JP4519914B2 - 電磁波シールド材及びその製造方法 - Google Patents

電磁波シールド材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4519914B2
JP4519914B2 JP2007518947A JP2007518947A JP4519914B2 JP 4519914 B2 JP4519914 B2 JP 4519914B2 JP 2007518947 A JP2007518947 A JP 2007518947A JP 2007518947 A JP2007518947 A JP 2007518947A JP 4519914 B2 JP4519914 B2 JP 4519914B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
shielding material
conductive
silver
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007518947A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2006129568A1 (ja
Inventor
渉 末永
淳 岡田
功太郎 谷村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
DIC Corp
Original Assignee
Gunze Ltd
DIC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunze Ltd, DIC Corp filed Critical Gunze Ltd
Publication of JPWO2006129568A1 publication Critical patent/JPWO2006129568A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4519914B2 publication Critical patent/JP4519914B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K9/00Screening of apparatus or components against electric or magnetic fields
    • H05K9/0073Shielding materials
    • H05K9/0094Shielding materials being light-transmitting, e.g. transparent, translucent
    • H05K9/0096Shielding materials being light-transmitting, e.g. transparent, translucent for television displays, e.g. plasma display panel
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K9/00Screening of apparatus or components against electric or magnetic fields
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
    • G09F9/00Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2211/00Plasma display panels with alternate current induction of the discharge, e.g. AC-PDPs
    • H01J2211/20Constructional details
    • H01J2211/34Vessels, containers or parts thereof, e.g. substrates
    • H01J2211/44Optical arrangements or shielding arrangements, e.g. filters or lenses
    • H01J2211/446Electromagnetic shielding means; Antistatic means
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/25Web or sheet containing structurally defined element or component and including a second component containing structurally defined particles

Description

本発明は、CRT、PDP等の電気機器から発生する電磁波を遮蔽するための電磁波シールド材及びその製造方法に関する。
従来より、基材上に導電性や磁性を有するパターンを形成し、その電気的性質、磁気的性質等を利用した各種物品が製造されている。そのうち、電磁波シールド板は、CRT、PDP等の表示部の前面側から漏洩する電磁波を遮蔽するために、ディスプレイの前面に装着される前面板として広く用いられている。前面板として用いられる電磁波シールド板は、電磁波を遮蔽する機能の他にディスプレイの表示画面の透視性を低下させないことが求められる。
透視性と電磁波シールド性の両方を備えた電磁波シールド材としては、例えば、導電性粉末とバインダーとを用いて、透明樹脂基材表面にスクリーン印刷により形成された導電部を有する電磁波シールド材の報告例がある(特許文献1及び2)。
しかし、一般に、スクリーン印刷を利用して、格子状パターンでシールド層を形成する場合、印刷板の紗の網目との干渉によるモアレ、細線の断線や線太り等の印刷不良が発生しやすく、精密な印刷が容易ではなかった。そのため、電磁波シールド性能が低下したり、透視性が低下したりする問題が発生し易かった。
特開平11−26984号公報 特開2001−196784号公報
本発明は、電磁波シールド効果が高く、透明性及び透視性に優れた電磁波シールド材、並びに該電磁波シールド材の簡便かつ安価な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を備えた透明性樹脂基材の該透明多孔質層面に、特定の導電性ペーストを幾何学パターンでスクリーン印刷した後、比較的低温で焼成することにより、該透明多孔質層面上に細線の断線及び線太りがほとんどない幾何学パターンの導電部を形成することができ、優れた電磁波シールド性、高い開口率(透視性)及び透明性を有する電磁波シールド材を製造できることを見出した。かかる知見に基づき、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の電磁波シールド材及びその製造方法を提供する。
(1)酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を備えた透明性樹脂基材の該透明多孔質層面に、導電性粒子、バインダー及び溶媒を含み、前記バインダーはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、酢酸ビニルエマルジョン、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース樹脂及び天然樹脂からなる群から選ばれる、一種または二種以上の混合物であって、バインダー/導電性粒子の質量比が0.1以下の導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷した後、該印刷された透明性樹脂基材を加熱処理して該透明多孔質層面に幾何学パターンの導電部を形成することを特徴とする電磁波シールド材の製造方法。
(2)前記導電性粒子が、表面が酸化銀で被覆された銀粒子である前記(1)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(3)前記導電性ペーストを製造する方法が、導電性粉末を界面活性剤存在下に分散用溶剤中に分散させる分散工程、前記分散液を真空凍結乾燥させる乾燥工程、及び前記乾燥工程の生成物をバインダー及び溶媒と混合してバインダー/導電性粒子の質量比が0.1以下の導電性ペーストを作製するペースト化工程を有する前記(1)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(4)前記透明性樹脂基材が、透明多孔質層と反対面にハードコート層を有している前記(1)又は(3)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(5)前記導電性ペーストが、表面が酸化銀で被覆された銀粒子100重量部、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂及びそれらの共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするバインダー1〜10重量部、並びに芳香族炭化水素、ケトン類、グリコールのエーテル類、グリコールのエーテルエステル類及びテルピネオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする溶媒1〜20重量部を含む導電性ペーストである前記(1)又は(3)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(6)前記透明多孔質層の厚みが0.05〜20μmである前記(1)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(7)前記透明多孔質層が、シリカ、チタニア及びアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体からなり、該微粒子間に細孔を有している前記(1)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(8)前記微粒子の平均粒子径が10〜100nmであり、前記細孔径が10〜100nmである前記(7)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(9)前記透明多孔質層が、グラビアコーティング、オフセットコーティング、コンマコーティング、ダイコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング、メッキ法、ゾル−ゲル法、LB膜法、CVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングからなる群から選ばれる1種により形成されたものである前記(1)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(10)前記加熱処理の温度が130〜200℃である前記(1)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(11)前記透明性樹脂基材の樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、シリコーン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂及びポリエーテルスルホン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記(1)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(12)前記透明性樹脂基材がシート状、フィルム状又は平板状である前記(1)に記載の電磁波シールド材の製造方法。
(13)前記(1)に記載の製造方法により製造される電磁波シールド材。
(14)導電部の幾何学パターンの線幅が10〜30μmであり、開口率が80〜95%である前記(13)に記載の電磁波シールド材。
