JP5531394B2 - 半導体基板の製造方法及びその方法により得られた半導体基板 - Google Patents

半導体基板の製造方法及びその方法により得られた半導体基板 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基板の製造方法、その方法により得られた半導体基板、及び該半導体基板を備えた電子部材に関する。さらに詳しくは、本発明は、基材上に設けられた銅ナノ粒子を含む印刷層を、低温かつ短時間で焼成処理し、半導体基板を効率よく製造する方法、その方法により得られた半導体基板、及び該半導体基板を備えた電子部材に関するものである。
半導体薄膜は、機能によって、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの画像駆動素子である薄膜トランジスタ(TFT)、光起電力素子、熱起電力素子として利用されている。従来、半導体薄膜は、例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコンなどの半導体薄膜を、化学気相成長法(CVD)や、スパッタリングなどの真空成膜法により形成してきた。これらの方法は、高額な設備を要する上に、パターニングのためにはフォトリソグラフィ技術が必要となり、工程数も多く、煩雑であった。また、これらの技術で大面積化に対応するのは困難であり、高額な製造コストが必要となる。
ところで、亜酸化銅(Cu2O)は、整流器として用いられるなど、古くから半導体として使用されており、近年、光起電力素子としても用いられている。このようなデバイスの基板となる亜酸化銅板の製造方法として、特許文献1に、炉内に銅板を配置し、当該炉内の温度を銅の融点より低い温度に昇温する昇温工程と、酸素を含む不活性ガス内において、亜酸化銅の融点より低い温度で、前記銅板を酸化して亜酸化銅板を得る酸化工程と、炉内の温度を降下し、450〜700℃となったときに前記亜酸化銅板を炉から取り出して冷却する冷却工程とを備えている亜酸化銅板の製造方法が開示されている。
そして、前記酸化工程における炉内の温度は、800〜1083℃であることが好ましいとされている。この技術においては、亜酸化銅板を作製するのに、上記のような高温を必要とし、例えば基材上にスパッタリングなどで設けられた銅薄膜に前記技術を適用しようとすると、基材としてガラス板やプラスチックフィルムなどは、耐熱性の問題から、使用することができないという問題が生じる。
また、半導体微粒子を含む塗工液で形成される塗工層を焼成することにより、半導体膜を形成する方法は既に知られており、例えば特許文献2には、高分子フィルム表面に半導体微粒子分散液を塗装し、次いで28GHzのマイクロ波により焼結することを特徴とする焼結方法が開示されている。しかしながら、銅ナノ粒子層を、酸素が存在する雰囲気や、酸素を含むマイクロ波で焼成すると、導電性のない酸化銅(CuO)になりやすく、半導体性の亜酸化銅(Cu2O)膜を得ることは、一般的に困難であった。
また、特許文献3には、半導体膜の形成方法及び半導体膜の用途が開示されている。しかしながら、この技術においては、加熱乾燥方法の一つとしてプラズマ放電が例示されているが、焼結の可能性については、言及されていない。
特開2005−239526号公報 特開2004−342319号公報 国際公開2004/033756号パンフレット
本発明は、このような状況下で、基材上に設けられた銅ナノ粒子を含む印刷層を、低温かつ短時間で焼成処理して、半導体基板を効率よく製造する方法、その方法により得られた半導体基板、及び該半導体基板を備えた電子部材を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材上に設けられた銅ナノ粒子を含むパターン状の印刷層を、酸素を含む雰囲気下、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマに晒して焼成処理することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材上に、銅ナノ粒子を含む塗布液をパターン状に印刷して印刷層を形成した後、この印刷層を焼成処理して亜酸化銅を含むパターン状の半導体層を形成する半導体基板の製造方法であって、酸素を含む雰囲気下、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマに前記印刷層を晒すことにより、該印刷層の焼成処理を行うことを特徴とする、半導体基板の製造方法、
