JP2009302084A - 光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ、並びに導電材料の電気抵抗を低下させる方法 - Google Patents
光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ、並びに導電材料の電気抵抗を低下させる方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009302084A JP2009302084A JP2008151233A JP2008151233A JP2009302084A JP 2009302084 A JP2009302084 A JP 2009302084A JP 2008151233 A JP2008151233 A JP 2008151233A JP 2008151233 A JP2008151233 A JP 2008151233A JP 2009302084 A JP2009302084 A JP 2009302084A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electromagnetic wave
- wave shielding
- light
- shielding material
- conductive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】 電磁波シールド性、光透過性および視認性に優れ、高精度のメッシュパターンを有する光透過性電磁波シールド材を簡易に製造することができる光透過性電磁波シールド材の製造方法;優れた電磁波シールド性を有する光透過性電磁波シールド材;この光透過性電磁波シールド材を有するディスプレイ用フィルタ;及び導電材料の電気抵抗を簡易に低下させることができる方法を提供すること。
【解決手段】 透明基板上にメッシュ状に形成された、バインダ樹脂及びその中に分散された金属微粒子を含む導電材料層に、強酸を接触させて、導電材料層の電気抵抗を低下させることにより導電層を形成する工程を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】 透明基板上にメッシュ状に形成された、バインダ樹脂及びその中に分散された金属微粒子を含む導電材料層に、強酸を接触させて、導電材料層の電気抵抗を低下させることにより導電層を形成する工程を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓に用いられ得る貼着用シート等として有用な光透過性電磁波シールド材の製造方法、この製造方法に有利に使用される導電材料の電気抵抗を低下させる方法、光透過性電磁波シールド材、および光透過性電磁波シールド材を含むディスプレイ用パネル、特にプラズマディスプレイパネル用フィルタに関する。
近年、ディスプレイは大画面表示が主流となり、大画面表示デバイスとして、液晶ディスプレイと共にPDPが一般的になってきている。PDPは液晶ディスプレイに比べて応答速度が早い等の利点を有する。しかしながら、このPDPでは画像表示のため発光部に高周波パルス放電を行っているため、不要な電磁波の輻射や赤外線リモコン等の誤動作の原因ともなる赤外線の輻射のおそれがあり、このため、これらを防止する目的で、PDPに対して、導電性を有する種々のPDPフィルタ(電磁波シールド性光透過窓材)が提案されている。この電磁波シールド性光透過窓材の導電層としては、例えば、(1)金属銀を含む透明導電薄膜、(2)金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュ、(3)透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、(4)透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等が知られている。
しかしながら、(1)の透明導電薄膜は導電性が十分得られないこと、また(2)の導電メッシュは、一般に、良好な光透過性を得ることができないとの欠点があった。(3)のエッチング加工及び(4)パターン印刷により、所望のメッシュ状の導電層を形成することができることから、線幅や間隔、網目形状の自由度は導電性メッシュに比べて格段に大きく、線幅200μm以下、開口率75%以上という細線で開口率の高いメッシュ状の導電層であっても形成可能である。但し、(3)ではエッチング加工において設備が必要であり、また工程が煩雑でコスト高となるとの不利がある。一方、(4)メッシュ状のパターン印刷は上記導電層の形成が特に容易で有利であり、このような細線で目の粗い導電層を形成した導電性印刷膜であれば、良好な光透過性を得ることができると共に、モアレ現象を防止することができる。例えば、このような導電層は、例えば、特許文献1(特開平11−75688号公報)、特許文献2(特開2000−174491号公報)に記載されている。
しかしながら、(4)の導電性インクの印刷は、この導電性微粒子の間にバインダ樹脂が存在しているため電気抵抗を十分に低くすることができないとの問題がある。
しかしながら、上記のような金属微粒子等の導電性微粒子とバインダ樹脂とからなるメッシュ状導電層の電気抵抗を低下させるために、金属微粒子として鱗片状のものを用いる、或いは加熱によりバインダを収縮させる、さらには加圧により金属粒子間の間隔を小さくする等の改善策が考えられる。鱗片状金属微粒子は、平均粒径が5μmを超える場合は高精細な印刷が困難で開口率を十分高くすることができず、加熱によるバインダ収縮は、長尺状樹脂フィルムを用いてロール・トゥ・ロール方式で連続製造した場合、加熱の影響を受けて送り張力のバランスがとり難くなったり、或いは巻き取った際にブロッキングが発生する等の問題があること、また、加圧による金属粒子間隔の縮小は、間隔を十分に狭めることが困難であることが明らかとなった。以上はメッシュ状導電層について述べたが、メッシュ状でない通常の膜であっても、電気抵抗においては同様の問題があることは明らかである。
従って、本発明の目的は、優れた電磁波シールド性を有する光透過性電磁波シールド材を簡易に製造することが可能な光透過性電磁波シールド材の製造方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、電磁波シールド性、光透過性および視認性に優れ、高精度のメッシュパターンを有する光透過性電磁波シールド材を簡易に製造することができる光透過性電磁波シールド材の製造方法を提供することである。
