JP5585163B2 - 電気抵抗低減化処理方法、及び電磁波遮蔽材の製造方法 - Google Patents

電気抵抗低減化処理方法、及び電磁波遮蔽材の製造方法 Download PDF

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本発明は銀ペーストなどによる導電体パターン層の電気抵抗低減化処理方法と、それを利用した電磁波遮蔽材の製造方法に関する。
現在、ディスプレイ(画像表示装置とも言う)として、旧来のブラウン管(CRT)ディスプレイ以外に、フラットパネルディスプレイ(FPD)となる、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(以後PDPとも言う)、電界発光(EL)ディスプレイ等の各種ディスプレイが実用されている。これらの中でも、特に、PDPは不要な電磁波放出が強いため、ディスプレイの前面(観察者側面)に電磁波遮蔽材を配置している。
また、ディスプレイ用途の電磁波遮蔽材では、優れた電磁波遮蔽性能と優れた可視光線に対する光透過性とを高度に両立できる点で、導電体層には導電性に優れた金属層など結果として不透明となる層が好適であり、不透明性な導電体層であっても光透過性を確保する為に、導電体層はメッシュ形状などのパターンで多数の開口部を設けた導電体パターン層として形成している。なお、本明細書にて、遮蔽対象となる「電磁波」とは代表的にはkHz〜GHz帯域となる所謂「電波」を意味し、前記「光透過性」の「光」とは可視光線を意味する。
そして、導電体パターン層の形成には、金属箔をフォトエッチング法で形成する方法もあるが、コスト面で有利な印刷法も各種提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特開平11−174174号公報 特開2001−102792号公報 国際公開第2008/149969号のパンフレット
しかし、導電体パターン層として、銀粒子など導電性粒子とバインダ樹脂を含む銀ペーストなどの印刷インキを印刷して、パターン状に導電性組成物層を形成する場合、光透過性を良くする為にパターンの線幅を細くしていく程、表面抵抗率は増加して充分な電磁波遮蔽性能が得られなくなる。そこで、導電性組成物層の表面に更に電解銅めっき層を形成して、導電体パターン層を導電性組成物層と電解銅めっき層とから構成すれば、導電体パターン層としての表面抵抗率を下げることができ、充分な電磁波遮蔽性能と充分な光透過性とを両立し易くなる。
しかし、印刷後の導電性組成物層の表面抵抗率が高くなると、電解銅めっきの速度が低下して生産能力が低下する。極端な場合は、電解めっき自体ができなくなる。印刷後の導電性組成物層の表面抵抗率が高くなる要因は、光透過性を向上させる為の、パターンの細線化や格子ピッチ(乃至は開口部)の広大化などである。特に、線幅が20μm以下になると此の傾向が顕著になってくる。また、低コスト化対策の一環として、導電性組成物の使用量の削減なども要因となる。
すなわち、本発明の課題は、基材上に、導電体パターン層としてパターン状に形成された導電性粒子として銀粒子とバインダ樹脂を含有する導電性組成物層に対して、表面抵抗率を下げて、電気的性能や電解めっき適性などの性能を向上できる電気抵抗低減化処理方法を提供することである。また、この処理方法を利用した、電磁波遮蔽材の製造方法を提供し、細線化や格子ピッチの拡大を可能とする一方、材料費の低減、電解めっき速度の向上等を図れる様にすることである。
そこで、本発明では、次の様な、電気抵抗低減化処理方法と、電磁波遮蔽材の製造方法とした。
(1)基材上に銀粒子と樹脂バインダとを含有する導電性組成物層からなり凸部をなすパターン状の導電性組成物を形成してなり、且つ該導電性組成物層の凸部内の銀粒子の数密度の分布が、相対的に、透明基材の近傍において分布が疎であり頂部近傍において分布が密とされた処理対象物を用意し、該処理対象の導電性組成物に対して、通電を行わないで、硫酸銅と硫酸と水を含む酸性硫酸銅溶液を接触させて、該導電性組成物層の表面抵抗率を低下させる、電気抵抗低減化処理方法。
(2)基材が透明な透明基材であって、該透明基材上にパターン状に印刷法で形成された導電性組成物層の表面抵抗率を、上記(1)の電気抵抗低減化処理方法によって低下させる工程を含む、電磁波遮蔽材の製造方法。
(3)上記(2)に於いて更に、電気抵抗低減化処理工程の後に、表面抵抗率が低下した導電性組成物層に対して、その表面に電解銅めっきによって電解銅めっき層を形成して、導電性組成物層と電解銅めっき層とを有する導電体パターン層を形成する電解銅めっき工程を含む、電磁波遮蔽材の製造方法。

