JP4894649B2 - 電磁波シールド部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種ディスプレイの前面に配置する電磁波シールド部材及びその製造方法に関する。
PDP(プラズマディスプレイパネル)、CRT(ブラウン管)ディスプレイ等、各種ディスプレイ(画像表示装置)から発生する電磁波をシールドするために、ディスプレイ前面に電磁波シールド部材が配置される。
そのような電磁波シールド部材としては、銀スパッタ薄膜や銅メッシュなどがある。銀スパッタ薄膜はコストが高く、また全面を被覆しているために透明性に劣る(透明性と導電性とが両立し難い)。銅メッシュは、透明性と導電性(即ち電磁波遮蔽性)との両立性は良好なるも、銅箔を透明基材とラミネート後に、フォトリソグラフィー法でエッチングしてメッシュ形状を作製するため、工程が多く非常に煩雑であり、さらに捨てる金属材料が多いことから低コスト化が難しいため、工程の短縮及び簡略化が求められている。また、使用後の腐蝕液等の廃液処理も必要となる。
捨てる金属材料を減らした導電性メッシュの製造方法として、金属層をめっき金属で形成する次のような方法が提案されている。
一つは、透明基材上にスパッタ法で厚み最小限の金属薄膜層を形成し、フォトリソグラフィー法でメッシュパターンを作製し、そのメッシュパターンの金属薄膜上に電解めっきにて金属厚膜層を積層する方法(特許文献1)であるが、前記の銅箔エッチング法よりも工程がより複雑になってしまう。
もう一つは、透明基材上に触媒層をパターン状に印刷し、その後無電解めっきによってパターン上に金属層を設ける方法(特許文献2)である。しかしながら無電解めっきの析出速度は電解めっきに比べ遅く、所望の導電性能を得るための金属層を析出させるためには無電解めっき時間を長くする必要がある。また、電解めっきが可能な必要最低限の無電解めっきを行った後、電解めっきをするという方法もあるが、この場合は結果的に工程数が増え、煩雑になってしまう。
特許第3502979号公報 特許第3363083号公報
本発明は、かかる状況下、導電性ペーストの印刷によって作ったメッシュパターンをベースにして、高導電率で、膜強度が強いメッシュパターン薄膜を透明基材上に形成した電磁波シールド部材を得ること、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的達成のための検討を行った結果、透明基材上に金属ペースト等の導電性ペーストをメッシュパターン状に印刷し、溶剤を乾燥して、空隙率20〜80%の多孔質性の導電性微粒子結着体を得、次にこのものをめっき浴に含浸させることで、めっき液が空隙内に入り込み、導電性微粒子表面にめっき金属が析出、成長して、導電性微粒子同士がめっき金属で連結ないしは包絡され、一体化されて、該メッシュパターン全体の巨視的なスケールでの高い導電性が発現され、それによって高い電磁波シールド性を発現し、膜強度が強いメッシュパターン薄膜を透明基材上に形成した電磁波シールド部材が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)透明基材上に導電性材料をメッシュパターン状に形成した電磁波シールド部材であって、該導電性材料が、導電性微粒子をバインダー樹脂によって結着した空隙率が20〜80%の導電性微粒子結着体において、めっき金属が前記導電性微粒子間を連結しているものであり、その表面抵抗値が10Ω/□以下であることを特徴とする電磁波シールド部材;
(2)導電性微粒子が、金、銀、銅、鉄、ニッケル、又はアルミニウムの金屬微粒子であり、めっき金属が、金、銀、銅、クロム、又はニッケルである上記(1)の電磁波シールド部材;
(3)導電性材料が、導電性微粒子100質量部に対し、バインダー樹脂が1〜50質量部、めっき金属が0.1〜300質量部で構成されている請求項1又は2に記載の電磁波シールド部材;
(4)透明基材上に、印刷法を用いて、導電性微粒子を樹脂バインダーによって結着した空隙率が20〜80%の導電性微粒子結着体をメッシュパターン状に形成し、このものをめっき処理することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法;
(5)印刷法が、透明基材上に、少なくとも導電性微粒子としての金属微粒子100質量部に対し、バインダー樹脂が1〜50質量部とからなる固形分60〜90%の金属ペーストを用いて印刷し、溶剤を乾燥するものである上記(4)の電磁波シールド部材の製造方法;
を提供するものである。
本発明の電磁波シールド部材は、メッシュパターン状に形成されている所定の空隙率の多孔質な導電性微粒子結着体において、めっき金属が該導電性微粒子間を連結、包絡することで導電性微粒子が一体化された構造を有するものであり、高い電磁波シールド性を有する、膜強度が強いメッシュパターン薄膜を透明基材上に形成したものである。
