JP2008300724A - 電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた透明性、小さいヘーズ値、短工程かつ安価な製造プロセスにて高精度のパターニングが可能、さらには平坦化処理を施す必要のない低ヘーズ値の電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材は、PET等の柔軟性を有する透明フィルム1上に、プライマー層2、網目状パターンを有する電磁波遮蔽層6を順次形成し、この電磁波遮蔽層6は、グラビア印刷用の版胴上の触媒インクにプライマー層2を所定の時間押圧させて触媒インクをプライマー層2上に転写した網目状パターンの触媒インク層と、触媒インク層3上に無電解メッキにより形成した金属層4とからなり、電磁波遮蔽層6の頂面のプライマー層2の表面からの高さは5μm以下であり、かつ、ヘーズ値が3%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、しかも短工程かつ安価な製造プロセスにて高精度のパターニングが可能な電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法に関するものである。
従来、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の各種フラットパネルディスプレイ(FPD)等に使用されている電磁波遮蔽膜付き透明基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の透明基材上にスパッタ法等により電磁波シールド膜が形成されたものがある。
この電磁波シールド膜としては、スズ添加酸化インジウム(Indium Tin Oxide: ITO)薄膜や銀薄膜等のスパッタ膜が用いられている。また、最近注目されている大型ディスプレイであるプラズマディスプレイパネル(PDP)等の各種フラットパネルディスプレイ(FPD)においては、より高い電磁波遮蔽能が必要とされているため、主として透明フィルム上に形成された銅箔をフォトリソグラフィにより網目状としたエッチングメッシュ膜が使用されている。
しかしながら、従来のエッチングメッシュ膜は、製造工程が多く、またエッチング条件の管理が難しいため歩留まりが悪い等の理由から、コストが高いという問題点があった。特に、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の各種フラットパネルディスプレイ(FPD)を民生用として普及させるためには、製造コストを含めたトータル的なコストダウンが要求されており、電磁波遮蔽膜においても低価格化が要求されている。
そこで、高導電率及び高透過率を有する電磁波遮蔽膜を比較的低コストで得る方法として、透明フィルム上に、スクリーン印刷法により貴金属触媒を含有せしめた触媒インクを印刷して網目状微細パターンの触媒インク層とし、この触媒インク層上に銅を無電解メッキする方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平11−170420号公報 特開2003−145709号公報
ところで、従来のスクリーン印刷法を用いた電磁波遮蔽膜では、印刷されたパターンの精度に限界があり、より高精度のパターニングが難しいという問題点があった。
また、従来のスクリーン印刷法では、比較的容易にかつ低コストで電磁波遮蔽膜を得ることができるものの、スクリーン印刷法自体が枚葉印刷であるために、印刷速度に限界があり、更なる生産性の向上を図ることが難しいという問題点があった。
さらに、スクリーン印刷法は、本質的には厚膜印刷技術であるから、断線の虞がない電磁波遮蔽用パターンを得るためには触媒インクを厚膜状に印刷する必要があり、もって、得られる電磁波遮蔽膜にあっては、網目状の電磁波遮蔽パターンが形成されているパターン形成部と、網目状の電磁波遮蔽パターンが形成されていない非パターン形成部との段差(凹凸)が大きくなる。そこで、この電磁波遮蔽用パターンを、優れた透明性、低ヘーズ性が要求される光学用途に適用するためには、この段差(凹凸)を小さくするために、この凹部に透明性樹脂を充填する等の平坦化処理を施す必要があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、短工程かつ安価な製造プロセスにて高精度のパターニングが可能であり、しかも、光学用途に適用する場合においても平坦化処理を施す必要のない低ヘーズ値の電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、短工程かつ安価であり、高精度のパターニングも可能であり、しかも、光学用途に適用する場合においても平坦化処理を施す必要のない低ヘーズ値の電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法について鋭意検討した結果、印刷法としてグラビア印刷法を採用し、グラビア印刷用の版胴上の触媒インクに基材上の下地層を所定の時間押圧させれば、基材上に高精度にパターニングされ、しかも、光学用途に適用する場合においても平坦化処理を施す必要のない低ヘーズ値の電磁波遮蔽膜を低コストで安価に形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材は、柔軟性を有する透明基材の一主面上に、下地層及び網目状パターンを有する電磁波遮蔽層を積層してなる電磁波遮蔽膜付き透明基材であって、前記電磁波遮蔽層は、触媒インク層と、この触媒インク層上に無電解メッキにより形成した金属層とからなり、前記電磁波遮蔽層の頂面の前記下地層の表面からの高さは5μm以下であり、かつ、ヘーズ値が3%以下であることを特徴とする。
この電磁波遮蔽膜付き透明基材では、触媒インク層が高精度のパターンを有するものとなり、また、電磁波遮蔽膜のパターン精度が高精度となる。
