JP2005109351A - 電磁波遮蔽体およびその製造方法、並びにディスプレイ用前面板 - Google Patents

電磁波遮蔽体およびその製造方法、並びにディスプレイ用前面板 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた電磁波遮蔽性および透光性を有し、かつ、透明基材側から見たときの金属光沢によるギラツキ感が低減された電磁波遮蔽体を提供する。
【解決手段】本発明の電磁波遮蔽体は、透明基材1と、透明基材1の一方の主面を覆う被覆層2と、被覆層2の透明基材側の面の反対面に接して配置された所定形状の金属層4とを含む電磁波遮蔽体であって、被覆層2は、水酸基を有する樹脂を含み、金属層4と被覆層2との界面に、金属層4に含まれる金属と同じ金属の化合物が存在している。上記金属の化合物は、金属酸化物および有機金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁波遮蔽体およびその製造方法、並びにディスプレイ用前面板に関する。
電磁波遮蔽体は、例えば、ディスプレイから漏洩する電磁波を遮蔽するためにディスプレイの前面側に設けられるディスプレイ用前面板等に用いられている。ディスプレイ用前面板に用いられる電磁波遮蔽体には、高い透光性が要求される。従来は、透明基材上に錫ドープ酸化インジウムまたはアンチモンドープ酸化錫等からなる透明導電薄膜が積層された構造の電磁波遮蔽体が用いられていた。しかしながら、透明基材上に透明導電薄膜を積層した構造の電磁波遮蔽体では、透光性については優れるものの高周波数側での電磁波遮蔽性が劣る等の問題があった。
高周波数側でも十分な電磁波遮蔽性が得られる電磁波遮蔽体として、透明基材上に導電性メッシュを配置した構造の電磁波遮蔽体が知られている。この電磁波遮蔽体では、微細なパターン形状をした金属層を備えているため、高い透光性と電磁波遮蔽性とを兼ね備えている。この電磁波遮蔽体は、例えば、透明基材上に金属粒子を含む導電性ペーストをメッシュ状に印刷することにより形成できる。この方法では、導電性ペーストに黒色顔料を含有させることにより、金属光沢によるギラツキ感を低減できる(例えば、特許文献1参照)。
別の製造方法では、まず、図6(a)に示すように透明基材111上にインク受容層112を設け、次に、図6(b)に示すように、インク受容層112にインク113をメッシュ状に塗布し、その後、図6(c)に示すように、無電解メッキ法にてインク113が付着した部分に銅等の金属114を析出させる。インクは、例えば、パラジウム等の貴金属からなる無電解メッキ触媒を含む。この方法では、触媒の他に、黒色顔料をさらに含むインク113をインク受容層112に塗布して、インク受容層112を黒色化することにより、透明基材111側から見た金属光沢によるギラツキ感を低減できる(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−196784号公報 特開2000−311527号公報
しかしながら、透明基材上に導電性ペーストを印刷する方法では、導電性ペーストに含まれる黒色顔料の量が多くなると、黒色顔料は金属よりも抵抗値が高いので、印刷されたパターンの抵抗値が高くなり、電磁波遮蔽性が低下するという問題があった。また、例えば、線幅が30μmの細線をスクリーン印刷にて形成する場合、透明基材は導電性ペーストに含まれる溶媒の受容性が悪いために、導電性ペーストの滲みや切れ等が生じて線幅が太くなり、さらに線の輪郭がぼやけて、結果として透光性の低下を招くといった問題があった。
図6を用いて説明した製造方法においては、まず、透明基材上にインク受容層を設け、インク受容層にインクを塗布した後に、無電解メッキ法にて金属を析出させるので、製造工程が複雑になるという問題がある。さらに、貴金属を含有するインクを多量に使用するのでコスト高であるという問題や、無電解メッキ処理の際に排出されるメッキ廃液の回収等といった環境上の問題を有していた。
本発明の電磁波遮蔽体は、透明基材と、前記透明基材の一方の主面を覆う被覆層と、前記被覆層の前記透明基材側の面の反対面に接して配置され複数の開口部を有する金属層とを備えた電磁波遮蔽体であって、前記被覆層は、水酸基を有する樹脂を含み、前記金属層と前記被覆層との界面に、前記金属層に含まれる金属と同じ金属の化合物が存在していることを特徴とする。
本発明の電磁波遮蔽体の製造方法は、透明基材上に被覆層を形成する工程と、前記被覆層上に、金属の化合物と溶媒とを含むペーストを用いて、所定のパターンを形成する工程と、前記パターンに外部エネルギーを印加する工程とを含み、前記被覆層を、前記溶媒を吸収しうる材料にて形成し、前記材料が水酸基を有する樹脂を含むことを特徴とする。
本発明のディスプレイ用前面板は、透明基板上に、本発明の電磁波遮蔽体が配置されたことを特徴とする。