(1)本発明による電気抵抗低減化処理方法では、パターン状に形成された導電性組成物層の電気抵抗(表面抵抗率)を、該導電性組成物層が形成された後に下げることができる。したがって、該処理前の電気抵抗は高めに形成しておき、該処理で最終的に満足できる電気抵抗まで下げることが可能なので、導電性組成物層を形成する為の銀ペーストなど導電性組成物の材料費を低減できる。或いは、パターン形状や形成する為の導電性組成物、印刷形成方法などの諸条件の制約によって、形成する導電性組成物層の電気抵抗を最終的に満足できるレベルまで下げられない場合でも、電気抵抗低減化処理方法によって、満足できるレベルまで下げることも可能となる。
(2)本発明による電磁波遮蔽材の製造方法では、上記(1)の効果が得られ、電気抵抗が低下した分、銀ペーストなど導電性組成物の材料費の低減ができる。また、その分、パターンの細線化や格子ピッチの拡大が可能となる。
また、電気抵抗低減化処理後に電解銅めっきを行う場合は、形成時は電気抵抗が高めの導電性組成物層でも、上記電気抵抗低減化処理によって電気抵抗が下がるので、導電性組成物層の表面上への電解銅めっき層のめっき速度を速くでき、生産性を向上できる。また、電解銅めっきによって、導電体パターンとしての表面抵抗率を下げられるので、その分、更に、パターンの細線化や格子ピッチの拡大が可能となる。
本発明による電気抵抗低減化処理方法を概念的に説明する説明面。 本発明による電気抵抗低減化処理方法を電磁波遮蔽材の製造方法に利用して得られる電磁波遮蔽材の一形態を例示する断面図。 同電磁波遮蔽材の別の形態(電解銅めっき層あり)を例示する断面図。 同電磁波遮蔽材の別の形態(引抜プライマ方式凹版印刷法に起因のプライマ層あり)を例示する断面図。 同電磁波遮蔽材の別の形態(同プライマ層及び電解銅めっき層あり)を例示する断面図。 引抜プライマ方式凹版印刷法による導電性組成物層の凸部(形成部)の一形態として、導電性組成物層の非形成部よりも形成部でプライマ層が厚く、導電性組成物層の凸部内での導電性粒子の分布が凸部の頂部近くが密でプライマ層近くが疎の形態を、概念的に示す断面図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
《A.実施形態例》
本発明による、電気抵抗低減化処理方法と電磁波遮蔽材の製造方法を、一実施形態例で説明する。
〔1.電気抵抗低減化処理工程〕
先ず、電気抵抗低減化処理の処理対象物Woは、基材として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明基材1の片面に、導電体パターン層2としてパターン状の導電性組成物層3を導電性組成物(銀ペースト)を印刷し乾燥固化して形成した印刷物である(図1及び図4参照)。なお、該導電性組成物は、ポリエステル系樹脂、溶剤等を含む樹脂バインダ中に導電性粒子として平均粒子径2μmの銀粒子を分散させたインキである。また、上記印刷は後述「引抜プライマ方式凹版印刷法」によった。その際、該凹版印刷法にて透明基材1と導電性組成物層3との間に介在させるプライマ層6にはアクリレート系の紫外線硬化性樹脂のプライマを用いて、厚みは開口部5の中央部で7μm、導電性組成物層3の形成部(凸部)の中央部直下(最厚部)で9μmである。なお、図1中の処理対称物品Woとしては、このプライマ層は図示していない。
また、導電性組成物層3のパターンの平面視形状は、正方格子状のメッシュ形状であり、導電性組成物層3の形成部である線部(ライン部)の線幅は15μm、格子ピッチは300μm、厚さ19μmである。そして、電気抵抗低減化処理前の導電性組成物層3の表面抵抗率は2.9Ω/□(Ω/sq)である。
そして、上記処理対象物Woを、電気抵抗低減化処理として、硫酸銅と硫酸と水を含む酸性硫酸銅溶液S中に浸漬した後、水洗、乾燥を行って、導電性組成物層3の表面抵抗率が低下した、処理後物品Waを得た。
上記酸性硫酸銅溶液Sの液組成は、硫酸銅(硫酸銅五水和物として)250g、硫酸60g、及び水690gからなる水溶液である。室温(25℃)下で、この溶液中に30秒浸漬した後、水洗し、乾燥した。処理後物品Waにおける、導電性組成物層3の表面抵抗率は、1.4Ω/□まで低下した。表面抵抗率の低下幅は1.5Ω/□であり、低下率で見ると52%(1.5/2.9)と、表面抵抗率が半減しており、これと同率でのインキ使用量削減を考えれば、材料費の低減効果として大きい低下率である。
また、この処理後物品Waは、図4の断面図で例示する電磁波遮蔽材10でもある。すなわち、同図に示す電磁波遮蔽材10は、透明基材1の片面にプライマ層6が形成され、このプライマ層6の上に導電体パターン層2として、銀粒子とバインダ樹脂を含む導電性組成物の固化物として導電性組成物層3とが形成されている。そして、導電体パターン層2の非形成部として光透過性確保の為の多数の開口部5が形成されている構成である。