(2)上記(1)に記載の製造方法により得られたことを特徴とする半導体基板、及び
(3)上記(2)に記載の半導体基板を備えていることを特徴とする電子部材、
を提供するものである。
本発明の半導体基板の製造方法によれば、基材上に設けられた銅ナノ粒子を含むパターン状の印刷層を、酸素を含む雰囲気下、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマに晒すことにより、低温かつ短時間で焼成処理が可能であり、亜酸化銅を含む半導体層を形成してなる半導体基板を効率よく製造することができる。
まず、本発明の半導体基板の製造方法について説明する。
[半導体基板の製造方法]
本発明の半導体基板の製造方法は、基材上に、銅ナノ粒子を含む塗布液をパターン状に印刷して印刷層を形成した後、この印刷層を焼成処理してパターン状の半導体層を形成する半導体基板の製造方法であって、酸素を含む雰囲気下、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマに前記印刷層を晒すことにより、該印刷層の焼成処理を行うことを特徴とする。
なお、ここで基材上に印刷層を形成する態様としては、基材に直接印刷層を形成する場合と、基材の上にプライマー層、他の機能層、電極等を有する場合には、それらの上に印刷層を形成する場合のいずれをも含むものである。
(基材)
本発明の製造方法において用いる基材としては、半導体基板に用いられるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、シリコンウェハ;ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス基板;アルミナなどのセラミックス基板などの無機材料や、フィルム、シート、又は板状の各種プラスチックを用いることができるが、薄膜化の観点からフィルムの形態が好適である。
フィルム基材として用い得るプラスチックとしては、焼成処理における耐熱性を考慮して、融点が200℃以上のものを挙げることができ、例えば、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、液晶性高分子化合物などを挙げることができる。
また、基材の表面には、易接着成分を成膜してもよいし、プラスチック基材を用いる場合には、その表面に酸化法や凹凸化法などの表面処理を施してもよい。
易接着成分の成膜としては、例えば、Ni、Cr、Ti、Co、Mo、Ta等の金属薄膜あるいはそれらの金属酸化物を成膜する方法、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等からなる接着成分を塗布する方法、その他、有機無機カップリング剤を塗布する方法が採用できる。
また、プラスチック基材に対する酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはプラズマ処理法が効果及び不純物による汚染が少ないなどの面から、好ましく用いられる。
基材の厚さについては特に制限はないが、基材が無機材料である場合には、通常0.1〜10mm程度、好ましくは0.5〜3mmである。
一方、プラスチック基材の場合には、通常10〜300μmの範囲である。10μm以上であると、半導体層を形成する際に基材の変形が抑制され、形成される半導体層の形状安定性の点で好適である。また、300μm以下であると巻き取り加工を連続して行う場合に、柔軟性の点で好適である。
また、基材には、半導体基板の用途に合せて、あらかじめ電極、絶縁層などを形成しておくことができる。なお、基材にこのような機能層や電極などが設けられる場合には、該機能層及び電極等の上に印刷層が形成される。
電極としては、例えば、Au,Ag、Cu、Ni,Al,Pt,Cr,Fe,Sn,Pd,Mo,Mn,In,Co,Pb、Si、Ir,Znなどの金属、スズドープ酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物、カーボン材料、導電性ポリマーなどが挙げられ、また絶縁層としては、例えば、Si、Al、Ta、Ti、Sn、V、Y、W、Cr、Ni,Mnなどの金属の酸化物や窒化物、チタン酸バリウムなど複合金属酸化物、絶縁性ポリマーなどの材料が用いられる。そのほか、用途に合せて、酸化防止層、ガスバリア層、拡散防止層などを設けることができる。
(銅ナノ粒子)
本発明の製造方法において用いる銅ナノ粒子の調製方法としては種々の方法があるが、メカノケミカル法などによる銅粉を粉砕して得る物理的な方法;CVD法や蒸着法、スパッタ法、熱プラズマ法、レーザー法のような化学的な乾式法;熱分解法、化学還元法、電気分解法、超音波法、レーザーアブレーション法、超臨界流体法、マイクロ波合成法等による化学的な湿式法と呼ばれる方法で作製できる。