さらに、触媒インク層が薄膜状となり、網目状の電磁波遮蔽層が形成されているパターン形成部と、網目状の電磁波遮蔽層が形成されていない非パターン形成部との段差(凹凸)が小さく、光学用途に適用する場合においても、前記段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理が不要となる。
前記金属層上に、電解メッキにより形成された第2の金属層を積層してなることが好ましい。
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法は、柔軟性を有する透明基材の一主面上に、下地層及び網目状パターンを有する電磁波遮蔽層を積層してなる電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法であって、グラビア印刷用の版胴上に触媒インクを網目状のパターンに塗布し、次いで、この版胴上の触媒インクと前記透明基材上に形成された下地層とを押圧させて所定の時間保持し、次いで、前記透明基材と前記版胴とを離間させて前記版胴上の触媒インクを前記下地層上に転写して網目状パターンの触媒インク層を形成し、次いで、前記触媒インク層上に無電解メッキを施し、網目状パターンの頂面の前記下地層の表面からの高さが5μm以下の金属層を形成することを特徴とする。
この電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法では、網目状パターンに塗布された版胴上の触媒インクと、透明基材上に形成された下地層とを押圧させて所定の時間保持し、次いで、前記透明基材と前記版胴とを離間させて前記版胴上の触媒インクを前記透明基材の下地層上に転写することにより、網目状パターンを有する薄膜状の触媒インク層を短工程かつ安価な製造プロセスにて形成することができる。これにより、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、しかも高精度のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基板が製造される。
前記所定の時間は、0.5秒以上かつ10秒以下であることが好ましい。
前記金属層上に電解メッキを施して、第2の金属層を形成することが好ましい。
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材によれば、触媒インク層のパターンを高精度かつ薄膜状とすることができ、電磁波遮蔽膜のパターン精度を高精度、かつ段差(凹凸)のないものとすることができる。
したがって、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、高精度かつ薄膜状のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を容易に実現することができる。
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法によれば、網目状パターンに塗布された版胴上の触媒インクと透明基材上に形成された下地層とを押圧させて所定の時間保持し、次いで、前記透明基材と前記版胴とを離間させて前記版胴上の触媒インクを前記下地層上に転写するので、電磁波遮蔽膜を、短工程かつ安価な製造プロセスにて薄膜状とするとともに、高精度のパターニングを行うことができる。
したがって、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、高精度かつ薄膜状のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を、短工程かつ安価な製造プロセスにて製造することができる。
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材及びその製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「第1の実施形態」
図1は、本発明の第1の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを示す平面図、図2は同部分拡大断面図であり、図において、1はポリエチレンテレフタレート(PET)等の柔軟性を有する透明フィルム(透明基材)、2は透明フィルム1の上面全体に形成されたプライマー層(下地層)、3はプライマー層2上にグラビア印刷法により網目状パターンに形成された薄膜状の触媒インク層、4は触媒インク層3上に無電解メッキ法により形成された前記網目状パターンと同一パターン形状の金属層である。
この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムは、触媒インク層3及び金属層4を積層してなる網目状の電磁波遮蔽層6が形成されているパターン形成部7と、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されていない非パターン形成部8との間に段差(凹凸)が形成されている。
この触媒インク層3は、グラビア印刷用の版胴上の触媒インクに透明フィルム1のプライマー層2を所定の時間押圧させることにより、この触媒インクをプライマー層2上に転写したものであり、この触媒インク層3及び金属層4は、例えば、線幅Lが5〜100μm、線間隔Sが150〜500μmの網目状とされている。
プライマー層2は、酸化物微粒子及び有機高分子を含む複合材料により構成されている。
酸化物微粒子としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、あるいはシリカ等の無機酸化物が挙げられ、これら2種以上を混合してもよい。
有機高分子としては、金属層3を無電解メッキする際のメッキ浴に対して耐性を有する樹脂、例えば、耐熱温度が120〜150℃で耐薬品性に優れた樹脂であれば使用でき、エチルセルロース、プロピルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ロジンエステル樹脂等が挙げられ、これら2種類以上を混合してもよい。