(15)透明性樹脂基材上に幾何学パターンの導電部を有する電磁波シールド材であって、全光線透過率が72〜91%であり、ヘイズ値が0.5〜6%であり、表面抵抗値が5Ω/□以下であり、導電部の幾何学パターンの線幅が10〜30μmであり、開口率が80〜95%である前記(13)に記載の電磁波シールド材。
(16)前記(13)〜(15)のいずれかに記載の電磁波シールド材を含むプラズマディスプレイ用電磁波シールドフィルター。
(17)酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を備えた透明性樹脂基材の該透明多孔質層面に、導電性粒子、バインダー及び溶媒を含み、前記バインダーはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、酢酸ビニルエマルジョン、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース樹脂及び天然樹脂からなる群から選ばれる、一種または二種以上の混合物であって、バインダー/導電性粒子の質量比が0.1以下の導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷した後、加熱処理して該透明多孔質層面に幾何学パターンの導電部を形成する方法。
(18)前記導電性粒子が、表面が酸化銀で被覆された銀粒子である前記(17)に記載の方法。
本発明の電磁波シールド材の製造方法では、特定の導電性ペーストを、基材に設けた、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層の上にスクリーン印刷することを特徴とし、これにより細線の断線や線太りがほとんどない導電性パターンを形成することができる。
また、パターン形成された該導電性ペーストは低い温度で焼成が可能であるため、透明性樹脂基材の白化や黄変を抑制でき透明性を保持できる。特に、ハードコート層を有する透明性樹脂基材の場合、該導電性ペーストの焼成時に、ハードコート層により熱や水分の基材への影響が抑制されるため、より高い透明性が保持される。もちろん、本発明ではスクリーン印刷を用いるため、工程数が少なく簡便でありコスト面でも有利であり、電磁波シールド材の大量生産性及び連続生産性も高い。
また、上記の製造方法で製造される本発明の電磁波シールド材は、導電性パターンにおいて細線の断線がほとんどないため、抵抗値が低く高い電磁波シールド効果が発揮され、また細線の線太りも抑制できるため高い開口率(透視性)及び透明性が確保される。
従って、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などのような表示画面の大きなディスプレイに用いる電磁波シールドフィルターとして特に有用である。
実施例1で得られる電磁波シールド材における導電部の格子線の光学顕微鏡(倍率:×100)写真である。 比較例1で得られる電磁波シールド材における導電部の格子線の光学顕微鏡(倍率:×100)写真である。 比較例2で得られる電磁波シールド材における導電部の格子線の光学顕微鏡(倍率:×100)写真である。 開口率の測定方法を複式的に示した図である。 導電性パターンの細線の断面が略半円形状である例を示す断面図である。 導電性パターンの細線の断面が矩形である例を示す断面図である。 導電性ペーストのLog粘度とLogズリ速度の関係を示すグラフにおける最小二乗直線の一例を示す図である。
以下、本発明を詳述する。
本発明の電磁波シールド材の製造方法は、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を備えた透明性樹脂基材の該透明多孔質層面に、導電性粒子、バインダー及び溶媒を含む導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷し、さらに印刷後の基材を加熱処理(焼成)して該透明多孔質層面に幾何学パターンの導電部を形成することを特徴とする。
(透明性樹脂基材)
本発明で用いられる透明性樹脂基材の基材樹脂としては、耐熱性が高く、透明であり、該基材上に該透明多孔質層を形成し得るものであれば特に限定はない。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂;シリコーン樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂などが例示される。上記のうち、透明性、コスト、耐久性、耐熱性等の観点から総合的に判断すると、ポリエステル樹脂(特にPET又はPEN)及び環状ポリオレフィン樹脂が好ましく採用される。
ここで透明性樹脂基材における透明性とは、PDP、CRT等の表示部の用途に用いられ得る程度の透明性であれば特に限定されない。通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85〜90%程度、及びJIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度である。
透明性樹脂基材の形態は、PDP、CRT等の表示部に用い得る形態、即ち、フィルム状、シート状、平板状等が採用される。かかる形態は、上記の基材樹脂から公知の方法により製造することができる。
環状オレフィン系樹脂を主成分とするフィルムは吸水率と透湿度とが小さく、また、高光線透過率等の諸物性をも兼ね備えるものであり、前記透明性樹脂基材として好適である。環状オレフィン系樹脂とは一般的な総称であり、具体的には、(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、(b)環状オレフィンの付加(共)重合体、(c)環状オレフィンとα−オレフィン(エチレン、プロピレン等)とのランダム共重合体、(d)前記(a)〜(c)を不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。環状オレフィンとしては特に限定するものではなく、例えばノルボルネン、テトラシクロドデセンや、それらの誘導体(例えば、カルボキシル基やエステル基を有するもの)が例示できる。
環状オレフィン系樹脂には紫外線吸収剤、無機や有機のアンチブロッキング剤、滑剤、静電気防止剤、安定剤等各種公知の添加剤を合目的に添加してもよい。
環状オレフィン系樹脂からフィルムを得る方法は特に限定はなく、例えば溶液流延法、押出し法、カレンダー法等が例示できる。
溶液流延法に用いる溶剤としては、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサノン等の脂環式化合物(脂環式炭化水素及びそれらの誘導体)、メチルイソブチルケトン等の脂肪族化合物(脂肪族炭化水素及びそれらの誘導体)、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族化合物(芳香族炭化水素及びそれらの誘導体)が例示できる。
本発明の透明性樹脂基材には、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を有している。
ここで、酸化物セラミックスとしては、チタニア、アルミナ、マグネシア、ベリリア、ジルコニア、シリカ等の単純酸化物;シリカ、ホルステライト、ステアタイト、ワラステナイト、ジルコン、ムライト、コージライト、スポジェメン等のケイ酸塩;チタン酸アルミニウム、スピネル、アパタイト、チタン酸バリウム、PZT、PLZT、フェライト、ニオブ酸リチウム等の複酸化物が例示できる。
非酸化物セラミックスとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物;炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン等の炭化物;アモルファス炭素、黒鉛、ダイヤモンド、単結晶サファイヤ等の炭素が例示できる。その他、ホウ化物・硫化物・ケイ化物が例示できる。
金属としては、金、銀、鉄、銅、ニッケル等が例示できる。
これらのうち少なくとも1つを原料として用いればよく、より好ましいのはシリカ、チタニア、アルミナであり、その他成分や配合は特に制限はない。
透明性樹脂基材上に透明多孔質層を形成する方法は、ウェットプロセス、ドライプロセスのいずれでもよく、特に制限はないが、生産性やコストの面からはウェットプロセスが好ましい。ウェットプロセスでは公知の手法によって基材上にコーティング(塗布)すればよい。コーティング方法としては、例えばグラビアコーティング、オフセットコーティング、コンマコーティング、ダイコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング、メッキ法、ゾル−ゲル法、LB膜法等が例示でき、特にゾル−ゲル法が好ましい。ゾル−ゲル法での出発原料としては、例えば、シリカではテトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラクロロシラン、アルミナではアルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート等が挙げられる。上記出発原料は、触媒、水の存在下でゾル−ゲル反応を進行させるが、すでにゾル−ゲル反応が進んだこれらの加水分解物(反応中間体)を出発原料として用いても良い。また、必要に応じ、樹脂、界面活性剤等の他の成分を適宜添加しても良い。
なお、ドライプロセスとしては、例えばCVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が例示できる。
本発明で用いられる透明性樹脂基材上に有する透明多孔質層の厚さは、0.05〜20μm程度、特に0.1〜5μm程度である。
また、該透明多孔質層は、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体(凝集体)からなり、該微粒子間に細孔を有している。該透明多孔質層において、該微粒子の平均粒子径は10〜100nm程度であり、該細孔径は10〜100nm程度である。本発明では、このような透明多孔質層を有しているため、後述する導電性ペーストとのマッチングが優れており、所望のパターン形成が可能となる。
透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の形態は、フィルム状、シート状、平板状等である。フィルム状又はシート状の場合、透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の厚さは、通常、25〜200μm程度、好ましくは40〜188μm程度であればよい。特に、PDP等のディスプレイ全面の電磁波シールド材として用いる場合、50〜125μm程度が好ましい。また、板状の場合は、その厚さは、通常、0.5〜5mm程度、好ましくは1〜3mm程度であればよい。
透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の透明性は、通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85〜90%程度、及びJIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度である。
また、本発明で用いられる透明性樹脂基材には、上記の透明多孔質層とは反対面に、ハードコート層を設けてもよい。
ハードコート層としては、透明性を損なわないものであれば一般的な材料を用いればよく、特に制限はない。そのうち紫外線硬化型アクリレート樹脂及びゾル−ゲル反応型セラミックス膜が好ましい。
前記紫外線硬化型アクリレート樹脂の主成分としては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の2官能基以上を有する紫外線硬化型のアクリレートであれば特に限定されるものではない。1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレートのような2官能性アクリレートや、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレートのような多官能アクリレート等の使用が好ましい。
