JP2014099294A - 基材の製造方法、基材、および基材を用いた成形体 - Google Patents

基材の製造方法、基材、および基材を用いた成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、薄膜の転写性に優れた製造方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に薄膜を形成した転写版を用い、該転写版の薄膜を有する面と基材の一面とを対向させ、前記転写版と前記基材とを圧着又は熱圧着させ、前記薄膜を前記基材に転写させた後、前記支持体を剥離する基材の製造方法において、転写版の薄膜を有する面にアルキルベンゼンスルホン酸を含有する溶液を接触させた後、転写版と基材とを圧着又は熱圧着させる基材の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材を転写によって製造する方法に関するものである。
従来より、透明性と導電性とを有する透明導電性膜は、特に画像デバイスの部材として様々に利用されている。例えば、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどフラットディスプレイ内の透明電極であったり、低抵抗な膜であれば電磁波シールドなどにも用いられている。あるいは、タッチパネルなどの入力デバイスや薄膜型太陽電池の透明電極として透明導電性膜が広く使用されている。
これらの透明導電性膜は金属系と酸化物系に大別され、金属系では金、銀、パラジウムなどの導電性金属微粒子を基材に蒸着法や塗布法により積層させ作製されており、酸化物系では酸化錫、ITO(酸化錫と酸化インジウムの複合酸化物であり、以後ITOと記載する)、酸化亜鉛などの酸化物微粒子を基材上に塗布したり、各酸化物を蒸着法やスパッタリング法により基材に連続膜を積層させて作製されている。
あるいは、電磁波シールド特性の良い透明導電性膜としては、格子状の銅を基材上に作成する方法により得られる透明導電性膜積層基材が用いられている。
透明導電性膜で現在広く使われている透明導電性膜の代表はITO連続膜であり、光学的透過率と表面抵抗値の良好な膜を得るために、通常は気相法であるスパッタリング法により基材に積層されているものが用いられている。
一方、ITO膜では上述したようにその製造過程において特別な真空装置が必要であり、また抵抗値も金属膜レベルの値を得ることは困難である。そこで、近年では、導電性金属微粒子を基材に塗布する方法において、より導電性と透過率を向上させた透明導電性膜積層基材を得る手法が開示されている(特許文献1)。
また、表面平滑性に優れた透明導電性基材を得る方法として、支持体上に導電性膜を積層した導電性転写版を用いて、前記転写版の導電性膜を所望の基材に転写して導電性基材を作成する手法が開示されている(特許文献2)。
特表2005−530005号公報 WO2010/001591号公報
前出特許文献1及び2では、塗膜中にSi成分が含まれている場合、また、塗膜の下地層にSi成分を含む化合物が含まれている場合には、当該塗膜を用いて他の基材に転写した場合には、表面平滑性及び密着性に優れた転写塗膜を得ることが困難であった。
そこで、本発明は、転写性に優れた透明導電性基材の製造方法を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次のとおりの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、支持体上に薄膜を形成した転写版を用い、該転写版の薄膜を有する面と基材の一面とを対向させ、前記転写版と前記基材とを圧着又は熱圧着させ、前記薄膜を前記基材に転写させた後、前記支持体を剥離する基材の製造方法において、転写版の薄膜を有する面にアルキルベンゼンスルホン酸を含有する溶液を接触させた後、転写版と基材とを圧着又は熱圧着させることを特徴とする基材の製造方法である(本発明1)。
また、本発明は、本発明1記載の基材の製造方法において、アルキルベンゼンスルホン酸がドデシルベンゼンスルホン酸である基材の製造方法である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1又は2記載の基材の製造方法において、前記転写版の薄膜が、ランダムネットワーク構造を有する自己組織化膜が形成可能な金属微粒子分散溶液を支持体に塗布・乾燥させた後、加熱処理及び/又は化学処理を行って、支持体上に形成した導電性ランダムネットワーク構造を有する薄膜である基材の製造方法である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1〜3のいずれかに記載の転写版の薄膜を有する面と基材の一面の少なくともいずれか一面に接着層又は粘着層又はカップリング剤層又は有機物ゲル層を形成後、前記転写版と前記基材とを圧着又は熱圧着させ、前記薄膜を前記基材に転写させた後、前記支持体を剥離する基材の製造方法である(本発明4)。
また、本発明は、前記基材がアクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アモルファスポリエチレンテレフタレート、ABS、ポリスチレンおよびそれらの積層基材から選ばれる樹脂基材である本発明1〜4のいずれかに記載の基材の製造方法である(本発明5)。
また、本発明は、本発明1〜5のいずれかに記載の基材の製造方法により得られる基材である(本発明6)。
また、本発明は、本発明6記載の基材を成形してなる成形体である(本発明7)。