すなわち、本発明の電磁波シールド部材における導電性メッシュは、導電性微粒子結着体において、めっき金属で該導電性微粒子間を連結、包絡するものであるので、その製造工程において、厚いめっき金属層を形成する前記従来法と比較して、少ないめっき金属量、短いめっき時間で所定の導電率に到達することができる。また、本発明はメッシュパターンの導電性の大部分を担う導電性微粒子を、印刷することによってめっきよりも高速に基材の上に形成しておき、その微粒子間を金属析出(めっき)で繋ぐという方法であるため、全体として製造時間を短縮することができる。したがって、本発明によれば、簡略化された工程で高性能の電磁波シールド部材を得ることができる。
また、導電性微粒子層の上にめっき層を形成するのではなく、導電性微粒子間をつなぐため(主に、印刷形成されたメッシュパターン内部の空間内に金属を成長させるため)、メッシュパターンの厚みの増加が少なく、反射防止層(AR層)や防眩層(AG層)などをその上に設けるための粘着層との貼合時において、粘着層が、メッシュ形状を埋めきれずに生じる気泡(空隙)により白濁する現象が起こりやすくなるという不具合も起こりにくい。
本発明の電磁波シールド部材は、透明基材上に導電性材料をメッシュパターン状に形成したものであって、該導電性材料(導電性メッシュ)は、金属等の導電性材料から成る導電性微粒子をバインダー樹脂によって結着した所定の空隙率を有する導電性微粒子結着体において、めっき金属が導電性微粒子間を連結しているものである。また、本発明の電磁波シールド部材は、透明基材上に、導電性ペーストをパターン印刷し、溶剤を乾燥して、所定の空隙率を有する導電性微粒子結着体をメッシュパターンに形成し、このものをめっき処理することにより製造される。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔透明基材〕
透明基材としては、少なくとも可視領域で透明な基材が使用可能であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリプロピレン、シクロオレフィン系樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)などの透明樹脂のフィルムや板、或いはソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子等の板などが使用可能である。
また、透明基材は、導電性ペースト塗布側に、適宜、各種機能を付与するための下地層があってもよい。各種機能付与の例としては、コロナ放電処理や易接着プライマー塗工処理などによる密着性改善、耐久性改善、印刷性改善、耐溶剤性改善等が挙げられる。
なお、透明基材の厚さは、用途に応じたものとすればよく、特に制限はないが、透明樹脂フィルムからなる場合は、通常10〜500μm程度であり、透明樹脂板やガラス板である場合は、通常1〜5mm程度が好適である。
〔導電性メッシュ〕
本発明の電磁波シールド部材を構成する導電性メッシュは、透明基材上に導電性ペーストをメッシュパターン状に印刷し、溶剤を乾燥して得た、導電性微粒子がバインダー樹脂によって結着された所定の空隙率を有する多孔質の導電性微粒子結着体をめっき処理することにより製造される。
ここで、導電性微粒子結着体の空隙率は、20〜80%であることを要し、30〜70%であることが好ましい。空隙率が20%を下回ると導電性微粒子結着体において露出導電性微粒子が少なくなって所定時間のめっき処理後も所望の導電率が得られず、また、結着体内部への金属イオン供給が困難になる。空隙率が80%を超えるとめっき処理後の導電性メッシュも強度が弱く、もろくなる。
本発明の導電性メッシュは、導電性微粒子がバインダー樹脂によって結着された所定の空隙率を有する導電性微粒子結着体において、露出導電性微粒子の表面にめっき金属が析出し成長して、導電性微粒子間を金属によって連結、被覆、包絡して、導電性微粒子が一体化された構造を形成している。そして、本発明の導電性メッシュにおいて、その構成成分である導電性微粒子、バインダー樹脂、めっき金属の構成比率は、導電性微粒子100質量部に対し、バインダー樹脂が1〜50質量部であることが好ましく、3〜30質量部であることがより好ましく、めっき金属が0.1〜300質量部であることがより好ましく、1〜200質量部であることがより好ましい。バインダー樹脂比率が大きすぎると、導電性微粒子結着体において露出導電性微粒子が少なくなって所望のめっき金属連結体が得られず、バインダー樹脂比率が小さすぎると、導電性メッシュの膜強度が弱くなる。また、めっき金属比率が小さすぎると金属微粒子を十分に連結できないため所望の導電率が得られず、めっき金属比率が大きすぎても導電率は飽和して更に大幅な向上はなく、コスト高となる。