また、紫外線硬化型アクリレート樹脂には、通常、光重合開始剤を添加して使用する。光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア 184、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−1−フェニル−プロパン−1−オン等を添加することにより、充分な硬化被膜を得ることができる。その他、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、チオキサントン誘導体、ベンジルジメチルケタール、α−アミノアルキルフェノン、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン、チタノセン化合物等の光重合開始剤も使用できる。
これらの光重合開始剤の配合割合は、紫外線硬化型アクリレート樹脂100重量部に対し1〜10重量部が好ましい。1重量部未満では充分に重合が開始せず、また、10重量部を超えると場合によっては耐久性が低下するからである。
なお、前記の紫外線硬化型アクリレート樹脂中には、その透明性を損なわない程度で第三成分(UV吸収剤、フィラー等)を含ませてもよく、特に制限はない。
前記ゾル−ゲル反応型セラミックス膜の出発原料としては、例えば、シリカではテトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラクロロシラン、アルミナではアルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート等が挙げられる。上記出発原料は、触媒、水の存在下でゾル−ゲル反応を進行させるが、すでにゾル−ゲル反応が進んだこれらの加水分解物(反応中間体)を出発原料として用いても良い。また、必要に応じ、樹脂、界面活性剤等の他の成分を適宜添加しても良い。
透明性樹脂基材にハードコート層を形成する方法は、一般的な塗布方法を用いればよく、特に制限はない。
透明性樹脂基材にハードコート層を設けることにより、後述する焼成時に、基材樹脂からのオリゴマーの析出による白化や黄変を抑制することができ、これにより本発明の電磁波シールド材は高い透明性が確保される。また、電磁波シールド材の製造工程中でのキズ防止も可能となる。
(導電性ペースト)
本発明で用いられる導電性ペーストは、導電性粒子、バインダー及び溶媒を含むものである。この導電性ペーストは、導電性粉末を界面活性剤存在下に分散用溶剤中に分散させる分散工程、前記分散液を真空凍結乾燥させる乾燥工程、及び前記乾燥工程の生成物をバインダー及び溶媒と混合してバインダー/導電性粒子の質量比が0.1以下の導電性ペーストを作製するペースト化工程を有する方法により製造される。
(導電性粒子)
導電性ペーストに含まれる導電性粒子は、一般的な導体として扱われる金属の粉末を特に限定なく利用することができる。例えばニッケル、銅、金、銀、アルミニウム、クロム、プラチナ、パラジウム、タングステン、モリブデン等、及びこれら2種以上の合金、あるいはこれら金属の化合物で良好な導電性を有するもの等が挙げられる。
導電性粒子として、銀粒子、銀化合物粒子、及び、表面が酸化銀で被覆された銀粒子(以下「酸化銀被覆銀粒子」とも呼ぶ)は、安定した導電性を実現し易く、また熱伝導特性も良好なため、好ましい。
本発明で用いられる銀粒子としては、純銀粒子、銀で表面被覆された金属粒子、またはこれらの混合物を用いることができる。これら銀粒子の形状は特に限定されず、球状、鱗片状、針状、樹枝状など任意の形状のものを用いることができる。銀粒子の製造方法も特に制限されず、機械的粉砕法、還元法、電解法、気相法など任意である。銀で表面被覆された金属粒子は、銀以外の金属からなる粒子の表面に、メッキなどの方法により銀の被覆層を形成したものである。銀粒子としては、導電性とコスト面から見て、銀のみからなる球状銀粒子及び鱗片状銀粒子が好ましい。
銀粒子等の導電性粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm程度である。銀粒子として、体積平均粒径が異なる大小2種類またはそれ以上の粒子を組み合わせて、銀の充填密度を向上させることにより、導電性膜の導電性を向上させてもよい。
本発明で用いられる銀化合物粒子としては、酸化銀や、脂肪族カルボン酸銀、脂環式カルボン酸銀、芳香族カルボン酸銀等の含銀有機化合物等の粉末を使用することができる。これらの銀化合物粒子(粒子状銀化合物)は、工業生産されたものを用いることができるほか、銀化合物を含む水溶液からの反応によって得られたものを用いてもよい。特に、平均粒径が0.5μm以下の銀化合物粒子を用いると還元反応の速度が速くなり好ましい。平均粒径が0.5μm以下の銀化合物粒子を製造するには、銀化合物と他の化合物との反応によって生成したもの、例えば硝酸銀水溶液に水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を撹拌下に滴下し、反応させて酸化銀粉末を得る方法によって製造することができる。
本発明において、銀粒子または銀化合物粒子を用いるときは、ポリマー型導電性ペーストを作製したときに、バインダー樹脂の分解温度を考慮しても、それらを加熱によって融着する焼成温度を300℃以下にし得るものを用いることが好ましい。焼成温度がこのように低い銀粒子または銀化合物粒子が使用された導電性ペーストは、例えばPETフィルム等の透明性樹脂基材上に形成された導体パターンをそのまま焼結することが可能となる。一般に、導電性粒子が導電性ペースト中に微細に分散されていればされているほど、導電性粒子の熱容量が低下して、導電性粒子固有の焼成温度に近くなる。さらに、導電性粒子が微細に分散されるに従って導電性粒子が最密充填の形態を取りやすく、また導電性粒子が高分散であるほど焼結後の導電性が良好となる。
しかも、本発明の製造方法で製造された導電性ペーストは、バインダーの配合量を低減でき、導電性粒子の被覆膜の膜厚が薄いため、焼成後に隣接する粒子同士が容易に融合しやすい。このため本発明の導電性ペーストとして焼成温度が300度以下の低温焼成タイプの銀粒子または銀化合物粒子を用いると、その本来の低温焼結性を充分に発揮させることができ、また焼結後に導電性の良好な導体パターンを得ることができる。
これら焼成温度の低い銀粒子等として、体積平均粒径が0.05〜10μmの銀粒子を用いることができる。銀粒子の体積平均粒径は0.05〜5μmのものを使用することが一層好ましい。本発明では、液相中で銀粉を製造した場合に、これら活性の高い銀粉を効果的にしかも、それら銀粉末等が製造されたときの液相のままで界面活性剤の存在下で表面処理することができるため、これら銀粒子の本来の特性を充分に発揮させることができる。銀の微粒子の製造方法としては例えば、ガス中蒸発法(特開平3−34211号公報)や、還元にアミン化合物を用いる還元析出法(特開平11−319538号公報)が挙げられる。
さらにまた焼結温度の低い銀粒子としては、結晶化度の低い銀粒子を用いることができる。銀粒子の結晶化度が低いと通常結晶子径は小さくなるため、結晶子径を小さくすることで、銀粒子間の融着温度を著しく低下させることができる。導電性ペーストの焼成可能温度を300℃以下に低下させるには、結晶子径は20nm以下とすることが好ましく、10nm以下とすることが一層好ましい。
また、焼結温度の低い導電性粒子として、表面が酸化銀で被覆された銀粒子(酸化銀被覆銀粒子)を用いることができる。導電性ペーストに含まれる酸化銀被覆銀粒子の体積平均粒径は、2μm以下であり、200〜500nm程度が好適である。体積平均粒径が2μm以下の酸化銀で被覆された銀粒子を用いると、スクリーン版のメッシュの通過が容易となり、透明多孔質層に印刷された細線の断線や滲みが抑制されるとともに、より低い温度で酸化銀の還元が起こり好ましい。
酸化銀被覆銀粒子は、銀粒子の表面が安定な酸化銀の被膜で覆われた形状を有している。酸化銀の被膜の含有量は、該酸化銀被覆銀粒子の全重量に対し1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度である。この酸化銀の被膜は、活性の高い銀微粒子の表面を安定化する役割を果たしており、ペースト状態における銀微粒子間の凝集を好適に抑制する。また、酸化銀の被膜は、スクリーン印刷した後の焼成により、速やかに還元され導電性の高い導電部を形成することができる。この様な酸化銀被覆銀粒子は、例えば、銀粒子自体を酸化させる方法や、別途準備した酸化銀を銀粒子と混ぜ合わせる方法を用いて製造することができるが、特に制限はない。
銀粒子表面の酸化処理により、粒子表面の銀は酸化第1銀、酸化第2銀、などに酸化される。酸化銀被覆銀粒子において、粒子表面の酸化銀層は、酸化第1銀や酸化第2銀などの酸化銀が混合したものであってもよい。このような酸化銀被覆銀粒子は、還元反応により表層の酸化銀が銀となり、隣接する粒子同士が低温度で融着する。酸化銀被覆銀粒子は、還元反応条件;加熱温度、還元剤の有無、還元剤の還元力などに応じて組成、形状の異なったものを適宜選択することができる。
(界面活性剤)
本発明の製造方法で使用する界面活性剤としては、通常使用される多くの種類の界面活性剤、例えば、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の中から選択して用いることができる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、アルケニルコハク酸塩、アルカンスルフォン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのリン酸エステルおよびその塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルのリン酸エステルおよびその塩、等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、等が挙げられる。
これらの界面活性剤の中で、本発明において特に好適に用いることができるものとして、アルキルアミン系、アルキルアミン塩系、及びリン酸エステル系の界面活性剤が挙げられる。
(アルキルアミンおよびアルキルアミン塩の界面活性剤)
本発明で使用される界面活性剤としては、アルキルアミンおよびアルキルアミン塩を好適に用いることができる。特に導電性粒子として、銀粒子、銀化合物粒子、または酸化銀被覆銀粒子を用いるとき一層効果的である。アルキルアミン系の非イオン性界面活性剤、およびアルキルアミン塩系の陽イオン性界面活性剤はそれぞれ単独で使用しても有効であるが、特に併用することによって分散性がより良好となり効果が顕著である。
アルキルアミン系の界面活性剤としてはポリオキシアルキレンアルキルアミン型の界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルアミン型の界面活性剤がさらに好ましい。中でも以下の化学構造(1)を有するものがさらに好ましい。
(a,bはそれぞれ1〜20の整数であり、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルキルアリール基を表す。)
一方、アルキルアミン塩系の界面活性剤としては、アルキルアミンの酢酸塩が好ましく、中でも以下の化学構造(2)を有するものがさらに好ましい。
(Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルキルアリール基を表す。)
式(1)及び式(2)において、炭素数8〜20のアルキル基としては、直鎖アルキル基でも分枝アルキル基でもよく、例えばオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ラウリル基、テトラデシル基、ミリスチル基、ヘキサデシル基、セチル基、オクタデシル基、ステアリル基、エイコシル基などが挙げられる。炭素数8〜20のアルキルアリール基としては、例えばオクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基などのアルキルフェニル基が挙げられる。アルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖アルキル基でも分枝アルキル基でもよい。
