JP2019121740A - プリント配線板製造方法 - Google Patents

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茉紀 池邉
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Abstract

【課題】余分なシード層の除去時に配線が浸食されにくいプリント配線板製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係るプリント配線板製造方法は、絶縁性を有する基材層の少なくとも一方の面側にセミアディティブ法により導電パターンを積層するプリント配線板の製造方法であって、基材層の上面に導電性を有するシード層を積層するシード層積層工程と、上記シード層の上面にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記シード層の上面に電気めっきによりめっき金属層を積層する電気めっき工程と、上記めっき金属層の上面に保護層を積層する保護層積層工程と、上記レジストパターンを剥離するレジストパターン剥離工程と、上記めっき金属層から露出する上記シード層を剥離するシード層剥離工程とを備え、上記保護層を上記レジストパターン剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を有する材料で形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板製造方法に関する。
プリント配線板は、一般に、絶縁性を有する基材層と、この基材層に積層される金属製の配線パターンとを備える。このようなプリント配線板を製造する方法としては、例えばサブトラクティブ法、フルアディティブ法、セミアディティブ法等が知られている。近年、配線パターンの高密度化への要求が大きくなっており、上記プリント配線板製造方法の中でも、配線パターンの高密度化が可能なセミアディティブ法が注目されている。
セミアディティブ法によれば、例えば特開2010−272837号公報に記載されているように、先ず、基材層の上面に導電性を有する薄いシード層を積層してから、このシード層の上面に所望の配線パターンと同形状の開口を有するレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンの開口内に露出するシード層に電気メッキにより金属を積層することで配線パターンを形成する。その後、レジストパターンを剥離してから、エッチングによりシード層のレジストパターンに被覆されていた部分を除去することでプリント配線板を得る。
特開2010−272837号公報
従来のセミアディティブ法では、シード層のレジストパターンに被覆されていた部分を除去する際に、配線パターンの表面も同時に浸食され得る。配線幅にもよるが、例えば配線幅が10μm程度であれば、シード層の除去時に配線幅が約10%、高さが約25%程度減少する。このため、このシード層の除去時の浸食を見込んでレジストパターンの開口を大きくする等の対策がなされる。
このようなシード層除去時の配線幅減少のため、従来のセミアディティブ法では、最終製品における配線間隔(スペース)を小さくすることに限界があり、配線密度が制約される。また、シード層除去時に配線が浸食されるため、配線の表面が平坦でなくなりやすい。このため、配線パターンへの表面実装性が低下するという不都合も生じ得る。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、余分なシード層の除去時に配線が浸食されにくいプリント配線板製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るプリント配線板製造方法は、絶縁性を有する基材層の少なくとも一方の面側にセミアディティブ法により導電パターンを積層するプリント配線板の製造方法であって、基材層の上面に導電性を有するシード層を積層するシード層積層工程と、上記シード層の上面にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記シード層の上面に電気めっきによりめっき金属層を積層する電気めっき工程と、上記めっき金属層の上面に保護層を積層する保護層積層工程と、上記レジストパターンを剥離するレジストパターン剥離工程と、上記めっき金属層から露出する上記シード層を剥離するシード層剥離工程とを備え、上記保護層を上記レジストパターン剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を有する材料で形成する方法である。
本発明の一態様に係るプリント配線板製造方法は、余分なシード層の除去時に配線が浸食されにくい。
