JP5282991B1 - 透明導電層付き基体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

透明基体上に、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmの吸光度が各々独立して0.001〜0.1の範囲にあり、且つヘイズ値が0.1〜2%の範囲にある有色の透明層(1)と、金属ナノワイヤーを含有する透明導電層(2)をこの順に有する透明導電層付き基体、及び、
透明基体上に前記有色の透明層(1)及び前記透明導電層(2)を塗布により形成し、ネガティブパターン化された接着領域層を有する支持体と前記基体とを貼り合わせた後剥離し、前記接着領域と密着した部分の前記透明導電層(2)を前記該接着領域上へと移行させて基体上に透明導電層(2)のパターンを形成し、その後保護層用塗料を塗布して透明導電層(2)を基体上に固定化する透明導電層付き基体の製造方法。

Description

本発明は、金属ナノワイヤーを含有する透明導電層を有する透明導電層付き基体及びその製造方法に関する。
透明基体上に透明導電層を形成した透明導電層付きの基体は、発光、受光機能を利用した表示素子等において、重要な機能性部材として数多く用いられている。特に透明導電層をパターン化することにより、シート状の透明基体上に導電性領域を多数配列し電極やスイッチ等の機能を持たせた透明導電性シートは、上記表示素子の薄型化、小型化、高機能化のための必須の部材となっている。
一般に透明導電層のパターンは、透明基体上にITO層や酸化亜鉛層を蒸着やスパッタリング等により形成し、その後、プラズマなどのドライエッチング、又はポジ型/ネガ型レジストを併用してパターン化する方法が採用されている。しかしながら蒸着やスパッタリング法は大がかりな装置やエネルギーを必要とすることや、高機能化の一つである可とう性を付与するために透明基体としてプラスチックフィルムを使用する場合、蒸着やスパッタリング時の熱によりプラスチックフィルムがゆがんでしまう等の問題が生じることがあった。従って、熱エネルギーをあまり必要とせず、かつ、製造装置が簡便で生産性の高い透明導電性シートが求められている。
熱エネルギーをあまり必要とせず且つ製造装置が簡便な方法として、金属やカーボン等の導電性ナノワイヤーの塗布液を基体に塗工して透明導電層を得る方法が検討されている。特に金属ナノワイヤーは比抵抗が小さく、より低い表面抵抗値の透明電極を形成することが可能な材料として注目を浴びている(例えば特許文献1参照)。
しかし金属ナノワイヤーはアスペクト比を有する金属であるために、透明導電層に入射して通過する光が単なる金属反射ではなく金属ナノワイヤー独自の乱反射となり、黄味がかった色が視認されてしまうことがあった。これは、表示素子等の正確な色再現性が求められる電極には適さず、用途が限定されてしまう。
前記金属ナノワイヤーの乱反射を抑制する方法として、例えば、透明プライマー上に導電性粒子と着色された樹脂バインダーを含む透明導電部材を形成する方法や(例えば特許文献2参照)、表面を黒化処理した金属ナノワイヤーを使用する透明導電部材が知られている(例えば特許文献3参照)。
しかしながら特許文献2に記載の方法は、着色された樹脂バインダーが金属ナノワイヤーの接触を阻害するために、得られる導電層の電気抵抗値が上がるおそれや、信頼性が低下するおそれがあった。また特許文献3の方法も金属ナノワイヤー自体を処理するために、やはり導電層の電気抵抗値が上がるおそれや、信頼性が低下するおそれがあった。
一方、タッチパネルのITO透明電極の色を補正する目的で色補正用シートも提案されている。(例えば特許文献4参照)。これはスパッタリングにより得た均一な金属膜であるITOの色味に対して補色となる色を有するシートを設ける方法である。しかしながら、金属ナノワイヤの金属乱反射における知見は記載されておらず、また補色となる色材に関する知見も記載されていない。
特表2009−505358号公報 特開2011−34889号公報 特開2011−70820号公報 特開2010−20682号公報
本発明は、良好な電気抵抗値を示し、且つ透明で色再現性に優れた透明導電層付き基体を提供することにある。
本発明者らは、透明基体と金属ナノワイヤーを含有する透明導電層との間に、アンカーコート層として、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmの吸光度が各々独立して0.001〜0.1の範囲にあり、且つヘイズ値が0.1〜2%の範囲にある有色の透明層を設けることで、前記課題を解決した。
有色の透明層を設けることで、金属ナノワイヤーで乱反射された光を一部吸収することにより、乱反射光が視認されにくくなる。有色の透明層としては、具体的にはπ共役系化合物を含有する層が、良好な導電性を維持しながら視認性を改善でき好ましい。
即ち本発明は、透明基体上に、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmの吸光度が各々独立して0.001〜0.1の範囲にあり、且つヘイズ値が0.1〜2%の範囲にある有色の透明層(1)と、金属ナノワイヤーを含有する透明導電層(2)をこの順に有する透明導電層付き基体を提供する。
また本発明は、前記記載の透明導電層付き基体の製造方法であって、
基体上に、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmの吸光度が各々独立して0.001〜0.1の範囲にあり、且つヘイズ値が0.1〜2%の範囲にある有色の透明層(1)を塗布により形成する工程1と、
前記透明層(1)上に金属ナノワイヤーを含有する剥離可能な透明導電層(2)を塗布により形成する工程2と、
支持体上に、ネガティブパターン化された接着領域を有する層を形成する工程3と、
前記基体と前記支持体とを、前記透明導電層(2)と前記接着領域を有する層の該接着領域とが互いに密着するように貼り合わせる工程4と、
前記支持体を前記基体から剥離し、前記接着領域を有する層の該接着領域と密着した部分の前記透明導電層(2)を、接着領域を有する層の該接着領域上へと移行させることにより、基体上に透明導電層(2)のパターンを形成する工程5と、
前記透明導電層(2)のパターンを形成した基体全面に、保護層用塗料を塗布し、透明導電層(2)を基体上に固定化する工程6、
を有する透明導電層付き基体の製造方法を提供する。
本発明により、良好な電気抵抗値を示し、且つ黄色性を抑制でき、透明性で色再現性に優れた透明導電層付き基体を提供することができる。
また、本発明の透明導電層付き基体の製造方法は、全て塗布工程で形成でき、かつ該透明導電層をエッチング等の湿式処理を行うことなくパターン化でき、さらにこのように形成された透明導電層を、焼結や焼成処理することなく良好に固定化することができる。
本発明の方法により形成するタッチパネル用透明導電層のダイヤモンドパターンの平面図である。 本発明において支持体上に形成する感熱接着剤層のためのダイヤモンド状ネガティブパターンの平面図である。 本発明におけるパターン視認性評価用サンプルの断面図である。
(有色の透明層(1))
本発明で使用する有色の透明層(1)としては、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmの吸光度が各々独立して0.001〜0.1の範囲にあり、且つヘイズ値が0.1〜2%の範囲であれば特に限定はない。
(吸光度)
本発明において吸光度とは、JIS K−0115に基づく方法において測定されたものであり、具体的には以下の方法で測定した値を示す。
(吸光度測定方法)
分光光度計(日本分光社製V−650)を用いて、波長380nm〜780nmの吸光度を測定し、波長450nm、波長550nm、波長650nmの吸光度α450、α550、α650を測定する。
本発明で使用する有色の透明層(1)の吸光度は、前記波長450nm、波長550nm、波長650nmの範囲において0.001〜0.1の範囲であることが透過率と視認性の両立が図れる点で好ましく、より好ましくは0.001〜0.02の範囲であり、0.001〜0.01の範囲がさらに好ましい。各々の波長における吸光度は同じであっても異なっていてもよい。吸光度が0.001未満では、十分な光吸収効果が得られず、金属ナノワイヤーの乱反射光が視認されやすい傾向にある。一方、吸光度が0.1を超えてしまうと、光吸収効果が高くなりすぎ、全光線透過率が低下するおそれがある。
例えばタッチパネル用の透明電極層として使用する場合は、より高い透明度を要求されるため、吸光度は、0.001〜0.1の範囲であることが好ましい。一方、太陽電池用の透明電極層として使用する場合は、タッチパネル用の透明度まで要求されないため、吸光度は0.001〜0.2の範囲くらいであればよい。
(ヘイズ値、全光線透過率)
また、本発明においてヘイズ値とは、JIS K−7136に基づく方法において測定されたものである。また全光線透過率とは、JIS K−7361に基づく方法において測定されたものであり、具体的には以下の方法で測定した値を示す。
(ヘイズ値、全光線透過率の測定方法)
積分球式全光線透過率測定機(日本電色工業社製NDH−2000)を用いて、ヘイズ(曇り度・Hz){JIS K−7136に準拠、NDH−2000測定方法3}と、全光線透過率(Tt){JIS K−7361に準拠、NDH−2000測定方法1}を測定する。