本発明に係る基材の製造方法は、転写版を製造した後、この転写版上の薄膜を基材に転写させて製造するので、基材が特定の基材に限定されることがなく、容易に転写ができ、しかも、転写後の表面平滑性にも優れた基材を製造することができる。
また、透明導電性膜である場合には、透明導電性転写版を製造した後、この透明導電性転写版上の透明導電性膜を基材に転写させて製造するので、基材が特定の基材に限定されることがなく、低抵抗でかつ高透過率及び耐モアレ性に優れた透明導電性基材を特別な装置を用いることなく容易に作成することができる。これらにより広範な基材を用いた性能に優れる透明導電性基材を容易に製造することができる。
本発明に係る基材の製造方法の概念図である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次のとおりである。
本発明に係る基材の製造方法は、支持体上に薄膜を積層した薄膜転写版を用いて、前記転写版の薄膜を所望の基材に転写して基材を作成する工程において、薄膜に対して転写樹脂である接着層もしくは粘着層を形成する前に転写版の薄膜を有する面にアルキルベンゼンスルホン酸を含有する溶液を接触させることを特徴とするものである。
具体的に、図1を用いて基材の製造方法の概略を説明する。図1の(A)に示すとおり、薄膜11を支持体12上へ形成する。例えば、金属微粒子で構成される薄膜11用塗布液を支持体12上へ塗布した後、乾燥させる。あるいは、金属微粒子で構成される薄膜11を支持体12上に印刷した後、乾燥させる方法でもよい。
上述した方法により薄膜11を支持体12上に形成させて薄膜転写版とし、次に、薄膜11を形成した面をアルキルベンゼンスルホン酸溶液と接触させる。次いで、薄膜11を所望の基材14上に転写させるため、薄膜11を被覆するように接着層等13を形成する(図1(B))。
薄膜の転写方法としては、薄膜11および接着層等13が積層された支持体の接着層13等の表面と基材14表面とを対向させて、接合する(図1(C))。必要に応じて加熱処理、加圧処理などを行ってもよい。
次いで、支持体12を剥離して、薄膜11を接着層13等を介して基材14に加熱及び/又は加圧により転写させて、基材15とする(図1(D))。
次に、各工程について詳述する。
本発明において用いる支持体12は、転写版に使用するものであって、厚み1〜200μm程度の樹脂フィルムなどをいう。
転写版の支持体12には、耐熱性、耐薬品性に優れる材料を用いることが好ましい。本発明に係る転写版の製造方法は、金属微粒子分散溶液を支持体上に塗布、乾燥させ、その後に加熱処理及び化学処理又はいずれかの処理を行う、又は金属微粒子前駆体溶液を支持体上に塗布、乾燥させた後、金属微粒子前駆体を加熱又は紫外線照射又は還元性ガスにより還元析出させることで、十分な低抵抗性、高透過率性及び耐モアレ性を有する薄膜を支持体上に形成させるので、転写版の支持体はこれら操作、処理に耐え得るものでなければならない。支持体の材料の選択が不適切で、十分な加熱処理、化学処理、紫外線照射処理、還元性ガスにより還元析出処理が行なうことができないときには、十分な低抵抗性、高透過率性及び耐モアレ性を有する薄膜を得ることはできない。例えば、金属微粒子分散液又は金属微粒子前駆体溶液が有機溶剤を含む場合には、耐溶剤性を有する支持体とする必要がある。金属微粒子分散液又は金属微粒子前駆体溶液を支持体に塗布し乾燥させた後、塩酸水溶液に浸漬させるような場合は耐酸性を有する支持体とする必要があり、さらにその後加熱処理する場合には、支持体の材料として耐酸性と共に耐熱性を有する材料を選択する必要がある。
支持体12の材料としては、具体的にはガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等を用いることができ、より好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)であり、更により好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)である。また転写時の操作性等を考慮すれば支持体は、柔軟性を有する樹脂が好ましい。支持体は繰り返し使用することもできる。支持体の厚みは、1〜200μm程度のものが使用できる。さらに好ましくは、10〜150μmの範囲がよい。
薄膜を形成する際及び転写操作の際に、薄膜が破壊されることなく容易に転写されるように、転写版の支持体上に予め表面処理を施すことが好ましい。表面処理はシリコーン系高分子やフッ素系高分子などのいわゆるプライマーを塗布する場合や、支持体表面をコロナ処理やプラズマ処理により粗化する方法、酸、アルカリ処理による洗浄を用いることができる。上記表面処理は金属微粒子あるいは金属微粒子前駆体の自己組織化現象を妨げない程度に処理する。例えば、支持体への塗布液の濡れ性が悪い場合は、濡れ性を改良するように支持体表面の改質を行うが、余り濡れ性を良くしすぎると自己組織化現象により導電性膜が緻密に成りすぎ、透明性が損なわれる場合がある。
また、必要により、レベリング性付与や色むら防止のために有機ケイ素化合物からなるレベリング剤を用いてもよい。
本発明における転写版の製造方法は、特に限定されるものではないが、最初に金属微粒子分散溶液を支持体上に塗布、乾燥させ、その後に加熱処理及び化学処理又はいずれかの処理を行う方法、又は、金属微粒子前駆体溶液を支持体上に塗布、乾燥させた後、金属微粒子前駆体を加熱又は紫外線照射又は還元性ガスにより還元析出させる方法のいずれでもよい。