この様に、本電気抵抗低減化処理によって、銀粒子と樹脂バインダを含む導電性組成物層3の表面抵抗率を、該層の形成後に低下させることができる。従って、同じ電気抵抗値でよければ、その分、使用する銀ペーストなど導電性組成物の材料費を減らせることが可能となる。また、導電性組成物の使用量は維持して同じままとすれば、電気抵抗値を下げることが出来るので、導電性能を向上できる。導電性能を同じままとすれば、導電体パターン層の線幅をより細線化したり、開口部の面積率をより大きくしたり出来る。
〔2.電解銅めっき工程〕
上記、電気抵抗低減化処理を行って、水洗、乾燥させた後の処理後物品Waに対して、電解銅めっきを行い、その導電性組成物層3の表面上に電解銅めっき層4を形成することで、導電体パターン層2を導電性組成物層3に加えて電解銅めっき層4も有する構成のものとした。
このめっき後物品は、図5の断面図で例示する電磁波遮蔽材10でもある。すなわち、同図に示す電磁波遮蔽材10は、透明基材1の片面にプライマ層6が形成され、このプライマ層6の上に導電体パターン層2として、銀粒子とバインダ樹脂を含む導電性組成物の固化物として導電性組成物層3と、更に該導電性組成物層3の表面に電解銅めっき層4とが形成されている。そして、導電体パターン層2の非形成部として光透過性確保の為の多数の開口部5が形成されている構成である。
上記電解銅めっき時の電解銅めっき液は、水に硫酸銅、硫酸、塩酸、その他添加剤を含む公知の硫酸銅めっき液(浴)である。なお、このときの液組成は、硫酸銅濃度(硫酸銅五水和物として)220g/l、硫酸濃度60g/l、塩酸濃度5mg/l、その他添加剤、である。また、めっき条件は、浴温度25℃、陰極電流密度3A/dm2、陽極電流密度1.5A/dm2である。
この様に、上記電気抵抗低減化処理の後に、電解銅めっき工程を実施する場合は、導電性組成物層3の導電性が向上しているので、低減化処理(以降、電気抵抗低減化処理を略して「低減化処理」とも言う。)を事前に実施しない場合に比べて、電解銅めっきのめっき速度が速くなり、めっき時間を短縮できるのでめっき工程の生産性が向上する。つまり、本実施形態例によれば、(同じ厚さで電解銅めっき層4を形成するとき)導電性組成物層3の表面への電解銅めっきの生産性を向上できる。従って、電磁波遮蔽材10を生産性良く製造できる。
《B.電気抵抗低減化処理方法、及び、電磁波遮蔽材の製造方法》
本発明による電気抵抗低減化処理方法では、処理対象物Woは、基材上に導電体パターン層2として、銀粒子と樹脂バインダとを含有しパターン状に形成された導電性組成物層3を有する物であれば、特に制限はない。前記実施形態例では、基材が透明な透明基材1の場合であった。また、プライマ層6を介して導電性組成物層3が形成された場合の物であった。
また、本発明による電気抵抗低減化処理方法は、当該処理を利用して電磁波遮蔽材を製造することができ、電磁波遮蔽材の製造に好適な方法でもある。
そこで、以下、これら両方法をまとめて説明することとし、また、特に電磁波遮蔽材に関することは、その旨説明する。
なお、本発明による電磁波遮蔽材の製造方法は、本発明による電気抵抗低減化処理方法を利用して導電性組成物層3の表面抵抗率を低下させる工程を少なくも含む製造方法であり、基材には透明な透明基材1を用い、また導電性組成物層3は印刷形成した処理対象物Woを用いる。なお、「基材」のうち特に透明な物を「透明基材」と区別し、単に「基材」と言うきは、不透明な物も含み得る。
ここで、本発明による、電気抵抗低減化処理方法によって得られる処理後物品Waの一例として、電磁波遮蔽材10の構成例を図2、図3、図4及び図5の断面図で、前記実施形態例のものも含め纏めて説明しておく。
図2の電磁波遮蔽材10は、透明基材1上に導電体パターン層2として、導電性組成物層3を有する構成例である。また、電磁波遮蔽材10に於いては、導電体パターン層2の非形成部が光透過性確保の為の開口部5となる。
図3の電磁波遮蔽材10は、図2の構成に対して更に、電解銅めっき層4を有する構成であり、透明基材1上に導電体パターン層2として、導電性組成物層3と電解銅めっき層4とを有する。また、電磁波遮蔽材10に於いては、導電体パターン層2の非形成部が光透過性確保の為の開口部5となる。
図4の電磁波遮蔽材10は、図2の構成に対して更に、プライマ層6を有する構成例であり、透明基材1上に、プライマ層6を介して、導電体パターン層2として、導電性組成物層3を有する。また、電磁波遮蔽材10に於いては、導電体パターン層2の非形成部が光透過性確保の為の開口部5となる。
図5の電磁波遮蔽材10は、図4の構成に対して更に、前記実施形態でも説明した電解銅めっき層4を有する構成であり、透明基材1上に、プライマ層6を介して、導電体パターン層2として、導電性組成物層3と電解銅めっき層4とを有し、電磁波遮蔽材10に於いては、導電体パターン層2の非形成部が光透過性確保の為の開口部5となる。また、同図では、導電性組成物層3が有する銀粒子である導電性粒子Cpも明示的に図示してある。