図1は、本発明の一実施形態のプリント配線板製造方法によって製造されるプリント配線板の模式的断面図である。 図2は、本発明の一実施形態のプリント配線板製造方法の手順を示すフローチャートである。 図3は、図2のプリント配線板製造方法の導電層積層工程を示す模式的断面図である。 図4は、図2のプリント配線板製造方法のレジストパターン形成工程を示す模式的断面図である。 図5は、図2のプリント配線板製造方法の電気めっき工程を示す模式的断面図である。 図6は、図2のプリント配線板製造方法の保護層積層工程を示す模式的断面図である。 図7は、図2のプリント配線板製造方法のレジストパターン剥離工程を示す模式的断面図である。 図8は、図2のプリント配線板製造方法の密着層剥離工程を示す模式的断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係るプリント配線板製造方法は、絶縁性を有する基材層の少なくとも一方の面側にセミアディティブ法により導電パターンを積層するプリント配線板の製造方法であって、基材層の上面に導電性を有するシード層を積層するシード層積層工程と、上記シード層の上面にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、上記レジストパターンから露出する上記シード層の上面に電気めっきによりめっき金属層を積層する電気めっき工程と、上記めっき金属層の上面に保護層を積層する保護層積層工程と、上記レジストパターンを剥離するレジストパターン剥離工程と、上記めっき金属層から露出する上記シード層を剥離するシード層剥離工程とを備え、上記保護層を上記レジストパターン剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を有する材料で形成する。
当該プリント配線板製造方法は、上記導電パターンの上面に上記レジストパターン剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を有する材料により上記保護層を形成する上記保護層積層工程を備えるので、上記シード層剥離工程において、保護層がめっき金属層の浸食を抑制する。このため、当該プリント配線板製造方法は、より配線密度が大きい導電パターンを形成することができる。また、当該プリント配線板製造方法は、保護層によってめっき金属層の上面の浸食を防止するので、導電パターンの上面の平滑性が高く、電子部品等を実装しやすいプリント配線板を製造することができる。
当該プリント配線板製造方法において、上記シード層積層工程が、基材層の上面に密着性を向上する密着層を積層する密着層積層工程と、上記密着層の上面に上記めっき金属層と同種の金属から形成される導電層を積層する導電層積層工程とを有し、上記シード層剥離工程が、上記導電層を剥離する導電層剥離工程と、上記密着層を剥離する密着層剥離工程とを有し、上記保護層が、上記導電層剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を有し、上記密着層剥離工程で用いる剥離液に溶解する材料によって形成されてもよい。この方法によれば、上記密着層により基材層と導電パターンとの密着性が向上することができる。また、この方法によれば、上記密着層剥離工程で保護層を除去することができるので、導電パターンに対する実装性をより向上することができる。
当該プリント配線板製造方法において、上記導電層積層工程が、金属微粒子を分散した金属微粒子分散液を塗工する塗工工程と、上記金属微粒子分散液の塗膜を焼結する焼結工程とを含んでもよい。この方法によれば、導電性に優れる導電層を真空設備等を用いずに比較的容易に形成することができるので、プリント配線板を比較的安価に製造することができる。
当該プリント配線板製造方法において、上記密着層をスパッタリングにより積層してもよい。このように、上記密着層をスパッタリングにより積層することによって、上記基材層に対する密着力がより大きい密着層を形成することができる。
当該プリント配線板製造方法において、上記保護層を電気めっきにより積層してもよい。このように、上記保護層を電気めっきにより積層することによって、金属層の浸食を抑制できる保護層を比較的容易に形成することができる。
当該プリント配線板製造方法において、上記密着層がニッケル−クロム合金により形成されてもよい。このように、上記密着層がニッケル−クロム合金により形成されることによって、上記密着層の上記基材層に対する密着力をより大きくすることができる。
当該プリント配線板製造方法において、上記保護層がニッケルにより形成されてもよい。このように、上記保護層がニッケルにより形成されることによって、上記保護層を上記ニッケル−クロム合金により形成される密着層と共に剥離することが容易となる。
当該プリント配線板製造方法において、上記めっき金属層が銅により形成され、上記導電層剥離工程で用いる剥離液が硫酸−過酸化水素水溶液であってもよい。このように、上記めっき金属層が銅により形成され、上記導電層剥離工程で用いる剥離液が硫酸−過酸化水素水溶液であることによって、この剥離液に対して耐性を有する保護層の選択が容易となる。