特に、ポリウレタン樹脂等の柔軟性を有する樹脂を使用すれば、プライマー層自体が柔軟性を有することとなり、グラビア印刷法にて触媒インクが胴版からプライマー層上に転写される際に、プライマー層が胴版のパターン溝に追従して接触し、かつパターン溝に押し込められることで、転写性も良好となるので好ましい。
これら酸化物微粒子(M)と有機高分子(R)との比率(M/R)は、重量比で90/10〜10/90が好ましく、より好ましくは60/40〜40/60である。
酸化物微粒子の比率が上記の範囲より高いと、透明フィルム1との密着強度が弱くなり、得られた電磁波遮蔽膜付き透明フィルム自体の透過率が低下し、ヘーズ値が高くなるからであり、一方、比率が上記の範囲より低いと、透明フィルム1との密着強度が弱くなるに加えて、グラビア印刷法により触媒インク層を形成する際の受容層としての効果が小さく、印刷した触媒インク層に垂れ、滲みを生じる虞があるからである。
また、このプライマー層2の厚みは、0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜3μmである。
プライマー層2の厚みが上記の範囲より薄いと、グラビア印刷法により触媒インク層を形成する際の受容層としての効果が小さくなるからであり、一方、厚みが上記の範囲より厚いと、印刷した触媒インク層に割れ等が生じる虞があるからである。
触媒インク層3は、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子と、黒色顔料と、有機高分子を含む複合材料により構成されている。
ここで、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子を用いたのは、貴金属微粒子を酸化物微粒子に担持させることにより、印刷に適する触媒インクのチクソトロピー性が得られ、良好な印刷形状が得られるからである。
貴金属微粒子としては、パラジウム、白金、金等の微粒子が挙げられる。これらの貴金属微粒子は2種類以上を混合して用いても良い。
また、酸化物微粒子としては、アルミナ、酸化亜鉛、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物微粒子が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は2種類以上を混合して用いても良い。
この貴金属微粒子(N)と酸化物微粒子(M)の比率(N/M)は、重量比で0.5/99.5〜5/95が好ましく、より好ましくは1/99〜2/98である。貴金属微粒子の比率が上記の範囲よりも低いと、無電解メッキの触媒として機能しないからであり、一方、上記の範囲よりも高いと、無電解メッキの触媒としての機能が飽和するとともに、必要以上に高価な貴金属を使用することとなり、コストアップの原因となるからである。
黒色顔料は、触媒インク層3を黒色に着色してコントラストを向上させるために添加されるものであり、このような黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。
有機高分子としては、グラビア印刷に適正があり、アルカリ性の無電解メッキ液に対して耐性を有する樹脂であればよく、エチルセルロース、ロジンエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は2種類以上を混合して用いても良い。
また、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子(NM)と、有機高分子(R)との比率(NM/R)は、重量比で40/60〜80/20が好ましく、より好ましくは60/40〜70/30である。酸化物微粒子の比率が上記の範囲よりも低いと、含まれている貴金属微粒子が高分子樹脂でほとんど覆われてしまい、無電解メッキの触媒として機能しなくなるからであり、一方、上記の範囲よりも高いと、印刷性が悪くなり、かつ高分子樹脂による印刷膜の硬化が不足し、透明フィルムとの密着性が得られなくなるからである。
この触媒インク層3の厚みは、例えば、0.5μm〜3.0μm、好ましくは1.0μm〜2.0μmとされている。
この触媒インク層3の厚みが0.5μmを下回ると、無電解メッキでの金属析出量が低下し、その結果、電磁波を遮蔽するに充分な低抵抗(例えば0.2Ω/□以下)の金属層4が得られず、一方、3.0μmを超えると、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されているパターン形成部7と、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されていない非パターン形成部8との段差(凹凸)が大きく、この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを光学用途に適用するためには、この段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理が必要となるので好ましくない。
金属層4は、電磁波遮蔽膜に電磁波を遮蔽する充分な導電性を付与するためのもので、無電解銅メッキ層またはニッケルメッキ層により構成され、その膜厚は1.0μm〜5.0μmとされている。
金属層4の膜厚を上記の範囲に限定した理由は、膜厚が1.0μm未満であると、電磁波を遮蔽するに充分な低抵抗(例えば、表面抵抗が0.2Ω/□以下)の金属層4とならず、一方、5.0μmを超えると、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されているパターン形成部7と、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されていない非パターン形成部8との間の段差(凹凸)が大きくなり過ぎてしまい、この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを光学用途に適用するためには、この段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理が必要となるからである。