以下、各材料、処理操作について、順を追って説明する。
〔低減化の処理対象物〕
電気抵抗低減化処理の処理対象物Woは、基材上に、導電体パターン層2として、導電性粒子としての銀粒子と樹脂バインダとを含有するパターン状の導電性組成物層3が形成された物品であれば、特に制限はない。
[基材]
上記基材も特に制限はない。基材の形状は、シート(含むフィルム)状、具体的には、枚葉シート或いは連続帯状シートが代表的なものである。この他、板、三次元立体物など、各種形態をとり得る。また、基材は、透明、不透明、着色、無着色、いずれでも良い。また、基材の材料は、樹脂等の有機系材料、ガラス、セラミック等の無機系材料、或いは有機系材料と無機系材料を積層乃至は混合した複合材料でも良い。
(透明基材)
基材の中でも特に、画像表示装置の前面(画面)に設置する電磁波遮蔽材10に好適なものは、透明な基材であり、この透明な基材に限って本明細書では「透明基材」と言うことにする。なお、前記した様に単に「基材」と言うときは不透明な物も含む。
透明基材1としては、公知の透明な材料を使用すれば良く、可視光領域での透明性、耐熱性、機械的強度、取扱性等を考慮すると、樹脂フィルム(乃至シート)が代表的である。樹脂フィルム(乃至シート)の樹脂は例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、或いは、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂等である。なかでも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは好適な材料である。なお、透明基材1の厚みは、取扱性、コスト等の点で通常は、12〜500μm、好ましくは25〜200μmだが、特に制限はない。
[導電体パターン層]
導電体パターン層2は、透明基材1など基材上にパターン状に形成され、少なくとも導電性組成物層3から構成される。導電体パターン層2は、パターン形状や電気的特性などは、用途に応じたものとすればよい。
例えば、用途が電磁波遮蔽材10であれば、導電体パターン層2は、その非形成部として光透過性確保の為の多数の開口部5が形成されたパターン状の導電体層となる(図2、図3、図4、図5参照)。電磁波遮蔽材10の場合、導電体パターン層2の平面視形状は公知の形状など任意であり、例えば、メッシュ形状(六角形や四角形などの格子模様)、ストライプ形状(直線状縞模様、螺旋模様など)などの幾何学形状である。なかでもメッシュ形状、それも正方格子形状が代表的である。開口部5の形状は、メッシュ形状が例えば正方格子形状では正方形、ストライプ形状では帯形状となる。また、パターンの線幅、つまり導電体パターン層2乃至は導電性組成物層3の形成部3aの線幅は(図6参照)、電磁波遮蔽性能などの観点から通常は5〜50μmである。格子やストライプ等の幾何学模様のパターンの周期は通常100〜500μmである。また、導電体パターン層2の開口率〔(導電体パターン層2の開口部5の合計面積/導電体パターン層2の開口部5及び導電体パターン層2の形成部を含めた全被覆面積)×100で定義〕は、電磁波遮蔽性能及び可視光透過性との両立の点から、50〜95%程度である。
(導電性組成物層)
導電性組成物層3は、導電性粒子である銀粒子と樹脂バインダとを含む層である。導電性組成物層3は、導電性粒子である銀粒子と樹脂バインダとを含む液状の導電性組成物(導電性ペースト、導電性インキ等とも呼ばれる)を用いて形成でき、導電性組成物を溶剤乾燥、電離放射線照射、加熱などのエネルギー付加、化学反応などの固化手段によって固化させて得られる。なお、銀粒子としては、樹脂粒子や無機非金属物粒子等の低導電性粒子の表面を銀で被覆した銀被覆粒子を用いてもよい。
また、上記樹脂バインダの樹脂(バインダ樹脂)としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを単独使用又は併用する。熱可塑性樹脂には熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性アクリル樹脂など、熱硬化性樹脂にはメラミン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂などを使用する。また、電離放射線硬化性樹脂には、電離放射線で架橋など重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーを含む組成物を使用する。モノマーやプレポリマーにはラジカル重合性やカチオン重合性の化合物を使用する。なかでも、アクリレート系化合物を用いた電離放射性硬化性樹脂が代表的である。また、電離放射線としては、通常、紫外線、電子線などが使用される。