本発明で使用する有色の透明層(1)のヘイズ値の範囲は0.1〜2%が好ましく、より好ましくは0.1〜1%であり、0.1〜0.5%であればさらに好ましい。ヘイズ値が0.1%未満の場合、該透明層の厚みが薄すぎることを意味しており、光吸収効果が低すぎるために、金属ナノワイヤーの乱反射光が視認されやすい場合がある。一方、ヘイズ値が2%を超える場合、該透明層の厚みが厚すぎることを意味しており、光吸収効果が高くなりすぎ、全光線透過率が低下することがある。
例えばタッチパネル用の透明電極層として使用する場合は、より高い透明度を要求されるため、得られる透明導電層付き基体のヘイズ値は、0.1〜2%の範囲であることが好ましく、0.1〜0.5%の範囲であるとなお好ましい。透明層のヘイズ値を上記範囲とすることで、透明導電層付き基体のヘイズ値を当該範囲に調整しやすくなる。一方、太陽電池用の透明電極層として使用する場合は、タッチパネル用に使用される透明電極層の透明度まで要求されないため、ヘイズ値は、0.1〜10%の範囲くらいであればよい。
本発明に使用する有色の透明層(1)は、上記吸光度及びヘイズを有する透明層であれば特に制限されないが、着色材を含有する透明樹脂被膜からなる有色の透明層(1)であると、形成が容易であるため好ましい。当該着色材を含有する透明樹脂被膜は、少なくとも着色剤とバインダー樹脂とを含有する塗料組成物を塗布し、乾燥及び/又は硬化することで、容易に形成できる。
前記有色の透明層(1)に使用する着色材としては、吸光度及びヘイズ値を好適な範囲に調整しやすいことから、π共役系化合物を使用することが好ましい。本発明で使用するπ共役系化合物としては芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を有するものであればいかなる構造でもよく、例えば「Organic Field−Effect Transistors」(2007年刊、CRC Press)159−228頁に記載のものや、その他公知の有機半導体分子が挙げられる。好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、フラン環、チオフェン環などの芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環を有する構造であり、より好ましくは、これらの芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環が2つ以上縮環された、および/または共有結合で連結されており、それらの芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環がそれぞれ有するπ電子が広く非局在化した構造であることが好ましい。縮環されたおよび/または共有結合で連結された芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環の数は、1〜20個が好ましく、2〜12個がより好ましい。
前記π共役系化合物の具体例としては、フタロシアニン類、ポルフィリン類 アントラセン、テトラセン、ペンタセン、トリフェニレン、ヘキサベンゾコロネン、フラーレン、ポリピロ−ル類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
なかでも、色素として使用されるフタロシアニン類や、帯電防止剤等として使用されるポリピロ−ル類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類等の導電性高分子が、透明性に優れ、容易に塗膜化できることから好ましい。特に導電性高分子は帯電防止膜として機能するために、静電気放電による銀ナノワイヤー塗膜の静電破壊等を防ぐことができる。
また、青色を呈する色素は、得られる透明導電層付き基体の黄色度を特に低減しやすいため好ましい。特に、ポリチオフェン系着色材を使用することが好ましく、PEDOT(SIGMA−ALDRICH社製)や、ポリチオフェン系着色材を含有するアラコートAS601(荒川化学工業社製)等の市販品を使用できる。
前記有色の透明層(1)として前記共役系化合物を使用する場合は、バインダーとなる樹脂や各種溶媒等を混合して塗布溶液として使用することが、作業性及び基体への密着性の観点から好ましい。混合する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が透明性が高い点で好ましい。また本発明の効果を損なわない範囲において各種添加剤を使用しても構わない。また、前記有色の透明層(1)として導電性高分子を使用する場合でも、透明基体との密着性の向上のために、前記ポリエステル系樹脂等の樹脂を混合してもよい。透明基体がプラスチック等の樹脂シートである場合は、該透明基体の樹脂構造に類似した構造を有する樹脂を選択することで、より密着性を高めることができる。前記共役系化合物の塗布溶液の濃度は、使用する共役系化合物に応じて、前記吸光度とヘイズを維持するように適宜調整すればよく、特に限定はない。
前記有色の透明層(1)の厚みとしては、吸光度とヘイズを維持できる範囲であれば特に限定はないが、例えば、本発明の透明導電層付き基体を後述のリフトオフ法で作成する際には、透明導電層層と一緒に剥離されない程度の膜厚であることが好ましい。具体的には0.1μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。
前記有色の透明層(1)を設ける方法としては、塗布法が好ましい。塗布方法としてはスプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコートなど公知の塗布方法を用いることができる。また、フィルムの製造工程で塗布層を設けるインラインコート方式、フィルム製造後に塗布層を設けるオフラインコート方式により設けることができる。
(透明基体)
本発明の透明導電層付き基体の支持体として使用する透明基体としては、支持体として十分な物理的強度と光透過性を有するものであれば特に限定されないが、シート状の透明基体が、取り扱い性が良好となるため好ましい。表面の平滑性や機械的強度の観点から、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、シクロオレフィン等の透明または半透明樹脂のシート又はフィルムが好ましい。これらは、単層であったも多層となっていてもよく、密着性を高める目的でプラズマ等の公知の方法で表面処理されていたり、表面硬度を得る目的で表面コート材でコートされていてもよい。なかでもPETフィルムまたはPENフィルムが、機械的強度の面から特に好ましい。
前記透明基体の厚みは、薄すぎると取り扱い性が難しく、一方厚すぎる場合では可視光の透過率が低下するおそれがある。従って5μm〜300μmの範囲が、取り扱いが良好で透過率に優れており好ましい。より好ましくは10μm〜250μmの範囲であり、25μm〜200μmがさらに好ましい。
透明基体の全光線透過率は、90%以上であることが好ましく、95%以上であることが特に好ましい。また、透明基体は着色されていない透明基体であることが好ましい。当該透明基体を使用することで、透明性が高い透明導電層付き基体を得やすくなる。
(金属ナノワイヤーを含有する透明導電層(2))
本発明で使用する金属ナノワイヤーを含有する透明導電層(2)において、金属ナノワイヤーとは、形状が直線または曲線の細い棒状で、材質が金属であり、太さがナノメートルサイズの微細な導電性物質を示す。微細な導電性物質が繊維状、好ましくはワイヤー状であると、それらが互いに絡み合って網の目状となることで、少ない量の導電性物質であっても良好な電気伝導経路を形成することができ、導電性層の抵抗値をより低下させることができ好ましい。さらにこのような網の目状を形成した場合、網の目の隙間部分の開口が大きいので、たとえ繊維状の導電性物質そのものが透明でなかったとしても、塗膜として良好な透明性を達成することが可能である。
金属ナノワイヤーの金属として、具体的には鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金、金が挙げられ、導電性の観点から銅、銀、白金、金が好ましい。金属ナノワイヤーの少なくとも一つの断面寸法は、断面の最大径が500nm未満であることが好ましく、200nm未満であることがさらに好ましく、100nm未満であることが一層好ましい。金属ナノワイヤーとしては、アスペクト比としては10を越えることが好ましい。アスペクト比としては50を越えることがさらに好ましく、100を越えるアスペクト比を有することが一層好ましい。金属ナノワイヤーの形状や大きさは走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡で確認することができる。
金属ナノワイヤーは、当該技術分野で既知の方法で作成、調製が可能である。例えば溶液中で硝酸銀を還元する方法や、前駆体表面にプローブの先端部から印可電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤーを引き出し、該金属ナノワイヤーを連続的に形成する方法等が挙げられる(特開2004−223693公報)。溶液中で硝酸銀を還元する方法としては、より具体的には、銀ナノワイヤーは、エチレングリコール等のポリオール、およびポリビニルピロリドンの存在下で、硝酸銀等の銀塩の液相還元をすることにより合成可能である。均一サイズの銀ナノワイヤーの大量生産は、例えば、Xia,Y.etal.,Chem.Mater.(2002)、14、4736−4745 およびXia, Y.etal., Nano letters(2003)3(7)、955−960 に記載される方法に準じて 調製可能であるが、特にこれらに記載の方法に限定されるものではない。