アルキルアミン系界面活性剤およびアルキルアミン塩系である陽イオン性界面活性剤を単独、または混合して使用するときの、導電性粒子に対する界面活性剤の全配合量は、導電性粒子の種類により適宜調整する必要がある。例えば銀粒子に対する配合量は、銀粒子の種類により若干調整の必要があるが、銀粒子100質量部に対して0.01〜3.00質量部が好ましく、0.05〜1.50質量部が更に好ましい。界面活性剤の全配合量が0.01質量部未満では、充分な分散性が得にくくなる傾向がある。一方3.00質量部を超えると銀粒子の表面が厚く界面活性剤に被覆され、乾燥後の銀粒子同士の接触が得にくくなり、導電性ペーストの導電性が低下する傾向がある。
アルキルアミン系の界面活性剤とアルキルアミン塩系である陽イオン性界面活性剤とを併用する場合は、アルキルアミン系とアルキルアミン塩系との混合比率は1:20〜1:5の範囲が好ましい。
(リン酸エステル系の界面活性剤)
本発明で使用される界面活性剤として、リン酸エステル系の界面活性剤もまた好適に使用できる。特に導電性粒子として、銀粒子、銀化合物粒子、または酸化銀被覆銀粒子を用いるとき一層効果的である。
本発明において使用されるリン酸エステル系界面活性剤は、リン酸モノエステルあるいはリン酸ジエステル等を主成分とする界面活性剤である。主成分としてのリン酸エステル系界面活性剤はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのリン酸エステルであることが好ましく、以下の一般式(3)で表される化学構造を有することがさらに好ましい。
(式(3)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアルキルアリール基を表し、nは1〜20の整数、xは1または2)
式(3)において、炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖アルキル基でも分枝アルキル基でもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ラウリル基、テトラデシル基、ミリスチル基、ヘキサデシル基、セチル基、オクタデシル基、ステアリル基、エイコシル基などが挙げられる。炭素数20以下のアルキルアリール基としては、例えばオクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基などのアルキルフェニル基が挙げられる。アルキルアリール基のアルキル部分は、直鎖アルキル基でも分枝アルキル基でもよい。
なおRの炭素数は1〜10、nは1〜10、ならびに、Rの炭素数とnの和が7〜15であることが好ましい。リン酸エステル系界面活性剤の重量平均分子量は、100〜1万であることが好ましく、150〜5000であることが更に好ましい。該リン酸エステル系界面活性剤のリン含有率(Pの含有量)は0.5%〜10%が好ましく、2%〜6%が特に好ましい。
さらに前記リン酸エステル系界面活性剤としては、HLBが10以上のものを用いるか、または塩基性化合物を添加して酸価を中和して用いることが好ましい。
リン酸エステル系界面活性剤の種類と配合量は、導電性粒子の種類により適宜選択することができる。リン酸エステル系界面活性剤の例えば銀粒子に対する配合量は、銀粒子100質量部に対して0.01〜3.00質量部が好ましく、0.05〜0.50質量部が更に好ましい。界面活性剤が0.01質量部未満では、充分な分散性が得にくくなる傾向がある。一方3.00質量部を越えると銀粒子の表面が厚く界面活性剤に被覆され、乾燥後の銀粒子同士の接触が得にくくなり、導電性ペーストの導電性が低下する傾向がある。
(分散用溶剤)
導電性粒子の分散に用いる分散用溶剤(分散媒)は、該溶剤への界面活性剤の溶解性を考慮して選択されるが、具体例としては、水、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテルなどのアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。これら溶剤はここに挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際しては単独、或いは2種類以上混合して用いることができる。
本発明の製造方法においては、分散工程の後に行う乾燥法として真空凍結乾燥を使用するため、上記分散用溶剤のなかから凍結し易い溶剤を選択して使用することが好ましく、具体的には、凝固点が−40℃以上である溶剤が好ましい。
(分散工程)
本発明の導電性ペーストの製造方法中、分散工程においては、導電性粒子と界面活性剤とを分散用溶剤(分散媒)中に添加し、攪拌機または分散機にかけて、導電性粒子を微細粉へと解砕するととともに、界面活性剤との混合を行う。
このように、例えば銀粒子と、分散用溶剤と、界面活性剤とを所望の割合で混合して、分散機等により分散させると、界面活性剤の存在下にて銀粒子が分散した分散液を得ることができる。このような分散液中の固形分濃度の範囲は、0.5〜80%が好ましく、特に、1〜50%が好ましい。
使用可能な攪拌機または分散機としては、後述の公知の攪拌機または分散機の中から適宜選択して使用することができる。
導電性粒子と界面活性剤に対する分散処理は、前記分散用溶剤に界面活性剤を配合して十分溶解させた後に、導電性粒子を配合することが好ましい。
配合後0.5〜4.0時間分散すると、凝集していた導電性粒子が1次粒子へと解砕され、導電性粒子の表面に対して界面活性剤が吸着平衡に達する。
本発明において、リン酸エステル系界面活性剤を用いる場合は、分散液を酸性条件(例えばpH1〜3)とすることが好ましく、アルキルアミンまたはアルキルアミン塩系の界面活性剤を用いる場合は、分散液をアルカリ性条件(例えばpH12〜14)とすることが好ましい。これにより、界面活性剤を介して、導電性粒子の表面に界面電気2重層が生じ、分散安定性が得られる。また、リン酸エステル系と、アルキルアミンまたはアルキルアミン塩系とでは、親水基部分がイオン化したときの電荷が反対であるので、導電性粒子の表面電荷の符号に応じて、粒子間に斥力が働くように、界面活性剤をいずれか選択して用いることが好ましい。
さらに、酸化銀被覆銀粒子の場合は、アルキルアミンまたはアルキルアミン塩系の界面活性剤が好ましく、この組み合わせによる導電性ペーストは、チキソ性に優れ、盛り量が大きいという特長がある。また、純銀粒子(表面が酸化銀処理されていない銀粒子)の場合は、リン酸エステル系の界面活性剤が好ましく、この組み合わせによる導電性ペーストには、バインダー中の分散性に優れるという特長がある。
(乾燥工程)
上述の分散工程によって、導電性粒子が界面活性剤とともに分散用溶剤中に分散した分散液を得た後、該分散液から真空凍結乾燥法により分散用溶媒の除去を行う。
本発明の乾燥工程において使用する真空凍結乾燥法では、基本的に低温状態で凍結した分散液から、分散用溶剤のみが昇華除去される。すなわち、分散用溶剤に溶出して界面活性剤が失われることがないため、分散液中に含有される界面活性剤のほとんど全てが処理後の導電性粒子とともに残留する。
真空凍結乾燥法を行う前、分散用溶剤中に導電性粒子が分散され、かつ界面活性剤が溶解した分散液においては、分散液中で界面活性剤は導電性粒子の表面付近に局在しているが、必ずしも導電性粒子に吸着されているとは限らない。ここで真空凍結乾燥法により分散用溶剤を昇華除去すると、界面活性剤が導電性粒子の表面に一様に吸着した状態で取り出せる可能性が高い。しかも、真空凍結乾燥法以外の通常の方法によって分散用溶剤を除去するときには、導電性粒子同士が凝集するおそれがあるが、真空凍結乾燥法によれば導電性粒子同士の凝集を効果的に抑制することができ、極めて効率的な処理方法といえる。このように分散液中に添加された界面活性剤が全て導電性粒子の表面に吸着されるので、界面活性剤で表面処理(被覆)された導電性粒子が収率良く得られるため、界面活性剤の効果と使用量の関係を把握し易く、使用量に対する最適化が行いやすい。
界面活性剤の分子は、親水基側の末端で導電性粒子の表面に吸着するため、疎水基側の末端が導電性粒子に対して外側を向く。これにより、バインダーとの親和性が向上し、表面処理された導電性粒子の分散性が改善される。また、導電性粒子同士の凝集が抑制され、導電性粒子が1次粒子に分散された状態を持続することができる。
凍結真空乾燥は、例えば、銀粒子、水、及び界面活性剤を含む分散液の場合は、大気圧で0℃以下に予備凍結し、理論上は0℃における水の蒸気圧4.5mmHg(=600Pa)を越えないよう真空度をコントロールすれば良い。乾燥速度、コントロールのやり易さを加味すれば1mmHg(=133.32Pa)以下にして、その蒸気圧での融点(凝固点)まで、温度を上げることが好ましい。
このように真空凍結乾燥による乾燥方法では真空中で分散用溶剤を昇華蒸発させ、乾燥するため、乾燥による収縮がわずかであり、界面活性剤で表面処理された導電性粒子の組織や構造が破壊しにくい。また、熱風乾燥のように高温で試料内での例えば水などの液体成分の移動による乾燥ではなく、固体の凍った状態で低温乾燥するため、液体成分の移動を伴う乾燥のような部分的成分濃縮、部分的成分変化、変形がほとんど無く、優れている。
(ペースト化工程)
前記分散工程と乾燥工程によって界面活性剤が表面に吸着した導電性粒子を用いて導電性ペーストを製造するためには、前記表面処理済みの導電性粒子と、バインダー及び溶剤とを混合して、適当な分散機を用いて混練する。
導電性ペーストに含まれるバインダーとしては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、酢酸ビニルエマルジョン、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース樹脂、天然樹脂が挙げられる。特に、透明多孔質層と密着性がよく、透明多孔質層を侵さないものであれば良く、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂及びそれらの共重合樹脂等が例示される。これらのうち、一種又は二種以上の混合物として用いることもできる。バインダーの使用量は、酸化銀被覆銀粒子等の導電性粒子100重量部に対して1〜20重量部程度、好ましくは3〜10重量程度であればよい。
また、導電性ペーストに含まれる溶媒(ペースト化用溶媒)としては、酸化銀被覆銀粒子等の導電性粒子及びバインダーと反応を起こさず、これらを良好に分散するものであれば特に限定されるものではない。例えば、スクリーン印刷用のペーストとして調合される場合は、比較的高沸点(例えば、沸点約100〜300℃)のものが選択されることが多い。
例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル等のグリコールのエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(酢酸カルビトール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールのエーテルエステル類、テルピネオールなどの有機溶剤が使用される。ペースト化用溶媒の使用量は、酸化銀被覆銀粒子等の導電性粒子100重量部に対して1〜30重量部程度、好ましくは3〜20重量部程度であればよい。
導電性ペーストには、必要に応じて、分散剤を添加して酸化銀被覆銀粒子等の導電性粒子を良好に分散させて、二次凝集を防止することもできる。この分散剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース等の繊維素系高分子、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子など、あるいはアルキルアミン系、アルキルアミン塩系、及びリン酸エステル系などが用いられるが特に限定されない。分散剤を使用する場合は、その使用量は、酸化銀被覆銀粒子等の導電性粒子100重量部に対して0.1〜10重量部程度であればよい。