得られた銅ナノ粒子は、分散液とするために、該ナノ粒子にポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子化合物やグラフト共重合高分子化合物のような保護剤、界面活性剤、銅と相互作用するようなチオール基やアミノ基、水酸基、カルボキシル基を有する化合物で被覆することが好ましい。また、合成法によっては、原料の熱分解物や銅酸化物が粒子表面を保護し、分散性に寄与する場合もある。熱分解法や化学還元法などの湿式法で作製した場合は、還元剤などがそのままナノ粒子の保護剤として作用することがある。
また、分散液の分散安定性を高めるために、ナノ粒子の表面処理を行ったり、高分子化合物、イオン性化合物、界面活性剤等からなる分散剤を添加してもよい。
上記銅ナノ粒子の平均1次粒子径は1〜100nmの範囲であることが好ましい。平均1次粒子径が1nm以上であると分散液の分散安定性が良好であり、半導体薄膜を形成した際の半導体性が良好となる。一方、平均1次粒子径が100nm以下であると融点が低く維持され、十分な焼結が可能であり、高い半導体性が得られる。以上の観点から、ナノ粒子の平均1次粒子径は1〜70nmの範囲が好ましく、さらに2〜50nmの範囲がより好ましい。ここで、分散液中のナノ粒子の平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡による観察像から測定される。
なお、本発明で用いる銅ナノ粒子は、表面が酸化されていてもよく、また内部まで酸化されていてもよい。
(銅ナノ粒子を含む塗布液)
本発明において、銅ナノ粒子を含む塗布液は、銅ナノ粒子の分散液からなり、該分散液を構成し、銅ナノ粒子を分散させる分散媒としては、水及び/又は有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)などのエーテル類;ヘキサン、デカン、ドデカン、テトラデカン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
さらに基材への密着性を高めること、造膜性を高めること、印刷適性を付与すること、及び分散性を高めることを目的として、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいはウレタン樹脂等を樹脂バインダーとして分散液に添加してもよい。また、焼成した後の基材との密着性あるいは造膜性を維持するために、エチルシリケート及びシリケートオリゴマー等の無機バインダーを使用してもよい。また、必要に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、あるいは安定剤等を添加してもよい。
本発明で用いる銅ナノ粒子分散液は、固形分濃度が5〜60質量%の範囲が好ましい。固形分濃度が5質量%以上であると十分な半導体性が得られ、60質量%以下であると、粘度が十分に低く、基材などへのナノ粒子分散液の印刷が容易である。以上の観点から、銅ナノ粒子分散液中の固形分濃度は10〜50質量%の範囲がより好ましい。
基材上に銅ナノ粒子を含む塗布液を印刷する方法としては特に制限されず、グラビア印刷、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、コンマコート、バーコート、ナイフコート、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷などの方法を用いることができる。これらのうち、微細なパターニングを行うことができるという観点から、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷が好ましい。
また、本発明では、基材などの上に銅ナノ粒子を含む塗布液を所望のパターンに直接印刷することができるため、従来のフォトレジストを用いた手法に比較して、著しく生産性を向上させることができる。
基材上の銅ナノ粒子を含む塗布液は印刷後、通常の方法で乾燥を行ってもよい。具体的には、例えば、通常のオーブン等を用いて、80〜140℃程度の温度で0.1〜20分程度加熱して乾燥させる。乾燥後の印刷部分の膜厚は用途等に応じ、適宜塗布量や半導体ナノ粒子の平均1次粒子径等を変化させて制御することができる。具体的には、該膜厚は0.01〜100μmの範囲が好ましく、0.05〜50μmの範囲がより好ましい。乾燥は以下に記す還元性雰囲気下での加熱による焼成により乾燥を兼ねても構わないし、空気中で加熱せずに乾燥させてもよい。