本発明における導電性メッシュのメッシュパターンは、開口部の形状は任意で特に限定されず、例えば、正三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形、六角形、等の多角形、円形、楕円形などであり、それが格子模様、ハニカム模様、ランダム網目模様などのパターンを形成している。
そして、メッシュの線部の幅は5μm〜50μm、ピッチは100〜500μm、開口率は60〜95%であることが光透過性の点から好ましい。
本発明の導電性メッシュの厚みは、所望の導電率と所定の膜強度を確保できる範囲でできるだけ薄い方が、コスト上、さらにはその上への粘着剤貼合時の気泡混入をなくするという観点から好ましい。その厚みは、1〜50μm程度であることが好ましく、1〜20μm程度であることがより好ましい。
〔導電性ペースト〕
本発明の導電性メッシュの製造に用いる導電性ペーストは、バインダー樹脂を溶剤に溶解した溶液に導電性微粒子を均一分散させた、以下のようなものである。
導電性微粒子としては、金、銀、白金、銅、鉄、錫、ニッケル、アルミニウムなどの金属粒子や複合金属粒子、又は黒鉛粒子やカーボンブラックなどの炭素粒子、或いは樹脂粒子の表面にこれらの金属や黒鉛を被覆したものなどが使用できる。これらは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。例えばディスプレイのコントラスト改善を目的として、黒い炭素粒子を金属粒子と混合して用いてもよい。ここで、金、銀、ニッケルなどの金属はパターン印刷直後に通電可能な程度の導電性が発現するが、銅、鉄、アルミニウムなど空気中で酸化されやすい金属はパターン印刷後に電気化学処理や薬品処理などを行うことで通電可能な導電性を発現させることができる。特に銅粉の場合は表面の酸化被膜の抵抗が高く、結着体の抵抗も粒子の酸化被膜同士が接触しているため著しく高い。そのため、薬品処理などで表面の酸化被膜を除去することは必須であるが、この酸化被膜は酸性溶液に浸漬することで容易に除去できるため、塩酸、希硫酸等の酸浴あるいは、酸性のめっき浴などを通過させるだけでよい。この場合、金属析出により銅粉同士が結合されてしまえば、空気酸化による再絶縁化は進行しない。
導電性微粒子の粒子サイズは、ペースト化できる程度に小さいのが好ましく、100μm以下の粒径が好ましいが、メッシュパターンの線幅よりは十分に小さいほうが好ましく、通常は10μm以下であることがより好ましい。また形状は球状、回転楕円体状、多面体状、塊状、鱗片状、円盤状、繊維状ないし針状など特に制限はなく、各種形状、粒径などを持った粒子を適宜混合して用いてもよい。尚、粒径は、球以外の形状の場合は、回転楕円体の場合は最大長径、多面体の場合は外接球の直径、或いは最大の対角線長、繊維状ないし針状の場合は長手方向(長軸方向)の長さ等で評価する。
バインダー樹脂としては、導電性微粒子および透明基材に接着性を有し、めっき液に対して安定した塗膜を保てる樹脂であればよく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
溶剤としては、バインダー樹脂を溶解するものであって、沸点が100〜250℃程度の有機溶剤を用いることができる。沸点が低すぎると、ペースト作製時あるいはパターン印刷時に溶剤が揮散してペースト性状等が変化して不都合が生じ、沸点が高すぎると、印刷後の乾燥に時間がかかりすぎる。
本発明で用いられる導電性ペーストは、空隙率が20〜80%である導電性微粒子結着体を得るために、少なくとも導電性微粒子100質量部に対し、バインダー樹脂が50質量部とからなる固形分60〜90%の導電性ペーストであることが好ましい。
上記のような本発明で用いられる導電性ペーストとしては、FA−333(藤倉化成(株)製)などの市販の銀ペースト、ACP−051((株)アサヒ化学研究所製)などの市販の銅ペーストを用いることもできるが、導電性微粒子結着体の空隙率調整やペーストの塗工適性調整のため、導電性微粒子の形状や粒径を調整したり、結着材比率を調整したり、固形分を調整して使用することが好ましい。またこれらのペーストには、例えばペーストの塗工適性調整、ペーストの安定性改善、導電性微粒子結着体の強度改善や基材との密着改善、導電性微粒子結着体の空隙調整、導電性微粒子結着体の色味調整などの各種目的に応じて、別途フィラーや添加剤を追加したりしてもよい。
なお、フィラーは球状、塊状、鱗片状、円盤状、繊維状などの各種形状から選ぶことができる。フィラーはめっき時に塗膜中に残っていてもよく、めっき時に溶解(分解)して、空隙を形成するようなものでもよい。
〔印刷法〕
導電性ペーストを透明基材上にメッシュパターン状に印刷する印刷法は本発明の効果を特に制限するものではなく、導電性ペーストの性状により適宜選択して用いればよい。