ここで、「上面」とは、プリント配線板において基材層の厚さ方向中心から見て、厚さ方向外側の面を意味し、プリント配線板の製造又は使用時における上下関係を限定するものではない。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係るプリント配線板製造方法の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
本発明の一実施形態に係るプリント配線板製造方法は、図1に示すように、絶縁性を有する基材層1と、この基材層1の少なくとも一方の面側に積層される導電パターン2とを備えるプリント配線板Pをセミアディティブ法により製造する方法である。
当該プリント配線板製造方法によって製造されるプリント配線板Pにおいて、導電パターン2は、基材層1の上面に積層されるシード層3と、このシード層の上面に積層されるめっき金属層4とを備える。
上記シード層3は、基材層1の上面に積層され、基材層1と導電パターン2との密着性(剥離強度)を向上する密着層5と、この密着層の上面に積層され、めっき金属層4と同種の金属から形成される導電層6とを有する構成とすることができる。
また、プリント配線板Pは、めっき金属層4の上面に保護層7を有してもよい。
図2に、当該プリント配線板製造方法の手順を示す。当該プリント配線板製造方法は、基材層1の上面に導電性を有するシード層3を形成するシード層積層工程<ステップS1>と、シード層3の上面にレジストパターンRを形成するレジストパターン形成工程<ステップS2>と、レジストパターンRから露出するシード層3の上面に電気めっきによりめっき金属層4を積層する電気めっき工程<ステップS3>と、めっき金属層4の上面に保護層7を積層する保護層積層工程<ステップS4>と、レジストパターンRを剥離するレジストパターン剥離工程<ステップS5>と、めっき金属層4から露出するシード層3を剥離するシード層剥離工程<ステップS6>とを備える。
ステップS1のシード層積層工程は、密着層5を積層する密着層積層工程(ステップS11)と、密着層5の上面に導電層6を積層する導電層積層工程(ステップS12)とを有することが好ましい。
また、ステップS6のシード層剥離工程は、導電層6を剥離する導電層剥離工程(ステップS61)と、密着層5を剥離する密着層剥離工程(ステップS62)とを有することが好ましい。
<シード層積層工程>
ステップS1のシード層積層工程では、ステップS3の電気めっき工程において被着体(カソード)となる薄いシード層3を形成する。
基材層1としては、絶縁性を有するフィルム状又は板状の材料が使用される。基材層1の材料としては、例えばポリイミド、液晶ポリマー、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の可撓性を有する樹脂、紙フェノール、紙エポキシ、ガラスコンポジット、ガラスエポキシ、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス基材等のリジッド材、硬質材料と軟質材料とを複合したリジッドフレキシブル材などを用いることができる。中でも基材層1の材料としては、可撓性を有する樹脂が好ましく、機械的強度に優れ、かつ導電パターン2の剥離強度を大きくできることからポリイミドが特に好ましい。また、基材層1は、多孔化されたものでもよく、充填材、添加剤等を含んでもよい。
基材層1の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、12μmがより好ましい。一方、基材層1の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1.6mmがより好ましい。基材層1の平均厚さが上記下限に満たない場合、基材層1の強度が不十分となるおそれがある。一方、基材層1の平均厚さが上記上限を超える場合、プリント配線板Pの可撓性が不十分となるおそれがある。
基材層1は、表面が例えばアルカリ処理、エネルギー線照射等によって改質されてもよい。
(密着層積層工程)
ステップS11の密着層積層工程では、図3に示すように、基材層1の上面に、基材層1及び導電層6に対して密着性が高く、薄い密着層5を積層する。
密着層5の積層方法としては、例えば無電解めっき、スパッタリング、蒸着、カップリング剤塗布等を挙げることができるが、中でも特に密着性に優れる密着層5を形成することができるスパッタリングが好ましい。
密着層5の材質としては、ニッケルを主成分とする金属、中でも密着力が大きいニッケル−クロム合金が好ましい。