また本発明の目的は、優れた電磁波シールド性を有する光透過性電磁波シールド材を提供することである。
さらにまた本発明の目的は、優れた電磁波シールド性を有する光透過性電磁波シールド材を有するディスプレイ用フィルタ提供することである。
また本発明の目的は、優れた電磁波シールド性を有する光透過性電磁波シールド材を有するPDP用フィルタを提供することである。
さらに本発明の目的は、導電材料の電気抵抗を簡易に低下させることができる方法を提供することである。
本発明は、
透明基板上にメッシュ状に形成された、バインダ樹脂及びその中に分散された金属微粒子を含む導電材料層に、強酸を接触させて、導電材料層の電気抵抗を低下させることにより導電層を形成する工程を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法にある。
透明基板上にメッシュ状に形成された、バインダ樹脂及びその中に分散された金属微粒子を含む導電材料層に、強酸を接触させて、導電材料層の電気抵抗を低下させることにより導電層を形成する工程を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法にある。
本発明者等は、上記のように、従来の導電層(導電材料層)に強酸に接触させるという簡便な方法により、電気抵抗を低下させることができることを見いだし、本発明に到達した。これは、強酸により金属微粒子の一部が拡散し、再溶出することにより金属微粒子の連続性がある程度もたらされたことによると考えられる。
本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法の好適態様は以下の通りである。
1)導電層中の金属微粒子の少なくとも一部が連結している。これにより優れた導電性が得られる。
2)強酸が加熱されている。効率良く、電気抵抗を低下させることができる。加熱温度は40〜80℃の範囲が好ましい。
3)強酸が、塩酸、硫酸及び硝酸から選択される少なくとも1種である。塩酸が特に好ましい。強酸の濃度は、0.1〜5規定(N)であることが好ましい。
4)金属微粒子が、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト及び鉛から選択される少なくとも1種の金属、及び/又はこれらの合金の微粒子である。金属微粒子は、ニッケル、金、スズ、及び銀から選択される少なくとも1種、或いはこれらの合金であることが好ましい。特に銀が好ましい。低抵抗が得られやすい。
5)金属微粒子の平均粒径が5μm以下である。メッシュ状の導電層を作製する際、極細な線が得られやすい。
6)バインダ樹脂が、ポリエステル、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエチレン・酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂、及び/又はポリエステル及び/又はアクリル樹脂とポリイソシアネート化合物との組合せ及びエポキシ樹脂とポリアミン化合物との組合せから選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂である。ポリエステル及び/又はアクリル樹脂とポリイソシアネート化合物が好ましい。
7)導電材料層と強酸との接触を、導電材料層を強酸に浸漬することにより、或いは導電材料層に強酸を噴霧又は塗布することにより行う。浸漬が好ましい。低抵抗下の効率が良い。
8)導電層上にさらに、電解めっきを行う。さらなる低抵抗化が容易である。これにより、所望する厚さを有する金属導電層を得ることもできる。
9)導電層の表面を黒化処理し、前記金属導電層の表面の少なくとも一部に黒化処理層を形成する工程をさらに有する。これにより、前記金属導電層に防眩性を付与して視認性を向上させることができる。
10)透明基板がプラスチックフィルムである。
11)透明基板として長尺状プラスチックフィルムを用い、ロール・トゥ・ロール方式で連続的に行う。生産性に優れている。
12)導電層の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、特に0.1〜8μmが好ましい。
本発明は、
上記の製造方法によって製造された光透過性電磁波シールド材;及び
透明基板とその上に設けられた金属及び/又は金属化合物の微粒子及び樹脂バインダを含む導電層とを含み、導電層の表面が強酸で処理されていることを特徴とする光透過性電磁波シールド材にもある。
上記の製造方法によって製造された光透過性電磁波シールド材;及び
透明基板とその上に設けられた金属及び/又は金属化合物の微粒子及び樹脂バインダを含む導電層とを含み、導電層の表面が強酸で処理されていることを特徴とする光透過性電磁波シールド材にもある。
上記光透過性電磁波シールド材において、導電層中の金属微粒子の少なくとも一部が連結している。これにより優れた導電性が得られる。
さらに本発明は、上記光透過性電磁波シールド材を有するディスプレイ用フィルタ;及び
上記光透過性電磁波シールド材を有するプラズマディスプレイパネル用フィルタ
にもある。
上記光透過性電磁波シールド材を有するプラズマディスプレイパネル用フィルタ
にもある。
さらにまた本発明は、
金属微粒子及び樹脂バインダを含んでなる導電材料に強酸を接触させて、電気抵抗を低下させることを特徴とする導電材料の電気抵抗を低下させる方法にもある。
金属微粒子及び樹脂バインダを含んでなる導電材料に強酸を接触させて、電気抵抗を低下させることを特徴とする導電材料の電気抵抗を低下させる方法にもある。
本発明の導電材料の電気抵抗を低下させる方法の好適態様は以下の通りである。
1)強酸が加熱されている。効率良く、電気抵抗を低下させることができる。加熱温度は40〜80℃の範囲が好ましい。
2)強酸が、塩酸、硫酸及び硝酸から選択される少なくとも1種である。強酸の濃度は、0.1〜5規定(N)であることが好ましい。
上記以外、前述の光透過性電磁波シールド材の好適態様をここでも適用することができる。
