JP5261989B2 - 電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
この電磁波シールド膜としては、スズ添加酸化インジウム(Indium Tin Oxide: ITO)薄膜や銀薄膜等のスパッタ膜が用いられている。また、最近注目されている大型ディスプレイであるプラズマディスプレイパネル(PDP)等の各種フラットパネルディスプレイ(FPD)においては、より高い電磁波遮蔽能が必要とされているため、主として透明フィルム上に形成された銅箔をフォトリソグラフィにより網目状としたエッチングメッシュ膜が使用されている。
そこで、高導電率及び高透過率を有する電磁波遮蔽膜を比較的低コストで得る方法として、透明フィルム上に、スクリーン印刷法により貴金属触媒を含有せしめた触媒インクを印刷して網目状微細パターンの触媒インク層とし、この触媒インク層上に銅を無電解メッキする方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、従来のスクリーン印刷法では、比較的容易にかつ低コストで電磁波遮蔽膜を得ることができるものの、スクリーン印刷法自体が枚葉印刷であるために、印刷速度に限界があり、更なる生産性の向上を図ることが難しいという問題点があった。
さらに、触媒インク層が薄膜状となり、網目状の電磁波遮蔽層が形成されているパターン形成部と、網目状の電磁波遮蔽層が形成されていない非パターン形成部との段差(凹凸)が小さく、光学用途に適用する場合においても、前記段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理が不要となる。
前記金属層上に電解メッキを施して、第2の金属層を形成することが好ましい。
したがって、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、高精度かつ薄膜状のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を容易に実現することができる。
したがって、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、高精度かつ薄膜状のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を、短工程かつ安価な製造プロセスにて製造することができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを示す平面図、図2は同部分拡大断面図であり、図において、1はポリエチレンテレフタレート(PET)等の柔軟性を有する透明フィルム(透明基材)、2は透明フィルム1の上面全体に形成されたプライマー層(下地層)、3はプライマー層2上にグラビア印刷法により網目状パターンに形成された薄膜状の触媒インク層、4は触媒インク層3上に無電解メッキ法により形成された前記網目状パターンと同一パターン形状の金属層である。
酸化物微粒子としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、あるいはシリカ等の無機酸化物が挙げられ、これら2種以上を混合してもよい。
有機高分子としては、金属層3を無電解メッキする際のメッキ浴に対して耐性を有する樹脂、例えば、耐熱温度が120〜150℃で耐薬品性に優れた樹脂であれば使用でき、エチルセルロース、プロピルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ロジンエステル樹脂等が挙げられ、これら2種類以上を混合してもよい。
酸化物微粒子の比率が上記の範囲より高いと、透明フィルム1との密着強度が弱くなり、得られた電磁波遮蔽膜付き透明フィルム自体の透過率が低下し、ヘーズ値が高くなるからであり、一方、比率が上記の範囲より低いと、透明フィルム1との密着強度が弱くなるに加えて、グラビア印刷法により触媒インク層を形成する際の受容層としての効果が小さく、印刷した触媒インク層に垂れ、滲みを生じる虞があるからである。
プライマー層2の厚みが上記の範囲より薄いと、グラビア印刷法により触媒インク層を形成する際の受容層としての効果が小さくなるからであり、一方、厚みが上記の範囲より厚いと、印刷した触媒インク層に割れ等が生じる虞があるからである。
ここで、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子を用いたのは、貴金属微粒子を酸化物微粒子に担持させることにより、印刷に適する触媒インクのチクソトロピー性が得られ、良好な印刷形状が得られるからである。
貴金属微粒子としては、パラジウム、白金、金等の微粒子が挙げられる。これらの貴金属微粒子は2種類以上を混合して用いても良い。
また、酸化物微粒子としては、アルミナ、酸化亜鉛、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物微粒子が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は2種類以上を混合して用いても良い。
有機高分子としては、グラビア印刷に適正があり、アルカリ性の無電解メッキ液に対して耐性を有する樹脂であればよく、エチルセルロース、ロジンエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は2種類以上を混合して用いても良い。