本発明の電磁波遮蔽体によれば、優れた電磁波遮蔽性および透光性を有し、かつ、透明基材側から見たときの金属光沢によるギラツキ感が低減された電磁波遮蔽体、およびディスプレイ用前面板を提供できる。また、本発明の電磁波遮蔽体の製造方法によれば、優れた電磁波遮蔽性および透光性を有し、かつ、透明基材側から見たときの金属光沢によるギラツキ感が低減された電磁波遮蔽体を製造でき、さらに、複雑な工程は必要なく、環境上の問題等も生じにくい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の電磁波遮蔽体の製造方法を、図1(a)〜(c)を参照しながら説明する。
まず、図1(a)に示すように、透明基材1上に被覆層2を形成し、次に、図1(b)に示すように、被覆層2上にペースト3を用いて所定のパターンを印刷する。ペースト3は、金属の化合物と溶媒とを含んでいる。被覆層2はペースト3に含まれる溶媒を吸収する機能を有しており溶媒の受容性が良いので、ペースト3の滲み等が生じにくくパターンの輪郭がぼやけにくい。
次に、パターンに外部エネルギーを印加する。パターンに外部エネルギーを印加すると、ペースト3に含まれる金属の化合物は還元または分解されて金属へと変化し、金属層4(図1(c)参照)となるが、ペースト3に含まれる金属の化合物のうちの被覆層2と接した金属の化合物については、還元または分解が抑制されているので、金属層4と被覆層2との界面5には金属の化合物が残る。その理由については明らかではないが、被覆層2が水酸基を有する樹脂を含んでいることに起因しているものと思われる。以上のようにして、図1(c)に示すような電磁波遮蔽体を作製できる。
上記の方法によれば、ペースト3に含まれる溶媒を被覆層2が吸収するので、細かいパターンであってもペーストの滲みや切れ等が生じにくく、電磁波遮蔽性や透光性の低下が生じにくくなる。また、パターン3の形成に複雑な工程は必要なく、環境上の問題も生じにくい。さらに、金属層4と被覆層2との界面5に、金属よりも光沢度の低い金属の化合物が残るので、例えば、ペースト3が黒色顔料を含有していなくても、透明基材側から見たときの金属光沢によるギラツキ感を低減できる。このように、本実施の形態の電磁波遮蔽体によれば、優れた電磁波遮蔽性および透光性を有し、かつ、透明基材側から見たときの金属光沢によるギラツキ感が低減された電磁波遮蔽体を容易に作製できる。
尚、本明細書において金属層4は、金属のみからなる場合の他に、ほぼ金属から形成され、僅かに、金属の化合物や、金属の化合物の分解物を含む場合をも含む。また、被覆層2は、必ずしも透明基材1の一方の主面全体を覆っている必要はなく、例えば、透明基材1は、その周縁部において、被覆層2により覆われていない箇所を有していてもよい。
透明基材1の材料は、透明性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等の樹脂をフィルム状またはシート状に加工したものを用いることができる。フィルム状またはシート状への加工方法としては、押し出し成形、カレンダー成形、圧縮成形、射出成形、上記樹脂を溶剤に溶解させてキャスティングする方法等が挙げられる。透明基材1の厚みは10μm〜5mm程度であることが好ましい。尚、透明基材には、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤等の添加剤が添加されていてもよい。
被覆層2は、透明性を有し、ペースト3に含まれる溶媒を吸収する機能を有していれば特に限定されない。被覆層2の構造例としては、例えば、空隙を有しており空隙により溶媒を吸収可能な構造や、溶媒を吸収して膨潤する構造等が挙げられる。尚、本明細書において、膨潤とは、固体が液体を吸収し、その結果体積が増加する現象のことをいう。
まず、空隙を有する被覆層2について説明する。空隙構造は、顔料と少量の高分子バインダーと架橋剤とを用いて容易に形成できる。被覆層2の空隙率は印刷されるペースト3の溶媒含有量等から適宜決定することが好ましいが、空隙率が3%より小さいと溶媒の吸収が速やかに行われず溶媒吸収性が低下し、80%を超えると溶媒吸収性と耐久性との両立が困難となるので、空隙率は3%以上80%以下が望ましい。より好ましくは5%以上70%以下であり、さらには7%以上60%以下が好ましい。尚、本明細書において、空隙率とは、被覆層の全体積に対する被覆層に含まれる空隙の体積百分率である。
顔料としては、アルミニウムの酸化物、シリコンの酸化物、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、アルミナゾル、シリカゾル等の体質顔料等を使用できる。顔料粒子の一次粒子径は、被覆層2の透明性を損なわないために、100nm以下が望ましく、より好ましくは50nm以下であり、さらには20nm以下が好ましい。さらに、製造コストの面から、顔料粒子の一次粒子径は8nm以上であることが好ましい。顔料粒子の形状は、板状、針状、球状、不定形状、中空状、多孔質状等のいかなる形状でもよいが、なかでも、透明性をより一層向上させることが可能な板状が好ましく、さらには、薄板状であることがより好ましい。