本発明における薄膜11は、どのような形態でもよく、均一な塗膜状、配線パターンを形成したもの、格子状のもの、ハニカム状のものなどの種々の形状を有するものある。
金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液は、支持体上へ塗布、乾燥させた後に、塗布膜を加熱処理及び化学処理またはいずれかの処理、又は金属微粒子前駆体を熱又は光又は化学的に還元析出させ、薄膜を形成するものであれば、いずれの金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液を用いても良い。
例えば、特開2007−234299号公報、特表2005−530005号公報および特開平10−312715号公報を参考に調製した金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液を用いることが出来る。
金属微粒子分散液又は金属微粒子前駆体溶液に含まれる金属微粒子は、Au、Ag、Cu、Ni、Co、Fe、Cr、Zn、Al、Sn、Pd、Ti、Ta、W、Mo、In、Pt、Ruなどの金属微粒子又は金属合金微粒子又は金属酸化物微粒子又は金属硫化物微粒子、又は炭素を含む炭素微粒子又はカーボンナノチューブやフラーレン、カーボンナノホーンなどの所謂ナノカーボン材料、又は珪素を含む珪素微粒子又は珪素と他金属との珪素合金微粒子、珪素酸化物微粒子又は珪素炭化物微粒子、珪素窒化物微粒子を用いることができる(これら炭素および珪素材料も本発明において金属微粒子の範疇とする)。高導電性を得る観点からは、好ましくはAu、Ag、Cuを1種類以上含む金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液を用いるのが良い。耐酸化性及び経済的な観点からはAgを用いることがより好ましい。本発明においては、前記各種化合物を用いることによって、各化合物が本来有する導電性、絶縁性、誘電性、磁性などの種々の機能や種々の色相を有する薄膜を形成することができる。
金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液の支持体上への塗布方法は、スピンコートやバーコート、ダイコート、ディッピングコート、スプレーコート、グラビアコート、マイクログラビアコートなどいわゆる一般的な支持体上へのコーティング処理を行う時に用いる一般的な塗布手法を用いることが出来る。
金属微粒子分散溶液を支持体上に塗布、乾燥させた後の加熱処理の温度は、支持体の材料によって異なるが、十分に低抵抗な導電性膜を形成するためには、100〜300℃の範囲が好ましい。より好ましくは100〜200℃である。
金属微粒子分散溶液を支持体上に塗布、乾燥させた後の化学処理としては、金属微粒子中に含まれる分散剤や樹脂などを取り除く性質及び金属微粒子同士の焼結を促進する作用のある有機溶剤及び無機酸又は有機酸中に浸漬させる。これにより低抵抗性、高透過率性、耐モアレ性を有する薄膜を得ることができる。有機溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが好ましい。無機酸としては塩酸、硝酸などが好ましく、有機酸としてはギ酸、酢酸などが好ましい。
次に、薄膜が透明導電性膜である場合の製造方法について述べる。
具体的に、図1を用いて透明導電性基材の製造方法の概略を説明する。図1の(A)に示すとおり、金属微粒子で構成される網目状構造物からなる透明導電性膜11用塗布液を支持体12上へ塗布した後、乾燥させる。あるいは、金属微粒子で構成される網目状構造物からなる透明導電性膜11を支持体上に印刷した後、乾燥させる方法でもよい。
転写版の支持体には、前述した支持体と同様のものを用いることができる。
特に、導電性膜を製造する場合には、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが好ましい。
透明導電性膜を形成する際及び転写操作の際に、透明導電性膜が破壊されることなく容易に転写されるように、前述したとおり、転写版の支持体上に予め表面処理を施すことが好ましい。
本発明における透明導電性転写版の製造方法は、特に限定されるものではないが、最初に金属微粒子分散溶液を支持体上に塗布、乾燥させ、その後に加熱処理及び化学処理又はいずれかの処理を行う方法、又は、金属微粒子前駆体溶液を支持体上に塗布、乾燥させた後、金属微粒子前駆体を加熱又は紫外線照射又は還元性ガスにより還元析出させる方法のいずれでもよい。本発明においては、十分な低抵抗性、高透過率性及び耐モアレ性を有する透明導電性膜を支持体上に積層した転写版を作成することが好ましい。
本発明における透明導電性転写版の製造方法では、金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液は、支持体上へ塗布、乾燥後に、金属微粒子又は金属微粒子前駆体溶液が自己組織化現象によりランダムネットワーク構造を形成し、積層基材を加熱処理及び化学処理またはいずれかの処理、又は金属微粒子前駆体を熱又は光又は化学的に還元析出させ、透明導電性膜を形成するものであればいずれの金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液を用いても良い。
例えば、特開2007−234299号公報、特表2005−530005号公報および特開平10−312715号公報を参考に調製した金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液を用いることが出来る。