ナノメートルサイズの金属微粒子を用いる場合は一般に導電性ペーストの粘度が低く、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷などが適しており、サブミクロン〜ミクロン程度の金属微粒子を用いる場合は一般に導電性ペーストの粘度が高く、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷やディスペンサーなどが適している。
印刷後、たとえば80〜150℃程度で熱風乾燥して、溶剤を揮散させることで、透明基材上にメッシュパターンに形成された所定の空隙率を有する導電性微粒子結着体を得る。
〔めっき処理〕
上記で得られた、透明基材上にメッシュパターン状に形成された所定の空隙率を有する金属微粒子結着体は、めっき浴に浸漬して、金属を析出させることにより、導電性微粒子がめっき金属により包絡一体化された本発明の導電性メッシュを得ることができる。
めっき浴としては、通常の無電解及び電解めっき浴が使用可能である。使用できるめっき金属としては金、銀、白金、銅、クロム、ニッケルなどが挙げられる。なお、導電性微粒子として金属微粒子を用いる場合、めっき金属と導電性ペースト中の金属微粒子とは、同種の金属であっても、異種の金属であってもよい。
ここで、導電性微粒子結着体の表面への金属析出が優先的に起こってしまうと、結着体内部の空隙へのイオン供給路の入り口が狭くなり、結着体内部で析出するべき金属イオンの供給が不足してしまうため、内部の導電性微粒子同士をつなぐような析出が起こりにくくなる。これを防止するためには、結着体内部での金属析出に消費される金属イオンを、結着体内部に潤沢に供給することが必要であり、めっき液を強く攪拌する、超音波等の刺激を与える、結着体へ新鮮なめっき液を強く吹き付ける、界面活性剤等により結着体内部へのめっき液の浸透性を改善する、結着体の空隙を大きくする、などの方法を例示できる。またこれ以外にも、電解めっきの場合には通電条件を調整することで表面への選択的な析出を抑えることも可能であり、段階的に電流密度を変化させたりする方法や、パルスめっきなどの方法が例示できる。
上記に例示した方法は単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよいが、これらの方法に限定されるものではなく、結果的に結着体内部の導電性微粒子の結合を可能にする方法であればよい。
また、めっきに際しては、必要に応じ、触媒や還元剤による還元性付与処理、活性化処理を施しても良い。これらの処理は、各めっきについて知られている公知の手法に従えばよい。
本発明の無電解めっきの場合、0.1〜5μm程度の厚みの導電性メッシュを得るために、必要なめっき時間は通常5〜150分である。
また、本発明の電解めっきの場合、同じく0.1〜5μm程度の厚みの導電性メッシュを得るために、通常、電流密度は0.1〜5A/dm2、めっき時間は1〜30分である。
めっき処理後、水洗い、乾燥することにより、本発明の電磁波シールド部材が得られる。
なお、めっき後の導電性メッシュパターンが大気中で錆び易い材料を含む場合は、必要に応じて防錆処理を行ってもよい。またディスプレイのコントラスト改善のため、更に着色処理を行ってもよい。
防錆処理としては、例えば、クロメート処理、アクリル樹脂等の酸素や水蒸気に対して適度の遮断性を有する樹脂膜の塗工等公知の材料、及び処理方法が適用できる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
100μm厚、500mm×500mmの大きさの2軸延伸PET基材上に、シルクスクリーン印刷法にて、バイロン200(東洋紡績(株)製)(ポリエステル系のバインダー樹脂)5質量部をDBE(デュポン社製;二塩基酸エステル)(溶剤)27.5質量部に溶解させた溶液に粒径5μmの銀粉67.5質量部を均一分散させた導電性ペーストを、格子状パターンに印刷した。このものを120℃で熱風乾燥してDBEを揮散させ、PET基材上に、線幅30μm、ピッチ150μm、厚み15μmの格子状パターンで空隙率が41%(水銀ポロシメーター((株)島津製作所製オートポアIV9520)にて測定)の金属微粒子結着体が形成された中間部材を得た。次いで、このものを奥野製薬工業(株)製無電解銅めっき液(ATSアドカッパーIW)中に含浸し、5分間めっきを行った。水洗い、乾燥して得た電磁波シールド部材の導電性メッシュの厚みは15μm、表面抵抗は0.02Ω/□であった。なお、導電性メッシュ中、めっき銅は、銀粉100質量部に対し1.5質量部の割合で存在した。
得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュにセロテープ(登録商標)剥離試験(JIS H8504)を行ったところ、導電性メッシュ層の凝集破壊はなかった。
実施例2