このような導電性を有する金属ナノワイヤーが透明基体上に適度な間隔を保ちながら互いに絡み合った状態を有し、導電網を形成することで、実質的に透明な導電網が可能である。具体的な金属種や軸長さ、アスペクト比等は使用目的等に応じて適宜定めればよい。
金属ナノワイヤーを含有する透明導電層(2)は、金属ナノワイヤーが透明基体上に相互に絡み合った状態で導電網を形成した透明導電層であれば形成方法は特に制限されないが、金属ナノワイヤーを分散媒に分散した分散液を塗布し、乾燥及び/又は硬化することで容易に形成できる。
前記金属ナノワイヤーの分散液を得るための分散媒である液体としては、特に限定されることなく、既知の各種分散媒を使用することができる。例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。また、分散媒の種類により、分散剤を使用することもできる。これら分散媒の中でも、極性を有する分散媒が好ましく、特にメタノール、エタノール等のアルコール類、NMP等のアミド類のような水と親和性のあるものは、分散剤を使用しなくても分散性が良好であり好適である。これら液体は、単独でも2種類以上の混合したものでも使用することができる。
また、分散媒として水も使用できるが、水の場合は前記有色の透明層(1)が疎水性である場合に水をはじきやすく均一な膜が得られにくい。このような場合には、水にアルコールを混合するか、あるいは疎水性の透明基体への濡れ性を改善するような界面活性剤を選定し、添加することで均一な膜を得ることが可能である。
用いる分散媒としての液体の量は、特に制限されず、前記金属ナノワイヤーの分散液が塗布に適した粘度を有するようにすればよい。例えば、前記金属ナノワイヤー100重量部に対して、液体100〜100,000重量部程度と広範囲に設定可能であって、前記金属ナノワイヤーと分散媒の種類、使用する撹拌、分散装置に応じて適宜選択することができる。
前記金属ナノワイヤーの分散媒中への分散は、金属ナノワイヤーと分散媒である液体の混合物に対し必要に応じて公知の分散手法を適用することにより行うことができる。ただし、良好な透明性と導電性を有する透明導電層を形成するためには、金属ナノワイヤーの特性が分散処理前後で大きく変化せず、混合物の透明性が失われないことが重要である。特に金属ナノワイヤーは折れにより導電性の低下や透明性の低下が引き起こされるため、金属ナノワイヤーの形状を破壊しない分散手法の選択が重要である。
前記金属ナノワイヤーの分散液は、導電性能の向上の点においてはバインダー樹脂を含まないことが好ましい。導電性層においては、バインダー樹脂を用いなければ金属ナノワイヤー同士の接触が阻害されることがない。従って、金属ナノワイヤー相互間の導電性が確保され、得られる導電層の電気抵抗値をより低く抑えることができる。
また、本発明の透明導電層付き基体を後述のリフトオフ法で作成する際には、金属ナノワイヤーの分散液がバインダー樹脂を含まなくすることによって、基体上に透明導電性塗膜を形成したときに、次工程において透明導電性塗膜が該透明基体から容易に剥離可能である点でも好ましい。更に、その後にパターン化された透明導電層の保護層用塗料により基体上への固定化を行う場合は、保護層用塗料を導電層に含浸させ基体に到達させることにより行われるため、透明導電性物質の分散液がバインダー樹脂を含まないことは、透明導電層がより間隙を多く含んでいることを意味しており、保護層用塗料の含浸による固定化を阻害しない点で好ましい。
ただし、基体上の塗膜の導電性や、基体からの塗膜剥離性を低下させず、保護層用塗料中の樹脂による導電性層の固定化工程を損なわない程度の量であれば、樹脂を含むことも可能であり、その種類と量は、上記特性が得られる範囲で適宜選択可能である。このような適量の樹脂を少量配合することにより、基体上の導電層塗膜が良好に固定され、パターン形成工程のときに欠落することがなくなる効果がある。
上記の添加量範囲において金属ナノワイヤーの分散液は、粘度調整、腐食防止、基体への接着性向上、および導電性物質の分散を制御するために、前記樹脂及びその他の添加剤を含んでもよい。適切な添加剤および結合剤の例として、カルボキシメチルセルロース(CMC)、2−ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ポリビニルアルコール(PVA)、トリプロピレングリコール(TPG)、およびキサンタンゴム(XG)、およびエトキシレート、アルコキシレート、エチレンオキシド、および酸化プロピレンなどの界面活性剤、およびそれらの共重合体、スルホン酸塩、硫酸塩、ジスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸エステル、およびフッ素系界面活性剤が挙げられるがそれだけに限定されない。また金属ナノワイヤーが水系で製造される場合には、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルピロリドン系重合体、セルロース誘導体等の各種水溶性樹脂を用いることができる。
さらに2−アルコキシエタノール、β−ジケトン、アルキルアセテート、等の非ポリマー系有機化合物を膜形成剤として使用することもできる。
前記透明導電層(2)は、用途により所望される物性値が異なる。例えばタッチパネル用の透明電極層として使用する場合は、表面抵抗率が0.01Ω/□〜1000Ω/□であることが好ましく、可視光域において高い透明性を有していることが好ましい。
前記透明導電層(2)を、前記有色の透明層(1)上に設ける方法としては、塗布法が好ましい。具体的には、前記金属ナノワイヤーの分散液を前記有色の透明層(1)上に塗布した後乾燥させる。
塗布方法としてはスプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコートなど公知の塗布方法を用いることができる。また、フィルムの製造工程で塗布層を設けるインラインコート方式、フィルム製造後に塗布層を設けるオフラインコート方式により設けることができる。
前記透明導電層(2)の膜厚は、用途により適宜調整することができるが、薄くなる程導電性が低下する傾向にあり、一方厚すぎるとヘイズ値の上昇、全光線透過率の低下等で透明性が低下する傾向にある。これらのことから、例えばタッチパネル用の透明電極層として使用する場合は、10nm〜10μmの間で適宜調整を行うことが多い。特に金属ナノワイヤーはそのものが透明ではないために、膜厚の増加によって透明性が低下する傾向が強いので、より薄い膜厚の導電層を形成することが多い。この場合きわめて開口部の多い導電層であるが、接触式の膜厚計で測定したときに平均膜厚として10nm〜500nmの膜厚範囲がこのましく、30nm〜300nmがより好ましく、50nm〜150nmが最も好ましい。
前記透明導電層(2)は金属ナノワイヤー、または金属ナノワイヤーと樹脂及び既述のその他添加剤を含有する。樹脂を使用するときの添加量は導電性塗膜の導電性、剥離性、保護層用塗料の浸漬しやすさ等を勘案して決定されるが、透明導電層中の金属ナノワイヤーが基体に対して良好に固定され、以後の工程において容易に欠落しないために必要で最小限の量の添加にとどめることが好ましい。このような場合基体上に透明導電層の形成後は、樹脂は透明導電層の基体側に集中しやすく基体に金属ナノワイヤーを容易に固定できる傾向にあるが、基体より遠い側で金属ナノワイヤーが樹脂に被覆されず露出して導電性物質間に空隙のある状態となりやすい。
なお、前記透明導電層(2)は、更に導電性を高める目的で、塗布形成後の透明導電層(2)における金属ナノワイヤー同士の交差部分における接触点を増すとともに、接触面積を増やしその接触を確実にするための加圧工程を行うことが可能である。
導電性物質の交差部分を加圧する工程とは、具体的には透明導電層面を加圧する工程であって、網目状に分散している金属ナノワイヤーの透明導電層に真上から圧力を加えて、透明導電層を圧縮し、内部の金属ナノワイヤーの接触点を増やす工程である。この工程によって金属ナノワイヤー間の接触抵抗が下がることになる。
本工程は通常塗膜面を加圧する公知の方法であれば特に制限はないが、塗布によって得られた層を、例えば、加圧可能な2枚の平板間に透明導電層を配置し、一定時間加圧する平板プレス法や、加圧可能な2本のロールの間に透明導電層を挟み込んで線加圧し、ロールを回転させることによって面全体を加圧するカレンダー法などが挙げられる。
ロールによるカレンダー法において、前記透明導電層(2)を加圧するロール線圧は、1kN/m〜500kN/m、好ましくは5kN/m〜300kN/m、より好ましくは10kN/m〜100kN/mである。
(透明導電層付き基体)
本発明の透明導電層付き基体は、上記透明基体上に、有色の透明層(1)と、透明導電層(2)とを、この順に有する透明導電層付き基体である。本発明の透明導電層付き基体は、当該構成とすることで、金属ナノワイヤーの被覆等を行わずとも金属ナノワイヤーの乱反射による黄色度を低減できることから、良好な電気抵抗値を有し、かつ透明で色再現性に優れる。