密着層5の平均厚さの下限としては、0.05μmが好ましく、0.10μmがより好ましい。一方、密着層5の平均厚さの上限としては、0.35μmが好ましく、0.25μmがより好ましい。密着層5の平均厚さが上記下限に満たない場合、十分な密着力を発現できないおそれがある。一方、密着層5の平均厚さが上記上限を超える場合、不必要に製造コストが増大するおそれがある。
(導電層積層工程)
ステップS12の導電層積層工程では、図4に示すように、密着層5の上面に、ステップS3の電気めっき工程でカソードとして十分な電流を流すことができる程度の導電性を有する導電層6を積層する。
導電層6は、電気めっき層4との密着力を向上することができ、得られるプリント配線板Pにおいて電気めっき層4と一体となって導電パターン2の配線を構成し得るよう、電気めっき層4と同種の金属から形成されることが好ましい。導電層6の材質としては、例えば銅、銀、白金、ニッケル等の金属を挙げることができ、中でも電気抵抗が小さく安価な銅が好ましい。
積層する導電層6の平均厚さの下限としては、50nmが好ましく、100nmがより好ましい。一方、導電層6の平均厚さの上限としては、2μmが好ましく、1.5μmがより好ましい。導電層6の平均厚さが上記下限に満たない場合、導電層6の導電性が不十分となり、その上に積層されるめっき金属層4の上面を平滑にできなくなるおそれがある。一方、金属微粒子分散液の塗布、乾燥及び焼結により形成される導電層6の平均厚さが上記上限を超える場合、ステップS6のシード層剥離工程におけるめっき金属層4の浸食が不必要に大きくなるおそれがある。
導電層6の積層方法としては、無電解めっき、金属微粒子を分散した金属微粒子分散液の塗布、乾燥及び焼結、スパッタリング、蒸着等を挙げることができる。中でも、導電層6の積層方法としては、比較的容易且つ安価に導電性を確保できる十分な厚さを有する導電層6を形成することができる金属微粒子分散液の塗布、乾燥及び焼結による方法が好適に採用される。
上記金属微粒子分散液としては、導電層を形成する金属の粒子と、この金属微粒子の分散媒と、この分散媒中に金属微粒子を均一に分散させる分散剤とを含むものが好適に使用される。このように均一に金属微粒子が分散する金属微粒子分散液を用いることで、密着層5の上面に金属微粒子を均一に付着させることができ、均一な導電層6を形成することができる。
金属微粒子分散液中の金属微粒子の平均径の下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましい。一方、金属微粒子分散液中の金属微粒子の平均径の上限としては、200nmが好ましく、150nmが好ましい。上記金属微粒子の平均粒子径が上記下限に満たない場合、金属微粒子を溶媒に均等に分散させることが容易でなくなるおそれがある。一方、上記金属微粒子の平均粒子径が上記上限を超える場合、形成される導電層6中の空隙が大きくなり、十分な導電性が得られないおそれがある。なお、「平均径」とは、走査型電子顕微鏡により撮影した画像において粒子100個以上をカウントして求められる体積中心径D50である。
金属微粒子分散液の分散媒としては、水、高極性溶媒の1種又は2種以上を混合したものが使用され、中でも水及び水と相溶する高極性溶媒を混合したものが特に好適に利用される。上記高極性溶媒としては、乾燥時に短時間で蒸発し得る揮発性有機溶媒を用いることが好ましい。
金属微粒子分散液における上記全分散媒の含有量の下限としては、金属微粒子100質量部あたり100質量部が好ましく、400質量部がより好ましい。一方、金属微粒子分散液における上記全分散媒の含有量の上限としては、金属微粒子100質量部あたり3000質量部が好ましく、1000質量部がより好ましい。金属微粒子分散液における上記全分散媒の含有量が上記下限に満たない場合、金属微粒子分散液の粘度が高くなり、密着層の上面への塗工が困難となるおそれがある。また、金属微粒子分散液における上記全分散媒の含有量が上記上限を超える場合、金属微粒子分散液の粘度が小さくなり、十分な厚さの塗膜を形成できないおそれがある。
上記金属微粒子分散液を密着層5の上面に塗工する方法としては、例えばスピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ダイコート法、スリットコート法、ロールコート法、ディップコート法等の従来公知の塗工方法を用いることができる。また、例えばスクリーン印刷、ディスペンサ等により部分的に金属微粒子分散液を塗工するようにしてもよい。
上記金属微粒子分散液の塗膜の乾燥は、短時間で行うほど、塗膜を焼結して得られる導電層6の空隙率を小さくすることができる。このため、加熱又は送風によって、金属微粒子分散液の乾燥を促進することが好ましく、金属微粒子分散液の塗膜に温風を吹き付けることによって塗膜を乾燥することがより好ましい。温風の温度としては、金属微粒子分散液の溶媒を沸騰させない程度とすることが好ましい。具体的な温風の温度としては、例えば30℃以上80℃以下とすることができる。また、温風の風速としては、塗膜を波立たせない程度とすることが好ましい。具体的な温風の塗膜表面での風速としては、例えば5m/s以上10m/s以下とすることができる。また、金属微粒子分散液の乾燥時間を短くするために、溶媒の沸点が低い金属微粒子分散液を用いてもよい。