この金属層4の頂面及び両側面には、可視光線の反射を抑え、かつ画像のコントラストを向上させるために、黒色化層が形成されていることが好ましい。
この電磁波遮蔽層6の頂面のプライマー層2の表面からの高さは、5μm以下、好ましくは1.5μm〜5μmとされている。
したがって、電磁波を遮蔽するに充分な低抵抗、例えば、表面抵抗が0.2Ω/□以下の導電性を有しており、しかも、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されているパターン形成部7と、網目状の電磁波遮蔽層6が形成されていない非パターン形成部8との間の段差(凹凸)が小さく、もって、この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを光学用途に適用する場合においても、段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理を施す必要がなく、透明性に優れ、ヘーズ値が3%以下となっている。
次に、本実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムの製造方法について説明する。
「プライマー層の形成」
まず、グラビア印刷法、バーコート印刷法、オフセット印刷法等により、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の柔軟性を有する透明フィルム1上にプライマー層形成用塗料を塗工し、その後乾燥させることにより、プライマー層2を形成する。
プライマー層形成用塗料としては、酸化物微粒子と、有機高分子と、有機溶媒を含む塗料が好適に用いられる。
酸化物微粒子としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、あるいはシリカ等の無機酸化物が挙げられ、これら2種以上を混合してもよい。
この酸化物微粒子の含有量は、0.2重量%〜15重量%が好ましく、より好ましくは1重量%〜8重量%である。
酸化物微粒子の含有量が0.2重量%未満であると、プライマー層2の厚みが薄く、触媒インク層を形成する際の受容層としての効果が小さくなるからであり、一方、15重量%を越えると、プライマー層2の厚みが厚く、印刷した触媒インク層に割れが生じるからである。
有機高分子としては、金属層3をメッキする際のメッキ浴に対して耐性を有する樹脂、例えば、耐熱温度が120〜150℃で耐薬品性に優れた樹脂であれば使用でき、エチルセルロース、プロピルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ロジンエステル樹脂等が挙げられ、これら2種類以上を混合してもよい。
この有機高分子の含有量は、0.2重量%〜15重量%が好ましく、より好ましくは1重量%〜8重量%である。
有機高分子の含有量が0.2重量%未満であると、プライマー層2の厚みが薄く、触媒インク層を形成する際の受容層としての効果が小さくなるからであり、一方、15重量%を越えると、プライマー層2の厚みが厚く、印刷した触媒インク層に割れが生じるからである。
特に、ポリウレタン樹脂等の柔軟性を有する樹脂を使用すれば、プライマー層2自体が柔軟性を有することとなり、グラビア印刷法にて触媒インクが胴版からプライマー層2上に転写される際に、プライマー層2が胴版のパターン溝に追従して接触し、かつパターン溝に押し込められることで、転写性も良好となるので好ましい。
これら酸化物微粒子(M)と有機高分子(R)との比率(M/R)は、重量比で90/10〜10/90が好ましく、より好ましくは60/40〜40/60である。
酸化物微粒子の比率が上記の範囲より高いと、透明フィルム1との密着強度が弱くなり、得られた電磁波遮蔽膜付き透明フィルム自体の透過率が低下し、ヘーズが高くなるからであり、一方、比率が上記の範囲より低いと、透明フィルム1との密着強度が弱くなるに加えて、グラビア印刷法により触媒インク層3を形成する際の受容層としての効果が小さく、印刷した触媒インク層3に垂れ、滲みを生じる虞があるからである。
有機溶媒としては、酸化物微粒子の分散が可能で、しかも有機高分子を溶解することが可能であればよく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサノン等の環化脂肪族炭化水素、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、2−プロパノール等のアルコール類が好適に用いられる。
この有機溶媒に、酸化物微粒子の分散をし易くするために、リン酸エステル系の分散剤等を添加しても良い。
得られたプライマー層2の厚みは、0.5〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0μmである。プライマー層2の厚みが上記の範囲より薄いと、グラビア印刷法により触媒インク層3を形成する際の受容層としての効果が小さくなるからであり、一方、厚みが上記の範囲より厚いと、印刷した触媒インク層に割れ等が生じる虞があるからである。
「触媒インク層の形成」
上記のプライマー層2上に、グラビア印刷法により触媒インクを所定のパターンにて塗布し、その後乾燥させることにより、触媒インク層3を形成する。
触媒インクとしては、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子と、黒色顔料と、有機高分子と、有機溶媒を含むインクが好適に用いられる。
この貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子は、印刷に適する触媒インクのチクソトロピー性、良好な印刷形状を得るために用いられる。
貴金属微粒子としては、パラジウム、白金、金等の微粒子が挙げられる。これらの貴金属微粒子は2種類以上を混合して用いても良い。
この貴金属微粒子の含有量は、0.01重量%〜1.5重量%が好ましく、より好ましくは0.10重量%〜0.50重量%である。