この触媒インク層3の厚みが0.5μmを下回ると、無電解メッキでの金属析出量が低下し、その結果、電磁波を遮蔽するに充分な低抵抗(例えば0.2Ω/□以下)の金属層4が得られず、一方、3.0μmを超えると、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されているパターン形成部7と、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されていない非パターン形成部8との段差(凹凸)が大きく、この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを光学用途に適用するためには、この段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理が必要となるので好ましくない。
金属層4の膜厚を上記の範囲に限定した理由は、膜厚が1.0μm未満であると、電磁波を遮蔽するに充分な低抵抗(例えば、表面抵抗が0.2Ω/□以下)の金属層4とならず、一方、5.0μmを超えると、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されているパターン形成部7と、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されていない非パターン形成部8との間の段差(凹凸)が大きくなり過ぎてしまい、この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを光学用途に適用するためには、この段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理が必要となるからである。
この金属層4の頂面及び両側面には、可視光線の反射を抑え、かつ画像のコントラストを向上させるために、黒色化層が形成されていることが好ましい。
したがって、電磁波を遮蔽するに充分な低抵抗、例えば、表面抵抗が0.2Ω/□以下の導電性を有しており、しかも、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されているパターン形成部7と、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されていない非パターン形成部8との間の段差(凹凸)が小さく、もって、この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを光学用途に適用する場合においても、段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理を施す必要がなく、透明性に優れ、ヘーズ値が3%以下となっている。
「プライマー層の形成」
まず、グラビア印刷法、バーコート印刷法、オフセット印刷法等により、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の柔軟性を有する透明フィルム1上にプライマー層形成用塗料を塗工し、その後乾燥させることにより、プライマー層2を形成する。
酸化物微粒子としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、あるいはシリカ等の無機酸化物が挙げられ、これら2種以上を混合してもよい。
この酸化物微粒子の含有量は、0.2重量%〜15重量%が好ましく、より好ましくは1重量%〜8重量%である。
酸化物微粒子の含有量が0.2重量%未満であると、プライマー層2の厚みが薄く、触媒インク層を形成する際の受容層としての効果が小さくなるからであり、一方、15重量%を越えると、プライマー層2の厚みが厚く、印刷した触媒インク層に割れが生じるからである。
この有機高分子の含有量は、0.2重量%〜15重量%が好ましく、より好ましくは1重量%〜8重量%である。
有機高分子の含有量が0.2重量%未満であると、プライマー層2の厚みが薄く、触媒インク層を形成する際の受容層としての効果が小さくなるからであり、一方、15重量%を越えると、プライマー層2の厚みが厚く、印刷した触媒インク層に割れが生じるからである。
酸化物微粒子の比率が上記の範囲より高いと、透明フィルム1との密着強度が弱くなり、得られた電磁波遮蔽膜付き透明フィルム自体の透過率が低下し、ヘーズが高くなるからであり、一方、比率が上記の範囲より低いと、透明フィルム1との密着強度が弱くなるに加えて、グラビア印刷法により触媒インク層3を形成する際の受容層としての効果が小さく、印刷した触媒インク層3に垂れ、滲みを生じる虞があるからである。
この有機溶媒に、酸化物微粒子の分散をし易くするために、リン酸エステル系の分散剤等を添加しても良い。
上記のプライマー層2上に、グラビア印刷法により触媒インクを所定のパターンにて塗布し、その後乾燥させることにより、触媒インク層3を形成する。
触媒インクとしては、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子と、黒色顔料と、有機高分子と、有機溶媒を含むインクが好適に用いられる。
この貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子は、印刷に適する触媒インクのチクソトロピー性、良好な印刷形状を得るために用いられる。
この貴金属微粒子の含有量は、0.01重量%〜1.5重量%が好ましく、より好ましくは0.10重量%〜0.50重量%である。
貴金属微粒子の含有量が0.01重量%未満であると、無電解めっきの触媒として機能しないからであり、一方、1.5重量%を越えると、高価な貴金属を必要以上に使用することとなり、コストアップの原因となるからである。