本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法によれば、金属微粒子とバインダ樹脂との導電材料層を、強酸で処理することにより電気抵抗が低下させることができ、これにより優れた電磁波シールド性を有する光透過性電磁波シールド材を容易に得ることができる。また、導電層をメッシュ状とすることにより、高精細な、即ち極細のメッシュの導電層であっても、電気抵抗をかなり低下させることができるので、これにより光透過性および視認性に優れ、高精度のメッシュパターンを有する光透過性電磁波シールド材を簡易に得ることができる。
このような電気抵抗の低下は、強酸により金属微粒子の一部が拡散し、再溶出することにより金属微粒子の連続性がある程度もたらされたことによると考えられる。
またこのような方法は、一般的な導電材料の低抵抗化にも有効である。
本発明の電磁波シールド性を有する光透過性電磁波シールド材の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法の1例を説明するための概略断面図を示す。透明基板11の表面に、金属微粒子及びバインダ樹脂を含む導電性ペーストをメッシュ状に印刷し((1),(2))、必要により乾燥することにより、透明基板11上にメッシュ状の導電材料層12を形成する。次いで導電材料層12を強酸に接触させることにより、導電材料層12の金属微粒の一部を拡散し、再溶出させ、これにより電気抵抗の低下した導電層13を形成する(3)。
導電材料層12の強酸との接触は、例えば強酸を満たした槽に浸漬することにより、或いは導電材料層12に強酸を噴霧、塗布により行うことができる。得られる光透過性電磁波シールド材は、勿論、このような構成を有する他の材料、例えば、ディスプレイ、太陽電池、キーボード等の電子機器全般の配線材料としても用いることができる。
図2に、本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法の別の例を説明するための概略断面図を示す。まず(1)、(2)に示すように透明基板21上に水等の溶剤に対して可溶な材料を用いてドット24を印刷する。次いで、(3)に示すように、透明基板21のドット24の上及びドット24の間の透明基板露出面のすべてを覆うように金属微粒子及びバインダ樹脂を含む導電性ペーストを塗布して、導電材料層23を形成する。ドット上にも導電材料層23が設けられるが、余り厚すぎると後の洗浄でドットを除去できなくなる。次に、この透明基板21を水等の溶剤によって洗浄する。この際、必要に応じ、超音波照射やブラシ、スポンジ等で擦るなどの溶解促進手段を併用してもよい。
上記洗浄により、(4)に示すように可溶性のドット24が溶解し、このドット24上の導電材料も透明基板21から剥れて除去される。そして、ドット24同士の間の領域に形成された導電材料よりなる導電材料層22が透明基板21上に残る。この導電材料層22は、ドット24間の領域を占めるものであるから、全体としてはメッシュ状となる。
従って、ドット24間の間隙を狭くしておくことにより、線幅の小さいメッシュ状の導電材料層22が形成される。また、各ドット24の面積を広くすることにより、開口率の大きな導電材料層22が形成される。
上記(4)の工程後、導電材料層22を強酸に接触させることにより、導電材料層22の金属微粒の一部を拡散し、再溶出させ、これにより電気抵抗の低下した導電層23を形成する((5)に示す)。導電材料層22の強酸との接触は、例えば強酸を満たした槽に浸漬することにより、或いは導電材料層22に強酸を噴霧、塗布により行うことができる。得られる光透過性電磁波シールド材は、勿論、このような構成を有する他の材料、例えば、ディスプレイ、太陽電池、キーボード等の電子機器全般の配線材料としても用いることができる。
尚、ドット24を形成するための前記水等に対して可溶な印刷材料(例、PVA)は、微粒子を分散させる必要のないものであり、低粘性のものでも充分使用できる。この低粘性の印刷材料を使用することにより、微細なメッシュパターンとなるようにドットを印刷することができる。なお、上記(4)の工程後、必要に応じ仕上げ洗浄(リンス)し、乾燥しても良い。
本発明の強酸とは水溶液中での電離度が1に近い酸であり、例えば、塩酸、硫酸及び硝酸を挙げることができる。強酸の濃度は、0.1〜5規定(N)、特に0.2〜2規定であることが好ましい。濃度が高すぎると、金属微粒子以外の材料を大きく損傷する場合があり、濃度が低すぎると、電気抵抗が十分に低下しない。
強酸は、常温で使用しても十分効果があるが、加熱するとさらに好ましい。短時間の処理で、電気抵抗を低下させることができる。加熱温度は40〜80℃の範囲、特に50〜70℃の範囲が好ましい。加熱する場合、強酸としては、塩酸、硫酸が、特に硫酸が好ましい。加熱しない場合、強酸としては、塩酸が好ましい。
強酸との接触時間(好ましくは浸漬時間)は、加熱してもしなくても、0.2〜40分、さらに0.5〜30分、特に1〜10分間が好ましい。中でも1〜5分間が好ましい。接触時間が、短すぎると電気抵抗を十分に低下させることができず、長すぎると導電層と透明基板の密着性を低下させる場合がある。
導電性ペーストに使用される金属微粒子としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト及び鉛等の金属、及びこれらの合金の微粒子を挙げることができる。金属微粒子は、ニッケル、金、スズ、及び銀が、低抵抗が得られやすく好ましく、特に銀が好ましい。金属、及び合金は、それぞれ単独で使用しても、2種以上の混合物として使用しても良い。
金属微粒子の平均粒径は、一般に100μm以下、さらに50μm以下、特に5μm以下が好ましい。メッシュ状導電層で、高い開口率を得るためには、5μm以下であることが好ましい。
導電性ペーストに使用されるバインダ樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート)及びエチレン・酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂、及びポリエステル及び/又はアクリル樹脂(これらは一般にヒドロキシル基及び/又はアミノ基を有する)とポリイソシアネート化合物との組合せ、エポキシ樹脂とポリアミン化合物等の硬化剤との組合せ、及びポリアミドとポリアミン等の硬化剤との組合せ等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。ポリエステル及び/又はアクリル樹脂とポリイソシアネート化合物が好ましい。