(焼成処理)
本発明においては、このようにして基材上に設けられたパターン状の印刷層を、酸素を含む雰囲気下、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマ(以下「マイクロ波表面波酸素プラズマ」と称することがある。)に晒すことにより焼成処理して、パターン状半導体層を形成する。
マイクロ波表面波酸素プラズマは、銅微粒子を被覆する有機物を酸化除去する効果と、銅微粒子を酸化しながらナノ粒子どうしを焼結させる効果がある。また、通常のオーブンなどで加熱するよりも、低温で焼結させることができる。また、酸化銅(CuO)が形成されにくく、低抵抗な膜になる特徴がある。
<表面波酸素プラズマの発生方法>
前記表面波酸素プラズマの発生方法に特に制限はなく、例えば酸素を含む雰囲気下の焼成処理室の照射窓からマイクロ波エネルギーを供給し、該焼成処理室内に照射窓に沿う表面波酸素プラズマを発生させる無電極プラズマ発生手段を用いることができる。
酸素を含む雰囲気としては、パターン状の印刷層を焼成処理して、亜酸化銅が含まれると思われるパターン状の半導体層を形成させるために、雰囲気中の酸素濃度が10容量%以上であることが好ましく、20容量%以上であることがさらに好ましい。当該酸素を含む雰囲気には、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノンなどの不活性ガスが、1種以上含まれていてもよい。
前記プラズマ発生手段としては、例えば焼成処理室の照射窓から周波数2450MHzのマイクロ波エネルギーを供給し、該処理室内に、電子温度が約1eV以下、電子密度が約1×1011〜1×1013cm-3のマイクロ波表面波酸素プラズマを発生させることができる。
なお、マイクロ波エネルギーは2450MHzの高周波エネルギーを言うが、マイクロ波発振装置であるマグネトロンの精度誤差などのために2450MHz/±50MHzの周波数範囲が許されている。
このようなマイクロ波表面波酸素プラズマは、電子密度が高く、電子温度が低い特性を有し、前記パターン状の印刷層を低温かつ短時間で焼成処理することが可能であり、亜酸化銅が含まれる半導体層を形成することができる。さらに、プラスチック基材を用いる場合には、該基材のダメージが少なく、また電極やその他の層へのダメージも少ない。
このようにして形成された半導体層は、体積抵抗率が0.0001〜100Ω・cm程度で、Cuの体積抵抗率約1.67×10-6Ω・cm及び酸化銅(CuO)の体積抵抗率108Ω・cm以上と全く異なり、亜酸化銅(Cu2O)の形成が推察できる。また、照射時間を長くするほど、体積抵抗率の低い膜が得られるため、照射時間によって得られる膜の体積抵抗率を制御することができる。具体的な照射時間としては、10秒〜10分程度が好ましい。なお、この半導体層の性能は、後述する半導体移動度及びキャリア密度の測定によって確認することができる。
[半導体基板、電子部材]
本発明はまた、前述した本発明の製造方法により得られた半導体基板、及び該半導体基板を備えてなる電子部材をも提供する。
本発明の半導体基板は、前述した本発明の方法により製造されてなる、基材上にパターン状の半導体層を有するものであって、該半導体層は、実用的なキャリア移動度及び体積抵抗率を有するなどの半導体性能を有している。
また、製造方法として、銅ナノ粒子を含む塗布液を基材上にパターン状に印刷して印刷層を形成し、この印刷層を、酸素を含む雰囲気下、マイクロ波表面波プラズマに晒して焼成処理する方法を採用しているため、比較的低温かつ短時間での焼成処理が可能で、基材に与えるダメージが少ない上、銅系半導体層を有する半導体基板を、生産性よく、低コストで与えることができる。
本発明の電子部材は、前述した本発明の半導体基板を備えた電子部材であり、例えば、光起電力素子(太陽電池)、整流器、トランジスタ、熱起電力素子、発光素子、センサーなどに有効に利用することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、得られた半導体基板について、移動度によって評価した。評価方法は以下のとおりである。
(半導体移動度の測定方法)
成書「半導体評価技術」(河東田隆編著 産業図書株式会社発行)p222〜225に記載のvan der Pauw法に準拠し、全面に半導体膜が形成された1cm四方の試料の4隅に、銀ペーストを用いて電極を形成した試料片を作製し、測定に用いた。