また、電気抵抗低減化処理前の状態での導電性組成物層3の表面抵抗率は、用途に応じたものとすれば良い。
例えば、該低減化処理の後に、導電性組成物層3の表面上に電解銅めっきを実施するならば、該表面に電解銅めっき可能な観点から、低減化処理による表面抵抗率の低下度合いにもよるが、低減化処理前の状態で10Ω/□以下とするのが好ましい。この為には、電磁波遮蔽材10の様な基材面に一様な幾何学模様のパターンで形成される導電性組成物層3の場合、その導電性組成物層3の形成部(ライン部)の線幅が5〜50μm、パターン周期が100〜500μmの場合、層の厚みは2〜20μm程度である。
なお、もちろんだが、導電性組成物層3の表面上に電解銅めっき層4を形成しない状態の、つまり低減化処理後の導電性組成物層3の表面抵抗率で満足できる用途であれば、電解銅めっき層4を更に設ける必要はない。従って、電解銅めっき層4を設けないときは、処理後物品Waを電磁波遮蔽材10として、その低減化処理後の表面抵抗率のレベルに応じた電磁波遮蔽性能の物として得ることができる。
また、電解銅めっき速度の向上効果を期待する場合は、低減化処理前の表面抵抗率が例えば1Ω/□以下と更に低い場合よりは、ある程度高い方が好ましい。それは、低減化処理による、導電性組成物層3の表面抵抗率の低減が、電解銅めっきの速度が遅い表面抵抗率の領域から、電解銅めっきの速度がそれよりも速まる表面抵抗率の領域まで低下する様な、低減化処理の前後での表面抵抗率値の関係があるときに、より効果的だからである。つまり、電解銅めっき速度増速効果は、低減化処理前の表面抵抗率のレベルと、低減化処理によって低下する表面抵抗率の度合いと、低減化処理後の表面抵抗率のレベルの三種類の表面抵抗率に関係する。
この様な表面抵抗率の関係は、例えば、低減化処理前の表面抵抗率が好ましくは3〜10Ω/□、より好ましくは3〜5Ω/□の範囲が好ましい。この範囲の表面抵抗率を、低減化処理によって、例えば0.5Ω/□程度以上は低下させて、低減化処理後に表面抵抗率を3Ω/□未満まで低下させることで、電解めっき速度を効果的に速めることができる。
なお、もちろんだが、表面抵抗率とは、導電性組成物層3(導電体バターン層2でも同様)のそれ自体、つまりその形成部のみの表面積に換算したものではなく、導電性組成物層3がパターン状に形成されている処理対象物Woの形成面に於ける該導電性組成物層3等の非形成部の面積も含めた表面に対する表面抵抗率のことである。
((印刷方式))
導電性組成物層3を透明基材1など基材上にパターン状に形成する方法は特に限定はない。公知のパターン形成法を用途、要求物性等に応じて適宜採用すれば良い。形成法の代表的な方法は、導電性組成物を用いた印刷法である。
導電性組成物を用いて導電性組成物層3を印刷形成する場合、その印刷方式としても基本的には特に制限はない。例えば、(シルク)スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凹版印刷などの有版印刷、或いはインキジェット印刷に代表される無版印刷等である。これらの印刷法の中でも、前記特許文献3で開示された凹版印刷の一種である「引抜プライマ方式凹版印刷法」は、従来では不可能であった様な、細く且つ精細なパターン形成が可能となる点で好ましい印刷方式の一種であり、また、電磁波遮蔽材10に於いて優れた電磁波遮蔽性と優れた光透過性とを高度に両立できる。そこで、以下この印刷方式について、基材が透明基材1である場合で説明する。
「引抜プライマ方式凹版印刷法」は、透明基材1上に施した流動状態のままのプライマ流動層上に導電性組成物のインキを凹版印刷する方法であり、しかもその際、版面上に透明基材1が存在している間に、版面と透明基材1間にあるプライマ流動層を紫外線照射などで固化させてプライマ層6として固化させた後に透明基材1を凹版から離版して、透明基材1上にプライマ層6を介してパターン状の導電性組成物層3を導電体パターン層2として印刷形成する方法である。このプライマ層6は流動状態のときに、版から被印刷物へのインキの転移を促進する作用、言い換えると凹版の版面凹部内に充填されたインキを引き抜いて被印刷物(透明基材1)に移す作用を有する。
この「引抜プライマ方式凹版印刷法」では、例えば次の様にして印刷する。印刷インキとして導電性ペーストなどの固化前の導電性組成物を、凹版の版面の凹部のみにドクターブレードによって充填すると共に凹部以外の版面凸部上の導電性組成物は掻き取って除去する。凹部に充填された導電性組成物の表面は版面(凸部)と完全な面一にならず僅かに窪んだ凹みが生じる。この凹版に、未だ流動状態のプライマ流動層が塗工された透明基材1を供給してプライマ流動層を版面に圧着すると、プライマ流動層が凹みに流れ込み凹みを充填し、また版面凸部も覆う。この状態でプライマ流動層を紫外線照射による硬化等によって固化してプライマ層6とした後、透明基材1を凹版から離版して、透明基材1上にプライマ層6と、未硬化の導電性組成物、或いは導電性組成物が固化済みの導電性組成物層3が積層された印刷物を得る。なお、導電性組成物の固化は、未硬化の導電性組成物が溶剤を含むときは離版後に行い、無溶剤の場合は離版後、或いは、離版前のプライマ固化と同時又はプライマ固化後に行う。