高分子バインダーとしては、空隙構造の形成を阻害せず上記顔料が分散可能であって、水酸基を有する樹脂であれば特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリエステルおよびアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種、または2種以上がブレンドされたポリマーブレンドを用いることができる。
架橋剤としては、メラミン系化合物、酸無水物、ポリアミン、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等を用いることができる。
次に、溶媒を吸収して膨潤する構造の被覆層2について説明する。溶媒を吸収して膨潤する構造は、高分子化合物と架橋剤とを用いて容易に形成できる。被覆層2の膨潤による重量変化率(以下、「膨潤率」と言う。)は、印刷されるペースト3の溶媒含有量等から適宜決定することが好ましいが、膨潤率が120%未満であると溶媒吸収能が十分でなく印刷物の滲みや太りが生じるので、120%以上であることが好ましい。製造コストの面からは、膨潤率は500%以下であることが好ましい。尚、膨潤率とは、溶媒吸収前に対する溶媒吸収後の重量変化率である。
高分子化合物としては、水酸基を有する樹脂であれば特に制限はなく、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリエステルおよびアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種、または2種以上がブレンドされたポリマーブレンドを用いることができる。
架橋剤としては、メラミン系化合物、酸無水物、ポリアミン、イソシアネート化合物、エポキシ化合物等を用いることができる。
被覆層2の厚さは、印刷されるペースト3に含まれる溶媒の量から適宜決定することが好ましいが、厚くなりすぎると透明性が損なわれるため20μm以下が望ましい。好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。十分な溶媒吸収性を持たせるために、被覆層2の厚みは少なくとも2μm以上とすることが好ましい。
被覆層2は、850nm以上1100nm以下の波長領域に最大吸収波長を有する化合物を含んでいることが好ましい。被覆層2が上記化合物を含んでいると、波長領域400nm〜850nmの可視光の透過率を大きく低減させることなく、波長領域850nm〜1100nmの近赤外線の透過率を低減させることが可能となる。850nm〜1100nmの波長領域に最大吸収波長を有する化合物としては、アントラキノン系、シアニン系、フタロシアニン系、ジイモニウム系、アミニウム系、ポリメチン系等の化合物が使用できる。このように被覆層2に近赤外線カット機能を付与すれば、本実施の形態の電磁波遮蔽体をプラズマディスプレイ等の電磁波遮蔽フィルターとして好適に用いることができる。
次に、被覆層2を透明基材1上に形成する具体的方法を説明する。空隙を有する被覆層2を形成する場合は、顔料に少量の高分子バインダーと架橋剤とを混合した組成物を、溶媒を吸収して膨潤する被覆層2を形成する場合は、高分子化合物と架橋剤との混合物を材料として、印刷法(グラビア印刷、スクリーン印刷)や塗工法(ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート)にて形成する。透明基材1の被覆層2と対向する面には、必要に応じて被覆層2を形成する前に、易接着処理等の表面処理を施したり、アンカーコート層を設けてもよい。
ペースト3には、金属の化合物と溶媒とが含まれている。金属の化合物としては、例えば、金属酸化物および有機金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、外部からエネルギーを印加することにより容易に還元または分解して、導電性が発現または向上する材料であることを要する。金属酸化物としては、例えば、酸化金および酸化銀かなる群から選ばれる少なくとも1種を使用できる。なかでも、酸化銀は、自己還元性を有しているので好ましい。有機金属化合物としては、比較的分子量が小さく分解温度の低い有機金属化合物が好ましく、例えば、酢酸銀およびクエン酸銀からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。ペースト3は、還元剤をさらに含んでいてもよいし、ペースト3と被覆層2との密着や、ペースト3の流動性を向上させるために、電気抵抗を増加させない量のバインダー、チキソトロピック剤、レベリング剤等を含んでいてもよい。尚、還元剤を添加しなくても金属酸化物が還元可能である場合、例えば、加熱(外部エネルギー)により自己還元可能な場合、ペースト3は、還元剤を含まなくてもよい。