導電性ペーストは、上記金属微粒子及び樹脂バインダ、必要により有機溶剤を、慣用の撹拌機、混練機を用いて混合して得ることができる。金属微粒子と樹脂バインダとの固形分比は、質量比で、一般に95:5〜50:50、特に95:5〜80:20の範囲である。導電性ペーストの固形分は、一般に30〜90質量%、40〜85質量%が好ましい。
有機溶剤の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチルカルビトール等のカルビトール類を挙げることができる。
導電層の厚さは、一般にメッシュ状導電層の層厚が、0.1〜10μm、好ましくは0.1〜8μmである。ハードコート層が、メッシュ状導電層の凹部を完全に覆うことが容易である。
本発明の方法において、導電性ペーストを塗布する透明基板としては、透明性および可とう性を備え、その後の処理に耐えるものであれば特に制限はない。透明基板の材質としては、例えば、ガラス、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる、これらの中で、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、透明性の高い材料であるPET、PC、PMMAが好ましい。また、透明基板は、これらの材質からなるシート、フィルム、または板として用いられる。
透明基板の厚みは特に限定されないが、光透過性電磁波シールド材の光透過性を維持するという観点からすると薄いほど好ましく、通常は、使用時の形態や必要とされる機械的強度に応じて0.05〜5mmの範囲で適宜、厚みが設定される。
上述した導電性ペーストを、透明基板上にメッシュ状に印刷(塗布)する場合、導電性ペーストの粘度は、印刷により微細な線幅および間隙(ピッチ)を有するためには、25℃において、500〜5000cpsとするのが好ましい。
導電性ペーストをメッシュ状に印刷に印刷する場合は、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、静電印刷、フレキソ印刷などの印刷方法を用いることができる。特に、細線化のためにはグラビア印刷が好適である。グラビア印刷を用いる場合、印刷速度は5〜50m/分とするのが好ましい。
導電性ペーストを基板全面に塗布(印刷)する場合は、上記の印刷方法の他、バーコータ、ロールコータ、フローコータ、スプレー等の通常の塗布機を用いることができる。
透明基板上に、導電性ペーストを印刷又は塗布した後、強酸処理を行う前に、乾燥、又は乾燥及び加熱硬化処理が行われる。乾燥処理、又は乾燥及び加熱硬化処理は、一般に、40〜120℃、さらに50〜110℃、特に60〜100℃の温度において、0.5〜60分、さらに0.5〜30分、特に0.5〜10分間が好ましい。
また、導電性ペーストの導電材料層は、転写方式によって印刷されてもよい。転写方式の場合は、例えば、前記透明基板とは別の任意の転写用基材シートに、無電解めっき前処理剤を上記と同様の印刷方法等によって印刷し、熱ラミネート法、ドライラミネート法、またはウエットラミネート法、押出ラミネート法等により、透明基板と貼り合わせた後に、転写用基材シートのみを剥離して、導電材料層に透明基板転写する方法などを用いることができる。
メッシュ状の導電層におけるパターンの形状には特に制限はなく、例えば四角形の孔が形成された格子状や、円形、六角形、三角形又は楕円形の孔が形成されたパンチングメタル状などが挙げられる。また、孔は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。
導電層に高い光透過性および電磁波シールド性を付与する観点からは、前処理層における開口部は、等間隔で規則的に配列されているのが望ましい。また、高い光透過性を有する金属導電層を形成するには、前記金属導電層において、開口部の形状が角形状、特に正方形または長方形とし、開口率を高くするのが望ましい。したがって、前記前処理層における開口部の大きさは、微小であるのが好ましい。
導電層の線幅1〜50μm、開口率50〜95%、好ましくは線幅5〜40μm、開口率60〜95%とするのが好ましい。なお、前処理層の開口率とは、当該前処理層(外枠がある場合はそれを除いた領域)の投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
導電層上に、さらに金属メッキ層を、導電性を向上させるためは設けても良い。金属メッキ層は、公知の電解メッキ法、無電解メッキ法により形成することができる。
無電解めっきにおけるめっき金属としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、白金、銅、チタン、コバルト、鉛等を用いることができる。特に、高い電磁波シールド性が得られる金属導電層が得られることから、好ましくは、銀、銅又はアルミニウムが好ましく用いられる。これらのめっき金属を用いて形成される金属導電層は、前処理層およびメッキ保護層との密着性に優れる他、光透過性と電磁波シールド性の両立に好適である。
無電解めっきは、無電解めっき浴を用いて常法に従って常温または加温下で行うことができる。即ち、めっき金属塩、キレート剤、pH調整剤、還元剤などを基本組成として含むめっき液を建浴したものにめっき基材を浸漬して行うか、構成めっき液を2液以上と分けて添加方式でめっき処理を施すなど適宜選択すれば良い。
電解めっきにおけるめっき金属としては、無電解めっきにおいて上述したものと同様のものが用いられる。
電解めっきにおけるめっき金属としては、無電解めっきにおいて上述したものと同様のものが用いられる。
電解めっきは、特に制限されず、常法に従って行えばよい。例えば、メッシュ状の前処理層および金属導電層が形成された透明基板をめっき液に浸漬させ、前記透明基板を陰極とし、単体のめっき金属を陽極とし、めっき液に電流をかけて行えばよい。めっき液の組成は、特に制限されない。例えば、Cuからなる金属導電層を形成する場合には、硫酸銅水溶液などが用いられる。
また、防眩性能を付与させても良い。この防眩化処理を行う場合、(メッシュ)導電層の表面に黒化処理を行っても良い。例えば、金属膜の酸化処理、硫化処理、クロム合金等の黒色メッキ、黒又は暗色系のインクの塗布等を行うことができる。
黒化処理は、前記金属導電層の金属の酸化処理又は硫化処理によって行うことが好ましい。特に酸化処理は、より優れた防眩効果を得ることができ、さらに廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