乾燥した金属微粒子分散液の塗膜を加熱することによって、金属微粒子分散液の中の分散剤や各種添加剤が蒸発又は熱分解し、残る金属微粒子が焼結されて導電層6が形成される。
金属微粒子分散液の塗膜を焼結する際の加熱温度は、金属微粒子の材質等によって適宜選択されるが、例えば150℃以上500℃以下とされる。
<レジストパターン形成工程>
ステップS2のレジストパターン形成工程では、図4に示すように、シード層3の上面にレジスト膜を積層し、フォトリソグラフィ技術により、形成しようとする導電パターン2の平面形状に対応する開口を形成することによって、レジストパターンRを形成する。
レジスト膜の積層方法としては、例えば液状のレジスト組成物を塗工及び乾燥する方法、シート状のレジスト組成物(ドライフィルム)を熱圧着する方法等を挙げることができる。このようなレジスト膜の材料としては、例えばアクリル樹脂を主成分とするもの等、めっき用レジスト材料として市販されているものを使用することができる。
レジストパターンRは、形成しようとするめっき金属層4及び保護層7の合計厚さより大きい厚さに形成される。
レジストパターンRの開口のうち、導電パターン2における密集配線部の各配線に対応する開口の平均幅の下限としては、5μmが好ましく、6μmがより好ましい。一方、上記開口の平均幅の上限としては、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。上記開口の平均幅が上記下限に満たない場合、形成される導電パターンの配線が断線しやすくなるおそれがある。一方、上記開口の平均幅が上記上限を超える場合、配線幅が大きく、ステップS6のシード層剥離工程でめっき金属層4が浸食されても問題が生じないため、当該プリント配線板製造方法を適用する優位性がなく、コスト増大のみを生じる結果となるおそれがある。
レジストパターンRの導電パターン2における密集配線部の各配線に対応する開口間隔の平均間隔の下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、上記開口の平均間隔の上限としては、30μmが好ましく、20μmがより好ましい。上記開口の平均間隔が上記下限に満たない場合、形成される導電パターンの配線間が短絡しやすくなるおそれがある。一方、上記開口の平均間隔が上記上限を超える場合、シード層剥離工程におけるめっき金属層4の浸食を考慮して開口幅を大きくする従来の方法に対して当該プリント配線板製造方法を適用する優位性がなく、コスト増大のみを生じる結果となるおそれがある。
<電気めっき工程>
ステップS3の電気めっき工程では、シード層3をカソードとして電気めっきを行うことにより、図5に示すように、レジストパターンから露出するシード層3の上面にめっき金属層4を積層する。
めっきにより積層する金属としては、例えば銅、銀、白金、ニッケル等を挙げることができ、中でも電気抵抗が小さく安価な銅が好ましい。また、めっきにより積層する金属は、導電層6と一体化できるよう、導電層6を形成する金属と同種の金属であることが好ましい。従って、導電層6及びめっき金属層4は、銅から形成されることが好ましい。
電気めっき工程で使用するめっき液としては、特に限定されるものではなく、例えば硫酸銅、ピロリン酸銅等を含む公知の銅めっき液などを用いることができる。
<保護層積層工程>
ステップS4の保護層積層工程では、図6に示すように、めっき金属層4の上面に保護層7を形成する。また、保護層7を形成する材料は、レジストパターン剥離工程で用いる剥離液に対する耐性及びステップS61の導電層剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を併せ持つ材料が好ましく、ステップS62の密着層剥離工程で用いる剥離液に溶解する材料によって形成してもよい。
保護層7を形成する材料としては、例えばニッケル、クロム、錫、亜鉛、マグネシウム、金、銀等の金属、各種樹脂等を用いることができる。中でも、保護層7は、密着層5を形成する金属と同種の金属によって形成することが好ましい。具体的には、密着層5がニッケル−クロム合金から形成される場合、保護層7はニッケルによって形成することが好ましい。
保護層7の形成方法としては、保護層7の材質にもよるが、例えば無電解めっき、電気めっき等を採用することができ、中でも、容易且つ安価に保護層7を形成することができる点で電気めっきが好ましい。
保護層7を形成する電気めっきは、例えばカーボンから形成されアノードとなる芯材にフェルトを巻き付け、このフェルトにめっき液を含浸させたものをめっき金属層4の上面に密着させて通電することによって行ってもよい。このような方法を採用することで、所望の領域に選択的に保護層7を積層することができる。
