに応じて出力制御部から出力する音声メッセージの出力レベルを調整するので、周囲騒音レベルに応じた適切な音量で音声メッセージを出力することができ、音声メッセージが騒音に埋まって聞き取れなくなったり、周囲が静かな状況で必要以上に大きい音量で音声メッセージが鳴るといった不具合の発生を防ぐことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の要部の構成を示したブロック図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】同上の動作説明図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】同上の動作説明図である。
【図8】実施形態2の要部の構成を示したブロック図である。
【図9】同上の要部の構成を示したブロック図である。
【図10】実施形態3の要部の構成を示したブロック図である。
【図11】実施形態4の要部の構成を示したブロック図である。
【図12】実施形態5の要部の構成を示したブロック図である。
【図13】実施形態6の要部の構成を示したブロック図である。
【図14】実施形態7の要部の構成を示したブロック図である。
【図15】実施形態8の要部の構成を示したブロック図である。
【図16】同上の動作説明図である。
【図17】同上の動作説明図である。
【図18】同上の動作説明図である。
【図19】同上の動作説明図である。
【図20】同上の他の構成を示す一部省略したブロック図である。
【図21】実施形態9の要部の構成を示したブロック図である。
【図22】同上の他の構成を示す一部省略したブロック図である。
【図23】同上のさらに他の構成を示す一部省略したブロック図である。
【図24】同上のさらにまた他の構成を示す一部省略したブロック図である。
【図25】実施形態10の要部の構成を示したブロック図である。
【図26】実施形態11の要部の構成を示したブロック図である。
【図27】同上の他の構成を示す一部省略したブロック図である。
【図28】実施形態12の要部の構成を示したブロック図である。
【図29】実施形態13の要部の構成を示したブロック図である。
【図30】実施形態14の要部の構成を示したブロック図である。
【図31】実施形態15の要部の構成を示したブロック図である。
【図32】実施形態16の要部の構成を示したブロック図である。
【図33】実施形態17の要部の構成を示したブロック図である。
【図34】実施形態の要部の構成を示したブロック図である。
【図35】同上の動作説明図である。
【図36】実施形態18の要部の構成を示したブロック図である。
【図37】住宅情報盤を用いたインターホンシステムのシステム構成図である。
【符号の説明】
1 主制御部
10 信号処理演算部
11 通話制御部
12 入力制御部
13 出力制御部
14 呼出音生成部
15 警報音生成部

Claims (28)

  1. インターホンシステムに用いられる住宅情報盤において、デジタル・シグナル・プロセッサで構成され、音声に関する信号処理を行う信号処理演算部と、主に音声以外の信号処理を行うとともに信号処理演算部の制御を行う主制御部と、マイク及びスピーカと、マイクで集音されたアナログの通話信号をデジタルの通話信号に変換して信号処理演算部に入力する第1のA/D変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの通話信号をアナログの通話信号に変換してスピーカに出力する第1のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換してスピーカに出力する第2のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの通話信号をアナログの通話信号に変換して住戸外に設置されたドアホン子器等に出力する第3のD/A変換手段と、信号処理演算部から出力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換して住戸外に設置されたドアホン子器等に出力する第4のD/A変換手段と、住戸外に設置されたドアホン子器等からのアナログの通話信号をデジタルの通話信号に変換して信号処理演算部に入力する第2のA/D変換手段とを具備し、信号処理演算部は、住戸外に設置されたドアホン子器等からの呼出に応じて呼出音を生成する呼出音生成部と、センサ等の起動情報により発報を知らせるための警報音を生成する警報音生成部と、呼出音と警報音が互いに重畳しないように第2のD/A変換手段に出力調整させる出力制御部とを有し、且つ通話中に何らかの音声メッセージを出力制御部から出力する場合に、第2のD/A変換手段にのみ音声メッセージを出力し、第1,第3並びに第4のD/A変換手段には無音信号を出力することを特徴とする住宅情報盤。
  2. スピーカから出力される呼出音の音量を出力開始時点からの時間経過に伴って徐々に増大させる呼出音音量漸増手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の住宅情報盤。
  3. 呼出音音量漸増手段は、信号処理演算部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて出力制御部にて呼出音のレベルを減衰処理することを特徴とする請求項2記載の住宅情報盤。
  4. 呼出音音量漸増手段は、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて出力制御部にて呼出音のレベルを減衰処理することを特徴とする請求項2記載の住宅情報盤。
  5. 呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、信号処理演算部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて信号処理演算部が減衰部を制御してなることを特徴とする請求項2記載の住宅情報盤。