また、体積抵抗率を、低抵抗率計(ダイアインスツルメンツ社製「ロレスタGP」)を用いて、4探針法にて測定した。
実施例1
平均1次粒子径が5nmの銅ナノ粒子のトルエン分散液(アルバックマテリアル(株)社製、固形分30質量%)を、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート基材(東レ製、ルミラーT60)上に、インクジェット印刷法(FUJIFILM Dimatix社製 DMP−2831)によりパターン状に印刷した後、自然乾燥させた。
続いて、マイクロ波表面波プラズマ処理装置(MSP−1500、ミクロ電子社製)により処理を行った。プラズマ処理は、酸素ガスを用い、酸素導入圧力10Pa、酸素流量200mL/分、マイクロ波出力800Wで、60秒間処理を実施した。照射後のフィルム表面は赤灰褐色で、基材に熱変形などのダメージはなかった。
このようにして得られた半導体膜について、膜厚を触針式表面形状測定器(アルバック社製 Dektak6M)により測定したところ、0.5μmであり、体積抵抗率は、3.37Ω・cmであった。また、van der Pauw法により移動度を測定したところ、4.1cm2/Vsであった。
得られた半導体膜表面を走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察したところ、図1に示すように、粒子どうしが焼結した膜が観察された。
実施例2
実施例1において、基材として、厚み75μmのポリイミド基材(東レ・デュポンフィルム製、カプトン300H)を用い、マイクロ波表面波プラズマ処理を180秒行ったこと以外は、実施例1と同様にして半導体基板を製造した。照射後のフィルム表面は赤灰褐色で、基材に熱変形などのダメージはなかった。
このようにして得られた半導体膜について、実施例1と同様に膜厚及び体積抵抗率を測定したところ、膜厚が0.3μmであり、体積抵抗率は、0.10Ω・cmであった。
また、得られた半導体膜表面を走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察したところ、図2に示すように、粒子どうしが焼結した膜が観察された。
比較例1
実施例2において、マイクロ波表面波プラズマ処理装置による処理に代えて、以下の条件にて加熱炉(大気雰囲気)で加熱したこと以外は実施例1と同様にして処理した。
(加熱条件):10℃/分で350℃まで昇温し、60分間保持し、その後、10℃/分で降温させた。処理後のフィルム表面は、黒光沢色で、基材に熱変形などのダメージはなかった。
実施例1と同様に体積抵抗率を測定したところ、導電性を示さなかった。
本発明の半導体基板の製造方法は、基材上に設けられた銅ナノ粒子を含む印刷層を、酸素を含む雰囲気下、マイクロ波表面波プラズマに晒すことにより、低温かつ短時間で焼成処理して、半導体層を形成してなる半導体基板の製造方法であり、光起電力素子(太陽電池)、整流器、トランジスタ、熱起電力素子、発光素子、センサーなどに有効に利用できる。
実施例1にかかる本発明の半導体基板表面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2にかかる本発明の半導体基板表面の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 基材上に、銅ナノ粒子を含む塗布液をパターン状に印刷して印刷層を形成した後、この印刷層を焼成処理して亜酸化銅を含むパターン状の半導体層を形成する半導体基板の製造方法であって、酸素を含む雰囲気下、マイクロ波エネルギーの印加により発生する表面波プラズマに前記印刷層を晒すことにより、該印刷層の焼成処理を行うことを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 銅ナノ粒子の平均1次粒子径が1〜100nmである請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  3. 基材が、シリコンウェハ、ガラス基板及びセラミックス基板の中から選択される請求項1又は2に記載の半導体基板の製造方法。
  4. 基材が、融点200℃以上のプラスチックフィルムからなる、請求項1又は2に記載の半導体基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする半導体基板。
  6. 請求項5に記載の半導体基板を備えていることを特徴とする電子部材。
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