前記黒化処理として酸化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましい。
前記黒化処理として硫化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが可能であり、好ましくは、硫化カリウム及び硫化アンモニウムであり、特に低温で使用可能である点から、硫化アンモニウムを使用することが好ましい。
黒化処理層の厚さは、特に制限されないが、0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μmとするのがよい。前記厚さが、0.01μm未満であると、光の防眩効果が充分でない恐れがあり、1μmを超えると、斜視した際の見かけ上の開口率が低下する恐れがある。
こうして得られた導電層の表面は、通常透明基板と導電層の積層体の全体を十分に水洗する。洗浄水は、必要により界面活性剤等を添加したものを使用しても良い。
本発明の透明基板として長尺状プラスチックフィルムを用い、ロール・トゥ・ロール方式で、長尺状プラスチックフィルムを連続的に搬送させながら、導電性ペーストの塗布又は印刷、乾燥、強酸槽への浸漬、そして水洗を連続的に行うことにより、簡便に光透過性電磁波シールド材を得ることができ、好ましい。
また本発明の光透過性電磁波シールド材の製造方法における強酸により電気抵抗の低下の方法は、上記導電材料層のみならず、一般的な導電材料の低抵抗化にも同様に利用することができ、有効である。
こうして得られる光透過性電磁波シールド材は、接着剤層の他、さらにハードコート層、反射防止層、色調補正フィルタ層、近赤外線吸収層などを有していてもよい。これらの各層の積層の順序は、目的に応じて決定される。また、ディスプレイ用フィルタには、電磁波シールド機能を高めるために、PDP本体のアース電極と接続するための電極を設けてもよい。
好ましい光透過性電磁波シールド材としては、得られた導電層の表面に、例えば、ハードコート層、及び低屈折率層等の反射防止層が設けられ、裏面に近赤外線吸収層が設けられたもの、或いは導電層の表面に、粘着剤層を介して、或いは直接近赤外線吸収層が設けられ、裏面にハードコート層、及び低屈折率層等の反射防止層が設けられたものを挙げることができる。
本発明の光透過性電磁波シールド材は、光透過性が要求される用途、例えば電磁波を発生する各種電気機器のLCD、PDP、CRT等のディスプレイ装置のディスプレイ面、又は、施設や家屋の透明ガラス面や透明パネル面に好適に適用される。前記光透過性電磁波シールド材は、高い光透過性および電磁波シールド性を有しているので、前述したディスプレイ装置のディスプレイ用フィルタ、特にPDP用フィルタに好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により説明する。本発明は、以下の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
(導電性ペーストの配合)
銀微粒子(粒状;Ag103W、福田金属(株)製) 75質量部
ポリエステル樹脂(固形分:30質量%;
UR1400、東洋紡績(株)製) 45質量部
ブロックイソシアネート(固形分:80質量%;
(17B−60PX、旭化成(株)製) 2質量部
分散剤 0.2質量部
酢酸エチルカルビトール 10質量部
上記導電性ペーストの配合の各材料を、ディゾルバーで30分間撹拌し、導電性ペーストを得た。
(導電性ペーストの配合)
銀微粒子(粒状;Ag103W、福田金属(株)製) 75質量部
ポリエステル樹脂(固形分:30質量%;
UR1400、東洋紡績(株)製) 45質量部
ブロックイソシアネート(固形分:80質量%;
(17B−60PX、旭化成(株)製) 2質量部
分散剤 0.2質量部
酢酸エチルカルビトール 10質量部
上記導電性ペーストの配合の各材料を、ディゾルバーで30分間撹拌し、導電性ペーストを得た。
この導電性ペーストを厚さ100μmポリエチレンテレフタレートフィルムにバーコータで塗布し、90℃で1分間乾燥した。PETフィルムの全表面に厚さ3μmの導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は5.0×102Ω/□であった。
導電材料層を有するPETフィルム全体を1N塩酸に室温で3分間浸漬した。十分に洗浄した後、乾燥させ、導電層(厚さ3μm)を得た。導電層の表面抵抗は8.0×10-2Ω/□であった。こうして低抵抗の導電層付きPETフィルムを得た。
[実施例2]
(導電性ペーストの配合)
銀微粒子(粒状;Ag103W、福田金属(株)製) 30質量部
銀微粒子(鱗片状;AgC239、福田金属(株)製) 45質量部
ポリエステル樹脂(固形分:30質量%;
UR1400、東洋紡績(株)製) 45質量部
ブロックイソシアネート(固形分:80質量%;
(17B−60PX、旭化成(株)製) 2質量部
分散剤 0.2質量部
酢酸エチルカルビトール 10質量部
上記導電性ペーストの配合を用いた以外は、実施例1と同様にして導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は8.0×10-1Ω/□であった。
(導電性ペーストの配合)
銀微粒子(粒状;Ag103W、福田金属(株)製) 30質量部
銀微粒子(鱗片状;AgC239、福田金属(株)製) 45質量部
ポリエステル樹脂(固形分:30質量%;
UR1400、東洋紡績(株)製) 45質量部
ブロックイソシアネート(固形分:80質量%;
(17B−60PX、旭化成(株)製) 2質量部
分散剤 0.2質量部
酢酸エチルカルビトール 10質量部
上記導電性ペーストの配合を用いた以外は、実施例1と同様にして導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は8.0×10-1Ω/□であった。
導電材料層を有するPETフィルム全体を1N塩酸に室温で3分間浸漬した。十分に洗浄した後、乾燥させ、導電層を得た。導電層の表面抵抗は8.0×10-2Ω/□であった。こうして低抵抗の導電層付きPETフィルムを得た。
[実施例3]
実施例1と同様にして、PETフィルムの全表面に厚さ3μmの導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は5.0×102Ω/□であった。