貴金属微粒子の含有量が0.01重量%未満であると、無電解めっきの触媒として機能しないからであり、一方、1.5重量%を越えると、高価な貴金属を必要以上に使用することとなり、コストアップの原因となるからである。
この貴金属微粒子を担持させる酸化物微粒子としては、アルミナ、酸化亜鉛、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物微粒子が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は2種類以上を混合して用いても良い。
この酸化物微粒子の含有量は、3.0重量%〜27.0重量%が好ましく、より好ましくは13.0重量%〜20.0重量%である。
酸化物微粒子の含有量が3.0重量%未満であると、触媒インクの粘度が低くかつチクソトロピー性を失うことで、印刷膜に垂れが生じ、印刷精度が低下するからであり、一方、27.0重量%を越えると、触媒インクの粘度が高くなり、ブレードで余剰部分を除去する際に、除去が完全にできずに残ってしまい、その結果、膜のパターン精度が低下してしまうからである。
この貴金属微粒子(N)と酸化物微粒子(M)の比率(N/M)は、重量比で0.5/99.5〜5/95が好ましく、より好ましくは1/99〜2/98である。貴金属微粒子の比率が上記の範囲よりも低いと、無電解メッキの触媒として機能しないからであり、一方、上記の範囲よりも高いと、無電解メッキの触媒としての機能が飽和するとともに、必要以上に高価な貴金属を使用することとなり、コストアップの原因となるからである。
黒色顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。
この黒色顔料の含有量は、0.03重量%〜3.0重量%が好ましく、より好ましくは0.1重量%〜1.0重量%である。
黒色顔料の含有量が0.03重量%未満であると、印刷膜裏面の網目の黒色度が不足し、PDP等のディスプレイの表示面に搭載した場合、良好なコントラストが得られないからであり、一方、3.0重量%を越えると、印刷膜裏面の網目の黒色度が良好となり、良好なコントラストも得られるが、印刷性が悪くなるからである。
有機高分子としては、グラビア印刷に適正があり、アルカリ性の無電解メッキ液に対して耐性を有する樹脂であればよく、エチルセルロース、ロジンエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は2種類以上を混合して用いても良い。中でも、エチルセルロースがグラビア印刷に好適である。
この有機高分子の含有量は、1.0重量%〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは6.0重量%〜10.0重量%である。
有機高分子の含有量が1.0重量%未満であると、インクの粘度が低くなり過ぎて印刷に適しなくなるからであり、一方、15.0重量%を越えると、インクの粘度が高くなり過ぎて印刷に適しなくなるからである。
また、貴金属微粒子を担持させた酸化物微粒子(NM)と、有機高分子(R)との比率(NM/R)は、重量比で40/60〜80/20が好ましく、より好ましくは60/40〜70/30である。酸化物微粒子の比率が上記の範囲よりも低いと、含まれている貴金属微粒子が高分子樹脂でほとんど覆われてしまい、無電解メッキの触媒として機能しなくなるからであり、一方、上記の範囲よりも高いと、印刷性が悪くなり、かつ高分子樹脂による印刷膜の硬化が不足し、透明フィルムとの密着性が得られなくなるからである。
有機溶媒としては、有機高分子の溶解が可能で、しかもグラビア印刷に適正があればよく、例えば、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、α−テルピネオール等が挙げられる。
この触媒インクの粘度は、1〜500Pa・sが好ましく、より好ましくは50〜200Pa・sである。
触媒インクの粘度が1Pa・s未満であると、インクのチクソトロピー性が無くなり、糸引き等の不具合が生じて良好な印刷形状が得られないからであり、一方、500Pa・sを越えると、グラビア印刷の際に均一にインクを供給することができず、印刷ムラが生じるからである。
プライマー層2上への触媒インク層3の形成は、図3に示す電磁波遮蔽膜付き透明フィルムの製造装置を用いて行う。
この装置は、グラビア印刷法により透明フィルム1のプライマー層2上に、網目状パターンを有する触媒インク層3を形成するための装置であり、図において、11は円筒状の表面にパターン溝12が形成されたグラビア印刷用の版胴、13は版胴11上に触媒インクCを塗布するディスペンサ、14は塗布された触媒インクCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去するブレード、15、16は透明フィルム1の一方の面にプライマー層2が形成されたグラビア印刷用透明フィルムFを版胴11に所定時間押圧させるバックアップロールである。
この装置を用いてプライマー層2上へ触媒インク層3を形成するには、まず、透明フィルムFを版胴11に所定時間押圧させるために、バックアップロール16を印刷速度に合わせて一定の押圧時間が得られるように位置調整する。この押圧時間は、0.5〜10秒が好ましく、より好ましくは1〜5秒である。
押圧時間が0.5秒未満であると、プライマー層2への有機溶媒の吸収が不十分となり、版胴11のパターン溝12に充填された触媒インクの粘度が高くならず、糸引き等の不具合が発生して良好な印刷形状が得られないからであり、一方、押圧時間が10秒を越えると、逆に有機溶媒が吸収され過ぎて触媒インクの粘度が高くなり過ぎてしまい、透明フィルムFへの転写が困難となるからである。
次いで、ディスペンサ13により版胴11上に触媒インクCを塗布し、ブレード14により塗布された触媒インクCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去する。
次いで、透明フィルムFをバックアップロール15、16により版胴11に押圧させつつ版胴11に沿って回転移動させることにより、版胴11上の触媒インクCと透明フィルムFのプライマー層2とを押圧させて所定の時間保持する。