本発明の透明導電層付き基体は、そのヘイズ値が5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。特にタッチパネル用の透明電極層として使用する場合は、0.1〜2%の範囲であることが好ましく、0.1〜0.5%の範囲とすることが好ましい。また、全光線透過率が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、88%以上であることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、薄型で高密度実装が求められる携帯電子機器に使用する透明電極、特にタッチパネル用の透明電極として好適に使用できる。
透明導電層付き基体の表面抵抗値は、0.01〜1000Ω/□であることが好ましく、より好ましくは1〜500Ω/□であり、10〜300Ω/□であることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、携帯電子機器に使用する透明電極、特にタッチパネル用の透明電極として好適に使用できる。
(透明導電層(2)のパターン化方法)
前記透明導電層(2)をパターン化する場合は、公知のパターン化方法を選択することができる。例えば、
(A)スクリーン印刷等の各種印刷法等を用い、バインダー樹脂等を用いて銀ナノワイヤーをパターン状に固定化し、その後に、非固定化領域を適切な溶媒で洗浄またはブラッシングするか、あるいは粘着性のあるローラーで除去することにより透明導電性パターンを形成する方法。
(B)基体上に銀ナノワイヤーの透明導電層を形成したのちに、該導電層全面に光または熱により硬化可能なレジスト塗料を塗布し、パターンとして残したい部分にのみ光または熱を供給し硬化したのち、上記(A)と同様の方法を用いて不要部分を除いて透明導電性パターンを形成する方法。
(C)基体上に銀ナノワイヤーの透明導電層を形成したのちに、別途準備したネガティブパターン化された接着領域を有する層を有するシートを、前記透明電極層に貼り付けたのち剥離し、基体上に透明導電層のパターンを形成する方法。
(D)基体上に銀ナノワイヤーの透明導電層を形成したのちに、銀ナノワイヤー除去剤を含有する液をパターン電極を形成する上で不要となる部分にパターン印刷した後、上記(A)と同様の方法を用いて不要部分を除いて透明導電性パターンを形成する方法。
等がある。本発明においては(B)又は(C)の方法が、高精細でパターン化された断線、短絡のない透明導電層パターンを、容易にかつ低コストで形成することができ好ましい。
前記(B)の方法において使用する光または熱により硬化可能なレジスト塗料としては、通常、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ等の透明導電層をエッチングするために使用されているレジスト塗料を使用することができるが、露光によりパターンを形成させることができることから、フォトリソグラフィ用のレジスト塗料を使用することが好ましい。パターンを露光する際の露光条件も、前記レジスト塗料に適した露光条件で行うことが好ましい。また、現像に使用する現像液は、硝酸、過硫酸アンモニウム、及びその同等物、あるいは過マンガン酸カリウム等の酸化剤等を使用することができる。
また、前記(C)の方法は、具体的に以下の工程1〜工程6で説明する。
工程1:基体上に、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmの吸光度が各々独立して0.001〜0.1の範囲にあり、且つヘイズ値が0.1〜2%の範囲にある有色の透明層(1)を塗布により形成する。
工程2:前記透明層(1)上に金属ナノワイヤーを含有する剥離可能な透明導電層(2)を塗布により形成する。
工程3:支持体上に、ネガティブパターン化された接着領域を有する層を形成する。
工程4:前記基体と前記支持体とを、前記透明導電層(2)と前記接着領域を有する層の該接着領域とが互いに密着するように貼り合わせる。
工程5:前記支持体を前記基体から剥離し、前記接着領域を有する層の該接着領域と密着した部分の前記透明導電層(2)を、接着領域を有する層の該接着領域上へと移行させることにより、基体上に透明導電層(2)のパターンを形成する。
工程6:前記透明導電層(2)のパターンを形成した基体全面に、保護層用塗料を塗布し、透明導電層(2)を基体上に固定化する。
なお本発明においてネガティブパターンとは、基体上に形成すべき透明導電層のパターン(ポジティブパターン)と、ネガとポジの逆になった同縮尺のパターンを表すものとする。
工程1、工程2は前述の通りである。
工程3即ち支持体上に、ネガティブパターン化された接着領域を有する層を形成する工程において、「支持体上に形成されたネガティブパターン化された接着領域を有する層」は、即ち、前記有色の透明層(1)上に形成された透明導電層を部分的に剥離するための剥離材である。(以後「支持体上に予めネガティブパターン化された感熱接着剤層を有する剥離材」を単に「剥離材」と称する場合がある。)
剥離材としては、シート状の支持体上に透明導電層を部分的に剥離するためのネガティブパターン化された接着領域を有する層が形成されているものならば広く使用することができる。このような剥離材の作製方法としては、支持体上に接着機能を有し、あるいは発現しうる機能性塗膜を一様に形成した後、光等で部分的にかつパターン化して接着機能を発現あるいは失活させて行うことができる。あるいは最初から接着剤を用いて支持体上にネガティブパターンを直接印刷して剥離材を作製してもよい。
接着剤をネガティブパターン化して支持体上に印刷するためには、ネガティブパターンに対応した印刷版の作製が必要となる。このため光硬化性組成物等の一様な機能性塗膜を、部分的な光照射等でその接着機能を部分的に発現あるいは失活させる方法を用いる方が、種々のパターンに容易に切り替え可能な点で好ましい。
このような剥離材の作製は、例えば支持体上に接着性を有する光硬化性組成物を塗布して均一な塗膜を形成し、ネガティブパターン状にマスキングを行ったまま光照射し、ネガティブパターン以外の塗膜部分を硬化させ、該部分の接着性を失わせて、ネガティブパターン状の接着領域を作製することで行うことができる。
剥離材の作製に使用できる接着性を有する光硬化性組成物としては、例えばアクリル酸アルキルエステル系やメタクリル酸アルキルエステル系などポリマー内に光重合性の不飽和結合を導入した重合性ポリマーに、たとえばテトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの光重合性の多官能オリゴアーを添加し、光照射による硬化収縮や弾性率の低下を利用したものなどが使用できる。
このような剥離材を用いて実際の剥離工程を行う場合には、該基材の接着機能を有する層に予め光照射を行い、特定のパターンに接着性を発現あるいは接着性を失わせて、透明導電層の部分的剥離を行うことができる。あるいは光未照射の剥離材を透明導電層に貼り合わせて後、マスキングを介して貼り合わせ面に光照射を行い、部分的に接着性を発現あるいは接着性を失わせて、透明導電層の部分的剥離を行うこともできる。
単一パターンの剥離材を多量に作製する場合には、光照射のような均一塗膜に部分的な接着領域を作製するプロセスが不要な、支持体上への直接印刷を用いる方が製造効率の点で好ましい。特に接着剤として感熱接着剤を用いると、常温では接着性の無い通常の印刷塗膜でありながら、剥離工程中に加えられる加熱手順によって一時的に接着機能が発現され、温度低下後は速やかに接着機能が失われるため、剥離工程前後の剥離材の取り扱い性が良好である。
剥離材として支持体上にネガティブパターン化された感熱接着剤層を直接印刷する方法を用いる時は、本発明で使用する剥離材は、支持体上に、ネガティブパターン化された感熱接着剤層を有している。剥離材は、支持体上に感熱接着剤と溶剤を含有する感熱接着剤層用塗料を、基体上に形成すべき所望の導電性パターンに対して、反対のネガティブパターンを形成して塗布することにより形成することができる。
感熱接着剤は、常温では粘着性を全く示さないが、加熱する事により粘着性が発現する。支持体上に形成する感熱接着剤層の感熱接着剤としては、前記透明基体上に形成された透明導電層(2)と、支持体の双方に対して親和性があり、両者を強力に接着できる感熱接着剤であれば、特に限定されることなく公知の種々の感熱接着剤を用いることができる。粘着性の発現する温度としては、透明基体が熱可塑性プラスチックである場合は該熱可塑性プラスチックのガラス転移温度を大きく上回らない温度で粘着性を発現することが好ましい。またその温度に加温されたときに透明導電層(2)の金属ナノワイヤーの間隙に浸透し良好に密着することが好ましい。さらに加熱の後には、常温程度で支持体を剥離する際に、金属ナノワイヤーと支持体の両方に強い接着力を示すことが好ましい。