この酸化物微粒子の含有量は、3.0重量%〜27.0重量%が好ましく、より好ましくは13.0重量%〜20.0重量%である。
酸化物微粒子の含有量が3.0重量%未満であると、触媒インクの粘度が低くかつチクソトロピー性を失うことで、印刷膜に垂れが生じ、印刷精度が低下するからであり、一方、27.0重量%を越えると、触媒インクの粘度が高くなり、ブレードで余剰部分を除去する際に、除去が完全にできずに残ってしまい、その結果、膜のパターン精度が低下してしまうからである。
この黒色顔料の含有量は、0.03重量%〜3.0重量%が好ましく、より好ましくは0.1重量%〜1.0重量%である。
黒色顔料の含有量が0.03重量%未満であると、印刷膜裏面の網目の黒色度が不足し、PDP等のディスプレイの表示面に搭載した場合、良好なコントラストが得られないからであり、一方、3.0重量%を越えると、印刷膜裏面の網目の黒色度が良好となり、良好なコントラストも得られるが、印刷性が悪くなるからである。
この有機高分子の含有量は、1.0重量%〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは6.0重量%〜10.0重量%である。
有機高分子の含有量が1.0重量%未満であると、インクの粘度が低くなり過ぎて印刷に適しなくなるからであり、一方、15.0重量%を越えると、インクの粘度が高くなり過ぎて印刷に適しなくなるからである。
触媒インクの粘度が1Pa・s未満であると、インクのチクソトロピー性が無くなり、糸引き等の不具合が生じて良好な印刷形状が得られないからであり、一方、500Pa・sを越えると、グラビア印刷の際に均一にインクを供給することができず、印刷ムラが生じるからである。
この装置は、グラビア印刷法により透明フィルム1のプライマー層2上に、網目状パターンを有する触媒インク層3を形成するための装置であり、図において、11は円筒状の表面にパターン溝12が形成されたグラビア印刷用の版胴、13は版胴11上に触媒インクCを塗布するディスペンサ、14は塗布された触媒インクCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去するブレード、15、16は透明フィルム1の一方の面にプライマー層2が形成されたグラビア印刷用透明フィルムFを版胴11に所定時間押圧させるバックアップロールである。
押圧時間が0.5秒未満であると、プライマー層2への有機溶媒の吸収が不十分となり、版胴11のパターン溝12に充填された触媒インクの粘度が高くならず、糸引き等の不具合が発生して良好な印刷形状が得られないからであり、一方、押圧時間が10秒を越えると、逆に有機溶媒が吸収され過ぎて触媒インクの粘度が高くなり過ぎてしまい、透明フィルムFへの転写が困難となるからである。
次いで、透明フィルムFをバックアップロール15、16により版胴11に押圧させつつ版胴11に沿って回転移動させることにより、版胴11上の触媒インクCと透明フィルムFのプライマー層2とを押圧させて所定の時間保持する。
次いで、バックアップロール16により透明フィルムFを引き出し、この透明フィルムFを版胴11から離間させることにより、版胴11上の触媒インクCを透明フィルムFのプライマー層2上に転写する。
次いで、乾燥器等を用いて乾燥し、触媒インク層3とする。この乾燥は、透明フィルムFの耐熱性と触媒インクCの転写膜の乾燥割れを考慮して100℃以下で行うことが好ましい。
以上により、透明フィルムFのプライマー層2上に、グラビア印刷法により所定のパターンの触媒インク層3を形成することができる。
また、この版胴11を用いることで、マスクレスの直描で版胴11を作製することができ、パターン溝の深度を調整することで、ブランケットを使用するグラビア印刷に比べてより厚みのある膜の印刷が可能となり、触媒インクの厚みによる触媒総量が増加し、メッキの析出を容易にすることができる。
また、プライマー層2に吸収された溶媒は、一旦プライマー層2表面の樹脂を溶解し、触媒インクと界面で相溶するので、乾燥後の透明フィルムFと触媒インク層3との密着強度が強くなる。このように、線幅Lが10〜20μm程度のファインパターンを10m/分前後の高速で、設計された画像形状を維持したまま印刷することが可能となった。
この装置においては、ブレード14、21を用いて塗布された触媒インクCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去するので、プライマー層2上に転写される触媒インクのパターンの精度をさらに向上させることができる。
次いで、触媒インク層3が形成された透明フィルムFを無電解銅メッキ浴またはニッケルメッキ浴中に浸漬し、触媒インク層3上に金属を析出させることにより、金属層4を形成する。
次いで、必要に応じて、この金属層4の頂面及び両側面を、可視光線の反射を抑え、コントラストを向上させるために、黒色化する。
図5は、本発明の第2の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを示す部分拡大断面図であり、この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムが第1の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムと異なる点は、網目状の電磁波遮蔽層6をさらに低抵抗とするために、金属層4上に、電解メッキ法により形成された銅、ニッケル等からなる(第2の)金属層31を積層した点である。