実施例1と同様にして、PETフィルムの全表面に厚さ3μmの導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は5.0×102Ω/□であった。
導電材料層を有するPETフィルム全体を60℃に加熱した1N硫酸に室温で3分間浸漬した。十分に洗浄した後、乾燥させ、導電層(厚さ3μm)を得た。導電層の表面抵抗は1.0×10-1Ω/□であった。こうして低抵抗の導電層付きPETフィルムを得た。
[比較例1]
実施例2において、導電材料層の処理を、酸処理ではなく、130℃で30分間焼成して、導電層を得た。導電層(厚さ:2.5μm)の表面抵抗は2.0×10-1Ω/□であった。こうして低抵抗の導電層付きPETフィルムを得た。しかしながら、130℃の焼成後、PET基板にわずかに反りが見られた。また導電層付きPETを巻いたまま焼成した場合には、PET基板間にブロッキングが見られた。
実施例2において、導電材料層の処理を、酸処理ではなく、130℃で30分間焼成して、導電層を得た。導電層(厚さ:2.5μm)の表面抵抗は2.0×10-1Ω/□であった。こうして低抵抗の導電層付きPETフィルムを得た。しかしながら、130℃の焼成後、PET基板にわずかに反りが見られた。また導電層付きPETを巻いたまま焼成した場合には、PET基板間にブロッキングが見られた。
[比較例2]
実施例1と同様にして、PETフィルムの全表面に厚さ3μmの導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は5.0×102Ω/□であった。
実施例1と同様にして、PETフィルムの全表面に厚さ3μmの導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は5.0×102Ω/□であった。
導電材料層を有するPETフィルム全体を60℃に加熱した1N酢酸に室温で3分間浸漬した。十分に洗浄した後、乾燥させ、導電層(厚さ3μm)を得た。こうして導電層付きPETフィルムを得た。導電層の表面抵抗は1.0×102Ω/□で、余り低くはならなかった。
以下の実施例4、5及び比較例3、4では、光透過性電磁波シールド材を作製した。
[実施例4]
厚さ100μmの長尺状ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面に、実施例1で得られた導電性ペーストを、グラビア印刷により、格子状にパターンニング印刷を行い、メッシュ状の導電材料層(格子ピッチ200μm、線幅25μm、厚さ1μm)を形成した。この導電材料層の表面抵抗は1.0×105Ω/□であった。
厚さ100μmの長尺状ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面に、実施例1で得られた導電性ペーストを、グラビア印刷により、格子状にパターンニング印刷を行い、メッシュ状の導電材料層(格子ピッチ200μm、線幅25μm、厚さ1μm)を形成した。この導電材料層の表面抵抗は1.0×105Ω/□であった。
導電材料層を有するPETフィルム全体を1N塩酸に室温で3分間浸漬した。十分に洗浄した後、乾燥させ、導電層を得た。導電層の表面抵抗は2.0×101Ω/□であった。
続いて、このようにして得られた導電層が形成されたPETフィルムを、以下の条件で電気メッキを施した。
(電気メッキ液)
硫酸銅:70g/L、 濃硫酸:200g/L、 塩酸(37質量%):15g/L
電流密度:2A/dm2
時間:100秒。
硫酸銅:70g/L、 濃硫酸:200g/L、 塩酸(37質量%):15g/L
電流密度:2A/dm2
時間:100秒。
電気メッキ後、メッシュ状導電層の厚さは5μmとなり、表面抵抗は1.0×10-2Ω/□となった。こうしてメッシュ状導電層付きPETフィルム(光透過性電磁波シールド材)を得た。また、得られた光透過性電磁波シールド材のどの部分にも外観不良は見られなかった。
[比較例3]
実施例4と同様にして、表面抵抗1.0×105Ω/□のメッシュ状の導電材料層(格子ピッチ200μm、線幅25μm、厚さ1μm)を得た。
実施例4と同様にして、表面抵抗1.0×105Ω/□のメッシュ状の導電材料層(格子ピッチ200μm、線幅25μm、厚さ1μm)を得た。
続いて、このようにして得られた導電材料層が形成されたPETフィルムを、酸処理を行わず、実施例4と同様の条件で電気メッキを施した。
電気メッキ後、メッシュ状の導電材料層の各線(電極)周辺にメッキ焼けが発生し、外観が不良となった。また厚さも5μmから2μmまで場所によりバラツキが大きかった。表面抵抗も3.0×102Ω/□と、その抵抗の低下が十分ではなかった。
[比較例4]
実施例4と同様にして、表面抵抗1.0×105Ω/□のメッシュ状の導電材料層(格子ピッチ200μm、線幅25μm、厚さ1μm)を得た。
実施例4と同様にして、表面抵抗1.0×105Ω/□のメッシュ状の導電材料層(格子ピッチ200μm、線幅25μm、厚さ1μm)を得た。
導電材料層の処理を、酸処理ではなく、130℃で30分間焼成して、導電層を得た。導電層(厚さ:1μm)の表面抵抗は3.0×104Ω/□であった。130℃の焼成後、PET基板にわずかに反りが見られた。また導電層付きPETを巻いたまま焼成した場合には、PET基板間にブロッキングが見られた。
続いて、実施例4と同様の条件で電気メッキを施した。
電気メッキ後、メッシュ状の導電材料層の各線(電極)周辺にメッキ焼けが発生し、外観が不良となった。また厚さも5μmから1μmまで場所によりバラツキが大きかった表面抵抗は1.0×102Ω/□と、その表面抵抗の低下が十分ではなかった。
[実施例5]
実施例4と同様にして、PETフィルムの全表面に厚さ1μmのメッシュ状の導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は1.0×105Ω/□であった。
実施例4と同様にして、PETフィルムの全表面に厚さ1μmのメッシュ状の導電材料層を形成した。導電材料層の表面抵抗は1.0×105Ω/□であった。
導電材料層を有するPETフィルム全体を60℃に加熱した1N硫酸に室温で3分間浸漬した。十分に洗浄した後、乾燥させ、導電層(厚さ1μm)を得た。導電層の表面抵抗は3.0×101Ω/□であった。