そのような感熱接着剤としては、例えば、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、塩酢ビ(塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体)系接着剤、アクリル系接着剤等を挙げることができる。中でも常温以上のガラス転移温度Tgを持ち、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸基を有し、非晶性ポリエステル樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂を主剤とする感熱接着剤が好ましく、ガラス転移温度としては20〜100℃の範囲が好ましい。また、感熱温度を操作する目的で、上記主剤と相溶性を有し、ガラス転移温度Tgが異なる樹脂を適量配合してもよい。
感熱接着剤には、必要に応じて、ブロッキング防止剤として、ポリオレフィン系樹脂粒子を添加することができる。なかでも、ポリエチレン樹脂粒子またはポリプロピレン樹脂粒子の添加が好ましく、より具体的には、高密度ポリエチレン樹脂粒子、低密度ポリエチレン樹脂粒子、変性型ポリエチレン樹脂粒子、分解型低密度ポリエチレン樹脂粒子、分解型ポリプロピレン樹脂粒子の添加が好ましい。また、これらポリエチレン樹脂粒子、分解型ポリエチレン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子および分解型ポリプロピレン樹脂粒子の重量平均粒子径は0.1〜25μmであるが、粒子が扁平状、リン片状の場合は長軸長が3〜25μmの範囲が好ましく、分子量は1,000〜29,000の範囲、融点は100〜150℃の範囲にあることがそれぞれ好ましい。
感熱接着剤層用塗料に用いる溶剤は、感熱接着剤に使用するバインダー樹脂を良好に溶解または分散すれば、特に限定なくいずれの非腐食性溶媒も使用可能である。より適切な溶媒の例としては、水、アルコール類、ケトン類の他、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物類、シクロヘキサン等の炭化水素、またはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤が挙げられる。さらに溶媒は、揮発性であり、200℃以下の沸点を有することが好ましく、150℃下がより好ましく、100℃ 以下の沸点を有することがさらに好ましい。
前記剥離材に使用する支持体としては、主に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂などのプラスチックからなるシートを用いることができる。なかでも透明導電層と感熱接着剤層とを互いに密着させ加熱貼り合わせる工程において、熱変形を起こさないものが好ましい。
前記支持体は本発明の目的を妨げない程度に着色していても良く、さらに単層で使うこともできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして使っても良い。このうち透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルムが最も適している。
前記支持体の厚みは、薄いと耐熱性が乏しく、厚いと熱容量が大きくなり感熱接着剤の加熱による粘着性の発現に長い加熱時間が必要となるため、5μm〜100μmが好ましい。さらに好ましくは、10μm〜50μmであり、15μm〜30μmの膜厚であることがさらに好ましい。
前記支持体上の感熱接着剤層は、基体上に得ようとする所望の透明導電性パターンを反転した、いわゆるネガティブパターン状に形成する。
接着剤のネガティブパターン形成方法としては、公知の印刷方法が使用でき、加熱により粘着性を発現した感熱接着剤層が、次工程において基体上の透明導電層に良好に接着するための十分な感熱接着剤の厚みを形成できれば、特に制限はなく公知の方法を使用できる。例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等が使用できる。また、感熱接着剤層の厚みは、0.05μm〜5.0μmが好ましく、0.1μm〜2.0μmがより好ましく、0.2μm〜1.0μmがさらに好ましい。
このような前記剥離材を用いると、パターン化のための光照射処理や、要剥離部分の湿式処理による除去等の処理が不要となる。前記剥離材はロール状の支持体に感熱接着剤層用塗料の塗布又は印刷によって連続的に形成することが可能であり、これをそのまま次工程である剥離工程に用いることができる。
(透明導電層(2)のパターニング工程)
透明導電層(2)のパターニング工程は、工程4即ち前記基体と前記支持体とを、前記透明導電層(2)と前記感熱接着剤層とが互いに密着するように貼り合わせる工程と、工程5即ち前記支持体を前記基体から剥離し、前記感熱接着剤層と密着した部分の前記透明導電層(2)を、感熱接着剤層上へと移行させることにより、基体上に所望の透明導電層(2)を残してパターンを形成する工程とからなる。
貼り合わせを行う工程においては、前記透明導電層(2)を設けた基体と、前記剥離材とを、透明導電層(2)と感熱接着剤層とが互いに密着するように貼り合わせ加熱及び加圧する。特に透明導電層(2)がバインダー樹脂を含まず、あるいは含んでいても含有量が少ないときは感熱接着剤層の加熱、加圧により、感熱接着剤は軟化し透明導電層(2)の金属ナノワイヤーの間隙、あるいは繊維状導電性物質の網目内に浸透して、感熱接着剤と透明導電層(2)内の金属ナノワイヤーが接着する。
その後、貼り合わせ部分の感熱接着剤層を常温程度に冷却後、前記剥離材を前記基体から剥離し、前記感熱接着剤層と接着した部分の透明導電層(2)を、支持体上でネガティブパターン化された感熱接着剤層上へと剥離、転写させることにより、基体上に透明導電層(2)のポジティブパターンが残り、基体上に所望の透明導電層(2)のパターンが完成する。
本発明の製造方法における貼り合わせ方法としては、貼り合わせ時における加熱、加圧により基体の熱変形を発生することのない方法であれば、特に限定されることはない。例えば、加熱、加圧可能な2枚の平板間に、前記透明導電層(2)を有する基体と前記剥離材における支持体上の感熱接着剤層とを配置して、一定時間加熱加圧する平板ラミネート法や、どちらか一方、または両方が加熱可能な2本のロール対のニップ間に、前記透明導電層(2)を有する基体と前記剥離材を搬送し挟み込んで、加熱、線加圧し、ロールを回転させることによって面全体を加圧するロールラミネート法などが挙げられる。
特に、後者のロールラミネート法は、ロールツーロールでの連続処理が可能であり、優れた生産効率を有する。ロールラミネート方式のロールは、前述の通り、どちらか一方または両方が加熱可能なロールであればよい。またロールの材質は、使用する透明基体あるいは支持体が熱変形を生じずに、透明導電層(2)と感熱接着材層が良好に熱接着することができれば特に限定されることはない。具体的には、金属ロールが主体の剛体ロールと、耐熱ゴム製が主体の弾性ロールの組み合わせが好ましく、金属/金属、金属/弾性、弾性/弾性の全ての組み合わせが使用可能である。中でも、ロール対のニップ間で感熱接着剤の粘着性を発現させるため、ニップ巾が広く、加熱時間が長くできる弾性/弾性、弾性/金属のロール対が好ましい。
また、貼り合わせ時の処理条件としては、透明基体が熱可塑性プラスチックの場合は透明基体の熱変形を発生させずに感熱接着剤の透明導電層に対する粘着性を発現させる温度、圧力条件を適宜選択すればよい。例えば、処理温度は70℃〜150℃が好ましく、80℃〜130℃がより好ましく、90℃〜120℃がさらに好ましい。圧力はロール線圧で、10kN/m〜60kN/mの範囲で良好な転写状態が得られる最小線圧を選択すればよい。また、必要に応じて、貼り合わせ前に感熱接着剤層部分を予備加熱してもよい。
前記剥離材を前記基体から剥離する工程においては、貼り合わせた透明導電層(2)付き基体と、前記剥離材とを常温程度まで冷却し、前記剥離材を前記基体から剥離する。前記剥離材の支持体上に形成された感熱接着剤層のネガティブパターンに対応し、剥離工程で感熱接着剤層と接着された透明導電層(2)は、感熱接着剤層と共に基体から剥離され、感熱接着剤の形成された部分に対応していない透明導電層(2)は基体上に透明導電層(2)のポジティブパターンとして残り、透明導電層(2)のパターンが基体上に完成する。なお剥離前に冷却用の空気を吹き付ける等の冷却手段を講じることは、剥離を良好に行い未剥離部分の発生等のパターニング欠陥を防ぐ目的で有効である。
本発明のパターン化された透明導電層(2)の形成方法においては、剥離材に感熱接着剤でネガティブパターンを形成し、基体上に設けた有色の透明層上に均一に形成された透明導電層(2)から不要部分を剥離する。剥離材による透明導電層(2)のパターン化は、剥離材の支持体上に塗布された感熱接着剤の有無だけで決定され、透明導電層(2)の未剥離部分に対応する剥離材の部分には感熱接着剤は塗布されていない。このため透明導電層(2)を確実に有色の透明層(1)上に残すことができ、また透明導電層(2)上に不要な感熱接着剤が残って透明導電層(2)の光透過率を低下させる恐れがない。
このような、剥離材により基体上の透明導電層(2)の不要部分を基体から剥離、除去して所望の導電性パターンを形成する方法を用いると、透明導電層(2)を塗布により形成する工程によって形成された基体上の透明導電層(2)が部分的にそのまま残ることになる。このため、ポジティブパターンを利用して剥離工程における剥離部分を用いる時のように、透明導電層(2)に隣接して感熱接着剤層が形成されることがない。またポジティブパターンを用いる場合には、基体から剥離したパターンを用いるので、導電層の基体に接していた部分がパターン形成後の最上層となる。導電層の形成に樹脂を使用した場合には、この部分には樹脂が集中することとなり、表面固有抵抗も高く、また樹脂が邪魔をして後工程で保護層用塗料を導電層に浸漬させることが困難となる。