この金属層31においても、金属層4と同様、その頂面及び両側面を、可視光線の反射を抑え、コントラストを向上させるために、黒色化することが好ましい。
黒色化する方法としては、上述した黒色金属層または黒色電着層で被覆する方法、酸化処理または硫化処理を施す方法などが挙げられる。
したがって、電磁波を遮蔽するに充分な低抵抗、例えば、表面抵抗が0.1Ω/□以下の導電性を有しており、しかも、網目状の電磁波遮蔽層32が形成されているパターン形成部33と、網目状の電磁波遮蔽層32が形成されていない非パターン形成部34との段差(凹凸)が小さく、もって、電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを光学用途に適用する場合においても、この段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理を施す必要がなく、透明性に優れ、ヘーズ値が3%以下となっている。
[実施例1]
「プライマー層形成用塗料の作製及びプライマー層の形成」
アルミナ粉末240g、リン酸エステル系分散剤28gをトルエン1332gに投入し、サンドミルを用いて分散させ、アルミナ分散液を作製した。
次いで、このプライマー層形成用塗料を、厚みが125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にマイクログラビア印刷により塗工し、その後乾燥し、表面にプライマー層が形成された透明フィルムを得た。得られたプライマー層の膜厚は2μmであった。
パラジウム微粒子3.5gとγ−アルミナ171.5gをエタノール中で分散、凝集させ、固液分離した後乾燥させ、パラジウム微粒子を担持させたγ−アルミナ微粒子を得た。
次いで、α−テルピネオール472g及びブチルカルビトールアセテート236gからなる溶液に、エチルセルロース90gを溶解させ、さらに上記のパラジウム微粒子を担持させたγ−アルミナ微粒子とカーボンブラック9gを加え、三本ロールミルで混合、分散し、触媒インクを作製した。
上記の印刷メッシュフィルムを、25℃の無電解銅メッキ液OPC−750(奥野製薬社製)中に40分間浸漬させ、メッシュパターン上に銅を析出させ、金属層を形成した。その後、厚みが2.0μmのニッケル/スズの合金メッキを施し、メッシュパターンの表面を黒色化させ、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは3.7μm、表面抵抗は0.2Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は3%であった。
実施例1のアルミナ粉末をジルコニア粉末に替えた以外は、実施例1と同様にして印刷メッシュフィルムを作製した。得られたメッシュパターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
次いで、この印刷メッシュフィルムに、実施例1と同様にメッキ処理を施し、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは3.7μm、表面抵抗は0.2Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は3%であった。
実施例1のアルミナ粉末をシリカ粉末に替えた以外は、実施例1と同様にして印刷メッシュフィルムを作製した。得られたメッシュパターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
次いで、この印刷メッシュフィルムに、実施例1と同様にメッキ処理を施し、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは3.7μm、表面抵抗は0.2Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は3%であった。
実施例1と同様にして印刷メッシュフィルムを作製した。得られたメッシュパターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
次いで、この印刷メッシュフィルムを、25℃の無電解銅メッキ液OPC−750(奥野製薬社製)中に10分間浸漬させてメッシュパターン上に銅を析出させ、厚みが1.0μmの金属層を形成した。
その後、電気メッキによりニッケル/スズの合金メッキを施し、メッシュパターンの表面を黒色化させ、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは4.7μm、表面抵抗は0.05Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は3%であった。
実施例1と同様にして、プライマー層が形成された透明フィルムを作製した。
次いで、実施例1の触媒インクのアルミナ粉末をジルコニア粉末に替えた以外は、実施例1と同様にして触媒インクを作製した。
この触媒インクを用い、図3に示す装置により透明フィルム上に、速度10m/分、押圧時間1.5秒の条件にて、L/S=8/292μmのメッシュパターンをグラビア印刷し、80℃にて5分間、乾燥し、厚みが1.5μmの網目状の触媒インク層が形成された印刷メッシュフィルムを得た。得られたメッシュ状パターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=10/290μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは4.7μm、表面抵抗は0.1Ω/口、可視光線透過率は90%、ヘーズ値は2.5%であった。