金属微粒子分散液又は金属微粒子前駆体溶液に含まれる金属微粒子は、Au、Ag、Cu、Ni、Co、Fe、Cr、Zn、Al、Sn、Pd、Ti、Ta、W、Mo、In、Pt、Ruなどの金属微粒子又は金属合金微粒子又は金属酸化物微粒子又は金属硫化物微粒子、又は炭素を含む炭素微粒子又はカーボンナノチューブやフラーレン、カーボンナノホーンなどの所謂ナノカーボン材料、又は珪素を含む珪素微粒子又は珪素と他金属との珪素合金微粒子、珪素酸化物微粒子又は珪素炭化物微粒子、珪素窒化物微粒子を用いることができる(これら炭素および珪素材料も本発明において金属微粒子の範疇とする)。高導電性を得る観点からは、好ましくはAu、Ag、Cuを1種類以上含む金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液を用いるのが良い。耐酸化性及び経済的な観点からはAgを用いることがより好ましい。
金属微粒子分散溶液又は金属微粒子前駆体溶液の支持体上への塗布方法は、スピンコートやバーコート、ダイコート、ディッピングコート、スプレーコート、グラビアコート、マイクログラビアコートなどいわゆる一般的な支持体上へのコーティング処理を行う時に用いる一般的な塗布手法を用いることが出来る。
金属微粒子分散溶液を支持体上に塗布、乾燥させた後の加熱処理の温度は、支持体の材料によって異なるが、十分に低抵抗な導電性膜を形成するためには、100〜300℃の範囲が好ましい。より好ましくは100〜200℃である。
金属微粒子分散溶液を支持体上に塗布、乾燥させた後の化学処理としては、金属微粒子中に含まれる分散剤や樹脂などを取り除く性質及び金属微粒子同士の焼結を促進する作用のある有機溶剤及び無機酸又は有機酸中に浸漬させる。これにより低抵抗性、高透過率性、耐モアレ性を有する透明導電性膜を得ることができる。有機溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが好ましい。無機酸としては塩酸、硝酸などが好ましく、有機酸としてはギ酸、酢酸などが好ましい。
次に、薄膜をアルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液で処理する方法について述べる。
本発明においては、薄膜を有する面にアルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液で処理した後、接着層もしくは粘着層を塗布等により形成する。
本発明においては、転写版の薄膜を有する面にアルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液で処理した後、接着層もしくは粘着層を形成して転写工程を行うことが肝要である。
本発明において用いるアルキルベンゼンスルホン酸としては、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(炭素数10〜14)、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸(炭素数10〜14)などが用いられるが、より好ましくは直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸である。
本発明において用いるアルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液としては、溶媒として、アルキルベンゼンスルホン酸が可溶であるトルエン、キシレン、ミネラルスピリット、ナフサ等種々のものを用いることができるが、より好ましくはナフサである。
本発明において用いるアルキルベンゼンスルホン酸を含有する溶液で処理する方法は、アルキルベンゼンスルホン酸を含有する溶液に薄膜を浸漬する方法、薄膜を有する面にアルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液を塗布する方法、薄膜を有する面をアルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液を染みこませたウェス等で拭き取る、などである。
本発明において用いるアルキルベンゼンスルホン酸の濃度は、アルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液で処理する時間にもよるが、通常、0.1〜60wt%が好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸の濃度が0.1wt%未満の場合、希薄な溶液であり、反応に長時間を要することとなり、工業的とは言い難い。60wt%を超える場合には、反応の制御が困難となることやコストの面から好ましくない。より好ましくは0.3〜30wt%、更により好ましくは0.5〜20wt%である。
本発明において用いるアルキルベンゼンスルホン酸を含有する溶液で処理する時間は、アルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液の濃度にもよるが、通常、1秒〜2分が好ましい。
本発明において用いるアルキルベンゼンスルホン酸を含有する溶液で処理した後は、常法に従って、洗浄、乾燥をすればよい。
加熱処理および化学処理は、いずれか一方または組み合わせても良い。
金属微粒子前駆体を還元する場合には、加熱又は紫外線や放射線などの光照射又は還元性ガスの手法を組み合わせて行うことも出来る。
薄膜の導電性部位をより機能化する目的で、触媒性を有する金属又は金属酸化物、金属硫化物などの微粒子を付加することも出来る。又は耐候性又は耐薬品性、酸化還元電位から来る劣化を防ぐために、導電性部の表面をめっきすることも出来る。
上記方法により転写版として作成される薄膜の特性は、塗布する支持体の種類、処理方法によっても変化するが、表面抵抗は100Ω/□以下、透過率60%以上の範囲になることが好ましい。より好ましくは、表面抵抗は30Ω/□以下、透過率70%以上である。特に本発明5又は6で製造される基材(本発明7)の場合、表面抵抗は20Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下の範囲になることが好ましい。表面抵抗が100Ω/□より大きいと電磁波シールド特性として十分とは言えず、透過率が60%未満であると、画像デバイスではより強い光源が必要であったり、解像度が悪化するなどの問題が懸念される。表面抵抗の下限値に特に制限はないが、通常は0.01Ω/□程度である。
次に、薄膜を転写する方法について述べる。薄膜は透明導電性薄膜も含むものである。
本発明においては、所望の基材14と前記転写版とを張り合わせ(図1の(C))、加熱処理及び加圧処理又はいずれかの処理方法により転写版から薄膜を所望の基材14上に転写した後、転写版の支持体12を剥離して基材15を得ることができる(図1の(D))。
転写版に形成された薄膜を転写する基材14は、各用途によって広範に選択することが出来る。例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドの他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、Si基材、多孔質セラミックスなどが例示される。中でもアクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アモルファスポリエチレンテレフタレート、ABS、ポリスチレンおよびそれらの積層基材から選ばれる樹脂基材を用いることが好適である。
上述した方法により金属微粒子で構成された薄膜11を支持体12上に形成させ、次に、薄膜11を所望の熱可塑性樹脂基材14上に転写させるため、薄膜11を被覆するように接着層等13を形成する(図1(B))。
所望の基材に薄膜を転写するに際し、薄膜を転写したい基材の表面及び/又は転写版の表面に塗布する接着層又は粘着層に相当する樹脂又はカップリング剤層又は粘着性のある有機物ゲル層としては以下のものが例示される。
接着層としては、種々の熱可塑性樹脂からなる接着剤、硬化型接着剤が使用可能であり、熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピロリドン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、塩素化ポリプロピレン、ウレア、セルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの共重合体からなる群の少なくとも1つ、及び又はこれらいずれか混合物などが例示される。
熱硬化型接着剤としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂、ポリイソプレン、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテンなどのジエン系樹脂、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t−ブチルアクリレートなどからなるポリアクリル酸エステル共重合体、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。
紫外線硬化型樹脂接着剤としては、アクリル樹脂系を代表する広く市販品の接着剤を用いることができる。
粘着層としては、アクリル系粘着剤をはじめ種々の粘着剤が使用可能であり、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、2−エチルヘキシルアクリレート等の低Tgモノマーを主モノマーとし、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル等の官能基モノマーと共重合することで得られたアクリル共重合体をイソシアネート系、メラミン系、エポキシ系等公知の架橋剤にて、架橋することにより得ることができる。
有機ゲル層は有機ゲルよりなり、有機ゲルとしては、イオン性液体、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどに高分子ゲル化剤あるいは低分子ゲル化剤を加えてゲル化した有機ゲルを用いることができる。
また、接着層等には添加剤として紫外線吸収剤、着色顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤等も適宜、必要に応じて使用することができる。
接着層等の形成方法としては、上記の接着層等の材料を有機溶剤又は水に溶解あるいは水に分散し粘度を調整したコーティング剤を作成し、グラビヤコーティング、スピンコーティングなど従来公知のコーティング法により塗布乾燥する方法を用いることができる。接着層等の厚みは好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜30μmである。接着層等の厚みが0.5μm未満では熱可塑性樹脂基材14との密着性が低く好ましくない。また、接着層等の厚みが50μmよりも厚いと透明性が低下するため好ましくない。
接着層等は、薄膜が形成された基材上に設ける代わりに熱可塑性樹脂基材の一面に設けておいてもよい。
薄膜の転写方法としては、薄膜11および接着層等13が積層された支持体の接着層等の表面と熱可塑性樹脂基材14表面とを対向させて、接合する(図1(C))。必要に応じて加熱処理、加圧処理などを行ってもよい。
転写する方法は熱プレス機、ロールラミネーター、サーマルヘッドを備えた熱転写機などを用いて、加熱及び/又は加圧により転写した後、転写版の支持体を剥離させる方法、転写版と所望の基材とを張り合わせた後、紫外線を照射し、樹脂を硬化させ、転写版の支持体を剥離する方法などを用いることができる。
次いで、支持体12を剥離して、薄膜11を接着層等13を介して基材に加熱及び/又は加圧により転写させる(図1(D))。
図1(D)に示すとおり、基材15は、図1(b)に示すように接着層等13中にホットプレス等を使って薄膜11を埋め込んだ後、転写した薄膜であり、薄膜11は接着層等13に完全に埋め込まれており、薄膜11の表面と接着層等13の表面とが同一平面となっているので、薄膜11の微細なランダムネットワークの強度が保たれ、耐久性に優れ好ましい。
本発明に係る基材は、真空成形法、圧空成形法、プレス成形法などの成形法により容易に成形加工が可能となり、成形体を得ることができる。さらに、本発明の基材は、必要であれば接着層等を介して、予め成形された成形体表面に透明導電性基材を貼り付けて付与することも可能である。さらには、転写版と熱可塑性樹脂基材を重ね合せたものを上記の成形法で成形し、支持体を剥離することで、成形体を得ることができる。
さらには、射出成形機に転写版の接着層側を内側にして挿入して、熱可塑性樹脂を射出成形し、金型より成形物を取り出し後、支持体を剥離することにより透明導電性成形体を得ることができる。また、射出成形機に基材の接着層側を内側にして挿入して熱可塑性樹脂を射出成形することにより成形体を得ることができる。
<作用>
本発明に係る基材の製造方法によって、容易に転写ができる理由について、以下のように考えている。
通常、ウェットプロセスで薄膜を製造する際には、塗材のレベリング性を良くするためや、はじきを抑制する目的でケイ素化合物が一般的に用いられる。得られた薄膜を転写によって別の基材に転写する場合、ケイ素化合物が存在すると、良好な転写膜が得られない場合があり、転写膜の再現性も十分とは言い難いものであった。本発明においては、転写する前に、薄膜をアルキルベンゼンスルホン酸を含む溶液で処理することによって、薄膜の表面性が改質された結果、転写した場合にもきれいな転写膜が得られるものである。
本発明の代表的な実施の形態は、次のとおりである。
薄膜を形成した面に非極性溶媒が濡れ広がらないことが転写のしやすさに影響していることから、各接着層を塗布する面である、薄膜の金属微粒子配線を有する面へ非極性溶媒を滴下したときの接触角で、転写しやすさを表すことができる。本発明においては1.3マイクロリットルのトルエン液滴を滴下したときにトルエンが濡れ広がるかもしくはある角度で留まるかを転写し易さの指標とした。
トルエン接触角の測定方法
協和界面化学社製 接触角測定装置DropMaster(型番:DM−500)を用いて、転写樹脂層形成前の薄膜の導電性パターン面に対するトルエンの接触角を測定した。
実施例1
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)を30重量パーセントのn−ドデシルベンゼンスルホン酸(東京化成株式会社製)のトルエン(米山薬品工業株式会社製)溶液に2分間浸漬し、取り出して30秒間水に浸漬し洗浄し常温常圧下で自然乾燥させた。そのトルエン接触角を測定したところ充分に濡れ広がり、接触角は0°であった。また、透明導電性膜の膜面は剥離もなく、良好な転写版が作製できた。
実施例2
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液の濃度を20重量パーセントに変更した以外は実施例1と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例3
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液の濃度を15重量パーセントに変更した以外は実施例1と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例4
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液の濃度を10重量パーセントに変更した以外は実施例1と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例5
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液の濃度を5重量パーセントに変更した以外は実施例1と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例6
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液の濃度を2.5重量パーセントに変更した以外は実施例1と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例7
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液の濃度を1重量パーセントに変更した以外は実施例1と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例8
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液の濃度を0.5重量パーセントに変更した以外は実施例1と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例9
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液への浸漬時間を5秒に変更した以外は実施例2と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例10
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)を0.1重量パーセントのn−ドデシルベンゼンスルホン酸(東京化成株式会社製)のトルエン(米山薬品工業株式会社製)溶液に5分間浸漬し、取り出して30秒間水に浸漬し洗浄し常温常圧下で自然乾燥させた。そのトルエン接触角を測定したところ充分に濡れ広がった。
実施例11
n−ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液の濃度を45重量パーセントへ変更した以外は実施例9と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例12
n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナフサ溶液の濃度を60重量パーセントへ変更した以外は実施例9と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例13
n−ドデシルベンゼンスルホン酸の溶媒をナフサに変更した以外は実施例2と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例14
n−ドデシルベンゼンスルホン酸の溶媒をo−キシレンに変更した以外は実施例2と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例15
n−ドデシルベンゼンスルホン酸の溶媒をm−キシレンに変更した以外は実施例2と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例16
n−ドデシルベンゼンスルホン酸の溶媒をp−キシレンに変更した以外は実施例2と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例17
アルキルベンゼンスルホン酸をライポンLH−200(ライオン株式会社製)に変更した以外は実施例13と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例18
アルキルベンゼンスルホン酸をライポンLH−900(ライオン株式会社製)に変更した以外は実施例13と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
実施例19
アルキルベンゼンスルホン酸をネオペレックスGS(花王株式会社製)に変更した以外は実施例13と同条件で処理を行った。そのトルエン接触角を測定したところ充分に広がった。
比較例1
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)に対して何も処理をせずにトルエン接触角を測定したところ17°だった。
比較例2
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)を純水に90分間浸漬し、取り出して常温常圧下で自然乾燥させた。そのトルエン接触角を測定したところ17°だった。
比較例3
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)をトルエン(米山薬品工業株式会社製)に90分間浸漬し、取り出して30秒間水に浸漬し洗浄し常温常圧下で自然乾燥させた。そのトルエン接触角を測定したところ17°だった。
比較例4
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)をナフサ(米山薬品工業株式会社製)に2分間浸漬し、取り出して30秒間水に浸漬し洗浄し常温常圧下で自然乾燥させた。そのトルエン接触角を測定したところ17°だった。
比較例5
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)をアセトンに90分間浸漬し、取り出して30秒間水に浸漬し洗浄し常温常圧下で自然乾燥させた。そのトルエン接触角を測定したところ17°だった。
比較例6
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)を20重量パーセントのn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成株式会社製)のナフサ(米山薬品工業株式会社製)溶液に2分間浸漬し、取り出して30秒間水に浸漬し洗浄し常温常圧下で自然乾燥させた。そのトルエン接触角を測定したところ17°だった。
比較例7
戸田工業株式会社製 ナノ銀透明導電性膜SANTE(銀微粒子の形態:網目状)を12規定の塩酸(米山薬品工業株式会社製)に2分間浸漬し、取り出して30秒間水に浸漬し洗浄し常温常圧下で自然乾燥させた。そのトルエン接触角を測定したところ7°だった。