これに対してネガティブパターンを用いて剥離工程で導電層の剥離を行った時は、残った透明導電層はそれが形成されたときと同様に、少ない樹脂分が基体に近い側に集中し、金属ナノワイヤーと基体とを固定し基体から離れた側は金属ナノワイヤーが樹脂から露出した状態にある。このため次工程における保護層用塗料が導電層中に良好に浸漬し、導電層中の金属ナノワイヤーを基体に良好に固定する。保護層用塗料の塗布前は、基本的に導電層表面は金属ナノワイヤーが露出して、表面固有抵抗が低く導電性が良好な状態となっているので、この上から保護層用塗料を導電層に浸漬させて、使用目的に合致した表面固有抵抗とすることができる。
さらに保護層用塗料を塗布して透明導電層を固定化する前にパターンを形成することにより、透明導電層の感熱接着剤と接した部分から、該接着剤が導電層内の金属ナノワイヤー内に浸漬しやすく、導電層を基体から良好に剥離することができる。
(保護層)
本発明の透明導電層付き基体は、前記透明導電層(2)を保護する目的で保護層を設けることが好ましい。保護層は、前記工程(C)の方法で透明電極層をパターン化した場合は、所望のパターンを形成した後に、基体上及び基体上に形成された透明導電層の全面に保護層用塗料の塗布を行うことにより得られる。
保護層用塗料の塗布工程は、前述の貼り合わせ工程及び剥離工程によって、形成された透明導電層パターンに一部を被覆された有色の透明層の全面に、保護層用塗料を塗布し、溶媒成分を乾燥させ、必要に応じ含有される樹脂成分を硬化し保護層を形成することによって行われる。本工程によって透明導電層の表面が被覆され保護されるとともに、保護層用塗料は透明導電層中の導電性微粒子の間隙や、繊維状、好ましくはワイヤー状の導電性物質の形成する網目の隙間を充填しつつ基体に到達し、硬化したときに透明導電層全体を基体上に強固に固定化し、透明導電層付き基体を形成する。
前記保護層用塗料は、重合、架橋プロセスを経て硬化形成しうるものに限定されないが、塗膜の耐久性、耐擦過性の観点から、可視光線または紫外線、電子線、加熱等による単量体の重合、あるいは架橋剤による高分子化合物の架橋を経て固定化されたものであることが好ましい。具体的には、バインダー樹脂と反応性モノマーあるいは反応性オリゴマーとを含む塗料、あるいは、反応性モノマーあるいは反応性オリゴマーからなる塗料等が挙げられる。
バインダー樹脂として固体高分子マトリクスの形成に用いる有機ポリマーは、炭素骨格に結合した極性官能基を有するものが好ましい。極性官能基としては、カルボキシル基、エステル基、ケトン基、ニトリル基、アミノ基、燐酸基、スルホニル基、スルホン酸基、ポリアルキレングリコール基、およびアルコール性水酸基などが例示される。バインダーとして有用なポリマーの例には、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン、アクリルウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、およびセルロースなどがある。また、無機ポリマーの例には、テトラアルコキシシランの加水分解・縮合により生成するシロキサン系ポリマーがある。
重合によって有機ポリマーからなる固体高分子マトリクスを形成する場合、単量体である重合性の有機モノマーもしくはオリゴマーの例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどで代表されるアクリレートおよびメタクリレート型のモノマーおよびオリゴマー;モノ(2−メタクロイルオキシエチル) アシッドホスフェート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエンなどの他のビニルモノマー;ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのエポキシド化合物、などがある。
重合によって無機ポリマーからなる固体高分子マトリクスを形成する場合、単量体である重合性の無機モノマーの例は、Si、Ti、Zr、Al、Sn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pb、Ag、In、Sb、Pt、Auなどの金属の鉱酸塩、有機酸塩、アルコキシド、および錯体(キレート)である。これらは加水分解または熱分解を経て重合し、最終的に無機物(金属酸化物、水酸化物、炭化物、金属など)になるので、本発明では無機モノマーとして扱う。これらの無機モノマーは、その部分加水分解物の状態で使用することもできる。次に各金属化合物の具体例を例示するが、これらに限定されるものではない。
上記のポリマー系バインダー(有機ポリマー、無機ポリマー)樹脂、またはポリマー系バインダーを形成する有機または無機のモノマーまたはオリゴマーの1種または2種以上を必要により有機溶媒で溶解または希釈して、粘度が25cps以下、好ましくは10cps以下の液体を調製し、第1工程で形成された塗膜の含浸に使用する。この液体の粘度が25cpsより高いと、塗膜含浸時に、基体に達するように塗膜内部に十分に液体が浸透せず、目的とする密着性および膜強度の向上効果を得ることができない。また、液体が高粘度であると、過剰の液体が第1工程で形成された透明導電層の上に堆積して、導電性微粉末を含有しない絶縁性の層を形成するので、導電性が著しく低下する。
溶解または希釈に用いる有機溶媒は特に制限されず、上記バインダーまたはバインダーを形成するモノマーを溶解可能であれば、液状有機化合物、および水も溶媒として使用可能である。
この含浸用液体としても用いられる保護層用塗料には、必要により、硬化触媒(熱硬化の場合) 、光重合開始剤(紫外線硬化の場合)、架橋剤、加水分解触媒(例、酸)、重合開始剤、安定剤(例えば、酸化防止剤および製品寿命長期化のための紫外線安定剤、および保存期間改善のための重合防止剤)界面活性剤、pH調整剤などを添加することができる。さらに金属ナノワイヤーの腐食を防止する腐食防止剤をさらに含んでもよい。
適切な溶媒の例として、水、アルコール類、ケトン類、環状エーテル化合物類(テトラヒドロフラン等)、炭化水素( 例えば、シクロヘキサン) 、または芳香族系溶剤( ベンゼン、トルエン、キシレン等) が挙げられる。さらに好ましくは、溶媒は、揮発性であり、200℃ 以下、150℃ 以下、または100℃ 以下の沸点を有する。
保護層を形成する方法としては公知のウェットコート方法であれば特に制限はない。具体的には、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコートなどが挙げられる。
保護層用塗料によって透明導電層を含浸しつつ保護層を形成するとき、塗布、乾燥後の保護層の膜厚は、保護層用塗料塗布前の透明導電層に対して薄すぎると耐擦過性、耐摩耗性、耐候性等の保護層としての機能が低下し、厚すぎると導体としての接触抵抗が増加する。
保護層用塗料の塗布は透明導電層の膜厚が50〜150nmの範囲で形成されているときは、塗布、乾燥後の膜厚が30〜150nmであることが好ましく、透明導電層の膜厚を考慮して表面抵抗率、ヘイズ等が所定の値を実現出来るよう調整することができる。40〜175nmがより好ましく、50〜150nmが最も好ましい。保護層用塗料の乾燥後の膜厚は、透明導電層の膜厚にもよるが、30nm以上の膜厚であると金属ナノワイヤーが保護層表面に露出し過ぎず保護層による保護機能がより良好に働く傾向にあり、150nm以下の膜厚であると透明導電性物質の表面に厚すぎる被膜が形成されずより良好な導電性能が確保できる傾向にある。
保護層用塗料を、パターン化された透明導電層によってその一部が被覆された基体上に全面塗布することにより、透明導電層部分には保護層用塗料が浸漬しつつ基体の全面を覆うことになる。保護層用塗料の塗布を最後に行うことにより、導電層を保護層用塗料で固定化してから導電性パターンを形成する場合に比較して、パターン化透明導電性フィルムの表面をより平滑にすることができ、保護層用塗料が浸漬で導電層内にも侵入することにより光学的に均質なパターン化透明導電性フィルムを形成することができる。
以下に、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
以下の調整例に記載した配合量にて、有色の透明層を形成するための有色透明層用塗料を調整した。
《有色の透明層(1−1)用塗料の調整例》
水 24 質量部
イソプロピルアルコール 24 質量部
帯電防止剤「アラコートUR−AS601−A」 7 質量部
〔帯電防止成分:導電性高分子、固形分:5%、荒川化学工業社製〕
硬化剤「アラコートUR−AS601−B」 1 質量部
〔固形分:5%、荒川化学工業社製〕
《有色の透明層(1−2)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 20000 質量部
トルエン 20000 質量部
フタロシアニンブルー 2 質量部
(Pigment No:C.I.Pigment Blue 15−3)
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 1 質量部