金属の化合物の大きさは、ナノオーダーサイズ(5〜60nm)であることが好ましい。なかでも、ナノオーダーサイズの金属酸化物と有機金属化合物とを併用したペースト3を使用することが好ましい。細線(線幅5μm〜30μm)の印刷が可能であることのみならず、還元剤の種類や有機金属化合物の構造を適宜選択すれば、印加する外部エネルギーを小さくしても、金属酸化物の還元、および有機金属化合物の分解が十分に促進され、金属間の融着も十分に促進されるので、透明基材1および被覆層2へおよぶ外部エネルギーによるダメージを抑制でき、かつ、低抵抗の金属層4を作製できる。
ペースト3に含まれる溶媒は、印刷方式やペーストの粘度の調整方法等に応じて適宜決定されるが、例えば、ジエチレングリコール、カルビトール、プロピレングリコール、テルピネオール等の高沸点溶媒を用いることができる。ペースト3の粘度は、印刷方式に応じて適宜設定されるが、通常、5mPa・s以上20000mPa・s以下が好ましい。
ペースト3にて形成されたパターンに印加される外部エネルギーとしては、熱、電磁波、超音波、および電子線から選択される少なくとも一種を用いることができるが、なかでも、熱が生産上好ましい。大がかりな装置が不要で、乾燥機等を用いてパターンに外部エネルギー(熱)を印加できる。印加される外部エネルギーが熱である場合、外部エネルギーの印加は大気中にて行うことが好ましい。上記パターンを大気中にて加熱すれば、加熱温度が130〜150℃と比較的低くても、金属酸化物から金属への還元、有機金属化合物から金属への分解が促進され、かつ金属間の融着が促進される。したがって、透明基材1として、可撓性を有するフィルムを用いることができる。
ペースト3を用いて被覆層2上に形成されるパターンとしては、同一の形状が連続して配置されたパターンであることが好ましい。パターンとしては、例えば、正方形や長方形が複数描かれた格子模様や、三角形、平行四辺形、菱形、台形等の四角形、六角形、八角形、十二角形、円、楕円、三つ葉形、花びら形、星形等の形状が複数描かれた模様等が挙げられる。
ペースト3を所定のパターンに印刷した時の線幅は、3μm以上50μm以下であることが好ましい。線幅が3μm以上50μm以下であると、十分な電磁波遮蔽性と、十分な透光性とを両立できる。また、溶媒除去後のペースト厚みが20μm以下であると、さらに十分な電磁波遮蔽性が得られ好ましい。コストの面からも20μm以下が適当である。溶媒除去後のペースト厚みの下限は、表面電気抵抗値が十分に低い値となるよう、2μm以上であることが好ましい。パターンが格子模様である場合は、線間隔(格子間隔)を50μm以上2000μm以下とすることが好ましい。線間隔(格子間隔)が50μm以上2000μm以下であると、十分な電磁波遮蔽効果と十分な透光性とを両立できる。
パターン3の形成は、公知の印刷方法、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷等の印刷方法にて行える。
図1では、パターンを描く線の横断面は矩形であるが、図2(a)(b)に示すように、半円形状や三角形状等であってもよい。図2(a)(b)に示すように、高さが中央部から両端部にかけて低くなった横断面を有する線によりパターンが形成されていると、電磁波遮蔽体をディスプレイ用の前面板として用いた場合に、斜めから見た場合であっても良好な視認性を実現できる。
次に、上述した本実施の形態の電磁波遮蔽体の製造方法により作製された電磁波遮蔽体について説明する。図1(c)は、本実施の形態の電磁波遮蔽体の断面図であり、図3は、本実施の形態の電磁波遮蔽体の平面図である。
図1(c)および図3に示すように、本実施の形態の電磁波遮蔽体は、透明基材1と、透明基材1の一方の主面を覆う被覆層2と、被覆層2の透明基材側の面の反対面に接して配置され複数の開口部4aを有する金属層4とを備え、被覆層2は、水酸基を有する樹脂を含み、金属層4と被覆層2との界面に、金属層4に含まれる金属と同じ金属の化合物が存在している。
本実施の形態の電磁波遮蔽体では、複数の開口部4aを有する金属層4を備えているので、高い透光性と電磁波遮蔽性とを兼ね備えている。また、金属層4と被覆層2との界面5に金属よりも光沢度の低い金属の化合物が存在しているので、例えば、ペースト3(図1(b)参照)に黒色顔料を添加しなくても、透明基材1側から見たときの金属光沢によるギラツキ感が抑制されている。