また、導電性ペーストには、必要に応じて、可塑剤を添加しても良い。この可塑剤としては、ジ−n−オクチルフタレート(DOP)、ジ−n−ブチルフタレート(DBP)等のフタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、エポキシ類及びポリエステル類等が用いられるが、用いるバインダーに合わせて最適なものを選択すればよく特に限定されない。可塑剤を使用する場合は、その使用量は、バインダー100重量部に対して0.1〜10重量部程度であればよい。
特に、前記分散工程および乾燥工程によって界面活性剤で表面処理された導電性粉末を原料とすれば、使用する際に、溶剤とバインダーとを加えて攪拌等の簡単な分散処理をするだけで、導電性ペーストが得られる。すなわち、印刷直前に分散用溶剤とバインダーを添加して簡単な撹拌操作を行うことで、良好な導電性ペーストが得られるため、印刷装置に付随するペースト調整用設備は簡単なもので良い。また、分散をより確実に行うために以下の分散手段を用いて分散処理を行っても良い。
使用しうる分散手段としては、例えば、二本ロール、三本ロール、ボールミル、サンドミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグラインダー、セグバリアトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ニーダー、ホモジナイザー、超音波分散機等により、混練、分散することができる。
上述のようにして調製された導電性ペーストは、スクリーン印刷に適した粘度及びチキソトロピー性に調整されてスクリーン印刷に供される。粘度及びチキソトロピー性の調整は、酸化銀被覆銀粒子等の導電性粒子の粒径、バインダーの種類、溶媒の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、導電性ペーストの粘度は、通常、10〜10000dPa・s程度であれば良く、チキソトロピーインデックスは0.1〜1.5程度の範囲で適宜選択すればよい。ここでのチキソトロピーインデックスの定義は、縦軸にLog粘度(Pa・s)をとり、横軸にLogズリ速度(1/s)をとったグラフにおけるLogズリ速度(1/s)が−1〜2の範囲での最小二乗直線の傾きである。例えば、図6に示すグラフでは、最小二乗直線がy=−0.7823x+2.888で表されている。この場合、チキソトロピーインデックスは、0.7823として求められる。
導電性粒子として酸化銀被覆銀粒子を用いた導電性ペーストの場合には、焼結時の熱処理によってペーストの硬化とともに粒子表面の酸化銀が銀へと還元する。この還元反応に伴って放出された酸素は、周囲の界面活性剤やバインダー等の有機物を酸化させ、粒子の周囲に局所的な発熱を得ることができる。この結果、酸化銀被覆銀粒子を用いた導電性ペーストは、純銀粒子を用いた場合に比べて、より低温(例えば200℃以下)の熱処理で融着させることができる。したがって、酸化銀被覆銀粒子を用いた導電性ペーストは、塗布もしくは印刷時の基体の材料の耐熱性に対する要求を低くすることができるので、樹脂基材に対して印刷する場合に特に好適である。
(電磁波シールド材)
本発明の電磁波シールド材は、上記の導電性ペーストを、透明性樹脂基材の透明多孔質層面上にスクリーン印刷した後、加熱処理して製造される。
本発明では、特定の導電性ペーストを所定の透明多孔質層上にスクリーン印刷することを特徴としており、これにより細線の断線や滲みがほとんどないパターン導電部が形成される。
スクリーン印刷の方法は特に限定はなく、公知の方法を用いて行うことができる。印刷に用いるスクリーン版は、電磁波を効果的に遮蔽でき、かつ十分な透視性が確保できる程度の導電部が形成されるようなパターン、特に格子状、網目状などの連続した幾何学パターンを有するものが用いられる。例えば、直径11〜23μmのステンレスワイヤで織られた360〜700メッシュのステンレス紗に、線幅10〜30μm程度、模様ピッチ200〜400μm程度の格子状パターンを設けたスクリーン版が挙げられる。
本発明のスクリーン印刷では、微細な粒子状酸化銀を含む導電性ペーストを用いているため、パターンにムラの発生がほとんどない。また、該導電性ペーストと透明多孔質層とのマッチングがよいため、透明多孔質層上に形成されたパターンの細線に、断線や滲みがほとんど発生しない。
一般に、スクリーン印刷されるパターンの線幅は、原理上、スクリーン版の線幅より少し太くなる傾向があるが、線間隔のズレやパターンの歪みがほとんど発生せず、スクリーン版のパターンに対しほぼ忠実なパターンが透明多孔質層上に再現されることとなる。少し太くなる傾向を嫌う場合、スクリーン版のスリット幅を、透明多孔質層に形成される所望の線幅よりも小さく設定すればよく、当業者であればかかる設定は容易に行うことができる。
続いて、スクリーン印刷された電磁波シールド材を、130〜200℃程度(特に、160〜180℃程度)の低温で加熱処理(焼成)して、透明多孔質層に格子状パターンの導電部を形成する。上述したように、特定の導電性ペーストを用いているため、比較的低温の加熱条件でも容易に金属銀粒子の融着が起こり、連続した金属銀の塗膜を形成することができる。加熱処理では、例えば、外部加熱方式(蒸気又は電気加熱熱風、赤外線ヒーター、ヒートロール等)、内部加熱方式(誘導加熱、高周波加熱、抵抗加熱等)等が採用される。加熱時間は、通常、5分〜120分程度、好ましくは10分〜40分程度である。
なお、前記加熱処理(焼成)を多段階で行っても良い。例えば、第一段階として50〜60℃で10〜20分程度加熱処理した後、引き続き、第二段階として160〜180℃で10分〜40分程度加熱処理することも可能である。多段階にすることで、先に溶媒を揮発させることで、さらに滲みを抑制することができる。
このように、上記の導電性ペーストを用いると、低温且つ短時間で銀塗膜を形成することができるため、熱による透明性樹脂基材への悪影響を回避できる。即ち、熱により透明性樹脂基材からのオリゴマー析出によって該基材が白化したり、熱により基材が黄変したりすることを抑制できる。
また、透明性樹脂基材の透明多孔質層と反対面にハードコート層を有する場合、焼成時に基材樹脂の白化や黄変がさらに抑制される。
以上のようにして、本発明の電磁波シールド材が製造される。本発明の電磁波シールド材は、高い開口率を有し、例えば75%以上、特に80〜95%程度となる。そのため、高い透視性が達成される。なお、本明細書で、開口率とは、図4に示される電磁波シールド材の格子状の1パターンにおいて、(面積B/面積A)×100(%)を意味する。
また、導電部の格子状又は網目状パターンの線幅(W)は、通常、10〜30μm程度、好ましくは15〜20μm程度である。線幅が約10μm未満である幾何学パターンは、その作製が困難となる傾向にあり、30μmを越えるとパターンが目に付きやすくなる傾向にあるため好ましくない。
なお、印刷される格子状又は網目状パターンの線の間隔(ピッチ)(P)は、上記の開口率及び線幅を満たす範囲で適宜選択することができる。通常、200〜400μm程度の範囲であればよい。
細線の厚み(透明多孔質層面から垂直方向の細線の最大高さ)は、線幅等によって変動し得るが、通常約1μm以上であり、特に1〜30μm程度である。
また、スクリーン印刷で形成された透明多孔質層上の細線の断面は、略半円形状になっている。従来報告されている、リソグラフィー、メッキ等によるパターンの細線では、細線の断面は矩形を有しているものがほとんどである。そのため、この上に粘着層等を貼り合わせた時には気泡が残存しやすく、透視性に悪影響を与えていた(図5B参照)。これに対し、本発明の細線の断面は略半円形状であるため、粘着層等を貼り合わせた時に密着性が高く気泡が残存しにくい。そのため、透視性に優れる電磁波シールド材が得られるというメリットを有する(図5A参照)。
本発明の電磁波シールド材は、高い電磁波シールド効果を有し、透明性及び透視性に優れている。しかも、導電部の細線の断線がほとんどないため抵抗が低いという特徴も有している。本発明の電磁波シールド材の表面抵抗値は、5Ω/□以下、好ましくは3Ω/□以下、更に好ましくは2Ω/□以下である。表面抵抗値が大きすぎる場合には、シールド特性の点で好ましくない。
ここで、次式から、パターンの線幅およびピッチを任意に設定することにより、導電性パターンを有するシールド材の表面抵抗値を設計することが出来る。
R=Rs×(P/W)
Rs=ρv/t
R:導電性パターンを有するシールド材の表面抵抗値(Ω/□)
Rs:導電性ペーストの表面抵抗値(Ω/□)
ρv:導電性ペーストの体積固有抵抗(Ω・cm)
t:導電性ペーストの膜厚
P:格子状又は網目状パターンの間隔(ピッチ)
W:格子状又は網目状パターンの線幅
本発明の電磁波シールド材の全光線透過率(JIS K7105)は、72〜91%程度と高い値を達成できる。また、ヘイズ値(JIS K7105)は、0.5〜6%程度と低い。
さらに、透明多孔質層上に形成された導電性パターンは、実質的にその大部分が銀粒子からなり、かつ、この銀粒子が直接融着し結合した高純度の銀の塊となる。このため、本発明の電磁波シールド材は、より低く且つ安定な抵抗値を有している。
また、本発明の電磁波シールド材は、透明多孔質層上に形成された導電部上に、保護フィルムが積層されていてもよい。その保護フィルムとしては、一般的に用いられる公知の樹脂が用いられる。それらの樹脂をドライラミネート、ウェットラミネート等の公知の方法により積層する。
本発明の電磁波シールド材は、さらに機能性フィルム等が積層されていてもよい。機能性フィルムとしては、フィルムの表面の光反射を防止する反射防止層が設けられた反射防止フィルム、着色や添加剤によって着色された着色フィルム、近赤外線を吸収又は反射する近赤外線遮蔽フィルム、指紋など汚染物質が表面に付着することを防止する防汚性フィルムなどが挙げられる。
本発明の電磁波シールド材は、電磁波シールド効果が高く、透明性および透視性に優れている。また、本発明のスクリーン印刷法を用いた製造方法では、均質な導電性の幾何学パターンを、高い精度で簡便に基材上に設けることができる。そのため、表示面積の大きなディスプレイに適用される電磁波シールド前面板であっても、簡便に製造することができる。従って、陰極線管(CRT)などの他、プラズマディスプレイパネル(PDP)などのような表示画面の大きなディスプレイに用いる電磁波シールドフィルターとして有用である。
次に、本発明を比較例と共に実施例によって更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(導電性ペーストの製造例1)
平均粒子径400nmの三井金属社製の10%酸化銀処理した銀粉FHD(結晶子径<10nm)50g、アルキルアミン塩の陽イオン性界面活性剤としてココナットアミンアセテートの10質量%水溶液を5g、アルキルアミンの界面活性剤としてポリオキシエチレンココナットアルキルアミンエーテルの10質量%水溶液を0.5g、溶媒である水50g、及び2mm径のジルコニアビーズ400gを容積250mlのポリ瓶に入れて混合し、回転機(ボールミル)を用いて4時間練肉して、銀粒子分散液(a−1)を得た。
この銀粒子分散液(a−1)を、底面の寸法200mmL×150mmWの平型トレイに100g移し、予備凍結乾燥した後、凍結真空乾燥を行った。凍結真空乾燥機は日本真空(株)製の「DFM−05AS」を用いた。予備凍結した銀粒子分散液(a−1)を、あらかじめ約−40℃に冷却した棚にのせて、真空度7〜10Paで20時間の凍結真空乾燥後、嵩高のスポンジ状乾燥物として、界面活性剤で被覆された銀粒子表面処理物(b−1)を50g得た。
次に、銀粒子表面処理物(b−1)50g、バインダー樹脂(ポリオール成分として「バーノックDE−140−70」(大日本インキ化学工業社製)および「バーノックDB980」(大日本インキ化学工業社製)、イソシアヌレートプレポリマー成分として「バーノックDB980K」(大日本インキ化学工業社製)の混合物の溶剤成分を酢酸カルビトールに置換したもの)4.17g(固形分=2.5g)、および酢酸カルビトール4.2gを容積250mlのポリ瓶に入れて混合し、振とう機(ペイントコンディショナー)を用いて0.5時間混合攪拌して、製造例1の導電性ペースト(c−1)を得た。
(導電性ペーストの製造例2)