そして、この様な、「引抜プライマ方式凹版印刷法」による印刷物が、他の印刷法に見られない大きな特徴は、図6の断面図(透明基材1は略して図示)で概念的に示す様に、プライマ層6と導電性組成物層3との界面について、プライマ層6は、導電性組成物層3の形成部3aでの厚さTaが導電性組成物層3の非形成部3bでの厚さTbよりも厚い形状となることである。なお、非形成部3bの厚さTbは、形成部3aの厚さTaの影響のない非形成部3bつまり開口部5の中央部での厚さとする。
更に、プライマ層6と導電性組成物層3との界面は、次の(A)〜(C)のいずれかの1以上の断面形態を有する(但し、図6では図示は省略)。(A)プライマ層6と導電性組成物層3との界面が非直線状に入り組んでいる断面形態、(B)プライマ層6を構成する成分と導電性組成物層3を構成する成分とが混合している混合層を界面近傍に有する断面形態、(C)導電性組成物層3を構成する導電性組成物中にプライマ層6に含まれる成分が存在している断面形態。この様な、界面の断面形態は、プライマ層6がプライマ層6と導電性組成物層3との離版時の密着性を強化し、凹版からインキ(導電性組成物)の被印刷物(透明基材1)への転移を促進し高精度且つ高品質の凹版印刷を可能にしている理由であると思われる。
また、導電性組成物層3の凸部内の導電性粒子(銀粒子)の分布が、相対的に、プライマ層6の近傍において分布が疎であり頂部近傍において分布が密であることが好ましい。
すなわち、導電性組成物層3の形成部3aである導電性組成物層3自体の凸部の内部では、図6で概念的に示す様に、導電性粒子Cpが一様な均一な分布ではなく、導電性粒子Cpの分布が、相対的に、凸部の頂上部の近くが密で、頂上部から遠いプライマ層6の近くが疎である分布を持つ内部構造が好ましい。密とは単位体積中の導電性粒子Cpの粒子数で見た数密度(体積密度)である。つまり、凸部内部の導電性粒子Cpの数密度が、プライマ層6近くに比べて頂上部近くの方が大きくなる分布である。数密度が大きい方が導電性粒子Cp同士の電気的接触が行われ易い。従って、例え導電性組成物層3中の導電性粒子Cpの平均濃度が同じであっても、同じ数の導電性粒子Cpを数密度一様で分布させた場合に比べて、数密度が大きい部分での体積抵抗率の低下が寄与して全体として体積抵抗率が下がり、電磁波遮蔽材10に於いては電磁波遮蔽性能が向上する。更に、プライマ層6との境界近傍での導電性粒子Cpの数密度が小さいことによって、導電性組成物層3とプライマ層6との密着性が向上する。
なお、導電性組成物層3中に於ける導電性粒子Cpの分布状態は、パターン状に形成された導電性組成物層3の形成部である凸部が透明基材1上で延びる方向には依存性を持たない。つまり、図6で示す導電性組成物層3の凸部の断面図は、凸部が延びる方向に直交し且つ透明基材1の導電性組成物層3が形成された基材面に垂直な面である主切断面の断面図であり、紙面に垂直な方向が凸部が延びる方向(延在方向)であるが、凸部が延びる延在方向では、主切断面内での位置が同じであれば単位体積中の粒子の数密度は一定である。その為、この様な単位体積中の導電性粒子Cpの数密度は、凸部の主切断面に於ける単位面積中の導電性粒子Cpの数密度(面密度)で評価出来る。すなわち、図6の如く、主切断面内に於いて、導電性粒子Cpの面密度がプライマ層6近くに比べて頂部近くの方が大きくなる分布であれば、導電性粒子Cpの体積密度もプライマ層6近くに比べて頂部近くの方が大きくなる分布であると判断して良い。
この様に凸部頂上部の方に導電性粒子Cpを偏在させるには、例えば、プライマ流動層形成済みの透明基材1を版面に圧着する圧着力を強くすると共に、導電性組成物は粘度を低めにし且つ凹版凹部内では固化させずに版面から離版後に固化させると良い。この他、導電性粒子Cpと樹脂バインダとの比重差、固化前の導電性組成物の粘度(樹脂材料及び樹脂量、溶剤量、その他添加剤量、導電性粒子の形状、粒度分布、含有量など関係)、固化条件などにも依存するので、これらは適宜実験的に決定すると良い。
なお、導電性粒子Cpと樹脂バインダとの比重差については、通常は銀粒子である導電性粒子Cpの比重>樹脂バインダの比重、となる為、プライマ層6に対して頂部を重力の向きと同じ向きにして導電性凸状パターン層3を固化させると良い。