被覆層2は、外部エネルギー印加前後において、その構造、形態、材料等の変化はない。したがって、被覆層2は、例えば、空隙構造を有しており、空隙率は3%以上80%以下である。また、被覆層2は、例えば、金属の化合物と溶媒とを含むペーストを塗布した時に上記溶媒を吸収して膨潤する材料から形成されており、膨潤による重量変化率は120%以上である。
金属層4と被覆層2との界面に存在する金属の化合物は、本実施の形態の電磁波遮蔽体の製造過程において、ペースト3(図1(b)参照)に含まれる金属の化合物(金属酸化物、有機金属化合物)のうちの被覆層2と接していた金属の化合物である。したがって、金属酸化物は、例えば、酸化金および酸化銀からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、有機金属化合物は、例えば、酢酸銀およびクエン酸銀からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
金属層4は、ペースト3に外部エネルギーを印加することによって形成され、ペースト3にて形成されたパターンの線幅は、パターン形成直後と外部エネルギー印加後とで、ほとんと変化は見られない。したがって、金属層は、例えば、線幅3μm以上50μm以下、厚み20μm以下の線により形成されており、所定のパターンが格子状パターンの場合は、格子間隔が50μm以上2000μm以下である。
本実施の形態の電磁波遮蔽体は、波長850nm以上1100nm以下の全領域において分光透過率が0.1%以上20%以下であることが好ましい。これを実現する手段としては、例えば、被覆層2に、850nm以上1100nm以下の波長領域に最大吸収波長を有する化合物を添加する方法が挙げられる。これにより、被覆層2に近赤外線を吸収する機能を付加することができる。
(実施の形態2)
図4は、実施の形態1の電磁波遮蔽体が設けられたディスプレイ用の前面板11の断面図である。この前面板11は、強化ガラス等の透明基板12の一方面に本発明の電磁波遮蔽体13が配置され、他方面に反射防止膜14が配置された構成である。また、15は電極(アース)であり、電磁波遮蔽体13の金属層と接続している。このように本実施の形態の電磁波遮蔽体13を用いることにより、優れた電磁波遮蔽性および透光性を有し、かつ、金属光沢によるギラツキ感が低減されたディスプレイ用前面板を提供できる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
透明基材として、表裏両面をアクリル系樹脂にて易接着処理した膜厚125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。次に、空隙を有する構造の被覆層を下記のとおり作製した。まず、顔料としてアルミナゾル(日産化学工業社製、アルミナゾル520)500重量部と、バインダーとしてポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA217)15重量部と、架橋剤としてメラミン系化合物(住友化学工業社製、Sumirez Resin617)1.25重量部と、水(分散媒)135重量部とを用意し、これらをボールミルにて混合し、塗料を作製した。この塗料を厚みが5μmとなるように上記ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、その後乾燥させて被覆層を形成した。
次に、ナノオーダーサイズの酸化銀粒子と有機銀化合物(カルボン酸塩銀C8152Ag)と溶媒(テルピネオール)とを含むペースト(藤倉化成社製、ドータイト、XA-9024)を用いて、線幅20μm、厚み3μm、線間隔(格子間隔)280μmの格子状パターンを被覆層上にスクリーン印刷した。続いて、80℃で30分間加熱して、印刷されたペーストから溶媒を除去した後、大気中にて150℃で30分間加熱して、電磁波遮蔽体を得た。
スクリーン印刷直後、および150℃で加熱した後に、それぞれ走査型電子顕微鏡(SEM)にて断面観察を行ったところ、スクリーン印刷直後、150℃で加熱した後のいずれにおいても、線の滲みや太りはほとんど見られず、スクリーン印刷直後と150℃で加熱した後とで、線幅の変化は見られなかった。また、電磁波遮蔽体について、全光線透過率を、分光光度計(日本分光(株)社製、U−Best、V−570)にて測定したところ80%であった。電磁波遮蔽体の表面電気抵抗値を、四探針抵抗測定器(三菱油化社性、LorestaAP、MCP−T400)にて測定したところ0.10Ω/□であった。
電磁波遮蔽体の透明基材側を光入射側として、電磁波遮蔽体に入射角60度で光束を入射し、単角度携帯型光沢計(ビックケミー・ジャパン株式会社製、micro−TRI−gloss)にて60度鏡面光沢度を測定したところ、152.3%であった。尚、60度鏡面光沢度は、JIS Z 8741に準拠して測定した。