界面活性剤として、アルキルアミン系界面活性剤とアルキルアミン塩系界面活性剤の混合物の代わりに、リン含有率が4.4%のポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステルであり、重量平均分子量で1750、HLBが12であるリン酸エステル系界面活性剤の10質量%水溶液5gを用いた以外は、上記製造例1と同様の方法にて、銀粒子分散液(a−2)を得た。次いで、この銀粒子分散液(a−2)から製造例1と同様の方法にて銀粒子表面処理物(b−2)を50g得た。さらに、この銀粒子表面処理物(b−2)から製造例1と同様の方法にて、製造例2の導電性ペースト(c−2)を得た。
(実施例1)
透明性樹脂基材として、アルミナ膜の透明多孔質層(層厚さ20μm)を有するポリエチレンテレフタレートフィルム透明基板(透明多孔質層を含む厚さ120μm、ピクトリコ社製、商品名「TPX」)の透明多孔質層とは反対面に、紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(大日本塗料社製、商品名「UVクリア」固形分濃度50重量%)を、硬化後の膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工し、80℃で2分間乾燥した後、紫外線を照射量300mJ/cmで照射してハードコート層を形成した。
該フィルムの多孔質層膜面に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製)により、上記製造例1の導電性ペースト(c−1)[表面を10%酸化銀処理及びアルキルアミン系/アルキルアミン塩系界面活性剤処理した粒子状銀(平均粒子径400nm)、ポリエステル−ウレタン系バインダー及び酢酸カルビトール系溶媒とを含有するもの]を用いて、格子状パターンのスクリーン印刷を行った。
スクリーン版は、直径18μmのステンレスワイヤで織られた500メッシュのステンレス紗に、線幅20μm、模様ピッチ250μm、開口率84.6%の格子状乳剤パターンを設けたスクリーン版(中沼アートスクリーン社製)を用いた。
印刷後、フィルムごと銀化合物ペーストを180℃で30分間焼成して、正方形模様を格子状に描いた導電部を形成し、電磁波シールド材を製造した。
得られた電磁波シールド材の導電部の格子線を、光学顕微鏡(倍率:×100)で観察したところ、断線および線のにじみ(線太り)はほとんどなかった(図1)。
(実施例2)
透明性樹脂基材として、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名『A4300』)を用い、このフィルムの表面に、シリカ微粒子が分散したゾル液(オルガノシロキサン系のゾル溶液中に粒径10〜100nmのシリカフィラーを添加したもの)を硬化後の膜厚が1.0μmになるように製膜し、120℃で1分間乾燥した後、60℃で3日間熟成させることにより、シリカ膜の透明多孔質層(層厚さ1.0μm)を有するポリエチレンテレフタレートフィルム透明基板を製造した。該透明多孔質層を有する透明基板の透明多孔質層とは反対面に、ゾル−ゲル反応型ハードコート剤(日本精化社製、商品名「NSC2451(主剤)」、「NSC−CO(硬化剤)」・・・主剤100部に対して硬化剤1.83部)を、硬化後の膜厚が3μmになるようにリバースグラビア塗工し、120℃で2分間乾燥してハードコート層を形成した。
該フィルムの多孔質層膜面に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製)により、上記製造例2の導電性ペースト(c−2)[表面を10%酸化銀処理及びリン酸エステル系界面活性剤処理した粒子状銀(平均粒子径400nm)、ポリエステル−ウレタン系バインダー及び酢酸カルビトール系溶媒とを含有するもの]を用いて、格子状パターンのスクリーン印刷を行った。
スクリーン版は、直径23μmのステンレスワイヤで織られた400メッシュのステンレス紗に、線幅20μm、模様ピッチ300μm、開口率87.1%の格子状乳剤パターンを設けたスクリーン版(中沼アートスクリーン社製)を用いた。
印刷後、フィルムごと銀化合物ペーストを170℃で30分間焼成して、正方形模様を格子状に描いた導電部を形成し、電磁波シールド材を製造した。
(実施例3)
透明性樹脂基材として、厚さ100μmの環状ポリオレフィンフィルム(ポリプラスチックス社製、商品名『TOPAS6017』)を用い、このフィルムの表面に、シリカ微粒子が分散したゾル液(オルガノシロキサン系のゾル溶液中に粒径10〜100nmのシリカフィラーを添加したもの)を硬化後の膜厚が1.0μmになるように製膜し、120℃で1分間乾燥した後、60℃で3日間熟成させることにより、シリカ膜の透明多孔質層(層厚さ1.0μm)を有する環状ポリオレフィンフィルム透明基板を製造した。該透明多孔質層を有する透明基板の透明多孔質層とは反対面に、ゾル−ゲル反応型ハードコート剤(日本精化社製、商品名「NSC2451(主剤)」、「NSC−CO(硬化剤)」・・・主剤100部に対して硬化剤1.83部)を、硬化後の膜厚が3μmになるようにリバースグラビア塗工し、120℃で2分間乾燥してハードコート層を形成した。
該フィルムの多孔質層膜面に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製)により、上記の導電性ペースト(c−1)[表面を10%酸化銀処理及びアルキルアミン系/アルキルアミン塩系界面活性剤処理した粒子状銀(平均粒子径400nm)、ポリエステル−ウレタン系バインダー及び酢酸カルビトール系溶媒とを含有するもの]を用いて、格子状パターンのスクリーン印刷を行った。
スクリーン版は、直径23μmのステンレスワイヤで織られた400メッシュのステンレス紗に、線幅20μm、模様ピッチ300μm、開口率87.1%の格子状乳剤パターンを設けたスクリーン版(中沼アートスクリーン社製)を用いた。
印刷後、フィルムごと銀化合物ペーストを170℃で30分間焼成して、正方形模様を格子状に描いた導電部を形成し、電磁波シールド材を製造した。
(比較例1)
透明性樹脂基材として、透明多孔質層を設けていない厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名『A4100』)を用い、その易接着面に紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(大日本塗料社製、商品名「UVクリア」固形分濃度50重量%)を、硬化後の膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工し、80℃で2分間乾燥した後、紫外線を照射量300mJ/cmで照射してハードコート層を形成した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド材を製造した。なお、該フィルムのハードコート層を有しない反対面にスクリーン印刷を行った。
得られた電磁波シールド材の導電部の格子線を、光学顕微鏡(倍率:×100)で観察したところ、オリゴマーおよび線のにじみが多数発生していた(図2)。
(比較例2)
実施例1で用いた導電性ペースト(c−1)[表面を10%酸化銀処理した粒子状銀、ポリエステル−ウレタン系バインダー及び酢酸カルビトール系溶媒とを含有するもの]の代わりに、従来の一般的な銀ペースト[アサヒ化学研究所製SW−1100−1、成分比:銀粒子(粒径3〜5μm)58.0〜64.0%、カーボン粉末(一次粒子0.1μm以下)0.8〜1.2%、ポリエステル樹脂11.0〜14.0%、添加剤0.05〜0.15%、エチルカルビトールアセテート(残量)、粘度200〜300ps(ビスコテスターVT−04型)]を用いた以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド材を製造した。得られた電磁波シールド材の導電部の格子線を、光学顕微鏡(倍率:×100)で観察したところ、断線および線のにじみが多数発生していた(図3)。
(比較例3)
透明性樹脂基材として、透明多孔質層を設けていない厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名『A4100』)を用い、その表面に紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(大日本塗料社製、商品名「UVクリア」固形分濃度50重量%)を、硬化後の膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工し、80℃で2分間乾燥した後、紫外線を照射量300mJ/cmで照射してハードコート層を形成した。
該フィルムのハードコート層とは反対面に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製)により、上記の導電性ペースト(c−1)[表面を10%酸化銀処理及びアルキルアミン系/アルキルアミン塩系界面活性剤処理した粒子状銀(平均粒子径400nm)、ポリエステル−ウレタン系バインダー及び酢酸カルビトール系溶媒とを含有するもの]を用いて、格子状パターンのスクリーン印刷を行った。
スクリーン版は、直径23μmのステンレスワイヤで織られた400メッシュのステンレス紗に、線幅20μm、模様ピッチ300μm、開口率87.1%の格子状乳剤パターンを設けたスクリーン版(中沼アートスクリーン社製)を用いた。
印刷後、フィルムごと銀化合物ペーストを170℃で30分間焼成して、正方形模様を格子状に描いた導電部を形成し、電磁波シールド材を製造した。
(試験例1)
上記実施例1〜3及び比較例1〜3の電磁波シールド材における電磁波シールド効果、全光線透過率、ヘイズ値、シート抵抗、線幅、開口率、及び線厚みの評価結果は、以下の測定方法で測定した。その結果を、表1に示す。
1.電磁波シールド効果
電磁波シールド効果は、関西電子工業振興センター法(一般にKEC法と呼ばれる)における測定装置で測定した。
2.全光線透過率
全光線透過率は、JIS K7105に従って、濁度計NDH−20D型(日本電色工業株式会社製)で測定した。
3.ヘイズ値
ヘイズ値は、JIS K7105に従って、濁度計NDH−20D型(日本電色工業株式会社製)で測定した。
4.シート抵抗
シート抵抗は、ロレスタEP(ダイヤインスツルメンツ社製)を用いて測定した。
5.線幅
線幅は、光学顕微鏡を用いて測定した。
6.開口率
開口率は、光学顕微鏡を用いて、電磁波シールド材の格子状の1パターンの線幅と線間隔を測定し、図4に示される面積Aと面積Bを算出して、これを次式にあてはめることにより算出した。
開口率(%)=(面積B/面積A)×100(%)
7.線厚み
線厚みは、表面粗さ計を用いて測定した。
8.密着度
密着度は、テープ剥離試験法を用いて評価した。具体的には、電磁波シールド材に市販のセロハンテープ(ニチバン社製、セロテープ(登録商標)CT−18、LP−18)を貼ってはがした際に、メッシュパターンが90%以上残存しているものを「○」、50%以上90%未満残存しているものを「△」、50%未満の場合を「×」とした。
表1より、本発明で得られる電磁波シールド材は電磁波シールド効果が高く、透明性及び透視性に優れていることが分かる。
本発明の電磁波シールド材は、CRT、PDP等の電気機器から発生する電磁波を遮蔽するほか、種々の分野において、電磁波を遮蔽するために利用することができる。

Claims (18)

  1. 酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を備えた透明性樹脂基材の該透明多孔質層面に、導電性粒子、バインダー及び溶媒を含み、前記バインダーはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、酢酸ビニルエマルジョン、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース樹脂及び天然樹脂からなる群から選ばれる、一種または二種以上の混合物であって、バインダー/導電性粒子の質量比が0.1以下の導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷した後、該印刷された透明性樹脂基材を加熱処理して該透明多孔質層面に幾何学パターンの導電部を形成することを特徴とする電磁波シールド材の製造方法。