次いで、バックアップロール16により透明フィルムFを引き出し、この透明フィルムFを版胴11から離間させることにより、版胴11上の触媒インクCを透明フィルムFのプライマー層2上に転写する。
次いで、乾燥器等を用いて乾燥し、触媒インク層3とする。この乾燥は、透明フィルムFの耐熱性と触媒インクCの転写膜の乾燥割れを考慮して100℃以下で行うことが好ましい。
以上により、透明フィルムFのプライマー層2上に、グラビア印刷法により所定のパターンの触媒インク層3を形成することができる。
このように、上記の組成のプライマー層形成用塗料及び触媒インクを用いることにより、透明フィルムFへの転写性と転写率が良く、更に転写シート(ブランケット)を使用する事無く、版胴11から直接透明フィルムFへ触媒インクCを転写する「グラビア直刷り法」が可能となった。
また、この直刷り法によりブランケットが不要となり、円筒形状の版胴11を用いることにより、シリンダー版によるエンドレス版が可能となった。
また、この版胴11を用いることで、マスクレスの直描で版胴11を作製することができ、パターン溝の深度を調整することで、ブランケットを使用するグラビア印刷に比べてより厚みのある膜の印刷が可能となり、触媒インクの厚みによる触媒総量が増加し、メッキの析出を容易にすることができる。
また、透明フィルムFを版胴11に所定時間押圧させることにより、パターン溝12に充填された触媒インク中の溶媒が受容層であるプライマー層2中に吸収されるので、触媒インクの粘度が急激に高くなり、パターン溝12に充填された触媒インクを版の画像形状をそのまま維持した状態で透明フィルムF側に転写させることができる。
また、プライマー層2に吸収された溶媒は、一旦プライマー層2表面の樹脂を溶解し、触媒インクと界面で相溶するので、乾燥後の透明フィルムFと触媒インク層3との密着強度が強くなる。このように、線幅Lが10〜20μm程度のファインパターンを10m/分前後の高速で、設計された画像形状を維持したまま印刷することが可能となった。
図4は、上記の装置の変形例を示す概略構成図であり、図3に示す装置と異なる点は、ブレード14の下流側に、このブレード14と平行に(第2の)ブレード21を設け、ブレード14により触媒インクCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去した後に、ブレード21により触媒インクCの余剰部分をさらに除去する構成である。
この装置においては、ブレード14、21を用いて塗布された触媒インクCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去するので、プライマー層2上に転写される触媒インクのパターンの精度をさらに向上させることができる。
「金属層の形成」
次いで、触媒インク層3が形成された透明フィルムFを無電解銅メッキ浴またはニッケルメッキ浴中に浸漬し、触媒インク層3上に金属を析出させることにより、金属層4を形成する。
次いで、必要に応じて、この金属層4の頂面及び両側面を、可視光線の反射を抑え、コントラストを向上させるために、黒色化する。
黒色化する方法としては、黒色金属層または黒色電着層で被覆する方法、酸化処理または硫化処理を施す方法などが挙げられる。例えば、黒色金属層としては、黒色ニッケルメッキ、黒色クロムメッキ、ニッケル−スズ合金メッキ等が挙げられる。また、黒色電着層は、電着により設けられる黒色の層であって、例えば、黒色顔料を電着樹脂中に分散させた黒色塗料を用いて電着塗装することにより、設けることができる。さらに、金属層4の表面に酸化処理や硫化処理を施すことにより、その表面を黒色化することもできる。これら酸化処理や硫化処理は、公知の方法で行うことができる。
以上により、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、しかも高精度のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を、短工程かつ安価な製造プロセスにて作製することができる。
「第2の実施形態」
図5は、本発明の第2の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを示す部分拡大断面図であり、この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムが第1の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムと異なる点は、網目状の電磁波遮蔽層6をさらに低抵抗とするために、金属層4上に、電解メッキ法により形成された銅、ニッケル等からなる(第2の)金属層31を積層した点である。
この金属層31においても、金属層4と同様、その頂面及び両側面を、可視光線の反射を抑え、コントラストを向上させるために、黒色化することが好ましい。
黒色化する方法としては、上述した黒色金属層または黒色電着層で被覆する方法、酸化処理または硫化処理を施す方法などが挙げられる。
この電磁波遮蔽膜付き透明フィルムでは、電磁波遮蔽層32の頂面のプライマー層2の表面からの高さは5μm以下、好ましくは1.5μm〜5μmとされている。
したがって、電磁波を遮蔽するに充分な低抵抗、例えば、表面抵抗が0.1Ω/□以下の導電性を有しており、しかも、網目状の電磁波遮蔽層32が形成されているパターン形成部33と、網目状の電磁波遮蔽層32が形成されていない非パターン形成部34との段差(凹凸)が小さく、もって、電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを光学用途に適用する場合においても、この段差(凹凸)を平坦にする平坦化処理を施す必要がなく、透明性に優れ、ヘーズ値が3%以下となっている。
本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
「プライマー層形成用塗料の作製及びプライマー層の形成」
アルミナ粉末240g、リン酸エステル系分散剤28gをトルエン1332gに投入し、サンドミルを用いて分散させ、アルミナ分散液を作製した。