一方、透明基材と被覆層とからなる積層体を、実施例1の電磁波遮蔽体とは別に用意し、ペーストを塗布せずに80℃で30分間、さらに、大気中にて150℃で30分間加熱した。その後、積層体の透明基材側を光入射側として、積層体に入射角60度で光束を入射して、単角度携帯型光沢計(ビックケミー・ジャパン株式会社製、micro−TRI−gloss)にて60度鏡面光沢度を測定したところ166.8%であった。
ところで、上記積層体を透明基材側から見たときの光沢度は、銀の光沢度よりも小さく、酸化銀の光沢度よりも大きい。上記のとおり、電磁波遮蔽体の透明基材側を光入射側として、電磁波遮蔽体に入射角60度で光束を入射して得た光沢度(152.3%)が、上記積層体の透明基材側を光入射側として、積層体に入射角60度で光束を入射して得た光沢度(166.8%)よりも小さいことから、加熱されて還元および分解されたペーストと被覆層との界面に、上記積層体よりも光沢度の小さい酸化銀が残っていると理解される。尚、X線回折測定にて電磁波遮蔽体を測定したところ、銀の回折スペクトルと、酸化銀の回折スペクトルとが確認された。
被覆層の空隙率は37%であった。被覆層の空隙率は、下記の方法に従って測定した。被覆層の空隙率は、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に被覆層2が形成された積層体100cm2のサンプル重量(W1mg)と、このサンプルを25±5℃のジエチレングリコール中に10秒間浸漬し、表面に付着したジエチレングリコールを濾紙で拭き取った後の重量(W1mg)とを測定し、以下の式に代入して算出した。
(数1)
空隙率(%)=[(W2−W1)×10-3/d]/[t×10-2]×100
d:ジエチレングリコールの比重(1.118)
t:被覆層の厚み(μm)
電磁波遮蔽体の電磁波遮蔽性を下記の方法に従って測定した。電磁波遮蔽性は、KEC法にて測定した。KEC法とは、(社)関西電子工業振興センターで開発された電磁波シールド効果の測定方法である。アンテナを備え、開口部を有する金属ケースを2つ用意し、2つの金属ケースを互いに連通するように対向させ、その間にサンプルを挟んだ。続いて、一方の金属ケース内に設けられたアンテナから電界(磁界)を発信させ、他方の金属ケース内のアンテナにてサンプルを通過した電界(磁界)を受信し、サンプル通過による電磁波の減衰率を算出した。具体的には、20cm×20cmに切り取ったサンプルを2つの金属ケースの間に挟み込み、一方のアンテナから500MHzの電磁波を発信した。電磁波の減衰率は51dBであった。
(実施例2)
実施例2では、溶媒を吸収して膨潤する材料を含む被覆層2を下記のとおり作製した。まず、高分子化合物としてポリエステル(ユニチカ製、エリーテル3690)100重量部と、架橋剤としてイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)5重量部と、粘度調整用の溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1)200重量部とを用意し、これらを均一に混合して塗料を作製し、実施例1と同様に塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布して被覆層を形成した。以上のこと以外は、実施例1と同様の材料および方法を用いて電磁波遮蔽体を作製した。
実施例1と同様に、スクリーン印刷直後、および150℃で加熱した後に、それぞれSEMにて断面観察を行ったところ、スクリーン印刷直後、150℃で加熱した後のいずれにおいても、線の滲みや太りはほとんど見られず、スクリーン印刷直後と150℃で加熱した後とで、線幅の変化は見られなかった。全光線透過率は81%、電磁波遮蔽体の表面電気抵抗値は、0.12Ω/□であった。電磁波遮蔽体の60度鏡面光沢度は158.7%であり、透明基材と被覆層とからなる積層体の60度鏡面光沢度は166.0%であった。また、実施例1と同様、X線回折測定にて電磁波遮蔽体を測定したところ、銀の回折スペクトルと、酸化銀の回折スペクトルとが確認された。実施例2の電磁波遮蔽体においても、実施例1と同様に、加熱されて還元および分解されたペーストと被覆層との界面に、上記積層体よりも光沢度の小さい酸化銀が残っていると理解される。電磁波遮蔽体について電磁波の減衰率は51dBであり、被覆層の膨潤率は128%であった。尚、被覆層の膨潤率は下記の方法に従って測定した。
被覆層の膨潤率は、ポリエチレンテレフタレートフィルム100cm2のサンプル重量(W0mg)と、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に被覆層2が形成された積層体100cm2のサンプル重量(W1mg)と、このサンプルを25±5℃のジエチレングリコール中に10秒間浸漬し、表面に付着したジエチレングリコールを濾紙で拭き取った後の重量(W2mg)とを測定し、以下の式に代入して算出した。