  2. 前記導電性粒子が、表面が酸化銀で被覆された銀粒子である請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  3. 前記導電性ペーストを製造する方法が、導電性粉末を界面活性剤存在下に分散用溶剤中に分散させる分散工程、前記分散液を真空凍結乾燥させる乾燥工程、及び前記乾燥工程の生成物をバインダー及び溶媒と混合してバインダー/導電性粒子の質量比が0.1以下の導電性ペーストを作製するペースト化工程を有する請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  4. 前記透明性樹脂基材が、透明多孔質層と反対面にハードコート層を有している請求項1又は3に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  5. 前記導電性ペーストが、表面が酸化銀で被覆された銀粒子100重量部、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂及びそれらの共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするバインダー1〜10重量部、並びに芳香族炭化水素、ケトン類、グリコールのエーテル類、グリコールのエーテルエステル類及びテルピネオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする溶媒1〜20重量部を含む導電性ペーストである請求項1又は3に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  6. 前記透明多孔質層の厚みが0.05〜20μmである請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  7. 前記透明多孔質層が、シリカ、チタニア及びアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体からなり、該微粒子間に細孔を有している請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  8. 前記微粒子の平均粒子径が10〜100nmであり、前記細孔径が10〜100nmである請求項7に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  9. 前記透明多孔質層が、グラビアコーティング、オフセットコーティング、コンマコーティング、ダイコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング、メッキ法、ゾル−ゲル法、LB膜法、CVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングからなる群から選ばれる1種により形成されたものである請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  10. 前記加熱処理の温度が130〜200℃である請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  11. 前記透明性樹脂基材の樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、シリコーン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂及びポリエーテルスルホン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  12. 前記透明性樹脂基材がシート状、フィルム状又は平板状である請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。
  13. 請求項1に記載の製造方法により製造される電磁波シールド材。
  14. 導電部の幾何学パターンの線幅が10〜30μmであり、開口率が80〜95%である請求項13に記載の電磁波シールド材。
  15. 透明性樹脂基材上に幾何学パターンの導電部を有する電磁波シールド材であって、全光線透過率が72〜91%であり、ヘイズ値が0.5〜6%であり、表面抵抗値が5Ω/□以下であり、導電部の幾何学パターンの線幅が10〜30μmであり、開口率が80〜95%である請求項13に記載の電磁波シールド材。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載の電磁波シールド材を含むプラズマディスプレイ用電磁波シールドフィルター。
  17. 酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を備えた透明性樹脂基材の該透明多孔質層面に、導電性粒子、バインダー及び溶媒を含み、前記バインダーはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、酢酸ビニルエマルジョン、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース樹脂及び天然樹脂からなる群から選ばれる、一種または二種以上の混合物であって、バインダー/導電性粒子の質量比が0.1以下の導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷した後、加熱処理して該透明多孔質層面に幾何学パターンの導電部を形成する方法。
  18. 前記導電性粒子が、表面が酸化銀で被覆された銀粒子である請求項17に記載の方法。
JP2007518947A 2005-06-03 2006-05-26 電磁波シールド材及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4519914B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005163605 2005-06-03
JP2005163605 2005-06-03
PCT/JP2006/310559 WO2006129568A1 (ja) 2005-06-03 2006-05-26 電磁波シールド材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006129568A1 JPWO2006129568A1 (ja) 2009-01-08
JP4519914B2 true JP4519914B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=37481497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007518947A Expired - Fee Related JP4519914B2 (ja) 2005-06-03 2006-05-26 電磁波シールド材及びその製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8067702B2 (ja)
EP (1) EP1895828B1 (ja)
JP (1) JP4519914B2 (ja)
KR (1) KR100932150B1 (ja)
CN (1) CN101185385B (ja)
WO (1) WO2006129568A1 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100014844A (ko) * 2007-05-09 2010-02-11 도레이 카부시키가이샤 도전성 기판, 플라즈마 디스플레이용 전자파 실드 기판 및 도전성 기판의 제조 방법
JP5261989B2 (ja) * 2007-06-01 2013-08-14 住友大阪セメント株式会社 電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法
JP4436441B2 (ja) * 2007-06-08 2010-03-24 大日本印刷株式会社 電磁波シールド材及びその製造方法
JP4894649B2 (ja) * 2007-06-19 2012-03-14 大日本印刷株式会社 電磁波シールド部材及びその製造方法
JP2009016570A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Dainippon Printing Co Ltd 透明性を有する電磁波シールド部材の製造方法
JP2009051009A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Nof Corp プラズマディスプレイパネル用前面フィルター、及びその製造方法
JP2009088071A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Dainippon Printing Co Ltd 電磁波シールド材及びその製造方法並びにディスプレイ用フィルター
US20090151998A1 (en) * 2007-11-06 2009-06-18 The Furukawa Electric Co., Ltd. Electromagnetic wave shielding wiring circuit forming method and electromagnetic wave shielding sheet
JP5089557B2 (ja) * 2007-11-06 2012-12-05 古河電気工業株式会社 電磁波遮蔽用配線回路の形成方法及び電磁波遮蔽用シート
JP5215104B2 (ja) * 2008-09-30 2013-06-19 グンゼ株式会社 電磁波シールド材およびそれを装着してなるプラズマディスプレイパネル
KR20110103835A (ko) 2008-12-02 2011-09-21 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 전자기파 차폐재, 및 그 제조 방법
KR20110121679A (ko) * 2009-03-02 2011-11-08 도레이 카부시키가이샤 네트상 금속 미립자 적층 필름 및 그 제조방법
SG176141A1 (en) * 2009-05-28 2011-12-29 3M Innovative Properties Co Electromagnetic shielding article
JP5174846B2 (ja) * 2010-03-12 2013-04-03 グンゼ株式会社 透明導電性シート、その製造に用いる導電性ペーストの製造法、電磁波シールド材およびタッチセンサー
DE102010044326A1 (de) * 2010-09-03 2012-03-08 Heraeus Materials Technology Gmbh & Co. Kg Verwendung von aliphatischen Kohlenwasserstoffen und Paraffinen als Lösemittel in Silbersinterpasten
US9049777B2 (en) * 2010-11-01 2015-06-02 Plastics Research Corporation EMI shielded thermoset article
KR101268594B1 (ko) * 2011-10-28 2013-05-28 주식회사 지오 전자파 차단 복합 시트 및 그 제조방법
KR101437552B1 (ko) * 2012-07-04 2014-09-16 연세대학교 산학협력단 메조포러스 무기산화물막의 패터닝 방법 및 이에 의하여 패턴화된 메조포러스 무기산화물막을 포함하는 전기소자
CN102970854A (zh) * 2012-10-25 2013-03-13 烟台大学 一种电磁屏蔽用复合铜浆及其制备方法
JP6297281B2 (ja) * 2013-05-27 2018-03-20 日東電工株式会社 軟磁性樹脂組成物、軟磁性接着フィルム、軟磁性フィルム積層回路基板、および、位置検出装置