次いで、エチルセルロース240gをトルエン1808gに溶解させ、この溶液に、上記のアルミナ分散液とシクロヘキサノン552gとメチルエチルケトン(MEK)1800gを加え、ホモジナイザーで混合し、プライマー層形成用塗料を作製した。
次いで、このプライマー層形成用塗料を、厚みが125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にマイクログラビア印刷により塗工し、その後乾燥し、表面にプライマー層が形成された透明フィルムを得た。得られたプライマー層の膜厚は2μmであった。
「触媒インクの作製及び触媒インク層の形成」
パラジウム微粒子3.5gとγ−アルミナ171.5gをエタノール中で分散、凝集させ、固液分離した後乾燥させ、パラジウム微粒子を担持させたγ−アルミナ微粒子を得た。
次いで、α−テルピネオール472g及びブチルカルビトールアセテート236gからなる溶液に、エチルセルロース90gを溶解させ、さらに上記のパラジウム微粒子を担持させたγ−アルミナ微粒子とカーボンブラック9gを加え、三本ロールミルで混合、分散し、触媒インクを作製した。
次いで、この触媒インク及び上記の透明フィルムを用い、図3に示す装置により透明フィルム上に、速度10m/分、押圧時間1.5秒の条件にて、L/S=18/282μmのメッシュパターンをグラビア印刷し、80℃にて5分間、乾燥し、厚みが1.5μmの網目状の触媒インク層が形成された印刷メッシュフィルムを得た。得られたメッシュ状パターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
「金属層の形成」
上記の印刷メッシュフィルムを、25℃の無電解銅メッキ液OPC−750(奥野製薬社製)中に40分間浸漬させ、メッシュパターン上に銅を析出させ、金属層を形成した。その後、厚みが2.0μmのニッケル/スズの合金メッキを施し、メッシュパターンの表面を黒色化させ、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは3.7μm、表面抵抗は0.2Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は3%であった。
[実施例2]
実施例1のアルミナ粉末をジルコニア粉末に替えた以外は、実施例1と同様にして印刷メッシュフィルムを作製した。得られたメッシュパターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
次いで、この印刷メッシュフィルムに、実施例1と同様にメッキ処理を施し、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは3.7μm、表面抵抗は0.2Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は3%であった。
[実施例3]
実施例1のアルミナ粉末をシリカ粉末に替えた以外は、実施例1と同様にして印刷メッシュフィルムを作製した。得られたメッシュパターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
次いで、この印刷メッシュフィルムに、実施例1と同様にメッキ処理を施し、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは3.7μm、表面抵抗は0.2Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は3%であった。
[実施例4]
実施例1と同様にして印刷メッシュフィルムを作製した。得られたメッシュパターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
次いで、この印刷メッシュフィルムを、25℃の無電解銅メッキ液OPC−750(奥野製薬社製)中に10分間浸漬させてメッシュパターン上に銅を析出させ、厚みが1.0μmの金属層を形成した。
次いで、この銅を析出させた印刷メッシュフィルムに、電気銅メッキ液 トップルチナSF(奥野製薬社製)を用いて、3A/dmの電流密度で25℃にて5分間、電気銅メッキ処理を施し、厚みが2.0μmの金属層を形成した。
その後、電気メッキによりニッケル/スズの合金メッキを施し、メッシュパターンの表面を黒色化させ、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは4.7μm、表面抵抗は0.05Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は3%であった。
[実施例5]
実施例1と同様にして、プライマー層が形成された透明フィルムを作製した。
次いで、実施例1の触媒インクのアルミナ粉末をジルコニア粉末に替えた以外は、実施例1と同様にして触媒インクを作製した。
この触媒インクを用い、図3に示す装置により透明フィルム上に、速度10m/分、押圧時間1.5秒の条件にて、L/S=8/292μmのメッシュパターンをグラビア印刷し、80℃にて5分間、乾燥し、厚みが1.5μmの網目状の触媒インク層が形成された印刷メッシュフィルムを得た。得られたメッシュ状パターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
その後、実施例4と同様にしてメッキ処理を施し、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=10/290μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは4.7μm、表面抵抗は0.1Ω/口、可視光線透過率は90%、ヘーズ値は2.5%であった。
[実施例6]
実施例1と同様にして、プライマー層が形成された透明フィルムを作製した。
次いで、実施例1の触媒インクのアルミナ粉末をジルコニア粉末に替えた以外は、実施例1と同様にして触媒インクを作製した。