例として、保護層7をニッケル電気めっきにより形成する場合、めっき液としては、例えば硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケル及びホウ酸を含むワット浴等を用いることができる。
保護層7を形成する電気めっきにおける電流密度としては、例えば0.5ASD以上1.0ASD以下とすることができる。めっき液の液温としては、例えば50度程度とすることができる。めっき時間としては、例えば1分以上10分以下とすることができる。
保護層7の厚さは、めっき金属層4の上面を完全に被覆できるよう選択される。電気めっきにより保護層7を形成する場合、保護層7の平均厚さの下限としては、0.3μmが好ましく、0.5μmがより好ましい。一方、保護層7の平均厚さの上限としては、3.0μmが好ましく、2.0μmがより好ましい。保護層7の平均厚さが上記下限に満たない場合、保護層7にピンホールが生じてめっき金属層4の上面の浸食を防止できないおそれがある。一方、保護層7の平均厚さが上記上限を超える場合、保護層7を除去することが困難となり、得られるプリント配線板の実装性が不十分となるおそれがある。
<レジストパターン剥離工程>
ステップS5のレジストパターン剥離工程では、図7に示すように、レジスト剥離液を用いてレジストパターンRを溶解して除去する。
レジスト剥離液としては、レジストパターンRを溶解するが、基材層1、密着層5、導電層6、めっき金属層4及び保護層7を溶解しないものが用いられる。このようなレジスト剥離液としては、例えば2−アミンエタノール、水酸化テトラメチルアンモニウム、有機酸等を主成分とする公知の剥離液を用いることができる。
<シード層剥離工程>
ステップS6のシード層剥離工程では、先ず、ステップS61の導電層剥離工程において、剥離液により露出した導電層6を溶解して除去する。次に、ステップS62の密着層剥離工程において、剥離液により露出した密着層5を溶解して除去する。この密着層剥離工程では、密着層5と共に保護層7を溶解して除去してもよい。
(導電層剥離工程)
ステップS61の導電層剥離工程では、図8に示すように、導電層6が露出した領域を除去する。このとき、保護層7を溶解しない剥離液(エッチング液)を用いることによって、めっき金属層4の上面が浸食されることを防止する。これにより、導電層剥離工程におけるめっき金属層4の断面積の減少を抑制すると共に、得られるプリント配線板Pの導電パターン2の上面を平滑にして表面実装性を向上することができる。
この導電層剥離工程で用いる導電層剥離液としては、例えば硫酸−過酸化水素水溶液(ピラニア溶液)を用いることができる。導電層剥離液として硫酸−過酸化水素水溶液を使用することにより、保護層7の材質としてニッケルを使用することができるので、保護層1の形成が容易となる。
上記硫酸−過酸化水素水溶液としては、例えば硫酸濃度が1体積%以上10体積%以下且つ過酸化水素濃度が1体積%以上10体積%以下のものを使用することができる。この硫酸−過酸化水素水溶液の温度としては、例えば20℃以上35℃以下とすることができる。この硫酸−過酸化水素水溶液への浸漬時間としては、例えば1分以上10分以下とすることができる。また、硫酸−過酸化水素水溶液は、溶解した銅の濃度が例えば50g/L程度となるまで使用することができる。
(密着層剥離工程)
ステップS62の密着層剥離工程では、密着層5露出した領域を除去する。このとき、密着層5だけでなく保護層7を溶解することができ、且つめっき金属層4を浸食しない剥離液(エッチング液)を用いることによって、保護層7を同時に除去してめっき金属層4の上面を露出させて、図1のプリント配線板Pを得ることができる。
この密着層剥離工程は、密着層5の表面に形成される酸化皮膜を除去する酸化皮膜除去工程と、酸化皮膜剥離後の密着層5を除去する密着層除去工程とを有してもよい。酸化皮膜を除去してから密着層5を除去することで、密着層5の除去が確実となる。
酸化皮膜除去工程で用いる剥離液としては、例えば塩酸濃度が5体積%以上20体積%以下の塩酸水溶液を用いることができる。また、剥離液は、例えば5体積%以上20体積%以下の硫酸を含んでもよい。この剥離液の温度としては、例えば30℃以上50℃以下とすることができる。また、剥離液への浸漬時間としては、例えば10秒以上120秒以下とすることができる。
密着層除去工程で用いる剥離液としては、例えば塩酸濃度が5体積%以上20体積%以下且つ硫酸濃度が5体積%以上20体積%以下の塩酸−硫酸水溶液を用いることができる。また、剥離液は、密着層5の除去を促進するために、例えば硝酸等の添加剤を含むことが好ましい。この剥離液の温度としては、例えば30℃以上50℃以下とすることができる。また、剥離液への浸漬時間としては、例えば10秒以上120秒以下とすることができる。
<利点>