  6. 呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて信号処理演算部が減衰部を制御してなることを特徴とする請求項2記載の住宅情報盤。
  7. 呼出音音量漸増手段は、第2のD/A変換手段でアナログ信号に変換された呼出音を減衰する減衰部を有し、主制御部の内蔵メモリに予め格納された呼出音減衰量データに基づいて主制御部が減衰部を制御してなることを特徴とする請求項2記載の住宅情報盤。
  8. 呼出音音量漸増手段は、音量の異なる複数の呼出音データが格納された記憶部を有し、記憶部から音量の小さい順に読み出した呼出音データを順次出力制御部に出力してなることを特徴とする請求項2記載の住宅情報盤。
  9. 通話相手に聞かせて通話を中止するための口実とする特定音を発生する特定音発生手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の住宅情報盤。
  10. 特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第1のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させることを特徴とする請求項9記載の住宅情報盤。
  11. 特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第3のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させることを特徴とする請求項9記載の住宅情報盤。
  12. 特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第2のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させることを特徴とする請求項9記載の住宅情報盤。
  13. 特定音発生手段は、信号処理演算部にて作成された特定音を出力制御部にて通話信号と加算し、第4のD/A変換手段における変換処理に応じたタイミングで出力させることを特徴とする請求項9記載の住宅情報盤。
  14. 特定音発生手段が特定音を出力する先のD/A変換手段を主制御部から選択して決定することを特徴とする請求項10〜13に記載の住宅情報盤。
  15. 基準波形信号を利用して所望のメロディを有する呼出音を生成して出力制御部に出力するメロディ音生成部を信号処理演算部に設けたことを特徴とする請求項1記載の住宅情報盤。
  16. メロディ音生成のために必要な各種の情報を信号処理演算部の内蔵メモリに格納し、メロディ音生成部が内蔵メモリから読み出した情報に基づいて呼出音を生成することを特徴とする請求項15記載の住宅情報盤。
  17. メロディ音生成のために必要な各種の情報を記憶部に格納し、メロディ音生成部が記憶部から読み出した情報に基づいて呼出音を生成することを特徴とする請求項15記載の住宅情報盤。
  18. メロディ音生成のために必要な各種の情報を主制御部にて管理し、メロディ音生成部が主制御部から伝送される情報に基づいて呼出音を生成することを特徴とする請求項15記載の住宅情報盤。
  19. 少なくともドアホン子器との通話時間をカウントし、所定の通話切断時間が経過したら当該通話を強制的に切断する通話切断手段を信号処理演算部に設けたことを特徴とする請求項1記載の住宅情報盤。
  20. 手動操作可能な通話延長スイッチを設け、通話延長スイッチが操作されると通話切断手段が通話切断時間のカウント値を変更して通話時間を延長することを特徴とする請求項19記載の住宅情報盤。
  21. 通話延長スイッチを複数設け、操作される通話延長スイッチに応じて通話切断手段が変更するカウント値を異ならせてなることを特徴とする請求項20記載の住宅情報盤。
  22. 信号処理演算部は、通話切断手段によるカウント値が通話切断時間を経過する前に通話の切断を予告する音声メッセージを出力制御部から第1のD/A変換手段に出力することを特徴とする請求項20又は21記載の住宅情報盤。
  23. 通話切断手段は、通話相手の機器毎に通話切断時間の設定が可能であることを特徴とする請求項19記載の住宅情報盤。
  24. 現在時刻を計時する時計手段と、時計手段で計時する現在時刻に応じて時報音を生成する時報生成手段とを信号処理演算部に設け、信号処理演算部は、時報生成手段で生成される時報音を所定の時間間隔で出力制御部から第1のD/A変換手段に出力することを特徴とする請求項19記載の住宅情報盤。
  25. 呼出音生成部から呼出音が出力された後に呼出元を報知する音声メッセージを作成して出力制御部から出力させる呼出元報知手段を信号処理演算部に設けたことを特徴とする請求項1記載の住宅情報盤。
  26. 信号処理演算部は、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に通話中であることを知らせる話中音を生成して呼出元の機器に伝送することを特徴とする請求項25記載の住宅情報盤。
  27. 信号処理演算部は、通話中に通話相手以外の機器から呼出があった場合に通話中であることを知らせる話中音又は呼出音の何れかを選択して呼出元の機器に伝送することを特徴とする請求項25記載の住宅情報盤。
  28. 第1のA/D変換手段から入力する通話信号に基づいて周囲の騒音レベルを検出する周囲騒音レベル検出部を信号処理演算部に設け、信号処理演算部は、検出された周囲騒音レベルに応じて出力制御部から出力する音声メッセージの出力レベルを調整することを特徴とする請求項1記載の住宅情報盤
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