続いて、実施例4と同様の条件で電気メッキを施した。電気メッキ後、メッシュ状導電層の厚さは5μmとなり、導電層の表面抵抗は1.0×10-2Ω/□であった。こうして光透過性電磁波シールド材を得た。
尚、上記表面抵抗の測定は、抵抗率計(ロレスタGP;三菱化学(株)製;ESPプローブ使用)行った。
11、21 透明基板
12、22 導電材料層
13、23 導電層
24 ドット
12、22 導電材料層
13、23 導電層
24 ドット
Claims (25)
- 透明基板上にメッシュ状に形成された、バインダ樹脂及びその中に分散された金属微粒子を含む導電材料層に、強酸を接触させて、導電材料層の電気抵抗を低下させることにより導電層を形成する工程を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 導電層中の金属微粒子の少なくとも一部が連結している請求項1に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 強酸が加熱されている請求項1又は2に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 加熱温度が40〜80℃の範囲にある請求項3に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 強酸が、塩酸、硫酸及び硝酸から選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 強酸の濃度が、0.1〜5規定(N)である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 金属微粒子が、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト及び鉛から選択される少なくとも1種の金属、及び/又はこれらの合金の微粒子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 金属微粒子が、ニッケル、金、スズ、及び銀から選択される少なくとも1種の金属の微粒子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 金属微粒子の平均粒径が5μm以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- バインダ樹脂が、ポリエステル、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエチレン・酢酸ビニル共重合体から選択されるの少なくとも1種の熱可塑性樹脂、及び/又はポリエステル及び/又はアクリル樹脂とポリイソシアネート化合物との組合せ及びエポキシ樹脂とポリアミン化合物との組合せから選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂である請求項1〜9のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 導電材料層と強酸との接触を、導電材料層を強酸に浸漬することにより、或いは導電材料層に強酸を噴霧又は塗布することにより行う請求項1〜10のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 導電層上にさらに、電解めっきを行う請求項1〜11のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 導電層の表面を黒化処理し、前記金属導電層の表面の少なくとも一部に黒化処理層を形成する請求項1〜12のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 導電層の厚さが0.1〜8μmの範囲にある請求項1〜13のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 透明基板がプラスチックフィルムである請求項1〜14のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 透明基板として長尺状プラスチックフィルムを用い、ロール・トゥ・ロール方式で連続的に行う請求項1〜15のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された光透過性電磁波シールド材。
- 透明基板とその上に設けられた金属及び/又は金属化合物の微粒子及び樹脂バインダを含む導電層とを含み、導電層の表面が強酸で処理されていることを特徴とする光透過性電磁波シールド材。
- 導電層中の金属微粒子の少なくとも一部が連結している請求項18に記載の光透過性電磁波シールド材。
- 請求項17〜19のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材を有するディスプレイ用フィルタ。
- 請求項17〜19のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材を有するプラズマディスプレイパネル用フィルタ。
- 金属微粒子及び樹脂バインダを含んでなる導電材料に強酸を接触させて、電気抵抗を低下させることを特徴とする導電材料の電気抵抗を低下させる方法。
- 強酸が、加熱されている請求項22に記載の導電材料の電気抵抗を低下させる方法。
- 加熱温度が40〜80℃の範囲にある請求項22に記載の導電材料の電気抵抗を低下させる方法。
- 強酸が、塩酸、硫酸及び硝酸から選択される少なくとも1種である請求項22〜24のいずれか1項に記載の導電材料の電気抵抗を低下させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008151233A JP2009302084A (ja) | 2008-06-10 | 2008-06-10 | 光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ、並びに導電材料の電気抵抗を低下させる方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008151233A JP2009302084A (ja) | 2008-06-10 | 2008-06-10 | 光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ、並びに導電材料の電気抵抗を低下させる方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009302084A true JP2009302084A (ja) | 2009-12-24 |