なお、上記したプライマ層6は、図6の様に導電性組成物層3の形成部と非形成部での厚み差を有し、引抜プライマ方式凹版印刷法に特有の層であり、透明な樹脂層として形成される。該樹脂層の該樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂などを使用でき、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂を使用できる。ただ、該樹脂としては、凹版印刷時に、流動状態から固化状態への迅速な変化を制御できる点で、好ましくは電離放射線硬化性樹脂が使用される。なお、電離放射線硬化性樹脂としては公知のものから適宜選択できる。例えば、電離放射線で架橋など重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーを含む組成物を使用する。モノマーやプレポリマーにはラジカル重合性やカチオン重合性の化合物を使用する。なかでも、アクリレート系化合物を用いた電離放射性硬化性樹脂が代表的である。また、電離放射線としては、通常、紫外線、電子線などが使用される。
〔電気抵抗低減化処理工程〕
電気抵抗低減化処理の工程は、上記した導電性組成物層3が形成された処理対象物Woを、硫酸銅と硫酸と水を含む酸性硫酸銅溶液に接触させる処理である。具体的には、酸性硫酸銅溶液を浴槽の中に蓄えておけば、該浴槽の中に処理対象物を浸漬することで行える。この他、処理対象物Woの導電性組成物層3側に酸性硫酸銅溶液を塗布したり、掛け流したり、液滴として噴霧したりすることも出来る。なお、電気抵抗低減化処理の一環として、浸漬等による溶液接触後、水洗、乾燥等の工程を含み得る。接触時間は適宜調整すれば良いが、30秒もあれば充分な低減化効果が得られる。また、電気抵抗低減化処理工程による電気抵抗の低下は、前記実施形態例の様に、表面抵抗率において、低下率(低下前の値に対する低下幅の百分率)で50〜60%は充分に可能である。
また、酸性硫酸銅溶液中の硫酸銅及び硫酸の濃度は、例えば、硫酸銅(硫酸銅五水和物として)180〜250g/l、硫酸45〜60g/lなどである。
また、この酸性硫酸銅溶液には、公知の電解銅めっき用の硫酸銅めっき液を使用することもできる(なお、この場合は、もちろんだが、銅を電解めっきする通電は行わない)。従って、酸性硫酸銅溶液は、硫酸酸性で硫酸銅を含む水溶液であれば、塩酸やその他のめっき添加剤を含んでも良い。なお、塩酸の濃度は電解銅めっき液の場合では例えば20〜80mg/lである。また、酸性硫酸銅溶液は加温しても良いが、室温例えば20〜30℃でも良い。
《C.電解銅めっき工程》
電解銅めっきの工程は、上記電気抵抗低減化処理工程を実施した後の、表面抵抗率が低下した後の処理後物品Waに対して、その導電性組成物層3の表面上に、電解銅めっき層4を形成する事で、導電体パターン層2を、導電性組成物層3と電解銅めっき層4とを含む層とする工程である。
電解銅めっき自体は、公知の電解銅めっき液を用いることができ、例えば、硫酸銅めっき液、シアン化銅めっき液、ピロ燐酸銅めっき液等が適用可能である。最も代表的な電解銅めっき液は、硫酸銅めっき液である。また、硫酸銅めっき液の液組成も公知の浴組成を用いることができる。例えば、硫酸銅濃度(硫酸銅五水和物として)180〜250g/l、硫酸濃度45〜60g/l、塩酸濃度20〜80mg/l、添加剤適量などが代表的な液組成である。また、その代表的なめっき条件は、液温度20〜30℃、陰極電流密度2〜6A/dm2、陽極電流密度1〜3A/dm2の範囲である。
なお、電解銅めっきの更なる実施は、低減化処理の処理後物品Waの一用途として電磁波遮蔽材10の製造方法の一環として説明したが、電磁波遮蔽材10以外に用いる処理対象物Woについても、電解銅めっきを実施しても良い。また、本発明による電磁波遮蔽材10は、電解めっきする金属として特に銅を選択したが、電磁波遮蔽材も含めて、処理後物品Waに対して、銅以外の金属、例えば、金、銀、白金、ニッケル、クロム、錫等を電解めっきしても良い。
また、電解銅めっき工程或いは電解めっき工程は、電気抵抗低減化処理工程に引き続き、インラインで実施することができる。つまり、これらの工程の連続処理である。或いはまた、電気抵抗低減化処理工程を実施した後、例えば連続帯状の処理後物品Waを一旦ロールに巻き取り保存した後、再度、このロールを巻き出して、電解銅めっきを実施するなど、オフラインで行うこともできる。つまり、これらの工程の非連続処理である。なお、インラインで行う場合は、低減化処理後の少なくとも乾燥工程の付加は省略できる。
また、電気抵抗低減化処理工程と、電解銅めっき工程或いは電解めっき工程との両工程を、インランイではなくオフラインで行えば、例えば、電磁波遮蔽材10の製造では、処理後物品Waとして或る程度汎用性の物を一旦製造し保存しておき、これを用途に応じて厚みを変えた電解銅めっき層の電解銅めっきを実施することで、異なる表面抵抗率による導電性能のものを共通の処理後物品Waから製造することが可能になる。