この触媒インクを用い、図3に示す装置により透明フィルム上に、速度20m/分、押圧時間1.5秒の条件にて、L/S=8/292μmのメッシュパターンをグラビア印刷し、80℃にて5分間、乾燥し、厚みが1.5μmの網目状の触媒インク層が形成された印刷メッシュフィルムを得た。得られたメッシュ状パターンの形状は非常に良好で、外観上の問題は無かった。
その後、実施例4と同様にしてメッキ処理を施し、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=10/290μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは4.7μm、表面抵抗は0.1Ω/口、可視光線透過率は90%、ヘーズ値は2.5%であった。
[比較例]
実施例1と同様にして、プライマー層が形成された透明フィルムを作製した。
次いで、この透明フィルムと実施例1の触媒インクを用い、スクリーン印刷法により、透明フィルム上にL/S=20/280μmのメッシュパターンを印刷し、90℃にて10分間、乾燥し、印刷メッシュフィルムを得た。
良好なメッシュパターンの形状が得られる限界の印刷速度は、1m/分であり、厚みは8.0μmであった。
「金属層の形成」
上記の印刷メッシュフィルムを、25℃の無電解銅メッキ液OPC−750(奥野製薬社製)中に40分間浸漬させ、メッシュパターン上に銅を析出させ、厚みが2.0μmの金属層を形成した。その後、ニッケル/スズの合金メッキを施し、メッシュパターンの表面を黒色化させ、金属メッシュ膜を作製した。
この金属メッシュ膜の網目状の電磁波遮蔽層は、L/S=20/280μmであり、この電磁波遮蔽層の頂面のプライマー層の表面からの高さは10μm、表面抵抗は0.2Ω/口、可視光線透過率は84%、ヘーズ値は5%であった。
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材は、柔軟性を有する透明基材の一主面上に、グラビア印刷用の版胴上の触媒インクに下地層を押圧させることにより触媒インクを下地層上に転写してなる網目状パターンを有する触媒インク層と、この触媒インク層上に無電解メッキにより形成した金属層とからなる網目状パターンを有する電磁波遮蔽層を積層したことにより、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、高精度かつ薄膜状のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を容易に実現することができたものであるから、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の各種フラットパネルディスプレイ(FPD)はもちろんのこと、その他の表示装置等へも適用可能であり、その工業的価値は極めて大きなものである。
本発明の第1の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを示す部分拡大断面図である。 電磁波遮蔽膜付き透明フィルムの製造装置を示す概略構成図である。 電磁波遮蔽膜付き透明フィルムの製造装置の変形例を示す概略構成図である。 本発明の第2の実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明フィルムを示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1 透明フィルム
2 プライマー層
3 触媒インク層
4 金属層
6 網目状の電磁波遮蔽層
7 パターン形成部
8 非パターン形成部
11 版胴
12 パターン溝
13 ディスペンサ
14 ブレード
15、16 バックアップロール
21 ブレード
31(第2の)金属層
32 電磁波遮蔽層
33 パターン形成部
34 非パターン形成部
C 触媒インク
F グラビア印刷用透明フィルム

Claims (5)

  1. 柔軟性を有する透明基材の一主面上に、下地層及び網目状パターンを有する電磁波遮蔽層を積層してなる電磁波遮蔽膜付き透明基材であって、
    前記電磁波遮蔽層は、触媒インク層と、この触媒インク層上に無電解メッキにより形成した金属層とからなり、
    前記電磁波遮蔽層の頂面の前記下地層の表面からの高さは5μm以下であり、かつ、ヘーズ値が3%以下であることを特徴とする電磁波遮蔽膜付き透明基材。
  2. 前記金属層上に、電解メッキにより形成された第2の金属層を積層してなることを特徴とする請求項1記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材。
  3. 柔軟性を有する透明基材の一主面上に、下地層及び網目状パターンを有する電磁波遮蔽層を積層してなる電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法であって、
    グラビア印刷用の版胴上に触媒インクを網目状のパターンに塗布し、次いで、この版胴上の触媒インクと前記透明基材上に形成された下地層とを押圧させて所定の時間保持し、次いで、前記透明基材と前記版胴とを離間させて前記版胴上の触媒インクを前記下地層上に転写して網目状パターンの触媒インク層を形成し、
    次いで、前記触媒インク層上に無電解メッキを施し、網目状パターンの頂面の前記下地層の表面からの高さが5μm以下の金属層を形成することを特徴とする電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。
  4. 前記所定の時間は、0.5秒以上かつ10秒以下であることを特徴とする請求項3記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。
  5. 前記金属層上に電解メッキを施して、第2の金属層を形成することを特徴とする請求項3または4記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。
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