Family
ID=41548724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008151233A Pending JP2009302084A (ja) | 2008-06-10 | 2008-06-10 | 光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ、並びに導電材料の電気抵抗を低下させる方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009302084A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108424732A (zh) * | 2018-01-16 | 2018-08-21 | 广东鑫丰海电子科技有限公司 | 一种环氧树酯导电胶和电磁屏蔽膜及其制备方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007329461A (ja) * | 2006-05-01 | 2007-12-20 | Bridgestone Corp | 光透過性電磁波シールド性窓材の製造方法、及び光透過性電磁波シールド性窓材、 |
-
2008
- 2008-06-10 JP JP2008151233A patent/JP2009302084A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007329461A (ja) * | 2006-05-01 | 2007-12-20 | Bridgestone Corp | 光透過性電磁波シールド性窓材の製造方法、及び光透過性電磁波シールド性窓材、 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108424732A (zh) * | 2018-01-16 | 2018-08-21 | 广东鑫丰海电子科技有限公司 | 一种环氧树酯导电胶和电磁屏蔽膜及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4802248B2 (ja) | 導電性パターンの製造方法およびこれによって製造された導電性パターン | |
JP5418121B2 (ja) | 透明導電材 | |
US7244159B2 (en) | Electromagnetic-shielding transparent window member and method for producing the same | |
JP5227570B2 (ja) | 透明導電性部材の製造方法 | |
WO1999034658A1 (fr) | Element transparent de blindage contre des ondes electromagnetiques et son procede de production | |
JP2008085305A (ja) | 光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ | |
JP2009163235A (ja) | 光学フィルタ、ディスプレイ用光学フィルタ及びこれを備えたディスプレイ並びにプラズマディスプレイパネル | |
JP2007227906A (ja) | 導電性基板およびその製造方法 | |
JP2003304090A (ja) | 電磁波遮蔽材料及びその製造方法 | |
JP2007149633A (ja) | 透光性導電膜基板の製造方法 | |
JP2009252868A (ja) | 光透過性電磁波シールド材及びその製造方法 | |
JP2009129969A (ja) | 画像形成方法、光透過性電磁波シールド材の製造方法、並びに光透過性電磁波シールド材 | |
JP2009302432A (ja) | 導電性部材の製造方法 | |
JP4423547B2 (ja) | 導体層パターン及び電磁波遮蔽体の製造法 | |
JP2009302090A (ja) | 光透過性電磁波シールド材、およびその製造方法、並びにディスプレイ用フィルタ | |
JP2009147121A (ja) | 導電性部材の製造方法および導電性部材 | |
JP2008041765A (ja) | 電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 | |
JP2008218777A (ja) | 光透過性電磁波シールド材の製造方法 | |
JP2004335609A (ja) | 電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 | |
JP2011035220A (ja) | 光透過性電磁波シールド材の製造方法、及び光透過性電磁波シールド材 | |
JP2009302084A (ja) | 光透過性電磁波シールド材の製造方法、光透過性電磁波シールド材、およびディスプレイ用フィルタ、並びに導電材料の電気抵抗を低下させる方法 | |
JP2007042887A (ja) | 光透過性電磁波シールド性窓材及びその製造方法 | |
JP2008042021A (ja) | 光透過性電磁波シールド性窓材の製造方法、その製造装置、及び光透過性電磁波シールド性窓材、 | |
JP4459016B2 (ja) | 電磁波シールド材及びその製造方法 | |
KR20140024878A (ko) | 투명 컴포넌트 개선 및 투명 컴포넌트 관련 개선 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110603 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20120713 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120724 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121120 |