〔電解銅めっき層〕
電解銅めっき層4は、パターン状に形成された導電性組成物層3の表面に上記電解銅めっきによって形成される。少なくとも当該電解銅めっき層4と前記導電性組成物層3とによって、導電体パターン層2が構成される。そして、電解銅めっき層4によって、導電体パターン層2としての表面抵抗率を、導電性組成物層3のみによる場合よりも下げることができる。また、電解めっきで形成する金属として銅は、各種電解めっき可能な金属のなかでも、材料費及び導電性に優れているので、好ましい金属である。
なお、電解銅めっき層4の厚みは、用途、要求物性に応じたものとすればよく、例えば、0.1〜10μmである。
《D.その他の工程乃至は層》
なお、本発明では、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、上記した以外のその他の工程を含んでもよい。例えば、電解銅めっき層4の表面の酸化を防止する防錆層を設ける工程である。なお、防錆層は公知のクロメート処理で形成できる。
また、特に、電磁波遮蔽材10を製造するのであれば、この他、画像の明室コントラストを向上させる黒化処理層を設ける工程、導電性パターン層2による凹凸を平坦化する平坦化樹脂層を設ける工程、導電体パターン層2が形成された側とは反対側の透明基材1の面に、ディスプレイ前面板などの被着体に貼り付ける為の粘着剤層やそのセパレータフィルムを設ける工程、或いは、導電体パターン層2側の面、或いはその反対側の透明基材1の面に、各種光学フィルタ、光学フィルタ以外のその他の機能層を積層する工程などある。なお、これら工程で設ける層には公知のものを適宜使用すれば良い。なお、黒化処理は、例えば黒化ニッケルめっき、銅−コバルト合金粒子めっき、或いは粗面化処理等を利用できる。また、光学フィルタは、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、色補正層、反射防止層(防眩、反射防止、防眩及び反射防止兼用のいずれか)、微小ルーバによる外光反射防止層(特開2007−272161号公報など参照)などであり、光学フィルタ以外の機能層では、保護層、ハードコート層、帯電防止層、汚染防止層、耐衝撃層、粘着剤層などである。
《E.用途》
本発明による電気抵抗低減化処理方法は、各種用途に利用でき特に用途に制限はなく、電磁波遮蔽材、電気回路、電極、透明アンテナ(平面アンテナ)等に利用できるが、なかでも電磁波遮蔽材10の用途は、電磁波遮蔽材の製造方法として、好適な用途である。
電磁波遮蔽材10は、特に、テレビジョン受像装置、測定機器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器、電話機、電子看板、遊戯機器等の表示部等に用いられるPDP、CRT、LCD、ELなどの各種画像表示装置の前面フィルタ用として好適であり、特にPDP用として好適である。又、その他、住宅、学校、病院、事務所、店舗等の建築物の窓、車輛、航空機、船舶等の乗物の窓、電子レンジ等の各種家電製品の窓等に於ける電磁波遮蔽用途にも使用可能である。
1 透明基材
2 導電体パターン層
3 導電性組成物層
3a 導電性組成物層の形成部
3b 導電性組成物層の非形成部
4 電解銅めっき層
5 開口部
6 プライマ層
10 電磁波遮蔽材
Cp 導電性粒子
S 酸性硫酸銅溶液
Ta 導電性組成物層の形成部(凸部)のプライマ層の厚み
Tb 導電性組成物層の非形成部のプライマ層の厚み
Wo 処理対象物
Wa 処理後物品

Claims (3)

  1. 基材上に銀粒子と樹脂バインダとを含有する導電性組成物層からなり凸部をなすパターン状の導電性組成物を形成してなり、
    且つ該導電性組成物層の凸部内の銀粒子の数密度の分布が、相対的に、透明基材の近傍において分布が疎であり頂部近傍において分布が密とされた処理対象物を用意し、
    該処理対象の導電性組成物に対して、通電を行わないで、硫酸銅と硫酸と水を含む酸性硫酸銅溶液を接触させて、該導電性組成物層の表面抵抗率を低下させる、電気抵抗低減化処理方法。
  2. 基材が透明な透明基材であって、該透明基材上にパターン状に印刷法で形成された導電性組成物層の表面抵抗率を、上記請求項1に記載の電気抵抗低減化処理方法によって低下させる工程を含む、電磁波遮蔽材の製造方法。
  3. 電気抵抗低減化処理工程の後に、表面抵抗率が低下した導電性組成物層に対して、その表面に電解銅めっきによって電解銅めっき層を形成して、導電性組成物層と電解銅めっき層とを有する導電体パターン層を形成する電解銅めっき工程を含む、請求項2に記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
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