〔固形分50%、固形分の水酸基価50、DIC(株)社製〕
《有色の透明層(1−3)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 1000 質量部
トルエン 1000 質量部
フタロシアニンブルー 2 質量部
(Pigment No:C.I.Pigment Blue 15−3)
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 1 質量部
《有色の透明層(1−4)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 380 質量部
トルエン 380 質量部
フタロシアニンブルー 2 質量部
(Pigment No:C.I.Pigment Blue 15−3)
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 1 質量部
《有色の透明層(1−5)用塗料の調整例》
水 10 質量部
イソプロピルアルコール 10 質量部
帯電防止剤「アラコートUR−AS601−A」 7 質量部
硬化剤「アラコートUR−AS601−B」 1 質量部
《有色の透明層(1−6)用塗料の調整例》
水 6 質量部
イソプロピルアルコール 6 質量部
帯電防止剤「アラコートUR−AS601−A」 7 質量部
硬化剤「アラコートUR−AS601−B」 1 質量部
《有色の透明層(1−7)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 1000 質量部
トルエン 1000 質量部
ピグメントレッド 2 質量部
(Pigment Red 146)
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 1 質量部
《有色の透明層(1−8)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 920 質量部
トルエン 920 質量部
フタロシアニンブルー 2 質量部
(Pigment No:C.I.Pigment Blue 15−3)
ポリエステルポリオール樹脂溶液「バイロン20SS」 1 質量部
〔固形分30%、固形分の水酸基価6、東洋紡績社製〕
《有色の透明層(1−9)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 600 質量部
トルエン 600 質量部
フタロシアニンブルー 1 質量部
(Pigment No:C.I.Pigment Blue 15−3)
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 1 質量部
《有色の透明層(1−10)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 1800 質量部
トルエン 1800 質量部
フタロシアニンブルー 4 質量部
(Pigment No:C.I.Pigment Blue 15−3)
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 1 質量部
《比較用有色の透明層(1−H)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 255 質量部
トルエン 255 質量部
フタロシアニンブルー 2 質量部
(Pigment No:C.I.Pigment Blue 15−3)
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 1 質量部
《樹脂透明層(1−I)用塗料の調整例》
メチルエチルケトン 200 質量部
トルエン 200 質量部
アクリル樹脂溶液「アクリディックWDU―938」 1 質量部
(有色の透明層(1)の作製)
バーコータを使用し、前記有色の透明層(1−1)〜(1−10)、(1−H)、(1−I)用塗料を、厚み125μmの高透明PETフィルム(帝人デュポンフィルム社製HF1C22−125)の基体上に、ウエット厚み20μmになるように塗布、乾燥した。ここで使用するPETフィルムの、後述の方法で測定したヘイズ値は0.28であり、波長450nmの吸光度は0.0458、波長550nmの吸光度は0.0420、波長650nmの吸光度は0.0380である。各々のヘイズ値と吸光度は以下の通りであった。なお、表中のヘイズ値、吸光度はともに、PET上に有色の透明層を塗工したフィルムのヘイズ値、吸光度から、PETフィルム自体のヘイズ値、吸光度を差し引いた値である。
Figure 0005282991
Figure 0005282991
(銀ナノワイヤーの合成)
銀ナノワイヤーは、Y.Sun、B.Gates、B.Mayers、& Y.Xia,“Crystalline silver nanowires by soft solution processing” 、Nano letters 、 (2002) 、2(2) 165〜168に記載されるポリオールを用いた方法の後、ポリビニルピロリドン(PVP)の存在下で、エチレングリコールに硫酸銀を溶解し、これを還元することによって合成されたナノワイヤーである。すなわち本発明においてはCambrios Technologies Corporation 米国仮出願第60/815,627号に記載される修正されたポリオール方法によって、合成されたナノワイヤーを用いた。
(透明導電層(2)の作製)
透明導電層(2)を形成する金属ナノワイヤーとして、上記方法で合成された短軸径約70nm〜80nm、アスペクト比100以上の銀ナノワイヤーを水性媒体中に0.1%w/v含有する水分散体(Cambrios Technologies Corporation社製 ClearOhmTM, Ink−A AQ)を、2本リバースロール塗工機を使用し、前記有色の透明層(1)上にウエット厚み20μmに塗布、乾燥し、ロール状の塗布物として透明導電層の形成された基体を得た。これを透明導電層付き基体(PN)と称す。
(ネガティブパターン化された感熱接着剤層を有する支持体からなる剥離用基材の作製)
CRISVON NT−810−45(DIC社製ポリウレタン樹脂、45%溶液)100重量部をメチルエチルケトン 62.5重量部、トルエン 62.5重量部に溶解させ感熱接着剤とした。このポリウレタン樹脂の代表的物性値は、粘弾性測定(昇温速度3℃/分)で得られるtanδのピーク値から得られるガラス転移温度が42℃、引っ張り速度300mm/分で得られる引張破断強度が277×10E5Pa、引張破断伸度が665%、高圧式フローテスター(ダイス:1φ×1L、加圧:98N)の測定で得られる流動開始温度が90℃である。上記の感熱接着剤用液を厚み23μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製テイジンテトロンフィルムG2)を支持体としてその上にパターン印刷を行った。ここで基体に形成した導電層パターンとしては、静電容量方式投影型用タッチパネル用のダイヤモンドパターンとした。ダイヤモンドパターンは、一辺の長さが4mmで内角が90度であるダイヤモンド形状の静電エレメントのパターンと、線幅が600μmの細線パターンとが交互に連続した直線状のパターン(Yパターン)、及び一辺の長さが4mmで内角が90度であるダイヤモンド形状の静電エレメントのパターンと、線幅が400μmの細線パターンとが交互に連続した直線状のパターン(Xパターン)を、原反の流れ方向と細線方向が平行及び直角になるように配置したパターンとした。したがって上記支持体上には、透明導電層によって形成されるべきパターン(図1参照)に対して、そのネガティブパターンである図2のパターンをグラビア印刷法にて印刷した。印刷塗膜を乾燥後、感熱接着剤層の厚みが0.5μm〜1.0μmとなるように塗布を行い、図2のようなネガティブイメージ状に感熱接着剤がパターン印刷された剥離用基材を得た。
(透明導電層(2)のパターニング工程)
前記ロール状の塗布物として作成した透明導電層の形成された基体と、ネガティブパターン化された感熱接着剤層を有する剥離用基材とを走行させつつ、透明導電層と感熱接着剤層が互いに向き合うように重ね、金属製加熱ロールと、耐熱シリコンロールによる加熱、加圧ニップを持つラミネーターを使用して、加熱ロール温度115℃、ロールニップ圧(線圧)30kN/m、速度3m/分の条件で連続的に貼り合わせを行った。貼り合わせた材料を走行させながら、貼り合わせ部分の温度が室温程度まで下がった時点で、基体から支持体を連続的に剥離し、基体上に透明導電層(2)が所望のパターン状に残ったパターン化された透明導電層(2)を有するロール状のフィルム基体を得た。これをパターン付き透明導電層付き基体(P)と称す。
(保護層用塗料の塗布による保護層の形成)
保護層用塗料として、紫外線硬化樹脂(Cambrios Technologies Corporation社製、不揮発分40%)100部を、ソルミックスAP−1(日本アルコール販売社製)1950部、イソプロピルアルコール975部、ダイアセトンアルコール975部の混合溶剤によく溶解させ保護層用塗料とした。