(数2)
膨潤率(%)=[(W2−W0)/(W1−W0)]×100
(実施例3)
被覆層を形成するための塗料に、最大吸収波長が1090nm付近であるジイモニウム系化合物(日本化薬社製、Kayasorb IRG-022)9重量部、最大吸収波長が871nm付近であるフタロシアニン系化合物(日本触媒製、イーエクスカラー IR-12)2重量部を添加したこと以外は実施例2と同様にして、電磁波遮蔽体を作製した。
実施例1と同様に、スクリーン印刷直後、および150℃で加熱した後に、それぞれSEMにて断面観察を行ったところ、スクリーン印刷直後、150℃で加熱した後のいずれにおいても、線の滲みや太りはほとんど見られず、スクリーン印刷直後と150℃で加熱した後とで、線幅の変化は見られなかった。全光線透過率は70%、850nm、950nm、1000nmの波長の光の透過率はそれぞれ12.45%、5.48%、5.35%であった。また、図5に示すように、波長850nm以上1100nm以下の全領域において分光透過率は20%以下であった。電磁波遮蔽体の表面電気抵抗値は、0.14Ω/□であった。電磁波遮蔽体の60度鏡面光沢度は158.7%であり、透明基材と被覆層とからなる積層体の60度鏡面光沢度は166.0%であった。また、実施例1と同様、X線回折測定にて電磁波遮蔽体を測定したところ、銀の回折スペクトルと、酸化銀の回折スペクトルとが確認された。実施例3の電磁波遮蔽体においても、実施例1と同様に、加熱されて還元および分解されたペーストと被覆層との界面に、上記積層体よりも光沢度の小さい酸化銀が残っていると理解される。電磁波遮蔽体について電磁波の減衰率は48dBであった。実施例2と同様にして被覆層の膨潤率を測定したところ、124%であった。
(比較例1)
アルミナ微粒子(日本アエロジル社製、Al23−C)100重量部と、官能基として水酸基を有しないアクリル樹脂(東亜合成社製、ARUFON UC−3000、酸価74mg/KOH、水酸基価0mg/KOH)15重量部と、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(日産化学工業社製、TEPIC−S)1.25重量部と、メチルエチルケトン67.5重量部と、トルエン67.5重量部とをボールミルにて混合して塗料を作製した。次に、実施例1と同様に塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布して被覆層を形成した。以上のこと以外は、実施例1と同様の材料および方法を用いて電磁波遮蔽体を作製した。
実施例1と同様に、スクリーン印刷直後、および150℃で加熱した後に、SEMにて断面観察を行ったところ、スクリーン印刷直後、150℃で加熱した後のいずれにおいても、線の滲みや太りはほとんど見られなかった。また、ペーストにて形成されたパターンについて、外部エネルギー印加(加熱)前後の線幅をSEMにて観察したところ、線幅の変化は見られなかった。全光線透過率は81%、電磁波遮蔽体の表面電気抵抗値は、0.12Ω/□であった。電磁波遮蔽体の60度鏡面光沢度は195.5%であり、透明基材と被覆層とからなる積層体の60度鏡面光沢度は163.7%であった。実施例1と同様、X線回折測定にて電磁波遮蔽体を測定したところ、銀の回折スペクトルは確認されたが、酸化銀の回折スペクトルは確認されなかった。電磁波遮蔽体について電磁波の減衰率は51dBであった。被覆層の空隙率は39%であった。
以上のとおり、実施例1〜3の電磁波遮蔽体では、加熱されて還元および分解されたペーストと被覆層との界面に、酸化銀が存在していることから、電磁波遮蔽体の透明基材側を光入射側として、電磁波遮蔽体に入射角60度で光束を入射して得た光沢度が、上記積層体の透明基材側を光入射側として、積層体に入射角60度で光束を入射して得た光沢度よりも小さく、実施例1〜3の電磁波遮蔽体は比較例1の電磁波遮蔽体よりも、透明基材側から見たときの金属光沢によるギラツキ感が低減されていることが確認できた。
本発明の電磁波遮蔽体は、優れた電磁波遮蔽性および透光性を有し、かつ、透明基材側から見たときの金属光沢によるギラツキ感が低減されているので、電磁波遮蔽体として有用である。また、本発明のディスプレイ用前面板は、本発明の電磁波遮蔽体を用いているので、ディスプレイ用前面板として有用である。また、本発明の電磁波遮蔽体の製造方法によれば、優れた電磁波遮蔽性および透光性を有し、かつ、透明基材側から見たときの金属光沢によるギラツキ感が低減された電磁波遮蔽体を製造でき、さらに、複雑な工程は必要なく、環境上の問題等も生じにくいので、電磁波遮蔽体の製造方法として有用である。
(a)〜(c)は、本発明の電磁波遮蔽体の製造方法の一例示す工程断面図 (a)および(b)は、本発明の電磁波遮蔽体の一例を示す断面図 本発明の電磁波遮蔽体の一例を示す平面図 本発明のディスプレイ用前面板の一例を示す断面図 実施例3の電磁波遮蔽体に照射された光の波長と透過率との関係を示すグラフ 従来の電磁波遮蔽体の製造方法の一例を示す工程断面図