以上のように、当該プリント配線板製造方法は、導電パターン2(めっき金属層4)の上面にレジストパターン剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を有する材料により保護層7を形成する保護層積層工程を備えるので、保護層7が、シード層剥離工程におけるめっき金属層4の浸食を抑制する。このため、当該プリント配線板製造方法は、より配線密度が大きい導電パターン2を形成することができる。また、当該プリント配線板製造方法は、保護層7によってめっき金属層4の上面の浸食を防止するので、導電パターン2の上面の平滑性が高く、電子部品等を実装しやすいプリント配線板Pを製造することができる。さらに、めっき金属層4の上面に保護層7を形成することで、めっき金属層の側面の浸食も抑制することができるので、シード層剥離工程におけるめっき金属層4の断面積減少を格段に低減することができる。
また、当該プリント配線板製造方法において、密着層剥離工程で密着層5の露出部分と共に保護層7を溶解して除去することによって、導電パターン2の表面の電気的特性や実装性を向上することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該プリント配線板製造方法において、保護層は除去しなくてもよく、表面に電子部品等を実装する領域の保護層だけを選択的に除去してもよい。つまり、保護層は、シード層剥離工程(導電層剥離工程及び密着層剥離工程)において剥離されない材料から形成されてもよい。
当該プリント配線板製造方法において、密着層積層工程は省略してもよい。この場合、密着層剥離工程も省略することができ、密着層剥離工程に替えて保護層を剥離する工程を有してもよい。
当該プリント配線板製造方法においてシード層は、金属箔から形成されてもよく、この場合、シード層積層工程は、基材層の上面に金属箔を接着する工程とすることができる。
本発明は、配線密度が高いプリント配線板を製造するために特に好適に利用することができる。
1 基材層
2 導電パターン
3 シード層
4 めっき金属層
5 密着層
6 導電層
7 保護層
P プリント配線板
R レジストパターン

Claims (8)

  1. 絶縁性を有する基材層の少なくとも一方の面側にセミアディティブ法により導電パターンを積層するプリント配線板の製造方法であって、
    基材層の上面に導電性を有するシード層を積層するシード層積層工程と、
    上記シード層の上面にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    上記レジストパターンから露出する上記シード層の上面に電気めっきによりめっき金属層を積層する電気めっき工程と、
    上記めっき金属層の上面に保護層を積層する保護層積層工程と、
    上記レジストパターンを剥離するレジストパターン剥離工程と、
    上記めっき金属層から露出する上記シード層を剥離するシード層剥離工程と
    を備え、
    上記保護層を上記レジストパターン剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を有する材料で形成するプリント配線板製造方法。
  2. 上記シード層積層工程が、基材層の上面に密着性を向上する密着層を積層する密着層積層工程と、上記密着層の上面に上記めっき金属層と同種の金属から形成される導電層を積層する導電層積層工程とを有し、
    上記シード層剥離工程が、上記導電層を剥離する導電層剥離工程と、上記密着層を剥離する密着層剥離工程とを有し、
    上記保護層が、上記導電層剥離工程で用いる剥離液に対する耐性を有し、上記密着層剥離工程で用いる剥離液に溶解する材料によって形成される請求項1に記載のプリント配線板製造方法。
  3. 上記導電層積層工程が、金属微粒子を分散した金属微粒子分散液を塗工する塗工工程と、上記金属微粒子分散液の塗膜を焼結する焼結工程とを含む請求項2に記載のプリント配線板製造方法。
  4. 上記密着層をスパッタリングにより積層する請求項2又は請求項3に記載のプリント配線板製造方法。
  5. 上記保護層を電気めっきにより積層する請求項2、請求項3又は請求項4に記載のプリント配線板製造方法。
  6. 上記密着層がニッケル−クロム合金により形成される請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のプリント配線板製造方法。
  7. 上記保護層がニッケルにより形成される請求項6に記載のプリント配線板製造方法。
  8. 上記めっき金属層が銅により形成され、上記導電層剥離工程で用いる剥離液が硫酸−過酸化水素水溶液である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプリント配線板製造方法。
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