CN108012586A (zh) * 2015-06-10 2018-05-08 吴铉锡 利用纳米结构物的电磁波屏蔽材料
KR102335509B1 (ko) * 2017-06-23 2021-12-07 주식회사 아모센스 차폐 시트 제조 방법 및 이에 의해 제조된 차폐 시트
JP7434759B2 (ja) * 2018-09-05 2024-02-21 大日本印刷株式会社 表示装置
EP3859887A4 (en) * 2018-09-28 2022-07-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. CIRCUIT BOARD AND PROCESS OF MAKING THE CIRCUIT BOARD
KR102406429B1 (ko) * 2020-08-20 2022-06-08 이상민 전자파 차폐를 위한 전자파 차폐 장치 및 이를 이용하는 전자파 차폐 시설체
US11632884B2 (en) * 2021-05-31 2023-04-18 Nano And Advanced Materials Institute Limited Transparent EMI shielding film and production method for the same

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005115070A1 (ja) * 2004-05-24 2005-12-01 Gunze Limited 電磁波シールド材及びその製造方法

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2561537B2 (ja) 1989-03-30 1996-12-11 真空冶金株式会社 金属ペースト及びその製造方法
JPH02307202A (ja) 1989-05-23 1990-12-20 Dainippon Ink & Chem Inc 磁性粉末の処理方法
DE69733639T2 (de) * 1997-06-03 2006-05-18 Hitachi Chemical Co., Ltd. Klebefilm mit elektromagnetischer Abschirmung
JPH1126984A (ja) 1997-07-09 1999-01-29 Mitsubishi Chem Corp 電磁波遮蔽体
JPH11212277A (ja) 1998-01-23 1999-08-06 Dainippon Ink & Chem Inc 光導電性組成物及びその製造方法、並びに光導電性塗膜の製造方法
JPH11319538A (ja) 1998-05-20 1999-11-24 Nippon Paint Co Ltd 貴金属又は銅のコロイドの製造方法
KR100654114B1 (ko) 1998-10-30 2006-12-05 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 전자파 차단판
JP2001196784A (ja) 1998-10-30 2001-07-19 Sumitomo Chem Co Ltd 電磁波シールド板
JP2001217589A (ja) 2000-02-03 2001-08-10 Mitsui Chemicals Inc 積層体およびそれを用いた電磁波シールド
JP2002057490A (ja) 2000-08-09 2002-02-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd 透光性電磁波シールド部材とその製造方法
JP2002167603A (ja) 2000-11-30 2002-06-11 Dainippon Ink & Chem Inc 焼結体形成用金属粉の表面処理方法。
JP4668438B2 (ja) * 2001-03-08 2011-04-13 住友ゴム工業株式会社 電磁波シールド板及びその製造方法
KR100521911B1 (ko) * 2001-07-09 2005-10-13 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 전자파 차폐용 부재 및 그 제조방법
JP2003338972A (ja) * 2001-09-12 2003-11-28 Fuji Photo Film Co Ltd 画像処理システム、撮像装置、画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP4180420B2 (ja) 2002-03-29 2008-11-12 Dic株式会社 金属粉末分散液、これを用いた電解コンデンサ陽極素子用成形体と電解コンデンサ陽極素子及びそれらの製造方法
JP4219616B2 (ja) 2002-05-31 2009-02-04 Dic株式会社 弁作用電解コンデンサ用陽極素子及びその製造方法
US7736693B2 (en) * 2002-06-13 2010-06-15 Cima Nanotech Israel Ltd. Nano-powder-based coating and ink compositions
JP3977226B2 (ja) 2002-10-25 2007-09-19 大日本インキ化学工業株式会社 焼結体形成用金属粉の表面処理方法及び該焼結体形成用金属粉
JP2004303765A (ja) 2003-03-28 2004-10-28 Shin Etsu Polymer Co Ltd 電磁波シールド体の製造方法
KR20040085762A (ko) 2003-04-01 2004-10-08 엘지전자 주식회사 전자파 차폐막 제조 방법과 그를 이용한 표시 패널 모듈및 그 제조 방법
KR100529371B1 (ko) * 2003-07-29 2005-11-21 주식회사 엘지화학 촉매전구체 수지조성물 및 이를 이용한 투광성 전자파차폐재 제조방법
JP2005097643A (ja) 2003-09-22 2005-04-14 Dainippon Ink & Chem Inc タンタル金属分散液、及びこれを用いたタンタル電解コンデンサ陽極素子用成形体と電解コンデンサ陽極素子
JP4188195B2 (ja) 2003-10-03 2008-11-26 Dic株式会社 金属粉末分散液、これを用いた電解コンデンサ陽極素子用成形体と電解コンデンサ陽極素子およびそれらの製造方法
US7374822B2 (en) * 2003-10-20 2008-05-20 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Near-infrared ray-shielding paint, near-infrared ray-shielding laminate obtained therefrom and production method thereof
JP4706637B2 (ja) 2004-11-29 2011-06-22 Dic株式会社 導電性ペースト、及び導電性ペーストの製造方法
KR20070099830A (ko) * 2006-04-05 2007-10-10 삼성코닝 주식회사 디스플레이 장치용 광학 필터

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005115070A1 (ja) * 2004-05-24 2005-12-01 Gunze Limited 電磁波シールド材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20080005598A (ko) 2008-01-14
CN101185385B (zh) 2010-06-16
EP1895828A1 (en) 2008-03-05
US20100018765A1 (en) 2010-01-28
CN101185385A (zh) 2008-05-21
EP1895828B1 (en) 2013-06-26
WO2006129568A1 (ja) 2006-12-07
EP1895828A4 (en) 2010-12-22
KR100932150B1 (ko) 2009-12-16
JPWO2006129568A1 (ja) 2009-01-08
US8067702B2 (en) 2011-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4519914B2 (ja) 電磁波シールド材及びその製造方法
JP5376808B2 (ja) 透明導電性フィルムの製造方法、透明導電性フィルム及びタッチパネル
JP4538690B2 (ja) 電磁波シールド材及びその製造方法
EP3021328B1 (en) Ceramic paste composition using carbon nanotube or carbon nanotube-metal complex, and conductive film containing same
KR101716397B1 (ko) 도전성 페이스트 조성물 및 그를 이용하여 형성된 도전성 막
JP2007142334A (ja) 電磁波シールド材及びその製造方法
TW201016796A (en) Printable compositions containing silver nanoparticles, processes for producing electrically conductive coatings using the same, and coatings prepared thereby
JP2009224183A (ja) 金属酸化物微粒子、及び透明導電膜、並びに分散液、及びデバイス
JP5332759B2 (ja) 導電性基板の製造方法及び導電性基板
JP6277751B2 (ja) 銅粒子分散ペースト、及び導電性基板の製造方法
JP2006024500A (ja) 透明面状発熱体及びその製造方法
JP5446097B2 (ja) 導電性基板及びその製造方法
JP5082281B2 (ja) カチオン硬化型導電性インキ
JP2009088122A (ja) 導電性基板
JP2005019028A (ja) 金属コロイド液およびそれを用いた導電インク
JP2019178059A (ja) 分散体の製造方法
JPWO2020027162A1 (ja) 導電性フィルム、並びに、それを用いた導電性フィルムロール、電子ペーパー、タッチパネル、及びフラットパネルディスプレイ
JP6885413B2 (ja) 導電パターン基板の製造方法
JP2010277974A (ja) 導電性薄膜基板及びその製造方法
JP5354037B2 (ja) 導電性基板の製造方法
JP2009246212A (ja) 導電性基板の製造方法及び導電性基板
JP2006120907A (ja) 電磁波シールド材及びその製造方法
JP2010226513A (ja) アンテナパターン及びアンテナパターンの製造方法
JP7084038B6 (ja) 導電性ペースト、導電性膜、及び電子部品
JP7070923B2 (ja) フレキシブル電子部品用ペースト、フレキシブル電子部品用硬化膜、及びフレキシブル電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091030

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100311

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100511

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100519

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4519914

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees