JP5446097B2 - 導電性基板及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は導電性基板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、基材上にパターニングされた導電性薄膜を有する導電性基板及びその製造方法に関する。
従来、基材上に導電性の配線を施した回路基板を製造するためには、金属箔を貼り合せた基材上にフォトレジスト等を塗布し、所望の回路パターン露光し、ケミカルエッチングによりパターンを形成する方法が用いられてきた。この方法では、導電性の配線として金属箔を用いることができるため、体積抵抗率が小さく、高性能の導電性基板を製造することができるが、該方法は工程数が多く、煩雑であるとともに、フォトレジスト材料を要するなどの欠点がある。
これに対し、金属微粒子を分散させた塗料でパターンを直接基材に印刷する方法が注目されている。このような基材に直接パターンを印刷する方法は、フォトレジスト等を用いる必要がなく、きわめて生産性の高い方法である。
しかしながら、この方法では導電性材料として金属微粒子を用いるために、粒子間の界面での電気抵抗が問題であり、金属箔なみの導電性を達成するためには、金属微粒子を数百度の温度で焼結させることが必要である。ところが、数百度の温度での焼結を必要とすると、金属微粒子を分散させた塗料を塗布する基材が制限され、例えば、歪点が600℃程度の通常のガラスやPET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラスチックフィルムからなる基材を用いることは困難となる。
ところで、金属微粒子は十分にその粒子径を小さくすると、低温で焼結することが知られている。例えば、銀粒子の場合には、平均粒子径数nm〜数10nm程度の超微粒子である場合に、200℃以下でも焼結することが知られている。
このような、金属が超微粒子化するとその金属の融点よりも格段に低い温度で焼結する性質を利用して、金属微粒子の平均粒子径を1〜100nmに制御した低温焼結型導電性金属ペーストが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1で提案される低温焼結型導電性金属ペーストは、該金属ペーストを構成する導電性媒体としての金属超微粒子に加えて、より粒子径の大きな金属フィラーを用いたものであり、基板上に塗布、焼成した際、密着力が良く、比較的厚さを増した際にも、表面形状がなめらかで、また、低抵抗かつ微細な回路を形成できるとされている。
しかしながら、特許文献1で提案される低温焼結型導電性金属ペーストを用いた場合であっても、焼成処理を通常180〜230℃の温度で60分程度は行っており、必ずしも基材への損傷を完全に抑制することはできず、また、導電性についても必ずしも満足できるものではなかった。
一方、基材に損傷を与えず、基材上の微粒子を焼結させる方法として、マイクロ波を利用する技術が近年注目を集めている。例えば、高分子フィルム表面に酸化チタンなどの半導体微粒子の分散液を塗装し、これに28GHzのマイクロ波を照射して焼結することを特徴とする焼結方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、一般に金属にマイクロ波を照射した場合には、金属がマイクロ波を反射してしまうため、金属の焼結にマイクロ波を使用することはできないとされてきた。これに対し、最近、金属が微粒子である場合には、マイクロ波が内部にまで浸透することが明らかとなり、粉末冶金などに利用され始めている。
このような技術背景の下、金属を要素として含む薄膜形成方法であって、基板上の少なくとも一部に金属と有機物とを含むペーストを形成し、これに上方から1GHz〜100GHzの電磁波を照射する薄膜形成方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献3に開示される薄膜形成方法においては、金属の粒子径についての制御がなされていず、導電性についてはやはり不十分なものであった。また、均一な加熱を行うためには、周波数の大きなマイクロ波電源や特殊な反応炉が必要となり、大がかりな装置が必要であった。
国際公開第2002/35554号パンフレット 特開2004−342319号公報 特開2004−221239号公報
本発明は、このような状況下、基材として耐熱性の低い材料を用いることができ、かつ実用上十分な導電性を有する導電性基板及び該導電性基板を高い生産性で製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材上に導電性薄膜を形成するに際し、特定の平均粒子径を有する金属又は金属化合物の微粒子を分散させた分散液を用い、該金属微粒子を焼結させるための焼成方法として、電磁誘導加熱を用いることで上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、基材上に金属又は金属化合物の微粒子の分散液を印刷し、焼成してなる導電性基板の製造方法であって、金属又は金属化合物の微粒子の平均一次粒子径が1〜100nmであり、焼成を電磁誘導加熱により行うことを特徴とする導電性基板の製造方法、及び該製造方法により得られる導電性基板を提供するものである。
本発明によれば、金属微粒子層が電磁誘導加熱により選択的に加熱されるため、基材として耐熱性の低い材料を用いても、基材に損傷を与えずに導電性薄膜を形成することができ、実用上十分な導電性を有する導電性基板を高い生産性で製造することができる。
本発明の導電性基板の製造方法は、基材上に金属又は金属化合物の微粒子の分散液を印刷し、焼成してなるものであって、分散液中の金属又は金属化合物の微粒子の平均一次粒子径が1〜100nmであり、焼成を電磁誘導加熱により行うことを特徴とする。
本発明において用いる基材としては、金属微粒子層のみを選択的に加熱するために、絶縁性であることが好ましい。例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、高歪点ガラス、石英ガラス等のガラス、アルミナ、シリカ、などの無機材料を用いることができ、さらに高分子材料、紙などを用いることもできる。本発明においては、基材に直接、金属微粒子分散液又は金属化合物微粒子分散液を印刷するので、従来のフォトレジスト等による方法では使用できなかった紙基材を用いることもできる。また、本発明では後に詳述するように、金属又は金属化合物の微粒子の焼結が低温で行われ、基材に損傷を与えることがないため、高歪点ガラスなど耐熱性の高い特殊なガラスを使わなくてもよく、耐熱性の低い通常のソーダライムガラス等であっても使用することができる。さらには、プラスチックなどの高分子材料も基材とすることができる。
基材として用い得る高分子材料としては、用途に応じて種々のものを挙げることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテルなどを使用することができる。特に、本発明では融点が300℃以下のプラスチックを基材として用いることができるので、基材に対する制約がなく好ましい。
基材の厚さについては特に制限はないが、通常10〜300μmの範囲である。10μm以上であると、導電性薄膜を形成するに際して、基材が変形することがなく、印刷配線の形状安定性の点で好適である。一方、300μm以下であると連続の巻き取り加工を行う場合に、柔軟性の点で好適である。
また、基材と導電性薄膜との密着性を向上させるために、基材の表面に易接着成分を成膜することができる。但し、易接着成分を成膜する方法は、塗布又は印刷のプロセスが必要であること、製造コストが増大することなどから、このような密着層は設けないことが好ましい。また、基材はコロナ処理、乾式UV照射処理、エキシマランプ照射処理、大気圧プラズマ処理等による易接着処理がなされていてもよい。これらの方法は、乾式であり、大気圧下で行うことができ、導電性基板を作製する工程において、その工程の一部として連続的に行えるため好ましい。
本発明の製造方法で用いる分散液中には、平均一次粒子径1〜100nmの金属又は金属化合物の微粒子が分散状態で存在する。金属の種類としては、導電性を有するものであれば特に制限されるものではないが、高い導電性を有し、かつ微粒子を容易に維持できる点から、金、銀、銅、ニッケル、スズ、及びアルミニウムが好ましく、さらには金、銀、及び銅が好ましく、導電性及び経済性を加味すると、銅及び銀が好ましい。これらの金属は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して、又は合金化して使用してもよい。また、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、酸化チタンなどの導電性を有する金属酸化物などの金属化合物や、一部が金属状態であって導電性を有する酸化銅、酸化銀等の金属化合物であれば、電磁誘導により加熱することができる。
また、分散液の分散安定性を高めるために、微粒子の表面処理を行ったり、高分子、イオン性化合物、界面活性剤等からなる分散剤を添加してもよい。
なお、以後、本明細書においては、金属状態の微粒子を「金属微粒子」といい、金属の微粒子又は金属化合物の微粒子は単に「微粒子」と表現する。
上記金属微粒子の調製方法としては種々の方法があるが、メカノケミカル法などによる金属粉を粉砕して得る物理的な方法;CVD法や蒸着法、スパッタ法、熱プラズマ法、レーザー法のような化学的な乾式法;熱分解法、化学還元法、電気分解法、超音波法、レーザーアブレーション法、超臨界流体法、マイクロ波合成法等による化学的な湿式法と呼ばれる方法で作製できる。
得られた微粒子は、分散液とするために、微粒子にポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子やグラフト共重合高分子のような保護剤、界面活性剤、金属と相互作用するようなチオール基やアミノ基、水酸基、カルボキシル基を有する化合物で被覆することが好ましい。また、合成法によっては、原料の熱分解物や金属酸化物が粒子表面を保護し、分散性に寄与する場合もある。熱分解法や化学還元法などの湿式法で作製した場合は、還元剤などがそのまま微粒子の保護剤として作用することがある。
本発明で用いる微粒子の平均一次粒子径は1〜100nmの範囲であることが肝要である。平均一次粒子径が1nm未満であると分散液の分散安定性、導電性の点で不都合があり、平均一次粒子径が100nmを超えると、融点が高く、十分な焼結が困難となり、高い導電性が得られない。以上の観点から、微粒子の平均一次粒子径は1〜70nmの範囲が好ましく、さらに2〜50nmの範囲がより好ましい。ここで、分散液中の微粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡による観察像から測定される。
微粒子分散液を構成し、上記微粒子を分散させる分散媒としては、水及び/又は有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)などのエーテル類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素などが挙げられる。
これらのうち、取り扱いの容易さ、環境性能などの観点から水、アルコール類、エーテル類の分散媒が好ましい。
さらに基材への密着性を高めること、造膜性を高めること、印刷適性を付与すること、及び分散性を高めることを目的として、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいはウレタン樹脂等を樹脂バインダーとして分散液に添加してもよい。また、高温で焼成した後の基材との密着性あるいは造膜性を維持するために、エチルシリケート及びシリケートオリゴマー等の無機バインダーを使用してもよい。また、必要に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、あるいは安定剤等を添加してもよい。
本発明の微粒子分散液は、固形分濃度が5〜60質量%の範囲が好ましい。固形分濃度が5質量%以上であると十分な導電性が得られ、60質量%以下であると、粘度が十分に低く、基材への微粒子分散液の印刷が容易である。以上の観点から、微粒子分散液中の固形分濃度は10〜50質量%の範囲がより好ましい。
基材上に微粒子分散液を印刷する方法としては特に制限されず、グラビア印刷、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、コンマコート、バーコート、ナイフコート、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷などの方法を用いることができる。これらのうち、微細なパターニングを行うことができるという観点から、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷が好ましい。
また、本発明では、基材上に微粒子分散液を所望のパターンに直接印刷することができるため、従来のフォトレジストを用いた手法に比較して、著しく生産性を向上させることができる。
基材上の微粒子分散液は印刷後、通常の方法で乾燥を行ってもよい。具体的には、例えば、通常のオーブン等を用いて、80〜180℃程度の温度で、0.1〜60分程度加熱して乾燥させることが好ましい。基材が損傷しない範囲であらかじめ加熱乾燥することにより粒子の一部が焼結され、電磁誘導加熱がより進行する。なお、乾燥の温度及び時間については、使用する基材の耐熱性に合わせて適宜変更することができる。
また、乾燥後の印刷部分の膜厚は用途等に応じ、適宜塗布量や微粒子の平均一次粒子径等を変化させて制御することができるが、通常、0.01〜100μmの範囲、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
次に、本発明における焼成は、微粒子分散液を塗布した基材を電磁誘導加熱により行うものであり、この焼成によって金属微粒子を焼結させる。電磁誘導加熱の具体的方法としては、従来公知の方法を用いることができ、誘導加熱コイルにより発生する磁力線によって、微粒子により形成された膜に誘導電流が生じ、膜の抵抗によって加熱するものである。絶縁性基材には誘導電流が流れないため、基材は加熱されない。基材は加熱コイルに接触させる必要はなく、非接触でも加熱することができる。電磁誘導加熱の条件としては、特に限定されるものではなく、出力0.1〜1000kW、周波数5〜100kHzの範囲であれば本発明の効果を奏する。また、電磁誘導加熱は、コイル形状に合わせて加熱がなされるため、基板は一定速度で移動させながら加熱することが好ましく、その速度は例えば0.01〜100m/minとすることができる。そのため、Roll to Rollの加工装置に設置するのが容易である。
電磁波誘導加熱の条件が上記範囲内であると、微粒子が選択的に加熱され、基材に損傷を与えることがない。また、通常行われる加熱炉や赤外線を利用した加熱において、基材に損傷を与えない条件を選んで焼成した場合に不十分な導電性しか得られない材料に対しても、良好な導電性の膜を形成することができる。
電磁誘導加熱を行う反応炉は、酸化しやすい金属微粒子を焼結させる場合は、酸素が存在すると酸化反応が進行して導電性が低くなるため、窒素ガス、アルゴンガス等を導入するなどして、酸素濃度を低くすることにより、酸化を抑えることが好ましい。
本発明の導電性基板は上述の方法により得ることができるものであり、基材上にパターニングされた導電性薄膜を有する導電性基板であって、導電性薄膜が平均一次粒子径1〜100nmの金属微粒子が融着した構造を有し、かつ該金属微粒子の密度が該導電性薄膜の厚さ方向に均一である。ここで、微粒子の融着とは、微粒子どうしが焼結、溶融などにより連続の膜を形成している状態のことをいう。全面が金属箔状になっていてもよいし、一部が結合している形状でもよい。
また、微粒子の融着は平面方向及び深さ方向のいずれにも進行し、金属微粒子の密度は導電性薄膜の厚さ方向に均一である。従って、導電性が良好であり、電気的に信頼性の高い配線が得られる。
本発明の導電性基板は、JISK7194規格に準拠して測定した表面抵抗と、導電性薄膜の厚みより算出した体積抵抗率が2.0×10-6〜2.0×10-4Ω・cmであり、良好な導電性を示す。特に、金属として平均粒子径1〜30nm程度の銀微粒子を用い、金属微粒子分散液の固形分濃度を10〜25質量%の範囲に制御し、電磁誘導加熱を行うことにより、2.0×10-5Ω・cm以下の体積抵抗率を示す。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
各実施例、参考例及び比較例で得られた導電性基板について、体積抵抗率によって評価した。評価方法は以下のとおりである。また、微粒子の平均一次粒子径及び構造観察は以下の方法により行った。
(体積抵抗率の測定方法)
ダイアインスツルメンツ社製の低抵抗率計(商品名、ロレスタGP)を使用し、JISK7194規格に準拠して、体積抵抗率を測定した。
(微粒子の平均一次粒子径)
透過型電子顕微鏡により測定した。
(構造観察)
(株)日立ハイテクノロジー製の走査型電子顕微鏡S−4500を用いて、参考例1及び2、実施例1、比較例1及び2で作製した導電性基板について、膜の表面を観察した。また、実施例及び比較例2で作製した導電性基板については、基板をミクロトームにより切断し、断面も併せて観察した。表面の観察は倍率5万倍、断面の観察は倍率10万倍で行った。
参考例1
銀微粒子のアルコール分散液(商品名:AG−IJ−G−100−S1、キャボット社製、平均一次粒子径40nm)を、固形分15質量%に調整した。続いて、10cm角、厚み50μmのポリエチレンナフタレートフィルム(商品名:テオネックスQ81、帝人デュポンフィルム(株)製)をガラス基板に粘着テープで固定し、スピンコート法により銀微粒子をフィルム上に塗布し、120℃のオーブンで30分間乾燥させた。乾燥膜厚は0.6μmであり、体積抵抗率は1.0×10-4Ω・cmであった。続いて、直径15cmの加熱コイル上から5mmのギャップでセラミックス板を設置した加熱装置にこの基板を設置し、コイルに高周波電源(周波数30kHz)から10Aの電流を流し、基板を1m/minの速度でコイル上を非接触で通過させ、電磁誘導加熱した。形成した銀塗膜の体積抵抗率は、9.0×10-6Ω・cmとなった。基板の表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、図1に示すように、微粒子どうしが溶融・焼結して融着した構造が観察された。また、基材については変形がなく、ダメージを受けていないことが確認された。
参考例2
参考例1において、ポリエチレンナフタレートフィルムに代えて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーT60、東レ(株)製)を用い、参考例1と同様に塗布し、100℃のオーブンで30分間乾燥させた。乾燥膜厚は0.6μmであった。体積抵抗率は7.4×10-3Ω・cmであった。続いて、参考例1と同様に電磁誘導加熱を行った。形成した銀塗膜の体積抵抗率は、1.5×10-5Ω・cmとなった。基板の表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、図2に示すように、微粒子どうしが溶融・焼結して融着した構造が観察された。また、基材については変形がなく、ダメージを受けていないことが確認された。
比較例1
参考例2において、電磁誘導加熱を加えなかった試料の基板の表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、図3に示すように、微粒子どうしの溶融・焼結は確認できなかった。更に、150℃のオーブンで60分間の加熱を行ったところ、体積抵抗率は9.0×10-6Ω・cmとなったが、フィルムが熱収縮して変形した。
実施例
濃度40質量%に調整したクエン酸ナトリウム水溶液500mlに、濃度30質量%に調整した硫酸第一鉄水溶液200mlを混合した。この混合液に、濃度10質量%に調整した硝酸銀水溶液200mlを添加し、混合攪拌して反応させ、銀微粒子水分散液を得た。続いて、銀微粒子水分散液を、遠心分離機によって分離して、銀微粒子固形物を得た。銀微粒子固形物を水に分散させて洗浄し、再び遠心分離機によって分離して、銀微粒子固形物を得た。銀微粒子固形物を、水、エタノール、1−ブタノールを2:7:1の割合で混合した溶媒に分散し、固形分を10質量%に調整した。得られた銀微粒子の平均一次粒子径は15nmであった。続いて、10cm角、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーT60、東レ(株)製)をガラス基板に粘着テープで固定し、スピンコート法により銀微粒子をフィルム上に塗布し、100℃のオーブンで30分間乾燥させた。乾燥膜厚は0.2μmであり、体積抵抗率は1.7×10-3Ω・cmであった。続いて、参考例1と同様に電磁誘導加熱を行った。形成した銀塗膜の体積抵抗率は、8.1×10-6Ω・cmとなった。基板の表面及び断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、図4に示すように、微粒子どうしが溶融・焼結して融着した構造が観察された。また、基材については変形がなく、ダメージを受けていないことが確認された。
比較例2
実施例において、電磁誘導加熱を加えなかった試料の基板の表面及び断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、図5に示すように、微粒子どうしの溶融・焼結は確認できなかった。更に、150℃のオーブンで60分間の加熱を行ったところ、体積抵抗率は1.3×10-5Ω・cmとなったが、フィルムが熱収縮して変形した。
参考例3
銅微粒子の分散液(商品名:Cuメタルインク、アルバックマテリアル(株)製、平均一次粒子径5nm)を、固形分30質量%に調整した。続いて、10cm角、厚み50μmのポリエチレンナフタレートフィルム(商品名:テオネックスQ81、帝人デュポンフィルム(株)製)をガラス基板に粘着テープで固定し、スピンコート法により銅微粒子をフィルム上に塗布し、150℃のオーブンで30分間乾燥させた。乾燥膜厚は1.0μmであった。乾燥した膜に導電性は確認されなかった。続いて、参考例1と同様の電磁誘導加熱装置を真空炉内に設置して、ロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧まで導入した。その後、電磁誘導加熱を行った。形成した銅塗膜の体積抵抗率は、2.0×10-5Ω・cmとなった。基材については変形がなく、ダメージを受けていないことが確認された。
比較例3
参考例3において、電磁誘導加熱を行う前の試料を、窒素ガス雰囲気に置換したオーブンにて、200℃で180分間の加熱を行ったところ、体積抵抗率は8.0×10-4Ω・cmまで低下したが、10-5Ω・cm台とすることはできなかった。また、フィルムは熱収縮して変形した。
参考例4
ITO微粒子のアルコール分散液(三菱マテリアル(株)製、平均一次粒子径20nm、固形分15質量%)を、スピンコート法により、ガラス基板に粘着テープで固定した10cm角、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーT60、東レ(株)製)に塗布し、120℃のオーブンで30分間乾燥させた。乾燥膜厚は0.4μmであり、体積抵抗率は40Ω・cmであった。続いて、基板の移動速度を1m/minから0.1m/minの速度に変更したこと以外は参考例1と同様にして、電磁誘導加熱を行った。形成したITO塗膜の体積抵抗率は2Ω・cmとなった。また、フィルムの変形などのダメージはなかった。
比較例4
参考例4において、電磁誘導加熱に代えて、150℃のオーブンで180分間の加熱を行ったが、体積抵抗率は40Ω・cmと変化がみられなかった。また、フィルムは熱収縮して変形した。
上記実施例、参考例及び比較例の結果を第1表にまとめる。本発明の方法によれば、基材として耐熱性の低い材料を用いても、基材に損傷を与えずに導電性薄膜を形成することができ、実用上十分な導電性を有する導電性基板を高い生産性で製造し得ることがわかる。
Figure 0005446097
*表中「PEN」は「ポリエチレンナフタレートフィルム」、「PET」は「ポリエチレンテレフタレートフィルム」、「ITO」は「スズドープ酸化インジウム」を表わす。
本発明によれば、基材として耐熱性の低い材料を用いることができ、かつ実用上十分な導電性を有する導電性基板及び該導電性基板を高い生産性で製造する方法を提供することができる。本発明の導電性基板は、金属微粒子又は金属化合物の微粒子を分散させた塗料で回路パターン等を直接基材に印刷することができるので、フォトレジスト等を用いる従来の方法に比較して生産性がきわめて高い。また、微粒子を分散させた塗料を塗布する基材が制限されず、例えば、汎用のガラスやPET等のプラスチックフィルムを基材として用いることができ、フレキシブルプリント配線板、RFIDタグアンテナ、メンブレンスイッチ、電磁波遮蔽材、フラットパネルディスプレイ用の電極及び配線材料など種々の用途に応用展開することができる。
参考例1で作製した導電性基板のSEM写真(表面観察の結果)である 参考例2で作製した導電性基板のSEM写真(表面観察の結果)である。 比較例1で作製した導電性基板のSEM写真(表面観察の結果)である。 実施例で作製した導電性基板のSEM写真である。4−1が表面観察、4−2が断面観察の結果である。 比較例2で作製した導電性基板のSEM写真である。5−1が表面観察、5−2が断面観察の結果である。

Claims (4)

  1. 基材上に、微粒子の分散液を所望のパターンに印刷し、焼成してなる導電性基板の製造方法であって、前記基材が融点300℃以下のプラスチックであり、前記微粒子の平均一次粒子径が1〜30nmであり、前記分散液の固形分濃度が10〜25質量%であり、印刷後であって焼成前に80〜180℃で0.1〜60分間加熱乾燥を行い、焼成を電磁誘導加熱により行うことを特徴とする導電性基板の製造方法。
  2. 0.01〜100m/minの一定速度で基材を移動させながら電磁誘導加熱を行う請求項に記載の導電性基板の製造方法。
  3. 前記電磁誘導加熱を基材側から行う請求項1又は2に記載の導電性基板の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の方法で製造した導電性基板。
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