<実施例20>
銀粒子(一次粒子の最大粒子径0.12マイクロメートル以下)を4.0g、トルエン等の溶媒95.0g、メラミン樹脂0.3g、ポリエステルポリオール0.2g、20重量%の酸触媒溶液0.5g、レベリング剤(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等)0.05gを混合し、超音波分散機(Telsonic社製 型番:DG−100−20で出力50Wで90秒間処理して銀分散液を作製した。
前記銀分散液をウェット厚み30マイクロメートルのバーコーター(RK PRINTCOAT INSTRUMENTS社製 K202コントロールコーター)を用いてPETフィルムに塗工し、25℃、50%の雰囲気下で2分間静置して溶媒を揮発させて、銀粒子からなる連続膜を形成した。
前記塗膜を150℃のオーブン(エスペック株式会社製 型番:SPHH−101)で2分間乾燥・固化した。
前記乾燥した塗膜を20重量パーセントの濃度のドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液に10秒浸漬して、水洗し、自然乾燥させた。トルエン接触角は、ドデシルベンゼンスルホン酸トルエン溶液に浸漬する前は27°であり、浸漬後は充分に広がり、0°であった。
<実施例21>
銀粒子の代わりにカーボンブラックを用いた以外は実施例20と同じ条件で塗膜を作製した。ドデシルベンゼンスルホン酸溶液に浸漬する前のトルエン接触角は27°、浸漬後は充分に広がった。
Figure 2014099294
<転写樹脂の調製>
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学製、エスレックBX−1)15gをノルマルブタノール85gに溶解させ転写樹脂を調製した。
前記実施例及び比較例で得られたポリエチレンテレフタレート基材上に形成させた薄膜に、上記の転写樹脂成分を乾燥後の厚みが15μmとなるよう塗布し、100℃の温度で5分乾燥させて転写樹脂層を形成させた。次いで、薄膜層をポリエチレンテレフタレート基材より剥離して、薄膜を含む転写版を作製した。
トルエンの接触角測定において0度の薄膜(実施例1〜21)は、前記転写方法によって基材を製造した場合、95パーセント以上の転写率となった。一方、トルエンが広がらずに留まった薄膜(比較例1〜7)は上記の転写方法によって転写を行った場合、転写率は90パーセント以下でその転写率は再現性が低く良好な転写性は得られなかった。
本発明に係る基材の製造方法は、転写版を製造した後、この転写版上の薄膜を基材に転写させて製造するので、基材が特定の基材に限定されることがなく、容易に転写ができ、しかも、転写後の表面平滑性にも優れた基材を製造することができる。
また、基材が透明導電性基材である場合には、透明導電性転写版を製造した後、この透明導電性転写版上の透明導電性膜を基材に転写させて製造するので、基材が特定の基材に限定されることがなく、低抵抗でかつ高透過率及び耐モアレ性に優れた透明導電性基材を特別な装置を用いることなく容易に作成することができる。これらにより広範な基材を用いた性能に優れる透明導電性基材を容易に製造することができる。
本発明に係る透明導電性基材とその製造方法、さらに透明導電性成形体は、視認性および電磁波シールド性に優れ、成形加工して使用する電磁波シールド材として好適である。
11:薄膜
12:支持体
13:接着層
14:基材
15:基材

Claims (7)

  1. 支持体上に薄膜を形成した転写版を用い、該転写版の薄膜を有する面と基材の一面とを対向させ、前記転写版と前記基材とを圧着又は熱圧着させ、前記薄膜を前記基材に転写させた後、前記支持体を剥離する基材の製造方法において、転写版の薄膜を有する面にアルキルベンゼンスルホン酸を含有する溶液を接触させた後、転写版と基材とを圧着又は熱圧着させることを特徴とする基材の製造方法。
  2. 請求項1記載の基材の製造方法において、アルキルベンゼンスルホン酸がドデシルベンゼンスルホン酸である基材の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の基材の製造方法において、前記転写版の薄膜が、ランダムネットワーク構造を有する自己組織化膜が形成可能な金属微粒子分散溶液を支持体に塗布・乾燥させた後、加熱処理及び/又は化学処理を行って、支持体上に形成した導電性ランダムネットワーク構造を有する薄膜である基材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の転写版の薄膜を有する面と基材の一面の少なくともいずれか一面に接着層又は粘着層又はカップリング剤層又は有機物ゲル層を形成後、前記転写版と前記基材とを圧着又は熱圧着させ、前記薄膜を前記基材に転写させた後、前記支持体を剥離する基材の製造方法。
  5. 前記基材がアクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アモルファスポリエチレンテレフタレート、ABS、ポリスチレンおよびそれらの積層基材から選ばれる樹脂基材である請求項1〜5のいずれかに記載の基材の製造方法。
  6. 請求項1〜6のいずれかに記載の基材の製造方法により得られる基材。
  7. 請求項6記載の基材を成形してなる成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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