保護層用塗料は、透明導電層付き基体(PN)またはパターン付き透明導電層付き基体(P)の透明導電層(2)の全面に、2本リバースロール塗工機を使用し、該保護層用塗料で透明導電層(2)中の網目状ナノワイヤーの間隙を充填しつつ、ウエット厚み10μmに塗布、乾燥し、その後紫外線を照射して乾燥厚み約0.2μmの保護層塗膜を形成した。
(実施例1)
透明導電層付き基体(PN−1)及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)の作成)
有色の透明層(1−1)用塗料を用いて厚み0.1μmの有色の透明層(1−1)を形成し、その上に透明導電層(2)を作成した。これに保護層を設け、透明導電層付き基体(PN−1)とした。
また、その上に透明導電層(2)を作成した後、パターニングを行い、これに保護層を設け、パターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例2)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−2)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例3)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−3)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例4)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−4)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例5)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−5)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例6)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−6)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例7)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−7)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例8)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−8)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例9)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−9)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(実施例10)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−10)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(比較例1)
有色の透明層を形成しない以外は実施例1と同様にしてダイヤモンドパターンを有する透明導電層(2)を有する透明電極層付き基体を得た。
(比較例2)
有色の透明層(1−1)の代わりに有色の透明層(1−H)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
(比較例3)
有色の透明層(1−1)の代わりに透明樹脂層(1−I)を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電層付き基体(PN−1)、及びパターン付き透明導電層付き基体(P−1)を得た。
以下に、透明導電層付き基体の特性を確認するために行った評価項目と、その測定方法を以下に示す。
〔表面抵抗率の測定〕
透明導電層付き基体(PN−1)を、異なる場所からそれぞれ5箇所選定し、4探針法抵抗率計(三菱アナリテック社製ロレスタ−EP)を用いてサンプル中央部に4探針プローブを押し当て表面抵抗率(Ω/□)を測定し、5箇所の平均をとった。
〔ヘイズ値、全光線透過率の測定〕
透明導電層付き基体(PN−1)を、異なる場所からそれぞれ5箇所選定し、中央部を測定して平均をとった。測定は積分球式全光線透過率測定機(日本電色工業社製NDH−2000)を用いて、全光線透過率(Tt){JIS K−7361に準拠、NDH−2000測定方法1}とヘイズ(曇り度)(Hz){JIS K−7136に準拠、NDH−2000測定方法3}を測定した。
〔黄色度bの測定〕
透明導電層付き基体(PN−1)を、測色色差計(日本電色工業社製ZE−2000)を用いて、黄色度b(JIS K−7105に準拠)を測定した。
〔吸光度αの測定〕
透明導電層付き基体(PN−1)を分光光度計(日本分光社製V−650)を用いて、波長380nm〜780nmの吸光度(JIS K−0115に準拠)を測定し、波長450nm、550nm、650nmの吸光度α450、α550、α650を比較した。
〔パターン視認性の評価〕
保護層塗膜を形成したパターン付き透明導電層付き基体(P−1)において、Y電極のサンプル、X電極のサンプルを原反からカットした後、Y電極の細線方向に対してX電極の細線方向が直交するように配置し、透明導電層(2)を同一方向(例えば上向き)に向けて、一方の透明導電層(2)形成部分が他方の導電層剥離部分に重なるように、互い違いにOCA(DIC社製光学粘着シート、ZB7032W、厚み50μm)を介して重ね合わせ、パターン視認性評価用サンプルを作製した(図3参照)。
視認性評価の際はサンプルを黒台紙上にセットし、蛍光灯下で、X電極・Y電極間の透明導電層(2)の存在しない隙間部分の反射光強度と、透明導電膜の反射光強度を目視にて比較した。
○・・・反射光強度差がほとんどない場合
×・・・反射光強度差が大きい場合
○を合格レベルと判断した。
〔透明性の評価〕
○・・・全光線透過率が88%以上
△・・・全光線透過率が80%以上88%未満
×・・・全光線透過率が80%未満
△以上を合格レベルと判断した。
〔総合評価〕
○・・・パターン視認性の評価が○、かつ透明性の評価が△以上
×・・・パターン視認性の評価が×、又は透明性の評価が×
○を合格レベルと判断した。
Figure 0005282991
Figure 0005282991
表からわかるように、有色の透明層が形成された実施例1〜10では、良好な表面抵抗値を示し、また、全光線透過率、パターン視認性及び透明性が良好であった。一方、有色の透明層が形成されていない比較例1、有色の透明層に着色顔料を添加せず、バインダー樹脂のみを形成した比較例3は、透明導電層の反射光強度が大きいため、パターン視認性の評価が×であった。また比較例2は、有色の透明層中の顔料成分が多すぎるために、ヘイズが高くなると同時に透過率が低くなり、透明性の評価が×であった。
1 基体
2 有色の透明層(1)
3 X方向にダイヤモンドパターンを形成した透明導電層(2)
4 Y方向にダイヤモンドパターンを形成した透明導電層(2)
5 OCA(光学粘着シート)

Claims (5)

  1. 透明基体上に、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmの吸光度が各々独立して0.001〜0.1の範囲にあり、且つヘイズ値が0.1〜2%の範囲にある有色の透明層(1)と、金属ナノワイヤーを含有する透明導電層(2)をこの順に有することを特徴とする透明導電層付き基体。
  2. 前記有色の透明層(1)がπ共役系化合物を含有する、請求項1に記載の透明導電層付き基体。
  3. 前記透明基体がシート状である請求項1または2に記載の透明導電層付き基体。
  4. 前記透明導電層(2)がパターン化されている請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電層付き基体。
  5. 請求項4に記載の透明導電層付き基体の製造方法であって、
    基体上に、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmの吸光度が各々独立して0.001〜0.1の範囲にあり、且つヘイズ値が0.1〜2%の範囲にある有色の透明層(1)を塗布により形成する工程1と、
    前記透明層(1)上に金属ナノワイヤーを含有する剥離可能な透明導電層(2)を塗布により形成する工程2と、
    支持体上に、ネガティブパターン化された接着領域を有する層を形成する工程3と、
    前記基体と前記支持体とを、前記透明導電層(2)と前記接着領域を有する層の該接着領域とが互いに密着するように貼り合わせる工程4と、
    前記支持体を前記基体から剥離し、前記接着領域を有する層の該接着領域と密着した部分の前記透明導電層(2)を、接着領域を有する層の該接着領域上へと移行させることにより、基体上に透明導電層(2)のパターンを形成する工程5と、
    前記透明導電層(2)のパターンを形成した基体全面に、保護層用塗料を塗布し、透明導電層(2)を基体上に固定化する工程6、
    を有することを特徴とする、透明導電層付き基体の製造方法。
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