バイロン200(バインダー樹脂)9質量部をDBE(溶剤)15質量部に溶解させた溶液に粒径1μmの銀粉76質量部を均一分散させた導電性ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行って電磁波シールド部材を作製した。ここで、金属微粒子結着体の空隙率は20%であった。また、得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュの厚みは15μm、表面抵抗は0.4Ω/□であり、導電性メッシュ中、めっき銅は、銀粉100質量部に対し1.6質量部の割合で存在した。
得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュにセロテープ(登録商標)剥離試験を行ったところ、導電性メッシュ層の凝集破壊はなかった。
実施例3
バイロン200(バインダー樹脂)1質量部をDBE(溶剤)22質量部に溶解させた溶液に粒径3μmの銀粉99質量部を均一分散させた導電性ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行って電磁波シールド部材を作製した。ここで、金属微粒子結着体の空隙率は75%であった。また、得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュの厚みは15μm、表面抵抗は5Ω/□であり、導電性メッシュ中、めっき銅は、銀粉100質量部に対し1.1質量部の割合で存在した。
得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュにセロテープ(登録商標)剥離試験を行ったところ、導電性メッシュ層の凝集破壊はなかった。
比較例1
バイロン200(バインダー樹脂)30質量部をDBE(溶剤)20質量部に溶解させた溶液に粒径1μmの銀粉50質量部を均一分散させた導電性ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行って電磁波シールド部材を作製した。ここで、金属微粒子結着体の空隙率は4%であった。また、得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュの厚みは15μm、表面抵抗は157Ω/□であり、導電性メッシュ中、めっき銅は、銀粉100質量部に対し0.03質量部の割合で存在した。
得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュにセロテープ(登録商標)剥離試験を行ったところ、導電性メッシュ層の凝集破壊はなかった。
比較例2
バイロン200(バインダー樹脂)1質量部をDBE(溶剤)200質量部に溶解させた溶液に粒径3μmの銀粉199質量部を均一分散させた導電性ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行って電磁波シールド部材を作製した。ここで、金属微粒子結着体の空隙率は83%であった。また、得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュの厚みは15μm、表面抵抗は83Ω/□であり、導電性メッシュ中、めっき銅は、銀粉100質量部に対し0.5質量部の割合で存在した。
得られた電磁波シールド部材の導電性メッシュにセロテープ(登録商標)剥離試験を行ったところ、導電性メッシュ層の凝集破壊が発生した。

Claims (5)

  1. 透明基材上に導電性材料をメッシュパターン状に形成した電磁波シールド部材であって、該導電性材料が、導電性微粒子をバインダー樹脂によって結着した空隙率が20〜80%の導電性微粒子結着体において、めっき金属が前記導電性微粒子間を連結しているものであり、その表面抵抗値が10Ω/□以下であることを特徴とする電磁波シールド部材。
  2. 導電性微粒子が、金、銀、銅、鉄、ニッケル、又はアルミニウムの金属微粒子であり、めっき金属が、金、銀、銅、クロム、又はニッケルである請求項1に記載の電磁波シールド部材。
  3. 導電性材料が、導電性微粒子100質量部に対し、バインダー樹脂が1〜50質量部、めっき金属が0.1〜300質量部で構成されている請求項1又は2に記載の電磁波シールド部材。
  4. 透明基材上に、印刷法を用いて、導電性微粒子を樹脂バインダーによって結着した空隙率が20〜80%の導電性微粒子結着体をメッシュパターン状に形成し、このものをめっき処理することを特徴とする電磁波シールド部材の製造方法。
  5. 印刷法が、透明基材上に、少なくとも導電性微粒子としての金属微粒子100質量部に対し、バインダー樹脂が1〜50質量部とからなる固形分60〜90%の金属ペーストを用いて印刷し、溶剤を乾燥するものである請求項4に記載の電磁波シールド部材の製造方法。
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