符号の説明
1 透明基材
2 被覆層
3 ペースト
4 金属層
11 ディスプレイ用前面板
12 透明基板
13 電磁波遮蔽体
14 反射防止膜
15 電極

Claims (21)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材の一方の主面を覆う被覆層と、
    前記被覆層の前記透明基材側の面の反対面に接して配置され複数の開口部を有する金属層とを備えた電磁波遮蔽体であって、
    前記被覆層は、水酸基を有する樹脂を含み、
    前記金属層と前記被覆層との界面に、前記金属層に含まれる金属と同じ金属の化合物が存在していることを特徴とする電磁波遮蔽体。
  2. 前記被覆層は空隙を有する請求項1に記載の電磁波遮蔽体。
  3. 前記被覆層の空隙率が、3%以上80%以下である請求項2に記載の電磁波遮蔽体。
  4. 前記被覆層は、金属の化合物と溶媒とを含むペーストを塗布した時に前記溶媒を吸収して膨潤する材料を含む請求項1に記載の電磁波遮蔽体。
  5. 前記被覆層の膨潤による重量変化率が120%以上である請求項4に記載の電磁波遮蔽体。
  6. 前記金属の化合物が、金属酸化物および有機金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電磁波遮蔽体。
  7. 前記金属層が、線幅3μm以上50μm以下、厚み20μm以下の線により形成された請求項1に記載の電磁波遮蔽体。
  8. 前記金属層は格子状であり、格子間隔が50μm以上2000μm以下である請求項7に記載の電磁波遮蔽体。
  9. 波長850nm以上1100nm以下の全領域において分光透過率が0.1%以上20%以下である請求項1に記載の電磁波遮蔽体。
  10. 前記被覆層が、850nm以上1100nm以下の波長領域に最大吸収波長を有する化合物を含む請求項9に記載の電磁波遮蔽体。
  11. 透明基板上に、請求項1〜10のいずれかの項に記載された電磁波遮蔽体が配置されたことを特徴とするディスプレイ用前面板。
  12. 透明基材上に被覆層を形成する工程と、
    前記被覆層上に、金属の化合物と溶媒とを含むペーストを用いて、所定のパターンを形成する工程と、
    前記パターンに外部エネルギーを印加する工程とを含み、
    前記被覆層を、前記溶媒を吸収しうる材料にて形成し、前記材料が水酸基を有する樹脂を含むことを特徴とする電磁波遮蔽体の製造方法。
  13. 前記被覆層が空隙を有する請求項12に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  14. 前記被覆層の空隙率が、3%以上80%以下である請求項13に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  15. 前記被覆層が、前記溶媒により膨潤する材料を含む請求項12に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  16. 前記被覆層の膨潤による重量変化率が120%以上である請求項15に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  17. 前記金属の化合物が、金属酸化物および有機金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項12に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  18. 前記所定のパターンが、線幅3μm以上50μm以下、厚み20μm以下の線により形成された請求項12に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  19. 前記所定のパターンが格子状パターンであり、格子間隔が50μm以上2000μm以下である請求項18に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  20. 前記被覆層が、850nm以上1100nm以下の波長領域に最大吸収波長を有する化合物をさらに含む請求項12に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  21. 前記外部エネルギーが、熱、電磁波、超音波、および電子線から選択される少なくとも一種である請求項12に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
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