実施例1と同様にして、プライマー層が形成された透明フィルムを作製した。
次いで、実施例1の触媒インクのアルミナ粉末をジルコニア粉末に替えた以外は、実施例1と同様にして触媒インクを作製した。
この触媒インクを用い、図3に示す装置により透明フィルム上に、速度20m/分、押圧時間1.5秒の条件にて、L/S=8/292μmのメッシュパターンをグラビア印刷し、80℃にて5分間、乾燥し、厚みが1.5μmの網目状の触媒インク層が形成された印刷メッシュフィルムを得た。得られたメッシュ状パターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=10/290μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは4.7μm、表面抵抗は0.1Ω/口、可視光線透過率は90%、ヘーズ値は2.5%であった。
実施例1と同様にして、プライマー層が形成された透明フィルムを作製した。
次いで、この透明フィルムと実施例1の触媒インクを用い、スクリーン印刷法により、透明フィルム上にL/S=20/280μmのメッシュパターンを印刷し、90℃にて10分間、乾燥し、印刷メッシュフィルムを得た。
良好なメッシュパターンの形状が得られる限界の印刷速度は、1m/分であり、厚みは8.0μmであった。
上記の印刷メッシュフィルムを、25℃の無電解銅メッキ液OPC−750(奥野製薬社製)中に40分間浸漬させ、メッシュパターン上に銅を析出させ、厚みが2.0μmの金属層を形成した。その後、ニッケル/スズの合金メッキを施し、メッシュパターンの表面を黒色化させ、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは10μm、表面抵抗は0.2Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は5%であった。
2 プライマー層
3 触媒インク層
4 金属層
6 網目状の電磁波遮蔽層
7 パターン形成部
8 非パターン形成部
11 版胴
12 パターン溝
13 ディスペンサ
14 ブレード
15、16 バックアップロール
21 ブレード
31(第2の)金属層
32 電磁波遮蔽層
33 パターン形成部
34 非パターン形成部
C 触媒インク
F グラビア印刷用透明フィルム
Claims (5)
- 柔軟性を有する透明基材の一主面上に、下地層及び網目状パターンを有する電磁波遮蔽層を積層してなる電磁波遮蔽膜付き透明基材であって、
前記下地層は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカの群から選択される1種または2種以上からなる酸化物微粒子及び柔軟性を有する樹脂を含む複合材料からなり、
前記電磁波遮蔽層は、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子と有機高分子を含む触媒インク層と、この触媒インク層上に無電解メッキにより形成した金属層とからなり、
前記電磁波遮蔽層の頂面の前記下地層の表面からの高さは5μm以下であり、かつ、ヘーズ値が3%以下であることを特徴とする電磁波遮蔽膜付き透明基材。 - 前記金属層上に、電解メッキにより形成された第2の金属層を積層してなることを特徴とする請求項1記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材。
- 柔軟性を有する透明基材の一主面上に、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカの群から選択される1種または2種以上からなる酸化物微粒子及び柔軟性を有する樹脂を含む複合材料からなる下地層、及び、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子と有機高分子を含む触媒インク層と、この触媒インク層上に無電解メッキにより形成した金属層とからなる網目状パターンを有する電磁波遮蔽層を積層してなる電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法であって、
グラビア印刷用の版胴上に触媒インクを網目状のパターンに塗布し、次いで、この版胴上の触媒インクと前記透明基材上に形成された下地層とを押圧させて所定の時間保持し、次いで、前記透明基材と前記版胴とを離間させて前記版胴上の触媒インクを前記下地層上に転写して網目状パターンの触媒インク層を形成し、
次いで、前記触媒インク層上に無電解メッキを施し、網目状パターンの頂面の前記下地層の表面からの高さが5μm以下の金属層を形成することを特徴とする電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。 - 前記所定の時間は、0.5秒以上かつ10秒以下であることを特徴とする請求項3記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。
- 前記金属層上に電解メッキを施して、第2の金属層を形成することを特徴とする請求項3または4記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。
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